(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090378
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206246
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】安藤 康晃
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA29
2C333CA49
2C333CA73
2C333DA01
2C333FA05
2C333FA09
2C333FA17
2C333GA04
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣を向上させることを目的とする。
【解決手段】
遊技者が操作可能な操作手段と、複数種類の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、演出実行手段は、変動演出中にポイントが付与される第1の演出と、第1の演出の後、変動演出中に操作手段が操作されると、それまでに付与されたポイントの合計値に応じた演出が実行される第2の演出と、を実行することができるようになっている。演出実行手段は、第1の演出の後、特定の区間において、それまでに付与されたポイントの合計値に応じた演出が開始されることを示唆する第3の演出を実行することができるようになっている。
【選択図】
図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な操作手段と、
複数種類の演出を実行可能な演出実行手段と、を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
変動演出中にポイントが付与される第1の演出と、
前記第1の演出の後、変動演出中に前記操作手段が操作されると、それまでに付与された前記ポイントの合計値に応じた演出が実行される第2の演出と、を実行可能な、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1の演出の後、特定の区間において、それまでに付与された前記ポイントの合計値に応じた演出が開始されることを示唆する第3の演出を実行可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第3の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中における特定の区間において実行し、
前記第2の演出を、前記特定の区間に前記操作手段の操作があった場合に実行し、
前記第2の演出では、前記ポイントの合計値に応じてリーチ演出の内容を変化させる、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第3の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中における特定の区間において実行し、
前記第2の演出を、前記特定の区間に前記操作手段の操作があった場合に実行し、
前記第2の演出では、前記ポイントの合計値に応じて当たり後に特別なラウンド演出を実行する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第3の演出を、変動演出中における特定の区間において実行し、
前記第2の演出を、前記特定の区間に前記操作手段の操作があった場合に実行し、
変動演出中に複数の演出モードのうちの選択された1つの演出モードを実行可能であり、
前記第2の演出では、特別な演出モードを選択可能にする、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2の演出では、特別な楽曲を出力する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
遊技が行われずに客待ち状態に切り替わった回数が所定回数に達すると、付与されていたポイント数をリセットする、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、押圧操作可能な操作手段を備える遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような遊技機では、操作手段が押圧操作可能となる演出パターンが選択されると、当該変動内において操作手段の押圧操作が可能な演出と区間とが限定されものに過ぎず、操作手段についての遊技の興趣を向上させるための技術については、なお改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、遊技の興趣の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
遊技者が操作可能な操作手段と、
複数種類の演出を実行可能な演出実行手段と、を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
変動演出中にポイントが付与される第1の演出と、
前記第1の演出の後、変動演出中に前記操作手段が操作されると、それまでに付与された前記ポイントの合計値に応じた演出が実行される第2の演出と、を実行可能な、
ことを特徴とする遊技機。
【0008】
[適用例2]
適用例1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1の演出の後、特定の区間において、それまでに付与された前記ポイントの合計値に応じた演出が開始されることを示唆する第3の演出を実行可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【0009】
[適用例3]
適用例2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第3の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中における特定の区間において実行し、
前記第2の演出を、前記特定の区間に前記操作手段の操作があった場合に実行し、
前記第2の演出では、前記ポイントの合計値に応じてリーチ演出の内容を変化させる、
ことを特徴とする遊技機。
【0010】
[適用例4]
適用例2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第3の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中における特定の区間において実行し、
前記第2の演出を、前記特定の区間に前記操作手段の操作があった場合に実行し、
前記第2の演出では、前記ポイントの合計値に応じて当たり後に特別なラウンド演出を実行する、
ことを特徴とする遊技機。
【0011】
[適用例5]
適用例2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第3の演出を、変動演出中における特定の区間において実行し、
前記第2の演出を、前記特定の区間に前記操作手段の操作があった場合に実行し、
変動演出中に複数の演出モードのうちの選択された1つの演出モードを実行可能であり、
前記第2の演出では、特別な演出モードを選択可能にする、
ことを特徴とする遊技機。
【0012】
[適用例6]
適用例2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2の演出では、特別な楽曲を出力する、
ことを特徴とする遊技機。
【0013】
[適用例7]
適用例1から適用例6までのいずれか一項に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
遊技が行われずに客待ち状態に切り替わった回数が所定回数に達すると、付与されていたポイント数をリセットする、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】センサ・ソレノイドを説明するための図である。
【
図4】サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】遊技制御用マイコンおよび演出制御用マイコンの記憶領域を説明するための図である。
【
図8】非時短状態時の変動パターン判定テーブルの説明図である。
【
図9】時短状態時の変動パターン判定テーブルの説明図である。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図11】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図13】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図15】特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。
【
図16】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図17】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図18】特別電動役物処理(大当たり)のフローチャートである。
【
図19】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図20】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図21】サブ側第1タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図22】サブ側第2タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図23】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図24】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図25】権利持ち越しポイント加算処理のフローチャートである。
【
図26】権利持ち越しポイント加算テーブルの説明図である。
【
図27】持ち越し権利解放処理のフローチャートである。
【
図29】持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)の説明図(A)、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)の説明図(B)である。
【
図30】とっておきPUSH演出Aを説明するための図である。
【
図31】とっておきPUSH演出Bを説明するための図である。
【
図32】とっておきPUSH演出Cを説明するための図である。
【
図33】とっておきPUSH演出Dを説明するための図である。
【
図34】持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)の変形例の説明図(A)、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)の変形例の説明図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
1.遊技機の構造
図1は、本発明の一実施形態としての遊技機1の正面図である。以下では、遊技機1の左右方向を、遊技機1に対面する遊技者から見た左右方向に一致させて説明する。また、遊技機1の前方向は、遊技機1から遊技者に向かう方向として説明し、遊技機1の後方向は、遊技者から遊技機1に向かう方向として説明する。
【0017】
遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。
【0018】
遊技機1は、遊技機枠50と、遊技盤2とを備え、遊技機枠50の内側に遊技盤2が取り付けられている。遊技機枠50は、前枠(前枠部)53のほか、遊技機の外郭部を形成する外枠(基枠部)と、外枠の内側において遊技盤2が取り付けられる内枠と、を備えている。
【0019】
前枠(前枠部)53は、外枠および内枠の前方側に配置される縦長方形状のユニットであり、ハンドル60と、打球供給皿(上皿)61と、余剰球受皿(下皿)62と、演出ボタン63と、枠ランプ66と、スピーカ67と、セレクトボタン68と、枠可動体600とを備えている。前枠53の中央には開口部が形成されており、開口部を介して、遊技盤2の遊技領域3を視認することができる。この開口部52には、ガラスユニットが嵌め込まれている。
【0020】
ガラスユニットは、前後方向に所定距離寸法だけ離間して2枚の無色透明なガラス(前方ガラス、後方ガラス)が配置されユニット化されている。ガラスユニットは、2枚の無色透明なガラス(前方ガラス、後方ガラス)で挟持されることで内部空間が形成されている。ガラスユニットは、前枠53の後方から着脱することができるようになっている。なお、ガラスユニットには内部空間の湿気を取るための乾燥剤が収容される図示しない収容部も設けられ、湿気によりガラスが曇ることを防止することができるようになっている。
【0021】
ハンドル60は、前枠53の右側の下端に配置され、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させる。打球供給皿(上皿)61は、前枠53の下方に設けられ、遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿)62は、打球供給皿(上皿)61の下方に配置され、打球供給皿(上皿)61に収容しきれない遊技球を貯留する。
【0022】
演出ボタン63は、打球供給皿(上皿)61の近傍に配置された操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作(押圧)される。
【0023】
枠ランプ66は、前枠53の開口部周辺に配置され、遊技中などに発光演出をおこなう。スピーカ67は、前枠53の左上方と右上方に配置され、遊技中などに音演出をおこなう。セレクトボタン68は、いわゆる十字キーとなっており、左ボタン、右ボタン、上ボタン、および、下ボタンから構成され、各種入力を可能にする。枠可動体600は、前枠53の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。枠可動体600は、前枠53の内部に格納されている格納状態から、前枠53の上方に突出する露出状態に変位可能に構成されている。
【0024】
なお、前枠(前枠部)53の開口部の右方であって前枠(前枠部)53の右前面部には、さらに、剣部材、剣ボタンを備えていてもよい。剣部材は、剣の形を模した操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が下方向に押し込むことができる。剣ボタンは、剣部材の上端部分、すなわち、剣の柄の端部に設けられた操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作(押圧)される。剣部材は、剣部材全体を下方に押し込む第1の操作と、先端の剣ボタンを押圧する第2の操作の異なる2つの操作を実行可能に構成されている。
【0025】
遊技盤2は、遊技領域3と、レール部材4と、盤ランプ5と、画像表示装置7と、センター装飾体10と、固定入賞装置(ヘソ)19と、普通可変入賞装置(電チュー)22と、ゲート(スルーチャッカー)28と、第1大入賞装置(第1アタッカー)31と、第2大入賞装置(第2アタッカー)36と、一般入賞口27(普通入賞口27)と、アウト口16と、表示器40と、を備えている。
【0026】
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下する領域であり、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。レール部材4は、遊技領域3の左側端部に配置され、ハンドル60の操作によって発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けて誘導する。盤ランプ5は、遊技領域3の背面側に配置され、遊技領域3の背面側から光を照射する。
【0027】
画像表示装置7は、遊技領域3の中央付近に設けられ、表示画面7aを備えている。画像表示装置7は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクスなどの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面7aは、演出図柄(装飾図柄)8L、8C、8Rが変動表示される演出図柄表示領域と、保留画像9A、9Bが表示される保留画像表示領域と、保留消化画像9Cが表示される保留消化画像表示領域と、を有している。保留画像9A、9Bは、保留を表す画像であり、保留アイコン9A,9Bとも呼ぶ。保留消化画像9Cは、当該変動に対応する画像であり、当該変動画像9C、または、当該変動アイコン9C若しくは変動アイコン9Cとも呼ぶ。なお、保留消化画像9Cは、当該変動に対応する画像であり、保留を示すものではないが、保留画像9A、9Bと保留消化画像9Cとを合わせて、便宜上、保留画像とも呼ぶ。
【0028】
演出図柄表示領域は、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアを含んでいる。左の図柄表示エリアには左演出図柄(左装飾図柄)8Lが表示される。中の図柄表示エリアには中演出図柄(中装飾図柄)8Cが表示される。右の図柄表示エリアには右演出図柄(右装飾図柄)8Rが表示される。演出図柄8L、8C、8Rは、例えば「1」~「9」までの数字を表した複数の図柄によって構成されている。演出図柄8L、8C、8Rの変動表示は、後述する第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示と同期している。画像表示装置7は、左、中、右の図柄表示エリアに表示する演出図柄の組み合わせによって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(大当たり抽選結果)を、遊技者にわかりやすく表示することができる。なお、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」と呼ぶ。
【0029】
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。遊技者は、大当たり抽選結果を画像表示装置7によって把握することができる。また、演出図柄の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様であってもよいしそれ以外の態様であってもよい。各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは上記に限定されず任意に設定することができる。以後、演出図柄8L、8C、8Rを表示する演出を「演出図柄の変動演出」、「装飾図柄の変動演出」または、単に「変動演出」とも呼ぶ。なお、この演出図柄の変動演出は、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間(特別図柄変動期間とも呼ぶ)における演出を1回の変動演出としてカウントする。従って、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間に、装飾図柄を仮停止させる場合があったとしても、当該仮停止の演出は、装飾図柄の変動演出に含まれる。
【0030】
画像表示装置7は、演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行しておこなわれる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示することができる。演出図柄変動演出では、演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出画像も表示されてもよい。また、画像表示装置7は、演出図柄に加え、特別図柄が変動中であることを示唆したり、特別図柄の抽選結果を示唆したりすることが可能な識別表示(第四図柄、図示省略)を、表示画面7aに表示してもよい。なお、識別表示(第四図柄)は、遊技領域3に設けられたLEDなどの発光器によって表示させてもよい。
【0031】
保留画像表示領域は、後述の第1特図保留の記憶数に応じて保留画像9Aを表示する第1保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて保留画像9Bを表示する第2保留表示エリアとを含んでいる。保留画像9A、9Bの表示によって、第1特図保留の記憶数と、第2特図保留の記憶数とを、遊技者にわかりやすく表示することができる。保留消化画像表示領域は、保留消化画像9Cを表示する保留消化表示エリアを含んでいる。保留消化画像9Cは、表示画面7aで現在変動中の演出図柄(演出図柄8L、8C、8R)に対応しており、保留消化画像9Cの表示によって、第1特図保留または第2特図保留が消化(後述の「特図保留の消化」)されることを、遊技者にわかりやすく表示することができる。
【0032】
センター装飾体10は、遊技領域3の中央付近であって、画像表示装置7の前方に配置されている。
センター装飾体10の下部には、ステージ部11が形成されている。ステージ部11は、ステージ部11の上面を転動する遊技球を後述の第1始動口20へと誘導可能な形状を有している。センター装飾体10の左下方には、ワープ部12が設けられている。ワープ部12は、遊技球が流入する入口部と遊技球が流出する出口部とを備え、入口部から流入した遊技球を出口部からステージ部11に流出させる。
【0033】
固定入賞装置(ヘソ)19は、遊技領域3における画像表示装置7の下方に配置され、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20を備えている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。言い換えれば、第1始動口20への遊技球の入賞は、当たり乱数等の取得および大当たり判定等の契機となっている。
【0034】
普通可変入賞装置(電チュー)22は、遊技領域3における第1始動口20の下方に配置され、第2始動口21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、第2始動口21の前方に可動部材23を備えており、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉する。可動部材23は、電チューソレノイド24(
図3)によって駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態のとき遊技球が入球可能である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態のときの方が閉状態のときよりも第2始動口21への入球が容易であればよく、閉状態のときに第2始動口21への入球が可能であってもよい。
【0035】
ゲート(スルーチャッカー)28は、遊技領域3における第1大入賞装置(第1アタッカー)31の上方に配置されており、遊技球が通過可能に構成されている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決定する普通図柄抽選の契機となっている。言い換えれば、ゲート28の遊技球の通過は、普通図柄乱数の取得および当たり判定等の契機となっている。
【0036】
ここで、「特別図柄の抽選(特図抽選)」とは、第1始動口20または第2始動口21に遊技球が入賞したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当たり」に対応する値と比較することにより、大当たりか否かを判定する処理をいう。この「大当たり」の抽選結果(特図抽選結果)は即座に遊技者に報知されるわけではなく、表示器40で特別図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果(特図抽選結果)に対応する特別図柄が停止表示(確定表示)され、遊技者に抽選結果(特図抽選結果)が報知される。画像表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期して演出図柄を変動表示する図柄合わせゲームが行われ、この図柄合わせゲームによって、より効果的に大当りの抽選結果(特図抽選結果)、つまり大当たり(当たり)またはハズレが遊技者に報知される。特別図柄の変動表示が開始されることで特図変動中となる。
【0037】
また、「普通図柄の抽選」とは、ゲート28を遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、ゲート28を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、表示器40において普通図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する普通図柄が確定表示(点灯または消灯)され、遊技者に抽選結果が報知される。
【0038】
第1大入賞装置(第1アタッカー)31は、遊技領域3における第1始動口20の右上方に配置され、第1大入賞口30と、V領域39と、非V領域70と、V開閉部材71とを備えている。第1大入賞口30は、スイング式の開閉動作により遊技球の受け入れを許容または阻害する開閉部材32を備えている。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図3)によって駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態のときに遊技球が入球可能となる。
【0039】
第1大入賞装置31は内部に、V領域(特定領域)39と、V領域センサ39a(
図3)と、非V領域(非特定領域)70と、非V領域センサ70a(
図3)と、第1大入賞口センサ30a(
図3)と、V開閉部材71と、V開閉部材ソレノイド73(
図3)と、を備えている。
【0040】
V領域(特定領域)39および非V領域(非特定領域)70は、第1大入賞装置31の内部において、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な領域として構成されている。第1大入賞口センサ30aは、V領域39および非V領域70の上流に配置され、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する。V領域センサ39aは、V領域39に配置され、V領域39への遊技球の通過を検知する。非V領域センサ70aは、非V領域70に配置され、非V領域70への遊技球の通過を検知する。
【0041】
V開閉部材71は、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。V開閉部材71は、回転移動(遊技盤2に対して時計回りおよび反時計回り)するように構成され、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、原点位置から反時計回りに回転して遊技球をV領域39に振り分ける第1の状態(回動状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、原点に位置して遊技球を非V領域70に振り分ける第2の状態(停止状態)となる。なお、V開閉部材71は、回転移動に限らず、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける機能を有しておればよく、例えば、遊技盤2に対して前後方向に移動するように構成してもよい。すなわち、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、遊技球をV領域39に振り分ける退避状態(第1の状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非V領域70に振り分ける進出状態(第2の状態)となるように構成してもよい。
【0042】
本実施形態の第1大入賞装置31は、さらに、第1大入賞装置31から排出される遊技球数を計数する第1大入賞装置排出センサ31a(
図3)を備えている。第1大入賞装置排出センサ31aは、V領域39と非V領域70が下流で合流した地点に設けられており、V領域センサ39aまたは非V領域センサ70aを通過した遊技球数を計数する。
【0043】
第2大入賞装置(第2アタッカー)36は、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方に配置され、第2大入賞口35を備えている。第2大入賞口35は、スイング式の開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する開閉部材37を備えている。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図3)によって駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態のとき遊技球が入球可能となる。第2大入賞口35への入賞は、第2大入賞口センサ35aにて検知される。本実施形態の第2大入賞装置36は、さらに、第2大入賞装置36から排出される遊技球数を計数する第2大入賞装置排出センサ36a(
図3)を備えている。
【0044】
一般入賞口27は、遊技領域3の下部に設けられている。アウト口16は、遊技領域3の下部に設けられており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外へ排出する。表示器40は、遊技盤2の右側中央付近に配置されている。
【0045】
遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼ぶ。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼ぶ。遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28の通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および、第2大入賞口35への入賞が狙うことができるように構成されている。
【0046】
遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶領域84e(
図5)に一旦記憶される。具体的には、第1始動口20への入賞であれば、第1特図保留として第1特図保留記憶領域(
図5)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば、第2特図保留として第2特図保留記憶領域(
図5)に記憶される。各々の特図保留記憶領域84eに記憶可能な特図保留の数には上限があり、本実施形態における上限値は、第1特図保留記憶領域、第2特図保留記憶領域ともにそれぞれ4個となっている。特図保留記憶領域84eに記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。「特図保留の消化」とは、その特図保留に対応する当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐにおこなえない場合、すなわち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができる。
【0047】
遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数の値は、普図保留記憶領域84f(
図5)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶領域84fに記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。普図保留記憶領域84fに記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐにおこなえない場合、すなわち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができる。
【0048】
2.遊技機の電気的構成
図2~
図4に基づいて、遊技機1の電気的構成について説明する。
図2は、遊技機1の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図4は、遊技機1のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。遊技機1は、主制御基板80(
図2)と、サブ制御基板90(
図4)と、画像制御基板100(
図4)と、ランプ制御基板107(
図4)と、音声制御基板106(
図4)と、払出制御基板110(
図2)と、電源基板116(
図2)と、を備えている。
【0049】
主制御基板80は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御をおこなう遊技制御基板であり、メイン制御部を構成する。サブ制御基板90は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御をおこなう演出制御基板であり、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていれば構成可能である。
【0050】
主制御基板80は、遊技制御用マイコン81と、入出力回路87と、を備えている。遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の進行を制御する。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
【0051】
主制御基板80には、入出力回路87を介してセンサ・ソレノイド44が接続されている。センサ・ソレノイド44は、各種のセンサ、ソレノイドの総称である。センサ類としては、
図3に示すように、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、V領域センサ39a、非V領域センサ70a、普通入賞口センサ27a、第1大入賞装置排出センサ31a、第2大入賞装置排出センサ36aが例示される。
【0052】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20の内部に設けられ、第1始動口20に入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ21aは、第2始動口21の内部に設けられ、第2始動口21に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28の内部に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30の内部に設けられ、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35の内部に設けられ、第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出する。V領域センサ39aは、V領域39に設けられ、V領域39を通過した遊技球を検出する。非V領域センサ70aは、非V領域70に設けられ、非V領域70を通過した遊技球を検出する。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27の内部に設けられ、普通入賞口27に入賞した遊技球を検出する。第1大入賞装置排出センサ31aは、第1大入賞装置31から排出される遊技球を検出する。第2大入賞装置排出センサ36aは、第2大入賞装置36から排出される遊技球を検出する。
