(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090277
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】毛髪化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/86 20060101AFI20240627BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240627BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/49
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206059
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000108672
【氏名又は名称】タカラベルモント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直史
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC122
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC442
4C083AC521
4C083AC522
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC712
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD281
4C083AD282
4C083AD432
4C083BB01
4C083CC33
4C083DD23
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】仕上がりの指通りに優れた毛髪化粧料組成物を提供する。
【解決手段】毛髪化粧料組成物は、成分(A)~(C)を含有する。成分(A)は、ポリプロピレングリコールおよびポリプロピレングリコール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つである。成分(B)は、界面活性剤である。成分(C)は、水である。成分(A)の分子量は、500以上である。毛髪化粧料組成物は、成分(D)として、セルロース、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール誘導体、および高重合ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つをさらに含有していてもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)~(C)を含有し、前記成分(A)の分子量が500以上である、毛髪化粧料組成物。
(A)ポリプロピレングリコールおよびポリプロピレングリコール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つ
(B)界面活性剤
(C)水
【請求項2】
成分(D)として、セルロース、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール誘導体、および高重合ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つをさらに含有する、請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
染毛後かつ洗髪前に使用される、請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料組成物に関する。より具体的に本発明は、仕上がりの指通りに優れた毛髪化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は、毛髪の表面に存在するキューティクル、毛髪の内部に存在するコルテックス、および毛髪の中心部に存在するメデュラから構成されている。毛髪は、日常生活における紫外線照射、ヘアカラーおよびパーマ施術等の化学処理、並びに、ヘアアイロンおよびドライヤー等の熱を利用した物理処理によって、日常的に損傷を受けている。毛髪が損傷を受けることによって、キューティクルが毛髪から剥離したり、コルテックスが流出したりする。その結果、毛髪の手触りが悪くなる。
【0003】
上記の問題に対処するために、特定の化合物を含む毛髪処理剤が提案されている。
【0004】
特許文献1には、ダイマー酸エステル及び/又はダイマージオールエステル、炭素数10以上のアルキル基を有するカチオン化セルロース、界面活性剤、および水を含む化粧料組成物が記載されている。
【0005】
特許文献2には、アルキルスルタイン、アルキルヒドロキシスルタイン、及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上、および、所定の、ポリオキシアルキレン構造を含有するアミノポリエーテル変性シリコーンを含有する洗浄剤が記載されている。
【0006】
特許文献3には、染毛後かつ洗髪前に使用される毛髪トリートメント組成物であって、ポリクオタニウム-22を含む、毛髪トリートメント組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-151983号公報
【特許文献2】特開2019-214569号公報
