(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009031
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】水性ボールペン
(51)【国際特許分類】
B43K 1/08 20060101AFI20240112BHJP
C09D 11/18 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B43K1/08 100
C09D11/18
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190220
(22)【出願日】2023-11-07
(62)【分割の表示】P 2019091401の分割
【原出願日】2019-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小椋 孝介
(72)【発明者】
【氏名】本間 悠一郎
(57)【要約】
【課題】平均粒子径が0.3μm以上と比較的大きな粒子径の樹脂粒子を含んだインク組成物を用いた水性ボールペンにおいて、インクの組成を変更することなしに、ボールペンチップを外気に露出した状態で放置したあとの初筆性の向上を計る。
【解決手段】平均粒子径が0.3μm以上の樹脂粒子が配合された水性インク組成物を収容する水性ボールペン10であって、硬質相成分としての炭化タングステンと、結合相成分としてのコバルト及びニッケルと、クロムと、を含有する混合物からなる筆記ボール30を有するボールペンチップ20を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径が0.3μm以上の樹脂粒子が配合された水性インク組成物を収容する水性ボールペンであって、
硬質相成分としての炭化タングステンを80質量%以上と、
結合相成分としてのコバルト及びニッケルを合計で11質量%以下と、
炭化クロムを3質量%以下と、
からなる混合物からなる筆記ボールを有するボールペンチップを備えることを特徴とする水性ボールペン。
【請求項2】
前記水性インク組成物は前記樹脂粒子を5~30質量%含有することを特徴とする請求項1記載の水性ボールペン。
【請求項3】
前記樹脂粒子は着色剤を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の水性ボールペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質相成分及び結合相成分を有する筆記ボールを備えた水性ボールペンに関する。
【背景技術】
【0002】
ボールペンのボールを構成する材質として、下記特許文献1~3のように、超硬合金やセラミックなどが広く知られている。このような超鋼合金製ボールのインクののり具合や書き味の向上については下記特許文献4及び下記特許文献5にて検討されている。
【0003】
また、水性ボールペンのインクに着色樹脂粒子を含有させることが下記特許文献6に開示されており、特にマイクロスフェア着色剤を用いることが下記特許文献7に開示されている。
【0004】
さらに、熱変性顔料を用いたインクと、コバルト及びニッケルを含有するボールによる筆記性能の向上に関しては下記特許文献8に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭52-106235号公報
【特許文献2】特開2002-19366号公報
【特許文献3】特開2015-51571号公報
【特許文献4】特公昭50-31049号公報
【特許文献5】特開2002-19366号公報
【特許文献6】特開2003-155435号公報
【特許文献7】特開2017-214540号公報
【特許文献8】特開2006-142511号公報
【特許文献9】特開2016-132749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
平均粒子径が0.3μm以上と比較的大きな粒子径の樹脂粒子を含んだインク組成物を用いた水性ボールペンは、ボールペンチップを外気に露出した状態で放置すると、しばしば書き始めのインクが出渋ることがある。これは、ボールペンチップ先端に付着したインクに含まれる水分が蒸発したことにより、インク中における樹脂粒子の安定的な分散性が失われ、緩い凝集体を形成することによるものと推察される。このような現象は、インク中の樹脂粒子の平均粒子径が比較的大きい場合や、また、その配合量が多い場合に発生しやすい。
【0007】
このような初筆性に関する問題点を、インクの組成を調整することで解決することは、上記特許文献9にあるように既に試みられている。しかしながら、初筆性の向上を、インクの組成を変更することなしに試みることはこれまで行われていなかった。
【0008】