【0053】
ソレノイド類としては、
図3に示すように、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、V開閉部材ソレノイド73が例示される。
電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動する。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。
【0054】
主制御基板80には、入出力回路87を介して表示器40が接続されている。遊技制御用マイコン81は、表示器40の表示制御おこなう。
主制御基板80には、入出力回路87を介して外部端子板72が接続されている。主制御基板80は、外部端子板72に対し、賞球情報、扉または枠の開放情報、第1特別図柄または第2特別図柄の変動回数、第1始動口20、第2始動口21への遊技球の入賞、大当たり中であるか否か、および、セキュリティー信号などを出力する。
【0055】
主制御基板80には、入出力回路87を介して払出制御基板110が接続されている。主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。
払出制御基板110には、賞球払出装置120と、貸球払出装置130と、カードユニット135と、が接続されている。
【0056】
主制御基板80には、入出力回路87を介して電源基板116が接続されている。主制御基板80は、電源基板116から供給される電源により動作し、他の基板に対しても電源を分配する(不図示)。また、電源基板116を介して発射装置112が接続されている。
【0057】
主制御基板80には、入出力回路87を介してサブ制御基板90(
図4)が接続されている。主制御基板80は、サブ制御基板90に対して各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0058】
サブ制御基板90は、演出制御用マイコン91と、入出力回路95と、を備えている。演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の演出を制御する。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。サブ制御基板90には、入出力回路95を介して、画像制御基板100と、音声制御基板106と、ランプ制御基板107と、中継基板108と、が接続されている。
【0059】
画像制御基板100は、プログラムに従って画像表示装置7の表示制御をおこなう図示しないワンチップマイコンである画像制御用マイコンが実装されている。画像制御基板100の画像制御用マイコンには、CPUのほかに、ROMも内蔵されている。画像制御用マイコンのROMには、表示制御をおこなうためのプログラムのほか、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。また、画像制御用マイコンには、画像データを展開するためのメモリとして使用されるRAMも内蔵されている。画像制御用マイコンのCPUは、画像制御用マイコンのROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0060】
音声制御基板106には、スピーカ67が接続されており、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力させる。
【0061】
ランプ制御基板107には、枠ランプ66と、盤ランプ5と、が接続されており、これらを制御する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御をおこなう。つまり、演出制御用マイコン91は、枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5などのランプの発光を制御する。
【0062】
中継基板108には、演出ボタン63と、セレクトボタン68と、枠可動体600と、が接続されている。演出ボタン63は、遊技者によって押圧(押下)操作されると、中継基板108を介してサブ制御基板90にスイッチ信号を出力する。また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づき、演出ボタン63を動作させる。演出ボタン63は、押圧操作可能であるだけでなく、ボタン本体部の上面部分がわずかに突出する通常位置(埋没位置)と、ボタン本体部の大部分が突出する突出位置とに位置変化可能となっている。つまり、演出の一つとして演出ボタン63がせり上がるようになっている。セレクトボタン68は、遊技者によって押圧(押下)されると、中継基板108を介してサブ制御基板90にスイッチ信号を出力する。
【0063】
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠可動体600を動作させる。枠可動体600は、前枠53(
図1)の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。演出制御用マイコン91は、枠可動体600の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体600の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブROM93に格納されているデータを用いる。なお、中継基板108には、前枠53に設けられ、人体が接触すると検出信号を出力するタッチセンサなどが接続されていてもよい。
【0064】
3.遊技機のデータ構成
図5に基づいて、遊技機1のデータ構成について説明する。
図5(A)は、遊技制御用マイコン81のメインROM83に記憶されているテーブルを説明するための図である。
図5(B)は、遊技制御用マイコン81のメインRAM84に設けられている記憶領域を説明するための図である。
図5(C)は、演出制御用マイコン91のサブROM93に記憶されているテーブルを説明するための図である。
図5(D)は、演出制御用マイコン91のサブRAM94に設けられている記憶領域を説明するための図である。
【0065】
メインROM83(
図5(A))には、テーブル記憶領域83aが設けられている。このテーブル記憶領域83aには、当たり判定テーブル、リーチ判定テーブル、普通図柄当たり判定テーブル、普通図柄変動パターン判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、変動パターン判定テーブル、電チュー開放パターン判定テーブル、大入賞口開放パターン判定テーブルなど、が格納されている。これらの判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が実行する主制御メイン処理(後述)において、遊技制御用マイコン81によって参照される。
【0066】
メインRAM84(
図5(B))には、コマンドセット領域84aと、フラグセット領域84bと、カウンタセット領域84cと、特別動作ステータスセット領域84dと、特図保留記憶領域84eと、普図保留記憶領域84fと、が設けられている。
【0067】
コマンドセット領域84aは、主制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側からサブ制御部側に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンドなどがセットされる。
【0068】
フラグセット領域84bは、主制御メイン処理(後述)において、遊技機の状態や遊技状態を示すフラグがセットされる領域であり、大当たりフラグ、小当たりフラグ、時短フラグ、天井フラグなどがセットされる。
【0069】
カウンタセット領域84cは、主制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、ラウンドカウンタ、時短カウンタ、ゲーム数カウンタ、天井カウンタなどがセットされる。
【0070】
特別動作ステータスセット領域84dは、後述する特別動作処理におけるステータスがセットされる領域である。
【0071】
特図保留記憶領域84eは、第1特図保留が記憶される第1特図保留記憶領域と、第2特図保留が記憶される第2特図保留記憶領域とを含んでいる。第1特図保留記憶領域には、第1特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する特別図柄当たり乱数等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。第2特図保留記憶領域には、第2特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。
【0072】
普図保留記憶領域84fは、普図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する普通図柄乱数(当たり乱数)等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。
【0073】
なお、メインRAM84は、図示しないバックアップ電源によりバックアップされており、遊技機1の電源が遮断されると、その記憶内容を保持し続けることができるようになっているため、メインRAM84に記憶される内容は、遊技機1の電源が遮断されことにより喪失されることがない。
【0074】
サブROM93(
図5(C))には、テーブル記憶領域93aが設けられている。テーブル記憶領域93aには、先読み演出パターン決定テーブル、基幹演出パターン決定テーブル、チャンスアップ演出パターン決定テーブル、権利持ち越しポイント加算テーブル、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)など、が格納されている。これらの決定テーブルは、演出制御用マイコン91が実行するサブ制御メイン処理(後述)において、演出制御用マイコン91によって参照される。
【0075】
なお、本実施形態では、リーチとして、スーパーリーチ(SPリーチ)とノーマルリーチとがある。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチ演出であり、当たり期待度がノーマルリーチと比べて予め高く設定されている。このため、遊技者は、ノーマルリーチと比べて、スーパーリーチ(SPリーチ)への関心が高い。
【0076】
サブRAM94(
図5(D))には、コマンド記憶領域94aと、演出コマンドセット領域94bと、カウンタセット領域94cと、フラグセット領域94dと、スイッチ情報記憶領域94eと、が設けられている。コマンド記憶領域94aは、サブ制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側から入力されたコマンドが記憶される領域(入力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンドなどが格納される。演出コマンドセット領域94bは、サブ制御メイン処理(後述)において、サブ制御基板90から画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、変動演出開始コマンド、変動終了前コマンド、変動演出終了コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンドなどがセットされる。カウンタセット領域94cは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、普図保留演出カウンタ、時短演出カウンタ、ゲーム数カウンタ、持ち越し権利カウンタ、持ち越し権利リセット判定カウンタなどがセットされる。
【0077】
フラグセット領域94dは、演出に関する各種フラグがセットされる領域、つまりサブ制御メイン処理(後述)において使用されるフラグが設定される領域であり、例えば、持ち越し権利解放演出実行フラグ等がセットされる。スイッチ情報記憶領域94eには、サブ制御メイン処理(後述)において、演出ボタン63やセレクトボタン68からの検知信号に基づいて作成されるスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)がセットされる。
【0078】
サブRAM94(
図5(D))には、これらの各種領域94a~94eのほかに、事前判定情報が記憶される図示しない事前判定情報記憶領域が設けられている。事前判定情報記憶領域には、主制御基板80から受信した事前判定コマンドに含まれる、大当たり事前判定結果(大当たり判定情報)、大当たり種別事前判定結果(大当たり種別情報)、および、変動パターン事前判定結果(変動パターン情報)に加えて、さらに先読み演出パターン情報などが記憶される。先読み演出パターン情報とは、変動演出中に実行される先読み演出の内容を示す情報である。事前判定情報記憶領域には、特
図1保留の1個目~4個目に対応する第1~4格納領域と、特
図2保留の1個目~4個目に対応する第1~4格納領域と、第1特図保留の第1格納領域または第2特図保留の第1格納領域から当該変動と対応する事前判定情報がシフトされる当該変動と、がある。
【0079】
なお、サブRAM94は、図示しないバックアップ電源によりバックアップされず、遊技機1の電源が遮断されると、その記憶内容を保持し続けることができないため、サブRAM94に記憶される内容は、遊技機1の電源が遮断されことにより喪失されることとなる。
【0080】
ここで遊技機1において遊技制御用マイコン81が取得する各種乱数について説明する。
遊技制御用マイコン81は、「当たり乱数」と、「大当たり種別乱数」と、「リーチ乱数」と、「変動パターン乱数」と、「普通図柄乱数」とを後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。
「当たり乱数」は、大当たりか否かの抽選(大当たり判定)に用いられる乱数であり、0~65535までの範囲の値をとる。
「大当たり種別乱数」は、当選した大当たりの種別の抽選(大当たり種別判定)に用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。
「リーチ乱数」は、大当たり判定がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば、「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で揺れているように表示されてもよい。
【0081】
「変動パターン乱数」は、変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。
「普通図柄乱数」は、電チュー22を開放させる補助遊技をおこなうか否かの抽選(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄乱数は、0~255までの範囲の値をとる。
「当たり乱数」、「大当たり種別乱数」、「リーチ乱数」、「変動パターン乱数」は、始動口(第1始動口20または第2始動口21)への入球に基づいて取得される。第1始動口20への入球に基づいて取得された乱数値群は第1特図保留記憶領域に記憶され、第2始動口21への入球に基づいて取得された乱数値群は第2特図保留記憶領域に記憶される。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、ゲート28の通過に基づいて取得される。取得された普通図柄乱数値は、普図保留記憶領域84fに記憶される。
【0082】
次に遊技機1において演出制御用マイコン91が取得する各種乱数について説明する。各種乱数は、それぞれ対応するサブRAM94のカウンタセット領域94cにセットされる乱数カウンタにより更新される。
演出制御用マイコン91は、「先読み演出乱数」と、「チャンスアップ乱数」と、を取得するように構成されている。
【0083】
「先読み演出乱数」は、カウンタセット領域94cにセットされる先読み演出カウンタの値として取得され、変動演出時の先読み演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「先読み演出乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に事前判定コマンドが出力されたことに基づいて取得される。
【0084】
「チャンスアップ乱数」は、変動演出時のチャンスアップ演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「チャンスアップ乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に変動開始コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値はサブRAM94に記憶される。
【0085】
4.各種テーブルの説明
図6は、当たり判定テーブルを説明するための図である。
当たり判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した当たり乱数値(0~65535のいずれか)が「大当たり」に該当するか、「小当たり」に該当するか、「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。
【0086】
第1特別図柄(特
図1)において、当たり乱数値が「0~409」の場合には、「大当たり」と判定され、当たり乱数値が「410~609の数値」の場合には、「ハズレ(突然時短)」と判定され、当たり乱数値が「610~65535の数値」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
【0087】
第2特別図柄(特
図2)において、当たり乱数値が「0~409」の場合には「大当たり」と判定され、当たり乱数値が「410~9000」の場合には「小当たり」と判定され、当たり乱数値が「9001~65535の数値」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
【0088】
リーチ判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得したリーチ乱数値(0~127のいずれか)が「リーチ有り」に該当するか「リーチ無し」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。リーチ判定テーブルにおけるリーチ判定は、遊技機1の遊技状態に基づいておこなわれる。本実施形態では、「非時短状態」において、リーチ乱数値が「0~13」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~13以外の数値(14~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定される。また、「時短状態」において、リーチ乱数値が「0~5」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~5以外の数値(6~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定される。
【0089】
普通図柄当たり判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した普通図柄乱数値(0~255のいずれか)が「当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。普通図柄当たり判定テーブルにおける判定は、遊技機1の遊技状態に基づいておこなわれる。本実施形態では、「非時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~2以外の数値(3~255)」の場合には、「ハズレ」と判定される。また、「時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~254」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~254以外の数値(255)」の場合には、「ハズレ」と判定される。
【0090】
普通図柄変動パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、普通図柄の変動時間が何秒かを判定するために参照されるテーブルである。本実施形態では「非時短状態」のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、「時短状態」のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定される。
【0091】
図7は、大当たり種別判定テーブルを説明するための図である。大当たり種別判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり種別乱数値(0~127のいずれか)に応じて、「大当たりの種別」を判定するために参照されるテーブルである。
【0092】
第1特別図柄(特
図1)の抽選において当選したとき、大当たり種別乱数値が「0~10」である場合には「10R一種大当たり(時短10回)」と判定され、「11~75」である場合には「4R一種大当たり(時短10回)」と判定され、大当たり種別乱数値が「76~127」である場合には「4R一種大当たり(時短なし)」と判定される。このように、第1特別図柄(特
図1)の抽選において当選したときにおける大当たりの種別の振分率は、「10R一種大当たり(時短10回)」が11/128(約8.6%)、「4R一種大当たり(時短10回)」が65/128(約50.8%)、「4R一種大当たり(時短なし)」が52/128(約40.6%)となっている。
【0093】
第2特別図柄(特
図2)の抽選において当選したとき、一種大当たりである場合は「10R一種大当たり(時短10回)」と判定される。二種大当たりである場合、大当たり種別乱数値が「0~37」の場合には「10R二種大当たり(時短10回)」と判定され、大当たり種別乱数値が「38~75」の場合には「4R二種大当たり(時短10回)」と判定され、大当たり種別乱数値が「76~127」の場合には「2R二種大当たり(時短なし)」と判定される。このように、第2特別図柄(特
図2)の抽選において当選したときにおける大当たりの種別の振分率は、「10R二種大当たり(時短10回)」が38/128(約29.7%)、「4R二種大当たり(時短10回)」が38/128(約29.7%)、「2R二種大当たり(時短なし)」が52/128(約40.6%)となっている。
【0094】
なお、「一種大当たり」とは、当たり判定処理において、大当たりと判定される大当たりであり、「二種大当たり」とは、当たり判定処理において、小当たりと判定された後に、発射した遊技球が第1大入賞装置31内部のV領域39を通過することで大当たりとなる大当たりである。
【0095】
図8は、非時短状態時の変動パターン判定テーブルを説明するための図である。
図9は、時短状態時の変動パターン判定テーブルを説明するための図である。変動パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した変動パターン乱数値(0~127)に応じて、変動パターンを判定するために参照されるテーブルである。
【0096】
非時短状態において第1始動口20に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルにおいて「リーチ有り」と判定され、保留球数が「1~2」であり、変動パターン乱数値が「0~59」の場合には、変動パターンが「P4」と判定されることが示されている。
【0097】
時短状態において第2始動口21に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルにおいて「リーチ無し」と判定され、保留球数が「3~4」の場合には、変動パターンが「P53」と判定されることが示されている。
【0098】
ここで特に、非時短状態において第1始動口20に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「大当たり」と判定され、変動パターン乱数値が「101~127」の場合には、変動パターンが「P3」として判定される。また、非時短状態において第1始動口に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ(突然時短)」と判定された場合には、変動パターンが「P13」として判定される。さらにまた、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルにおいて「リーチ有り」と判定され、保留球数が「3~4」であり、変動パターン乱数値が「115~127」の場合には、変動パターンが「P10」として判定される。変動パターンP3、P10、P13の場合、基幹演出パターンとして「SP3」が選択される。
【0099】
また、時短状態(c時短状態)において第2始動口21に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「小当たり」と判定された場合には、変動パターンが「P54」と判定される。時短状態(c時短状態)において第2始動口に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ」と判定された場合には、変動パターンが「P55」と判定される。変動パターンP54、P55の場合、基幹演出パターンとして「SP4」が選択される。
【0100】
図8、
図9に示されるように、変動パターンが決定されれば、変動時間も決定される。また、リーチになる場合に、そのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決定される。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチ演出である。ここでは、4種類のスーパーリーチ(SP1、SP2、SP3、SP4)が設定されている。SP1~4は、ノーマルリーチを経て発展的に実行され、味方キャラクタと敵キャラクタとが争うバトル演出となっている。
【0101】
電チュー開放パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、電チュー22の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。本実施形態では、「非時短状態」のとき、電チュー22の開放パターンは「開放パターン11」と判定され、「時短状態」のとき、開放パターンは「開放パターン12」と判定され、「c時短状態」のとき、開放パターンは「開放パターン13」と判定される。開放パターン11では、開放回数1回、開放時間0.2秒の電チュー22の開放をおこなう。開放パターン12では、開放回数が3回、1回あたりの開放時間2.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこなう。開放パターン13では、開放回数が1回、1回あたりの開放時間5.0秒の電チュー22の開放をおこなう。ただし、この電チュー22の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。特に開放パターン13では、1個の遊技球の入賞があった場合に閉鎖される。
【0102】
大入賞口開放パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。
【0103】
「4R一種大当たり」の場合、1~4R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35のロング開放をおこなう。
「10R一種大当たり」の場合、1~10R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35のロング開放をおこなう。
「10R二種大当たり」の場合、1R目において開放回数5回、開放時間0.3秒の第1大入賞口30の開放をおこない、2~10R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35のロング開放をおこなう。
「2R二種大当たり」の場合、1R目において、開放回数1回、開放時間0.3秒の第1大入賞口30の開放をおこない、2R目において、開放回数1回、開放時間1.8秒の第2大入賞口35のショート開放をおこなう。
ただし、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大9個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
【0104】
5.大当たり等の説明
遊技機1では、大当たりに、一種大当たりと、二種大当たりとがある。一種大当たりは、取得した当たり乱数値が「大当たり」に該当する場合である。一方、二種大当たりは、取得した当たり乱数値が「小当たり」に該当し、その後、遊技球が第1大入賞装置31内のV領域39を通過することで大当たりになる場合である。
【0105】
なお、大当たりになると、「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OP)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(ED)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了、または、前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれる。
【0106】
6.遊技状態の説明
遊技機1の遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン81は、表示器40に表示する特別図柄に対して、「変動時間短縮制御」を実行可能である。遊技制御用マイコン81が表示器40の特別図柄に対して変動時間短縮制御している状態を「時短状態」といい、変動時間短縮制御していない状態を「非時短状態(通常状態)」という。時短状態は、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。遊技制御用マイコン81は、時短状態のときに、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブル(
図8、
図9)を用いた変動パターンの判定をおこなう。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄に対して変動時間短縮制御を実行している場合には、変動時間短縮制御を実行していない場合と比べて、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。これにより、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0107】
遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、特別図柄に対する変動時間短縮制御に並行して実行する。すなわち、遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、時短状態の場合は実行し、非時短状態の場合には実行しない。
【0108】
遊技制御用マイコン81は、普通図柄の確率変動制御として、当たりと判定される普通図柄乱数値(当たり乱数値)の数が非時短状態よりも時短状態の方が多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)をおこなう。従って、時短状態では、普通図柄通常確率状態よりも当たり確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が普通図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、表示器40による普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当たり図柄となる確率が高くなる。
【0109】
時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。ここでは、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放時間延長制御を実行している。加えて、時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放回数増加制御を実行している。
【0110】
遊技制御用マイコン81が、表示器40の普通図柄に対する確率変動制御と変動時間短縮制御、および、電チュー22に対する開放時間延長制御と開放回数増加制御とを実行している状況下では、これらの制御を実行していない場合と比べて、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの制御が実行されている状態を「高ベース状態」といい、実行されていない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
【0111】
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての制御を実行するものでなくてもよい。すなわち、表示器40の普通図柄に対する確率変動制御、表示器40の普通図柄に対する変動時間短縮制御、電チュー22に対する開放時間延長制御、および、電チュー22に対する開放回数増加制御のうち一つ以上の制御を実行することによって、その制御が実行されていないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0112】
高ベース状態では、右打ちによって右遊技領域3B(
図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御によって、低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているためである。このことから、高ベース状態では、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちをおこなう。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお、遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技をおこなう。
【0113】
一方、低ベース状態では、左打ちによって左遊技領域3A(
図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているためである。このことから、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちをおこなう。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0114】
7.遊技制御用マイコン81の動作
以下、主制御基板80(
図2)に設けられた遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はメインRAM84に設けられている。
【0115】
[主制御メイン処理]
