(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090384
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】タンク
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
B41J2/175 115
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206265
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】林 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 真也
(72)【発明者】
【氏名】田邉 裕磨
(72)【発明者】
【氏名】大木 聡
(72)【発明者】
【氏名】福田 祐士
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA23
2C056EB55
2C056FA10
2C056HA29
2C056KC02
2C056KC09
2C056KC10
2C056KC13
2C056KC16
2C056KC30
(57)【要約】
【課題】各液室の視認性を確保しつつ、容積が異なる複数の液室を有するタンクの大型化を抑制するタンクを提供する。
【解決手段】インクタンク100は、インク室111Kと、インク室111Yとを有する。前壁101Kと前壁101Yとは左右方向9に隣り合って並んでいる。インク室111Kは、インク室111Y室と左右方向9に並んでいる。インク室111Kは、第1空間121と第2空間122とを有する。第1空間121および第2空間122は、連続した空間である。インク室111Kの後端は、インク室111Yの後端よりも後方に位置する。インク室111Kの容積V1は、インク室111Yの容積V2よりも大きい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体消費部に供給される第1液体および第2液体が少なくとも貯留されるタンクであって、
上記第1液体が貯留される第1液室と、
上記第1液室に貯留された上記第1液体の液面が上記タンクの外部から視認可能な第1前壁と、
上記第1前壁と交差して上記第1前壁より後方へ延びており、上記第1液室に通ずる第1注入口が位置する第1上壁と、
上記第2液体が貯留される第2液室と、
上記第2液室に貯留された上記第2液体の液面が上記タンクの外部から視認可能な第2前壁と、
上記第2前壁と交差して上記第2前壁より後方へ延びており、上記第2液室に通ずる第2注入口が位置する第2上壁と、を備えており、
上記第1液室は、
上記第2液室と左右方向に並んでおり少なくとも上記第1前壁および上記第1上壁により区画される第1空間と、
上記第1空間および上記第2液室の後方に並ぶ第2空間と、を有しており、
上記第1空間および上記第2空間は、連続した空間であり、
上記第1液室の後端は、上記第2液室の後端よりも後方に位置しており、
上記第1液室の第1容積は、上記第2液室の第2容積よりも大きいタンク。
【請求項2】
上記第2空間は、前後方向から視て、上記第2液室の後壁の左右方向の両端に亘って位置する請求項1に記載のタンク。
【請求項3】
上記第1前壁には、上限指示表示が記されており、
上記第2空間は、上記上限指示表示よりも上方の空間を有する請求項1に記載のタンク。
【請求項4】
上記第1前壁には、下限指示表示が記されており、
上記第2空間は、上記下限指示表示よりも下方の空間を有する請求項1に記載のタンク。
【請求項5】
上記第1液室から上記第1液体が流出する第1流出口は、上記第1空間に位置する請求項1に記載のタンク。
【請求項6】
上記第1流出口は、左右方向において上記第1前壁の左右端の間に位置する請求項5に記載のタンク。
【請求項7】
上記第2空間は、上記第2液室の後方に隣り合って並ぶ請求項1から6のいずれかに記載のタンク。
【請求項8】
第3液体が貯留される第3液室と、
上記第3液室に貯留された上記第3液体の液面が上記タンクの外部から視認可能な第3前壁と、
上記第3前壁と交差して上記第3前壁より後方へ延びており、上記第3液室に通ずる第3注入口が位置する第3上壁と、を更に備え、
上記第3液室は、上記第2液室と左右方向に並んでおり、
上記第1液室の後端は、上記第3液室の後端よりも後方に位置しており、
上記第1液室の第1容積は、上記第3液室の第3容積よりも大きい請求項1に記載のタンク。
【請求項9】
上記第2空間は、上記第3液室の後方に並ぶ請求項8に記載のタンク。
【請求項10】
上記第2液室は、左右方向において上記第1空間と上記第3液室との間に位置しており、
上記第2液室から上記第2液体が流出する第2流出口は、上記第2液室において上下方向に延びる管の下端部に位置する請求項8に記載のタンク。
【請求項11】
上記第2空間は、上記第2液室および上記第3液室の後方に隣り合って並ぶ請求項8に記載のタンク。
【請求項12】
上記第1空間は、上記タンクの上記左右方向の端に位置する請求項8から11のいずれかに記載のタンク。
【請求項13】
上記第1前壁と、
上記第2前壁と、
上記第1上壁と、
上記第2上壁と、
上記第1空間と上記第2液室とを区画する第1隔壁と、
上記第2空間と上記第2液室とを区画する第2隔壁と、は、一体に成型された合成樹脂製のものである請求項7に記載のタンク。
【請求項14】
上記第1前壁と、
上記第2前壁と、
上記第3前壁と、
上記第1上壁と、
上記第2上壁と、
上記第3上壁と、
上記第1空間と上記第2液室とを区画する第1隔壁と、
上記第2空間と上記第2液室および上記第3液室とを区画する第2隔壁と、