上記の問題点に鑑み、本発明は、平均粒子径が0.3μm以上と比較的大きな粒子径の樹脂粒子を含んだインク組成物を用いた水性ボールペンにおいて、インクの組成を変更することなしに、ボールペンチップを外気に露出した状態で放置したあとの初筆性の向上を計ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明の第1の態様は、平均粒子径が0.3μm以上の樹脂粒子が配合された水性インク組成物を収容する水性ボールペンであって、
硬質相成分としての炭化タングステンと、
結合相成分としてのコバルト及びニッケルと、
クロムと、
を含有する混合物からなる筆記ボールを有するボールペンチップを備えることを特徴とする。
【0010】
なお、樹脂粒子の平均粒子径の上限は特に限定されないが、インクの流動性や樹脂粒子の分散性を阻害しないことに鑑み、5μm未満であることが望ましい。
【0011】
また、本発明の第2の態様に係る水性ボールペンは、上記第1の態様の特徴に加え、前記水性インク組成物は前記樹脂粒子を5~30質量%含有することを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の第3の態様に係る水性ボールペンは、上記第1又は第2の態様の特徴に加え、前記樹脂粒子は着色剤を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成されているので、本発明においては、平均粒子径が0.3μm以上と比較的大きな粒子径の樹脂粒子を含んだインク組成物を用いた水性ボールペンにおいて、インクの組成を変更することなしに、ボールペンチップを外気に露出した状態で放置したあとの初筆性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る水性ボールペンを側面図で示す。
【
図2】
図1の水性ボールペンに用いられるリフィルを断面図で示す。
【
図3】
図2のリフィルに用いられるボールペンチップの先端付近を拡大断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図に記された符号のうち、複数の図面において共通するものについては、以下の各図の説明において記述がない場合であっても同じ技術的意義を有するものである。また、各図面においては、図面の上側が先端側であり、図面の下側が後端側である。
【0016】
(1)外観
図1は、第1実施形態に係る水性ボールペン10の側面図である。この水性ボールペン10は、後端に尾栓12が装着されている軸筒11の先端に、クリップ14を備えたキャップ13が装着された外観を呈している。
【0017】
図2は、
図1の水性ボールペン10の軸筒11の内部に装着されるリフィル15の断面図である。リフィル15は、水性インク組成物40を収容する長軸円筒状のインク収容管16の先端に、継手17を介してボールペンチップ20が装着された構造を有する。ボールペンチップ20は、先端が先細に形成されたホルダー21の最先端に筆記ボール30が装着された構造を有する。水性インク組成物40の後端には、水性インク組成物40がリフィル15の後端から流出するのを防止するために、グリース状のフォロワー41が注入されている。このフォロワー41は、筆記によって水性インク組成物40が消費されていくのに伴い、先端方向へ追随していく。
【0018】
図3に、ボールペンチップ20先端付近の拡大断面図を示す。ボールペンチップ20は、円筒状の胴体部の先端が先細に縮径するように形成されたテーパー部27を有するホルダー21と、ホルダー21の内部に抱持される球状の筆記ボール30から構成されている。ホルダー21は、ボールペンチップ20の後端から穿孔されたバック孔28と、ホルダー21の先端付近の内周を切削して拡げて形成したボールハウス22と、ボールハウス22とバック孔28とを貫通するインク誘導孔26と、ボールハウス22の内周面先端とテーパー部27の先端とに挟まれた部位で、かつ、筆記ボール30の中心方向への塑性変形によってかしめられたカシメ部23から構成されている。ボールペンチップ20はさらに、ボールハウス22の底部に設けられ、かつ、インク誘導孔26の周囲に形成されたボール受座24と、ボール受座24とインク誘導孔26とを連絡するようにインク誘導孔26の周囲4箇所に等配されたインク溝25とを有している。なお、インク溝25は水性インク組成物40の粘度等に応じて幅や数を変えてもよい。
【0019】
ホルダー21の組み立ての際は、その先端からボールハウス22に、筆記ボール30を挿入する。そして、筆記ボール30の上部を後端方向に押圧することによって、ボール受座24を筆記ボール30の外形に沿って変形させる。その後、テーパー部27の先端にテーパー状のローラーを用いてかしめ加工を施してカシメ部23を設けることでホルダー21が形成される。
【0020】
このホルダー21は、ビッカース硬度が200~420程度のステンレスから形成されている。ホルダー21の材料は、他に洋白、真鍮、又は黄銅などの金属や樹脂を用いて形成することもできるが、ビッカース硬度(Hv)は170~450であることが望ましい。
