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特開2024-90345光検出装置、および、光検出装置の制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090345
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】光検出装置、および、光検出装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/00 20230101AFI20240627BHJP
   G06T 1/40 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H04N25/00
G06T1/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206200
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】宝玉 晋
(72)【発明者】
【氏名】親川 武仕
【テーマコード(参考)】
5B057
5C024
【Fターム(参考)】
5B057AA16
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CG01
5B057CH16
5B057CH20
5B057DA20
5B057DB02
5B057DB09
5B057DC40
5C024CY26
5C024CY44
5C024GX03
5C024GX07
5C024GY31
5C024GY45
5C024HX23
5C024HX57
(57)【要約】
【課題】ニューラルネットワーク回路を用いる光検出装置において、センサーおよびニューラルネットワーク回路のそれぞれの出力の同期を容易にする。
【解決手段】センサーは、それぞれが複数の画素データを含む所定数の第1ラインデータを出力する。ニューラルネットワーク回路は、ニューラルネットワークモデルに基づいて所定数の第1ラインデータを順に処理して各々の処理結果を配列した第2ラインデータを出力する。フォーマット処理部は、所定数の第1ラインデータと第2ラインデータとを対応付けて格納した通信フレームを生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数の画素データを含む所定数の第1ラインデータを出力するセンサーと、
ニューラルネットワークモデルに基づいて所定数の前記第1ラインデータを順に処理して各々の処理結果を配列した第2ラインデータを出力するニューラルネットワーク回路と、
所定数の前記第1ラインデータと前記第2ラインデータとを対応付けて格納した通信フレームを生成するフォーマット処理部と
を具備する光検出装置。
【請求項2】
前記第1ラインデータに所定情報を含む第1ヘッダを付加する第1のヘッダ付加部と、
前記第2ラインデータに前記所定情報を含む第2ヘッダを付加する第2のヘッダ付加部と
さらに具備する請求項1記載の光検出装置。
【請求項3】
前記第1のヘッダ付加部は、所定数の前記第1ラインデータのそれぞれに前記第1ヘッダを付加する
請求項2記載の光検出装置。
【請求項4】
前記第1のヘッダ付加部は、所定数の前記第1ラインデータのうち先頭の第1ラインデータに前記第1ヘッダを付加する
請求項2記載の光検出装置。
【請求項5】
前記第2のヘッダ付加部は、所定数の前記第2ラインデータのそれぞれに前記第2ヘッダを付加する
請求項2記載の光検出装置。
【請求項6】
前記第2のヘッダ付加部は、所定数の前記第2ラインデータのうち先頭の第2ラインデータに前記第2ヘッダを付加する
請求項2記載の光検出装置。
【請求項7】
前記所定情報は、前記第1ラインデータが出力された時刻を示す時刻情報である
請求項2記載の光検出装置。
【請求項8】
前記画素データは、時刻情報を含み、
前記所定情報は、前記第1ラインデータに対応するラインの識別情報である
請求項2記載の光検出装置。
【請求項9】
前記第1ヘッダが付加された前記第1ラインデータと前記第2ヘッダが付加された前記第2ラインデータとに対して所定の処理を行って前記フォーマット処理部に供給するデジタル処理部をさらに具備する請求項2記載の光検出装置。
【請求項10】
前記第1ヘッダが付加された前記第1ラインデータに対して所定の処理を行って前記フォーマット処理部に供給する第1のデジタル処理部と、
前記第2ヘッダが付加された前記第2ラインデータに対して所定の処理を行って前記フォーマット処理部に供給する第2のデジタル処理部と
を具備する請求項2記載の光検出装置。
【請求項11】
前記第1ヘッダが付加された前記第1ラインデータと前記第2ヘッダが付加された前記第2ラインデータとを先入れ先出し方式で保持するFIFO(First In, First Out)メモリをさらに具備する請求項2記載の光検出装置。
【請求項12】
前記第1ヘッダが付加された前記第1ラインデータを先入れ先出し方式で保持する第1のFIFOメモリと、
前記第2ヘッダが付加された前記第2ラインデータを先入れ先出し方式で保持する第2のFIFOメモリと
をさらに具備する請求項2記載の光検出装置。
【請求項13】
前記ニューラルネットワーク回路は、前記第1のFIFOメモリから前記第1ラインデータを読み出す請求項12記載の光検出装置。
【請求項14】
前記センサーは、前記第1のFIFOメモリと前記ニューラルネットワーク回路とに前記第1ラインデータを出力する
請求項12記載の光検出装置。
【請求項15】
前記センサーは、EVS(Event-based Vision Sensor)である
請求項1記載の光検出装置。
【請求項16】
前記センサーは、光子を計数する光子計測回路である
請求項1記載の光検出装置。
【請求項17】
前記センサーは、CIS(CMOS Image Sensors)である
請求項1記載の光検出装置。
【請求項18】
前記センサーと前記ニューラルネットワーク回路と前記フォーマット処理部とは、積層された複数のチップに分散して配置される
請求項1記載の光検出装置。
【請求項19】
それぞれが複数の画素データを含む所定数の第1ラインデータを出力するセンサーと、
ニューラルネットワークモデルに基づいて所定数の前記第1ラインデータを順に処理して各々の処理結果を配列した第2ラインデータを出力するニューラルネットワーク回路と、
前記第1ラインデータに関する所定情報を含むヘッダを前記第2ラインデータに付加するヘッダ付加部と、
前記ヘッダが付加された第2ラインデータを格納した通信フレームを生成するフォーマット処理部と
を具備する光検出装置。
【請求項20】
それぞれが複数の画素データを含む所定数の第1ラインデータをセンサーが出力する手順と、
ニューラルネットワークモデルに基づいて所定数の前記第1ラインデータを順に処理して各々の処理結果を配列した第2ラインデータをニューラルネットワーク回路が出力する手順と、
所定数の前記第1ラインデータと前記第2ラインデータとを対応付けて格納した通信フレームをフォーマット処理部が生成する手順と
を具備する光検出装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、光検出装置に関する。詳しくは、ニューラルネットワークモデルを用いる光検出装置、および、光検出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ニューラルネットワークモデルを用いた信号処理は、ますます機能性と適用先とを拡げている。例えば、複数の画素とニューラルネットワーク回路とのそれぞれを複数のグループに分けておき、それぞれの画像グループの画素情報を、対応するニューラルネットワーク回路グループに入力する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2022-525794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、それぞれの画像グループの画素情報を、対応するニューラルネットワーク回路グループに入力することにより、処理の高速化を図っている。しかしながら、上述の装置では、センサーの出力と、ニューラルネットワーク回路の出力とのそれぞれを処理する際に、それらの同期をとることが困難になるおそれがある。例えば、アービタ方式を用いるEVS(Event-based Vision Sensor)は、垂直同期信号などのタイミング信号に同期せずにアドレスイベントを検出して出力する。また、例えば、スパイクニューラルネットワーク回路も同様に、非同期でスパイク信号を出力する。これらのセンサーやニューラルネットワーク回路を用いる際に、それらの出力の同期が困難になるという問題がある。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、ニューラルネットワーク回路を用いる光検出装置において、センサーおよびニューラルネットワーク回路のそれぞれの出力の同期を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、それぞれが複数の画素データを含む所定数の第1ラインデータを出力するセンサーと、ニューラルネットワークモデルに基づいて所定数の上記第1ラインデータを順に処理して各々の処理結果を配列した第2ラインデータを出力するニューラルネットワーク回路と、所定数の上記第1ラインデータと上記第2ラインデータとを対応付けて格納した通信フレームを生成するフォーマット処理部とを具備する光検出装置、および、その制御方法である。これにより、センサーおよびニューラルネットワーク回路のそれぞれの出力の同期が容易になるという作用をもたらす。
【0007】