図10は、主制御メイン処理のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、遊技機1の電源がオンされると、メインROM83から主制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、初期化処理をおこなう(ステップS001)。初期化処理では、例えば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、初期化処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0116】
初期化処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(ステップS003)をおこなう。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、遊技制御用マイコン81は、種々の乱数カウンタ値(当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、普通図柄乱数値)を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0117】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(ステップS005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理は、所定の周期(例えば、4msec周期)で繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理は、所定周期(例えば4msec周期)ごとに実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理はすぐには開始されず、割り込み許可がされてから開始される。
【0118】
[メイン側タイマ割り込み処理]
図11は、メイン側タイマ割り込み処理(
図10:ステップS005)のフローチャートである。メイン側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、乱数更新処理をおこなう(ステップS101)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、種々の乱数カウンタ値を更新する。この乱数更新処理は、上述した主制御メイン処理(
図10)でおこなう普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同じである。すなわち、各種乱数カウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方でおこなわれる。
【0119】
乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、入力処理をおこなう(ステップS102)。入力処理では、遊技制御用マイコン81は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検出した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをメインRAM84の出力バッファにセットする。各種センサとは、例えば、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a(
図3)である。
【0120】
入力処理の後、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(ステップS103)をおこなう。始動口センサ検出処理では、遊技制御用マイコン81は、ゲート28の遊技球の通過を判定し、普通図柄乱数カウンタの値を取得し、取得した乱数値をメインRAM84の普図保留記憶領域84fの第1~第4記憶領域うち、現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。また、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20への遊技球の入賞を判定し、当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域の第1~第4記憶領域うち、現在の特
図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。さらにまた、遊技制御用マイコン81は、第2始動口21への遊技球の入賞を判定し、当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域の第1~第4記憶領域うち、現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0121】
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理において、大当たりの事前判定をおこなう。上述の乱数値群に基づき、大当たりであるか否か、大当たりである場合には大当たり種別、また、変動パターンを事前に判定する。そして、事前判定結果から事前判定コマンドを作成してメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする。
【0122】
次に、遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(ステップS104)をおこなう。普通動作処理では、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の作動を制御する。具体的に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かの判定をおこない、保留球数が1以上である場合、普通図柄当たり判定テーブルを参照して当たり判定をおこなう。次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう。遊技制御用マイコン81は、選択した普通図柄変動パターンをセットすることで、普通図柄の変動表示を開始させる。その後、変動表示を停止させ、「当たり」の場合には電チュー開放パターン判定テーブルを参照して電チュー開放パターンのセットをおこない、電チュー22を作動させる。
【0123】
次に、遊技制御用マイコン81は、特別動作処理をおこなう(ステップS105)。この特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、V領域センサ検出処理を行う(ステップS106)。V領域センサ検出処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、V領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かの判定をおこない、検知があった場合にはV有効期間中か否かの判定をおこなって、V有効期間中であれば、VフラグをONするとともにV通過コマンドをセットする。
【0124】
次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(ステップS107)をおこなう。遊技制御用マイコン81は、まず、メインRAM84に記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数の読み出しをおこなう。次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットする。保留球数コマンドは、保留球数をサブ制御基板90に通知するためのコマンドであり、特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報を含んでいる。
【0125】
保留球数処理の後、遊技制御用マイコン81は、出力処理をおこなう(ステップS108)。出力処理では、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットしたコマンド等をサブ制御基板90に出力する。出力処理の後、遊技制御用マイコン81は、その他の処理をおこなう(ステップS109)。その他の処理では、例えば、後述の特
図2保留球数に基づいて表示器40をその数を示す表示態様に制御し、特
図1保留球数に基づいて表示器40をその数を示す表示態様に制御する。
【0126】
[特別動作処理]
図12は、特別動作処理(
図12:ステップS105)のフローチャートである。ここでは、表示器40および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特別動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」、「5」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1301:YES)、特別図柄待機処理をおこなう(ステップS1302)。特別図柄待機処理では、大当たり判定や変動パターン選択等が実行される。
【0127】
「特別動作ステータス」が「2」のときには(ステップS1301:NO、ステップS1303:YES)、特別図柄変動中処理をおこなう(ステップS1304)。特別図柄変動中処理では、変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。具体的に、遊技制御用マイコン81は、まず、特別図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこない、変動時間が経過している場合は変動停止コマンドをセットし「特別動作ステータス」を「3」にセットする。
【0128】
「特別動作ステータス」が「3」のときには(ステップS1301、S1303:NO、ステップS1305:YES)、特別図柄確定処理をおこなう(ステップS1306)。特別図柄確定処理では、遊技制御用マイコン81が遊技状態管理処理を実行する。遊技状態管理処理とは、時短回数を管理するための処理である。すなわち、時短状態である場合、すなわちメインRAM84のフラグセット領域84bの時短フラグがONの場合には、カウンタセット領域84cの時短カウンタをデクリメントして更新し、遊技状態指定コマンドをセットする。遊技状態指定コマンドには、時短フラグ、時短カウンタ、時短継続カウンタなどの情報が含まれる。このとき、時短カウンタが「0」になると非時短状態(時短フラグをOFF)にする。また、時短継続カウンタも「0」とする。なお、時短継続カウンタは、大当たりになるとインクリメントされるようになっており、いわゆる「連荘数」を示すようになっている。次に、遊技制御用マイコン81は、フラグセット領域84bの大当たりフラグ、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合、当選した大当たり種別に応じた大入賞口の開放パターンのセットをおこなう。開放パターンのセット後、時短フラグをリセットし、時短継続カウンタをインクリメントする。その後、大当たりであれば「特別動作ステータス」を「4」にセットしオープニングコマンドをセットする。小当たりであれば「特別動作ステータス」を「5」にセットする。一方、大当たりフラグおよび小当たりフラグがOFFである場合、「特別動作ステータス」を「1」にセットする。
【0129】
「特別動作ステータス」が「4」のときには(ステップS1301、S1303、S1305:NO、S1307:YES)、特別電動役物処理(大当たり)をおこなう(ステップS1308)。特別電動役物処理では、大当たり遊技が実行される。具体的には、第2大入賞口35の開放を、ラウンドカウンタに基づき開放パターンに従って制御し、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンドのセットを行う。また、大当たりの終了時には、時短カウンタのセットをおこなう。
【0130】
「特別動作ステータス」が「5」のときには(ステップS1301、S1303、S1305:NO、S1307:NO)、特別電動役物処理(小当たり)をおこなう(ステップS1309)。特別電動役物処理(小当たり)では、小当たり遊技が実行される。具体的には、第1大入賞口30の開放を制御する。そして、遊技球がV領域39を通過した場合(VフラグがONの場合)、「特別動作ステータス」を「4」にセットし、オープニングコマンドをセットする。
【0131】
[特別図柄待機処理]
図13は、特別図柄待機処理(
図12:ステップS1302)のフローチャートである。特別図柄待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1401)。特
図2保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、第2特図保留記憶領域に、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1407に移行する。特
図2保留球数が「1」以上である場合(ステップS1401:NO)、遊技制御用マイコン81は、当たり判定処理(ステップS1402)を実行する。当たり判定処理の詳細については後述する。
【0132】
次に遊技制御用マイコン81は、変動パターン選択処理(ステップS1403)を実行する。変動パターン選択処理では、変動パターン判定テーブル(
図8、
図9)を参照し、遊技機1の遊技状態(時短状態か非時短状態か)、当たり判定処理(ステップS1402)の判定結果、保留球数に基づいて、変動パターンを選択する。変動パターン選択処理の後、特
図2保留球数をデクリメントする(ステップS1404)。
【0133】
次に、遊技制御用マイコン81は、第2特図保留記憶領域の第1~第4記憶領域に格納されている保留情報(各種乱数値)の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第2特図保留記憶領域において読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1405)。例えば、第1~第3記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第3記憶領域に格納されている保留情報をクリアし、第1~第4記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第4記憶領域に格納されている保留情報をクリアする。上記ステップによって、第2特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第2特図保留記憶領域の第1記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、一番左端の保留画像9B)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第2特図保留記憶領域の第2~第4記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、左から2、3、4番目の保留画像9B)がそれぞれ左側に1つシフトする(
図1)。これにより、遊技者は、第2特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。
【0134】
次に、遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理をおこなう(ステップS1406)。特
図2変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第2特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」を「2」にセットする。なお、特
図2変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンド)には、当たり判定処理(ステップS1402)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1403)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0135】
ステップS1401において、特
図2保留球数が「0」の場合(ステップS1401:YES)、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1407)。特
図1保留球数が「0」である場合(ステップS1407:YES)、すなわち、第1特図保留記憶領域に、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1413に移行する。特
図1保留球数が「1」以上である場合(ステップS1407:NO)、遊技制御用マイコン81は、当たり判定処理(ステップS1408)を実行する。当たり判定処理の詳細については後述する。
【0136】
次に遊技制御用マイコン81は、変動パターン選択処理(ステップS1409)を実行する。変動パターン選択処理では、変動パターン判定テーブル(
図8、
図9)を参照し、遊技機1の遊技状態(時短状態か非時短状態か)、当たり判定処理(ステップS1408)の判定結果、保留球数に基づいて、変動パターンを選択する。変動パターン選択処理の後、特
図1保留球数をデクリメントする(ステップS1410)。
【0137】
次に、遊技制御用マイコン81は、第1特図保留記憶領域の第1~第4記憶領域に格納されている各種乱数値の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第1特図保留記憶領域において読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1411)。上記ステップによって、第1特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第1特図保留記憶領域の第1記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、一番右端の保留画像9A)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第1特図保留記憶領域の第2~第4記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、右から2、3、4番目の保留画像9A)がそれぞれ右側に1つシフトする(
図1)。これにより、遊技者は、第1特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。
【0138】
次に、遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理をおこなう(ステップS1412)。特
図1変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第1特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」を「2」にセットする(ステップS1412)。なお、特
図1変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド)には、当たり判定処理(ステップS1408)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1409)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0139】
ステップS1407において、特
図1保留球数が「0」の場合(ステップS1407:YES)、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこなう(ステップS1413)。待機画面とは、客待ち用のデモ画面のことである。遊技制御用マイコン81は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって判定してもよい。待機画面である場合(ステップS1413:YES)、本処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1413:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS1414)、本処理を終える。上記のように、本実施形態の特別図柄待機処理によれば、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合に限って実行される。すなわち、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。また、本実施形態の大当たり種別判定テーブルによれば、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも遊技者にとって利益の大きい大当たり(V通過予定大当たり)に当選するようになっている。
【0140】
[当たり判定処理]
図14は、当たり判定処理(
図13:ステップS1402、S1408)のフローチャートである。特
図2の当たり判定処理(ステップS1402)と特
図1の当たり判定処理(ステップS1408)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。
【0141】
当たり判定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、当たり判定をおこなう(ステップS1501)。当たり判定は、当たり判定テーブル(
図6)を参照しておこなわれる。
【0142】
次に、遊技制御用マイコン81は、大当たりであるか否かを判定する(ステップS1502)。ここで大当たりであると判定された場合(ステップS1502:YES)、大当たりフラグをONにし、大当たり種別判定を行って(ステップS1503)、その後、当たり判定処理を終了する。一方、大当たりでないと判定された場合(ステップS1502:NO)、ステップS1504へ移行する。
【0143】
ステップS1504において、遊技制御用マイコン81は、小当たりであるか否かを判定する。ここで小当たりであると判定された場合(ステップS1504:YES)、小当たりフラグをONにし、大当たり種別判定を行って(ステップS1505)、その後、当たり判定処理を終了する。一方、小当たりでないと判定された場合(ステップS1504:NO)、ステップS1506へ移行する。
【0144】
ステップS1506において、遊技制御用マイコン81は、突然時短であるか否かを判定する。ここで突然時短であると判定された場合(ステップS1506:YES)、突時フラグをONにし(ステップS1507)、当たり判定処理を終了する。一方、突然時短でないと判定された場合(ステップS1506:NO)、ステップS1507の処理を実行せず、当たり判定処理を終了する。
【0145】
[特別電動役物処理(小当たり)]
図15は、特別電動役物処理(小当たり)(
図12のステップS1309)のフローチャートである。
【0146】
遊技制御用マイコン81は、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立したか否かを判定する(ステップS1601)。ここで第1大入賞口30の閉鎖条件が成立したと判定された場合(ステップS1601:YES)、第1大入賞口30を閉鎖し(ステップS1602)、小当たりフラグをOFFにし(ステップS1603)、ステップS1605へ移行する。一方、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立していないと判定された場合(ステップS1601:NO)、第1大入賞口30を開放し(ステップS1604)、ステップS1605へ移行する。なお、第1大入賞口30がすでに開放中である場合には、その開放を維持する。
【0147】
ステップS1605において、遊技制御用マイコン81は、遊技球がV領域39を通過したか否かを判定する。この判定は、メインRAM84のフラグセット領域84bのVフラグがONであるか否かでおこなわれる。ここで、V領域39を通過したと判定された場合(ステップS1605:YES)、VフラグをOFFにし(ステップS1606)、大当たりフラグをONにし(ステップS1607)、V通過コマンド、大当たりのオープニングコマンドをセットし、「特別動作ステータス」を「4」にして(ステップS1608)、特別電動役物処理(小当たり)を終了する。一方、V領域を通過していないと判定された場合(ステップS1605:NO)、「特別動作ステータス」を「1」にして(ステップS1609)、特別電動役物処理(小当たり)を終了する。
【0148】
[特別図柄確定処理]
図16は、特別図柄確定処理(
図12のステップS1306)のフローチャートである。
特別図柄確定処理において、遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態管理処理を実行し(ステップS1901)、その後、ステップS1902へ移行する。
【0149】
ステップS1902において、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONとなっているか否かを判定する。ここで大当たりフラグがONとなっていると判定された場合(ステップS1902:YES)、ステップS1903へ移行する。一方、大当たりフラグがONとなっていない場合(ステップS1902:NO)、ステップS1907へ移行する。
【0150】
ステップS1903において、遊技制御用マイコン81は、開放パターンをセットする。開放パターンは、大当たり種別に応じてセットされる。
次に、遊技制御用マイコン81は、遊技状態リセット処理を実行する(ステップS1904)。遊技状態リセット処理では、時短フラグなどがリセットされる。
【0151】
次に、遊技制御用マイコン81は、オープニングコマンドをセットし(ステップS1905)、「特別動作ステータス」を「4」にセットして(ステップS1906)、特別図柄確定処理を終了する。
【0152】
一方、ステップS1907において、遊技制御用マイコン81は、小当たりフラグがONとなっているか否かを判定する。ここで小当たりフラグがONとなっていると判定された場合(ステップS1907:YES)、ステップS1908へ移行する。一方、小当たりフラグがONとなっていない場合(ステップS1907:NO)、「特別動作ステータス」を「1」にセットし(ステップS1912)、特別図柄確定処理を終了する。
【0153】
ステップS1908において、遊技制御用マイコン81は、開放パターンをセットする。開放パターンは、小当たりと対応するものがセットされる。
次に、遊技制御用マイコン81は、遊技状態リセット処理を実行する(ステップS1909)。遊技状態リセット処理では、時短フラグなどがリセットされる。
【0154】
次に、遊技制御用マイコン81は、オープニングコマンド(小当たり)をセットし(ステップS1910)、「特別動作ステータス」を「5」にセットして(ステップS1911)、特別図柄確定処理を終了する。
【0155】
[遊技状態管理処理]
図17は、遊技状態管理処理(
図16のステップS1901)のフローチャートである。
遊技状態管理処理において、遊技制御用マイコン81は、まず、時短フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2001)。ここで時短フラグがONであると判定された場合(ステップS2001:YES)、時短カウンタをデクリメントし(ステップS2002)、ステップS2003へ移行する。一方、時短フラグがONでないと判定された場合(ステップS2001:NO)、ステップS2005へ移行する。
【0156】
ステップS2003において、遊技制御用マイコン81は、時短カウンタが「0」であるか否かを判定する。ここで時短カウンタが「0」であると判定された場合(ステップS2003:YES)、時短フラグをOFFにし(ステップS2004)、ステップS2005へ移行する。一方、時短カウンタが「0」でないと判定された場合(ステップS2003:NO)、ステップS2004の処理を実行せず、ステップS2005へ移行する。
【0157】
ステップS2005において、遊技制御用マイコン81は、天井フラグがONであるか否かを判定する。ここで天井フラグがONであると判定された場合(ステップS2005:YES)、天井カウンタをデクリメントし(ステップS2006)、ステップS2007へ移行する。一方、天井フラグがONでないと判定された場合(ステップS2005:NO)、すなわち天井フラグがOFFである場合には、ステップS2011へ移行する。
【0158】
ステップS2007において、遊技制御用マイコン81は、天井カウンタが「0」であるか否かを判定する。ここで天井カウンタが「0」であると判定された場合(ステップS2007:YES)、時短フラグをONにし(ステップS2008)、時短カウンタを「30」にセットし(ステップS2009)、天井フラグをOFFにして(ステップS2010)、ステップS2011へ移行する。ステップS2008~ステップS2010によりb時短(非時短状態から時短状態へ移行して時短30回となる遊タイム)が開始されることとなる。一方、天井カウンタが「0」でないと判定された場合(ステップS2007:NO)、ステップS2011へ移行する。
【0159】
ステップS2011において、遊技制御用マイコン81は、突時フラグがONであるか否かを判定する。ここで突時フラグがONであると判定された場合(ステップS2011:YES)、時短フラグをONにし(ステップS2012)、時短カウンタに「1」をセットして(ステップS2013)、ステップS2014へ移行する。一方、突時フラグがONでないと判定された場合(ステップS2011:NO)、すなわち突時フラグがOFFである場合には、ステップS2014へ移行する。
【0160】
ステップS2014において、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをセットし、その後、遊技状態管理処理を終了する。
【0161】
[特別電動役物処理(大当たり)]
図18は特別電動役物処理(
図12のステップS1308)のフローチャートである。
特別電動役物処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり終了フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS2101)。ここで大当たり終了フラグがONであると判定された場合(ステップS2101:YES)、エンディング処理を実行し(ステップS2102)、特別電動役物処理を終了する。エンディング処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定し、経過している場合、大当たり終了フラグをOFFにし、大当たりフラグをOFFにし、特別動作ステータスを「1」にセットして、遊技状態設定処理を実行した後(ステップS2103)、特別電動役物処理を終了する。遊技状態設定処理については後述する。一方、大当たり終了フラグがONでないと判定された場合(ステップS2101:NO)、すなわち大当たり終了フラグがOFFである場合には、ステップS2104へ移行する。
【0162】
ステップS2104では、大入賞口へ入賞したか否かを判定する。この処理は、大入賞口センサ30aからの信号に基づき、大入賞口30への入賞があったか否かを判定する処理である。ここで大入賞口へ入賞したと判定された場合(ステップS2104:YES)、大入賞口コマンドをセットし(ステップS2105)、ステップS2106へ移行する。一方、大入賞口へ入賞していないと判定された場合(ステップS2104:NO)、ステップS2105の処理を実行せずに、ステップS2106へ移行する。
【0163】
ステップS2106では、大入賞口が開放中であるか否かを判定する。この処理は、大入賞口30が開放中であるか否かを判定する処理である。ここで大入賞口が開放中であると判定された場合(ステップS2106:YES)、大入賞口閉鎖処理を実行し(ステップS2107)、特別電動役物処理を終了する。大入賞口閉鎖処理は、大入賞口30の閉鎖条件が成立したか否かを判定し、成立している場合には、大入賞口30を閉鎖する処理である。一方、大入賞口が開放中でないと判定された場合(ステップS2106:NO)、すなわち大入賞口が閉鎖中である場合には、ステップS2108へ移行する。
【0164】
ステップS2108において、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放期間であるか否かを判定する。この処理は、大入賞口30の開放期間であるか否かを判定する処理である。ここで大入賞口開放期間であると判定された場合(ステップS2108:YES)、大入賞口開放処理を実行し(ステップS2110)、ラウンド指定コマンドをセットして(ステップS2111)、特別電動役物処理を終了する。一方、大入賞口開放期間でないと判定された場合(ステップS2108:NO)、ラウンド処理を実行し(ステップS2109)、特別電動役物処理を終了する。ラウンド処理では、ラウンド終了か否かを判定し、ラウンド終了時には、ラウンドカウンタをデクリメントし、ラウンドカウンタが「0」になると、エンディングコマンドをセットし、大当たり終了フラグをONにする。
【0165】
[遊技状態設定処理]
図19は、遊技状態設定処理(
図18のステップS2103)のフローチャートである。
遊技状態設定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、時短付大当たりか否かを判定する(ステップS2201)。ここで時短付大当たりであると判定された場合(ステップS2201:YES)、時短フラグをONにし(ステップS2202)、確変カウンタを10にセットして(ステップS2203)、ステップS2204へ移行する。一方、時短付大当たりでないと判定された場合(ステップS2201:NO)、ステップS2202、ステップS2203の処理を実行せず、ステップS2204へ移行する。
【0166】
ステップS2204において、遊技制御用マイコン81は、天井フラグをONにし、天井カウンタに「300」をセットして(ステップS2205)、遊技状態指定コマンドをセットし(ステップS2206)、遊技状態設定処理を終了する。
【0167】
8.演出制御用マイコン91の動作
以下、サブ制御基板90(
図4)に設けられた演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はサブRAM94に設けられている。
【0168】
[サブ制御メイン処理]
図20は、サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイコン91は、遊技機1の電源がオンされると、サブROM93からサブ制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。サブ制御メイン処理では、演出制御用マイコン91は、まず、初期化処理をおこなう(ステップS4000)。初期化処理では、例えば、演出制御用マイコン91の設定、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、初期化処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0169】
初期化処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS4001)、乱数更新処理(ステップS4002)をおこなう。この乱数更新処理では、演出制御用マイコン91は、
図5(D)で示した乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、乱数値は、1ずつ加算する以外に、2以上を加算するようにしてもよい。各乱数はいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0170】
