IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

特開2024-90356サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム
<>
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図1
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図2
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図3
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図4
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図5
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図6
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図7
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図8
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図9
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図10
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図11
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図12
  • 特開-サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090356
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240627BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206217
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】児玉 侑理加
(72)【発明者】
【氏名】宮田 智博
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サービスの提供に利用される空間の利用効率を向上し、かつ、利用者の利便性を向上することが可能なサービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】サービス提供システム1において、個人情報管理サーバ40は、利用者によって予め登録される利用者を識別するための登録時識別情報と、利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報とを利用者に対応付けて記憶する。認証サーバ30と、利用者がオンラインサービスの利用を開始する際に利用者を識別するための利用時識別情報を取得し、利用時識別情報と登録時識別情報とを照合し利用者の本人認証を行う。サービス管理サーバ50は、認証サーバ30による本人認証が成功した場合に、利用者に対応付けられているサービス情報に基づきオンラインサービスが提供される空間に設けられるサービス提供端末から複数のオンラインサービスを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって予め登録される前記利用者を識別するための登録時識別情報と、前記利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報とを前記利用者に対応付けて記憶する個人情報記憶部と、
前記利用者が前記オンラインサービスの利用を開始する際に、前記利用者を識別するための利用時識別情報を取得する識別情報取得部と、
取得された前記利用時識別情報と、前記個人情報記憶部に記憶されている前記登録時識別情報とを照合し、前記利用者の本人認証を行う本人認証部と、
前記本人認証部による前記本人認証が成功した場合に、前記利用者に対応付けられている前記サービス情報に基づき、前記オンラインサービスが提供される空間に設けられるサービス提供端末から複数の前記オンラインサービスを提供するサービス提供部と、
を備えるサービス提供システム。
【請求項2】
前記個人情報記憶部は、前記利用者に対して前記利用者の個人情報をさらに対応付けて記憶し、
前記サービス提供部は、前記個人情報記憶部に記憶されている前記個人情報の提供を前記利用者が予め許諾した前記オンラインサービスを提供する、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記サービス提供部は、前記空間の外部に設けられている本人認証端末を前記利用者が操作することで前記本人認証が成功した場合に、前記空間の内部に設けられている前記サービス提供端末から複数の前記オンラインサービスを提供する、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記利用者が利用可能な前記空間を検索し、前記空間の設備情報を含む検索結果を出力する検索部と、
前記検索結果に基づき前記利用者によって選択された前記空間の予約を受け付ける予約部と、
をさらに備える請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記空間の入口に設けられた施錠装置の施錠状態を制御する施錠制御部、
をさらに備え、
前記空間の予約がある場合、前記空間の入口は前記施錠装置によって施錠された状態にあり、
前記本人認証部は、前記空間の外部に設けられている本人認証端末から前記本人認証を受け付け、
前記施錠制御部は、前記本人認証が成功した場合に前記施錠装置を解錠させる、
請求項4に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記空間の予約が無い場合、前記空間の入口は前記空間の入口に設けられた施錠装置によって施錠されていない状態にあり、
前記本人認証部は、前記空間の内部に設けられている前記サービス提供端末から前記本人認証を受け付ける、
請求項4又は請求項5に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記オンラインサービスが提供される空間は、ブース型設備の内部空間である、
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
本人認証端末とサービス提供端末とを備えるブース型設備であって、
前記本人認証端末は、
前記ブース型設備の外部に設けられ、
利用者がオンラインサービスの利用を開始する際に、前記利用者を識別するための利用時識別情報を取得し、前記利用時識別情報と前記利用者によって予め登録されている前記利用者を識別するための登録時識別情報との照合による本人認証を受け付け、
前記サービス提供端末は、
前記オンラインサービスが提供される空間である前記ブース型設備の内部に設けられ、
前記本人認証が成功した場合に、前記利用者によって予め登録されている前記利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報に基づき、複数の前記オンラインサービスを提供する、
ブース型設備。
【請求項9】
個人情報記憶部が、利用者によって予め登録される前記利用者を識別するための登録時識別情報と、前記利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報とを前記利用者に対応付けて記憶する個人情報記憶過程と、
識別情報取得部が、前記利用者が前記オンラインサービスの利用を開始する際に、前記利用者を識別するための利用時識別情報を取得する識別情報取得過程と、
本人認証部が、取得された前記利用時識別情報と、前記個人情報記憶部に記憶されている前記登録時識別情報とを照合し、前記利用者の本人認証を行う本人認証過程と、
サービス提供部が、前記本人認証部による前記本人認証が成功した場合に、前記利用者に対応付けられている前記サービス情報に基づき、前記オンラインサービスが提供される空間に設けられるサービス提供端末から複数の前記オンラインサービスを提供するサービス提供過程と、
を含むサービス提供方法。
【請求項10】
コンピュータを、
利用者によって予め登録される前記利用者を識別するための登録時識別情報と、前記利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報とを前記利用者に対応付けて記憶する個人情報記憶手段と、
前記利用者が前記オンラインサービスの利用を開始する際に、前記利用者を識別するための利用時識別情報を取得する識別情報取得手段と、
取得された前記利用時識別情報と、前記個人情報記憶手段によって記憶されている前記登録時識別情報とを照合し、前記利用者の本人認証を行う本人認証手段と、