【特許文献3】特開2021-109863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、仕上がりの指通りに優れた毛髪化粧料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
以下の成分(A)~(C)を含有し、前記成分(A)の分子量が500以上である、毛髪化粧料組成物を提供する。
(A)ポリプロピレングリコールおよびポリプロピレングリコール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つ
(B)界面活性剤
(C)水
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、仕上がりの指通りに優れた毛髪化粧料組成物が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。ただし、以下の説明は、本発明を特定の形態に限定するものではない。
【0012】
本実施形態の毛髪化粧料組成物は、以下の成分(A)~(C)を含有する。加えて、成分(A)の分子量は、500以上である。
(A)ポリプロピレングリコールおよびポリプロピレングリコール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つ
(B)界面活性剤
(C)水
【0013】
・成分(A)
成分(A)は、ポリプロピレングリコールおよびポリプロピレングリコール誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つである。
【0014】
(ポリプロピレングリコール)
ポリプロピレングリコール(PPG)の例は、PPG-9、PPG-12、PPG-13、PPG-15、PPG-16、PPG-17、PPG-20、PPG-26、PPG-30、およびPPG-34である。
【0015】
(ポリプロピレングリコール誘導体)
ポリプロピレングリコール誘導体(PPG誘導体)の例は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、およびポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルである。
【0016】
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルの例は、PPG-5ブテス-5、PPG-5ブテス-7、PPG-7ブテス-10、PPG-10ブテス-9、PPG-12ブテス-12、PPG-15ブテス-20、PPG-17ブテス-17、PPG-28ブテス-35、PPG-30ブテス-30、PPG-33ブテス-45、PPG-36ブテス-36、およびPPG-38ブテス-37である。
【0017】
ポリオキシプロピレンブチルエーテルの例は、PPG-12ブチル、PPG-15ブチル、PPG-17ブチル、PPG-20ブチル、PPG-24ブチル、PPG-26ブチル、PPG-30ブチル、PPG-33ブチル、PPG-40ブチル、PPG-52ブチル、およびPPG-90ブチルエーテルである。
【0018】
ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルの例は、PPG-9ジグリセリルおよびPPG-14ジグリセリルである。
【0019】
成分(A)の分子量は、500以上である。分子量は、600以上、700以上、1000以上、1500以上、2000以上、2500以上、さらには3000以上であってもよい。分子量の上限値は、例えば、10000であり、8000、7000、さらには6000であってもよい。
【0020】
毛髪化粧料組成物における成分(A)の含有量は、例えば、0.00001質量%以上12質量%以下である。含有量は、0.00005質量%以上、0.0001質量%以上、0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、5質量%以上、さらには8質量%以上であってもよく、11質量%以下、10.5質量%以下、さらには10質量%以下であってもよい。
【0021】
・成分(B)
成分(B)は、界面活性剤である。成分(B)の例は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤である。成分(B)は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つであってもよい。
【0022】
(カチオン性界面活性剤)
カチオン性界面活性剤の例は、第四級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤およびアミドアミン型カチオン性界面活性剤である。
【0023】
第四級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤の例は、アルキル四級アンモニウム塩、ジアルキル四級アンモニウム塩、およびエーテル型四級アンモニウム塩である。アミドアミン型カチオン性界面活性剤の例は、脂肪酸アミドアミンである。
【0024】
アルキル四級アンモニウム塩は、例えば、下記式(1)で表される。
【0025】
R1-N+(R2)3・X- (1)
【0026】
式(1)中、R1は、直鎖または分岐鎖を有する炭素数12以上24以下のアルキル基を表す。R2は、炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。X-は、ハロゲン原子または炭素数1~3のアルキル硫酸基を表す。X-は、Cl-であってもよく、メトサルフェートイオンであってもよい。