【0021】
さらに、ホルダー21は本実施の形態では、中実の線材からの切削加工にて形成されているが、線材からの切削加工に限定されず、たとえば中空状のパイプ材を塑性加工にて形成されてもよい。
【0022】
(2)筆記ボール
本実施形態の筆記ボール30は、硬質相成分としての炭化タングステン(WC)並びに結合相成分としてのコバルト(Co)及びニッケル(Ni)の他にクロム(Cr)を含有する混合物からなる。ここで言及されている金属元素に関しては、単体であっても、化合物であってもいずれでもよい。なお、この混合物は、たとえばモリブデン(Mo)のような他の金属元素を含有することとしてもよい。
【0023】
硬質相成分が筆記ボール30の全体に占める割合は80質量%以上であることが望ましい。
【0024】
そして、前記した硬質相成分、結合相成分及びクロムの材料粉末、並びにそれ以外の成分がある場合にはその成分の材料粉末を粉砕混合した混合物を、略球状に形成した後、焼結して球体に形成する。そして、得られた球体を、一定間隔に保持した2枚の砥石の間でダイヤモンドパウダーとともに転がし、ボール表面31を鏡面に仕上げることで、筆記ボール30が形成される。このボール表面31のビッカース硬度(Hv)は1,600~2,000である。
【0025】
(3)水性インク組成物40
本実施形態の水性インク組成物40は、平均粒子径が0.3μm以上の樹脂粒子が配合されている。この樹脂粒子は、着色剤としての染料又は顔料を含有する微小球体(マイクロスフェア/マイクロカプセル)をこれに充てることもできる。さらには、中空樹脂をこの樹脂粒子とすることもできる。樹脂粒子の含有量は、インク組成物の全体に対し5~30質量%が望ましい。また、樹脂粒子の平均粒子径の上限は、インクの流動性及び樹脂粒子の分散性を損ねない限り特に限定されないが、5μm未満であることが望ましい。
【実施例0026】
(1)筆記ボール
下記の組成による5種類の筆記ボールを製造した。
【0027】
(1-1)ボール1
以下の組成の混合物を、前記した方法にて製造した筆記ボールをボール1とした。
WC(硬質相成分):91質量%
Co(結合相成分):5質量%
Ni(結合相成分):2質量%
Cr3C2:2質量%
【0028】
(1-2)ボール2
以下の組成の混合物を、前記した方法にて製造した筆記ボールをボール2とした。
WC(硬質相成分):89質量%
Co(結合相成分):3質量%
Ni(結合相成分):5質量%
Cr3C2:3質量%
【0029】
(1-3)ボール3
以下の組成の混合物を、前記した方法にて製造した筆記ボールをボール3とした。
WC(硬質相成分):86質量%
Co(結合相成分):10質量%
Ni(結合相成分):1質量%
Cr3C2:3質量%
【0030】
(1-4)ボール4
以下の組成の混合物を、前記した方法にて製造した筆記ボールをボール4とした。
WC(硬質相成分):85質量%
Co(結合相成分):10質量%
Cr3C2:5質量%
【0031】
(1-5)ボール5
以下の組成の混合物を、前記した方法にて製造した筆記ボールをボール5とした。
WC(硬質相成分):91質量%
Ni(結合相成分):6質量%
Cr3C2:3質量%
【0032】
(2)インク
下記のとおり、インク1~3を調整した。
【0033】
(2-1)インク1
(2-1-1)油相溶液
有機溶剤としての酢酸エチル12.5質量部を60℃に加温しながら、ここに水不溶性染料としての油溶性黒染料(Oil Black 860、オリヱント化学工業)3.5質量部を加えて十分に溶解させた。次いで、ここにプレポリマーとしてのヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(TLA-100、旭化成ケミカルズ)8質量部を加えて、油相溶液を調製した。
【0034】
(2-1-2)水相溶液
蒸留水200質量部を60℃に加温しながら、ここに分散剤としてのポリビニルアルコール(PVA-205、クラレ)15質量部を溶解して、水相溶液を調製した。
【0035】
(2-1-3)乳化重合
60℃に加温した上記の水相溶液に前記油相溶液を投入し、ホモジナイザーで乳化混合して重合を完了した。得られた分散体を遠心処理することで着色剤を含むマイクロスフェアを回収した。平均粒子径は1.5μmであった。なお、平均粒子径は、粒子径分布解析装置(HRA9320-X100、日機装)を用いて、屈折率1.81、体積基準により算出されたD50の値を採用した(後述のインク2及び3についても同様)。
【0036】
そして、下記の組成を有するインク組成物を、インク1とした。
マイクロスフェア:15質量部
キサンタンガム(増粘剤、KESLAN S、三晶):0.18質量部
リン酸エステル(プライサーフA219B、第一工業製薬):0.5質量部
