(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090298
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】音声入力装置
(51)【国際特許分類】
H03F 1/26 20060101AFI20240627BHJP
H03G 3/20 20060101ALI20240627BHJP
H03G 3/30 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H03F1/26
H03G3/20 C
H03G3/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206102
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】片亀 博和
【テーマコード(参考)】
5J100
5J500
【Fターム(参考)】
5J100LA10
5J100QA01
5J100SA02
5J500AA02
5J500AC47
5J500AC52
5J500AF07
5J500AF18
5J500AH02
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH39
5J500AK02
5J500AS05
5J500AT01
5J500LV07
5J500RU07
(57)【要約】
【課題】ノイズを低減させてノイズの出力を抑制することができる音声入力装置を提供する。
【解決手段】音声入力装置は、外部から入力された音声信号を出力する信号端子、およびグランドに接続されるグランド端子を有する音声端子と、第1入力端子および第2入力端子を有する差動増幅回路と、信号端子と第1入力端子とを接続する第1回路と、グランド端子と第2入力端子と接続する第2回路と、を備え、第2回路は第1プルダウン抵抗器を介してグランドに接続される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力された音声信号を出力する信号端子、およびグランドに接続されるグランド端子を有する音声端子と、
第1入力端子および第2入力端子を有する差動増幅回路と、
前記信号端子と前記第1入力端子とを接続する第1回路と、
前記グランド端子と前記第2入力端子と接続する第2回路と、を備え、
前記第2回路は第1プルダウン抵抗器を介してグランドに接続される、音声入力装置。
【請求項2】
前記第1回路において前記第1入力端子の前段に設けられた第1信号レベル調整用抵抗器と、
前記第2回路において前記第2入力端子の前段に設けられた第2信号レベル調整用抵抗器と、を備え、
前記第1信号レベル調整用抵抗器と前記第2信号レベル調整用抵抗器とは同じ抵抗値となる、請求項1に記載の音声入力装置。
【請求項3】
前記第1回路は、第2プルダウン抵抗器を介してグランドに接続される、請求項1または2に記載の音声入力装置。
【請求項4】
前記差動増幅回路は、前記第1入力端子に入力される前記音声信号に重畳するノイズと、前記第2入力端子に入力されるノイズとを除去する、請求項1または2に記載の音声入力装置。
【請求項5】
第1入力方式により前記音声信号が入力される際に第1信号を出力し、第2入力方式により前記音声信号が入力される際に第2信号を出力する制御回路と、
前記制御回路から出力された前記第1信号に応じてOFF状態からON状態に切り替わることにより電流が流れる第1スイッチと、
前記第1回路と前記第2回路とを第1入力レベル調整用抵抗器を介して接続するとともに、前記第1スイッチがON状態のときに流れる電流に応じて、OFF状態からON状態に切り替え、前記第1回路と前記第2回路とを導通させる第2スイッチと、
前記制御回路から出力された前記第2信号に応じてOFF状態からON状態に切り替わることにより電流が流れる第3スイッチと、
前記第1回路と前記第2回路とを第2入力レベル調整用抵抗器を介して接続するとともに、前記第3スイッチがON状態のときに流れる電流に応じて、OFF状態からON状態に切り替え、前記第1回路19と前記第2回路20とを導通させる第4スイッチと、を備える、請求項4に記載の音声入力装置。
【請求項6】
前記第1入力レベル調整用抵抗器の抵抗値は、前記第1入力方式により入力された前記音声信号の入力レベルが適正値となるように設定されており、
