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▶ 株式会社アネビーの特許一覧

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  • 特開-共振ブランコ 図1
  • 特開-共振ブランコ 図2
  • 特開-共振ブランコ 図3
  • 特開-共振ブランコ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090349
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】共振ブランコ
(51)【国際特許分類】
   A63G 9/02 20060101AFI20240627BHJP
   A63B 7/02 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A63G9/02
A63B7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206210
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】399130142
【氏名又は名称】株式会社アネビー
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】熊尾 重治
(57)【要約】
【課題】振動を効果的に伝達することができるようにした共振ブランコを提供する。
【解決手段】アーチ状の湾曲部3を有する支持フレーム2と、この支持フレーム2の湾曲部3に懸吊された複数本の第1懸吊体6と、この第1懸吊体6により揺動可能に吊架された揺動バー10と、この揺動バー10に懸吊された複数のブランコ11とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーチ状の湾曲部を有する支持フレームと、
該支持フレームの前記湾曲部に懸吊された複数本の懸吊体と、
該懸吊体により揺動可能に吊架された揺動バーと、
該揺動バーに懸吊された複数のブランコと、
を具備したことを特徴とする共振ブランコ。
【請求項2】
前記支持フレームは、前記湾曲部の両端に連続する直線状の一対の支柱を備えることを特徴とする請求項1に記載の共振ブランコ。
【請求項3】
前記支持フレームは、前記湾曲部と前記支柱との連続部において前記湾曲部の接線方向と前記支柱の軸方向とが一致するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の共振ブランコ。
【請求項4】
前記懸吊体は、前記湾曲部に支持された一対の外側懸吊体と、該外側懸吊体の内側の前記湾曲部に支持された内側懸吊体とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の共振ブランコ。
【請求項5】
前記ブランコは、揺動方向に間隔を開けて設けられた一対の着座部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の共振ブランコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のブランコを共振現象を利用して連動させる共振ブランコに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の共振ブランコとしては、従来、種々のものが提案されている。
【0003】
たとえば非特許文献1には、一対の支柱に支持された固定フレームと、この固定フレームにロープによって揺動可能に吊架された揺動フレームと、この揺動フレームに吊架された複数のブランコを備えた共振ブランコが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ふしぎの国のブランコ(特定非営利活動法人 発見工房クリエイト)http://www.infopia.net/create/episode1.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この共振ブランコでは、複数のブランコが共振によって逆方向に振れた場合、揺動フレームが振動し、その振動が固定フレームにも伝わることになるが、固定フレームが支柱に水平に支持される構造となっているため、振動が伝わり難いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、振動を効果的に伝達することができるようにした共振ブランコを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る共振ブランコは、アーチ状の湾曲部を有する支持フレームと、この支持フレームの湾曲部に懸吊された複数本の懸吊体と、この懸吊体により揺動可能に吊架された揺動バーと、この揺動バーに懸吊された複数のブランコとを具備したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る共振ブランコによれば、振動を効果的に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明の一実施形態に係る共振ブランコを示す正面図。
図2図1の部分IIを拡大して示す正面図。
図3図1の部分IIIを拡大して示す正面図。
図4】同共振ブランコの着座体を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1中、符号1は、本発明の一実施形態に係る共振ブランコを示している。
【0012】
この共振ブランコ1は、たとえばスチールパイプなどで形成された支持フレーム2を備えている。
【0013】
この支持フレーム2は、アーチ状(中央部が上方向に凸な曲線形状)をした構造の湾曲部3と、この湾曲部3の両端に連続する直線状の一対の支柱4を有し、この支柱4の軸方向と湾曲部3の接線方向が一致するように構成されている。
【0014】
そして、この支柱4の下部が基礎5に固定される構造となっている。
【0015】
湾曲部3には、図2にも示すように、たとえばナイロンコンパウンドロープなどで形成された複数本の第1懸吊体6が懸吊されている。
【0016】
これら第1懸吊体6は、湾曲部3に支持された一対の外側懸吊体7と、これら外側懸吊体7の内側に支持された一対の内側懸吊体8とを備えている。
【0017】
これら外側懸吊体7および内側懸吊体8はそれぞれ、湾曲部3の頂部9を境に対称的に配置されている。
【0018】
したがって、外側懸吊体7の長さは、内側懸吊体8の長さより短くなっている。