また、この第1の側面において、上記第1ラインデータに所定情報を含む第1ヘッダを付加する第1のヘッダ付加部と、上記第2ラインデータに上記所定情報を含む第2ヘッダを付加する第2のヘッダ付加部とさらに具備してもよい。これにより、第1ラインデータと第2ラインデータとの同期が容易になるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記第1のヘッダ付加部は、所定数の上記第1ラインデータのそれぞれに上記第1ヘッダを付加してもよい。これにより、ライン毎の同期が容易になるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記第1のヘッダ付加部は、所定数の上記第1ラインデータのうち先頭の第1ラインデータに上記第1ヘッダを付加してもよい。これにより、ライン群の同期が容易になるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記第2のヘッダ付加部は、所定数の上記第2ラインデータのそれぞれに上記第2ヘッダを付加してもよい。これにより、ライン毎の同期が容易になるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記第2のヘッダ付加部は、所定数の上記第2ラインデータのうち先頭の第2ラインデータに上記第2ヘッダを付加してもよい。これにより、ライン群の同期が容易になるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記所定情報は、上記第1ラインデータが出力された時刻を示す時刻情報であってもよい。これにより、時刻による同期が容易になるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記画素データは、時刻情報を含み、上記所定情報は、上記第1ラインデータに対応するラインの識別情報であってもよい。これにより、識別情報による同期が容易になるという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記第1ヘッダが付加された上記第1ラインデータと上記第2ヘッダが付加された上記第2ラインデータとに対して所定の処理を行って上記フォーマット処理部に供給するデジタル処理部をさらに具備してもよい。これにより、ラインデータが処理されるという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記第1ヘッダが付加された上記第1ラインデータに対して所定の処理を行って上記フォーマット処理部に供給する第1のデジタル処理部と、上記第2ヘッダが付加された上記第2ラインデータに対して所定の処理を行って上記フォーマット処理部に供給する第2のデジタル処理部とを具備してもよい。これにより、ラインデータが処理されるという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記第1ヘッダが付加された上記第1ラインデータと上記第2ヘッダが付加された上記第2ラインデータとを先入れ先出し方式で保持するFIFOメモリをさらに具備してもよい。これにより、ラインデータがバッファリングされるという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記第1ヘッダが付加された上記第1ラインデータを先入れ先出し方式で保持する第1のFIFO(First In, First Out)メモリと、上記第2ヘッダが付加された上記第2ラインデータを先入れ先出し方式で保持する第2のFIFOメモリとをさらに具備してもよい。これにより、ラインデータが別々のメモリにバッファリングされるという作用をもたらす。
【0018】
また、この第1の側面において、上記ニューラルネットワーク回路は、上記第1のFIFOメモリから上記第1ラインデータを読み出してもよい。これにより、ラインデータがバッファリングされるという作用をもたらす。
【0019】
また、この第1の側面において、上記センサーは、上記第1のFIFOメモリと上記ニューラルネットワーク回路とに上記第1ラインデータを出力してもよい。これにより、第2ラインデータの遅延時間が短くなるという作用をもたらす。
【0020】
また、この第1の側面において、上記センサーは、EVS(Event-based Vision Sensor)であってもよい。これにより、EVSとニューラルネットワーク回路とのそれぞれの出力の同期が容易になるという作用をもたらす。
【0021】
また、この第1の側面において、上記センサーは、光子を計数する光子計測回路であってもよい。これにより、光子計測回路とニューラルネットワーク回路とのそれぞれの出力の同期が容易になるという作用をもたらす。
【0022】
また、この第1の側面において、上記センサーは、CIS(CMOS Image Sensors)であってもよい。これにより、CISとニューラルネットワーク回路とのそれぞれの出力の同期が容易になるという作用をもたらす。
【0023】
また、この第1の側面において、上記センサーと上記ニューラルネットワーク回路と上記フォーマット処理部とは、積層された複数のチップに分散して配置されてもよい。これにより、チップごとの回路規模が削減されるという作用をもたらす。
【0024】
また、本技術の第2の側面は、それぞれが複数の画素データを含む所定数の第1ラインデータを出力するセンサーと、ニューラルネットワークモデルに基づいて所定数の上記第1ラインデータを順に処理して各々の処理結果を配列した第2ラインデータを出力するニューラルネットワーク回路と、上記第1ラインデータに関する所定情報を含むヘッダを上記第2ラインデータに付加するヘッダ付加部と、上記ヘッダが付加された第2ラインデータを格納した通信フレームを生成するフォーマット処理部とを具備する光検出装置である。これにより、外部のセンサーやデバイスと、ニューラルネットワーク回路とのそれぞれの出力の同期が容易になるという作用をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本技術の第1の実施の形態における光検出装置の一構成例を示すブロック図である。
図2】本技術の第1の実施の形態におけるセンサーチップの一構成例を示すブロック図である。
図3】本技術の第1の実施の形態におけるEVSの一構成例を示すブロック図である。
図4】本技術の第1の実施の形態における画素の一構成例を示す回路図である。
図5】本技術の第1の実施の形態におけるSNN(Spiking Neural Network)回路の一構成例を示すブロック図である。
図6】本技術の第1の実施の形態におけるSNN回路の実装例を示す図である。
図7】本技術の第1の実施の形態におけるコアの一構成例を示すブロック図である。
図8】本技術の第1の実施の形態におけるテストパターン生成部の一構成例を示すブロック図である。
図9】本技術の第1の実施の形態におけるフォーマット処理部の一構成例を示すブロック図である。
図10】本技術の第1の実施の形態におけるヘッダ付きのピクセルラインおよびスパイクラインの一例を示す図である。
図11】本技術の第1の実施の形態におけるピクセルラインおよびスパイクラインの出力タイミングの一例を示す図である。
図12】本技術の第1の実施の形態における並べ替えたピクセルラインおよびスパイクラインの一例を示す図である。
図13】本技術の第1の実施の形態における通信フレームのフォーマットの一例を示す図である。
図14】本技術の第1の実施の形態における光検出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図15】本技術の第1の実施の形態の第1の変形例における通信フレームのフォーマットの一例を示す図である。
図16】本技術の第1の実施の形態の第2の変形例における通信フレームのフォーマットの一例を示す図である。
図17】本技術の第1の実施の形態の第3の変形例におけるセンサーチップの積層構造の一例を示す図である。
図18】本技術の第1の実施の形態の第3の変形例における画素の一構成例を示す回路図である。
図19】本技術の第1の実施の形態の第4の変形例におけるセンサーチップの積層構造の一例を示す図である。
図20】本技術の第2の実施の形態におけるセンサーチップの一構成例を示すブロック図である。
図21】本技術の第2の実施の形態の第1の変形例におけるセンサーチップの一構成例を示すブロック図である。
図22】本技術の第2の実施の形態の第2の変形例におけるセンサーチップの一構成例を示すブロック図である。
図23】本技術の第3の実施の形態におけるセンサーチップの一構成例を示すブロック図である。
図24】本技術の第3の実施の形態における光子計測回路の一構成例を示すブロック図である。
図25】本技術の第3の実施の形態における画素の一構成例を示す回路図である。
図26】本技術の第4の実施の形態におけるセンサーチップの一構成例を示すブロック図である。
図27】本技術の第4の実施の形態におけるCISの一構成例を示すブロック図である。
図28】本技術の第4の実施の形態における画素の一構成例を示す回路図である。
図29】本技術の第5の実施の形態における光検出装置の一構成例を示すブロック図である。
図30】本技術の第5の実施の形態におけるセンサーチップの一構成例を示すブロック図である。
図31】本技術の第5の実施の形態における通信フレームのフォーマットの一例を示す図である。
図32】車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
図33】撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(ピクセルラインおよびスパイクラインを通信フレームに格納する例)
2.第2の実施の形態(ピクセルラインおよびスパイクラインを通信フレームに格納し、回路を削減する例)
3.第3の実施の形態(ピクセルラインおよびスパイクラインを通信フレームに格納し、光子計測回路を用いる例)