前記第2入力レベル調整用抵抗器の抵抗値は、前記第2入力方式により入力された前記音声信号の入力レベルが適正値となるように設定されている、請求項5に記載の音声入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、入力された音声信号を増幅してスピーカに出力する増幅装置(音声入力装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された増幅装置では、信号検出回路が所定音量以上の音声信号を検出していない場合、制御回路が交流電源との間に接続されたスイッチをオフにして、バッテリーからの電圧を供給するように構成されている。この構成により、所定音量以上の音声信号を検出していない場合、ハムノイズが音声として出力されないようにすることができる。
【0005】
しかしながら特許文献1に開示された増幅装置は、ハムノイズそのものを低減させるものではない。
【0006】
本開示の目的は、ノイズを低減させてノイズの出力を抑制することができる音声入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る音声入力装置は、外部から入力された音声信号を出力する信号端子、およびグランドに接続されるグランド端子を有する音声端子と、第1入力端子および第2入力端子を有する差動増幅回路と、前記信号端子と前記第1入力端子とを接続する第1回路と、前記グランド端子と前記第2入力端子と接続する第2回路と、を備え、前記第2回路は第1プルダウン抵抗器を介してグランドに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る音声再生システムの要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す音声再生システムが含む無線送信機および電気音響変換器の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す音声再生システムが備える無線送信機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図3に示す無線送信機が含む音声入力部の要部構成の一例を示す回路図である。
【
図5】本開示の第1実施形態の変形例に係る無線送信機が含む音声入力部の要部構成の一例を示す回路図である。
【
図6】本開示の第2実施形態に係る無線送信機が含む音声入力部の要部構成の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下ではすべての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、以下に説明する実施形態は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態に限定されない。この実施形態以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
(第1実施形態)
(音声再生システム)
本開示の第1実施形態に係る音声再生システム100について
図1、
図2を参照して説明する。
図1は、本開示の第1実施形態に係る音声再生システム100の要部構成の一例を示すブロック図である。
図2は、
図1に示す音声再生システム100が含む無線送信機2および電気音響変換器3の一例を示す斜視図である。
【0011】
図1に示されるように、音声再生システム100は、テレビ受信機1と、無線送信機2(音声入力装置)と、電気音響変換器3と、を備えてなる構成である。なお、電気音響変換器3としては、例えば、
図2に示されるような、ユーザが首にかけて使用するスピーカである、いわゆるウェアラブルネックスピーカが例示できる。ウェアラブルネックスピーカは、首回りの形状に沿うように屈曲した本体部の両端部近傍にそれぞれ不図示のスピーカが設けられている。電気音響変換器3はこのネックスピーカに限定されるものではなく、イヤホン型のスピーカ、ヘッドフォン型のスピーカ、または据え置き型のスピーカなどであってもよい。
【0012】
テレビ受信機1と無線送信機2とは、例えば有線の音声ケーブル5で接続されており、音声信号がテレビ受信機1から音声ケーブル5を通じて無線送信機2に入力される。また、無線送信機2は、例えば、有線のUSBケーブル4を通じてテレビ受信機1から電力が供給されるように構成されており、
図2に示されるようなボックス型の送信機とすることができる。
【0013】