上記第2液室と上記第3液室とを区画する第3隔壁と、は、一体に成型された合成樹脂製のものである請求項8から11のいずれかに記載のタンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1液室および第2液室を有するタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インク補給口を通じてインクが補給可能な複数のインクタンクが水平方向に並んで配置される構成が開示されている。複数のインクタンクのうち、ブラックインクが貯留されるインクタンクの断面形状が、他のインクタンクの断面形状よりも大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された構成によれば、ブラックインクが貯留されるインクタンクは、複数のインクタンクが並ぶ方向と直交する方向において、他のインクタンクよりも寸法が長い。したがって、複数のインクタンクが収容されるスペースにおいて、インクが貯留されないスペースが生じ得る。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、各液室の視認性を確保しつつ、容積が異なる複数の液室を有するタンクの大型化を抑制するタンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明は、液体消費部に供給される第1液体および第2液体が少なくとも貯留されるタンクに関する。タンクは、上記第1液体が貯留される第1液室と、上記第1液室に貯留された上記第1液体の液面が上記タンクの外部から視認可能な第1前壁と、上記第1前壁と交差して上記第1前壁より後方へ延びており、上記第1液室に通ずる第1注入口が位置する第1上壁と、上記第2液体が貯留される第2液室と、上記第2液室に貯留された上記第2液体の液面が上記タンクの外部から視認可能な第2前壁と、上記第2前壁と交差して上記第2前壁より後方へ延びており、上記第2液室に通ずる第2注入口が位置する第2上壁と、を備える。上記第1液室は、上記第2液室と左右方向に並んでおり少なくとも上記第1前壁および上記第1上壁により区画される第1空間と、上記第1空間および上記第2液室の後方に並ぶ第2空間と、を有する。上記第1空間および上記第2空間は、連続した空間である。上記第1液室の後端は、上記第2液室の後端よりも後方に位置する。上記第1液室の第1容積は、上記第2液室の第2容積よりも大きい。
【0007】
第1液室に貯留されている第1液体の液面と、第2液室に貯留されている第2液体の液面とのいずれもが前方から視認される。第1液室の後端が、第2液室の後端よりも後方に位置しているので、第1液室の左右方向の幅と、第2液室の左右方向の幅が同じであっても、第1容積が第2容積よりも大きくすることが容易である。第1容積が第2容積よりも大きいので、第1液室に第2液室よりも多くの液体が貯留される。第2空間が第1空間および第2液室の後方に並ぶので、タンクの前後方向における小型化が実現される。
【0008】
(2) 上記第2空間は、前後方向から視て、上記第2液室の後壁の左右方向の両端に亘って位置してもよい。
【0009】
タンクに対して第2空間が占める効率がよい。
【0010】
(3) 上記第1前壁には、上限指示表示が記されており、上記第2空間は、上記上限指示表示よりも上方の空間を有してもよい。
【0011】
タンクに対して第2空間が占める効率がよい。
【0012】
(4) 上記第1前壁には、下限指示表示が記されており、上記第2空間は、上記下限指示表示よりも下方の空間を有してもよい。
【0013】
タンクに対して第2空間が占める効率がよい。
【0014】
(5) 上記第1液室から上記第1液体が流出する第1流出口は、上記第1空間に位置してもよい。
【0015】
第1前壁と第1流出口とが比較的近い位置となるので、タンクが水平方向に対して傾斜したとしても、第1前壁において視認される第1液体の液面と第1流出口付近における第1液体の液面との上下方向の位置の差が少ない。
【0016】
(6) 上記第1流出口は、左右方向において上記第1前壁の左右端の間に位置してもよい。
【0017】
(7) 上記第2空間は、上記第2液室の後方に隣り合って並んでもよい。
【0018】
タンクが設置される空間に対して、第1液室および第2液室が占める空間の効率がよい。
【0019】
(8) 上記タンクは、第3液体が貯留される第3液室と、上記第3液室に貯留された上記第3液体の液面が上記タンクの外部から視認可能な第3前壁と、上記第3前壁と交差して上記第3前壁より後方へ延びており、上記第3液室に通ずる第3注入口が位置する第3上壁と、を更に備えてもよい。上記第3液室は、上記第2液室と左右方向に並んでいる。上記第1液室の後端は、上記第3液室の後端よりも後方に位置する。上記第1液室の第1容積は、上記第3液室の第3容積よりも大きい。
【0020】
第1液室に貯留されている第1液体の液面と、第2液室に貯留されている第2液体の液面に加え、第3液室に貯留されている第3液体の液面も、前方から視認できる。第1液室の後端が、第3液室の後端よりも後方に位置しているので、第1液室の左右方向の幅と、第3液室の左右方向の幅が同じであっても、第1容積が第3容積よりも大きくすることが容易である。第1容積が第3容積よりも大きいので、第1液室に第3液室よりも多くの液体が貯留される。
【0021】
(9) 上記第2空間は、上記第3液室の後方に並んでもよい。
【0022】
第2空間が、第3液室の後方にも並ぶので、第1液室の容積を第2液室の容積および第3液室の容積よりも大きくしながらも、タンクの左右方向における大型化を抑制しつつ、前後方向における小型化が実現される。
【0023】
(10) 上記第2液室は、左右方向において上記第1空間と上記第3液室との間に位置しており、上記第2液室から上記第2液体が流出する第2流出口は、上記第2液室において上下方向に延びる管の下端部に位置してもよい。
【0024】
第1液室と第3液室とによって第2前壁以外の側方が囲まれた第2液室から第2液体が管を通じてタンクの外部へ流出される。
【0025】
(11) 上記第2空間は、上記第2液室および上記第3液室の後方に隣り合って並んでもよい。
【0026】
タンクが設置される空間に対して、第1液室、第2液室、および第3液室が占める空間の効率がよい。
【0027】
(12) 上記第1空間は、上記タンクの上記左右方向の端に位置してもよい。
【0028】
(13) 上記第1前壁と、上記第2前壁と、上記第1上壁と、上記第2上壁と、上記第1空間と上記第2液室とを区画する第1隔壁と、上記第2空間と上記第2液室とを区画する第2隔壁と、は、一体に成型された合成樹脂製のものであってもよい。
【0029】
(14) 上記第1前壁と、上記第2前壁と、上記第3前壁と、上記第1上壁と、上記第2上壁と、上記第3上壁と、上記第1空間と上記第2液室とを区画する第1隔壁と、上記第2空間と上記第2液室および上記第3液室とを区画する第2隔壁と、上記第2液室と上記第3液室とを区画する第3隔壁と、は、一体に成型された合成樹脂製のものであってもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、第1液室および第2液室の視認性が確保されつつ、容積が異なる第1液室および第2液室を有するタンクの大型化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、複合機10の外観斜視図であって、(A)はカバー70が閉じた状態、(B)はカバー70が開いた状態を示す。
【
図2】
図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図3】
図3は、キャリッジ23及びインクタンク100の配置を示す平面図である。
【
図4】
図4は、インクタンク100の前方斜視図である。
【
図7】
図7は、変形例に係るインクタンク100のV-V断面を示す断面図である。
【
図8】
図8は、変形例に係るインクタンク100のV-V断面を示す断面図である。
【
図9】
図9は、変形例に係るインクタンク100のV-V断面を示す断面図である。
【
図10】
図10は、変形例に係るインクタンク100のV-V断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。すなわち、向きは方向の一成分である。上向き及び下向きは、各々が上下方向7の一成分であって、互いに逆向きである。左向き及び右向きは、各々が左右方向9の一成分であって、互いに逆向きである。前向き及び後ろ向きは、各々が前後方向8の一成分であって、互いに逆向きである。また、本実施形態では、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。
【0033】
さらに、複合機10が使用可能に設置された状態(
図1の状態であって、「使用状態」と表記することがある。)若しくは姿勢(
図1の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13が設けられている側を手前側(前面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(前面)から見て左右方向9が定義される。
【0034】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10の外形は、概ね直方体である。複合機10は、ケーシングの下部にプリンタ部11を有している。プリンタ部11は、インクジェット記録方式で用紙12(
図2参照)に画像を記録する。
図2に示されるように、プリンタ部11は、給送部15と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42と、インクタンク100(タンクの一例)とを備えている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
【0035】
[給送トレイ20、排出トレイ21]
図1に示されるように、複合機10の前面で且つ左右方向9の中央部に開口13が位置する。給送トレイ20は、ユーザの操作により、開口13を通じて前後方向8に移動する。給送トレイ20は、積層された複数の用紙12を支持する。排出トレイ21は、給送トレイ20の上方に位置する。排出トレイ21は、給送トレイ20と共に前後方向へ移動する。排出トレイ21は、排出ローラ部55により排出される用紙12を支持する。
【0036】
[給送部15]
給送部15は、給送トレイ20に支持された用紙12を搬送経路65へ給送する。
図2に示されるように、給送部15は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備えている。給送ローラ25は、給送アーム26の先端部分に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、搬送モータ(不図示)の逆転によって、用紙12を搬送向き16に搬送する向きに回転する。以下、給送ローラ25、搬送ローラ60、及び排出ローラ62が、用紙12を搬送向き16に搬送する向きに回転することを、「正回転」と表記する。給送アーム26は、プリンタ部11のフレームに支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20側へ回動するよう付勢されている。
【0037】
[搬送経路65]
図2に示されるように、搬送経路65は、例えば、プリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって区画される空間を指す。搬送経路65は、給送トレイ20の後端部からプリンタ部11の後方側に延びる。搬送経路65は、プリンタ部11の後方側において下方から上方に延びつつUターンし、記録部24とプラテン42との間の空間を経て排出トレイ21に至る。
図2及び
図3に示されるように、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間における搬送経路65は、左右方向9における複合機10の概ね中央部に位置しており、且つ前後方向8に延びている。搬送経路65における用紙12の搬送向き16は、
図2において一点鎖線の矢印で示されている。
【0038】
[搬送ローラ部54]
図2に示されるように、搬送ローラ部54は、記録部24より搬送向き16の上流に位置する。搬送ローラ部54は、搬送ローラ60及びピンチローラ61を有する。搬送ローラ60とピンチローラ61とは上下方向7に対向する。搬送ローラ60は、搬送モータの駆動が伝達されて回転する。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。搬送モータの正転によって搬送ローラ60が正回転すると、用紙12は、搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて搬送向き16に搬送される。
【0039】
[排出ローラ部55]
図2に示されるように、排出ローラ部55は、記録部24より搬送向き16の下流に位置する。排出ローラ部55は、排出ローラ62及び拍車63を有する。排出ローラ62と拍車63とは、上下方向7に対向する。排出ローラ62は、搬送モータから駆動が伝達されて回転する。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。搬送モータの正転によって排出ローラ62が正回転すると、用紙12は、排出ローラ62及び拍車63に挟持されて搬送向き16に搬送される。
【0040】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送向き16における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に位置する。記録部24は、搬送経路65を挟んでプラテン42と上下方向7に対向する。記録部24は、搬送経路65より上下方向7の上方に位置する。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39とを備えている。記録ヘッド39は、液体消費部の一例である。
【0041】
図3に示されるように、キャリッジ23は、ガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、44は、プリンタ部11のフレームに支持されている。ガイドレール43、44は、前後方向8に離間しており、各々が左右方向9に延びる。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、キャリッジモータ(不図示)から駆動が伝達されて回動する。ベルト機構が回動すると、キャリッジ23は、左右方向9に移動する。キャリッジ23の移動範囲が、
図3において一点鎖線で示される。キャリッジ23は、搬送経路65より左右方向9の右方及び左方まで移動する。
【0042】
インクタンク100と記録ヘッド39とは、インクチューブ32により接続されている。制御部(不図示)が実装された制御基板と記録ヘッド39とはフレキシブルフラットケーブル33によりを電気的に接続されている。インクチューブ32及びフレキシブルフラットケーブル33は、キャリッジ23からそれぞれ延びている。インクチューブ32は、インクタンク100に貯留されたインクを記録ヘッド39に供給する。より詳細には、各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する4本のインクチューブ32B、32M、32C、32Y(これらを総称して、「インクチューブ32」と表記することがある。)がインクタンク100から延出されて記録ヘッド39に接続されている。フレキシブルフラットケーブル33は、制御部から出力される制御信号を記録ヘッド39に伝達する。
【0043】
図2に示されるように、キャリッジ23は、記録ヘッド39を搭載する。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が位置する。以下、ノズル40が位置する記録ヘッド39の下面を「ノズル面」と表記することがある。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42が支持する用紙12へ向けて、記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。
【0044】
[プラテン42]
図2及び
図3に示されるように、プラテン42は、搬送向き16における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に位置する。プラテン42は、上下方向7において記録部24に対向する。プラテン42は、搬送ローラ部54によって搬送される用紙12を下方から支持する。
【0045】
[インクタンク100]
図1に示されるように、インクタンク100は、複合機10の内部に位置する。インクタンク100は、複合機10から容易に取り外すことができないように、複合機10に固定されている。複合機10のケーシングの前面であって且つ左右方向9の右端には、開口22が位置する。インクタンク100は、開口22の後方に位置する。開口22は、カバー70が設けられている。カバー70は、上下方向7の下端側において左右方向9に延びる回動軸周りに回動可能である。カバー70は、開口22を覆う被覆位置(
図1(A)参照)と、開口22を複合機10の外部に露出させる露出位置(
図1(B)参照)とに回動する。
【0046】
図4に示されるように、インクタンク100の外形は、概ね直方体である。インクタンク100は、前壁101と、右壁102と、左壁103と、上壁104と、下壁105と、後壁106と、を有する。インクタンク100は、例えば、樹脂材料を射出成型することによって一体成型される。インクタンク100の外壁のうち、例えば、下壁105は、別の成型品であってもよい。前壁101、右壁102、左壁103、上壁104、下壁105、および後壁106は、インクタンク100の外部から内部のインクの液面を視認可能な程度の透光性を有する。
【0047】
前壁101には、上限指示線138と、下限指示線141と、が記されている。上限指示線138および下限指示線141は、前壁101の外表面から前方へ突出することにより形成されている。上限指示線138は、各インク室111にそれぞれ貯留されるインクの上限となる位置を示す線である。上限指示線138は、左右方向9に沿った直線である。下限指示線141は、各インク室111に貯留されるインクの液面の下限となる位置を示す線である。下限指示線141は、左右方向9に沿った直線である。上限指示線138は、上限指示表示の一例である。下限指示線141は、下限指示表示の一例である。
【0048】
カバー70には、
図1(A)に示されるように、その中央部を厚み方向に貫通する開口が設けられている。インクタンク100の上限指示線138及び下限指示線141は、被覆位置のカバー70の開口を通じて、複合機10の外部から視認可能である。
【0049】
上壁104は、前壁101の上端から後方であって、前壁101の外面と交差する方向へ延びる交差壁139と、交差壁139の後端から前後方向8に沿って延びて後壁106に接続するサブ上壁140と、を有する。交差壁139は、サブ上壁140の外面とも交差する方向へ延びている。交差壁139は、前壁101より後方へ延びている。サブ上壁140は、前後方向8および左右方向9に拡がる平板形状である。
【0050】
図5に示されるように、インクタンク100の内部は、4つのインク室111に区画されている。4つのインク室111は、左右方向9に並んでいる。
図4においては、4つのインク室111を区画する隔壁107、108、109、110に対応する箇所が実線で示されているが、インクタンク100の外面には当該実線は現れていなくてもよい。4つのインク室111には、色が異なる4種のインクが貯留される。4種のインクの色は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)である。4つのインク室111は、貯留されるインクの色に応じて、インク室111C、111M、111Y、111Kと称されることがある。前壁101においても、各インク室111C、111M、111Y、111Kを区画する部分の壁が、前壁101C、101M、101Y、101Kと称されることがある。交差壁139においても、各インク室111C、111M、111Y、111Kを区画する部分の壁が、交差壁139C、139M、139Y、139Kと称されることがある。前壁101Kと前壁101Yとは、左右方向9に隣り合って並んでいる。前壁101Yと前壁101Mとは、左右方向9に隣り合って並んでいる。左右方向9に隣り合って並ぶとは、左右方向9において隣り合っていることを定義しているが、必ずしも前後方向8において同じ位置であることは定義していない。また、左右方向9において隣り合うとは、例えば前壁101Kと前壁101Yとが接していることは必要ではなく、前壁101Kと前壁101Yとの間に空間があってもよい。つまり、前壁101Kと前壁101Yとが、左右方向の間に他の部材が介在することなく並んでいることを意味する。したがって、前壁101Kと前壁101Yとは、左右方向9に隣り合って並んでいれば、前後方向8における位置が異なっていてもよい。前壁101Yと前壁101Mとは、左右方向9に隣り合って並んでいれば、前後方向8における位置が異なっていてもよい。交差壁139Kは、第1上壁の一例である。交差壁139Yは、第2上壁の一例である。交差壁139Mは、第3上壁の一例である。
【0051】
図5に示されるように、インクタンク100の内部には、各インク室111C、111M、111Y、111Kを区画する隔壁107、108、109、110が設けられている。隔壁107、108、109は、各々が上下方向7及び前後方向8に拡がる平板形状である。隔壁107、108,109は、右壁102と左壁103との左右方向9の間において、それぞれ左右方向9に一定の距離だけ離れている。隔壁107、108、109の各前端は、前壁101と接続している。隔壁107、108、109の各上端は、上壁104(交差壁139及びサブ上壁140)と接続している。隔壁107、108、109の各下端は、下壁105と接続している。下壁105は、前後方向8および左右方向9に拡がる平板形状である。
【0052】
隔壁110は、上下方向7及び左右方向9に拡がる平板形状である。隔壁110は、前後方向8において前壁101と後壁106との間に位置する。隔壁110の上端は、上壁104(交差壁139及びサブ上壁140)と接続している。隔壁110の下端は、下壁105と接続している。隔壁110の右端は、隔壁107の後端と接続している。隔壁110の左端は、左壁103と接続している。隔壁110は、隔壁107、108の各後端とそれぞれ接続している。
【0053】
インク室111Cは、左右方向9においてインクタンク100の左端に位置する。インク室111Cは、シアン色のインクが貯留される。インク室111Cは、前壁101C、交差壁139C、サブ上壁140、左壁103、下壁105、隔壁109、及び隔壁110によって区画される空間である。インク室111Cは、
図5に示される断面の外形が長方形である。
【0054】
インク室111Mは、左右方向9においてインク室111Cの右隣に位置する。インク室111Mは、マゼンタ色のインクが貯留される。インク室111Mは、前壁101M、交差壁139M、サブ上壁140、下壁105、隔壁108、隔壁109、及び隔壁110によって区画される空間である。インク室111Mは、
図5に示される断面の外形が長方形である。マゼンタ色のインクは、第3液体の一例である。インク室111Mは、第3液室の一例である。前壁101Mは、第3前壁の一例である。交差壁139Mは、第3交差壁の一例である。
【0055】
インク室111Yは、左右方向9においてインク室111Mの右隣に位置する。インク室111Yは、イエロー色のインクが貯留される。インク室111Yは、前壁101Y、交差壁139Y、サブ上壁140、下壁105、隔壁107、隔壁108、及び隔壁110によって区画される空間である。インク室111Yは、
図5に示される断面の外形が長方形である。イエロー色のインクは、第2液体の一例である。インク室111Yは、第2液室の一例である。前壁101Yは、第2前壁の一例である。交差壁139Yは、第2交差壁の一例である。隔壁108は、第3隔壁の一例である。
【0056】
インク室111Kは、左右方向9においてインクタンク100の右端に位置する。インク室111Kは、ブラック色のインクが貯留される。インク室111Kは、前壁101K、交差壁139K、サブ上壁140、右壁102、下壁105、後壁106、隔壁107、及び隔壁110によって区画される空間である。インク室111Kは、
図5に示される断面の外形がL字形状である。ブラック色のインクは、第1液体の一例である。インク室111Kは、第1液室の一例である。前壁101Kは、第1前壁の一例である。交差壁139Kは、第1交差壁の一例である。隔壁107は、第1隔壁の一例である。隔壁110は、第2隔壁の一例である。
【0057】
インク室111Kの後端は、インク室111C、111M、111Yの後端よりも後方に位置する。インク室111Kは、前後方向8の前側に位置する第1空間121と、後ろ側に位置する第2空間122と、を有する。第1空間121は、前壁101K、交差壁139K、サブ上壁140、右壁102、下壁105、及び隔壁107によって区画される。第1空間121の後端を区画する壁は存在しない。第1空間121は、インク室111Yと左右方向9に隣り合って並んでいる。換言すれば、インク室111Yは、左右方向9において、インク室111Mと第1空間121との間に位置する。第1空間121の前後方向8に沿った長さは、隔壁110の厚みを考慮しなければ、インク室111C,111M,111Yの前後方向8に沿った長さと同じである。
【0058】
第1空間121の後方に並んで第2空間122が位置する。第1空間121と第2空間122とは、連続した空間である。第2空間122は、サブ上壁140、右壁102、下壁105、隔壁107、及び隔壁110によって区画される。第2空間122は、インク室111C、111M、111Yの後方に隣り合って並んでいる。インク室111Kは、第2空間122を有するので、インク室111Kの容積V1は、インク室111Yの容積V2より大きい(V1>V2)。インク室111Kの容積V1は、インク室111Mの容積V3より大きい(V1>V3)。インク室111Kの容積V1は、インク室111Cの容積V4より大きい(V1>V4)。容積V1は、第1容積の一例である。容積V2は、第2容積の一例である。容積V3は、第3容積の一例である。
【0059】
第2空間122は、前後方向8から視て、インク室111Yの後端を区画する隔壁110の一部分の左右方向9の両端に亘って位置する。隔壁110の一部分とは、隔壁110のうちインク室111Yの後端を区画する一部分である。
【0060】
第2空間122は、上限指示線138よりも上方の空間を有する。また、第2空間122は、下限指示線141よりも下方の空間を有する。
【0061】
インクタンク100の上壁104には、各インク室111にインクを注入するための注入口112がそれぞれ位置する。より詳細には、注入口112は、交差壁139に位置する。各注入口112は、交差壁139を貫通して、対応するインク室111をインクタンク100の外部に連通させる。交差壁139Cに、注入口112Cが位置する。交差壁139Mに、注入口112Mが位置する。交差壁139Yに、注入口112Yが位置する。交差壁139Kに、注入口112Kが位置する。注入口112Kは、第1注入口の一例である。注入口112Yは、第2注入口の一例である。注入口112Mは、第3注入口の一例である。
【0062】
交差壁139に設けられた各注入口112は、
図1(B)に示されるように、カバー70が露出位置に位置すると、複合機10の外部に露出される。注入口112に、インクを貯留するボトルのノズルなどが挿通されて、ボトルからインク室111へインクが注入される。なお、注入口112は、キャップにより開閉可能であってもよい。
【0063】
図5に示されるように、インクタンク100の内部には、各インク室111に対応して、流出口114が位置する。流出口114は、対応するインク室111に貯留されたインクをインクタンク100の外部に流出させる開口である。インク室111Cに対応して、サブ上壁140の最も左側に流出口114Cが位置する。インク室111Mに対応して、流出口114Cの右方に流出口114Mが位置する。インク室111Yに対応して、流出口114Mの右方に流出口114Yが位置する。インク室111Kに対応して、サブ上壁140の最も右側に流出口114Kが位置する。各流出口114は、左右方向9の位置が異なるほかは同様の構成なので、以下、インク室111Yに対応する流出口114Yが説明され、その他の流出口114C、114M、114Kについては説明が省略される。流出口114Kが、第1流出口の一例である。流出口114Yが、第2流出口の一例である。流出口114Mが、第3流出口の一例である。
【0064】
図6に示されるように、サブ上壁140のインク室111Yに対応する位置に、流出管
115Yが位置する。流出管115Yは、上下方向7に沿って延びる円管である。流出管115Yは、サブ上壁140を貫通している。流出管115Yの下端は、インク室111Yにおいて下壁105付近に位置する。流出管115Yの下端の開口が流出口114Yである。流出管115Yの上端部は、インク室111Yの外部に位置する。流出管115Yの上端の開口が、接続口116Yである。接続口116Yにはインクチューブ32が接続される。
【0065】
詳細な説明が省略されるが、
図5に示されるように、インク室111Cに対応する位置に流出管115Cが位置する。流出管115Cの下端の開口が流出口114Cである。流出管115Cの上端の開口が、接続口116C(
図4参照)である。インク室111Mに対応する位置に流出管115Mが位置する。流出管115Mの下端の開口が流出口114Mである。流出管115Mの上端の開口が、接続口116M(
図4参照)である。インク室111Kに対応する位置に流出管115Kが位置する。流出管115Kの下端の開口が流出口114Kである。流出管115Kの上端の開口が、接続口116K(
図4参照)である。
【0066】
図5に示されるように、流出口114Cは、インク室111Cに位置している。流出口114Cは、左右方向9において前壁101Cの左右端の間に位置する。流出口114Mは、インク室111Mに位置している。流出口114Mは、左右方向9において前壁101Mの左右端の間に位置する。流出口114Yは、インク室111Yに位置している。流出口114Yは、左右方向9において前壁101Yの左右端の間に位置する。流出口114Kは、インク室111Kの第1空間121に位置している。流出口114Kは、左右方向9において前壁101Kの左右端の間に位置する。
【0067】
なお、各図には示されていないが、インクタンク100は、各インク室111の内部空間と外部とを連通する大気連通路を有していてもよい。また、各インク室111の液面を検知する公知の検知機構を有していてもよい。
【0068】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、インク室111Kに貯留されているブラック色のインクの液面と、インク室111Yに貯留されているイエロー色のインクの液面とが、いずれも前方から視認される。また、他のインク室111C,111Mにおいても同様である。
【0069】
また、インク室111Kの後端が、インク室111Yの後端よりも後方に位置しているので、インク室111Kの左右方向9の幅と、インク室111Yの左右方向9の幅が同じであっても、インク室111Kの容積V1がインク室111Yの容積V2よりも大きくすることが容易である。容積V1が容積V2よりも大きいので、インク室111Kにインク室111Yよりも多くのインクが貯留される。インク室111Kは、他のインク室111C,111Mに対しても、左右方向9の幅を同じとして多くのインクが貯留される。
【0070】
また、インク室111Kの第2空間122が、第1空間121およびインク室111Yの後方に並ぶので、インク室111Kの容積V1を大きくしつつ、インクタンク100の前後方向8における小型化が実現される。同様に、インク室111Kの第2空間122が、インク室111C,111Mの後方に並ぶので、インク室111Kの容積V1を一層大きくしつつ、インクタンク100の前後方向8における小型化が実現される。
【0071】
また、インク室111Kの第2空間122は、前後方向8から視て、インク室111Yの後端を区画する隔壁110の一部分の左右方向9の両端に亘って位置するので、インクタンク100に対して第2空間122が占める効率がよい。
【0072】
また、インク室111Kの第2空間122は、上限指示線138よりも上方の空間を有する。また、インク室111Kの第2空間122は、下限指示線141よりも下方の空間を有する。これにより、インクタンク100に対して第2空間122が占める効率がよい。
【0073】
また、インク室111Kの第1空間121に、流出口114Kが位置するので、前壁101Kと流出口114Kとが比較的近い位置となるので、インクタンク100が水平方向に対して傾斜したとしても、前壁101Kにおいて視認されるブラック色のインクの液面と流出口114K付近におけるインクの液面との上下方向7の位置の差が少ない。
【0074】
また、隔壁110の厚みを考慮しなければ、インク室111Kの第1空間121の前後方向8に沿った長さが、インク室111Yの前後方向8に沿った長さと同じであり、インク室111Kの第2空間122は、インク室111Yの後方に隣り合って並ぶので、複合機10においてインクタンク100が設置される空間に対して、インク室111K,111Yが占める空間の効率がよい。また、インク室111Kの第1空間121の前後方向8に沿った長さが、インク室111C,111Mの前後方向8に沿った長さと同じであり、インク室111Kの第2空間122は、インク室111C,111Mの後方に隣り合って並ぶので、複合機10においてインクタンク100が設置される空間に対して、インク室111K,111C,111Mが占める空間の効率がよい。
【0075】
また、インク室111Yは、左右方向9においてインク室111Kの第1空間121とインク室111Mとの間に位置しており、流出管115Yはインク室111Yを区画するサブ上壁140を貫通しているので、インク室111Kとインク室111Mとによって前壁101Y以外の側方が囲まれたインク室111Yからインクが流出管115Yを通じてインクタンク100の外部へ流出される。同様に、インク室111Mは、左右方向9においてインク室111Yとインク室111Cとの間に位置しており、流出管115Mはインク室111Mを区画するサブ上壁140を貫通しているので、インク室111Yとインク室111Cとによって前壁101M以外の側方が囲まれたインク室111Mからインクが流出管115Mを通じてインクタンク100の外部へ流出される。
【0076】
[変形例]
前述された実施形態では、インク室111Kの第1空間121は、インクタンク100の左右方向9の右端に位置するが、第1空間121はインクタンク100の左右方向9の左端に位置してもよい。また、第1空間121は、インクタンク100の左右方向9の左右端以外に位置してもよい。例えば、
図7に示されるように、インクタンク100において、左右方向9の左端から右端へ向かって順に、インク室111C、インク室111M、インク室111Kの第1空間121、およびインク室111Yが位置してもよい。インク室111Kの第2空間122は、インク室111C,111M,111Yの後方に位置する。インク室111Kは、
図7に示される断面形状がT字である。
【0077】
隔壁107は、インク室111Kの第1空間121とインク室111Yとを区画する。隔壁108は、インク室111Kの第1空間121とインク室111Mとを区画する。隔壁109は、インク室111Cとインク室111Mとを区画する。隔壁110は、インク室111Kを除いて左右方向9に分かれて位置して、隔壁107,108,109の後端と接続する。
【0078】
また、前述された実施形態では、インクタンク100は、4つのインク室111を有するが、インク室111の数は2つであってもよいし、3つであってもよい。また、インク室111の数は5つ以上であってもよい。
【0079】
また、インク室111Kの第2空間122は、必ずしも他のインク室111のすべての後方に位置しなくてもよい。例えば、
図5において、第2空間は、インク室111Yの後方にのみ位置しており、インク室111C,111Mの後方に位置しなくてもよい。
【0080】
また、注入口112は、交差壁139に位置しなくてもよい。この場合、注入口112は、サブ上壁140に位置する。また、インクタンク100の上壁104は、交差壁139を有していなくてもよい。この場合、前壁101の上端は、サブ上壁140の前端と連続する。また、注入口112は、サブ上壁140に位置する。
【0081】
また、インクタンク100は、樹脂の一体成型品でなくてもよい。例えば、各インク室111が、樹脂性のフレームとフィルムとによって独立して構成されてもよい。
図8に示されるように、右向きに開口するフレームにフィルムが溶着されて開口が封止された4つのインクタンク100K,100Y,100M,100Cが、組み合わせにより1セットとしてインクタンク100が構成されてもよい。
【0082】
また、インクタンク100の後壁106側の形状は、適宜変更されてもよい。例えば、
図9に示されるように、後壁106と左壁103との角が面取りされてもよいし、
図10に示されるように、後壁106において前向きへ凹む凹部106Aがあってもよい。後壁106にインクの流路が位置しないので、後壁106の形状に自由度があり、インクタンク100の後方に配置される他の部品との干渉を避けつつ、インク室111Kの容積V1がインク室111Yの容積V2よりも大きくなる。
【0083】
また、各インク室111に貯留される液体の種類は、インクの色に限らず、インクの組成が異なるものであってもよい。また、液体は、インクに代えて、印刷時にインクに先立って記録用紙に吐出される前処理液や、記録ヘッド39のノズル40の乾燥を防止するために記録ヘッド39のノズル40近傍に噴霧される保存液等であってもよい。
【0084】
また、インク室111Kの第2空間122は、インク室111Yやインク室111M、111Cの後端を区画する隔壁110の一部分の左右方向9の両端に亘って位置しなくてもよい。また、第2空間122は、上限指示線138より上方の空間を有していなくてもよい。また、第2空間122は、下限指示線141より下方の空間を有していなくてもいよい。
【0085】
また、上限指示線138および下限指示線141は、線に代えて、例えば三角印などのマークや文字などで表示されてもよい。また、上限指示線138および下限指示線141は、突出や凹陥などの外形によるものではなく、前壁101に印刷されたものやシートが貼り付けられたものであってもよい。
【符号の説明】
【0086】
39・・・記録ヘッド(液体消費部)
100・・・インクタンク(タンク)
111K・・・インク室(第1液室)
111Y・・・インク室(第2液室)
111M・・・インク室(第3液室)
101K・・・前壁(第1前壁)
101Y・・・前壁(第2前壁)
101M・・・前壁(第3前壁)
107・・・隔壁(第1隔壁)
108・・・隔壁(第3隔壁)
110・・・隔壁(第2隔壁)
114K・・・流出口(第1流出口)
114Y・・・流出口(第2流出口)
114M・・・流出口(第3流出口)
121・・・第1空間
122・・・第2空間
139K・・・交差壁(第1上壁)
139Y・・・交差壁(第2上壁)
139M・・・交差壁(第3上壁)