4.第4の実施の形態(ピクセルラインおよびスパイクラインを通信フレームに格納し、CISを用いる例)
5.第5の実施の形態(スパイクラインを通信フレームに格納する例)
6.移動体への応用例
【0027】
<1.第1の実施の形態>
[光検出装置の構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における光検出装置100の一構成例を示すブロック図である。この光検出装置100は、光学部110、センサーチップ200およびDSP(Digital Signal Processing)回路120を備える。さらに光検出装置100は、表示部130、操作部140、バス150、フレームメモリ160、記憶部170および電源部180を備える。光検出装置100としては、例えば、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラの他、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、車載カメラ等が想定される。
【0028】
光学部110は、被写体からの光を集光してセンサーチップ200に導くものである。センサーチップ200は、光電変換により複数の画素データを生成して処理するものである。このセンサーチップ200は、処理後のデータをDSP回路120に供給する。
【0029】
DSP回路120は、センサーチップ200からのデータに対して所定の信号処理を実行するものである。このDSP回路120は、処理後のデータを、バス150を介してフレームメモリ160などに出力する。
【0030】
表示部130は、画像データなどを表示するものである。表示部130としては、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルが想定される。操作部140は、ユーザの操作に従って操作信号を生成するものである。
【0031】
バス150は、光学部110、センサーチップ200、DSP回路120、表示部130、操作部140、フレームメモリ160、記憶部170および電源部180が互いにデータをやりとりするための共通の経路である。
【0032】
記憶部170は、画像データなどの様々なデータを記憶するものである。電源部180は、センサーチップ200、DSP回路120や表示部130などに電源を供給するものである。
【0033】
[センサーチップの構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態におけるセンサーチップ200の一構成例を示すブロック図である。このセンサーチップ200は、単一の半導体チップであり、EVS300およびSNN回路500と、ヘッダ付加部211および212と、レジスタ213とを備える。さらに、センサーチップ200は、FIFOメモリ221および222と、テストパターン生成部230および240と、デジタル処理部251および252と、フォーマット処理部260と、外部通信インターフェース270とを備える。
【0034】
EVS300は、画素ごとに輝度の変化を検出するものである。このEVS300は、垂直同期信号VSYNCに同期して、より周波数の高い水平同期信号HSYNCを内部生成し、ヘッダ付加部211および212に供給する。また、EVS300は、その水平同期信号HSYNCに同期して複数のラインを順に選択し、そのライン内の画素のそれぞれの画素データを配列したラインデータをPL(Pixel Line)として読み出す。そして、EVS300は、PLのそれぞれをヘッダ付加部211に出力する。画素データのそれぞれは、例えば、その画素の輝度変化の検出結果を示すビットを含む。なお、EVS300は、特許請求の範囲に記載のセンサーの一例である。また、PLは、特許請求の範囲に記載の第1ラインデータの一例である。
【0035】
ヘッダ付加部211は、PLが出力された時刻を示す時刻情報を含むヘッダを生成し、そのPLに付加するものである。このヘッダ付加部211には、垂直同期信号VSYNCおよび水平同期信号HSYNCが同期信号として入力される。例えば、ヘッダ付加部211は、垂直同期信号VSYNCの示す1V期間内で水平同期信号HSYNCに同期して、その信号の示す出力時刻の時刻情報を生成し、ヘッダに格納してPLに付加する。ヘッダが付加されたPLを以下、「PL'」とする。ヘッダ付加部211は、ヘッダ付きのPL'をFIFOメモリ221に供給する。
【0036】
なお、ヘッダ付加部211は、特許請求の範囲に記載の第1のヘッダ付加部の一例であり、PLに付加されたヘッダは、特許請求の範囲に記載の第1ヘッダの一例である。
【0037】
FIFOメモリ221は、ヘッダ付加部211からのPL'を先入れ先出し方式で保持するものである。ヘッダ付きのPL'は、テストパターン生成部230により読み出される。また、ヘッダの無いPLは、SNN回路500により読み出される。
【0038】
SNN回路500は、SNNモデルに基づいて2つ以上のPLを処理し、それぞれの処理結果を順に配列したラインデータをSL(Spike Line)として生成するものである。SLは、一定期間内にスパイクが生じたか否かを示すビットを時系列順に配列したデータである。SNN回路500は、SLをヘッダ付加部212に出力する。EVS300およびSNN回路500のそれぞれの出力頻度の比率は一定値(8:1など)に制御される。
【0039】
なお、SNN回路500の代わりに、SNN回路以外のNN(Neural Network)回路を用いることもできる。また、SNN回路500は、特許請求の範囲に記載のニューラルネットワーク回路の一例である。また、SLは、特許請求の範囲に記載の第2ラインデータの一例である。
【0040】
ヘッダ付加部212は、時刻情報を含むヘッダを生成し、SLに付加するものである。このヘッダ付加部212にも、垂直同期信号VSYNCおよび水平同期信号HSYNCが同期信号として入力される。SLは、SNN回路500により2つ以上のPLから生成されるため、それらのPL群の先頭の出力時刻に対してSLの出力時刻は遅延する。その遅延時間Tdelayは演算や計測により予め求められ、レジスタ213に保持されているものとする。ヘッダ付加部212は、レジスタ213から遅延時間Tdelayを読み出し、1V期間内で水平同期信号HSYNCの示す現在の時刻からTdelay前の時刻を取得する。ヘッダ付加部212は、その時刻の時刻情報をヘッダに格納してSLに付加する。ヘッダが付加されたSLを以下、「SL'」とする。ヘッダ付加部212は、ヘッダ付きのSL'をFIFOメモリ222に供給する。
【0041】
上述の処理によって、SLに付加されたヘッダと、そのSLに対応するPL群の先頭に付加されたヘッダとには、同一の時刻情報が格納されることになる。このため、後段の回路は、ヘッダを参照することにより、PLとSLとの同期を容易にとることができる。
【0042】
なお、ヘッダ付加部212は、特許請求の範囲に記載の第2のヘッダ付加部の一例であり、SLに付加されたヘッダは、特許請求の範囲に記載の第2ヘッダの一例である。
【0043】
FIFOメモリ222は、ヘッダ付加部212からのSL'を先入れ先出し方式で保持するものである。ヘッダ付きのSL'は、テストパターン生成部240により読み出される。
【0044】
テストパターン生成部230は、テストモードの際に所定のテストパターンを生成するものである。このテストパターン生成部230は、テストモードの場合に、テストパターンをデジタル処理部251に供給し、テストモードでない場合にPL'をデジタル処理部251に供給する。
【0045】
テストパターン生成部240は、テストモードの際に所定のテストパターンを生成するものである。このテストパターン生成部240は、テストモードの場合に、テストパターンをデジタル処理部252に供給し、テストモードでない場合にSL'をデジタル処理部252に供給する。
【0046】
なお、テストパターン生成部230および240は、必要に応じて配置される。これらが不要である場合は、FIFOメモリ221および222からのPL'およびSL'が、直接デジタル処理部251および252に入力される。
【0047】
デジタル処理部251は、PL'に対して、各種のデジタル処理を行うものである。デジタル処理部251は、処理後のPL'をフォーマット処理部260に供給する。
【0048】
デジタル処理部252は、SL'に対して、各種のデジタル処理を必要に応じて行うものである。デジタル処理部252は、処理後のSL'をフォーマット処理部260に供給する。例えば、デジタル処理部252は、SLごとにスパイク数をカウントし、カウント値と閾値とを比較することにより、SNN回路500の認識結果のクラス値や、回帰値を取得する処理を行うことができる。処理結果は、必要に応じて、フォーマット処理部260に出力される。
【0049】
フォーマット処理部260は、SL'とPL'とを対応付けて格納した通信フレームを生成するものである。このフォーマット処理部260は、生成した通信フレームを外部通信インターフェース270に供給する。
【0050】
外部通信インターフェース270は、フォーマット処理部260からの通信フレームをDSP回路120などに送信するものである。外部通信インターフェース270の通信規格として、例えば、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)が用いられる。
【0051】
[EVSの構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態におけるEVS300の一構成例を示すブロック図である。このEVS300は、駆動部310、画素アレイ部320、タイミング制御回路330およびラインスキャナ340を備える。画素アレイ部320内には、複数の画素400が二次元格子状に配列される。