無線送信機2と電気音響変換器3とは無線により通信可能となっており、無線送信機2はテレビ受信機1から入力された音声信号を電気音響変換器3に送信することができる。なお、無線送信機2は、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信規格によって電気音響変換器3との間の通信を確立させることができる。
【0014】
また、無線送信機2では、USBケーブル4および音声ケーブル5それぞれがテレビ受信機1と無線送信機2とに接続されることでUSBケーブル4のグランド(GND)と音声ケーブル5のグランドとがループになり発生するハムノイズを抑制することができるように構成されている。無線送信機2の詳細な構成については以下に示す。
【0015】
(無線送信機)
図3および
図4を参照して無線送信機2の詳細な構成について説明する。
図3は、
図1に示す音声再生システム100が備える無線送信機2の要部構成の一例を示すブロック図である。
図4は、
図3に示す無線送信機2が含む音声入力部10の要部構成の一例を示す回路図である。
【0016】
図3に示されるように、無線送信機2は、USB端子24、音声入力部10、および制御回路30を備える。テレビ受信機1から送信されたUSBデジタル信号が、USBケーブル4を通じてUSB端子24に入力されると、USB端子24から差動信号が例えば、制御回路30に出力されたり、電力が無線送信機2の各部に供給されたりする。このように、音声再生システム100では、電源VccからUSBケーブル4を通じて電力を無線送信機2に供給することができるように構成されている。
【0017】
音声入力部10は、テレビ受信機1から送信された音声信号が、音声ケーブル5を通じて入力される回路である。テレビ受信機1を音声信号の出力側とした場合、無線送信機2は音声信号の入力側となる。
【0018】
制御回路30は、無線送信機2が備える各部の各種制御を行う回路である。制御回路30は、1つの半導体チップ上に無線送信機2の備える各部の各種制御に必要な機能を実装させた、例えば、SоC(System on a Chip)とすることができる。
図3に示されるように、制御回路30は、アンテナを通じて、例えば、音声信号などを電気音響変換器3に無線で送信するように制御する送信部31を含む。また、テレビ受信機1から送信された音声信号を受け付ける差動増幅回路12、および音声信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するADC33を含む。
【0019】
図3では図示していないが、無線送信機2は、オーディオセレクタをさらに備え、異なる複数の音源からの音声信号を受け付けることができるように構成されていてもよい。
【0020】
ところで、テレビ受信機1と無線送信機2との間には、音声信号が送信される音声ケーブル5と、USBデジタル信号が送信されるUSBケーブル4とが接続されている。そして、
図4に示されるように、無線送信機2において、音声ケーブル5が接続される音声端子21、ならびにUSBケーブル4が接続されるUSB端子24それぞれは共に、グランドに接続されている。
【0021】
このため、無線送信機2では、USBケーブル4のグランドと音声ケーブル5のグランドとがテレビ受信機1を介してループになることで生じたグランドのノイズがハムノイズとなり、音声信号に混入する可能性がある。そこで、本開示の第1実施形態に係る無線送信機2では、音声入力部10が
図4に示されるように構成されている。
【0022】
すなわち、音声入力部10は、USBケーブル4を介して電源Vccから電力が供給されるUSB端子24と、USB端子24から無線送信機2の各部に電力を供給する電源供給回路23と、USB端子24から制御回路30等に差動信号を供給する信号供給回路26とを備える。なお、USB端子24は、電源グランド回路25を通じてグランドに接続される。
【0023】
また、音声入力部10は、音声信号が入力される音声端子21、差動増幅回路12、第1回路19、および第2回路20を含む。
【0024】
音声端子21は、テレビ受信機1など外部から音声ケーブル5を介して入力された音声信号を出力する信号端子21aと、グランドに接続されるグランド端子21bとを有する。
【0025】
第1回路19は、音声端子21の信号端子21aと差動増幅回路12の非反転入力端子(+)(第1入力端子)とを接続しており、音声信号が送信される。音声信号は、第1回路19において、第2抵抗器15(第1信号レベル調整用抵抗器)および第1コンデンサ13を介して差動増幅回路12の非反転入力端子(+)に入力される。なお、本明細書では、音声端子21の信号端子21aから第2抵抗器15および第1コンデンサ13を介して差動増幅回路12の非反転入力端子(+)に至るまでの回路を第1回路19と称する。