【0027】
アルキル四級アンモニウム塩の例は、ラウリルトリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、セテアルトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ラウリルトリモニウムブロミド、セトリモニウムブロミド、セテアルトリモニウムブロミド、ステアルトリモニウムブロミド、ベヘントリモニウムブロミド、ラウリルトリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムメトサルフェート、セテアルトリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムメトサルフェート、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ラウリルトリモニウムエトサルフェート、セトリモニウムエトサルフェート、セテアルトリモニウムエトサルフェート、ステアルトリモニウムエトサルフェート、およびベヘントリモニウムエトサルフェートである。
【0028】
ジアルキル四級アンモニウム塩は、例えば、下記式(2)で表される。
【0029】
(R3)2-N+(R4)2・X- (2)
【0030】
式(2)中、R3は、直鎖または分岐鎖を有する炭素数12以上24以下のアルキル基を表す。R4は、炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。X-は、ハロゲン原子または炭素数1~3のアルキル硫酸基を表す。X-は、ハロゲン原子であってもよい。ハロゲン原子は、Cl-であってもよい。
【0031】
ジアルキル四級アンモニウム塩の例は、ジラウリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、およびジココイルジモニウムクロリドである。
【0032】
エーテル型四級アンモニウム塩は、例えば、下記式(3)で表される。
【0033】
R5-O-A-N+(R6)2・X- (3)
【0034】
式(3)中、R5は、直鎖または分岐鎖を有する炭素数12以上24以下のアルキル基を表す。R6は、炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。Aは、炭素数1以上3以下のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基を表す。X-は、ハロゲン原子または炭素数1以上3以下のアルキル硫酸基を表す。X-は、ハロゲン原子であってもよい。ハロゲン原子は、Cl-であってもよい。
【0035】
エーテル型四級アンモニウム塩の例は、ラウロキシプロピルトリモニウムクロリド、セトキシプロピルトリモニウムクロリド、セテアロキシプロピルトリモニウムクロリド、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、ベヘノキシプロピルトリモニウムクロリド、オレオキシプロピルトリモニウムクロリド、ラウリルPGトリモニウムクロリド、セチルPGトリモニウムクロリド、セテアルPGトリモニウムクロリド、ステアリルPGトリモニウムクロリド、ベヘニルPGトリモニウムクロリド、オレイルPGトリモニウムクロリド、およびココイルPGトリモニウムクロリドである。
【0036】
脂肪酸アミドアミンは、例えば、下記式(4)で表される。
【0037】
R7-CONH-A-N-(R8)2 (4)
【0038】
式(4)中、R7は、直鎖または分岐鎖を有する炭素数11以上23以下のアルキル基を表す。R8は、炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。Aは、炭素数1以上3以下のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基を表す。
【0039】
脂肪酸アミドアミンの例は、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、およびベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミドである。
【0040】
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤の例は、ベタイン系界面活性剤、スルタイン(スルホベタイン)系界面活性剤、ヒドロキシスルタイン系界面活性剤、およびイミダゾリン系界面活性剤である。ベタイン系界面活性剤の例は、アルキルベタイン、アルキルアミノベタイン、およびアルキルアミドベタインである。スルタイン系界面活性剤の例は、アルキルスルタインである。ヒドロキシスルタイン系界面活性剤の例は、アルキルヒドロキシスルタインである。成分(B)のより具体的な例は、アルキル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドアルキル酢酸ベタイン、アルキルスルホベタイン、脂肪酸アミドアルキルスルホベタイン、アルキルアミンオキシド、脂肪酸アミドアルキルアミンオキシド、およびイミダゾリン型ベタインである。
【0041】
両性界面活性剤のさらに具体的な例は、ラウリルベタイン、ココベタイン、ステアリルベタイン、オレイルベタイン、ココヘキサデシルジメチルベタイン、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、およびラウラミドプロピルヒドロキシスルタインである。