前記本人認証手段による前記本人認証が成功した場合に、前記利用者に対応付けられている前記サービス情報に基づき、前記オンラインサービスが提供される空間に設けられるサービス提供端末から複数の前記オンラインサービスを提供するサービス提供手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空きスペースを有効に活用するために、該当スペースにブース型の設備を設置したサービスの提供が行われている。当該サービスには、例えば、証明写真を撮影可能なブースによって提供される証明写真サービスや、ワーキングスペースとして利用可能なブースによって提供されるスペース提供サービスなどがある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、内部空間を利用者が任意の作業を行うための空間として提供するワークブースが開示されている。当該ワークブースの内部空間には、設備品の1つとしてモニター画面が設けられており、利用者は持参したノートパソコンやタブレット端末などで出力する画像を当該モニター画面に映し出して、作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-133472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のワークブースは、内部空間に設けられたモニター画面からサービスが提供されるものではなく、内部空間を単にワークスペースとして提供するだけのものであった。また、上記証明写真サービスは、単に証明写真を撮影するサービスを提供するだけのものであった。即ち、いずれのサービスでも、特定のサービス(単機能)の提供しかされていなかった。このため、空きスペースの提供者にとっては空きスペースの利用効率が悪く、サービスの利用者にとっては利便性が悪かった。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、サービスの提供に利用される空間の利用効率を向上し、かつ利用者の利便性を向上することが可能なサービス提供システム、ブース型設備、サービス提供方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るサービス提供システムは、利用者によって予め登録される前記利用者を識別するための登録時識別情報と、前記利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報とを前記利用者に対応付けて記憶する個人情報記憶部と、前記利用者が前記オンラインサービスの利用を開始する際に、前記利用者を識別するための利用時識別情報を取得する識別情報取得部と、取得された前記利用時識別情報と、前記個人情報記憶部に記憶されている前記登録時識別情報とを照合し、前記利用者の本人認証を行う本人認証部と、前記本人認証部による前記本人認証が成功した場合に、前記利用者に対応付けられている前記サービス情報に基づき、前記オンラインサービスが提供される空間に設けられるサービス提供端末から複数の前記オンラインサービスを提供するサービス提供部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係るブース型設備は、本人認証端末とサービス提供端末とを備えるブース型設備であって、前記本人認証端末は、前記ブース型設備の外部に設けられ、利用者がオンラインサービスの利用を開始する際に、前記利用者を識別するための利用時識別情報を取得し、前記利用時識別情報と前記利用者によって予め登録されている前記利用者を識別するための登録時識別情報との照合による本人認証を受け付け、前記サービス提供端末は、前記オンラインサービスが提供される空間である前記ブース型設備の内部に設けられ、前記本人認証が成功した場合に、前記利用者によって予め登録されている前記利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報に基づき、複数の前記オンラインサービスを提供する。
【0009】
本発明の一態様に係るサービス提供方法は、個人情報記憶部が、利用者によって予め登録される前記利用者を識別するための登録時識別情報と、前記利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報とを前記利用者に対応付けて記憶する個人情報記憶過程と、識別情報取得部が、前記利用者が前記オンラインサービスの利用を開始する際に、前記利用者を識別するための利用時識別情報を取得する識別情報取得過程と、本人認証部が、取得された前記利用時識別情報と、前記個人情報記憶部に記憶されている前記登録時識別情報とを照合し、前記利用者の本人認証を行う本人認証過程と、サービス提供部が、前記本人認証部による前記本人認証が成功した場合に、前記利用者に対応付けられている前記サービス情報に基づき、前記オンラインサービスが提供される空間に設けられるサービス提供端末から複数の前記オンラインサービスを提供するサービス提供過程と、を含む。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、利用者によって予め登録される前記利用者を識別するための登録時識別情報と、前記利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報とを前記利用者に対応付けて記憶する個人情報記憶手段と、前記利用者が前記オンラインサービスの利用を開始する際に、前記利用者を識別するための利用時識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得された前記利用時識別情報と、前記個人情報記憶手段によって記憶されている前記登録時識別情報とを照合し、前記利用者の本人認証を行う本人認証手段と、前記本人認証手段による前記本人認証が成功した場合に、前記利用者に対応付けられている前記サービス情報に基づき、前記オンラインサービスが提供される空間に設けられるサービス提供端末から複数の前記オンラインサービスを提供するサービス提供手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、サービスの提供に利用される空間の利用効率を向上し、かつ利用者の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係るサービス提供システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る多機能ブースの外部構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る多機能ブースの内部構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る利用者端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係る多機能ブースの機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】本実施形態に係る認証サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図7】本実施形態に係る個人情報管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図8】本実施形態に係るサービス管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図9】本実施形態に係るブース管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図10】本実施形態に係るサービス提供システムにおけるアカウント作成処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11】本実施形態に係るサービス提供システムにおける利用サービス登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12】本実施形態に係るサービス提供システムにおける多機能ブースの検索・予約処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図13】本実施形態に係るサービス提供システムにおける多機能ブースの利用処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0014】
<1.サービス提供システムの概略構成>
図1を参照して、本実施形態に係るサービス提供システムの概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係るサービス提供システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すサービス提供システム1は、所定の空間において利用者が複数のオンラインサービスを利用可能にするためのシステムである。複数のオンラインサービスが提供される所定の空間は、例えば、ブース型設備の内部空間や、壁や建具などによって形成される空間(部屋)などである。所定の空間は、完全個室の状態であってもよいし、半個室の状態であってもよい。完全個室の状態は、所定の空間における利用者のプライバシーが完全に保たれるように、外部空間と完全に仕切られた状態である。半個室の状態は、外部空間と完全に仕切られていない状態ではあるが、所定の空間における利用者のプライバシーが一定に保たれる状態である。半個室の状態の所定の空間は、例えば、天井、ドア、一部の壁などを非設置とすること、ドアと床又は天井との間に空間を設けること、壁の一部又は全部を透明又は半透明の素材にすることなどによって実現される。