乱数更新処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS4003)。以降、ステップS4001~ステップS4003をループさせることで乱数更新処理が繰り返し実行される。割り込み許可中は、サブ側第1タイマ割り込み処理(ステップS4004)、サブ側第2タイマ割り込み処理(ステップS4005)の実行が可能となる。サブ側第1タイマ割り込み処理は、1ms(ミリ秒)ごとに演出制御用マイコン91に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、サブ側第1タイマ割り込み処理は、1ms(ミリ秒)ごとに実行される。サブ側第2タイマ割り込み処理は、10ms(ミリ秒)ごとに演出制御用マイコン91に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、サブ側第2タイマ割り込み処理は、10ms(ミリ秒)ごとに実行される。
【0171】
[サブ側第1タイマ割り込み処理]
図21は、サブ側第1タイマ割り込み処理(
図20のステップS4004)のフローチャートである。サブ側第1タイマ割り込み処理は、1msごとに実行される処理である。演出制御用マイコン91は、まず、入力処理をおこなう(ステップS4050)。入力処理では、例えば、演出ボタンからの信号(スイッチ信号)、セレクトボタン68からの信号(スイッチ信号)に基づいてそれぞれのスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成し、サブRAM94のスイッチ情報記憶領域94eに記憶する。
【0172】
続いて、演出制御用マイコン91は、ウォッチドッグタイマ処理をおこなって(ステップS4060)、本処理を終える。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定をおこなう。
【0173】
[サブ側第2タイマ割り込み処理]
図22は、サブ側第2タイマ割り込み処理(
図20のステップS4005)のフローチャートである。サブ側第2タイマ割り込み処理は、10msごとに実行される処理である。演出制御用マイコン91は、まず、受信コマンド解析処理をおこなう(ステップS4100)。受信コマンド解析処理の詳細については後述する。受信コマンド解析処理の後、演出制御用マイコン91は、変動演出中処理をおこなう(ステップS4110)。変動演出中処理については、後述する。変動演出中処理の後、演出制御用マイコン91は、スイッチ処理をおこなう(ステップS4120)。スイッチ処理では、演出制御用マイコン91は、
図21に示した1msごとに実行されるサブ側第1タイマ割り込み処理におけるステップS4050の入力処理において作成されてサブRAM94のスイッチ情報記憶領域94eに記憶された各種スイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)に基づいて表示画面7aの表示内容等を設定する。
【0174】
スイッチ処理の後、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理をおこなう(ステップS4130)。コマンド送信処理では、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理等でサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットした各種コマンドを画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に送信する。各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて、受信したコマンドに応じた表示演出を実行する。また、各種コマンドを受信した音声制御基板106は、受信したコマンドに応じて、スピーカ67から音声を出力する音声演出を実行する。各種コマンドを受信したランプ制御基板107は、受信したコマンドに応じて盤ランプ5、枠ランプ66の発光制御を行うランプ演出を実行する。コマンド送信処理の後、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこない(ステップS4140)、本処理を終える。その他の処理では、乱数更新処理等がおこなわれる。
【0175】
[受信コマンド解析処理]
図23は、受信コマンド解析処理(
図21のステップS4100)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、主制御基板80から事前判定コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4180)。受信している場合(ステップS4180:YES)、先読み処理を行う(ステップS4190)。一方、受信していない場合(ステップS4180:NO)、上述の先読み処理をスキップする。
【0176】
次に、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4200)。受信している場合(ステップS4200:YES)、保留表示処理をおこなう(ステップS4210)。保留表示処理では、保留球数コマンドに含まれている特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報に基づいて、サブRAM94のカウンタセット領域94cに設けられた、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも各保留球数の情報を保持することができる。また、演出制御用マイコン91は、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値に基づいて、表示画面7aに表示されている保留画像9A、9Bの更新をおこなう。一方、保留球数コマンドを受信していない場合(ステップS4200:NO)、上述の保留表示処理をスキップする。
【0177】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4220)。受信している場合(ステップS4220:YES)、変動演出開始処理をおこなう(ステップS4230)。「変動演出開始処理」は、特別図柄変動中に実行する変動演出パターン(内容)を選択する処理である。一方、受信していない場合(ステップS4220:NO)、上述の変動演出開始処理をスキップする。
【0178】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4240)。受信している場合(ステップS4240:YES)、変動演出終了処理をおこなう(ステップS4250)。「変動演出終了処理」は、特別図柄変動中に実行される変動演出を停止させるための処理である。変動演出終了処理では、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドの解析結果に基づいてカウンタのセット等をおこなうとともに、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。これにより変動中の特
図1または特
図2に対応する演出図柄が停止表示される。なお、変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS4240:NO)、上述の変動演出終了処理をスキップする。
【0179】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から当たり関連コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4260)。当たり関連コマンドには、大当たりのオープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、小当たりのオープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンドなどが含まれる。ここで、受信している場合(ステップS4260:YES)、各コマンドに対応する当たり関連演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4270)。例えば、大当たりのオープニングコマンドを受信している場合、大当たり種別に対応して予め設定されているオープニング演出の演出パターンを選択し、選択したオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたオープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(ステップS4130)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、所定のオープニング演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。他のコマンドでも同様である。一方、受信していない場合(ステップS4260:NO)、ステップS4270の処理をスキップする。なお、大当たり遊技状態において後述の特別ラウンド演出を実行する場合には、後述の権利持ち越しカウンタKCの値に値0(ゼロ)をセットし、後述の持ち越し権利解放演出実行フラグをOFFにセットする(演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」の実行を非許可(禁止)する)ようになっている。
【0180】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4280)。受信している場合(ステップS4280:YES)、客待ち演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4290)。「客待ち演出パターン決定処理」は、遊技機1の稼働がなくなってから所定の待機時間が経過すると表示する待機画面の演出パターン(内容)を選択する処理である。客待ち演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、客待ち待機コマンドの解析をおこない、客待ち待機コマンドに含まれる情報をサブRAM94にセットする。そして、待機画面の演出パターンを選択し、選択した演出を開始するための客待ち待機コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされた客待ち待機コマンドが画像制御基板100に送信されると、CPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させる。
【0181】
一方、客待ち待機コマンドを受信していない場合(ステップS4280:NO)、ステップS4290の処理、後述のステップS4300の処理、後述のステップS4310の判定、後述のステップS4320の処理をスキップし、ステップS4330へ移行する。
【0182】
ステップS4290に続いて、演出制御用マイコン91は、持ち越し権利リセット判定カウンタKRの値に値1を加算(インクリメント)し(ステップS4300)、ステップS4310へ移行する。持ち越し権利リセット判定カウンタKRは、上述の変動演出開始処理がおこなわれるごとに、値0(ゼロ)、値3、値4、値5、値6、値10、値12、値15のうち、いずれかの値が加算(インクリメント)される後述する権利持ち越しカウンタKCの値をリセットする否かの判定をおこなうために使用されるカウンタである。後述する権利持ち越しカウンタKCの値が所定値(後述する権利解放値)に到達している場合には、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」を実行し、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出を実行することができるようになっている。
【0183】
ところが、遊技者が遊技機1の遊技を終了して離席し、他の遊技機へ移動した場合には、権利持ち越しカウンタKCの値がそのままサブRAMのカウンタセット領域94cに保持されたままとなり、新たな遊技者が遊技機1の前面に着席して遊技を開始すると、権利持ち越しカウンタKCがそのまま利用され、離席した遊技者が加算してきた権利持ち越しカウンタKCを、新たな遊技者がそのまま引き継ぐこととなり、離席した遊技者にとって不利益となる。
【0184】
そこで、ステップS4310において、演出制御用マイコン91は、持ち越し権利リセット判定カウンタKRが権利喪失値に到達しているか否かの判定(持ち越し権利リセット判定カウンタKRが権利喪失値以上であるか否かの判定)をおこなう。権利喪失値は、待機画面(客待ち用のデモ画面)が連続しておこなわれた最大回数が規定されるものであり、本実施形態では、値5(5回)に予め定められている。
【0185】
演出制御用マイコン91は、持ち越し権利リセット判定カウンタKRが権利喪失値に到達している場合(持ち越し権利リセット判定カウンタKRの値が権利喪失値以上である場合)(ステップS4310:YES)、権利持ち越しカウンタKCの値に値0(ゼロ)をセットし、持ち越し権利解放演出実行フラグをOFFにセットし(つまり、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」の実行を非許可(禁止)する。)(ステップS4320)、ステップS4330へ移行する。一方、演出制御用マイコン91は、持ち越し権利リセット判定カウンタKRが権利喪失値に到達していない場合(持ち越し権利リセット判定カウンタKRの値が権利喪失値未満である場合)(ステップS4310:NO)、ステップ4320の処理をスキップしてステップS4330へ移行する。
【0186】
このように、権利持ち越しカウンタKCの値をリセットするタイミングとして、遊技者が遊技機1の遊技を終了して離席してから待機画面(客待ち用のデモ画面)が連続して5回だけおこなわれるときとすることができ、ステップS4320において、権利持ち越しカウンタKCの値に値0(ゼロ)がセットされてリセットされる。
【0187】
ステップS4330において、演出制御用マイコン91は、その他の処理を実行し、本処理を終了する。その他の処理では、例えば、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したときに、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態に関する情報(時短状態か否か、時短カウンタの値など)をサブRAM94に保持させる。また、演出制御用マイコン91は、V通過コマンドを受信したときに、V通過した情報をサブRAM94に保持させる。また、演出制御用マイコン91は、上記以外のコマンド(RAMクリア報知コマンドなど)に基づく処理をおこなう。
【0188】
[変動演出開始処理]
図24は、変動演出開始処理(
図23のステップS4230)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、変動開始コマンドの解析をおこなう(ステップS4401)。ここでは、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報、および、変動パターンに関する情報をサブRAM94にセットする。セットされた情報には、現在の遊技状態を示す遊技状態情報や、特
図1または特
図2の当たり判定処理の判定結果としての図柄を示す図柄情報等が含まれている。ここで取得された遊技状態情報や図柄情報は、演出制御用マイコン91によって、適宜参照され得る。
【0189】
続いて、演出制御用マイコン91は、基幹演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4402)。基幹演出パターン決定処理は、基幹演出パターン決定テーブルを用いて変動演出の基本的な構成を決定する処理である。変動演出の基本的な構成は、例えば、画像表示装置7における背景画像の表示およびその切り換え、所定のキャラクタの表示およびその動作、スピーカ67を用いたメロディや効果音の出力、ランプ類の点灯制御などを含む。変動演出は、この基幹演出にチャンスアップ演出などの付加的な演出が重畳されて完成する。
【0190】
演出制御用マイコン91は、サブROM93に記憶されている基幹演出パターン決定テーブルを参照して基幹演出パターンを決定する。基幹演出パターンを決定した後、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4403)。チャンスアップ演出パターン決定処理は、変動演出に重畳させる付加的な演出を決定するための処理である。演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数のカウンタの値を取得し、取得した乱数値と、サブROM93に記憶されているチャンスアップ演出パターン決定テーブルを参照して、チャンスアップ演出パターンを決定する。
【0191】
続いて、演出制御用マイコン91は、権利持ち越しポイント加算処理をおこなう(ステップS4404)。権利持ち越しポイント加算処理は、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」を実行するか否かの判定に使用される権利持ち越しカウンタKCの値に値0(ゼロ)、値3、値4、値5、値6、値10、値12、値15のうち、いずれかの値を加算(インクリメント)する処理である。権利持ち越しポイント加算処理については後述する。「とっておきPUSH演出」が実行されることで、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出を解放することができる。
【0192】
続いて、演出制御用マイコン91は、持ち越し権利解放処理をおこなう(ステップS4405)。持ち越し権利解放処理は、権利持ち越しカウンタKCの値が所定値(後述する権利解放値)に到達している場合には、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」の実行を許可する処理である。「とっておきPUSH演出」が実行されることで、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出を解放することができる。持ち越し権利解放処理については後述する。
【0193】
続いて、演出制御用マイコン91は、上記ステップS4401~S4405にて決定された変動演出パターンに基づく変動演出が実現されるよう変動演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットする(ステップS4406)。サブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(ステップS4130)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、変動演出画像を読み出し、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
【0194】
続いて、演出制御用マイコン91は、変動演出タイマをセットする(ステップS4407)。変動演出タイマには、変動開始コマンドに含まれる変動パターンに応じた変動時間がセットされる。
【0195】
続いて、演出制御用マイコン91は、持ち越し権利リセット判定カウンタKRの値に値0をセットし(ステップS4408)、本処理を終了する。本処理である変動演出開始処理がおこなわれるごとに、ステップS4408において、持ち越し権利リセット判定カウンタKRの値に値0(ゼロ)がセットされることでリセットされるようになっている。これにより、
図23の受信コマンド解析処理において客待ち待機コマンドを受信することで、権利持ち越しカウンタKCの値をリセットするタイミングとして、遊技者が遊技機1の遊技を終了して離席してから待機画面(客待ち用のデモ画面)が連続して正確に5回だけおこなわれたときとすることができる。
【0196】
[権利持ち越しポイント加算処理]
権利持ち越しポイント加算処理は、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」を実行するか否かの判定に使用される権利持ち越しカウンタKCの値に値0(ゼロ)、値3、値4、値5、値6、値10、値12、値15のうち、いずれかの値を加算(インクリメント)する処理である。「とっておきPUSH演出」が実行されることで、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出を解放することができる。ここでは、権利持ち越しポイント加算処理について
図25を参照して説明する。
図25は権利持ち越しポイント加算処理(
図24:ステップS4404)のフローチャートである。
【0197】
演出制御用マイコン91は、まず、変動パターンと対応する権利持ち越しポイントの加算値KVを、権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、決定する(ステップS4510)。演出制御用マイコン91は、
図24に示した変動演出開始処理におけるステップS4401の変動開始コマンド解析において、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報、および、変動パターンに関する情報をサブRAM94にセットする。そこで、演出制御用マイコン91は、ステップS4510において、サブRAM94にセットされた、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報、および、変動パターンに関する情報から、変動パターンと対応する権利持ち越しポイントの加算値KVを、権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、決定する。
【0198】
ここで、権利持ち越しポイント加算テーブルについて
図26を参照して説明する。
図26は、権利持ち越しポイント加算テーブルの説明図である。権利持ち越しポイント加算テーブルは、変動パターンと加算値KVとから構成されている。非時短状態において、基幹演出パターンが「リーチ無しハズレ」となる変動パターンに対しては、加算値KVに値0(ゼロ)が設定され、基幹演出パターンが「ノーマルリーチ」となる変動パターンに対しては、加算値KVに値1が設定され、基幹演出パターンが「SP1」のハズレとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値3が設定され、基幹演出パターンが「SP2」のハズレとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値4が設定され、基幹演出パターンが「SP3」のハズレとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値5が設定される。
【0199】
また、非時短状態において、基幹演出パターンが「SP1」の大当たりまたは小当たりとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値10が設定され、基幹演出パターンが「SP2」の大当たりまたは小当たりとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値12が設定され、基幹演出パターンが「SP3」の大当たりまたはハズレ(突然時短)となる変動パターンに対しては、加算値KVに値15が設定される。
【0200】
時短状態において、基幹演出パターンが「リーチ無しハズレ」となる変動パターンに対しては、加算値KVに値0(ゼロ)が設定され、基幹演出パターンが「ノーマルリーチ」となる変動パターンに対しては、加算値KVに値1が設定され、基幹演出パターンが「SP1」のハズレとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値3が設定され、基幹演出パターンが「SP2」のハズレとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値4が設定され、基幹演出パターンが「SP3」のハズレとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値5が設定される。
【0201】
また、時短状態において、基幹演出パターンが「SP1」の大当たりまたは小当たりとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値10が設定され、基幹演出パターンが「SP2」の大当たり、小当たり、ハズレ(突然時短)となる変動パターンに対しては、加算値KVに値12が設定される。
【0202】
c時短状態において、基幹演出パターンが「SP4」の小当たりまたはハズレとなる変動パターンに対しては、加算値KVに値6が設定される。
【0203】
図25に戻り、変動パターンと対応する権利持ち越しポイントの加算値KVを、権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、決定した後、演出制御用マイコン91は、ステップS4510で決定した変動パターンと対応する権利持ち越しポイントの加算値KVを、権利持ち越しカウンタKCに加算(インクリメント)し(ステップS4520)、本処理を終了する。
【0204】
権利持ち越しカウンタKCは、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」を実行するか否かの判定に使用されるカウンタであり、本処理である権利持ち越しポイント加算処理がおこなわれるごとに、値0(ゼロ)、値3、値4、値5、値6、値10、値12、値15のうち、いずれかの値が加算(インクリメント)される。「とっておきPUSH演出」が実行されることで、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出を解放することができる。なお、権利持ち越しカウンタKCは、遊技機1に電源が投入される場合、停電が発生して復電する場合、瞬停が発生して復電する場合に、
図20に示したサブ制御メイン処理におけるステップS4000の初期化処理において、デフォルトとして値0(ゼロ)がセットされる。
【0205】
本処理では、権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KVを得て、権利持ち越しカウンタKCに加算値KVを加算している。つまり、加算値KVが仮に値0(ゼロ)であったとしても、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して得た権利持ち越しポイントの加算値KVを、権利持ち越しカウンタKCに必ず加算する処理となっている。言い換えると、加算値KVが仮に値0(ゼロ)であるときには、権利持ち越しカウンタKCの値が増えないものの、プログラムソースコードには、加算値KVが値0(ゼロ)であるときには本処理を実行せず、加算値KVが値0(ゼロ)でないときに本処理を実行するという、条件文が存在していない。
【0206】
[持ち越し権利解放処理]
持ち越し権利解放処理は、権利持ち越しカウンタKCの値が所定値(後述する権利解放値)に到達している場合には、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」の実行を許可する処理である。「とっておきPUSH演出」が実行されることで、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出を解放することができる。ここでは、持ち越し権利解放処理について
図27を参照して説明する。
図27は持ち越し権利解放処理(
図24:ステップS4405)のフローチャートである。
【0207】
演出制御用マイコン91は、まず、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値以上であるか否かの判定をおこなう(ステップS4610)。本実施形態では、権利解放値として、値30に設定されている。
【0208】
権利持ち越しカウンタKCは、上述したように、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」を実行するか否かの判定に使用されるカウンタである。「とっておきPUSH演出」が実行されることで、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出を解放することができる。
【0209】
演出制御用マイコン91は、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値以上でない、つまり権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値未満である場合(ステップS4610:NO)、そのまま本処理を終了する一方、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値以上である場合(ステップS4610:YES)、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットし(ステップS4620)、本処理を終了する。
【0210】
持ち越し権利解放演出実行フラグは、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」の実行を許可するときONにセットされるのに対して、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」の実行を非許可(禁止)するときOFFにセットされる。「とっておきPUSH演出」が実行されることで、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出を解放することができる。なお、持ち越し権利解放演出実行フラグは、遊技機1に電源が投入される場合、停電が発生して復電する場合、瞬停が発生して復電する場合に、
図20に示したサブ制御メイン処理におけるステップS4000の初期化処理において、デフォルトとしてOFFがセットされる。また、持ち越し権利解放演出実行フラグは、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出が実行されると、OFFがセットされる。
【0211】
[変動演出中処理]
図28は、変動演出中処理(
図22:ステップS4110)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、変動演出中か否かの判定をおこなう(ステップS4700)。変動演出中か否かは、例えば、変動演出タイマがゼロになっているか否かによって判定することができる。演出制御用マイコン91は、変動演出中でない場合(ステップS4700:NO)、そのまま本処理を終了する一方、変動演出中の場合(ステップS4700:YES)、ステップS4710へ移行する。
【0212】
ステップS4710において、演出制御用マイコン91は、持ち越し権利解放演出実行フラグがONであるか否かの判定をおこなう。持ち越し権利解放演出実行フラグは、上述したように、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」の実行を許可するときONにセットされるのに対して、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」の実行を非許可(禁止)するときOFFにセットされる。「とっておきPUSH演出」が実行されることで、特典演出である後述する持ち越し権利解放演出を解放することができる。
【0213】
演出制御用マイコン91は、持ち越し権利解放演出実行フラグがONである場合(ステップS4710:YES)、ステップS4720へ移行する一方、持ち越し権利解放演出実行フラグがONでない(つまりOFFである)場合(ステップS4710:NO)、ステップS4770へ移行する。
【0214】
ステップS4720において、演出制御用マイコン91は、操作有効期間内での演出ボタン63の操作があったか否かの判定をおこなう。本実施形態では、操作有効期間として、3秒~10秒に設定されている。
【0215】
演出制御用マイコン91は、操作有効期間内での演出ボタン63の操作があった場合(ステップS4720:YES)、ステップS4730へ移行する一方、操作有効期間内での演出ボタン63の操作がなかった場合(ステップS4720:NO)、ステップS4770へ移行する。
【0216】
ステップS4730において、演出制御用マイコン91は、リーチ演出中であるか否かの判定をおこなう。
図24に示した変動演出開始処理におけるステップS4401の変動開始コマンド解析において、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報、および、変動パターンに関する情報がサブRAM94にセットされている。そこで、演出制御用マイコン91は、リーチ演出中か否かは、ステップS4710において、サブRAM94にセットされた、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報、および、変動パターンに関する情報と、変動演出タイマと、に基づいて、おこなうことができる。
【0217】
演出制御用マイコン91は、リーチ演出中である場合(ステップS4730:YES)、ステップS4740へ移行する一方、リーチ演出中でない場合(ステップS4730:NO)、ステップS4750へ移行する。
【0218】
ステップS4740において、演出制御用マイコン91は、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)から持ち越し権利解放演出を決定してコマンドセットし、ステップS4760へ移行する。
【0219】
ステップS4750において、演出制御用マイコン91は、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)から持ち越し権利解放演出を決定してコマンドセットし、ステップS4760へ移行する。
【0220】
ここで、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)と、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)と、について
図29を参照して説明する。
図29は、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)の説明図(A)であり、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)の説明図(B)である。
【0221】
持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)は、
図29(A)に示すように、リーチ演出において演出ボタン63が操作(押圧操作)されたタイミングと、解放演出パターンと、から構成されている。リーチ演出において演出ボタン63が操作(押圧操作)されたタイミングとしては、リーチ初期区間(第1リーチ区間)、リーチ中期区間(第2リーチ区間)、リーチ後期区間(リーチ最終煽り区間、第3リーチ区間)の3つの区間があり、それぞれの区間に、解放演出パターンKA01,KA02,KA03が対応付けられている。なお、リーチ初期区間(第1リーチ区間)、リーチ中期区間(第2リーチ区間)、リーチ後期区間(リーチ最終煽り区間、第3リーチ区間)の3つの区間では、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像が表示されるようになっている。このとき、示唆画像の内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0222】