防腐剤(バイオデン421、大和化学工業):0.2質量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤):0.3質量部
アミノメチルプロパノール(pH調整剤):0.1質量部、
プロピレングリコール(溶剤):15質量部、
イオン交換水:68.72質量部
【0037】
(2-2)インク2
(2-2-1)熱変色性マイクロカプセル顔料
ロイコ色素として、ETAC(山田化学工業社)1質量部、顕色剤として、ビスフェノールA 2質量部、及び変色性温度調整剤として、ミリスチン酸ミリスチル24質量部を100℃に加熱溶融して、均質な組成物を得た。
【0038】
上記で得た組成物27質量部の均一な100℃の熱溶液に、カプセル膜剤として、イソシアネート10質量部及びポリオール10質量部を加えて撹拌混合した。次いで、保護コロイドとして12%ポリビニルアルコール水溶液60質量部を加えて、25℃で乳化して分散液を調製した。次いで、5%の多価アミン5質量部を添加して、85℃で45分間処理してコアシェル型の、着色剤を含むマイクロカプセルを得た。なお、平均粒子径は2.1μmであった。
【0039】
そして、下記の組成を有するインク組成物を、インク2とした。
熱変色性マイクロカプセル顔料:15質量部
キサンタンガム(増粘剤、KESLAN S、三晶):0.3質量部
リン酸エステル(プライサーフA219B、第一工業製薬):0.3質量部
防腐剤(バイオデン421、大和化学工業):0.2質量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤):0.3質量部
トリエタノールアミン(pH調整剤):0.1質量部
グリセリン(溶剤):10質量部
イオン交換水:73.8質量部
【0040】
(2-3)インク3
下記の組成を有するインク組成物を、インク3とした。
顔料(FUJI RED 2510、冨士色素):8質量部
顔料分散剤(Joncryl 60、BASF JAPAN):6質量部
中空樹脂粒子(ローペイクOP-84J、ダウ・ケミカル、固形分42.5%、平均粒子径0.55μm):10質量部
キサンタンガム(増粘剤、KESLAN S、三晶):0.3質量部
リン酸エステル(プライサーフA219B、第一工業製薬):0.3質量部
防腐剤(バイオデン421、大和化学工業):0.2質量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤):0.3質量部
トリエタノールアミン(pH調整剤):0.5質量部
グリセリン(溶剤):10質量部
イオン交換水:64.4質量部
【0041】
(3)実施例及び比較例
上記したボール1~5及びインク1~3を用いて、前記実施形態に示した水性ボールペンを調製した。
【0042】
(3-1)実施例1
実施例1の水性ボールペンは、筆記ボールとしてボール1を使用した。なお、リフィルは、インク1~3のそれぞれを収容した3通りを準備した。
【0043】
(3-2)実施例2
実施例2の水性ボールペンは、筆記ボールとしてボール2を使用した。なお、リフィルは、インク1~3のそれぞれを収容した3通りを準備した。
【0044】
(3-3)実施例3
実施例3の水性ボールペンは、筆記ボールとしてボール3を使用した。なお、リフィルは、インク1~3のそれぞれを収容した3通りを準備した。
【0045】
(3-4)比較例1
比較例1の水性ボールペンは、筆記ボールとしてボール4を使用した。なお、リフィルは、インク1~3のそれぞれを収容した3通りを準備した。
【0046】
(3-5)比較例2
比較例1の水性ボールペンは、筆記ボールとしてボール5を使用した。なお、リフィルは、インク1~3のそれぞれを収容した3通りを準備した。
【0047】
(4)評価方法及び結果
上記した実施例1~3並びに比較例1及び2の水性ボールペンについて、キャップをしない状態で、温度25℃、湿度50%の環境下で60分放置した後、PPC用紙に直線を筆記し、下記評価基準で初筆性を評価した。
A:書き始めから描線のかすれは一切認められない
B:書き始めから描線のかすれが確認される
この評価基準による結果は下記表1のとおりであった。
【0048】
【0049】
筆記ボール1~3をそれぞれ使用した実施例1~3の水性ボールペンについては、インク1~3のいずれを使用した場合も、書き始めの描線のかすれがなく、初筆性に優れた水性ボールペンとなっている。
【0050】
一方、ニッケルを含有していないボール4を使用した比較例1の水性ボールペンについては、インク1~3のいずれを使用した場合も、書き始めの描線のかすれが認められた。また、コバルトを含有していないボール5を使用した比較例2の水性ボールペンについても同様に、インク1~3のいずれを使用した場合も、書き始めの描線のかすれが認められた。
【0051】
以上より、筆記ボールの組成として、炭化タングステン及びクロムに加え、コバルト及びニッケルの両方を配合することで、樹脂粒子の種類を問わずに、初筆性の向上が図られることとなった。