【0042】
(ノニオン性界面活性剤)
ノニオン性界面活性剤の例は、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミンオキシド、スフィンゴ糖脂質、およびポリグリセリン脂肪酸エステルである。
【0043】
アルキルグルコシドとは、高級アルコールと糖とがグルコシド結合したものである。アルキルグルコシドに含まれるアルキル基の炭素数は、特定の値に限定されず、6以上30以下であってもよく、8以上20以下であってもよく、8以上18以下であってもよい。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキルグルコシドの例は、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、セトステアリルグルコシド、オクチルグルコシド、ノニルグルコシド、(カプリリル/カプリル)グルコシド、およびヤシ油アルキルグルコシドである。
【0044】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテルと脂肪酸とのエステルである。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、モノエステルであってもよく、ジエステルであってもよく、トリエステルであってもよい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの原料の脂肪酸は、炭素数6以上22以下であってもよく、8以上18以下であってもよい。脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、脂肪酸は、直鎖脂肪酸であってもよく、分岐鎖脂肪酸であってもよい。脂肪酸の例は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ脂肪酸、牛脂脂肪酸、2-エチルヘキサン酸、およびイソステアリン酸である。
【0045】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおけるエチレンオキシドの平均付加モル数は、例えば、2以上150以下である。エチレンオキシドの平均付加モル数は、3以上、5以上、6以上、8以上、さらには10以上であってもよく、100以下、さらには80以下であってもよい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの例は、ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、およびトリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンである。なお、括弧内の数字は、エチレンオキシド(E.O.)の平均付加モル数を示す。
【0046】
アミンオキシドは、例えば、以下の式(5)で表される。
【0047】
R9-N+(R10)2-O- (5)
【0048】
式(5)中、R9は、直鎖または分岐鎖を有する炭素数12以上24以下のアルキル基を表す。R10は、炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。
【0049】
アミンオキシドの具体的は、ラウリルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、オレイルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ラウラミドプロピルアミンオキシド、およびミリスタミドプロピルアミンオキシドである。
【0050】
スフィンゴ糖脂質とは、セラミドに糖が結合したものである。糖は、グルコースであってもよく、ガラクトースであってもよい。スフィンゴ糖脂質の例は、グルコシルセラミドおよびガラクトシルセラミドである。
【0051】
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、例えば、ポリグリセリンの水酸基と、脂肪酸とがエステル結合したものである。
【0052】
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度は、例えば、3以上20以下であり、好ましくは3以上10以下である。
【0053】
ポリグリセリン脂肪酸エステルの原料の脂肪酸は、炭素数8以上20以下であってもよく、8以上18以下であってもよい。脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、脂肪酸は、直鎖脂肪酸であってもよく、分岐鎖脂肪酸であってもよい。脂肪酸の具体例は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、ブドウ種子油脂肪酸、およびアンズ核油脂肪酸である。
【0054】
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、モノエステルであってもよく、ジエステルであってもよく、トリエステルであってもよい。
【0055】
ポリグリセリン脂肪酸エステルの例は、ステアリン酸ポリグリセリル-3、ステアリン酸ポリグリセリル-4、ステアリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-10、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、およびイソステアリン酸ポリグリセリル-10である。