リーチ初期区間(第1リーチ区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKA01に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、現状のリーチ演出より当たりの期待度が高い上位のリーチ演出へ移行するものとなっている。
【0223】
リーチ中期区間(第2リーチ区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKA02に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、リーチ演出に登場するキャラクタが変わるものとなっている。
【0224】
リーチ後期区間(リーチ最終煽り区間、第3リーチ区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKA03に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、大当たり遊技状態において特別ラウンド演出が実行されるものとなっている。リーチ後期区間では、その最終に煽り演出をおこなう場合がある。
【0225】
なお、リーチ全区間は、リーチ初期区間→リーチ中期区間→リーチ後期区間となっており、それぞれリーチ全区間の約3分の1の時間が割り振られている。
【0226】
持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)は、
図29(B)に示すように、リーチ演出がまだ実行されていない演出において演出ボタン63が操作(押圧操作)されたタイミングと、解放演出パターンと、から構成されている。リーチ演出において演出ボタン63が操作(押圧操作)されたタイミングとしては、予告演出実行中(予告区間)、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で仮停止する演出区間)の3つの区間があり、それぞれの区間に、解放演出パターンKB01,KB02,KB03が対応付けられている。なお、予告演出実行中(予告区間)、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で仮停止する演出区間)の3つの区間では、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像が表示されるようになっている。このとき、示唆画像の内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0227】
予告演出実行中(予告区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKB01に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、選択可能な演出モードがされに1つ追加され公開可能となる。本実施形態では、遊技機1に電源投入され、遊技が開始される初期の状態では、Aモード、Bモード、Cモード、Dモードという4つのそれぞれ異なる演出モードが遊技者により選択することができるようになっている。追加される演出モードは、Eモード、Fモード、Gモードがあり、まずEモードが追加されて公開可能となり、Aモード~Eモードのうちいずれかの演出モードを選択することができる。その後、再び、予告演出実行中(予告区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKB01に決定され、Fモードが追加されて公開可能となり、Aモード~Fモードのうちいずれかの演出モードを選択することができる。その後、再び、予告演出実行中(予告区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKB01に決定され、Gモードが追加されて公開可能となり、Aモード~Gモードのうちいずれかの演出モードを選択することができる。もちろん、Aモード~Gモードはそれぞれ異なる演出モードとなっている。なお、遊技者が遊技機1の遊技を終了して離席してから待機画面(客待ち用のデモ画面)が連続して正確に5回だけおこなわれると、初期の状態へ戻り、Aモード、Bモード、Cモード、Dモードという4つのそれぞれ異なる演出モードだけが公開されることとなる。
【0228】
チャンスアップ演出中において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKB02に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、通常カットインされないキャラクタが特別にカットインされて登場するものとなっている。チャンスアップ演出は、変動演出に重畳させる付加的な演出である。
【0229】
チャンス目で仮停止中において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKB03に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、チャンス目で通常登場するキャラクタに代えてプレミアのキャラクタが登場するものとなっている。チャンス目とは、同色図柄で仮停止して、その後、再変動する。
【0230】
図28に戻り、ステップS4740のあと、または、ステップS4750のあと、ステップ4760において、演出制御用マイコン91は、権利持ち越しカウンタKCの値に値0(ゼロ)をセットしてリセットし、持ち越し権利解放演出実行フラグをOFFにセットし(つまり、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」の実行を非許可(禁止)する。)、ステップ4770へ移行する。演出制御用マイコン91は、ステップS4740、または、ステップS4750において、持ち越し権利解放演出を決定しているため、ステップS4760において、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与する「とっておきPUSH演出」を実行するか否かの判定に使用される権利持ち越しカウンタKCをリセットし、持ち越し権利解放演出実行フラグをOFFにセットしている。これにより、リセットされた状態とすることで、「とっておきPUSH演出」が実行されず、特典演出である持ち越し権利解放演出を解放することができない。遊技者は、「とっておきPUSH演出」が実行される機会を再び得るために、遊技を継続する。
【0231】
ステップS4770において、演出制御用マイコン91は、変動終了前コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットするタイミングか否かの判定をおこなう。変動終了前コマンドは、演出制御用マイコン91が画像制御基板100などに対して、変動演出中の特定のタイミングであることを知らせるコマンドであり、画像制御基板100は、変動終了前コマンドを受信すると、変動終了前コマンドに含まれる情報にしたがって演出内容の切り替えや、特定の画像の表示等をおこなう。
【0232】
演出制御用マイコン91は、変動終了前コマンドをセットするタイミングではない場合(ステップS4770:NO)、本処理を終了する一方、変動終了前コマンドをセットするタイミングである場合(ステップS4770:YES)、サブRAM94の図示しない事前判定情報記憶領域の当該領域に先読み演出パターン情報があるか否かの判定をおこなう(ステップS4780)。演出制御用マイコン91は、当該領域に先読み演出パターン情報がある場合(ステップS4780:YES)、先読み演出パターン情報を含んだ変動終了前コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットし(ステップS4790)、本処理を終了する一方、当該領域に先読み演出パターン情報が無い場合(ステップS4780:NO)、先読み演出パターン情報を含まない変動終了前コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットし(ステップS4800)、本処理を終了する。
【0233】
これにより、当該領域に先読み演出パターン情報がある場合には、当該変動演出を終了するまでに(少なくとも当該変動演出の終了2秒前に)先読み演出パターン情報を含んだ変動終了前コマンドが画像制御基板100に送信される。そして、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7aに先読み演出画像として保留アイコンを変化させて表示させる先読み演出を開始させる。一方、当該領域に先読み演出パターン情報が無い場合にも当該変動を終了するまでに(少なくとも当該変動演出の終了2秒前に)変動終了前コマンドが画像制御基板100に送信される。ここでは、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7aに既に予告画像が表示されている場合、その予告画像をフェードさせる予告フェード演出を開始させる。
【0234】
9.画像制御用マイコン101の動作
画像制御基板100(
図4)に設けられた画像制御用マイコンの動作について説明する。画像制御用マイコンの動作説明にて登場するバッファ等は画像制御用マイコンのRAMに設けられている。画像制御用マイコンは、遊技機1の電源がオンされると、画像制御用マイコンのROMからプログラムを読み出し、画像制御用マイコンのCPU初期化処理の後、表示制御処理が繰り返し実行される。表示制御処理では、まず、画像制御用マイコンは、サブ制御基板90から変動演出開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう。受信している場合、画像制御用マイコンは、変動演出表示を開始させる。具体的には、画像制御用マイコンは、受信した変動演出開始コマンドを解析し、変動演出開始コマンドにおいて指示された所定の変動演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。一方、受信していない場合、上述の変動演出表示の開始という処理をスキップする。なお、「とっておきPUSH演出」の実行の許可や非許可(禁止)の情報も変動演出開始コマンドに含まれている。
【0235】
続いて、画像制御用マイコンは、サブ制御基板90から、持ち越し権利解放演出のコマンドを受信したか否かの判定をおこなう。受信している場合、画像制御用マイコンは、とっておきPUSH演出を開始させ、持ち越し権利解放演出の表示を開始させる。具体的には、例えば、画像制御用マイコンは、持ち越し権利解放演出のコマンドを解析し、持ち越し権利解放演出のコマンドにおいて指示された所定の演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。一方、受信していない場合、画像制御用マイコンは、上述の持ち越し権利解放演出の表示の開始という処理をスキップする。なお、画像制御用マイコンは、サブ制御基板90から、とっておきPUSH演出(「とっておきPUSH演出」が実行されている旨を遊技者に示唆するとっておきPUSH演出画像TG)に関するコマンドを受信したか否かの判定をおこなう。受信している場合、画像制御用マイコンは、とっておきPUSH演出を開始させる。具体的には、例えば、画像制御用マイコンは、とっておきPUSH演出のコマンドを解析し、とっておきPUSH演出のコマンドにおいて指示された所定の演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。一方、受信していない場合、画像制御用マイコンは、上述の持とっておきPUSH演出の表示の開始という処理をスキップする。
【0236】
続いて、画像制御用マイコンは、サブ制御基板90から変動終了前コマンドを受信したか否かの判定をおこなう。受信している場合、画像制御用マイコンは、先読み演出表示を開始させる。具体的には、画像制御用マイコンは、変動終了前コマンドを解析し、変動終了前コマンドにおいて指示された所定の先読み演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。一方、受信していない場合、画像制御用マイコンは、上述の先読み演出表示の開始という処理をスキップする。
【0237】
続いて、画像制御用マイコンは、サブ制御基板90から変動演出終了コマンドを受信したか否かの判定をおこなう。受信している場合、画像制御用マイコンは、変動演出を停止表示させた画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる変動演出停止表示をおこなう。一方、受信していない場合、画像制御用マイコンは、上述の変動演出の停止表示という処理をスキップする。
【0238】
続いて、画像制御用マイコンは、その他の処理をおこない、本処理である表示制御処理を終了する。その他の処理では、例えば、画像制御用マイコンは、オープニング演出開始コマンドを受信したときに、オープニング演出開始コマンドにおいて指示された所定のオープニング演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。また、ラウンド演出開始コマンドを受信したときに、ラウンド演出開始コマンドにおいて指示された所定のラウンド演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、表示画面7aに表示させる。このとき、
図28の変動演出中処理におけるステップS4750の処理において、
図29(A)の持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)を参照して、リーチ後期区間(リーチ最終煽り区間、第3リーチ区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKA03に決定され、持ち越し権利解放演出として大当たり遊技状態において特別ラウンド演出が実行される場合には、特別ラウンド演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、表示画面7aに表示させる。また、エンディング演出開始コマンドを受信したときに、エンディング演出開始コマンドにおいて指示された所定のエンディング演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、表示画面7aに表示させる。
【0239】
10.本実施形態の演出例
以下に、本実施形態の各演出例(表示演出例)を説明する。これから説明する演出は、上述したように、遊技制御用マイコン81から送信される各種コマンドに基づき、演出制御用マイコン91および画像制御用マイコン101によって実現される演出である。画像制御用マイコン101は、サブ制御基板90から受信した各種コマンドを解析し、ROM103から対応する各種画像データを読み出して画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
【0240】
以下に、
図30~
図33を用いてとっておきPUSH演出A~Dについて説明する。
図30~
図33において、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出図柄の変動表示が面の見易さから簡易化されて表示され、また画像表示装置7の表示画面7aの前面(前方)周囲に配置される各種装飾部材、各種背景画像が図面の見易さから省略されている。
図30はとっておきPUSH演出Aを説明するための図であり、
図31はとっておきPUSH演出Bを説明するための図であり、
図32はとっておきPUSH演出Cを説明するための図であり、
図33はとっておきPUSH演出Dを説明するための図である。
【0241】
このとっておきPUSH演出では、遊技機1で遊技をおこなっている遊技者に対して、上述の権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値に到達している場合には、特別に、演出ボタン63を押圧操作(PUSH入力)する権利を付与することができる演出であり、とっておきPUSH演出において、演出ボタン63が押圧操作(操作)されると、特典演出である持ち越し権利解放演出を実行するようになっている。言い換えると、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し、この権利の持ち越しを示唆する演出として、とっておきPUSH演出が実行されるようになっている。
【0242】
とっておきPUSH演出Aでは、当該変動においてリーチ演出中に実行されるものであり、リーチ初期区間(第1リーチ区間)、リーチ初期区間のあとのリーチ中期区間(第2リーチ区間)、リーチ中期区間のあとのリーチ後期区間(第3リーチ区間)のそれぞれの区間において、演出ボタン63が押圧操作されると、それぞれのリーチ区間と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるものである。とっておきPUSH演出Bでは、当該変動においてノーマルリーチというリーチ演出が開始されるまえのリーチ非演出中に実行されるものであり、予告演出が実行されている予告演出実行中(予告区間)において、演出ボタン63が押圧操作されると、予告演出実行中(予告区間)と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるものである。
【0243】
とっておきPUSH演出Cでは、当該変動においてノーマルリーチというリーチ演出が開始されるまえのリーチ非演出中に実行されるものであり、チャンスアップ演出が実行されているチャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)において、演出ボタン63が押圧操作されると、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるものである。とっておきPUSH演出Dでは、当該変動においてノーマルリーチというリーチ演出が開始されるまえのリーチ非演出中に実行されるものであり、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で停止する演出区間)において、演出ボタン63が押圧操作されると、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で停止する演出区間)と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるものである。
【0244】
ここでは、まず演出図柄について簡単に説明し、続いてとっておきPUSH演出A、とっておきPUSH演出B、とっておきPUSH演出C、とっておきPUSH演出Dについて順番に説明する。
【0245】
[演出図柄]
まず、演出図柄について簡単に説明する。画像表示装置7の表示画面7aには、立体画像の左演出図柄8L、立体画像の中演出図柄8C、立体画像の右演出図柄8Rが表示画面7aの上側から下側へ向かってリールが回転される表示態様で演出図柄(図柄:数字「1」~数字「9」)の変動演出(変動表示)が開始される。複数の演出図柄の変動演出(変動表示)では、各演出図柄が数字「1」→数字「2」→数字「3」→数字「4」→数字「5」→数字「6」→数字「7」→数字「8」→数字「9」→数字「1」→数字「2」→・・・という順番でリールが回転する表示態様で変動演出(変動表示)されている。なお、数字「7」は明るい赤色を有し、数字「7」を除く奇数「1」、「3」、「5」および「9」は、すべて同一の明るい緑色を有している。偶数「2」、「4」、「6」および「8」は、すべて同一の明るい青色を有している。
【0246】
このように、各演出図柄は、明るい赤色、明るい緑色、明るい青色のうちいずれかの色を主としてデザインされている。また、数字の図柄(奇数の図柄および偶数の図柄)がそれぞれ色を有しているため、例えば、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同一の数字の図柄に揃って仮停止表示されリーチが形成され、その後に演出が展開されると、遊技者は、リーチを経由して展開される演出の経験回数が増えるほど、仮停止表示された数字の図柄が有する色と、展開される演出と、の関係性(法則性)を遊技者自身で発見する機会を得ることができるようになっている。これにより、数字の図柄(奇数の図柄および偶数の図柄)がそれぞれ色を有していることで興趣の向上に寄与することができる。
【0247】
演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されると、停止表示された演出図柄が一度上側へ向かって所定距離(例えば、5ミリメートル程度)浮遊する表示態様でゆったり(低速で)移動したのち(言い換えると、演出図柄の停止表示が解除されたことで、演出図柄がこれから移動しようとする表示態様としたのち)、下側へ向かって低速から徐々に速度を上げながら不透明な状態から半透明な状態へ変化して高速で変動する表示態様となる。これにより、演出図柄の後方に配置される背景画像を、高速変動中の半透明な演出図柄を介して、視認することができる。演出図柄は、停止する直前で減速して半透明な状態から再び不透明な状態へ変化して仮停止表示されたり、停止表示されたりする(仮停止表示され、その後、停止表示される)。演出図柄は、仮停止表示された状態では、上下方向に小刻みにゆったりと動く表示態様となる。
【0248】
変動アイコンや保留アイコンについて簡単に説明すると、第1特図保留の消化として現在変動中の左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rに対応する変動アイコン9Cは、画像表示装置7の表示画面7aの中央下側に表示されている変動表示位置(矩形画像(台座画像)の上)に表示(載置)される。変動表示位置の左方の領域には、第1特図保留として第1保留表示エリアが設けられ、変動表示位置の右方の領域には、第2特図保留として第2保留表示エリアが設けられている。第1保留表示エリアには、4つの保留アイコン9Aが直線状に一列に表示可能とされ最大で4つの保留アイコン9Aをストックすることができるようになっている。変動アイコン9Cに最も近い第1保留アイコン9Aと呼び、変動アイコン9Cに2番目に近い保留アイコン9Aを第2保留アイコン9Aと呼び、変動アイコン9Cに3番目に近い保留アイコン9Aを第3保留アイコン9Aと呼び、変動アイコン9Cに最も遠い保留アイコン9Aを第4保留アイコン9Aと呼ぶ。第2保留表示エリアには、4つの保留アイコン9Bが直線状に一列に表示可能とされ最大で4つの保留アイコン9Bをストックすることができるようになっている。変動アイコン9Cに最も近い第1保留アイコン9Bと呼び、変動アイコン9Cに2番目に近い保留アイコン9Bを第2保留アイコン9Bと呼び、変動アイコン9Cに3番目に近い保留アイコン9Bを第3保留アイコン9Bと呼び、変動アイコン9Cに最も遠い保留アイコン9Bを第4保留アイコン9Bと呼ぶ。本実施形態では、変動アイコン9C、保留アイコン9A,9Bは、色により当たり期待を示唆することができ、白色→青色→緑色→赤色→紫色→黄色(ゴールド)という順番で当たり期待度が高くなっている。このため、遊技者は、変動アイコン9C、保留アイコン9A,9Bに対する関心が高い。
【0249】
なお、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されると、変動演出曲がスピーカ67から出力され(流れはじめ)、演出図柄が停止表示されるタイミングで、スピーカ67からの変動演出曲の出力が停止されるようになっている。言い換えると、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されるごとに、変動演出曲の頭からスタートされるようになっている。
【0250】
[とっておきPUSH演出A]
次に、とっておきPUSH演出Aについて
図30を参照して説明する。とっておきPUSH演出Aでは、当該変動においてリーチ演出中に実行されるものであり、リーチ初期区間(第1リーチ区間)、リーチ初期区間のあとのリーチ中期区間(第2リーチ区間)、リーチ中期区間のあとのリーチ後期区間(第3リーチ区間)のそれぞれの区間において、演出ボタン63が押圧操作されると、それぞれのリーチ区間と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるものである。
【0251】
ここでは、非時短状態であり(つまり、左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射して左打ちによる遊技を行う状態であり)、左演出図柄8Lが明るい緑色を有する数字「9」で停止表示され、中演出図柄8Cが明るい赤色を有する数字「7」で停止表示され、右演出図柄8Rが明るい緑色を有する数字「5」で停止表示され、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、ハズレが確定した画面となって待機している状態から遊技が開始されることを前提とする。この待機した状態では、すでに、遊技が行われず客待ち状態となって客待ち用のデモ演出(客待ち演出)を少なくとも5回以上実行したあととなっているため、権利持ち越しカウンタKCの値がリセットされて値0(ゼロ)となっている。
【0252】
遊技者は、遊技機1の前面に着座し、ハンドル60を操作して左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射して左打ちによる遊技を開始する。遊技者が左打ちによる遊技を行うものの、ハズレが続いている。遊技者が遊技を開始してから演出図柄の変動演出(変動表示)によりハズレが確定表示された回数(遊技者が遊技を開始してからのゲーム数)は、ここでは、100回にまで達している。この100回のうち、変動パターン11,P12のリーチ無しハズレ、変動パターンP4,P7のノーマルリーチ、変動パターンP5のスーパーリーチ演出であるSP1を遊技者が体験している。その後、遊技球が第1始動口20へ2球続け入球すると、先読みにより白色の第1保留アイコン9A、赤色の第2保留アイコン9Aが表示される。遊技者が遊技を続けたことにより、権利持ち越しカウンタKCの値が加算され続け、ここでは値26となっている。つまり、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し続けている。
【0253】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなり、
図30(A)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、ここでは上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値26(=値26+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値0(ゼロ)であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達していないため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットされず、つまりOFFのままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が非許可(禁止)される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値26)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。
【0254】
なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、これに伴い赤色の第2保留アイコン9Aが赤色の第1保留アイコン9Aとして移動する。これにより、赤色の保留アイコン9Aが1つだけストックされている状態となっている。遊技者は、ハンドル60の操作を継続している。
【0255】
その後、遊技球が第1始動口20へ入球し、白色の第2保留アイコン9Aが表示され、保留アイコン9Aが2つストックされている状態となる。このとき、赤色の第1保留アイコン9Aが保留変化して黄色(ゴールド)の第1保留アイコン9Aへ変化する。これにより、遊技者は、黄色(ゴールド)の第1保留アイコン9Aが変動アイコンとなったときの演出の展開に集中するため、ハンドル60の操作を停止している。
【0256】
その後、まず左演出図柄8Lが明るい緑色を有する数字「1」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい緑色を有する数字「3」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、その後、
図30(B)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値26)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。
【0257】
黄色(ゴールド)の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して黄色(ゴールド)の変動アイコン9Cとなると、
図30(C)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP2(基幹演出パターン:SP2、スーパーリーチ演出であるバトル演出を実行する大当たり)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値12)を得て、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値12)を加算して値38(=値26+値12)となる。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達しているため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットし、「とっておきPUSH演出」の実行が許可される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値38)と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。
【0258】
なお、黄色(ゴールド)の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して黄色(ゴールド)の変動アイコン9Cとなると、これに伴い白色の第2保留アイコン9Aが白色の第1保留アイコン9Aとして移動する。これにより、保留アイコン9Aが1つだけストックされている状態となっている。
【0259】
その後、
図30(D)に示すように、まず左演出図柄8Lが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが変動演出(変動表示)中となり、リーチが形成される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値38)と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。リーチが形成されたあと、
図30(E)に示すように、白色の第1変動アイコン9A、黄色(ゴールド)の変動アイコン9C、変動表示位置、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが表示画面7aに非表示され(表示画面7aから消え)、演出図柄の変動演出(変動表示)の画面からスーパーリーチ(SPリーチ)であるバトル演出画面へ切り替わり、バトル演出へ発展する。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値38)と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。
【0260】
このバトル演出では、表示画面7aの右側から味方キャラクタCRAが現れ、表示画面7aの左側から敵キャラクタCRBが現れ、表示画面7aの中央において味方キャラクタCRAと敵キャラクタCRBとが戦う演出であり、当たり期待度が予め高く設定されているスーパーリーチ(SPリーチ)演出となっている。
【0261】
ここでは、持ち越し権利解放演出実行フラグがONにセットされ、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であるため、「とっておきPUSH演出」が実行されている旨を遊技者に示唆するとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示され、また、演出ボタン63の操作を促すための演出ボタン63を模した演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示されている。とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BGは、他の各種画像と比べて、いずれも最も手前側に配置されている。このため、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BGは、いずれも、バトル演出において味方キャラクタCRAや敵キャラクタCRBと前後方向で重なる場合があっても、味方キャラクタCRAや敵キャラクタCRBにより視認性が阻害されないようになっている。なお、リーチ初期区間(バトル演出前期)において、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であり、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値と加算値KVとが表示されるため、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0262】
とっておきPUSH演出画像TGは、円形状を有しており、演出ボタン画像BGと同一または類似するとっておきPUSH演出用演出ボタン画像が円形状内の下側に配置されるとともに、「とっておきPUSH」というメッセージ画像が円形状内であってとっておきPUSH演出用演出ボタン画像の上方に配置されて構成されている。とっておきPUSH演出画像TGは、とっておきPUSH演出画像TGが表示されているときに、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、遊技者に特典演出を解放することができる持ち越し権利解放演出の実行を示唆するものである。
【0263】
つまり、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し、この権利の持ち越しを示唆する演出として、とっておきPUSH演出画像TGが表示されている。
【0264】
スーパーリーチ演出であるバトル演出が開始されリーチ初期区間(第1リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、