オンラインサービスは、例えば、行政書類の入手や出力など行政手続きを支援するサービス、個人の健康・医療・食生活などに関する相談や診断を遠隔で行うサービス、レジャー関連の予約や相談を遠隔で行うサービス、リアル3D(3次元)アバターの作成及びメタバース空間を提供するサービス、スマート端末を保持していない生活者に対してスマート端末で利用できるサービスを提供するサービス、オンライン会議や書類印刷などのビジネスマン向けのサービス、電話機能やオンライン会議を利用した医療相談を受けられるサービスなどである。
オンラインサービスのうち、個人情報などのプライバシー性の高い情報や機密情報などの機密性の高い情報を扱うサービスは、情報漏洩を防止するために完全個室の状態のブース型設備のみで利用可能であることが好ましい。また、オンライン会議や電話など音声が生じるオンラインサービスも、音漏れなどによる情報漏洩を考慮して完全個室の状態のブース型設備のみで利用可能であることが好ましい。また、ブース型設備では、設置される場所に応じたオンラインサービスが提供されることが好ましい。例えば、行政の施設に設置されるブース型設備では、行政サービスに関するオンラインサービスが提供されるとよい。このため、ブース型設備には、完全個室又は半個室のどちらであるかと設置される場所とに応じて利用可能なオンラインサービスが予め設定される。
図1に示すように、サービス提供システム1は、利用者端末10と、多機能ブース20と、認証サーバ30と、個人情報管理サーバ40と、サービス管理サーバ50と、ブース管理サーバ60とを備える。
【0015】
(1)利用者端末10
利用者端末10は、利用者が利用する端末である。利用者端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)などである。利用者端末10は、ネットワークNWを介して、認証サーバ30と、サービス管理サーバ50と、ブース管理サーバ60と通信可能に接続されている。
【0016】
利用者は、専用のアプリケーション(以下、「専用アプリ」とも称される)を利用することで、利用者端末10からアカウント作成、利用するサービスの登録、多機能ブース20の検索や予約などを行うことができる。アカウント作成にて、各利用者に対して、各利用者に固有の利用者IDが割り当てられる。個人情報管理サーバ40では、各利用者(利用者ID)に対して各種の情報が対応付けて管理される。利用者IDには、アカウント作成にて利用者によって入力される個人情報も対応付けられる。当該個人情報には、例えば、利用者の氏名、性別、生年月日、年齢、住所、電話番号、メールアドレス、クレジットカード情報などが含まれる。
専用アプリの機能は、Webシステム(即ちWebアプリ)によって提供されてもよいし、利用者端末10に専用アプリをインストールすること(即ちネイティブアプリ)によって提供されてもよい。専用アプリがWebシステムによって提供される場合、その機能はWebブラウザを介して提供される。
【0017】
(2)多機能ブース20
多機能ブース20は、利用者に対して複数のサービス(多機能)を提供するブース型の設備である。本実施形態では、多機能ブース20が完全個室の状態である例について説明する。多機能ブース20は、ネットワークNWを介して、認証サーバ30と、サービス管理サーバ50と、ブース管理サーバ60と通信可能に接続されている。
【0018】
ここで、図2及び図3を参照して、多機能ブース20の外部構成及び内部構成の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る多機能ブース20の外部構成の一例を示す図である。図3は、本実施形態に係る多機能ブース20の内部構成の一例を示す図である。
【0019】
図2に示すように、多機能ブース20は、筐体20Aに対してドア20Bが設けられており、当該ドア20Bを閉じることで完全個室の状態が保たれるようになっている。多機能ブース20の外部には、ドア20Bに電子錠21(施錠装置の一例)が設けられ、筐体20Aの外側壁面には本人認証端末22が設けられている。
本人認証端末22は、利用者がオンラインサービスの利用を開始する際に、利用者を識別するための利用時識別情報を取得し、当該利用時識別情報と利用者によって予め登録されている利用者を識別するための登録時識別情報との照合による本人認証を受け付ける。本人認証端末22は、タッチパネルディスプレイ22Aと外部撮像装置22Bを有する端末であり、例えばタブレット端末である。
外部撮像装置22Bは、多機能ブース20にて利用者がオンラインサービスの利用を開始する際に、利用者を識別するための利用時識別情報を取得する装置の一例である。例えば、外部撮像装置22Bは、利用時識別情報として利用者の顔画像(以下、「利用時顔画像」とも称される)を撮像する。
電子錠21の施錠又は解錠(施錠状態)は、本人認証端末22によって制御される。利用者による多機能ブース20の予約がない場合、本人認証端末22は、電子錠21を解錠した状態にする。一方、利用者による多機能ブース20の予約がある場合、本人認証端末22は、電子錠21を施錠した状態にする。本人認証端末22は、多機能ブース20を予約した利用者が利用を開始する際に、外部撮像装置22Bによって撮像された利用時顔画像を用いた本人認証が成功した場合、電子錠21を解錠する。
【0020】
図3に示すように、多機能ブース20の内部には、サービス提供端末23と、3Dスキャンカメラ24と、読取装置25と、出力装置26とが備えられている。
サービス提供端末23は、オンラインサービスが提供される空間に設けられ、利用者に対してオンラインサービスを提供するための端末である。例えば、サービス提供端末23は、本人認証端末22が受け付けた本人認証が成功した場合に、サービス情報に基づき、複数のオンラインサービスを提供する。サービス情報は、利用者が利用可能なオンラインサービスを示す情報である。サービス情報が示すオンラインサービスは、利用者が自身の個人情報を提供することで利用可能となるオンラインサービスの内、個人情報の提供を許諾して利用可能となっているサービスである。利用者は、オンラインサービスに対して自身の個人情報をオプトインすることで、各オンラインサービスを利用可能となる。即ち、サービス情報は、利用者が個人情報をオプトインしているオンラインサービスを示している。
【0021】
サービス提供端末23は、タッチパネルディスプレイ23Aと内部撮像装置23Bを有する端末であり、例えばタブレット端末やPCなどである。予約した利用者は、本人認証端末22を用いた本人認証が成功して多機能ブース20へ入室できた場合、サービス提供端末23に表示されるサービスメニューを操作して、サービスの利用を開始することができる。予約していない利用者は、自身以外の利用者がいない場合には多機能ブース20へ入室し、サービス提供端末23を操作して本人認証を行うことができ、本人認証が成功した場合にはそのままオンラインサービスを利用することができる。この場合、内部撮像装置23Bによって撮像された利用時顔画像に基づき本人認証が行われる。なお、アカウントを有していない利用者は、サービス提供端末23を操作してアカウントの作成から開始することもできる。
3Dスキャンカメラ24は、例えば、利用者の3Dモデル(アバター)を作成するために、利用者の全身をスキャンするカメラである。
読取装置25は、例えば、NFC(Near field communication)タグの読み取りを行うためのNFCリーダーや、紙などの媒体による印刷物をスキャンするためのスキャナなどである。NFCタグはIC(Integrated Circuit)チップが搭載された媒体であり、例えばマイナンバーカードである。
出力装置26は、例えば、スピーカなどの音声出力装置や、紙などの媒体に印刷するためのプリンタなどである。
【0022】
(3)認証サーバ30
認証サーバ30は、各種の確認処理や認証処理などを行うサーバである。認証サーバ30は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。認証サーバ30は、ネットワークNWを介して、利用者端末10と、多機能ブース20と、個人情報管理サーバ40、サービス管理サーバ50と通信可能に接続されている。
【0023】
(4)個人情報管理サーバ40
個人情報管理サーバ40は、利用者の個人情報を管理するサーバである。個人情報管理サーバ40は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。個人情報管理サーバ40は、ネットワークNWを介して、利用者端末10と、多機能ブース20と、認証サーバ30と、サービス管理サーバ50と、ブース管理サーバ60と通信可能に接続されている。
【0024】
(5)サービス管理サーバ50
サービス管理サーバ50は、利用者が利用可能なサービスを管理するサーバである。サービス管理サーバ50は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。サービス管理サーバ50は、ネットワークNWを介して、利用者端末10と、多機能ブース20と、認証サーバ30と、個人情報管理サーバ40と通信可能に接続されている。
【0025】
(6)ブース管理サーバ60
ブース管理サーバ60は、ブースに関する情報を管理するサーバである。ブース管理サーバ60は、1つ又は複数のサーバ(例えば、クラウドサーバ)で構成される。ブース管理サーバ60は、ネットワークNWを介して、利用者端末10と、多機能ブース20と、個人情報管理サーバ40と通信可能に接続されている。