【0052】
駆動部310は、画素400のそれぞれを駆動するものである。画素400は、輝度の変化の有無を検出し、検出結果を示す画素データを生成するものである。
【0053】
タイミング制御回路330は、駆動部310およびラインスキャナ340を駆動するタイミングを制御するものである。タイミング制御回路330には、垂直同期信号VSYNCが入力される。タイミング制御回路330は、垂直同期信号VSYNCから、水平同期信号HSYNCを生成し、ラインスキャナ340と、ヘッダ付加部211および212とに供給する。
【0054】
ラインスキャナ340は、水平同期信号HSYNCに同期してライン(行や列など)を順に選択し、そのライン内の各画素の画素データを読み出すものである。このラインスキャナ340は、ラインから読み出した画素データを1次元に配列し、そのデータをPLとしてヘッダ付加部211に出力する。なお、読出し単位をライン単位としているが、その代わりにエリア単位とすることもできる。この場合、ラインスキャナ340は、選択したエリアから読み出した各画素データを所定の順序で1次元に配列し、PLとして出力する。
【0055】
同図に例示したように、HSYNCなどの同期信号に同期して、ラインやエリアの単位で順に画素データを読み出す制御はスキャン方式と呼ばれる。なお、EVS300は、後述するように、同期信号に同期せずに画素データを読み出すアービタ方式を用いることもできる。
【0056】
[画素の構成例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における画素400の一構成例を示す回路図である。この画素400は、画素回路410、バッファ420、微分回路430および量子化器440を備える。
【0057】
画素回路410は、フォトダイオード411と、nMOS(negative channel MOS)トランジスタ412および413と、pMOS(positive channel MOS)トランジスタ414とを備える。
【0058】
フォトダイオード411は、入射光に対する光電変換により光電流を生成するものである。nMOSトランジスタ412は、電源とフォトダイオード411との間に挿入される。pMOSトランジスタ414およびnMOSトランジスタ413は、電源と接地端子との間において直列に接続される。また、nMOSトランジスタ413のゲートは、nMOSトランジスタ412およびフォトダイオード411の接続点に接続され、pMOSトランジスタ414のゲートには、バイアス電圧Vblogが印加される。
【0059】
バッファ420は、電源および接地端子の間において直列に接続されたpMOSトランジスタ421および422を備える。接地側のpMOSトランジスタ422のゲートは、pMOSトランジスタ414およびnMOSトランジスタ413の接続点に接続される。電源側のpMOSトランジスタ421のゲートには、バイアス電圧Vbsfが印加される。また、pMOSトランジスタ421および422の接続点は、微分回路430に接続される。
【0060】
上述の回路により、光電流に応じた電圧信号が生成され、バッファ420から出力される。
【0061】
微分回路430は、容量431および433と、pMOSトランジスタ432および434と、nMOSトランジスタ435とを備える。
【0062】
容量431の一端は、バッファ420に接続され、他端は、容量433の一端とpMOSトランジスタ434のゲートとに接続される。pMOSトランジスタ432のゲートにはリセット信号xrstが入力され、ソースおよびドレインは容量433の両端に接続される。pMOSトランジスタ434およびnMOSトランジスタ435は電源と接地端子との間において直列に接続される。また、容量433の他端は、pMOSトランジスタ434およびnMOSトランジスタ435の接続点に接続される。接地側のnMOSトランジスタ435のゲートには、バイアス電圧Vbaが印加され、pMOSトランジスタ434およびnMOSトランジスタ435の接続点は量子化器440にも接続される。このような接続により、電圧信号の変化量を示す微分信号が生成されて量子化器440に出力される。また、微分信号は、リセット信号xrstにより初期化される。
【0063】
量子化器440は、電源と接地端子との間において直列に接続されたpMOSトランジスタ441およびnMOSトランジスタ442を備える。pMOSトランジスタ441のゲートは、微分回路430に接続され、nMOSトランジスタ442のゲートには、所定の上限閾値Vbonが印加される。これらのpMOSトランジスタ441およびnMOSトランジスタ442の接続点の電圧信号が、輝度の変化の検出信号としてラインスキャナ340により読み出される。
【0064】
同図では、輝度の変化を示す微分信号が上限閾値Vbonを越えた際にオンイベントが検出される。なお、画素400は、微分信号が下限閾値Vboffを下回った際にオフイベントを検出することもできる。この場合には、電源と接地端子との間において直列に接続されたpMOSトランジスタ443およびnMOSトランジスタ444が追加される。pMOSトランジスタ443のゲートは、微分回路430に接続され、nMOSトランジスタ444のゲートには、下限閾値Vboffが印加される。画素400は、オンイベントおよびオフイベントの両方を検出してもよいし、いずれか一方のみを検出してもよい。
【0065】
[SNN回路の構成例]
図5は、SNN回路500の一構成例を示すブロック図である。このSNN回路500は、同図におけるaに例示するように、入力層511、中間層512および出力層513を備える。
【0066】
入力層511には、PLが入力される。中間層512には、1段以上の層が配置される。前の層のニューロンは、次の層のニューロンと接続され、前の層の演算結果が次の層に渡される。出力層513は、スパイク信号を非同期に生成する。一定期間内に生成されたスパイク信号を時系列順に配列したデータがSLとして出力される。2つ以上の所定数のPLを順にSNN回路500に入力することにより、1つのSLが生成される。
【0067】
なお、同図におけるbに例示するように、出力層513は、複数のニューロンを備え、複数のSLを並列に出力することもできる。
【0068】
また、SNN回路500の出力のデータサイズは、ネットワークの設定により変更することができる。同図におけるbに例示するように高次元で出力する場合、1次元のラインに分割して順に出力してもよい。
【0069】
図6は、本技術の第1の実施の形態におけるSNN回路500の実装例を示す図である。図5のSNN回路500は、例えば、図6の回路により実現される。図6に例示するように、SNN回路500は、例えば、入出力インターフェース520およびマルチコアアレイ530を備える。
【0070】
入出力インターフェース520は、外部とマルチコアアレイ530との間でデータを送受信するものである。この入出力インターフェース520は、FIFOメモリ221から入力されたPLをマルチコアアレイに供給し、マルチコアアレイ530からのSLをヘッダ付加部212に供給する。
【0071】
マルチコアアレイ530には、複数のコア550が二次元格子状に配列される。それぞれのコア550に隣接してルーター540が配置される。
【0072】
ルーター540は、データの経路を制御するものである。このルーター540は、例えば、FIFOメモリ541乃至545と、アービタ546とを備える。同図における「E」は、着目したルーター540の東方向を示し、「S」は、南方向を示す。「W」は西方向を示し、「N」は、北方向を示す。「L」は、ルーター540に隣接するコア550への方向を示す。
【0073】
FIFOメモリ541は、東方向からのデータを先入れ先出し方式で保持し、アービタ546にリクエストを出力する。FIFOメモリ542は、南方向からのデータを先入れ先出し方式で保持し、アービタ546にリクエストを出力する。FIFOメモリ543は、西方向からのデータを先入れ先出し方式で保持し、アービタ546にリクエストを出力する。FIFOメモリ544は、北方向からのデータを先入れ先出し方式で保持し、アービタ546にリクエストを出力する。FIFOメモリ545は、隣接するコア550からのデータを先入れ先出し方式で保持し、アービタ546にリクエストを出力する。
【0074】
なお、外部のFIFOメモリ221を削減し、SNN回路500内のFIFOメモリ541などに代替させることもできる。
【0075】
アービタ546は、FIFOメモリ541乃至545のそれぞれからのリクエストを調停し、応答を返す。応答のあった際にFIFOメモリは、アービタ546を介して、東西南北と隣接するコア550とのいずれかにデータを出力する。
【0076】
図7は、本技術の第1の実施の形態におけるコア550の一構成例を示すブロック図である。コア550は、コアルーター551、ニューロンI/O(Input/Output)552、積和ユニット553、ワークメモリ554、膜電位メモリ555およびLIF(Leaky Integrate and Fire)ユニット556を備える。
【0077】
コアルーター551は、隣接するルーター540からのデータをニューロンI/O552に供給し、LIFユニット556からのデータを隣接するルーター540に供給する。
【0078】
積和ユニット553は、ワークメモリ554を用いて、ニューロンI/O552からのデータを積算する。膜電位メモリ555は、積分により得られた膜電位を保持する。LIFユニット556は、膜電位が所定の閾値を超えて発火した(言い換えれば、スパイクが生じたか)か否かを判断し、その結果をコアルーター551に供給する。
【0079】
[テストパターン生成部の構成例]
図8は、本技術の第1の実施の形態におけるテストパターン生成部230の一構成例を示すブロック図である。このテストパターン生成部230は、テストパターン供給部231およびスイッチ232を備える。