【0056】
(アニオン性界面活性剤)
アニオン性界面活性剤の例は、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、アシルイセチオン酸塩、N-アシルアルキルタウリン塩、スルホコハク酸エステル塩、N-アシルポリペプチド塩、アルキルエーテルリン酸塩、ヒドロキシエーテルカルボン酸塩、およびアルキルエーテルカルボン酸塩である。
【0057】
高級脂肪酸塩の例は、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ベヘン酸ナトリウム、およびベヘン酸カリウムである。
【0058】
アルキル硫酸塩の例は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸トリエタノールアミンである。
【0059】
アルキルエーテル硫酸塩の例は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、およびポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンである。
【0060】
α-オレフィンスルホン酸塩の例は、テトラデセンスルホン酸ナトリウムおよびテトラデセンスルホン酸カリウムである。
【0061】
N-アシルアミノ酸塩の例は、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸アンモニウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイルサルコシンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルサルコシンナトリウム、およびN-ラウロイル-N-メチルβ-アラニンカリウムである。
【0062】
アシルイセチオン酸塩の例は、N-ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、N-ラウロイルイセチオン酸カリウム、およびヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸ナトリウムである。
【0063】
N-アシルアルキルタウリン塩の例は、N-ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、N-ラウロイルメチルタウリンナトリウム、およびN-ヤシ油脂肪酸メチルタウリンカリウムである。
【0064】
スルホコハク酸エステル塩の例は、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム液、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウムである。スルホコハク酸エステル塩は、ポリオキシエチレンアルキル(12~14)スルホコハク酸二ナトリウム液および/またはスルホコハク酸ラウリル二ナトリウムであってもよい。
【0065】
N-アシルポリペプチド塩の例は、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンカリウムである。
【0066】
アルキルエーテルリン酸塩の例は、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムである。
【0067】
ヒドロキシエーテルカルボン酸塩の例は、ドデカン-1,2-ジオール酢酸エーテルナトリウムである。
【0068】
アルキルエーテルカルボン酸塩の例は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウムである。
【0069】
成分(B)として、これらの化合物から選ばれる1つのみを用いてもよく、2つ以上を併用してもよい。成分(B)は、カチオン性界面活性剤であってもよい。成分(B)としてカチオン性界面活性剤を使用することによって、仕上がりの柔らかさおよび良好な色持ちにより優れる。カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤であってもよく、アルキル四級アンモニウム塩であってもよい。
【0070】
毛髪化粧料組成物における成分(B)の含有量は、例えば、0.01質量%~30質量%である。含有量は、0.5質量%以上、0.1質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、5質量%以上、8質量%以上、10質量%以上、さらには12質量%以上であってもよく、25質量%以下、20質量%以下、さらには18質量%以下であってもよい。
【0071】
・成分(C)
成分(C)は、水である。成分(C)は、精製水であってもよい。毛髪化粧料組成物において、成分(C)は、主成分であってもよい。「主成分」は、質量基準で最も多く含まれる成分を意味する。毛髪化粧料組成物における成分(C)の含有量は、例えば、50質量%以上であり、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、さらには85質量%以上であってもよい。
【0072】
・成分(D)
毛髪化粧料組成物は、成分(D)をさらに含有していてもよい。成分(D)の例は、セルロース、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール誘導体、および高重合ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つである。成分(D)は、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、および高重合ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つであってもよい。