【0026】
<2.利用者端末の機能構成>
以上、本実施形態に係るサービス提供システム1の概略構成について説明した。続いて、図4を参照して、本実施形態に係る利用者端末10の機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係る利用者端末10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、利用者端末10は、通信部110と、入力部120と、撮像部130と、記憶部140と、制御部150と、出力部160とを備える。
【0027】
(1)通信部110
通信部110は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部110は、ネットワークNWを介して、認証サーバ30と、サービス管理サーバ50と、ブース管理サーバ60と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0028】
(2)入力部120
入力部120は、利用者による入力を受け付ける機能を有する。入力部120の機能は、例えば、利用者端末10が備えるボタン、タッチパネル、マイクロフォン等によって実現される。
【0029】
(3)撮像部130
撮像部130は、画像を撮像する機能を有する。撮像部130は、例えば、利用者端末10がハードウェアとして備えるカメラによって構成される。撮像部130は、利用者がアカウントの作成時に本人確認を行う際に、各種の画像を撮像する。本人確認は、例えば、eKYC(electronic Know Your Customer)によって行われる。eKYCでは、写真付き本人確認書類(例えば免許証)の画像と本人の容貌(顔)の画像とが必要となる。このため、撮像部130は、利用者の操作に応じて、利用者の本人確認書類の画像(以下、「本人確認書類画像」とも称される)と利用者の容貌の画像(顔画像)とを撮像する。即ち、撮像部130(利用者端末10のカメラ)は、利用者を識別するための登録時識別情報を取得する装置の一例であり、登録時識別情報として利用者の顔画像(以下、「登録時顔画像」とも称される)を撮像する。
【0030】
(4)記憶部140
記憶部140は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部140は、利用者端末10がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0031】
(5)制御部150
制御部150は、利用者端末10の動作全般を制御する機能を有する。制御部150は、例えば、利用者端末10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図4に示すように、制御部150は、操作受付部151と、撮像制御部152と、要求部153と、出力制御部154とを備える。
【0032】
(5-1)操作受付部151
操作受付部151は、利用者による入力部120への入力に基づき、利用者の操作を受け付ける機能を有する。例えば、操作受付部151は、アプリ起動操作、アカウント作成操作、サービス確認操作、利用許諾操作、ブース検索操作、ブース予約操作などである。
アプリ起動操作は、専用アプリを起動するための操作である。アカウント作成操作は、アカウントを作成するための操作である。サービス確認操作は、利用者が個人情報を提供することで利用可能となるオンラインサービスの一覧を示す情報(以下、「利用可能サービス一覧」とも称される)を確認するための操作である。利用許諾操作は、利用者がオンラインサービスを利用するために個人情報の提供を許諾(オプトイン)するための操作である。ブース検索操作は、利用可能な多機能ブース20を検索するための操作である。ブース予約操作は、多機能ブース20の利用を予約するための操作である。
【0033】
(5-2)撮像制御部152
撮像制御部152は、撮像部130の動作を制御する機能を有する。撮像制御部152は、例えば、利用者が本人確認を行う際に撮像部130を起動して、登録時顔画像の撮像を開始する。この時、撮像制御部152は、本人確認書類画像や登録時顔画像を撮像するための操作ガイドなどを表示させてもよい。
【0034】
(5-3)要求部153
要求部153は、各種の要求を行う機能を有する。例えば、要求部153は、本人確認要求、サービス一覧要求、利用許諾要求、ブース検索要求、ブース予約要求などを行う。
本人確認要求では、通信部110を介して、本人確認の実行を要求するための信号が認証サーバ30へ送信される。この時、要求部153は、信号とともに本人確認書類画像と登録時顔画像も認証サーバ30へ送信する。
サービス一覧要求では、通信部110を介して、利用可能サービス一覧を要求するための信号がサービス管理サーバ50へ送信される。
利用許諾要求では、通信部110を介して、オンラインサービスの利用許諾を要求するための信号が個人情報管理サーバ40へ送信される。この時、要求部153は、信号とともに利用者が選択したオンラインサービスを示す情報も個人情報管理サーバ40へ送信する。
ブース検索要求では、通信部110を介して、利用可能な多機能ブース20の検索の実行を要求する信号がブース管理サーバ60へ送信される。この時、要求部153は、信号とともに検索条件(例えば設備条件や利用者の位置情報)もブース管理サーバ60へ送信する。
ブース予約要求では、通信部110を介して、多機能ブース20の予約の実行を要求する信号がブース管理サーバ60へ送信される。この時、要求部153は、信号とともに利用者が予約を希望する多機能ブース20を示す情報もブース管理サーバ60へ送信する。
【0035】
(5-4)出力制御部154
出力制御部154は、各種画面や情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部154は、専用アプリの画面を出力部160に表示させる。また、出力制御部154は、通信部110が認証サーバ30と、サービス管理サーバ50と、ブース管理サーバ60とから受信する情報を出力部160に表示させる。通信部110が認証サーバ30から受信する情報は、例えば、本人確認の成功通知又はエラー通知などである。通信部110がサービス管理サーバ50から受信する情報は、例えば、利用可能サービス一覧などである。通信部110がブース管理サーバ60から受信する情報は、例えば、多機能ブース20の検索結果などである。
【0036】
(6)出力部160
出力部160は、各種情報を出力する機能を有する。出力部160は、利用者端末10がハードウェアとして備える出力装置、例えばディスプレイ装置やタッチスクリーン(タッチパネル)などの表示装置やスピーカなどの音声出力装置によって構成される。
【0037】
<3.多機能ブースの機能構成>
以上、本実施形態に係る利用者端末10の機能構成について説明した。続いて、図5を参照して、本実施形態に係る多機能ブース20の機能構成について説明する。図5は、本実施形態に係る多機能ブース20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、多機能ブース20は、通信部210と、NFC通信部220と、撮像部230と、3Dスキャン部240と、読取部250と、記憶部260と、制御部270と、表示部280と、出力部290とを備える。
【0038】
(1)通信部210
通信部210は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部210は、ネットワークNWを介して、認証サーバ30と、サービス管理サーバ50と、ブース管理サーバ60と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0039】
(2)NFC通信部220
NFC通信部220は、NFCタグの読み取りを行う機能を有する。NFC通信部220は、例えば、多機能ブース20がハードウェアとして備えるNFCリーダー(読取装置25)によって実現される。
オンラインサービスには、公的個人認証サービス(JPKI: Japanese Public Key Infrastructure)による認証が必要なサービスも含まれる。公的個人認証サービスでは、マイナンバーカードのICチップに搭載された署名用電子証明書や利用者証明用電子証明書を利用した本人認証が行われる。このため、NFC通信部220は、公的個人認証サービスによる認証が必要なオンラインサービスを利用者が利用する場合に、利用者の操作に応じて利用者のマイナンバーカードのICチップから各証明書を読み取る。
【0040】
(3)撮像部230
撮像部230は、各種の画像を撮像する機能を有する。図5に示すように、撮像部230は、外部撮像部231と、内部撮像部232とを備える。
【0041】
(3-1)外部撮像部231
外部撮像部231は、多機能ブース20がハードウェアとして備えるカメラ(外部撮像装置22B)によって構成される。外部撮像部231は、利用者が本人認証を行う際に利用者の利用時顔画像を撮像する。
【0042】
(3-2)内部撮像部232
内部撮像部232は、多機能ブース20がハードウェアとして備えるカメラ(内部撮像装置23B)によって構成される。内部撮像部232は、利用者がアカウントを有しておらず多機能ブース20にてアカウントを作成する場合に、利用者が本人確認をする際に登録時顔画像を撮像する。また、内部撮像部232は、利用者が多機能ブース20の利用予約をしておらず、多機能ブース20にて予約をして利用を開始する場合に、利用者が本人認証をする際に利用時顔画像を撮像する。