【0026】
第2回路20は、音声端子21のグランド端子21bと差動増幅回路12の反転入力端子(-)(第2入力端子)とを接続する。本明細書では、音声端子21のグランド端子21bから第3抵抗器16(第2信号レベル調整用抵抗器)および第2コンデンサ14を介して差動増幅回路12の反転入力端子(-)に至るまでの回路を第2回路20と称する。また、第2回路20は、第1抵抗器18(第1プルダウン抵抗器)を介してグランドに接続される。なお、グランドの前段に第1抵抗器18を設けることに起因して生じたノイズは、第2回路20において第3抵抗器16および第2コンデンサ14を介して差動増幅回路12の反転入力端子(-)に入力されるとともに、第4抵抗器17、第2抵抗器15、第1コンデンサ13を介して、差動増幅回路12の非反転入力端子(+)に入力される。差動増幅回路12は非反転入力端子(+)に入力される信号および反転入力端子(-)に入力される信号の差分を一定係数で増幅する増幅回路であり、オペアンプを含む。本開示の第1実施形態に係る無線送信機2では、差動増幅回路12の反転入力端子(-)は、上述のとおり、第2回路20および第1抵抗器18を介してグランドに接続されている。
【0027】
また、
図4に示されるように、第1回路19と第2回路20とは第4抵抗器17を介して接続されている。第4抵抗器17は、音声信号の入力側となるテレビ受信機1から入力された音声信号の入力レベルを適正値にするために設けられた抵抗器である。
【0028】
本開示の第1実施形態に係る無線送信機2では、第2回路20において、グランドの前段に設けられた第1抵抗器18の抵抗値は、グランドと同電位にする為に設定されている。このように第2回路20が直接グランドに接続されないため、USB端子24側からハムノイズがのった電流が第2回路20へ回ってこないように遮断して音声信号に対するハムノイズの影響を抑制することができる。
【0029】
また、第1回路19において差動増幅回路12の非反転入力端子(+)の前段には、上述のとおり第1コンデンサ13および第2抵抗器15が設けられている。また第2回路20において差動増幅回路12の反転入力端子(-)の前段には第2コンデンサ14および第3抵抗器16が設けられている。ここで第1コンデンサ13と第2コンデンサ14とは同じ仕様となっている。また第2抵抗器15と第3抵抗器16とは同じ仕様、すなわち同じ抵抗値となっている。
【0030】
このように、第1回路19において第1コンデンサ13が設けられ、第2回路20において第2コンデンサ14が設けられているため、直流成分がカットされたアナログ信号のみを差動増幅回路12の非反転入力端子(+)および反転入力端子(-)それぞれに入力することができる。
【0031】
また、第1回路19において差動増幅回路12の非反転入力端子(+)の前段に第2抵抗器15が、第2回路20において差動増幅回路12の反転入力端子(-)の前段に第3抵抗器16がそれぞれ設けられている。このため、差動増幅回路12の非反転入力端子(+)および反転入力端子(-)それぞれに同層で同じ信号レベルとなるノイズが含まれる信号が入力されるように調整することができる。
【0032】
差動増幅回路12では、非反転入力端子(+)に入力される音声信号に重畳するノイズと、反転入力端子(-)に入力されるノイズとが打ち消しあって除去される。そして、ノイズが除去された音声信号が差動増幅回路12からADC33に供給され、ADC33でデジタル信号に変換される。
【0033】
したがって、第1実施形態に係る無線送信機2は、ノイズを低減させてノイズの出力を抑制することができる。
【0034】
なお、
図4に示す例では、第2抵抗器15は第1コンデンサ13の前段に、第3抵抗器16は第2コンデンサ14の前段にそれぞれ設けられている。しかしながら第2抵抗器15は第1回路19において非反転入力端子(+)の前段であって第1コンデンサ13の後段に設けられてもよい。同様に第3抵抗器16は第2回路20において反転入力端子(-)の前段であって第2コンデンサ14の後段に設けられてもよい。
【0035】
また、
図5に示されるように、第1回路19は、第2回路20と同様に第5抵抗器22(第2プルダウン抵抗器)を介してグランドに接続される構成であってもよい。