【0073】
(セルロース誘導体)
セルロース誘導体の例は、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびカチオン化セルロースである。セルロース誘導体を構成するアルキル基の炭素数は、1~5であってもよく、1~3であってもよい。アルキルセルロースの例は、メチルセルロース及びエチルセルロースである。ヒドロキシアルキルセルロースの例は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースである。ヒドロキシアルキルアルキルセルロースの例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。カルボキシアルキルセルロースの例は、カルボキシメチルセルロースである。カチオン化セルロースの例は、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、およびポリクオタニウム-67である。セルロース誘導体は、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースおよびカチオン化セルロースからなる群より選ばれる少なくとも1つであってもよく、ヒドロキシエチルセルロースであってもよい。
【0074】
(ポリエチレングリコール)
ポリエチレングリコールの例は、PEG-4、PEG-6、PEG-8、PEG-12、PEG-20、PEG-32、PEG-40、PEG-75、PEG-150、PEG-240、およびPEG-400である。ポリエチレングリコールは、これらのポリエチレングリコールから選ばれる1つのみを用いてもよく、2つ以上を併用してもよい。
【0075】
(ポリエチレングリコール誘導体)
ポリエチレングリコール誘導体(PEG誘導体)は、繰り返し単位として、エチレンオキサイド(-CH2CH2O-)を含む化合物を意味する。PEG誘導体の例は、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリンである。
【0076】
(高重合ポリエチレングリコール)
高重合ポリエチレングリコールの例は、PEG-2M、PEG-5M、PEG-7M、PEG-9M、PEG-14M、PEG-20M、PEG-23M、PEG-25M、PEG-45M、PEG-65M、PEG-90M、PEG-115M、およびPEG-160Mである。
【0077】
成分(D)として、これらの化合物から選ばれる1つのみを用いてもよく、2つ以上を併用してもよい。成分(D)は、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、および高重合ポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つであってもよい。
【0078】
毛髪化粧料組成物における成分(D)の含有量は、例えば、0.001質量%~10質量%である。含有量は、0.01質量%以上、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上、0.8質量%以上、1.0質量%以上、1.5質量%以上、さらには2.0質量%以上であってもよく、8.0質量%以下、5.0質量%以下、さらには3.0質量%以下であってもよい。
【0079】
毛髪化粧料組成物が成分(D)としてセルロースを含む場合、毛髪化粧料組成物におけるセルロースの含有量は、0.001質量%~5質量%であってもよく、0.01質量%~5質量%であってもよく、0.1質量%~3質量%であってもよい。
【0080】
毛髪化粧料組成物が成分(D)としてセルロース誘導体を含む場合、毛髪化粧料組成物におけるセルロース誘導体の含有量は、0.001質量%~1質量%であってもよく、0.01質量%~1質量%であってもよく、0.05質量%~0.5質量%であってもよい。
【0081】
毛髪化粧料組成物が成分(D)としてポリエチレングリコールを含む場合、毛髪化粧料組成物におけるポリエチレングリコールの含有量は、0.001質量%~5質量%であってもよく、0.01質量%~5質量%であってもよく、0.1質量%~3質量%であってもよい。
【0082】
毛髪化粧料組成物が成分(D)として高重合ポリエチレングリコールを含む場合、毛髪化粧料組成物における高重合ポリエチレングリコールの含有量は、0.001質量%~1質量%であってもよく、0.01質量%~1質量%であってもよく、0.1質量%~0.7質量%であってもよい。
【0083】
・その他の成分
毛髪化粧料組成物は、上述した成分以外の任意の成分を含みうる。任意の成分は、公知の毛髪化粧料に含まれる成分でありうる。
【0084】
任意の成分として、エステル、高級脂肪酸、フッ素化合物、シリコーン類、多価アルコール、カチオン性高分子、加水分解ペプチド、ビタミン類、植物抽出エキス、保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、アミノ酸、香料、精油、色素、pH安定剤、キレート剤、溶剤、抗炎症剤、およびゲル化剤、などが適宜配合されていてもよい。
【0085】
毛髪化粧料組成物は、様々な剤型として調製可能である。剤型の例は、ローション状、クリーム状、ミルク状、ゲル状、泡状、ミスト状、およびスプレー状である。