【0019】
これら外側懸吊体7および内側懸吊体8には、たとえばスチールパイプなどで形成された直線状の揺動バー10が水平に吊架され揺動可能になっている。
【0020】
この揺動バー10には、複数たとえば2つのブランコ11が取付けられている。
【0021】
各ブランコ11は、揺動バー10に懸吊された一対の第2懸吊体12と、これら第2懸吊体12の下端に取付けられた着座体13とを備えている。
【0022】
第2懸吊体12は、図3に示すように、たとえばSUSショートリンクチェーンおよびこのSUSショートリンクチェーンを覆う樹脂カバー(図示しない。)などで形成されている。
【0023】
着座体13は、図4に示すように、たとえばスチールパイプなどで略方形状に環状形成された枠部材14と、この枠部材14の揺動方向前後部分に揺動方向に間隔を開けて設けられた一対の着座部15とを備えている。
【0024】
すなわち、着座体13は、一人乗りや二人乗りができ、しかも二人乗りの場合、向かい合って乗ることができるようになっている。
【0025】
また、この着座部15は、たとえばポリアミド樹脂などで衝撃を吸収できるように構成されている。
【0026】
以上の構成において、通常の2連のブランコでは、一方のブランコを揺らすことで隣の他方のブランコが揺れることは無いが、本発明に係る共振ブランコ1では、一方のブランコ11を揺らすことで、誰もいないはずの他方のブランコ11を自動的に揺らすことが可能となる。
【0027】
すなわち、本共振ブランコ1は、両方のブランコ11の吊元の支点(揺動バー10)と地上からの座面(着座体13)の高さが同一であると、一方のブランコ11を揺らした場合には、他方のブランコ11が自動的に動き始めるが、一方のブランコ11の振動が伝わり続けると他方のブランコ11の揺れ幅が大きくなり、他方のブランコ11の振動に反発して一方のブランコ11の揺れ幅は小さくなり、やがて一方のブランコ11は自動的に停止するといった自動停止機能を持っている。
【0028】
また、両方のブランコ11の吊元の支点と地上からの座面の高さが同一であると、両方のブランコ11が同一方向に揺れる場合は共振現象は生じないが、両方のブランコ11の揺れ幅が異なる場合には両方のブランコ11の相互の振動が伝わり通常と異なる微細運動が発生する。
【0029】
さらに、両方のブランコ11が前後逆方向に揺れる場合には相互に振動が伝わり、相互の振動を打ち消すブレーキング現象が発生し、両方のブランコ11が共に揺らす力が通常より必要となる
【0030】
さらに、両方のブランコ11の吊元の支点と地上からの座面の高さが同一で、両方のブランコ11の加重が異なる場合には、加重の大きいほうから加重の低いほうに伝わる振動は大きくなり、加重の低いほうが振動幅は大きくなり、揺れる速度は速くなる。
【0031】
したがって、特定の振動数によって振幅が増加する現象を活かしたものであるから、両方のブランコ11の吊元の支点と地上からの座面の高さが同一でない場合は、振動数が異なるため上記の現象をスウィング遊具で具現化することは難しい。
【0032】
以上の構成によれば、アーチ状の湾曲部3に第1懸吊体6を介して揺動バー10を吊架したので、ブランコ11の振動を他のブランコ11に効果的に伝達することができる。
【0033】
また、支持フレーム2は、湾曲部3の両端に連続する直線状の一対の支柱4を備える構造としたので、上部だけが湾曲構造となり、構造の簡単化が図れる。
【0034】
さらに、支持フレーム2は、湾曲部3と支柱4との連続部において湾曲部3の接線方向と支柱4の軸方向とが一致するように構成したので、連続した支持構造となり、ブランコ11の振動を他のブランコ11にさらに効果的に伝達することができる。
【0035】
さらに、第1懸吊体6は、湾曲部3に支持された一対の外側懸吊体7と、外側懸吊体7の内側の湾曲部3に支持された内側懸吊体8とを備える構造としたので、外側懸吊体7より内側懸吊体8の方が長くなる。
【0036】
したがって、揺動バー10が最下部のときは外側懸吊体7および内側懸吊体8で揺動バー10を支持するが、揺動バー10が最下部から振れたときは外側懸吊体7のみで揺動バー10を支持することになる。
【0037】
すなわち、荷重が最大になる揺動バー10の最下部で外側懸吊体7および内側懸吊体8の両方で荷重を受けるので、安全性を向上することができる。
【0038】
さらに、各ブランコ11は、揺動方向に間隔を開けて設けられた一対の着座部15を備える構造としたので、二人乗りすることができ、これにより他のブランコ11との荷重調整をすることができる。
【0039】
すなわち、一方のブランコ11は一人乗り、他方のブランコ11は二人乗りとすることにより、体重差を調整することができる。
【0040】
なお、支持フレーム2は、上記実施形態では、湾曲部3と、この湾曲部3の両端に連続する直線状の一対の支柱4を備えた構造としたが、本発明はこれに限定されることはなく、たとえば全体を湾曲部3で構成してもよい。
【0041】
また、内側懸吊体8は、上記実施形態では、一対(2本)設けたが、本発明はこれに限定されることはなく、たとえば一本でもよい。
【0042】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0043】
すなわち、本発明に係る共振ブランコは、アーチ状の湾曲部を有する支持フレームと、この支持フレームの湾曲部に懸吊された複数本の懸吊体と、この懸吊体により揺動可能に吊架された揺動バーと、この揺動バーに懸吊された複数のブランコとを具備したことを特徴とするものである。
【0044】
上記発明は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。該実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
【0045】
(1)支持フレームは、湾曲部の両端に連続する直線状の一対の支柱を備え
【0046】
(2)また、支持フレームは、湾曲部と支柱との連続部において湾曲部の接線方向と支柱の軸方向とが一致するように構成する。
【0047】
(3)懸吊体は、湾曲部に支持された一対の外側懸吊体と、この外側懸吊体の内側の湾曲部に支持された内側懸吊体とを備える。
【0048】
(4)ブランコは、揺動方向に間隔を開けて設けられた一対の着座部を備える。
【符号の説明】
【0049】
1 共振ブランコ
2 支持フレーム
3 湾曲部
4 支柱
6 懸吊体(第1懸吊体)
7 外側懸吊体
8 内側懸吊体
10 揺動バー
11 ブランコ
15 着座部
図1
図2
図3
図4