図30(E1)に示すように、遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行される。ここでは、演出発動内容として、スーパーリーチ演出であるバトル演出より当たりの期待度が高い上位のリーチ演出である超バトル演出へ移行する。このとき、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、敵キャラクタCRB、示唆画像SGが非表示され(表示画面7aから消えて)、味方キャラクタCRAが表示画面7aに大きく表示されるとともに、味方キャラクタCRAの右側に「超バトル演出だ!」というメッセージ画像MSが表示され、「超バトル演出だ」という音声もスピーカ67から同時に流れる。持ち越し権利解放演出が実行されたことにより、権利持ち越しカウンタKCが初期値である値0(ゼロ)にセットされる。持ち越し権利解放演出実行フラグがOFFにセットされる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。
図30(E1)による遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行された後、超バトル演出へ移行し、超バトル演出による演出が進行して終了すると、その後、後述する
図30(H)へ進行する。なお、
図30(H)へ進行すると、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。
【0265】
一方、スーパーリーチ演出であるバトル演出が開始されリーチ初期区間(第1リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)しなかった場合、
図30(F)に示すように、リーチ中期区間(第2リーチ区間)へ突入し、味方キャラクタCRAと敵キャラクタCRBとが表示画面7a内を上下左右に激しく移動しながら戦うバトル演出が継続されている。リーチ初期区間(第1リーチ区間)のあと、リーチ中期区間(第2リーチ区間)へ突入する状態では、リーチ初期区間(第1リーチ区間)に引き続きとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示された状態が維持されているとともに、演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示された状態が維持されている。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値38)と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。なお、リーチ中期区間(バトル演出中期)において、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であり、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値と加算値KVとが表示されるため、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0266】
リーチ中期区間(第2リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、
図30(F1)に示すように、遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行される。ここでは、演出発動内容として、スーパーリーチ演出であるバトル演出に登場する敵キャラクタCRBが変化する。敵キャラクタCRBから敵キャラクタCRCへ変化する。このとき、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、味方キャラクタCRA、敵キャラクタCRB、示唆画像SGが非表示され(表示画面7aから消えて)、円形状の画像内に先ほどまで味方キャラクタCRAと戦っていた敵キャラクタCRBが配置されて表示画面7aに左側に表示され、円形状の画像内に味方キャラクタCRAと戦う新たな敵キャラクタCRCが配置されて表示画面7aの右側に表示されるとともに、表示画面7aの上側に「敵キャラクタのチェンジ!」というメッセージ画像MSが表示され、「敵キャラクタのチェンジ」という音声もスピーカ67から同時に流れる。持ち越し権利解放演出が実行されたことにより、権利持ち越しカウンタKCが初期値である値0(ゼロ)にセットされる。持ち越し権利解放演出実行フラグがOFFにセットされる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。
図30(F1)による遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行された後、味方キャラクタCRAと新しい敵キャラクタCRCとによるバトル演出が進行して終了すると、その後、後述する
図30(H)へ進行する。なお、
図30(H)へ進行すると、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。
【0267】
一方、リーチ中期区間(第2リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)しなかった場合、
図30(G)に示すように、リーチ後期区間(第3リーチ区間)へ突入し、味方キャラクタCRAと敵キャラクタCRBとによるバトル結果が表示画面7aに表示される。リーチ中期区間(第2リーチ区間)のあと、リーチ後期区間(第3リーチ区間)へ突入する状態では、リーチ中期区間(第2リーチ区間)に引き続きとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示された状態が維持されているとともに、演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示された状態が維持されている。なお、リーチ後期区間(バトル演出後期)において、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であり、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値と加算値KVとが表示されるため、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0268】
リーチ後期区間(第3リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、当該変動のあとに実行される大当たり遊技状態において、遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行される。ここでは、演出発動内容として、大当たり遊技状態において特別ラウンド演出が実行されるため、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、示唆画像SGが非表示される(表示画面7aかれ消える)ものの、「特別ラウンドが見れるよ」というメッセージ画像を表示画面7aに表示して、遊技者に報知するようにしてもよい。なお、ここでは、遊技者がすでに演出ボタン63を押圧操作(操作)しているものの、持ち越し権利解放演出が未だ実行されていないため、権利持ち越しカウンタKCが初期化されず、値38のままとなっている。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値38)と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。
【0269】
リーチ後期区間(第3リーチ区間)では、味方キャラクタCRAと敵キャラクタCRBとによるバトル結果が表示画面7aに表示され、ここでは、味方キャラクタCRAが勝利し、敵キャラクタCRBが敗北することで、敵キャラクタCRBが消えて、味方キャラクタCRAが表示画面7aの右側に表示され、「勝利」というメッセージ画像MSが表示画面7aの中央に大きく表示される。なお、リーチ後期区間(第3リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)されない場合には、とっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示された状態が維持されているとともに、演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示された状態が維持され、示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示された状態が維持されている。「勝利」というメッセージ画像MSは、演出ボタン画像BGの上方に表示される。
【0270】
リーチ後期区間(第3リーチ区間)のあと、
図30(H)に示すように、味方キャラクタCRA、メッセージ画像MSが表示画面7aに非表示され(表示画面7aから消え)(リーチ後期区間(第3リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)されない場合には、ここで、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、示唆画像SGが表示画面7aに非表示され(表示画面7aから消え))、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが再び現れ、左演出図柄8Lが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、その後、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが明るい青色を有する同一の図柄(ここでは、数字「2」)に揃って停止表示され、当たりが確定する。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値38)と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。なお、
図30(E1)または
図30(F1)から
図30(H)へ進行すると、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。
【0271】
その後、
図30(I)に示すように、大当たりオープニングが行われると、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが非表示され(表示画面7aから消え)、「大当たり」というメッセージ画像AMGが表示画面7aに大きく表示される。このとき、左打ちによる遊技から、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射して右打ちによる遊技へ切り替えるように、右矢印画像内に「右打ち」と記された右打ち画像MYが表示画面7aの右上側に表示される。この右打ち画像MYは、表示画面7aの最も手前側に配置され、遊技者に利益が付与される大当たり遊技状態、そして、大当たり遊技状態のあとの時短状態が継続されているときには常に表示された状態となる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値38)と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。なお、
図30(E1)または
図30(F1)から
図30(H)へ進行した場合には、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。大当たりオープニングの後、遊技者に多量な遊技球を獲得することができる利益が付与される大当たり遊技状態が開始されることとなる。大当たり遊技状態においても、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値と、加算値KVと、が表示されている。
【0272】
大当たり遊技状態が開始され、第1ラウンド、第2ラウンドを消化し、第3ラウンドを開始するとき、リーチ後期区間(第3リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)していた場合には、第1ラウンド、第2ラウンドとは異なるラウンドの演出となる特別ラウンドの演出を実行するのに対して、上述のリーチ後期区間(第3リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)していなかった場合には、第1ラウンド、第2ラウンドに続いて、そのままの第1ラウンドの演出および第2ラウンドの演出と同一の演出である通常のラウンドの演出が継続される。
【0273】
特別ラウンドは、上述のリーチ後期区間(第3リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)したことにより、遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行される演出である。ここでは、
図30(J)に示すように、第3ラウンドを特別ランドとして、黄金色に輝く翼を有する味方キャラクタCRAが表示画面7aの中央に大きく表示されるようになっている。黄金色に輝く翼を有する味方キャラクタCRAは、特別ラウンドが消化されるまで表示された状態が維持される。この黄金色に輝く翼を有する味方キャラクタCRAは、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。持ち越し権利解放演出が実行されたことにより、権利持ち越しカウンタKCが初期値である値0(ゼロ)にセットされる。持ち越し権利解放演出実行フラグがOFFにセットされる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されている。
【0274】
その後、第3ラウンド(特別ラウンド)を消化し、すべての残りのラウンドを消化して大当たり遊技状態が終了すると、大当たりエンディングが行われる。大当たりエンディングにおいても、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値と、加算値KVと、が表示されている。
【0275】
このように、とっておきPUSH演出Aでは、遊技者が遊技を継続したことによる特典として、演出ボタン63が押圧操作されると、それぞれのリーチ区間と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるようになっている。言い換えると、とっておきPUSH演出Aでは、非時短状態を長く遊技を行った遊技者だけがとっておきPUSH演出Aを体験することができるというプレミアム感を遊技者に付与することでき、プレミアム感の増加に寄与することがえきる。
【0276】
なお、リーチ後期区間(第3リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)しなかった場合には、持ち越し権利解放演出が実行されないことにより、権利持ち越しカウンタKCが初期化されず、値38が維持されることとなる。これにより、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値38)と、加算値KV(ここでは、値12)と、が表示されてる状態となる。
【0277】
[とっておきPUSH演出B]
次に、とっておきPUSH演出Bについて
図31を参照して説明する。とっておきPUSH演出Bでは、当該変動においてノーマルリーチというリーチ演出が開始されるまえのリーチ非演出中に実行されるものであり、予告演出が実行されている予告演出実行中(予告区間)において、演出ボタン63が押圧操作されると、予告演出実行中(予告区間)と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるものである。
【0278】
ここでは、非時短状態であり(つまり、左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射して左打ちによる遊技を行う状態であり)、左演出図柄8Lが明るい緑色を有する数字「9」で停止表示され、中演出図柄8Cが明るい赤色を有する数字「7」で停止表示され、右演出図柄8Rが明るい緑色を有する数字「5」で停止表示され、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、ハズレが確定した画面となって待機している状態から遊技が開始されることを前提とする。この待機した状態では、すでに、遊技が行われず客待ち状態となって客待ち用のデモ演出(客待ち演出)を少なくとも5回以上実行したあととなっているため、権利持ち越しカウンタKCの値がリセットされて値0(ゼロ)となっている。
【0279】
遊技者は、遊技機1の前面に着座し、ハンドル60を操作して左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射して左打ちによる遊技を開始する。遊技者が左打ちによる遊技を行うものの、ハズレが続いている。遊技者が遊技を開始してから演出図柄の変動演出(変動表示)によりハズレが確定表示された回数(遊技者が遊技を開始してからのゲーム数)は、ここでは、100回にまで達している。この100回のうち、変動パターン11,P12のリーチ無しハズレ、変動パターンP4,P7のノーマルリーチ、変動パターンP5のスーパーリーチ演出であるSP1を遊技者が体験している。その後、遊技球が第1始動口20へ2球続け入球すると、先読みにより白色の第1保留アイコン9A、白色の第2保留アイコン9Aが表示される。遊技者が遊技を続けたことにより、権利持ち越しカウンタKCの値が加算され続け、ここでは値29となっている。つまり、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し続けている。
【0280】
また、本実施形態においては、遊技機1に電源が投入されると、デフォルとして、Aモード、Bモード、Cモード、Dモードという4つの演出モードが公開され、遊技者がセレクトボタン68を押圧操作(操作)することにより、4つの演出モードのうち、お気に入りを選択することができるようになっている。ここでは、Aモードが選択されており、選択されている遊技モードを示す選択モード画像MMGを表示画面7aの右上側に表示されている。なお、とっておきPUSH演出Bが実行されることで、公開される演出モードが1つ追加可能な状態となり、演出モードとしては、全体として、Aモード、Bモード、Cモード、Dモード、追加されるEモード、追加されるFモード、追加されるGモードがある。
【0281】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなり、
図31(A)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、ここでは上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値29(=値29+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値0(ゼロ)であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達していないため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットされず、つまりOFFのままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が非許可(禁止)される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値29)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。
【0282】
なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、これに伴い白色の第2保留アイコン9Aが白色の第1保留アイコン9Aとして移動する。これにより、白色の保留アイコン9Aが1つだけストックされている状態となっている。遊技者は、ハンドル60の操作を継続している。
【0283】
その後、遊技球が第1始動口20へ入球し、白色の第2保留アイコン9Aが表示され、保留アイコン9Aが2つストックされている状態となる。このとき、白色の第1保留アイコン9Aが保留変化して青色の第1保留アイコン9Aへ変化する。これにより、遊技者は、青色の第1保留アイコン9Aが変動アイコンとなったときの演出の展開に集中するため、ハンドル60の操作を停止している。
【0284】
その後、まず左演出図柄8Lが明るい緑色を有する数字「1」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい緑色を有する数字「3」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、その後、
図31(B)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値29)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。
【0285】
青色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して青色の変動アイコン9Cとなると、
図31(C)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP4(基幹演出パターン:ノーマルリーチ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値1)を得て、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値1)を加算して値30(=値29+値1)となる。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達しているため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットし、「とっておきPUSH演出」の実行が許可される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0286】
なお、青色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して青色の変動アイコン9Cとなると、これに伴い白色の第2保留アイコン9Aが白色の第1保留アイコン9Aとして移動する。これにより、保留アイコン9Aが1つだけストックされている状態となっている。
【0287】
その後、
図31(D)に示すように、予告演出が実行される。この予告演出では、「味方キャラクタが登場!」というメッセージ画像YMSが表示画面7aの中央上側の右寄りに表示され、「味方キャラクタが登場」という音声もスピーカ67から同時に流れる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0288】
ここでは、持ち越し権利解放演出実行フラグがONにセットされ、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であるため、とっておきPUSH演出」が実行されている旨を遊技者に示唆するとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示され、また、演出ボタン63の操作を促すための演出ボタン63を模した演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示されている。とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、メッセージ画像YMSは、他の各種画像と比べて、いずれも最も手前側に配置されている。このため、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、メッセージ画像YMSは、いずれも、演出図柄の手前側に配置されているため、演出図柄により視認性が阻害されないようになっている。なお、予告演出実行中(予告区間)において、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であり、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値と加算値KVとが表示されるため、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0289】
とっておきPUSH演出画像TGは、円形状を有しており、演出ボタン画像BGと同一または類似するとっておきPUSH演出用演出ボタン画像が円形状内の下側に配置されるとともに、「とっておきPUSH」というメッセージ画像が円形状内であってとっておきPUSH演出用演出ボタン画像の上方に配置されて構成されている。とっておきPUSH演出画像TGは、とっておきPUSH演出画像TGが表示されているときに、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、遊技者に特典演出を解放することができる持ち越し権利解放演出の実行を示唆するものである。
【0290】
つまり、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し、この権利の持ち越しを示唆する演出として、とっておきPUSH演出画像TGが表示されている。
【0291】
予告演出が開始され、予告演出実行中(予告区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、
図31(D1)に示すように、遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行される。ここでは、演出発動内容として、選択可能な演出モードがさらに1つ追加され公開可能となる。すでに、Aモード、Bモード、Cモード、Dモードという4つの演出モードが公開されて選択可能となっているため、Eモードという1つの演出モードが新たに追加される。このとき、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、メッセージ画像YMS、示唆画像SGが非表示され(表示画面7aから消えて)、新たな「Eモードが追加されたよ!」というメッセージ画像YMSが表示画面7aの中央に大きく表示され、「Eモードが追加されたよ」という音声もスピーカ67から同時流れる。この新たなメッセージ画像YMSも、依然として最も手前側に配置されているため、演出図柄の手前側の配置となり、演出図柄により視認性が阻害されないようになっている。持ち越し権利解放演出が実行されたことにより、権利持ち越しカウンタKCが初期値である値0(ゼロ)にセットされる。持ち越し権利解放演出実行フラグがOFFにセットされる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0292】
「Eモードが追加されたよ!」というメッセージ画像YMSが表示されると、遊技者は、セレクトボタン68を押圧操作(操作)することで、追加されたEモードという演出モードを選択することができるようなる。ここで、例えば、遊技者がセレクトボタン68を押圧操作(操作)してEモードを選択すると、現状のAモードという演出モードからEモードという演出モードへ切り替わり、背景画像、各種エフェクト画像、各種効果音、演出図柄の装飾性も、Aモードと対応するものからEモードと対応するものへすべて切り替わることとなる。
【0293】
その後、新たなメッセージ画像YMSが非表示され(表示画面7aから消えて)、まず左演出図柄8Lが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが変動演出(変動表示)中となり、リーチが形成される。ここでは、ノーマルリーチであるため、スーパーリーチ演出等へ発展することなく、その後、中演出図柄8Cが明るい緑色を有する数字「1」で仮停止表示され、その後、
図31(E1)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、青色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0294】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、
図31(F1)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、すでに権利持ち越しカウンタKCの値が初期化されて値0(ゼロ)がセットされているため、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値0(=値0(ゼロ)+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値0(ゼロ)であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達していないため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットされず、つまりOFFのままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が非許可(禁止)される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、保留アイコン9Aが全くストックされていない状態となっている。遊技者は、ハンドル60を操作し、左打ちによる遊技を再び開始する。
【0295】
その後、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、仮停止表示され、その後、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが非表示される(表示画面7aから消える)。
【0296】
一方、予告演出が開始され、予告演出実行中(予告区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)しなかった場合には、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、メッセージ画像YMS、示唆画像SGが非表示され(表示画面7aかれ消え)、
図31(D1)へ移行せず(つまり持ち越し権利解放演出が実行されず)、まず左演出図柄8Lが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが変動演出(変動表示)中となり、リーチが形成される。ここでは、ノーマルリーチであるため、スーパーリーチ演出等へ発展することなく、その後、中演出図柄8Cが明るい緑色を有する数字「1」で仮停止表示され、その後、
図31(E)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、青色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0297】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、
図31(F)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、予告演出実行中(予告区間)内に、演出ボタン63が押圧操作(操作)されていなかったため権利持ち越しカウンタKCの値が値30であり、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値30(=値30+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値30であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達しているため、さらに、持ち越し権利解放演出が持ち越され、持ち越し権利解放演出実行フラグがONにセットされたままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が許可された状態となっている。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、保留アイコン9Aが全くストックされていない状態となっている。遊技者は、ハンドル60を操作し、左打ちによる遊技を再び開始する。
【0298】
もちろん、「とっておきPUSH演出」の実行が許可された状態となっているため、
図31(D)に示した予告演出が実行される場合、後述のチャンスアップ演出が実行される場合、後述のチャンス目で仮停止する演出が実行される場合がある。
【0299】
その後、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、仮停止表示され、その後、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが非表示される(表示画面7aから消える)。遊技者は、ハンドル60を操作し、左打ちによる遊技を再び開始する。
【0300】
このように、とっておきPUSH演出Bでは、遊技者が遊技を継続したことによる特典として、演出ボタン63が押圧操作されると、予告演出実行中(予告区間)と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるようになっている。言い換えると、とっておきPUSH演出Bでは、非時短状態を長く遊技を行った遊技者だけがとっておきPUSH演出Bを体験することができるというプレミアム感を遊技者に付与することでき、プレミアム感の増加に寄与することがえきる。
【0301】
また、とっておきPUSH演出Bは、当該変動においてノーマルリーチというリーチ演出が開始されるまえのリーチ非実行中における予告演出実行中(予告区間)に行われ、とっておきPUSH演出」が実行されている旨を遊技者に示唆するとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示され、また、演出ボタン63の操作を促すための演出ボタン63を模した演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示されていた。もちろん、ノーマルリーチというリーチ演出のほかに、リーチ無しハズレにおいても、とっておきPUSH演出Bを行うことができる。
【0302】
[とっておきPUSH演出C]
次に、とっておきPUSH演出Cについて
図32を参照して説明する。とっておきPUSH演出Cでは、当該変動においてノーマルリーチというリーチ演出が開始されるまえのリーチ非演出中に実行されるものであり、チャンスアップ演出が実行されているチャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)において、演出ボタン63が押圧操作されると、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるものである。
【0303】
ここでは、非時短状態であり(つまり、左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射して左打ちによる遊技を行う状態であり)、左演出図柄8Lが明るい緑色を有する数字「9」で停止表示され、中演出図柄8Cが明るい赤色を有する数字「7」で停止表示され、右演出図柄8Rが明るい緑色を有する数字「5」で停止表示され、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、ハズレが確定した画面となって待機している状態から遊技が開始されることを前提とする。この待機した状態では、すでに、遊技が行われず客待ち状態となって客待ち用のデモ演出(客待ち演出)を少なくとも5回以上実行したあととなっているため、権利持ち越しカウンタKCの値がリセットされて値0(ゼロ)となっている。
【0304】