【0043】
(4)3Dスキャン部240
3Dスキャン部240は、利用者の全身をスキャンする機能を有する。3Dスキャン部240は、多機能ブース20がハードウェアとして備える3Dスキャンカメラ24によって構成される。
【0044】
(5)読取部250
読取部250は、紙などの媒体による印刷物をスキャンする機能を有する。読取部250は、多機能ブース20がハードウェアとして備えるスキャナ(読取装置25)によって構成される。
【0045】
(6)記憶部260
記憶部260は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部260は、多機能ブース20がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0046】
(7)制御部270
制御部270は、多機能ブース20の動作全般を制御する機能を有する。制御部270は、例えば、多機能ブース20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図5に示すように、制御部270は、撮像制御部271と、認証制御部272と、施錠制御部273と、サービス提供部274と、出力制御部275とを備える。
【0047】
(7-1)撮像制御部271
撮像制御部271は、撮像部230の動作を制御する機能を有する。撮像制御部271は、例えば、利用者が本人認証端末22にて本人認証を行う際に外部撮像部231を起動して、利用時顔画像の撮像を開始する。また、撮像制御部271は、例えば、利用者がサービス提供端末23にてアカウント作成を行う際に内部撮像部232を起動して、本人確認のための登録時顔画像の撮像を開始する。また、撮像制御部271は、利用者がサービス提供端末23にて多機能ブース20の利用予約をして利用を開始する場合に内部撮像部232を起動して、本人認証のための利用時顔画像を撮像する。
【0048】
(7-2)認証制御部272
認証制御部272は、認証に関する制御を行う機能を有する。例えば、認証制御部272は、本人認証要求を行う。本人認証要求では、通信部210を介して、本人認証の実行を要求するための信号が認証サーバ30へ送信される。この時、認証制御部272は、信号とともに利用時顔画像も認証サーバ30へ送信する。
【0049】
(7-3)施錠制御部273
施錠制御部273は、多機能ブース20の入口に設けられた電子錠21の施錠状態を制御する機能を有する。施錠制御部273は、多機能ブース20の予約がある場合、多機能ブース20の入口にある電子錠21を施錠した状態にする。これにより、予約者以外の利用者が多機能ブース20を利用することで、予約者が予約した時間に多機能ブース20を利用できない状態となることを防止することができる。
施錠制御部273は、電子錠21が施錠状態にある時、認証サーバ30による本人認証が成功した場合に電子錠21を解錠する。
【0050】
(7-4)サービス提供部274
サービス提供部274は、利用者にオンラインサービスを提供する機能を有する。例えば、サービス提供部274は、後述する認証サーバ30の本人認証部334による本人認証が成功した場合に、利用者に対応付けられているサービス情報に基づき、サービス提供端末23から複数のオンラインサービスを利用可能に提供する。具体的に、サービス提供部274は、後述する個人情報管理サーバ40の個人情報記憶部421に記憶されている個人情報の提供を利用者が予め許諾したオンラインサービスを提供する。これにより、サービス提供部274は、各利用者にパーソナライズされたオンラインサービスを提供することができる。
【0051】
なお、サービス提供部274は、利用者による多機能ブース20の予約がある場合、かつ、多機能ブース20の外部に設けられている本人認証端末22を利用者が操作することで本人認証が成功した場合には、多機能ブース20の内部に設けられているサービス提供端末23から複数のオンラインサービスを提供する。これにより、多機能ブース20では、予約した利用者が多機能ブース20に入ると既にオンラインサービスを利用可能な状態となっている。このため、利用者が自身でサービス提供端末23を操作して、オンラインサービスを利用可能な状態にする手間をなくすことができる。
また、サービス提供部274は、利用者による多機能ブース20の予約がない場合、かつ、多機能ブース20の内部に設けられているサービス提供端末23を利用者が操作することで本人認証が成功した場合には、当該サービス提供端末23から複数のオンラインサービスを提供する。
【0052】
また、サービス提供部274は、利用者が有料サービスを利用する場合には、決済処理を行う。例えば、サービス提供部274は、有料サービスの利用時に利用者本人から許諾されると、アカウント作成時に利用者によって登録されたクレジットカード情報を用いて決済処理を行う。クレジットカード情報は、アカウント作成時だけでなく、利用者が有料サービスを初めて利用する際に登録可能であってもよい。
なお、有料サービスの利用に対して現金での支払いを可能とした場合、多機能ブース20での現金の保持や決済用機能の追加(端末の追加も含む)のためにコストがかかってしまう。このため、本実施形態では、有料サービスの利用に対する支払いにおいて、現金での支払いは不可とする。これにより、現金での支払いも可能とした場合にかかるコストを削減することができる。
【0053】
(7-5)出力制御部275
出力制御部275は、各種画面や情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部275は、表示部280における本人確認用の画面や本人確認の結果、本人認証用の画面や本人認証の結果、サービスメニューなどの表示を制御する。また、出力制御部275は、出力部290における、音声や印刷物などの出力を制御する。
【0054】
(8)表示部280
表示部280は、各種の表示を行う機能を有する。図5に示すように、表示部280は、外部表示部281と、内部表示部282とを備える。
【0055】
(8-1)外部表示部281
外部表示部281は、多機能ブース20がハードウェアとして備えるディスプレイ(タッチパネルディスプレイ22A)によって構成される。外部表示部281は、本人認証用の画面や本人認証の結果(成功通知又はエラー通知)などを表示する。
【0056】
(8-2)内部表示部282
内部表示部282は、多機能ブース20がハードウェアとして備えるディスプレイ(タッチパネルディスプレイ23A)によって構成される。内部表示部282は、利用者が多機能ブース20の利用予約をしており、本人認証に成功した場合に、利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービスメニューを表示する。
なお、内部表示部282は、利用者がアカウントを有しておらず多機能ブース20にてアカウントを作成する場合に、利用者が本人確認をする際に本人確認用の画面や本人確認の結果(成功通知又はエラー通知)を表示する。また、内部表示部282は、利用者が多機能ブース20の利用予約をしておらず、多機能ブース20にて予約をして利用を開始する場合に、予約用の画面や本人認証用の画面、本人認証の結果(成功通知又はエラー通知)など表示する。
【0057】
(9)出力部290
出力部290は、各種の出力を行う機能を有する。例えば、出力部290は、多機能ブース20がハードウェアとして備える音声出力装置(出力装置26)やプリンタなどによって構成される。
【0058】
<4.認証サーバの機能構成>
以上、本実施形態に係る多機能ブース20の機能構成について説明した。続いて、図6を参照して、本実施形態に係る認証サーバ30の機能構成について説明する。図6は、本実施形態に係る認証サーバ30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、認証サーバ30は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを備える。
【0059】
(1)通信部310
通信部310は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部310は、ネットワークNWを介して、利用者端末10と、多機能ブース20と、個人情報管理サーバ40と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0060】
(2)記憶部320
記憶部320は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部320は、認証サーバ30がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
図5に示すように、記憶部320は、認証用情報記憶部321を備える。
【0061】
(2-1)認証用情報記憶部321
認証用情報記憶部321は、認証用情報を記憶する機能を有する。認証用情報は、例えば、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)における認証用IDや認可情報である。具体的な一例として、認証情報は、本人確認(eKYC)による確認が済んでいることやその確認の基礎情報、本人認証による認証が済んでいることやその認証の基礎情報などを示す情報である。