図5は本開示の第1実施形態の変形例に係る無線送信機2が含む音声入力部10の要部構成の一例を示す回路図である。
【0036】
図5に示されるように、第1回路19は、第2抵抗器15の前段で、第5抵抗器22を介してグランドに接続されており、第5抵抗器22は、第1抵抗器18と同様な仕様となる。
【0037】
このように第1回路19も第2回路20と同様にグランドされた構成とした場合、第1回路19のグランドで生じるノイズの信号レベルを第2抵抗器15によって調整する。また、第2回路20のグランドで生じるノイズを第3抵抗器16によって調整する。そして、第1回路19を通じて差動増幅回路12の非反転入力端子(+)に入力される信号に重畳されたノイズと、第2回路20を通じて差動増幅回路12の反転入力端子(-)に入力されるノイズとをそれぞれ、同層で同じ信号レベルになるように調整することができる。
【0038】
本開示の第1実施形態の変形例に係る音声入力部10は、本開示の第1実施形態に係る音声入力部10よりも差動増幅回路12に入力されるノイズの信号レベルの調整が容易となる点で有利となる。
【0039】
(第2実施形態)
図6を参照して本開示の第2実施形態に係る無線送信機50(音声入力装置)について説明する。
図6は、本開示の第2実施形態に係る無線送信機50が含む音声入力部10の要部構成の一例を示す回路図である。
【0040】
図6に示されるように、第2実施形態に係る無線送信機50が備える音声入力部10は、第1実施形態に係る無線送信機2が備える音声入力部10の構成と比較して、第4抵抗器17の代わりに、ヘッドフォン入力時にONとなるようにスイッチとして機能する第1トランジスタ56(第1スイッチ)および第2トランジスタ62(第2スイッチ)を備えるとともに、ライン入力時にONとなるようにスイッチとして機能する第3トランジスタ59(第3スイッチ)および第4トランジスタ65(第4スイッチ)を備える点で相違する。
【0041】
なお、ヘッドフォン入力時とは、テレビ受信機1のヘッドフォン端子から出力された音声信号が無線送信機50に入力される場合であり、ライン入力時とは、テレビ受信機1のライン端子から出力された音声信号が無線送信機50に入力される場合である。
【0042】
さらにまた、第2実施形態に係る無線送信機50が備える音声入力部10は、第1実施形態に係る無線送信機2が備える音声入力部10の構成と比較して、第6抵抗器54、第7抵抗器55、第8抵抗器57、第9抵抗器58、第10抵抗器60、第11抵抗器61、第12抵抗器63、第13抵抗器64、第14抵抗器69、第15抵抗器70、第16抵抗器71、第17抵抗器72、第18抵抗器73、第3コンデンサ66、第4コンデンサ67、および第5コンデンサ68をさらに備える点で相違する。
【0043】
それ以外の点については、第2実施形態に無線送信機50は、第1実施形態に係る無線送信機2と同様となるため、同様な部材については同じ符号を付し、その説明については省略する。
【0044】
すなわち、
図6に示されるように、音声入力部10は、制御回路30における不図示のピン(例えば、GPIO;General Purpose Input/Output)を介して制御回路30から、第1信号(Low信号)を第1トランジスタ56のベースに供給する第3回路51と、第2信号(Low信号)を第3トランジスタ59のベースに供給する第4回路52とをそれぞれ含む。また、音声入力部10は、電源80から第1トランジスタ56および第3トランジスタ59それぞれに電流を供給する第5回路53を含む。
【0045】
第3回路51は、第6抵抗器54を介して、制御回路30と第1トランジスタ56のベースとを接続する。また、第3回路51は第6抵抗器54と第1トランジスタ56との間で分岐しており、第7抵抗器55を介して第5回路53に接続される。
【0046】
第4回路52は、第8抵抗器57を介して、制御回路30と第3トランジスタ59のベースとを接続する。また、第4回路52は、第8抵抗器57と第3トランジスタ59との間で分岐しており、第9抵抗器58を介して第5回路53に接続される。
【0047】
第5回路53は、第1トランジスタ56のコレクタと、第3トランジスタ59のコレクタとにそれぞれ接続されている。
【0048】
第1トランジスタ56のエミッタは、第10抵抗器60を介して第2トランジスタ62のベースに接続される。また、第3トランジスタ59のエミッタは、第12抵抗器63を介して第4トランジスタ65のベースに接続される。
【0049】