【0080】
テストパターン供給部231は、制御信号MODEにより、テストモードが設定された場合に、所定のテストパターンを生成してスイッチ232に供給するものである。
【0081】
スイッチ232は、テストモードが設定された場合にテストパターンをデジタル処理部251に供給し、テストモード以外のモードが設定された場合にFIFOメモリ221からのPL'をデジタル処理部251に供給するものである。なお、テストパターン生成部240の構成は、テストパターン生成部230と同様である。
【0082】
[フォーマット処理部の構成例]
図9は、本技術の第1の実施の形態におけるフォーマット処理部260の一構成例を示すブロック図である。このフォーマット処理部260は、バッファメモリ261、並べ替え処理部262、および、フォーマッター263を備える。
【0083】
バッファメモリ261は、デジタル処理部251および252からのPL'およびSL'を一時的に保持するものである。
【0084】
並べ替え処理部262は、バッファメモリ261からPL'およびSL'を読み出し、レジスタ213に保持された遅延時間に基づいて、それらの配列を並べ替えるものである。並べ替え処理の詳細については後述する。並べ替え処理部262は、並べ替え後のPL'およびSL'をフォーマッター263に供給する。
【0085】
フォーマッター263は、所定の通信規格に準拠したフォーマットの通信フレームを生成するものである。このフォーマッター263は、ヘッダ付きのPL'およびSL'のそれぞれにフッタを付加し、それらのデータを通信フレームに格納して外部通信インターフェース270に供給する。
【0086】
図10は、本技術の第1の実施の形態におけるヘッダ付きのPL'およびSL'の一例を示す図である。同図におけるaは、PL'の一例を示し、同図におけるbは、SL'の一例を示す。
【0087】
同図におけるaに例示するように、PL'は、PH(Pixel Header)と、PLとを含む。PHには、例えば、時刻情報が格納される。PLは、複数の画素データを含む。画素データのそれぞれは、例えば、オンイベントが検出されたか否かを示す1ビットの情報である。同図におけるx0からxiは、y座標が割り当てられたライン内の各画素のx座標を示す。なお、オンイベントおよびオフイベントの両方が検出される場合、画素ごとに2ビットの情報が格納される。
【0088】
同図におけるbに例示するように、SL'は、SH(Spike Header)と、SLとを含む。SHには、例えば、時刻情報が格納される。SLには、一定期間内に出力された複数のスパイク信号が時系列順に配列される。スパイク信号のそれぞれは、スパイクが生じたか否かを示す1ビットの情報である。同図におけるt0からtjは、スパイク信号が出力された時刻を示す。なお、SNN回路500は、SLの代わりに、膜電位の値を時系列順に出力することもできる。この場合は、膜電位を示す2ビット以上のデジタル値を時系列順に配列したラインデータが出力される。
【0089】
なお、ヘッダ付加部211および212は、ヘッダ内に時刻情報を格納しているが、この構成に限定されない。例えば、ヘッダ付加部211および212は、ヘッダ内に時刻情報の代わりに、対応するラインの識別情報(ライン番号など)を格納することもできる。
【0090】
図11は、本技術の第1の実施の形態におけるピクセルラインおよびスパイクラインの出力タイミングの一例を示す図である。1枚の画像データは、PL1からPLkを含むものとする。
【0091】
同図においてタイミングT1p以降に1枚目の画像データPLs1がEVS300から出力される。所定のブランキング期間が経過したタイミングT2p以降に2枚目の画像データPLs2が出力される。続いて、ブランキング期間が経過したタイミングTp3以降に3枚目の画像データPLs3が出力され、タイミングTp4以降に4枚目の画像データPLs4が出力される。
【0092】
一方、SNN回路500は、PLs1を処理し、PLs2の出力中のタイミングT1s以降にSL1からSLnまでを順に出力する。これらのSL群をSLs1とする。そして、SNN回路500は、PLs3を処理し、PLs4の出力中のタイミングT2s以降にSL1からSLnまでを順に出力する。これらのSL群をSLs2とする。EVS300およびSNN回路500は並列に動作しているため、同図に例示するようにブランキング期間内にSNN回路500がSLの出力を継続することがある。
【0093】
同図に例示するように、PL群の先頭の出力タイミングに対して、そのPL群に対応するSLの出力タイミングが遅延する。例えば、PLs1内の先頭のPL1の出力タイミングT1pと、そのPL群に対応するSLs1内の先頭のSL1の出力タイミングT1sとの差分は、SL1の遅延時間Tdelayに該当する。レジスタ213には、この遅延時間Tdelayが保持される。
【0094】
並べ替え処理部262は、同期がとりやすいように、レジスタ213の遅延時間に基づいてPLおよびSLの配列を並べ替える。例えば、PLs1からSLs1が生成されるため、PLs1の次に、対応するSLs1を配列する。
【0095】
図12は、本技術の第1の実施の形態における並べ替えたピクセルラインおよびスパイクラインの一例を示す図である。同図に例示するように、PLs1の次に、対応するSLs1が配列される。続いてPLs2およびPLs3が配列され、そのPLs3に対応するSLs2が配列される。そして、PLs4が配列される。
【0096】
同図に例示したように、PLと、そのPLに対応するSLとを隣接して配列することにより、後段の回路は、それらの同期を容易にとることができる。
【0097】
図13は、本技術の第1の実施の形態における通信フレームのフォーマットの一例を示す図である。通信フレームには、フレームヘッダ、送信先アドレス、送信元アドレスや、データが格納される。データ内には、PL1からPLkまでが順に格納される。PLのそれぞれには、ヘッダ付加部211によりPHが付加される。また、PLのそれぞれにはフォーマッター263によりPF(Pixel Footer)が付加される。
【0098】
そして、PLkの次に、SL1からSLnが順に格納される。SLのそれぞれには、ヘッダ付加部212によりSHが付加される。また、SLのそれぞれにはフォーマッター263によりSF(Spike Footer)が付加される。
【0099】
また、データサイズを調整するために、フォーマッター263により必要に応じてスタッフィングデータが挿入される。
【0100】
同図に例示するように、フォーマット処理部260は、PLとSLとを対応付けて格納した通信フレームを生成する。これにより、後段の回路は、PLと、SLとの同期を容易にとることができる。
【0101】
[光検出装置の動作例]
図14は、本技術の第1の実施の形態における光検出装置100の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、例えば、画像データを撮像するための所定のアプリケーションが実行されたときに開始される。
【0102】
EVS300およびSNN回路500のそれぞれは、PL、SLを生成する(ステップS901)。また、ヘッダ付加部211および212は、PLおよびSLのそれぞれにヘッダを付加する(ステップS902)。また、デジタル処理部251および252は、ヘッダ付きのPL'およびSL'のそれぞれに対してデジタル処理を行う(ステップS903)。また、フォーマット処理部260は、フォーマット処理により通信フレームを生成し(ステップS904)、外部通信インターフェース270は、通信フレームを外部送信する(ステップS905)。ステップS905の後に、ステップS901以降が繰り返し実行される。
【0103】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、フォーマット処理部260がPLとSLとを対応付けて格納した通信フレームを生成するため、後段の回路が、それらの同期を容易にとることができる。
【0104】
[第1の変形例]
上述の第1の実施の形態では、ヘッダ付加部211および212がPL毎、SL毎にヘッダを付加していたが、このフォーマットに限定されない。この第1の実施の形態の第1の変形例における光検出装置100は、PL群およびSL群のそれぞれの先頭のみにヘッダを付加する点において第1の実施の形態と異なる。
【0105】
図15は、本技術の第1の実施の形態の第1の変形例における通信フレームのフォーマットの一例を示す図である。この第1の実施の形態の第1の変形例において、ヘッダ付加部211は、画像データを構成するPL1からPLkまでのうち、先頭のPL1のみにPHを付加する。PHには、例えば、先頭のPLが出力された時刻の時刻情報や、先頭のラインまたはフレームの識別情報が格納される。また、フォーマッター263は、末尾のPLkのみにPFを付加する。
【0106】
また、ヘッダ付加部212は、PL1からPLkに対応するSL1からSLnのうち、先頭のSL1のみにSHを付加する。また、フォーマッター263は、末尾のSLnのみにSFを付加する。
【0107】
同図に例示したように、PL群、SL群の先頭にヘッダを付加することにより、PL毎、SL毎にヘッダを付加する場合と比較してヘッダ付加部211および212の処理量を削減することができる。また、PL群、SL群の末尾にヘッダおよびフッタを付加することにより、PL毎、SL毎にフッタを付加する場合と比較してフォーマッター263の処理量を削減することができる。さらに、PL群、SL群のデータサイズを削減することが空できる。
【0108】
このように、本技術の第1の実施の形態の第1の変形例によれば、ヘッダ付加部211および212がPL群、SL群の先頭にヘッダを付加するため、処理量やデータサイズを削減することができる。
【0109】
[第2の変形例]