【0062】
(3)制御部330
制御部330は、認証サーバ30の動作全般を制御する機能を有する。制御部330は、例えば、認証サーバ30がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図6に示すように、制御部330は、識別情報取得部331と、予約確認部332と、本人確認部333と、本人認証部334と、公的個人認証部335と、出力制御部336とを備える。
【0063】
(3-1)識別情報取得部331
識別情報取得部331は、識別情報を取得する機能を有する。例えば、識別情報取得部331は、利用者がアカウントを作成する際に、利用者端末10から登録時顔画像を取得する。識別情報取得部331は、取得した登録時顔画像を本人確認部333へ出力する。
また、識別情報取得部331は、利用者がオンラインサービスの利用を開始する際に、多機能ブース20から利用時顔画像を取得する。識別情報取得部331は、取得した利用時顔画像を本人認証部334へ出力する。
【0064】
(3-2)予約確認部332
予約確認部332は、予約の有無を確認する機能を有する。例えば、予約確認部332は、通信部310が多機能ブース20から本人認証要求の信号を受信した場合、個人情報管理サーバ40にて管理されている予約情報を参照し、多機能ブース20の利用を開始しようとしている利用者の予約があるか否かを確認する。予約がある場合、予約確認部332は、本人認証部334に本人認証処理を実行させる。一方、予約が無い場合、予約確認部332は、出力制御部336を介して、多機能ブース20の本人認証端末22あるいはサービス提供端末23に、予約がない旨のエラー通知を表示させる。
【0065】
(3-3)本人確認部333
本人確認部333は、本人確認処理を実行する機能を有する。例えば、本人確認部333は、通信部310が利用者端末10から本人確認要求の信号を受信した場合に、通信部310が信号とともに受信した本人確認書類画像と登録時顔画像とに基づき、利用者の本人確認を行う。本人確認が成功した場合、本人確認部333は、出力制御部336を介して、利用者端末10あるいはサービス提供端末23に、本人確認が成功したことを示す成功通知を表示させる。一方、本人確認が失敗した場合、本人確認部333は、出力制御部336を介して、利用者端末10あるいはサービス提供端末23に、本人確認が失敗したことを示すエラー通知を表示させる。
【0066】
(3-4)本人認証部334
本人認証部334は、本人認証処理を実行する機能を有する。例えば、本人認証部334は、多機能ブース20の外部に設けられている本人認証端末22あるいは内部に設けられているサービス提供端末23から本人認証を受け付ける。利用者の予約がある場合、本人認証部334は、多機能ブース20の外部に設けられている本人認証端末22から本人認証を受け付ける。利用者の予約がない場合、本人認証部334は、多機能ブース20の内部に設けられているサービス提供端末23から本人認証を受け付ける。
本人認証部334は、通信部310が本人認証端末22あるいはサービス提供端末23から本人認証要求の信号を受信し、予約確認部332によって予約があることが確認された場合、本人認証処理を実行する。
【0067】
本人認証部334は、識別情報取得部331によって取得された利用時顔画像と、後述する個人情報管理サーバ40の個人情報記憶部421に記憶されている登録時顔画像とを照合し、利用者の本人認証を行う。具体的に、本人認証部334は、まず、利用時顔画像と登録時顔画像の各画像から、顔の特徴点を検出する処理を行う。次に、本人認証部334は、検出した顔の特徴点に基づき、各画像が示す顔の類似度を算出する。そして、本人認証部334は、算出した類似度に応じて、利用者が本人であるか否かを認証する。一例として、本人認証部334は、算出した類似度と予め設定される閾値との比較によって、本人認証を行う。当該閾値には、例えば、本人であるとする類似度と本人でないとする類似度との境界値が設定される。
【0068】
なお、利用者の予約がない場合におけるサービス提供端末23からの本人認証要求の信号は、予約の無い利用者がサービス提供端末23にて予約を行った後に、サービス提供端末23から認証サーバ30へ送信される。
【0069】
(3-5)公的個人認証部335
公的個人認証部335は、公的個人認証サービスによる認証を行う機能を有する。例えば、公的個人認証部335は、利用者が公的個人認証サービスによる認証が必要なオンラインサービスを利用する際に、多機能ブース20のNFC通信部220によって利用者のマイナンバーカードのICチップから読み取られた署名用電子証明書や利用者証明用電子証明書を利用した本人認証を行う。
【0070】
(3-6)出力制御部336
出力制御部336は、各種画面や情報の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部336は、利用者端末10あるいはサービス提供端末23における本人確認の成功通知及びエラー通知の表示を制御する。また、出力制御部336は、多機能ブース20の本人認証端末22あるいはサービス提供端末23における本人認証の成功通知及びエラー通知の表示を制御する。
【0071】
<5.個人情報管理サーバの機能構成>
以上、本実施形態に係る認証サーバ30の機能構成について説明した。続いて、図7を参照して、本実施形態に係る個人情報管理サーバ40の機能構成について説明する。図7は、本実施形態に係る個人情報管理サーバ40の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、個人情報管理サーバ40は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを備える。
【0072】
(1)通信部410
通信部410は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部410は、ネットワークNWを介して、利用者端末10と、多機能ブース20と、認証サーバ30と、ブース管理サーバ60と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0073】
(2)記憶部420
記憶部420は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部420は、個人情報管理サーバ40がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
図7に示すように、記憶部420は、個人情報記憶部421を備える。
【0074】
(2-1)個人情報記憶部421
個人情報記憶部421は、利用者に関する情報を記憶する機能を有する。個人情報記憶部421では、アカウント作成時に利用者に割り当てられた利用者IDに対して各情報が対応付けられている。例えば、利用者IDには、アカウント作成時に取得された個人情報、アカウント作成時以外にオンラインサービスの利用などによって取得された個人情報、利用者によって予め登録される登録時顔画像、サービス情報、予約情報などが対応付けられている。
【0075】
(3)制御部430
制御部430は、個人情報管理サーバ40の動作全般を制御する機能を有する。制御部430は、例えば、個人情報管理サーバ40がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図7に示すように、制御部430は、アカウント管理部431と、許諾管理部432と、予約管理部433とを備える。
【0076】
(3-1)アカウント管理部431
アカウント管理部431は、アカウント情報を管理する機能を有する。アカウント情報は、利用者によるアカウント作成によって取得される情報であり、例えば利用者IDや利用者によって入力される個人情報である。アカウント管理部431は、取得されたアカウント情報を個人情報記憶部421に登録する。
【0077】
(3-2)許諾管理部432
許諾管理部432は、利用者が個人情報の提供を許諾したオンラインサービスを管理する機能を有する。例えば、許諾管理部432は、利用者があるオンラインサービスに対する個人情報の提供を許諾した場合、許諾されたオンラインサービスを示す情報(サービス情報)を個人情報記憶部421に登録する。
【0078】
(3-3)予約管理部433
予約管理部433は、予約情報を管理する機能を有する。例えば、予約管理部433は、利用者がある多機能ブース20の利用を予約した場合、予約の詳細を示す予約情報を個人情報記憶部421に登録する。予約情報は、例えば、予約した多機能ブース20のID、予約日時、多機能ブース20の設置場所などである。
【0079】
<6.サービス管理サーバの機能構成>
以上、本実施形態に係る個人情報管理サーバ40の機能構成について説明した。続いて、図8を参照して、本実施形態に係るサービス管理サーバ50の機能構成について説明する。図8は、本実施形態に係るサービス管理サーバ50の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、サービス管理サーバ50は、通信部510と、記憶部520と、制御部530とを備える。
【0080】
(1)通信部510