【0086】
毛髪化粧料組成物の製品形態の例は、インバストリートメント、アウトバストリートメント、シャンプー、染毛剤、パーマ剤、スタイリング剤、および頭皮用製剤である。
【0087】
毛髪化粧料組成物は、乾燥した毛髪に対して使用してもよく、濡れた毛髪に対して使用してもよい。毛髪化粧料組成物は、例えば、染毛した毛髪に対して使用できる。毛髪化粧料組成物を染毛した毛髪に使用することで、染毛後に行われる洗髪、特にシャンプーに対して、優れた褪色粉抑制効果(以下、「良好な色持ち」と記載)を有することができる。
【0088】
毛髪化粧料組成物は、例えば、染毛後かつ洗髪前に使用される。すなわち、染色した毛髪に毛髪化粧料組成物が塗布され、その後、染毛後の最初の洗髪が行われる。毛髪化粧料組成物と毛髪との接触は、例えば、室温下(25℃)において維持する。毛髪化粧料組成物と毛髪との接触を維持する時間は、1分以上であってもよく、5分以上であってもよく、10分以上であってもよい。この時間の上限は、例えば、24時間である。所定時間の経過後、最初の洗髪前に、毛髪化粧料組成物を除去してもよく、除去せずに洗髪を実施してもよい。毛髪化粧料組成物の除去は、例えば、水洗により実施できる。
【0089】
本実施形態に係る毛髪化粧料組成物によれば、仕上がりの指通りに優れる。加えて、本実施形態に係る毛髪化粧料組成物によれば、流し時の指通りの良さ、流し時の柔らかさ、および仕上がりの柔らかさをより向上させることができる。さらに、近年、ファッションカラーや白髪染めが広く普及し、それらを長く楽しみたいというニーズが高まっている。本実施形態に係る毛髪化粧料組成物をファッションカラーや白髪染めした毛髪に適用することによって、色持ちがより良好になる、すなわち、毛髪の褪色をより抑制することもできる。
【実施例0090】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0091】
[毛髪化粧料組成物]
BG10.0質量%、イソステアロイル加水分解コラーゲン/アミノメチルプロパンジオール塩1.0質量%、DL-リンゴ酸0.1質量%、および安息香酸ナトリウム0.3質量%を含む基本組成溶液を調製した。比較例4では、BG89.9質量%、イソステアロイル加水分解コラーゲン/アミノメチルプロパンジオール塩1.0質量%、DL-リンゴ酸0.1質量%、および安息香酸ナトリウム0.3質量%を含む基本組成溶液を使用した。
【0092】
基本組成溶液に、表2~5に記載した組成に従って成分(A)~(D)を加えることによって実施例および比較例に係る毛髪化粧料組成物を調製した。表中の「成分」の欄における(A)~(D)の表記は、それぞれ、成分(A)~(D)に対応する。表中の単位は、全て質量%である。各表の「成分」の欄における「-」の表記は、当該成分を含有していないことを意味する。
【0093】
なお、成分(A)の「ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル」は、PPG-28ブテス-35を使用した。成分(A)の「ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル」は、PPG-9ジグリセリルを使用した。成分(D)の「高重合ポリエチレングリコール」は、PEG-2Mを使用した。
【0094】
<評価A>
上記のとおり調製した毛髪化粧料組成物を染毛処理後の毛束に使用したときの、洗い流し時の指通りの良さ、流し時の柔らかさ、仕上がりの柔らかさ、仕上がりの指通りの良さ、および良好な色持ちについて、以下の方法により評価した。評価結果を、表2~5に示す。
【0095】
<染毛処理後の毛束の作製>
人毛の毛束(ビューラックス社製人毛黒髪)に対してブリーチ剤(エドルブリーチ)を塗布して、約25℃で25分静置させることによって染毛処理を実施した。染毛処理した毛束を流水でしっかりと洗い流して水気を切った。このようにして染毛処理後の毛束を作製した。
【0096】
<流し時の指通りの良さ>
実施例および比較例に係る毛髪化粧料組成物を、染毛処理後の毛束に均一に塗布した。そして、下記表1に従って調製した毛髪洗浄剤で毛束を洗髪して、流水で洗い流した際の指通りの良さを「流し時の指通りの良さ」として官能評価した。この官能評価は、美容従事者10名によって行われた。「指通りの滑らかさが高い」と評価した美容従事者が8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」と評価した。
【0097】
【0098】
<流し時の柔らかさ>
実施例および比較例に係る毛髪化粧料組成物を、染毛処理後の毛束に均一に塗布した。そして、表1に従って調製した毛髪洗浄剤で毛束を洗髪して、流水で洗い流した際の毛束の柔らかさを「流し時の柔らかさ」として官能評価した。この官能評価は、美容従事者10名によって行われた。「柔らかい」と評価した美容従事者が8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」と評価した。
【0099】
<仕上がりの柔らかさ>
実施例および比較例に係る毛髪化粧料組成物を、染毛処理後の毛束に均一に塗布した。そして、表1に従って調製した毛髪洗浄剤で毛束を洗髪して、流水で洗い流した。その後、毛束をドライヤーで乾燥させた。そして、乾燥後の毛束の柔らかさを「仕上がりの柔らかさ」として官能評価した。この官能評価は、美容従事者10名によって行われた。「柔らかい」と評価した美容従事者が8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」と評価した。