遊技者は、遊技機1の前面に着座し、ハンドル60を操作して左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射して左打ちによる遊技を開始する。遊技者が左打ちによる遊技を行うものの、ハズレが続いている。遊技者が遊技を開始してから演出図柄の変動演出(変動表示)によりハズレが確定表示された回数(遊技者が遊技を開始してからのゲーム数)は、ここでは、100回にまで達している。この100回のうち、変動パターン11,P12のリーチ無しハズレ、変動パターンP4,P7のノーマルリーチ、変動パターンP5のスーパーリーチ演出であるSP1を遊技者が体験している。その後、遊技球が第1始動口20へ2球続け入球すると、先読みにより白色の第1保留アイコン9A、白色の第2保留アイコン9Aが表示される。遊技者が遊技を続けたことにより、権利持ち越しカウンタKCの値が加算され続け、ここでは値29となっている。つまり、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し続けている。
【0305】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなり、
図32(A)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、ここでは上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値29(=値29+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値0(ゼロ)であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達していないため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットされず、つまりOFFのままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が非許可(禁止)される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値29)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。
【0306】
なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、これに伴い白色の第2保留アイコン9Aが白色の第1保留アイコン9Aとして移動する。これにより、白色の保留アイコン9Aが1つだけストックされている状態となっている。遊技者は、ハンドル60の操作を継続している。
【0307】
その後、遊技球が第1始動口20へ入球し、白色の第2保留アイコン9Aが表示され、保留アイコン9Aが2つストックされている状態となる。このとき、白色の第1保留アイコン9Aが保留変化して青色の第1保留アイコン9Aへ変化する。これにより、遊技者は、青色の第1保留アイコン9Aが変動アイコンとなったときの演出の展開に集中するため、ハンドル60の操作を停止している。
【0308】
その後、まず左演出図柄8Lが明るい緑色を有する数字「1」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい緑色を有する数字「3」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、その後、
図32(B)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値29)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。
【0309】
青色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して青色の変動アイコン9Cとなると、
図32(C)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP4(基幹演出パターン:ノーマルリーチ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値1)を得て、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値1)を加算して値30(=値29+値1)となる。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達しているため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットし、「とっておきPUSH演出」の実行が許可される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0310】
なお、青色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して青色の変動アイコン9Cとなると、これに伴い白色の第2保留アイコン9Aが白色の第1保留アイコン9Aとして移動する。これにより、保留アイコン9Aが1つだけストックされている状態となっている。
【0311】
その後、
図32(D)に示すように、チャンスアップ演出が実行される。このチャンスアップ演出では、変動演出に重畳させる付加的な演出であり、円形状の画像内に敵キャラクタが配置されたカットイン画像CZGが表示画面7aの中央上側に表示される。このカットイン画像CZGは、チャンスアップ演出が実行されるときに表示される通常のカットイン画像となっている。なお、通常のカットイン画像CZGとしては、円形状の画像内に敵キャラクタが配置されたものと、円形状の画像内に味方キャラクタが配置されたものと、がある。本実施形態においけるチャンスアップ演出では、通常のカットイン画像CZGとして、円形状の画像内に敵キャラクタが配置されたものと、円形状の画像内に味方キャラクタが配置されたものと、が交互に登場するようになっている。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0312】
ここでは、持ち越し権利解放演出実行フラグがONにセットされ、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であるため、「とっておきPUSH演出」が実行されている旨を遊技者に示唆するとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示され、また、演出ボタン63の操作を促すための演出ボタン63を模した演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示されている。とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、通常のカットイン画像CZGは、他の各種画像と比べて、いずれも最も手前側に配置されている。このため、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、通常のカットイン画像CZGは、いずれも、演出図柄の手前側に配置されているため、演出図柄により視認性が阻害されないようになっている。なお、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)において、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であり、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値と加算値KVとが表示されるため、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0313】
とっておきPUSH演出画像TGは、円形状を有しており、演出ボタン画像BGと同一または類似するとっておきPUSH演出用演出ボタン画像が円形状内の下側に配置されるとともに、「とっておきPUSH」というメッセージ画像が円形状内であってとっておきPUSH演出用演出ボタン画像の上方に配置されて構成されている。とっておきPUSH演出画像TGは、とっておきPUSH演出画像TGが表示されているときに、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、遊技者に特典演出を解放することができる持ち越し権利解放演出の実行を示唆するものである。
【0314】
つまり、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し、この権利の持ち越しを示唆する演出として、とっておきPUSH演出画像TGが表示されている。
【0315】
その後、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)に、
図32(E)に示すように、通常のカットイン画像CZGが非表示される。(表示画面7aから消える)。このとき、とっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示された状態が維持されているとともに、演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示された状態が維持されている。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。なお、ここでも、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0316】
その後、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)に、図示しないが、通常のカットイン画像CZGとして、円形状の画像内に味方キャラクタが配置されたものが表示画面7aの中央上側に表示される。このとき、とっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示された状態が維持されているとともに、演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示された状態が維持されている。
【0317】
この状態において、つまりチャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、
図32(F)に示すように、遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行される。ここでは、演出発動内容として、通常カットインされないキャラクタが特別にカットインされて登場する。ここでは、通常のカットイン画像CZGとは異なる特別なカットイン画像SZGとして、円形状の画像内にプレミアのキャラクタである黄金色に輝く翼を有する味方キャラクタが配置されたものが表示画面7aの中央上側に表示される。このとき、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、示唆画像SGが非表示される(表示画面7aから消える)。この特別なカットイン画像SZGも、最も手前側に配置されているため、演出図柄の手前側の配置となり、演出図柄により視認性が阻害されないようになっている。持ち越し権利解放演出が実行されたことにより、権利持ち越しカウンタKCが初期値である値0(ゼロ)にセットされる。持ち越し権利解放演出実行フラグがOFFにセットされる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0318】
その後、チャンスアップ演出が終了すると、特別なカットイン画像SZGが非表示され(表示画面7aから消えて)、
図32(G)に示すように、まず左演出図柄8Lが明るい青色を有する数字「8」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい青色を有する数字「8」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが変動演出(変動表示)中となり、リーチが形成される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。ここでは、ノーマルリーチであるため、スーパーリーチ演出等へ発展することなく、その後、中演出図柄8Cが明るい赤色を有する数字「7」で仮停止表示され、その後、
図32(H)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、青色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0319】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、すでに権利持ち越しカウンタKCの値が初期化されて値0(ゼロ)がセットされているため、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値0(=値0(ゼロ)+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値0(ゼロ)であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達していないため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットされず、つまりOFFのままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が非許可(禁止)される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、保留アイコン9Aが全くストックされていない状態となっている。遊技者は、ハンドル60を操作し、左打ちによる遊技を再び開始する。
【0320】
その後、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、仮停止表示され、その後、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが非表示される(表示画面7aから消える)。
【0321】
なお、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)しなかった場合には、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、示唆画像SGが表示画面7aに非表示され(表示画面7aから消え)、持ち越し権利解放演出が実行されないことにより、権利持ち越しカウンタKCが初期化されず、値30が維持されることとなる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。その後、
図32(H)に示したように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、青色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0322】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)内に、演出ボタン63が押圧操作(操作)されていなかったため権利持ち越しカウンタKCの値が値30であり、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値30(=値30+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値30であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達しているため、さらに、持ち越し権利解放演出が持ち越され、持ち越し権利解放演出実行フラグがONにセットされたままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が許可された状態となっている。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、保留アイコン9Aが全くストックされていない状態となっている。遊技者は、ハンドル60を操作し、左打ちによる遊技を再び開始する。
【0323】
もちろん、「とっておきPUSH演出」の実行が許可された状態となっているため、
図31(D)に示した予告演出が実行される場合、
図32(D)に示したチャンスアップ演出が実行される場合、後述のチャンス目で仮停止する演出が実行される場合がある。
【0324】
その後、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、仮停止表示され、その後、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが非表示される(表示画面7aから消える)。遊技者は、ハンドル60を操作し、左打ちによる遊技を再び開始する。
【0325】
このように、とっておきPUSH演出Cでは、遊技者が遊技を継続したことによる特典として、演出ボタン63が押圧操作されると、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるようになっている。言い換えると、とっておきPUSH演出Cでは、非時短状態を長く遊技を行った遊技者だけがとっておきPUSH演出Cを体験することができるというプレミアム感を遊技者に付与することでき、プレミアム感の増加に寄与することがえきる。
【0326】
また、とっておきPUSH演出Cは、当該変動においてノーマルリーチというリーチ演出が開始されるまえのリーチ非実行中におけるチャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)に行われ、とっておきPUSH演出」が実行されている旨を遊技者に示唆するとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示され、また、演出ボタン63の操作を促すための演出ボタン63を模した演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示されていた。もちろん、ノーマルリーチというリーチ演出のほかに、リーチ無しハズレにおいても、とっておきPUSH演出Cを行うことができる。
【0327】
[とっておきPUSH演出D]
次に、とっておきPUSH演出Dについて
図33を参照して説明する。とっておきPUSH演出Dでは、当該変動においてノーマルリーチというリーチ演出が開始されるまえのリーチ非演出中に実行されるものであり、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で停止する演出区間)において、演出ボタン63が押圧操作されると、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で停止する演出区間)と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるものである。
【0328】
ここでは、非時短状態であり(つまり、左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射して左打ちによる遊技を行う状態であり)、左演出図柄8Lが明るい緑色を有する数字「9」で停止表示され、中演出図柄8Cが明るい赤色を有する数字「7」で停止表示され、右演出図柄8Rが明るい緑色を有する数字「5」で停止表示され、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、ハズレが確定した画面となって待機している状態から遊技が開始されることを前提とする。この待機した状態では、すでに、遊技が行われず客待ち状態となって客待ち用のデモ演出(客待ち演出)を少なくとも5回以上実行したあととなっているため、権利持ち越しカウンタKCの値がリセットされて値0(ゼロ)となっている。
【0329】
遊技者は、遊技機1の前面に着座し、ハンドル60を操作して左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射して左打ちによる遊技を開始する。遊技者が左打ちによる遊技を行うものの、ハズレが続いている。遊技者が遊技を開始してから演出図柄の変動演出(変動表示)によりハズレが確定表示された回数(遊技者が遊技を開始してからのゲーム数)は、ここでは、100回にまで達している。この100回のうち、変動パターン11,P12のリーチ無しハズレ、変動パターンP4,P7のノーマルリーチ、変動パターンP5のスーパーリーチ演出であるSP1を遊技者が体験している。その後、遊技球が第1始動口20へ2球続け入球すると、先読みにより白色の第1保留アイコン9A、白色の第2保留アイコン9Aが表示される。遊技者が遊技を続けたことにより、権利持ち越しカウンタKCの値が加算され続け、ここでは値29となっている。つまり、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し続けている。
【0330】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなり、
図33(A)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、ここでは上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値29(=値29+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値0(ゼロ)であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達していないため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットされず、つまりOFFのままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が非許可(禁止)される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値29)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。
【0331】
なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、これに伴い白色の第2保留アイコン9Aが白色の第1保留アイコン9Aとして移動する。これにより、白色の保留アイコン9Aが1つだけストックされている状態となっている。遊技者は、ハンドル60の操作を継続している。
【0332】
その後、遊技球が第1始動口20へ入球し、白色の第2保留アイコン9Aが表示され、保留アイコン9Aが2つストックされている状態となる。このとき、白色の第1保留アイコン9Aが保留変化して緑色の第1保留アイコン9Aへ変化する。これにより、遊技者は、緑色の第1保留アイコン9Aが変動アイコンとなったときの演出の展開に集中するため、ハンドル60の操作を停止している。
【0333】
その後、まず左演出図柄8Lが明るい緑色を有する数字「1」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい緑色を有する数字「3」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、その後、
図33(B)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値29)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。
【0334】
緑色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して緑色の変動アイコン9Cとなると、
図33(C)に示すように、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP4(基幹演出パターン:ノーマルリーチ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値1)を得て、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値1)を加算して値30(=値29+値1)となる。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達しているため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットし、「とっておきPUSH演出」の実行が許可される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0335】
なお、緑色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して緑色の変動アイコン9Cとなると、これに伴い白色の第2保留アイコン9Aが白色の第1保留アイコン9Aとして移動する。これにより、保留アイコン9Aが1つだけストックされている状態となっている。
【0336】
その後、
図33(D)に示すように、まず左演出図柄8Lが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい青色を有する数字「6」で仮停止表示され、最後に中演出図柄8Cが明るい青色を有する数字「4」で仮停止表示され、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同色図柄(ここでは、明るい青色を有する図柄)で仮停止されるという、チャンス目で仮停止する演出が実行される。このチャンス目で仮停止する演出では、同色図柄で仮停止して、味方キャラクタCRAが表示画面7aの中央に大きく表示されて登場し、再変動するときに味方キャラクタCRAが非表示される(表示画面7aから消える)演出である。チャンス目で仮停止する演出で登場する味方キャラクタCRAは、チャンス目で仮停止する演出が実行されるときに表示される画像である(以下、「チャンス目時登場通常の味方キャラクタCRA」と記載する場合がある)。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0337】
ここでは、持ち越し権利解放演出実行フラグがONにセットされ、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であるため、「とっておきPUSH演出」が実行されている旨を遊技者に示唆するとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示され、また、演出ボタン63の操作を促すための演出ボタン63を模した演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示されている。とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BGは、他の各種画像と比べて、いずれも最も手前側に配置されている。このため、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、通常のカットイン画像CZGは、いずれも、演出図柄の手前側に配置されているため、演出図柄により視認性が阻害されないようになっている。これに対して、チャンス目時登場通常の味方キャラクタCRAは、演出図柄、保留アイコン9A、変動アイコン9C、変動表示位置の後方に配置されている。なお、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で仮停止する演出区間)において、「とっておきPUSH演出」の実行が許可されている状態であり、表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値と加算値KVとが表示されるため、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0338】
とっておきPUSH演出画像TGは、円形状を有しており、演出ボタン画像BGと同一または類似するとっておきPUSH演出用演出ボタン画像が円形状内の下側に配置されるとともに、「とっておきPUSH」というメッセージ画像が円形状内であってとっておきPUSH演出用演出ボタン画像の上方に配置されて構成されている。とっておきPUSH演出画像TGは、とっておきPUSH演出画像TGが表示されているときに、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、遊技者に特典演出を解放することができる持ち越し権利解放演出の実行を示唆するものである。
【0339】
つまり、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し、この権利の持ち越しを示唆する演出として、とっておきPUSH演出画像TGが表示されている。
【0340】
その後、
図33(E)に示すように、チャンス目時登場通常の味方キャラクタCRAが非表示され(表示画面7aから消えて)、演出図柄の再変動が開始される。このとき、とっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示された状態が維持されているとともに、演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示された状態が維持されている。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。なお、ここでも、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0341】
その後、
図33(F)に示すように、まず左演出図柄8Lが明るい緑色を有する数字「1」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい緑色を有する数字「5」で仮停止表示され、最後に中演出図柄8Cが明るい緑色を有する数字「3」で仮停止表示され、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同色図柄(ここでは、明るい緑色を有する図柄)で仮停止されるという、チャンス目で仮停止する演出が実行され、チャンス目時登場通常の味方キャラクタCRAが表示画面7aの中央に大きく表示されて再び登場する。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。なお、ここでも、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0342】
その後、
図33(G)に示すように、チャンス目時登場通常の味方キャラクタCRAが再び非表示され(表示画面7aから消えて)、演出図柄の再変動が開始される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。なお、ここでも、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示画面7a(演出ボタン画像GBの下方)に表示されている状態となっている。このとき、示唆画像SGの内容を音声でスピーカ67から流れるようにしてもよい。
【0343】
チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で停止する演出区間)において、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、
図33(H)に示すように、まず左演出図柄8Lが明るい青色を有する数字「4」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい青色を有する数字「8」で仮停止表示され、最後に中演出図柄8Cが明るい青色を有する数字「6」で仮停止表示され、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同色図柄(ここでは、明るい青色を有する図柄)で仮停止され、さらに、遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行される。ここでは、演出発動内容として、チャンス目で通常登場するキャラクタに代えてプレミアのキャラクタが登場する。ここでは、チャンス目時登場通常の味方キャラクタCRAとは異なるプレミアのキャラクタである黄金色に輝く翼を有する味方キャラクタCRA(以下、「プレミア味方キャラクタCRA」と記載する場合がある。)が表示画面7aに大きく表示されて登場する。プレミア味方キャラクタCRAは、演出図柄、保留アイコン9A、変動アイコン9C、変動表示位置の後方に配置されている。持ち越し権利解放演出が実行されたことにより、権利持ち越しカウンタKCが初期値である値0(ゼロ)にセットされる。持ち越し権利解放演出実行フラグがOFFにセットされる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0344】
その後、
図33(I)に示すように、プレミア味方キャラクタCRAが非表示され(表示画面7aから消えて)、演出図柄の再変動が開始される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。その後、チャンス目で仮停止する演出が終了すると、
図33(J)に示すように、まず左演出図柄8Lが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、右演出図柄8Rが明るい青色を有する数字「2」で仮停止表示され、中演出図柄8Cが変動演出(変動表示)中となり、リーチが形成される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。ここでは、ノーマルリーチであるため、スーパーリーチ演出等へ発展することなく、その後、中演出図柄8Cが明るい緑色を有する数字「1」で仮停止表示され、その後、
図33(K)に示すように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、緑色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0345】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、すでに権利持ち越しカウンタKCの値が初期化されて値0(ゼロ)がセットされているため、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値0(=値0(ゼロ)+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値0(ゼロ)であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達していないため、持ち越し権利解放演出実行フラグをONにセットされず、つまりOFFのままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が非許可(禁止)される。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値0(ゼロ))と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、保留アイコン9Aが全くストックされていない状態となっている。遊技者は、ハンドル60を操作し、左打ちによる遊技を再び開始する。
【0346】
その後、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、仮停止表示され、その後、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが非表示される(表示画面7aから消える)。