第2トランジスタ62のコレクタは第11抵抗器61を介して第1回路19に接続されており、第2トランジスタ62のエミッタは第2回路20に接続されている。
【0050】
第4トランジスタ65のコレクタは第13抵抗器64を介して第1回路19に接続されており、第4トランジスタ65のエミッタは第2回路20に接続されている。
【0051】
また、第2トランジスタ62と第4トランジスタ65との間において、第1回路19と第2回路20とが、第3コンデンサ66、第4コンデンサ67、および第5コンデンサ68を介して接続されている。
【0052】
また、第1回路19において、第5コンデンサ68との節点と、第4コンデンサ67との節点との間には第15抵抗器70が、第1回路19において、第4コンデンサ67との節点と、第3コンデンサ66との節点との間には第14抵抗器69がそれぞれ設けられている。
【0053】
また、第2回路20において、第5コンデンサ68との節点と、第4コンデンサ67との節点との間には第17抵抗器72が、第1回路19において、第4コンデンサ67との節点と、第3コンデンサ66との節点との間には第16抵抗器71がそれぞれ設けられている。さらにまた、第2回路20において、第1抵抗器18との節点の前段に第18抵抗器73が設けられている。
【0054】
第2実施形態に係る無線送信機50が備える音声入力部10では、第14抵抗器69、第15抵抗器70、第16抵抗器71、第17抵抗器72、第3コンデンサ66、第4コンデンサ67、および第5コンデンサ68によって第1回路19および第2回路20それぞれを通じて差動増幅回路12に入力される信号の信号レベルを調整することができる。
【0055】
また、第2実施形態に係る無線送信機50では、ヘッドフォン入力時には、制御回路30は第3回路51を通じて第1信号を第1トランジスタ56のベースに供給する。これにより第1トランジスタ56がONとなり、第1トランジスタ56のコレクタとエミッタとの間を電源80から印加された電圧に応じて電流が流れ、第2トランジスタ62のベースに供給される。
【0056】
第2トランジスタ62のベースに電流が供給されると第2トランジスタ62がONとなり、第2トランジスタ62のコレクタとエミッタとの間が導通される。つまり、第1回路19と第2回路20とは第11抵抗器61を介して電気的に接続された状態となる。
【0057】
なお、第11抵抗器61は、ヘッドフォン入力時において音声信号の入力側となるテレビ受信機1から入力された音声信号の入力レベルを適正値にするために設けられた抵抗器である。
【0058】
一方、ライン入力時には、制御回路30は第4回路52を通じて第2信号を第3トランジスタ59のベースに供給する。これにより第3トランジスタ59がONとなり、第3トランジスタ59のコレクタとエミッタとの間を電源80から印加された電圧に応じた電流が流れ、第4トランジスタ65のベースに供給される。第4トランジスタ65では、ベースに電流が供給されると第4トランジスタ65がONとなり、第4トランジスタ65のコレクタとエミッタとの間が導通される。つまり第1回路19と第2回路20とは第13抵抗器64を介して電気的に接続された状態となる。
【0059】
なお、第13抵抗器64は、ライン入力時において音声信号の入力側となるテレビ受信機1から入力された音声信号の入力レベルを適正値にするために設けられた抵抗器である。
【0060】
ここで、ヘッドフォン入力時とライン入力時とでは音声信号の規定が異なっており、音声信号の出力側であるテレビ受信機1のインピーダンスの値などが異なる。このため、ヘッドフォン入力時では、第1回路19と第2回路20とは第11抵抗器61を介して接続された状態とし、ライン入力時では第1回路19と第2回路20とは第13抵抗器64を介して接続された状態に切り替えるように構成することで、音声信号の入力方式に合わせてテレビ受信機1から入力された音声信号の入力レベルを適正値にすることができる。
【0061】
換言すると、第2実施形態に係る無線送信機50は、以下の構成を有するものといえる。すなわち、無線送信機50は、第1入力方式(例えば、ヘッドフォン入力)により音声信号が入力される際に第1信号を出力し、第2入力方式(例えば、ライン入力)により前記音声信号が入力される際に第2信号を出力する制御回路30を備える。そして、無線送信機50は、制御回路30から出力された第1信号に応じてOFF状態からON状態に切り替わることにより電流が流れる第1スイッチ(第1トランジスタ56)と、第1回路19と第2回路20とを第1入力レベル調整用抵抗器(第11抵抗器61)を介して接続するとともに、第1スイッチがON状態のときに流れる電流に応じて、OFF状態からON状態に切り替え、第1回路19と第2回路20とを導通させる第2スイッチ(第2トランジスタ62)とをさらに備える。
【0062】
また、無線送信機50は、制御回路30から出力された第2信号に応じてOFF状態からON状態に切り替わることにより電流が流れる第3スイッチ(第3トランジスタ59)と、第1回路19と第2回路20とを第2入力レベル調整用抵抗器(第13抵抗器64)を介して接続するとともに、第3スイッチがON状態のときに流れる電流に応じて、OFF状態からON状態に切り替え、第1回路19と第2回路20とを導通させる第4スイッチ(第4トランジスタ65)とをさらに備える。
【0063】
そして、第1入力レベル調整用抵抗器(第11抵抗器61)の抵抗値は、第1入力方式(例えば、ヘッドフォン入力)により入力された音声信号の入力レベルが適正値となるように設定されている。また、第2入力レベル調整用抵抗器(第13抵抗器64)の抵抗値は、第2入力方式(例えば、ライン入力)により入力された音声信号の入力レベルが適正値となるように設定されている。なお、第2実施形態に係る無線送信機50は、第1実施形態に係る無線送信機2と同様に、第2回路20において、グランドの前段に設けられた第1抵抗器18の抵抗値は、グランドと同電位にする為に設定されている。このように第2回路20が直接グランドに接続されないため、USB端子24側からハムノイズがのった電流が第2回路20へ回ってこないように遮断して音声信号に対するハムノイズの影響を抑制することができる。
【0064】
また、第1回路19において差動増幅回路12の非反転入力端子(+)の前段には、
図6に示されるように、第1コンデンサ13、第2抵抗器15、第14抵抗器69、および第15抵抗器70が設けられている。
【0065】
また、第2回路20において差動増幅回路12の反転入力端子(-)の前段には、
図6に示されるように、第2コンデンサ14、第3抵抗器16、第16抵抗器71、および第17抵抗器72が設けられている。ここで第1コンデンサ13と第2コンデンサ14とは同じ仕様となっている。また第2抵抗器15と第3抵抗器16とは同じ仕様、すなわち同じ抵抗値となっている。また、第14抵抗器69と第16抵抗器71とは同じ抵抗値となっている。また、第15抵抗器70と第17抵抗器72とは同じ抵抗値となっている。
【0066】
このため、差動増幅回路12の非反転入力端子(+)および反転入力端子(-)それぞれに同層で同じ信号レベルとなるノイズが含まれる信号が入力されるように調整することができる。
【0067】
それゆえ、差動増幅回路12は、非反転入力端子(+)に入力される音声信号に重畳するノイズと、反転入力端子(-)に入力されるノイズとが打ち消しあって除去することができる。
【0068】
以上のように、第2実施形態に係る無線送信機50は、ヘッドフォン入力時であっても、ライン入力時であってもノイズを低減させてノイズの出力を抑制することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 テレビ受信機
2 無線送信機
3 電気音響変換器
4 USBケーブル
5 音声ケーブル
10 音声入力部
12 差動増幅回路
13 第1コンデンサ
14 第2コンデンサ
15 第2抵抗器(第1信号レベル調整用抵抗器)
16 第3抵抗器(第2信号レベル調整用抵抗器)
17 第4抵抗器
18 第1抵抗器(第1プルダウン抵抗器)
19 第1回路
20 第2回路
21 音声端子
21a 信号端子
21b グランド端子
22 第5抵抗器(第2プルダウン抵抗器)
23 電源供給回路
24 USB端子
25 電源グランド回路
30 制御回路
31 送信部
50 無線送信機
51 第3回路
52 第4回路
53 第5回路
54 第6抵抗器
55 第7抵抗器
56 第1トランジスタ(第1スイッチ)
57 第8抵抗器
58 第9抵抗器
59 第3トランジスタ(第3スイッチ)
60 第10抵抗器
61 第11抵抗器(第1入力レベル調整用抵抗器)
62 第2トランジスタ(第2スイッチ)
63 第12抵抗器
64 第13抵抗器(第2入力レベル調整用抵抗器)
65 第4トランジスタ(第4スイッチ)
66 第3コンデンサ
67 第4コンデンサ
68 第5コンデンサ
69 第14抵抗器
70 第15抵抗器
71 第16抵抗器
72 第17抵抗器
73 第18抵抗器
80 電源
100 音声再生システム