【0100】
<仕上がりの指通りの良さ>
実施例および比較例に係る毛髪化粧料組成物を、染毛処理後の毛束に均一に塗布した。そして、表1に従って調製した毛髪洗浄剤で毛束を洗髪して、流水で洗い流した。その後、毛束をドライヤーで乾燥させた。そして、乾燥後の毛束の指通りを「仕上がりの指通りの良さ」として官能評価した。この官能評価は、美容従事者10名によって行われた。「指通りの滑らかさが高い」と評価した美容従事者が8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」と評価した。
【0101】
<良好な色持ち>
実施例および比較例に係る毛髪化粧料組成物を、染毛処理後の毛束に均一に塗布した。そして、表1に従って調製した毛髪洗浄剤で毛束を洗髪して、流水で洗い流した。その後、毛束をドライヤーで乾燥させた。そして、乾燥後の毛束に対して、美容従事者10名が目視により、洗髪前後の毛束の色の変化を「良好な色持ち」として評価した。「褪色していない」と評価した美容従事者が8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」と評価した。
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
(比較例6A)
上記と同じ方法で染毛処理を行った毛束に、毛髪化粧料組成物を塗布せずに、表1に従って調製した毛髪洗浄剤で毛束を洗髪して、流水で洗い流した。この際の指通りの良さおよび流水で洗い流した際の毛束の柔らかさを、ぞれぞれ、「流し時の指通りの良さ」および「流し時の柔らかさ」として官能評価した。官能評価の方法は、上記した方法と同じである。
【0107】
次に、毛髪洗浄剤を流水で洗い流した後、毛束をドライヤーで乾燥させた。乾燥後の毛束の柔らかさ、乾燥後の毛束の指通り、洗髪前後の毛束の色の変化を、それぞれ、「仕上がりの柔らかさ」、「仕上がりの指通りの良さ」、および「良好な色持ち」として官能評価した。官能評価の方法は、上記した方法と同じである。結果を表6に示す。
【0108】
【0109】
各実施例では、仕上がりの指通りの良さが優れていた。加えて、各実施例では、流し時の指通りの良さ、流し時の柔らかさ、および仕上がりの柔らかさに優れていた。さらに、各実施例では、染毛後の毛髪において色持ちが良好であった。
【0110】
また、各実施例では、染毛後および洗髪前に毛髪化粧料組成物を使用することで、良好な色持ちに優れていた。加えて、各実施例では、染毛後および洗髪前に毛髪化粧料組成物を使用することで、流し時の指通りの良さ、流し時の柔らかさ、仕上がりの柔らかさ、および仕上がりの指通りの良さに優れていた。
【0111】
<評価B>
上記のとおり調製した毛髪化粧料組成物を毛束に使用したときの、洗い流し時の指通りの良さ、流し時の柔らかさ、仕上がりの柔らかさ、および仕上がりの指通りの良さについて、以下の方法により評価した。評価結果を、表7~10に示す。
【0112】
<評価用毛束の作製>
人毛の毛束(ビューラックス社製人毛黒髪)を水洗し、上記表1に従って調製した毛髪洗浄剤で毛束を洗髪した。その後、毛髪洗浄剤を洗い流し水気を切った。この毛束を以下の各試験に用いた。
【0113】
<流し時の指通りの良さ>
下記表7~10に記載した毛髪化粧料組成物を毛束の全体に塗布した。その後、毛髪化粧料組成物を塗布した毛束を流水で洗い流した際の指通りの良さを「流し時の指通りの良さ」として官能評価した。この官能評価は、美容従事者10名によって行われた。「指通りが良い」と評価した美容従事者が8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」と評価した。
【0114】
<流し時の柔らかさ>
下記表7~10に記載した毛髪化粧料組成物を毛束の全体に塗布した。その後、毛髪化粧料組成物を塗布した毛束を流水で洗い流した際の指通りの良さを「流し時の柔らかさ」として官能評価した。この官能評価は、美容従事者10名によって行われた。「柔らかい」と評価した美容従事者が8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」と評価した。
【0115】
<仕上がりの柔らかさ>
下記表7~10に記載した毛髪化粧料組成物を毛束の全体に塗布した。次に、毛髪化粧料組成物を塗布した毛束を流水で洗い流した。その後、毛束をドライヤーで乾燥させた。乾燥後の毛束の柔らかさを「仕上がりの柔らかさ」として官能評価した。この官能評価は、美容従事者10名によって行われた。「柔らかい」と評価した美容従事者が8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」と評価した。
【0116】
<仕上がりの指通りの良さ>
下記表7~10に記載した毛髪化粧料組成物を毛束の全体に塗布した。次に、毛髪化粧料組成物を塗布した毛束を流水で洗い流した。その後、毛束をドライヤーで乾燥させた。乾燥後の毛束の指通りの良さを「仕上がりの指通りの良さ」として官能評価した。この官能評価は、美容従事者10名によって行われた。「指通りが良い」と評価した美容従事者が8名以上であった場合を「◎」、6~7名であった場合を「○」、4~5名であった場合を「△」、3名以下であった場合を「×」と評価した。
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
各実施例では、仕上がりの指通りの良さが優れていた。加えて、各実施例では、洗い流し時の指通りの良さ、流し時の柔らかさ、および仕上がりの柔らかさもより優れていた。