上述の第1の実施の形態では、EVS300は、同期信号に同期するスキャン方式を用いていたが、スキャン方式の代わりに非同期のアービタ方式を用いることもできる。この第1の実施の形態の第2の変形例における光検出装置100は、アービタ方式を用いる点において第1の実施の形態と異なる。
【0110】
図16は、本技術の第1の実施の形態の第2の変形例における通信フレームのフォーマットの一例を示す図である。この第1の実施の形態の第2の変形例において、EVS300は、同期信号に同期しないアービタ方式によりPLを生成して出力する。PL1からPLkは、固定の順序ではなく、アドレスイベントが検出された順に出力される。
【0111】
また、PLは、ライン内の画素ごとに、その画素のx座標と時刻情報とを含む。この時刻情報は、アドレスイベントの検出された時刻を示す。例えば、同図において、「x7、t0」は、座標x7の画素で、時刻t0にアドレスイベントが検出されたことを示す。
【0112】
アービタ方式の場合、時刻情報がPL内に含まれるため、ヘッダ付加部211は、エリアやラインの識別情報(ライン番号など)をPHに格納する。また、ヘッダ付加部212も、識別情報をSHに格納する。
【0113】
このように、本技術の第1の実施の形態の第2の変形例によれば、ヘッダ付加部211および212が、ライン番号などをヘッダに格納するため、アービタ方式を用いる場合であっても、PL、SLの同期をとることができる。
【0114】
[第3の変形例]
上述の第1の実施の形態では、単一の半導体チップに、EVS300などの回路を配置していたが、この構成では、多画素化が困難になることがある。この第1の実施の形態の第3の変形例における光検出装置100は、積層した2つの半導体チップに、回路を分散して配置した点において第1の実施の形態と異なる。
【0115】
図17は、本技術の第1の実施の形態の第3の変形例におけるセンサーチップ200の積層構造の一例を示す図である。第1の実施の形態の第3の変形例のセンサーチップ200は、画素チップ201および回路チップ202を備える。これらのチップは積層され、例えば、Cu-Cu接合により電気的に接続される。なお、Cu-Cu接合の他、ビアやバンプにより接続することもできる。
【0116】
図18は、本技術の第1の実施の形態の第3の変形例における画素400の一構成例を示す回路図である。画素400のうち、例えば、画素回路410が画素チップ201に配置され、バッファ420以降の後段の回路が回路チップ202に配置される。
【0117】
なお、各チップに配置する回路は、同図に例示したものに限定されない。例えば、フォトダイオード411とnMOSトランジスタ412および413とを画素チップ201に配置し、残りの回路を回路チップ202に配置することもできる。あるいは、フォトダイオード411のみを画素チップ201に配置し、残りの回路を回路チップ202に配置することもできる。
【0118】
なお、第1の実施の形態の第3の変形例に、第1、第2の変形例のそれぞれを適用することができる。
【0119】
このように、本技術の第1の実施の形態の第3の変形例によれば、積層した2つのチップに回路を分散して配置したため、チップ当たりの回路規模を削減することができる。これにより、多画素化が容易になる。
【0120】
[第4の変形例]
上述の第1の実施の形態では、単一の半導体チップに、EVS300などの回路を配置していたが、この構成では、多画素化が困難になることがある。この第1の実施の形態の第4の変形例における光検出装置100は、積層した3つの半導体チップに、回路を分散して配置した点において第1の実施の形態と異なる。
【0121】
図19は、本技術の第1の実施の形態の第4の変形例におけるセンサーチップ200の積層構造の一例を示す図である。この第1の実施の形態の第4の変形例において、センサーチップ200は、積層された画素チップ201、回路チップ202および回路チップ203を備える。EVS300の画素の一部(画素回路410など)が画素チップ201に配置され、EVS300の残りの回路が回路チップ202に配置される。また、ヘッダ付加部211以降の後段の回路が、回路チップ203に配置される。なお、各チップに配置する回路は、同図に例示したものに限定されない。また、積層するチップ数は3つに限定されず、4つ以上であってもよい。
【0122】
なお、第1の実施の形態の第4の変形例に、第1、第2の変形例のそれぞれを適用することができる。
【0123】
このように、本技術の第1の実施の形態の第4の変形例によれば、積層した3つのチップに回路を分散して配置したため、チップ当たりの回路規模を削減することができる。これにより、多画素化が容易になる。
【0124】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、FIFOメモリやデジタル処理部を2つずつ配置していたが、これらの個数を削減することもできる。この第2の実施の形態における光検出装置100は、FIFOメモリ222やデジタル処理部252を削減した点において第1の実施の形態と異なる。
【0125】
図20は、本技術の第2の実施の形態におけるセンサーチップ200の一構成例を示すブロック図である。この第2の実施の形態のセンサーチップ200は、FIFOメモリ222、テストパターン生成部240およびデジタル処理部252が配置されない点において第1の実施の形態と異なる。
【0126】
第2の実施の形態において、ヘッダ付加部212は、ヘッダ付きのSL'をFIFOメモリ221に供給し、FIFOメモリ221は、PL'およびSL'のそれぞれを保持する。また、FIFOメモリ221は、PLをSNN回路500に供給し、PL'およびSL'を、テストパターン生成部230を介してデジタル処理部251に供給する。デジタル処理部251は、PL'およびSL'を処理し、フォーマット処理部260に供給する。
【0127】
なお、第2の実施の形態に、第1の実施の形態の第1、第2、第3および第4の変形例のそれぞれを適用することができる。
【0128】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、FIFOメモリ222やデジタル処理部252を削減したため、センサーチップ200の回路規模を削減することができる。
【0129】
[第1の変形例]
上述の第2の実施の形態では、FIFOメモリ221がPLを保持して、SNN回路500に供給していたが、EVS300は、PLをSNN回路500に直接出力することもできる。この第2の実施の形態の第1の変形例における光検出装置100は、EVS300がPLをSNN回路500に直接出力する点において第2の実施の形態と異なる。
【0130】
図21は、本技術の第2の実施の形態の第1の変形例におけるセンサーチップ200の一構成例を示すブロック図である。第2の実施の形態の第1の変形例において、EVS300は、FIFOメモリ221を介さずに、PLをSNN回路500およびヘッダ付加部211に出力する。FIFOメモリ221を介さずに、PLをSNN回路500に直接出力することにより、PLに対するSLの遅延時間を短くすることができる。
【0131】
なお、第2の実施の形態の第1の変形例に、第1の実施の形態の第1、第2、第3および第4の変形例のそれぞれを適用することができる。
【0132】
このように、本技術の第2の実施の形態の第1の変形例によれば、EVS300がPLをSNN回路500に直接出力するため、SLの遅延時間を短くすることができる。
【0133】
[第2の変形例]
上述の第2の実施の形態では、FIFOメモリ221にPL'およびSL'の両方を保持させていたが、PL'およびSL'を別々のFIFOメモリに保持させることできる。この第2の実施の形態の第2の変形例における光検出装置100は、PL'およびSL'を別々のFIFOメモリに保持させる点において第1の実施の形態と異なる。
【0134】
図22は、本技術の第2の実施の形態の第2の変形例におけるセンサーチップ200の一構成例を示すブロック図である。第2の実施の形態の第2の変形例のセンサーチップ200は、FIFOメモリ222がさらに配置される点において第2の実施の形態と異なる。
【0135】
第2の実施の形態の第2の変形例において、ヘッダ付加部212は、ヘッダ付きのSL'をFIFOメモリ222に供給する。FIFOメモリ222は、SL'を保持し、テストパターン生成部240に供給する。
【0136】
このように、本技術の第2の実施の形態の第2の変形例によれば、FIFOメモリ222を追加したため、PL'およびSL'を異なるFIFOメモリに保持させることができる。
【0137】
<3.第3の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、PLを生成するセンサーとしてEVS300を用いていたが、EVS300の代わりに光子を計数する光子計測回路を用いることもできる。この第3の実施の形態における光検出装置100は、EVS300の代わりに光子計測回路を用いる点において第1の実施の形態と異なる。
【0138】
図23は、本技術の第3の実施の形態におけるセンサーチップ200の一構成例を示すブロック図である。この第3の実施の形態におけるセンサーチップ200は、EVS300の代わりに光子計測回路600を配置した点において第1の実施の形態と異なる。なお、光子計測回路600は、特許請求の範囲に記載のセンサーの一例である。
【0139】
図24は、本技術の第3の実施の形態における光子計測回路600の一構成例を示すブロック図である。この光子計測回路600は、駆動部610、画素アレイ部620、タイミング制御回路640および読出し処理部650を備える。画素アレイ部620には、複数の画素630が二次元格子状に配列される。
【0140】
駆動部610、画素アレイ部620、タイミング制御回路640および読出し処理部650のそれぞれの機能は、駆動部310、画素アレイ部320、タイミング制御回路330およびラインスキャナ340と同様である。
