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  • 特開-過熱蒸気発生装置 図1
  • 特開-過熱蒸気発生装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090383
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】過熱蒸気発生装置
(51)【国際特許分類】
   F22D 5/02 20060101AFI20240627BHJP
   F22B 1/28 20060101ALI20240627BHJP
   F22G 3/00 20060101ALI20240627BHJP
   F22D 5/08 20060101ALI20240627BHJP
   F22D 11/00 20060101ALI20240627BHJP
   F22D 1/14 20060101ALI20240627BHJP
   F22B 37/46 20060101ALI20240627BHJP
   F24C 13/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
F22D5/02
F22B1/28 Z
F22G3/00 Z
F22D5/08
F22D11/00 K
F22D1/14
F22B37/46
F24C13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206264
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】507152202
【氏名又は名称】吉村 清己
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】吉村 清己
(72)【発明者】
【氏名】川口 啓太
(57)【要約】
【課題】給水構造がコンパクトで、制御が容易であり、過熱蒸気の発生機構もコンパクトである過熱蒸気発生装置の提供を目的とする。
【解決手段】カートリッジ式給水器と、前記カートリッジ給水器からの水を受水する受水部と、前記受水部との水位差により給水される過熱蒸気発生器とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ式給水器と、前記カートリッジ給水器からの水を受水する受水部と、前記受水部との水位差により給水される過熱蒸気発生器とを備えたことを特徴とする過熱蒸気発生装置。
【請求項2】
前記受水部の水位が所定の水位以下に低下すると過熱蒸気発生器が自動停止する水位検知器を有していることを特徴とする請求項1記載の過熱蒸気発生装置。
【請求項3】
前記過熱蒸気発生器は略長方形状のケース体であり、内部に受水部との水位差により給水される貯水部と、前記貯水部に配置された蒸気発生加熱ヒーターと、前記貯水部の上部側に配置された過熱ヒーターとを有し、
前記蒸気発生加熱ヒーターと過熱ヒーターとは、相互に平行に配置されていることを特徴とする請求項1記載の過熱蒸気発生装置。
【請求項4】
前記過熱蒸気発生器の過熱蒸気供給部側に、水素発生材を有していることを特徴とする請求項3記載の過熱蒸気発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は過熱蒸気発生装置に関し、特に給水から過熱蒸気発生までの装置全体がコンパクトで取り扱いが容易な過熱蒸気発生装置に係る。
【背景技術】
【0002】
過熱蒸気は、水を沸騰させて発生した蒸気(飽和蒸気)をさらに過熱して100℃を超える高温の蒸気したものであり、高温であるとともに乾燥した気体であることから、いろいろな用途に展開されている。
【0003】
例えば特許文献1には、電磁誘導加熱による過熱蒸気発生装置を開示し、特許文献2には、直線部を有する蒸発ヒーターと過熱ヒーターとからなる過熱蒸気発生装置を開示するが、いずれもポンプアップによる給水構造であるために装置全体が複雑で大型化する技術的課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-60161号公報
【特許文献2】特開2020-29991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、給水構造がコンパクトで、制御が容易であり、過熱蒸気の発生機構もコンパクトである過熱蒸気発生装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る過熱蒸気発生装置は、カートリッジ式給水器と、前記カートリッジ給水器からの水を受水する受水部と、前記受水部との水位差により給水される過熱蒸気発生器とを備えたことを特徴とする。
【0007】
ここでカートリッジ式給水器とは、ボトル型の容器本体に螺着式又は嵌着式の蓋体を有し、この蓋体には給水口とこの給水口を塞ぐ給水弁を有する。
給水弁は内側から、給水口を止水する方向に付勢したスプリング等の押圧部材を有している。
受水部側に受水皿と受水皿の内側から上に向けて突出した突出ピンを有し、容器本体を受水皿の上に載置すると、この突出ピンにより給水弁が上方に向けて押されることで給水口が開口し、受水皿の水位が下がると給水口から内部に空気が侵入し、水が給水口から流れ出し、水位が元に戻ると空気の侵入が止まり、止水することになる。
【0008】