通信部510は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部510は、ネットワークNWを介して、利用者端末10と、多機能ブース20と、認証サーバ30と、個人情報管理サーバ40と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0081】
(2)記憶部520
記憶部520は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部520は、サービス管理サーバ50がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0082】
(3)制御部530
制御部530は、サービス管理サーバ50の動作全般を制御する機能を有する。制御部530は、例えば、サービス管理サーバ50がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図8に示すように、制御部530は、許諾可能サービス管理部531を備える。
【0083】
(3-1)許諾可能サービス管理部531
許諾可能サービス管理部531は、許諾可能サービスを管理する機能を有する。許諾可能サービスは、即ち、利用者が自身の個人情報を提供することで利用可能となるオンラインサービスのことであり、利用可能サービス一覧が示すオンラインサービスのことである。
【0084】
<7.ブース管理サーバの機能構成>
以上、本実施形態に係るサービス管理サーバ50の機能構成について説明した。続いて、図9を参照して、本実施形態に係るブース管理サーバ60の機能構成について説明する。図9は、本実施形態に係るブース管理サーバ60の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、ブース管理サーバ60は、通信部610と、記憶部620と、制御部630とを備える。
【0085】
(1)通信部610
通信部610は、各種情報を送受信する機能を有する。例えば、通信部610は、ネットワークNWを介して、利用者端末10と、多機能ブース20と、個人情報管理サーバ40と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0086】
(2)記憶部620
記憶部620は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部620は、ブース管理サーバ60がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0087】
(3)制御部630
制御部630は、ブース管理サーバ60の動作全般を制御する機能を有する。制御部630は、例えば、ブース管理サーバ60がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図9に示すように、制御部630は、検索部631と、予約部632と、施錠指示部633とを備える。
【0088】
(3-1)検索部631
検索部631は、多機能ブース20を検索する機能を有する。例えば、検索部631は、利用者が利用可能な多機能ブース20を検索し、多機能ブース20の設備情報を含む検索結果を出力する。一例として、検索部631は、利用者によって入力される検索条件に基づき多機能ブース20を検索したり、利用者の位置情報に基づき利用者の最寄りにある多機能ブース20を検索したりする。
【0089】
(3-2)予約部632
予約部632は、多機能ブース20を予約する機能を有する。例えば、予約部632は、検索結果に基づき利用者によって選択された多機能ブース20の予約を受け付ける。
【0090】
(3-3)施錠指示部633
施錠指示部633は、電子錠21の施錠を指示する機能を有する。例えば、施錠指示部633は、通信部610を介して、予約部632が予約を受け付けた多機能ブース20に対して電子錠21を施錠するよう指示を送信する。
【0091】
<8.処理の流れ>
以上、本実施形態に係るブース管理サーバ60の機能構成について説明した。続いて、図10から図13を参照して、本実施形態に係る処理の流れについて説明する。
【0092】
(1)アカウント作成処理の流れ
図10を参照して、アカウント作成処理の流れについて説明する。図10は、本実施形態に係るサービス提供システムにおけるアカウント作成処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0093】
図10に示すように、まず、利用者は、利用者端末10に対して、アプリ起動操作を行う(ステップS101)。利用者端末10の操作受付部151は、利用者からのアプリ起動操作を受け付け、専用アプリを起動する(ステップS102)。
次いで、利用者は、利用者端末10に対して、アカウント作成操作を行う(ステップS103)。操作受付部151が利用者からのアカウント作成操作を受け付けると、撮像制御部152は、撮像部130を起動して本人確認書類画像を撮像する(ステップS104)。続けて、撮像制御部152は、撮像部130によって登録時顔画像を撮像する(ステップS105)。
利用者端末10の要求部153は、本人確認書類画像と登録時顔画像とともに、本人確認要求の信号を認証サーバ30へ送信する(ステップS106)。
【0094】
認証サーバ30の識別情報取得部331は、通信部310が利用者端末10から本人確認要求とともに受信した本人確認書類画像と登録時顔画像を取得する(ステップS107)。
認証サーバ30の本人確認部333は、本人確認書類画像と登録時顔画像に基づき、本人確認処理を実行する(ステップS108)。
本人確認が失敗した場合(ステップS109/NO)、処理はステップS110へ進む。一方、本人確認が成功した場合(ステップS109/YES)、処理はステップS111へ進む。
【0095】
処理がステップS110へ進んだ場合、認証サーバ30の出力制御部336は、利用者端末10へエラー通知を送信する(ステップS110)。
処理がステップS111へ進んだ場合、出力制御部336は、利用者端末10へ成功通知を送信する(ステップS111)。次いで、出力制御部336は、アカウント情報を個人情報管理サーバ40へ送信する(ステップS112)。
個人情報管理サーバ40のアカウント管理部431は、認証サーバ30から受信したアカウント情報を個人情報記憶部421に登録する(ステップS113)。
【0096】
(2)利用サービス登録処理の流れ
次に図11を参照して、利用サービス登録処理の流れについて説明する。図11は、本実施形態に係るサービス提供システムにおける利用サービス登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0097】
図11に示すように、まず、利用者は、利用者端末10に対して、アプリ起動操作を行う(ステップS201)。利用者端末10の操作受付部151は、利用者からのアプリ起動操作を受け付け、専用アプリを起動する(ステップS202)。
次いで、利用者は、利用者端末10に対して、サービス確認操作を行う(ステップS203)。操作受付部151が利用者からのサービス確認操作を受け付けると、利用者端末10の要求部153は、サービス一覧要求の信号をサービス管理サーバ50へ送信する(ステップS204)。
【0098】
サービス管理サーバ50の許諾可能サービス管理部531は、利用可能サービス一覧を利用者端末10へ送信する(ステップS205)。
利用者端末10の出力部160は、サービス管理サーバ50から受信した利用可能サービス一覧を表示する(ステップS206)。
【0099】
利用者は、利用者端末10に表示されている利用可能サービス一覧を確認する(ステップS207)。確認後、利用者は、利用者端末10に対して、利用許諾操作を行う(ステップS208)。操作受付部151が利用者からの利用許諾操作を受け付けると、要求部153は、利用許諾要求の信号を個人情報管理サーバ40へ送信する(ステップS209)。
【0100】
個人情報管理サーバ40の許諾管理部432は、個人情報記憶部421にサービス情報を登録する(ステップS210)。次いで、許諾管理部432は、通信部410を介して、登録したサービス情報をサービス管理サーバ50へ連携する(ステップS211)。
サービス管理サーバ50の許諾可能サービス管理部531は、個人情報管理サーバ40から受信したサービス情報に基づき、許諾サービスの管理を行う(ステップS212)。例えば、許諾可能サービス管理部531は、多機能ブース20のサービス提供端末23に表示するサービスメニューを示すメニュー情報を更新する。
【0101】
(3)多機能ブースの検索・予約処理の流れ
次に図12を参照して、多機能ブースの検索・予約処理の流れについて説明する。図12は、本実施形態に係るサービス提供システムにおける多機能ブースの検索・予約処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0102】
図12に示すように、まず、利用者は、利用者端末10に対して、アプリ起動操作を行う(ステップS301)。利用者端末10の操作受付部151は、利用者からのアプリ起動操作を受け付け、専用アプリを起動する(ステップS302)。
次いで、利用者は、利用者端末10に対して、ブース検索操作を行う(ステップS303)。操作受付部151が利用者からのブース検索操作を受け付けると、利用者端末10の要求部153は、ブース検索要求の信号をブース管理サーバ60へ送信する(ステップS304)。
【0103】