【0141】
図25は、本技術の第3の実施の形態における画素630の一構成例を示す回路図である。この画素630は、クウェンチ抵抗631、SPAD(Single-Photon Avalanche Diode)632、インバータ633およびフォトンカウンタ634を備える。
【0142】
クウェンチ抵抗631およびSPAD632は、直列に接続される。インバータ633は、クウェンチ抵抗631およびSPAD632の接続点の電圧信号を反転し、パルス信号としてフォトンカウンタ634に供給するものである。フォトンカウンタ634は、パルス信号のパルス数を計数し、計数値を示す画素データを読出し処理部650に供給するものである。
【0143】
光子を計数する場合、PL内の画素データのそれぞれは、計数値を示す2ビット以上のビット列となる。しかし、第1の実施の形態のように、画素データのそれぞれを1ビットの情報に変換することが好ましい。変換を行う場合は、例えば、SNN回路500の前段に、画素ごとにビット列を1ビットに変換する変換回路が挿入される。
【0144】
なお、画素630の回路構成は、光子を計数することができるものであれば、同図に例示したものに限定されない。
【0145】
また、第3の実施の形態に、第1の実施の形態の第1、第2、第3および第4の変形例
と、第2の実施の形態と、第2の実施の形態の第1、第2の変形例とのそれぞれを適用することができる。
【0146】
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、EVS300の代わりに光子計測回路600を配置したため、光子計測回路600の出力とSNN回路500の出力との同期をとることができる。
【0147】
<4.第4の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、PLを生成するセンサーとしてEVS300を用いていたが、EVS300の代わりに、CISを用いることもできる。この第4の実施の形態における光検出装置100は、EVS300の代わりにCISを用いる点において第1の実施の形態と異なる。
【0148】
図26は、本技術の第4の実施の形態におけるセンサーチップ200の一構成例を示すブロック図である。この第4の実施の形態におけるセンサーチップ200は、EVS300の代わりにCIS700を配置した点において第1の実施の形態と異なる。なお、CIS700は、特許請求の範囲に記載のセンサーの一例である。
【0149】
図27は、本技術の第4の実施の形態におけるCIS700の一構成例を示すブロック図である。このCIS700は、垂直走査回路710、タイミング制御回路720、DAC(Digital to Analog Converter)730、画素アレイ部740、カラムADC760、および、水平転送走査回路770を備える。画素アレイ部740には、二次元格子状に画素750が配列される。
【0150】
垂直走査回路710は、行を順に選択して駆動し、アナログの画素信号をカラムADC760へ出力させるものである。タイミング制御回路720は、垂直同期信号VSYNCから、水平同期信号HSYNCを生成し、水平転送走査回路770と、ヘッダ付加部211および212とに供給する。
【0151】
DAC730は、所定の参照信号を生成してカラムADC760に供給するものである。参照信号として、例えば、のこぎり波状のランプ信号が用いられる。
【0152】
カラムADC760は、列ごとにADCを備え、列のそれぞれの画素信号に対してAD(Analog to Digital)変換を行うものである。カラムADC760は、水平転送走査回路770の制御に従ってPLを生成し、ヘッダ付加部211へ出力する。
【0153】
水平転送走査回路770は、カラムADC760を制御して画素データを順に出力させるものである。
【0154】
上述のようにCISでは、PL内の画素データのそれぞれは、その画素の階調値を示す2ビット以上のビット列となる。しかし、第1の実施の形態のように、画素データのそれぞれを1ビットの情報に変換することが好ましい。変換を行う場合は、例えば、SNN回路500の前段に、画素ごとにビット列を1ビットに変換する変換回路が挿入される。
【0155】
図28は、本技術の第4の実施の形態における画素750の一構成例を示す回路図である。この画素750は、フォトダイオード751、転送トランジスタ752、リセットトランジスタ753、浮遊拡散層754、増幅トランジスタ755および選択トランジスタ756を備える。
【0156】
フォトダイオード751は、入射光を光電変換して電荷を生成するものである。転送トランジスタ752は、垂直走査回路710からの転送信号TRGに従って、フォトダイオード751から浮遊拡散層754へ電荷を転送するものである。
【0157】
リセットトランジスタ753は、垂直走査回路710からのリセット信号RSTに従って、浮遊拡散層754から電荷を引き抜いて初期化するものである。浮遊拡散層754は、電荷を蓄積し、電荷量に応じた電圧を生成するものである。
【0158】
増幅トランジスタ755は、浮遊拡散層754の電圧を増幅するものである。選択トランジスタ756は、垂直走査回路710からの選択信号SELに従って、増幅後の電圧の信号を画素信号として出力するものである。
【0159】
また、画素アレイ部740には、列ごとに垂直信号線759が配線され、列内の画素750のそれぞれの画素信号は、その列の垂直信号線759を介してカラムADC760へ出力される。
【0160】
なお、画素750の回路構成は、アナログの画素信号を生成することができるものであれば、同図に例示した構成に限定されない。
【0161】
また、第4の実施の形態に、第1の実施の形態の第1、第2、第3および第4の変形例
と、第2の実施の形態と、第2の実施の形態の第1、第2の変形例とのそれぞれを適用することができる。
【0162】
このように、本技術の第4の実施の形態によれば、EVS300の代わりにCIS700を配置したため、CIS700の出力とSNN回路500の出力との同期をとることができる。
【0163】
<5.第5の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、センサーチップ200が、PLおよびSLを送信していたが、後段の回路でSLのみが必要なケースも想定される。この第5の実施の形態における光検出装置100は、センサーチップ200が、PLおよびSLのうちSLのみを送信する点において第1の実施の形態と異なる。
【0164】
図29は、本技術の第5の実施の形態における光検出装置100の一構成例を示すブロック図である。この光検出装置100は、システムグローバルクロック供給部191、外部センサー192、センサーチップ200およびDSP回路120を備える。
【0165】
システムグローバルクロック供給部191は、グローバルクロック信号CLKgを生成し、外部センサー192およびセンサーチップ200に供給するものである。
【0166】
外部センサー192は、グローバルクロック信号CLKgに同期して動作し、所定のセンサデータを格納した通信フレームをDSP回路120に送信するものである。なお、外部センサー192の代わりに、各種のデバイスを配置することもできる。
【0167】
センサーチップ200もグローバルクロック信号CLKgに同期して動作する。また、センサーチップ200は、SLにヘッダ等を付加して通信フレームに格納し、DSP回路120に送信する。DSP回路120は、センサデータとSLとの同期をとって、それらを処理する。
【0168】
図30は、本技術の第5の実施の形態におけるセンサーチップ200の一構成例を示すブロック図である。この第5の実施の形態におけるセンサーチップ200は、ヘッダ付加部211、テストパターン生成部230およびデジタル処理部251が配置されない点において第1の実施の形態と異なる。
【0169】
第5の実施の形態においてEVS300は、PLをFIFOメモリ221に出力する。また、フォーマット処理部260は、ヘッダ付きのSL'を通信フレームに格納する。
【0170】
図31は、本技術の第5の実施の形態における通信フレームのフォーマットの一例を示す図である。同図に例示するように、通信フレームには、SL'が格納されるが、PL'は格納されない。これにより、外部通信インターフェース270の通信量を削減することができる。
【0171】
なお、第5の実施の形態に、第1の実施の形態の積層構造の第3、第4の変形例と、光子計測回路を用いる第3の実施の形態と、CISを用いる第4の実施の形態とのそれぞれを適用することができる。
【0172】
このように、本技術の第5の実施の形態によれば、フォーマット処理部260は、PL'を通信フレームに格納しないため、外部通信インターフェース270の通信量を削減することができる。
【0173】
<6.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0174】
図32は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0175】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図32に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0176】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0177】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0178】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0179】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0180】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0181】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0182】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0183】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0184】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図32の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0185】
図33は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0186】
図33では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0187】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0188】
なお、図33には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0189】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0190】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0191】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0192】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0193】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。具体的には、図1の光検出装置100は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、EVS300およびSNN回路500のそれぞれの出力の同期が容易になるため、システムの性能を向上させることができる。
【0194】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0195】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0196】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)それぞれが複数の画素データを含む所定数の第1ラインデータを出力するセンサーと、
ニューラルネットワークモデルに基づいて所定数の前記第1ラインデータを順に処理して各々の処理結果を配列した第2ラインデータを出力するニューラルネットワーク回路と、
所定数の前記第1ラインデータと前記第2ラインデータとを対応付けて格納した通信フレームを生成するフォーマット処理部と
を具備する光検出装置。
(2)前記第1ラインデータに所定情報を含む第1ヘッダを付加する第1のヘッダ付加部と、
前記第2ラインデータに前記所定情報を含む第2ヘッダを付加する第2のヘッダ付加部と
さらに具備する前記(1)記載の光検出装置。
(3)前記第1のヘッダ付加部は、所定数の前記第1ラインデータのそれぞれに前記第1ヘッダを付加する
前記(2)記載の光検出装置。
(4)前記第1のヘッダ付加部は、所定数の前記第1ラインデータのうち先頭の第1ラインデータに前記第1ヘッダを付加する
前記(2)記載の光検出装置。
(5)前記第2のヘッダ付加部は、所定数の前記第2ラインデータのそれぞれに前記第2ヘッダを付加する
前記(2)または(3)に記載の光検出装置。
(6)前記第2のヘッダ付加部は、所定数の前記第2ラインデータのうち先頭の第2ラインデータに前記第2ヘッダを付加する
前記(2)または(3)に記載の光検出装置。
(7)前記所定情報は、前記第1ラインデータが出力された時刻を示す時刻情報である
前記(2)から(6)のいずれかに記載の光検出装置。
(8)前記画素データは、時刻情報を含み、
前記所定情報は、前記第1ラインデータに対応するラインの識別情報である
前記(2)から(6)のいずれかに記載の光検出装置。
(9)前記第1ヘッダが付加された前記第1ラインデータと前記第2ヘッダが付加された前記第2ラインデータとに対して所定の処理を行って前記フォーマット処理部に供給するデジタル処理部をさらに具備する前記(2)から(8)のいずれかに記載の光検出装置。
(10)前記第1ヘッダが付加された前記第1ラインデータに対して所定の処理を行って前記フォーマット処理部に供給する第1のデジタル処理部と、
前記第2ヘッダが付加された前記第2ラインデータに対して所定の処理を行って前記フォーマット処理部に供給する第2のデジタル処理部と
を具備する前記(2)から(8)のいずれかに記載の光検出装置。
(11)前記第1ヘッダが付加された前記第1ラインデータと前記第2ヘッダが付加された前記第2ラインデータとを先入れ先出し方式で保持するFIFOメモリをさらに具備する前記(2)から(10)のいずれかに記載の光検出装置。
(12)前記第1ヘッダが付加された前記第1ラインデータを先入れ先出し方式で保持する第1のFIFOメモリと、
前記第2ヘッダが付加された前記第2ラインデータを先入れ先出し方式で保持する第2のFIFOメモリと
をさらに具備する前記(2)から(10)のいずれかに記載の光検出装置。
(13)前記ニューラルネットワーク回路は、前記第1のFIFOメモリから前記第1ラインデータを読み出す前記(12)記載の光検出装置。
(14)前記センサーは、前記第1のFIFOメモリと前記ニューラルネットワーク回路とに前記第1ラインデータを出力する
前記(12)記載の光検出装置。
(15)前記センサーは、EVS(Event-based Vision Sensor)である
前記(1)から(14)のいずれかに記載の光検出装置。
(16)前記センサーは、光子を計数する光子計測回路である
前記(1)から(14)のいずれかに記載の光検出装置。
(17)前記センサーは、CIS(CMOS Image Sensors)である
前記(1)から(14)のいずれかに記載の光検出装置。
(18)前記センサーと前記ニューラルネットワーク回路と前記フォーマット処理部とは、積層された複数のチップに分散して配置される
前記(1)から(17)のいずれかに記載の光検出装置。
(19)それぞれが複数の画素データを含む所定数の第1ラインデータを出力するセンサーと、
ニューラルネットワークモデルに基づいて所定数の前記第1ラインデータを順に処理して各々の処理結果を配列した第2ラインデータを出力するニューラルネットワーク回路と、
前記第1ラインデータに関する所定情報を含むヘッダを前記第2ラインデータに付加するヘッダ付加部と、
前記ヘッダが付加された第2ラインデータを格納した通信フレームを生成するフォーマット処理部と
を具備する光検出装置。
(20)それぞれが複数の画素データを含む所定数の第1ラインデータをセンサーが出力する手順と、
ニューラルネットワークモデルに基づいて所定数の前記第1ラインデータを順に処理して各々の処理結果を配列した第2ラインデータをニューラルネットワーク回路が出力する手順と、
所定数の前記第1ラインデータと前記第2ラインデータとを対応付けて格納した通信フレームをフォーマット処理部が生成する手順と
を具備する光検出装置の制御方法。
【符号の説明】
【0197】
100 光検出装置
110 光学部
120 DSP回路
130 表示部
140 操作部
150 バス
160 フレームメモリ
170 記憶部
180 電源部
191 システムグローバルクロック供給部
192 外部センサー
200 センサーチップ
201 画素チップ
202、203 回路チップ
211、212 ヘッダ付加部
213 レジスタ
221、222、541~545 FIFOメモリ
230、240 テストパターン生成部
231 テストパターン供給部
232 スイッチ
251、252 デジタル処理部
260 フォーマット処理部
261 バッファメモリ
262 並べ替え処理部
263 フォーマッター
270 外部通信インターフェース
300 EVS
310、610 駆動部
320、620、740 画素アレイ部
330、640、720 タイミング制御回路
340 ラインスキャナ
400、630、750 画素
410 画素回路
411、751 フォトダイオード
412、413、435、442、444 nMOSトランジスタ
414、421、422、432、434、441、443 pMOSトランジスタ
420 バッファ
430 微分回路
431、433 容量
440 量子化器
500 SNN回路
511 入力層
512 中間層
513 出力層
520 入出力インターフェース
530 マルチコアアレイ
540 ルーター
546 アービタ
550 コア
551 コアルーター
552 ニューロンI/O
553 積和ユニット
554 ワークメモリ
555 膜電位メモリ
556 LIFユニット
600 光子計測回路
631 クウェンチ抵抗
632 SPAD
633 インバータ
634 フォトンカウンタ
650 読出し処理部
700 CIS
710 垂直走査回路
730 DAC
752 転送トランジスタ
753 リセットトランジスタ
754 浮遊拡散層
755 増幅トランジスタ
756 選択トランジスタ
760 カラムADC
770 水平転送走査回路
12031 撮像部
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