本発明は、前記受水部の水位が所定の水位以下に低下すると過熱蒸気発生器が自動停止する水位検知器を有していると、カートリッジ式給水器が空になると受水皿が空になり、それを水位検出器にて検出され、過熱蒸気発生器側の電源が停止することで安全である。
【0009】
また、本発明において、前記過熱蒸気発生器は略長方形状のケース体であり、内部に受水器との水位差により給水される貯水部と、前記貯水部に配置された蒸気発生加熱ヒーターと、前記貯水部の上部側に配置された過熱ヒーターとを有し、前記蒸気発生加熱ヒーターと過熱ヒーターとは、相互に平行に配置されていると、過熱蒸気発生器がコンパクトになる。
さらに、前記過熱蒸気発生器の過熱蒸気供給部側に、水素発生材を有していると、水素の還元作用によりさらに抗酸化作用が向上する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る過熱蒸気発生装置は、カートリッジ式給水器を用いてその水位差にて過熱蒸気発生器に水が供給されるので、従来の給水ポンプを用いるよりも構造や制御がコンパクトで簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る過熱蒸気発生装置の構成例を示す。
図2】過熱蒸気発生器の構造例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る過熱蒸気発生装置の構成例を以下、図に基づいて説明する。
図1に全体の構成例を示し、図2に過熱蒸気発生器の内部構造例を示す。
【0013】
過熱蒸気発生器40と、この過熱蒸気発生器40に水を供給するカートリッジ式給水器10を有し、カートリッジ式給水器10が空になると、それを検知する水位検知器30を配管途中に接続してある。
これらは、図1に点線100で示したように1つの筐体に組み込み、カートリッジ給水器10を装着式にすることができる。
【0014】
カートリッジ式給水器10は、ボトル型の本体部11と取り外し可能な蓋体12を有する。
本実施例では、蓋体12が本体部11のおねじ部からなる開口部に、ねじ止めする例になっている。
蓋体12は、給水口13と内側から給水口を塞ぐ給水弁13aを有し、内側からスプリング等の押圧部材13bにて付勢されている。
【0015】
受水部20は、受水槽となる受水皿21と、この受水皿21の内側から上方に向けて立設した突出ビン22を有し、この突出ビン22に給水弁13aが位置するように本体部11を逆さにして受水皿の開口部の上縁部に載置すると、給水弁13aが上方に向けて押されることで給水口13が開口した状態になり、水位が下がり給水口13と給水弁13aとの間の開口部からエアーが入り込み、水位が高くなるとエアーが侵入できなくなり、給水が止まる。
【0016】
受水皿21はその底部側にて接続管23を介して水位検知器30と配管接続されている。
水位検知器30は筒状の本体部31の内側に上下方向のシャフト33に沿って、上下移動するフロート32が取り付けられている。
カートリッジ式給水器10の水位Waの水位が下がり、受水皿21の水位も下がると、フロート32が低下し、このフロート32がセンサー34に接触するとB接点回路になっていて、後述する過熱蒸気発生器40のヒーター類への電気供給が遮断される。
水位検知器30は、接続管35により過熱蒸気発生器40と配管接続されている。
【0017】
過熱蒸気発生器40は、図2に示すように略長方形のケース体41になっていて、底部側に貯水部41aを有し、この内部の底部側に沿って概ね水平方向に配設した蒸気発生加熱ヒーター42を有し、この部分が貯水部41aに貯留する水Wの水中に浸漬させる部分となっている。
水位よりも上側には、過熱ヒーター43,44を蒸気加熱発生ヒーター42とほぼ並行に配置されている。
本実施例では、下段側の第1過熱ヒーター43と上段側の第2過熱ヒーター44の2本が平行に配置され、間に過熱蒸気の流れを整流する斜めに傾斜した仕切板45を設けた例になっている。
本実施例では、蒸気発生加熱ヒーター42,過熱ヒーター43,44は外周部に保護部42a,43a,44aを有し、この保護部はヒーター本体部の周側面に巻装したパンチングメタルの例である。
これにより寿命が向上する。
カートリッジ式給水器10に入っている水Wは、受水部20に流れ込み、水位検知器30を介して過熱蒸気発生器40に供給される。
受水皿21の水位Wb、水位検知器30の水位Wb及び貯水部41aの水位Wbとが同じ高さを維持するように、これらの水位差によりカートリッジ式給水器10内の水Wが貯水部41aに自動給水される。
【0018】
過熱蒸気発生器40の上部側の過熱蒸気の流路中に、水素発生材46を設けた例になっていて、過熱蒸気中に水素が混合されることで還元性が向上する。
【0019】
過熱蒸気を各種装置に供給するための配管である過熱蒸気供給部50は、内管51と外管52との二重管になっていて、装置稼働し始める際に周囲が低い温度になっていてもその結露を防止している。
【0020】
本実施例では、食用油2にて揚げ物を料理するフライヤー1の油面に向けて、過熱蒸気を供給する例を示す。
食用油2の酸化を抑え、揚げ物の酸化を抑えられ、良品の保存性も向上する。
【符号の説明】
【0021】
1 フライヤー
10 カートリッジ式給水器
11 本体部
12 蓋体
13 給水口
13a 給水弁
13b 押圧部材
20 受水部
21 受水皿
22 突出ピン
30 水位検知器
31 本体部
32 フロート
33 シャフト
34 センサー
40 過熱蒸気発生器
41 ケース体
41a 貯水部
42 蒸気発生加熱ヒーター
43 過熱ヒーター
44 過熱ヒーター
50 過熱蒸気供給部
図1
図2