ブース管理サーバ60の検索部631は、利用者が利用可能な多機能ブース20を検索する(ステップS305)。検索後、検索部631は、通信部610を介して、検索結果を利用者端末10へ送信する(ステップS306)。
利用者端末10の出力部160は、ブース管理サーバ60から受信した検索結果を表示する(ステップS307)。
【0104】
利用者は、利用者端末10に表示されている検索結果を確認する(ステップS308)。確認後、利用者は、利用者端末10に対して、ブース予約操作を行う(ステップS309)。操作受付部151が利用者からのブース予約操作を受け付けると、要求部153は、ブース予約要求の信号をブース管理サーバ60へ送信する(ステップS310)。
【0105】
ブース管理サーバ60の予約部632は、利用者が選択した多機能ブース20の予約情報を生成して予約する(ステップS311)。予約後、予約部632は、通信部610を介して、予約情報を個人情報管理サーバ40へ送信する(ステップS312)。
個人情報管理サーバ40の予約管理部433は、ブース管理サーバ60から受信した予約情報を個人情報記憶部421に登録する(ステップS313)。
【0106】
ブース管理サーバ60の施錠指示部633は、利用者が予約した多機能ブース20へ施錠指示を送信する(ステップS314)。
施錠指示を受信した多機能ブース20の施錠制御部273は、電子錠21を施錠状態にする(ステップS315)。
【0107】
(4)多機能ブースの利用処理の流れ
次に図13を参照して、多機能ブースの利用処理の流れについて説明する。図13は、本実施形態に係るサービス提供システムにおける多機能ブースの利用処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0108】
図13に示すように、まず、利用者は、多機能ブース20に対して、利用開始操作を行う(ステップS401)。
多機能ブース20の撮像制御部271は、外部撮像部231を起動して、利用時顔画像を撮像する(ステップS402)。
次いで、多機能ブース20の認証制御部272は、利用時顔画像とともに、本人認証要求の信号を認証サーバ30へ送信する(ステップS403)。
【0109】
認証サーバ30の予約確認部332は、個人情報管理サーバ40の個人情報記憶部421を照会して、利用者の予約の有無を確認する(ステップS404)。
予約がない場合(ステップS405/NO)、処理はステップS406へ進む。一方、予約がある場合(ステップS405/YES)、処理はステップS407へ進む。
【0110】
処理がステップS406へ進んだ場合、認証サーバ30の出力制御部336は、多機能ブース20へエラー通知を送信する(ステップS406)。
処理がステップS407へ進んだ場合、識別情報取得部331は、個人情報記憶部421を照会して利用者の登録時顔画像を取得する(ステップS407)。
次いで、本人認証部334は、本人認証処理を実行する(ステップS408)。
本人認証が失敗した場合(ステップS409/NO)、処理はステップS410へ進む。一方、本人認証が成功した場合(ステップS409/YES)、処理はステップS411へ進む。
【0111】
処理がステップS410へ進んだ場合、認証サーバ30の出力制御部336は、多機能ブース20へエラー通知を送信する(ステップS410)。
処理がステップS411へ進んだ場合、出力制御部336は、多機能ブース20及びサービス管理サーバ50へ成功通知を送信する(ステップS411)。
成功通知を受信した多機能ブース20では、施錠制御部273が電子錠21を解錠状態にする(ステップS412)。
成功通知を受信したサービス管理サーバ50では、許諾可能サービス管理部531が最新のメニュー情報を取得する(ステップS413)。次いで、許諾可能サービス管理部531は、通信部510を介して、メニュー情報を多機能ブース20へ送信する(ステップS414)。
メニュー情報を受信した多機能ブース20では、サービス提供部274がメニュー情報に基づき、内部表示部282にサービスメニューを表示させる(ステップS415)。
サービス提供部274は、利用者が有料サービスを利用した場合には、利用者のクレジットカード情報をもとに決済処理を行う(ステップS416)。
【0112】
以上説明したように、本実施形態に係るサービス提供システム1は、利用者によって予め登録される利用者を識別するための登録時顔画像(登録時識別情報)と、利用者が利用可能なオンラインサービスを示すサービス情報とを利用者に対応付けて記憶する個人情報記憶部421と、利用者がオンラインサービスの利用を開始する際に、利用者を識別するための利用時顔画像(利用時識別情報)を取得する識別情報取得部331と、取得された利用時顔画像と、個人情報記憶部421に記憶されている登録時顔画像とを照合し、利用者の本人認証を行う本人認証部334と、本人認証部334による本人認証が成功した場合に、利用者に対応付けられているサービス情報に基づき、オンラインサービスが提供される空間に設けられるサービス提供端末23から複数のオンラインサービスを提供するサービス提供部274と、を備える。
【0113】
かかる構成により、空きスペースの提供者は、1つの空きスペースにて複数のサービスを利用者に対して提供することができ、空きスペースをより効率的に活用できる。また、サービスの利用者は、同一の場所にて特定の1つのサービスだけでなく、その時の都合に合わせた複数のサービスを利用することができる。
よって、本実施形態に係るサービス提供システム1は、サービスの提供に利用される空間の利用効率を向上し、かつ利用者の利便性を向上することを可能とする。
【0114】
なお、上述したサービス提供システム1における多機能ブース20は、既存の証明写真サービスを提供するフォトブースと置き換えることができる。これにより、利用者は、写真撮影機能に加えて各々の利用者に特化された利用可能なオンラインサービスを受けることができる。
【0115】
また、上述したサービス提供システム1における多機能ブース20は、地方や離島の役所での活用が見込まれる。例えば、役所の入口に多機能ブース20を設置して行政サービスを利用可能にすることで、利用者は行政サービスのセルフ手続きが可能となる。
【0116】
また、上述したサービス提供システム1における多機能ブース20は、離島でのサービスステーションでの活用が見込まれる。例えば、船乗り場の近くにあるサービスステーションに多機能ブース20を設置し、顔認証及びオプトインによる船の運航状況や天気、島の観光案内を受けられるようにすることができる。
【0117】
また、上述したサービス提供システム1における多機能ブース20は、駅構内での活用が見込まれる。例えば、移動時間が限られたビジネスマンに対して、オンライン会議や書類印刷のサービスを提供することで、業務の効率化を図ることができる。
【0118】
また、上述したサービス提供システム1における多機能ブース20は、遠隔医療での活用が見込まれる。例えば、既存のフォトブーススペースや集会所などに多機能ブース20を設置し電話機能やオンライン会議の機能などを提供することで、病院まで行かずとも遠隔で医療相談を受けることが可能となる。
【0119】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態におけるサービス提供システム1、利用者端末10、多機能ブース20、認証サーバ30、個人情報管理サーバ40、サービス管理サーバ50、及びブース管理サーバ60の機能の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0120】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0121】
1…サービス提供システム、10…利用者端末、20…多機能ブース、20A…筐体、20B…ドア、21…電子錠、22…本人認証端末、22A…タッチパネルディスプレイ、22B…外部撮像装置、23…サービス提供端末、23A…タッチパネルディスプレイ、23B…内部撮像装置、24…3Dスキャンカメラ、25…読取装置、26…出力装置、30…認証サーバ、40…個人情報管理サーバ、50…サービス管理サーバ、60…ブース管理サーバ、110…通信部、120…入力部、130…撮像部、140…記憶部、150…制御部、151…操作受付部、152…撮像制御部、153…要求部、154…出力制御部、160…出力部、210…通信部、220…NFC通信部、230…撮像部、231…外部撮像部、232…内部撮像部、240…3Dスキャン部、250…読取部、260…記憶部、270…制御部、271…撮像制御部、272…認証制御部、273…施錠制御部、274…サービス提供部、275…出力制御部、280…表示部、281…外部表示部、282…内部表示部、290…出力部、310…通信部、320…記憶部、321…認証用情報記憶部、330…制御部、331…識別情報取得部、332…予約確認部、333…本人確認部、334…本人認証部、335…公的個人認証部、336…出力制御部、410…通信部、420…記憶部、421…個人情報記憶部、430…制御部、431…アカウント管理部、432…許諾管理部、433…予約管理部、510…通信部、520…記憶部、530…制御部、531…許諾可能サービス管理部、610…通信部、620…記憶部、630…制御部、631…検索部、632…予約部、633…施錠指示部、NW…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13