【0347】
なお、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で停止する演出区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)しなかった場合には、とっておきPUSH演出画像TG、演出ボタン画像BG、示唆画像SGが表示画面7aに非表示され(表示画面7aから消え)、持ち越し権利解放演出が実行されないことにより、権利持ち越しカウンタKCが初期化されず、値30が維持されることとなる。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。その後、
図33(K)に示したように、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、停止表示され、ハズレが確定する。これに伴い、緑色の変動アイコン9Cが表示画面7aから消える。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値1)と、が表示されている。
【0348】
白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、演出図柄の変動演出(変動表示)が開始される。演出図柄の変動演出(変動表示)が開始されることにより、上述の変動演出開始処理において、変動パターンP11(基幹演出パターン:リーチ無しハズレ)であるとして、上述の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しポイントの加算値KV(値0(ゼロ))を得て、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で停止する演出区間)内に、演出ボタン63が押圧操作(操作)されていなかったため権利持ち越しカウンタKCの値が値30であり、権利持ち越しカウンタKCに加算値KV(値0(ゼロ))を加算して値30(=値30+値0(ゼロ))となる。つまり、加算値KVが値30であるため、権利持ち越しカウンタKCの値が増えない。この演算結果では、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)に到達しているため、さらに、持ち越し権利解放演出が持ち越され、持ち越し権利解放演出実行フラグがONにセットされたままであり、「とっておきPUSH演出」の実行が許可された状態となっている。表示画面7aの左下側には、現在の権利持ち越しカウンタKCの値(ここでは、演算結果の値30)と、加算値KV(ここでは、値0(ゼロ))と、が表示されている。なお、白色の第1保留アイコン9Aが変動表示位置へ移動して白色の変動アイコン9Cとなると、保留アイコン9Aが全くストックされていない状態となっている。遊技者は、ハンドル60を操作し、左打ちによる遊技を再び開始する。
【0349】
もちろん、「とっておきPUSH演出」の実行が許可された状態となっているため、
図31(D)に示した予告演出が実行される場合、
図32(D)に示したチャンスアップ演出が実行される場合、
図33(D)に示した後チャンス目で仮停止する演出が実行される場合がある。
【0350】
その後、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rが同一の図柄に揃わず、仮停止表示され、その後、ハズレが確定する。これに伴い、白色の変動アイコン9Cが非表示される(表示画面7aから消える)。遊技者は、ハンドル60を操作し、左打ちによる遊技を再び開始する。
【0351】
このように、とっておきPUSH演出Dでは、遊技者が遊技を継続したことによる特典として、演出ボタン63が押圧操作されると、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で停止する演出区間)と対応する特典演出である持ち越し権利解放演出が実行されるようになっている。言い換えると、とっておきPUSH演出Dでは、非時短状態を長く遊技を行った遊技者だけがとっておきPUSH演出Dを体験することができるというプレミアム感を遊技者に付与することでき、プレミアム感の増加に寄与することがえきる。
【0352】
また、とっておきPUSH演出Dは、当該変動においてノーマルリーチというリーチ演出が開始されるまえのリーチ非実行中におけるチャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で停止する演出区間)に行われ、とっておきPUSH演出」が実行されている旨を遊技者に示唆するとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aの左上側に表示され、また、演出ボタン63の操作を促すための演出ボタン63を模した演出ボタン画像BGが表示画面7aの中央下側に表示されていた。もちろん、ノーマルリーチというリーチ演出のほかに、リーチ無しハズレにおいても、とっておきPUSH演出Dを行うことができる。
【0353】
本実施形態では、
図30のとっておきPUSH演出A、
図31のとっておきPUSH演出B、
図32のとっておきPUSH演出C、
図33のとっておきPUSH演出Dにおいて、遊技者が演出ボタン63(操作手段)を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し、所定の条件が成立したときに、権利の持ち越しを示唆する演出(とっておきPUSH演出Aでは
図30(E)~(G)、とっておきPUSH演出Bでは
図31(D)、とっておきPUSH演出Cでは
図32(D)~(E)、とっておきPUSH演出Dでは
図33(D)~(G))を実行することができるようになっている。これにより、演出ボタン63(操作手段)が押圧操作(操作)可能となる演出パターンが選択されると、当該変動内において演出ボタン63(操作手段)の押圧操作が可能な演出と区間とが限定されるという従来とは異なり、遊技者が演出ボタン63(操作手段)を押圧操作(操作)する権利を、複数の変動を跨いだ状態で保持し、所定の条件が成立したときに、権利の持ち越しを示唆する演出を実行することができるようになっているため、演出ボタン63(操作手段)を用いた従来にない演出を遊技者に提供することができる。
【0354】
11.本実施形態の効果例、変形例、態様例
[効果例]
以下に、とっておきPUSH演出の効果例を示す。
[効果1]
上記実施形態の遊技機1では、遊技者が演出ボタン63(操作手段)と、複数種類の演出を実行可能な演出制御用マイコン91(演出実行手段)と、を備え、演出制御用マイコン91(演出実行手段)は、
図30のとっておきPUSH演出A、
図31のとっておきPUSH演出B、
図32のとっておきPUSH演出C、
図33のとっておきPUSH演出Dにおいて、変動演出中に権利持ち越しカウンタKCに加算される加算値KV(ポイント)が付与される第1の演出(とっておきPUSH演出Aでは
図30(A),(C)、とっておきPUSH演出Bでは
図31(A),(C)、とっておきPUSH演出Cでは
図32(A),(C)、とっておきPUSH演出Dでは
図33(A),(C))と、第1の演出の後、変動演出中に演出ボタン63(操作手段)が操作されると、権利持ち越しカウンタKCの値(それまでに付与されたポイントの合計値)に応じた演出が実行される第2の演出(とっておきPUSH演出Aでは
図30(E1),(F1),(J)、とっておきPUSH演出Bでは
図31(D1)、とっておきPUSH演出Cでは
図32(F)、とっておきPUSH演出Dでは
図33(H))と、を実行することができるようになっている。この構成によれば、変動演出中にポイントが付与される第1の演出の後、変動演出中に演出ボタン63(操作手段)が操作されると、それまでに付与されたポイントの合計値に応じた演出が実行される第2の演出が実行されるようになっているため、演出ボタン63(操作手段)を用いた従来にない演出を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の興趣を向上させることができる。
【0355】
[効果2]
上記実施形態の遊技機1における、
図30のとっておきPUSH演出A、
図31のとっておきPUSH演出B、
図32のとっておきPUSH演出C、
図33のとっておきPUSH演出Dにおいて、演出制御用マイコン91(演出実行手段)は、変動演出中に権利持ち越しカウンタKCに加算される加算値KV(ポイント)が付与される第1の演出の後、特定の区間において、権利持ち越しカウンタKCの値(それまでに付与されたポイントの合計値)に応じた演出が実行されることを示唆する第3の演出(とっておきPUSH演出Aでは
図30(E),(F),(G)、とっておきPUSH演出Bでは
図31(D)、とっておきPUSH演出Cでは
図32(D),(E)、とっておきPUSH演出Dでは
図33(D)~(H))を実行することができるようになっている。具体的には、特定の区間として、とっておきPUSH演出Aでは、
図30(E)のバトル演出前期(リーチ初期区間)、
図30(F)のバトル演出中期(リーチ中期区間)、
図30(F)のバトル演出後期(リーチ後期区間)、とっておきPUSH演出Bでは、
図31(D)の予告演出実行中(予告区間)、とっておきPUSH演出Cでは、
図32(D),(E)のチャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)、とっておきPUSH演出Dでは、
図33(D)~(H)のチャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で仮停止する演出区間)であり、「今、演出ボタンの操作を行えば、ポイントの合計値に応じた演出が行われるよ」という示唆画像SGが表示されるようになっている。この構成によれば、それまでに付与されたポイントの合計値に応じた演出が実行される第2の演出が開始されるタイミングを示唆画像SGにより示唆することができる。
【0356】
[効果3]
上記実施形態の遊技機1における
図30のとっておきPUSH演出Aにおいて、演出制御用マイコン91(演出実行手段)は、第3の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中の特定の区間において実行し、第2の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中の特定の区間に演出ボタン63(操作手段)の操作があった場合に実行し、第2の演出では、権利持ち越しカウンタKCの値(ポイントの合計値)に応じてリーチ演出の内容を変化させることができるようになっている。具体的には、
図30(E)のバトル演出前期(リーチ初期区間)において、演出ボタン63(操作手段)が操作されると、
図30(E1)の超バトル演出へ移行するという演出体系、
図30(F)のバトル演出中期(リーチ中期区間)において、演出ボタン63(操作手段)が操作されると、
図30(F1)のバトル演出における敵キャラクタ変更となる演出体系となる。この構成によれば、リーチ演出が実行される変動演出中の特定の区間に演出ボタン63(操作手段)の操作があった場合に、さまざまな演出体系を発動することができる。また、演出ボタン63(操作手段)の押圧操作(操作)に対して、新鮮味が失われ難くすることに寄与することができる。
【0357】
[効果4]
上記実施形態の遊技機1における
図30のとっておきPUSH演出Aにおいて、演出制御用マイコン91(演出実行手段)は、第3の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中の特定の区間において実行し、第2の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中の特定の区間に演出ボタン63(操作手段)の操作があった場合に実行し、第2の演出では、権利持ち越しカウンタKCの値(ポイントの合計値)に応じて大当たり遊技状態における特別ラウンド(当たり後に特別なラウンド演出)を実行することができるようになっている。具体的には、
図30(G)のバトル演出後期(リーチ後期区間)において、演出ボタン63(操作手段)が操作されると、
図30(J)の大当たり遊技状態において特別ラウンドを実行する演出体系となる。この構成によれば、リーチ演出が実行される変動演出中の特定の区間に演出ボタン63(操作手段)の操作があった場合に、大当たり遊技状態における特別ラウンド(当たり後に特別なラウンド演出)を実行するという従来にない演出体系を発動することができる。また、演出ボタン63(操作手段)の押圧操作(操作)に対して、新鮮味が失われ難くすることに寄与することができる。
【0358】
[効果5]
上記実施形態の遊技機1における
図31のとっておきPUSH演出Bにおいて、演出制御用マイコン91(演出実行手段)は、第3の演出を、変動演出中における特定の区間において実行し、第2の演出を、変動演出中における特定の区間に演出ボタン63(操作手段)の操作があった場合に実行し、変動演出中に、Aモード、Bモード、Cモード、Dモードという複数の演出モードのうちの選択された1つの演出モードを実行可能であり、第2の演出では、特別な演出モードを選択することができるようになっている。具体的には、
図31(D)の予告演出実行中(予告区間)において、演出ボタン63(操作手段)が操作されると、
図31(D1)の特別な演出モードであるEモードを選択するという演出体系を発動することができるようになっている。これにより、Aモード、Bモード、Cモード、Dモード、追加されたEモードという複数の演出モードの中から演出モードを選択することができるようになる。この構成によれば、演出ボタン63(操作手段)の操作があった場合に、特別な演出モードを選択することができるようになっているため、特別な演出モードという従来にない演出体系を発動することができる。また、演出ボタン63(操作手段)の押圧操作(操作)に対して、新鮮味が失われ難くすることに寄与することができる。
【0359】
[効果6]
上記実施形態の遊技機1における
図30のとっておきPUSH演出A、
図31のとっておきPUSH演出B、
図32のとっておきPUSH演出C、
図33のとっておきPUSH演出Dにおいて、演出制御用マイコン91(演出実行手段)は、遊技が行われず客待ち状態となって客待ち用のデモ演出(客待ち演出)を5回(所定回数)だけ実行すると、権利持ち越しカウンタKCの値(付与されていたポイント数)をリセットすることができるようになっている。この構成によれば、仮に、遊技者が遊技機1の遊技を終了して離席し、他の遊技機へ移動した場合でも、権利持ち越しカウンタKCの値がそのままサブRAMのカウンタセット領域94cに保持されたままとなるものの、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)が5回(所定回数)だけ実行されると、権利持ち越しカウンタKCの値がリセットされるようになっている。これにより、新たな遊技者が遊技機1の前面に着席して遊技を開始しても、権利持ち越しカウンタKCがそのまま利用されることがなく、離席した遊技者が加算してきた権利持ち越しカウンタKCを、新たな遊技者がそのまま引き継ぐことができないようにすることができ、離席した遊技者にとって不利益とならないようにすることができる。
【0360】
[変形例]
以下に、とっておきPUSH演出の変形例を示す。
[変形例1]
上記実施形態の遊技機1における
図30のとっておきPUSH演出A、
図31のとっておきPUSH演出B、
図32のとっておきPUSH演出C、
図33のとっておきPUSH演出Dにおいて、演出制御用マイコン91(演出実行手段)は、
図26の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して、権利持ち越しカウンタKCに加算される加算値KVを得ていた。サブ制御基板90にリアルタイムクロック(いわゆるRTC)を実装し、リアルタイムクロックから日時情報を得て、権利持ち越しカウンタKCに加算される加算値KVを、2倍にしたり、3倍にしたり、4倍にしたり、5倍にしたりしてもよい。つまり、リアルタイムクロックから日時情報に基づく時間管理により、
図26の権利持ち越しポイント加算テーブルを参照して得た権利持ち越しカウンタKCに加算される加算値KVを可変させるようにしてよい。こうすれば、同一の演出パターンであっても、リアルタイムクロックから日時情報に基づく時間管理により、権利持ち越しカウンタKCに加算される加算値KVを可変することができ、遊技趣向の柔軟性を増すことができる。また、権利の持ち越しを示唆する演出(とっておきPUSH演出Aでは
図30(E)~(G)、とっておきPUSH演出Bでは
図31(D)、とっておきPUSH演出Cでは
図32(D)~(E)、とっておきPUSH演出Dでは
図33(D)~(G))への到達時間を可変することができる。
【0361】
[変形例2]
上記実施形態の遊技機1における
図30のとっておきPUSH演出A、
図31のとっておきPUSH演出B、
図32のとっておきPUSH演出C、
図33のとっておきPUSH演出Dでは、持ち越し権利解放演出(特定演出の所定区間と対応する特典演出)を実行することができるようになっていた。この持ち越し権利解放演出(特定演出の所定区間と対応する特典演出)では、遊技者が遊技を継続したことによる特典として実行されるものである。このため、持ち越し権利解放演出(特定演出の所定区間と対応する特典演出)として、遊技を長く継続した遊技者のみ出会えるキャラクタが登場する演出としてもよいし、遊技を長く継続した遊技者のみが味わうことができる、いわゆるセクシーモードの演出としてもよい。
【0362】
[変形例3]
上記実施形態の遊技機1における
図30のとっておきPUSH演出A、
図31のとっておきPUSH演出B、
図32のとっておきPUSH演出C、
図33のとっておきPUSH演出Dでは、持ち越し権利解放演出(特定演出の所定区間と対応する特典演出)を実行することができるようになっていた。この持ち越し権利解放演出(特定演出の所定区間と対応する特典演出)では、遊技者が遊技を継続したことによる特典として実行されるものである。この特典演出として、特別な楽曲とするようにしてもよい。つまり、演出制御用マイコン91(演出実行手段)は、上述の第1の演出(とっておきPUSH演出Aでは
図30(A),(C)、とっておきPUSH演出Bでは
図31(A),(C)、とっておきPUSH演出Cでは
図32(A),(C)、とっておきPUSH演出Dでは
図33(A),(C))の後、変動演出中に演出ボタン63(操作手段)が操作されると、権利持ち越しカウンタKCの値(それまでに付与されたポイントの合計値)に応じた演出が実行される第2の演出では、特別な楽曲を出力するようにしてもよい。こうすれば、演出ボタン63(操作手段)の操作があった場合に、特別な楽曲を出力することができるようになっているため、特別な楽曲の出力という従来にない演出体系を発動することができる。また、演出ボタン63(操作手段)の押圧操作(操作)に対して、新鮮味が失われ難くすることに寄与することができる。
【0363】
[変形例4]
上記実施形態の遊技機1における
図30のとっておきPUSH演出Aでは、リーチ後期区間(第3リーチ区間)内に、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)すると、当該変動のあとに実行される大当たり遊技状態において、遊技者に特典演出が解放されて持ち越し権利解放演出が実行されていた。ここでは、演出発動内容として、大当たり遊技状態において特別ラウンド演出が実行されていた。しかし、大当たり遊技状態において、権利持ち越しカウンタKCが権利解放値に到達している場合には、特定のラウンド(例えば、第2ラウンドや第3ラウンド)において、「とっておきPUSH演出」が実行されている旨を遊技者に示唆するとっておきPUSH演出画像TGが表示画面7aに表示され、また、演出ボタン63の操作を促すための演出ボタン63を模した演出ボタン画像BGが表示画面7aに表示されるようにし、この特定のラウンドにおいて、遊技者が演出ボタン63を押圧操作(操作)したときには、スペシャル楽曲が一曲追加され公開可能とするようにしてもよい。この追加されたスペシャル楽曲は、大当たり遊技状態においてセレクトボタン78の押圧操作(操作)により選択されて聴くことできるようようしてもよいし、大当たり遊技状態が終了したあとの変動においてセレクトボタン78の押圧操作(操作)により選択されて聴くことできるようようしてもよい。
【0364】
[変形例5]
上記実施形態の遊技機1において、権利持ち越しカウンタKCが権利解放値(本実施形態では値30に設定されている。)に到達している場合には、演出ボタン63が操作されたタイミングにより、
図29(A)の持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)における第1リーチ区間、第2リーチ区間、第3リーチ区間と、
図29(B)の持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)における予告区間、チャンスアップ区間、同省図柄仮停止する演出区間と、による特定演出の所定区間において、権利の持ち越しを示唆する演出(とっておきPUSH演出Aでは
図30(E)~(G)、とっておきPUSH演出Bでは
図31(D)、とっておきPUSH演出Cでは
図32(D)~(E)、とっておきPUSH演出Dでは
図33(D)~(G))を実行していた。しかし、権利持ち越しカウンタKC値と、演出ボタン63が操作されたタイミングと、により、権利の持ち越しを示唆する演出を実行するようにしてもよい。
図34は、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)の変形例の説明図(A)であり、持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)の変形例の説明図(B)である。
【0365】
持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ演出中に実行される内容)(変形例)は、
図34(A)に示すように、リーチ演出において演出ボタン63が操作(押圧操作)されたタイミングと、権利持ち越しカウンタKC値と、解放演出パターンと、から構成されている。リーチ演出において演出ボタン63が操作(押圧操作)されたタイミングとしては、リーチ初期区間(第1リーチ区間)、リーチ中期区間(第2リーチ区間)、リーチ後期区間(リーチ最終煽り区間、第3リーチ区間)の3つの区間があり、それぞれの区間に、権利持ち越しカウンタKC値の範囲と解放演出パターンKA01,KA02,KA03とが対応付けられている。
【0366】
リーチ初期区間(第1リーチ区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)され、かつ、権利持ち越しカウンタKC値が値50以上、値59以下の範囲内であるときには、解放演出パターンKA01に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、現状のリーチ演出より当たりの期待度が高い上位のリーチ演出へ移行するものとなっている。
【0367】
リーチ中期区間(第2リーチ区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)され、かつ、権利持ち越しカウンタKC値が値60以上、値75以下の範囲内であるときには、解放演出パターンKA02に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、リーチ演出に登場するキャラクタが変わるものとなっている。
【0368】
リーチ後期区間(リーチ最終煽り区間、第3リーチ区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)され、かつ、権利持ち越しカウンタKC値が値76以上の範囲内であるときには、解放演出パターンKA03に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、大当たり遊技状態において特別ラウンド演出が実行されるものとなっている。リーチ後期区間では、その最終に煽り演出をおこなう場合がある。
【0369】
なお、リーチ全区間は、リーチ初期区間→リーチ中期区間→リーチ後期区間となっており、それぞれリーチ全区間の約3分の1の時間が割り振られている。
【0370】
持ち越し権利解放演出決定テーブル(リーチ非演出中に実行される内容)(変形例)は、
図34(B)に示すように、リーチ演出がまだ実行されていない演出において演出ボタン63が操作(押圧操作)されたタイミングと、権利持ち越しカウンタKC値と、解放演出パターンと、から構成されている。リーチ演出において演出ボタン63が操作(押圧操作)されたタイミングとしては、予告演出実行中(予告区間)、チャンスアップ演出実行中(チャンスアップ区間)、チャンス目で仮停止する演出実行中(同色図柄で仮停止する演出区間)の3つの区間があり、それぞれの区間に、権利持ち越しカウンタKC値の範囲と、解放演出パターンKB01,KB02,KB03が対応付けられている。
【0371】
予告演出実行中(予告区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)され、かつ、権利持ち越しカウンタKC値が値30以上、値36以下の範囲内であるときには、解放演出パターンKB01に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、選択可能な演出モードがされに1つ追加され公開可能となる。遊技機1に電源投入され、遊技が開始される初期の状態では、Aモード、Bモード、Cモード、Dモードという4つのそれぞれ異なる演出モードが遊技者により選択することができるようになっている。追加される演出モードは、Eモード、Fモード、Gモードがあり、まずEモードが追加されて公開可能となり、Aモード~Eモードのうちいずれかの演出モードを選択することができる。その後、再び、予告演出実行中(予告区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKB01に決定され、Fモードが追加されて公開可能となり、Aモード~Fモードのうちいずれかの演出モードを選択することができる。その後、再び、予告演出実行中(予告区間)において、演出ボタン63が操作(押圧操作)されると、解放演出パターンKB01に決定され、Gモードが追加されて公開可能となり、Aモード~Gモードのうちいずれかの演出モードを選択することができる。もちろん、Aモード~Gモードはそれぞれ異なる演出モードとなっている。なお、遊技者が遊技機1の遊技を終了して離席してから待機画面(客待ち用のデモ画面)が連続して正確に5回だけおこなわれると、初期の状態へ戻り、Aモード、Bモード、Cモード、Dモードという4つのそれぞれ異なる演出モードだけが公開されることとなる。
【0372】
チャンスアップ演出中において、演出ボタン63が操作(押圧操作)され、かつ、権利持ち越しカウンタKC値が値37以上、値43以下の範囲内であるときには、解放演出パターンKB02に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、通常カットインされないキャラクタが特別にカットインされて登場するものとなっている。チャンスアップ演出は、変動演出に重畳させる付加的な演出である。
【0373】
チャンス目で仮停止中において、演出ボタン63が操作(押圧操作)され、かつ、権利持ち越しカウンタKC値が値44以上、値49以下の範囲内であるときには、解放演出パターンKB03に決定され、持ち越し権利解放演出が実行されることで発動される内容(演出発動内容)としては、チャンス目で通常登場するキャラクタに代えてプレミアのキャラクタが登場するものとなっている。チャンス目とは、同色図柄で仮停止して、その後、再変動する。
【0374】
[変形例6]
上記実施形態の遊技機1において、
図8の変動パターン判定テーブル(非時短状態)において、基幹演出パターンがノーマルリーチとなる演出パターンには、12秒、15秒だけなく、20秒、30秒、40秒、45秒とするものとしてもよいし、また
図8の変動パターン判定テーブル(非時短状態)において、基幹演出パターンがリーチ無しハズレとなる演出パターンには、5秒、10秒だけなく、20秒、30秒、40秒、45秒とするものとしてもよい。
【0375】
[変形例7]
上記実施形態の遊技機1において、
図30のとっておきPUSH演出A、
図31のとっておきPUSH演出B、
図32のとっておきPUSH演出C、
図33のとっておきPUSH演出Dでは、現在の権利持ち越しカウンタKCの値と、加算された加算値KV(ポイント)と、を表示画面7aに表示していた。しかし、現在の権利持ち越しカウンタKCの値の表示に代えて、アイコンであってもよい。権利持ち越しカウンタKCの値が増加するごとに、アイコンの色を、例えば、保留アイコン9A,9Bや変動アイコン9Cが示唆する色と同様に、白色→青色→緑色→赤色→紫色→黄色(ゴールド)という順番で、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)へ近づくに連れて、(権利持ち越しカウンタKCの値が値0~値3まで白色のアイコン、値4~値7まで青色のアイコン、値8~値11まで緑色のアイコン、値12~値15まで赤色のアイコン、値16~値19まで紫色のアイコン、値20以上が黄色(ゴールド)のアイコンとなるようしてもよい。アイコンの形状としては、遊技盤2の世界観を表すアイテムやロゴであってもよいし、丸、三角、四角などの記号であってもよい。また、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)へ近づくに連れて、アイコンの形状を変化させるようにしてもよい。また、アイコンの数が増えることで、権利持ち越しカウンタKCの値が権利解放値(本実施形態では値30)への接近を示唆するようにしてもよい。
【0376】
[変形例7]
上記実施形態の遊技機1において、
図30のとっておきPUSH演出A、
図31のとっておきPUSH演出B、
図32のとっておきPUSH演出C、
図33のとっておきPUSH演出Dでは、変動演出中に演出ボタン63(操作手段)が操作されると、それまでに付与されたポイントの合計値に応じた演出が実行されるようになっていた。しかし、操作手段として、演出ボタン63に代えて、前枠(前枠部)53の右前面部に剣部材を備える場合には、剣部材の剣ボタンが操作されると、それまでに付与されたポイントの合計値に応じた演出が実行されるようにしてもよい。また、遊技盤2に遊技者の動作を検知する検知装置が設けられる場合には、遊技者の動作(例えば、遊技者の手がガラスユニットの前方ガラスの表面に触れたこと)を検知して、それまでに付与されたポイントの合計値に応じた演出が実行されるようにしてもよい。
【0377】
[態様例]
本実施形態の遊技機では、以下の態様を実現可能である。
◇[態様1]
遊技者が操作可能な操作手段と、
複数種類の演出を実行可能な演出実行手段と、を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
変動演出中にポイントが付与される第1の演出と、
前記第1の演出の後、変動演出中に前記操作手段が操作されると、それまでに付与された前記ポイントの合計値に応じた演出が実行される第2の演出と、を実行可能な、
ことを特徴とする遊技機。
【0378】
◇[態様2]
態様1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1の演出の後、特定の区間において、それまでに付与された前記ポイントの合計値に応じた演出が開始されることを示唆する第3の演出を実行可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【0379】
◇[態様3]
態様2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第3の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中における特定の区間において実行し、
前記第2の演出を、前記特定の区間に前記操作手段の操作があった場合に実行し、
前記第2の演出では、前記ポイントの合計値に応じてリーチ演出の内容を変化させる、
ことを特徴とする遊技機。
【0380】
◇[態様4]
態様2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第3の演出を、リーチ演出が実行される変動演出中における特定の区間において実行し、
前記第2の演出を、前記特定の区間に前記操作手段の操作があった場合に実行し、
前記第2の演出では、前記ポイントの合計値に応じて当たり後に特別なラウンド演出を実行する、
ことを特徴とする遊技機。
【0381】
◇[態様5]
態様2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第3の演出を、変動演出中における特定の区間において実行し、
前記第2の演出を、前記特定の区間に前記操作手段の操作があった場合に実行し、
変動演出中に複数の演出モードのうちの選択された1つの演出モードを実行可能であり、
前記第2の演出では、特別な演出モードを選択可能にする、
ことを特徴とする遊技機。
【0382】
◇[態様6]
態様2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2の演出では、特別な楽曲を出力する、
ことを特徴とする遊技機。
【0383】
◇[態様7]
態様1から態様6までのいずれか一項に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
遊技が行われずに客待ち状態に切り替わった回数が所定回数に達すると、付与されていたポイント数をリセットする、
ことを特徴とする遊技機。
【0384】
[その他の変形例]
上述の種々の表示演出において、その一部の演出を含んでいない構成や、上述した以外の演出が含まれていてもよい。
【0385】
上記実施形態の遊技機1は、パチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ遊技機に代えて、スロットマシン等の回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、または、雀球遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。遊技機1をスロットマシンとする場合には、遊技媒体を遊技球から遊技メダルに変更すればよい。
【0386】
上記実施形態の遊技機1は、玉を払出すための払出装置を搭載した遊技機であったが、これに限られるものではない。例えば、上記遊技機1に代えて、所謂封入式遊技機のように、払い出し装置を搭載しない遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
【0387】
また、上述した複数の演出例および/または変形例のうち、2つ以上の演出例および/または変形例を組み合わせてもよい。さらに、遊技機1は、画像表示装置7の他にサブ表示装置を備えてもよい。この場合、上述した表示演出を当該サブ表示装置で実行するようにしてもよい。
【0388】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0389】
1…遊技機
3…遊技領域
7…画像表示装置
7a…表示画面
20…第1始動口
21…第2始動口
39…V領域
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン