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特開2024-90413配置装置、配置システム、配置方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090413
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】配置装置、配置システム、配置方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20240627BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206315
(22)【出願日】2022-12-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】田村 邦彦
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】フリーアドレス環境下の、会議等の場面における円滑なコミュニケーションと、情報セキュリティの確保を支援することの可能な配置装置等の提供。
【解決手段】利用者のスケジュール情報である利用者スケジュール情報を取得する利用者スケジュール情報取得部と、会議の開催予定情報である会議開催予定情報を取得する会議開催予定情報取得部と、会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を取得する会議参加者情報取得部と、居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する居室内配置情報取得部と、会議参加者情報と、利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する、居室内参加者抽出部と、居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を決定する居室内参加者配置決定部と、を有する配置装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者のスケジュール情報である利用者スケジュール情報を取得する利用者スケジュール情報取得部と、
会議の開催予定情報である会議開催予定情報を取得する会議開催予定情報取得部と、
前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を取得する会議参加者情報取得部と、
居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する居室内配置情報取得部と、
前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する、居室内参加者抽出部と、
居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を決定する居室内参加者配置決定部と、
を有する配置装置。
【請求項2】
前記居室内参加者配置決定部は、さらに居室内参加者毎に、配置決定の優先順位に基づいた順序で前記居室内参加者の配置の決定を行う、
請求項1の配置装置。
【請求項3】
前記会議開催予定情報の内、複数の会議が同一の時刻に開催されているかを検出する同一時刻開催検出部、を有し、
前記居室内参加者配置決定部は、前記複数の会議が同一の時刻に開催されているとの検出結果の場合に、所定の条件で前記居室内参加者の配置を決定する、
請求項1又は2の配置装置。
【請求項4】
前記居室内参加者配置決定部は、前記所定の条件として、互いに異なる会議へ参加する前記居室内参加者同士の配置が、居室内で隣接しないように配置を決定する、
請求項3の配置装置。
【請求項5】
前記同一時刻開催検出部が同一時刻に複数の会議が開催されていることを検出した場合において、前記会議参加者情報を参照し、前記利用者の会社に所属する者以外の者を検出する、社外参加者検出部を、さらに有する、
請求項3の配置装置。
【請求項6】
前記社外参加者検出部が社外参加者を検出した場合に、前記利用者に対し通知を行う通知部をさらに有する、請求項5の配置装置。
【請求項7】
前記居室内参加者配置決定部は、前記社外参加者検出部が社外参加者を検出した場合において、配置決定の優先順位を社外参加者の数に応じて設定して居室内参加者の配置を決定する、
請求項5の配置装置。
【請求項8】
端末と、配置装置と、会議管理装置と、を有する配置システムであって、
前記端末は、
利用者個人のスケジュール情報である利用者個人スケジュール情報を保持する利用者個人スケジュール情報保持部と、
前記配置装置による配置結果を出力する出力部と、
を有し、
前記会議管理装置は、
会議の開催予定である会議開催予定情報を保持する会議開催予定情報保持部と、
前記会議開催予定情報と関連付けられた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を保持する会議参加者情報保持部と、
を有し、
前記配置装置は、
各利用者の利用者個人スケジュール情報を取得する利用者スケジュール情報取得部と、
前記会議開催予定情報を取得する会議開催予定情報取得部と、
前記会議参加者情報を取得する会議参加者情報取得部と、
居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する居室内配置情報取得部と、
前記会議参加者情報と、前記利用者個人スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する、居室内参加者抽出部と、
前記居室内参加者と、前記居室内配置情報と、に基づいて前記居室内参加者の配置を決定する居室内参加者配置決定部と、
居室内参加者配置を配置結果として端末に送信する配置結果送信部と、
を有する、
配置システム。
【請求項9】
コンピュータが利用者のスケジュールである利用者スケジュール情報を取得するステップと、
前記コンピュータが会議の開催予定である会議開催予定情報を取得するステップと、
前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を前記コンピュータが取得するステップと、
居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を前記コンピュータが取得するステップと、
前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を前記コンピュータが抽出するステップと、
居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を前記コンピュータが決定するステップと、を含む配置方法。
【請求項10】
利用者のスケジュールである利用者スケジュール情報を取得する処理と、
会議の開催予定である会議開催予定情報を取得する処理と、
前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を取得する処理と、
居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する処理と、
前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する処理と、
居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を決定する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本装置は、会議を円滑に運営するための配置装置、配置システム、配置方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年勤務形態の多様化に伴い、居室内で自由に作業場所を選択可能なフリーアドレスの形態を導入する企業等が増加している。フリーアドレスを導入すると、開放的な環境で勤務することにより社員同士のコミュニケーションが活性化され、仮説的ではあるがその結果業績の向上を見込むことが可能となると言われている。
【0003】
特許文献1には、フリーアドレス環境における座席の指定において、使用状況に適した座席の指定を行うことができる座席指定システムの発明が開示されている。本システムは使用座席を指定可能な指定座席パターンと、使用座席をランダムに選出するランダム座席パターンと、各個人に固定された座席を提供するパターンとを含む複数の座席パターンから1つの座席パターンを使用状況に応じて選択して設定する事が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-138822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0006】
ところで、フリーアドレス環境は開放的である故に、話し相手との会話だけではなく他者同士の会話も耳に入ってくる。相互の距離が近ければ声を抑えて会話をすることができるが、距離が遠ければ大きな声量での会話を強いられ、相互に音声が干渉して円滑に会話を進めることが困難となる場合がある。
【0007】
また、会話の内容が周辺に筒抜けとなってしまうため、セキュリティ上の問題も浮上する。居室内の者全員が同一組織の者であればそのような状況は許されると考えられるが、通常は派遣社員や、常駐のパートナー企業の者、たまたま来社している取引先の者など、外部の者が居室内に居る状況は何ら珍しいものではない。
【0008】
近年はWeb会議に居室や自宅などから参加することが多くなり、種々の情報が交錯するフリーアドレス環境の居室内から参加すると、守秘義務の対象となる情報などが偶然マイクに拾われて他社に流出するリスクも低くないものと考えられる。
【0009】
そこで、本発明の一視点において、フリーアドレス環境下の、会議等の場面における円滑なコミュニケーションと、情報セキュリティの確保を支援することの可能な配置装置、配置システム、配置方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の視点によれば、利用者のスケジュール情報を取得する利用者スケジュール情報取得部と、会議の開催予定情報を取得する会議開催予定情報取得部と、前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を取得する会議参加者情報取得部と、居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する居室内配置情報取得部と、前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する、居室内参加者抽出部と、居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を決定する居室内参加者配置決定部と、を有する配置装置が提供される。
【0011】
本発明の第二の視点によれば、端末と、配置装置と、会議管理装置と、を有する配置システムであって、前記端末は、利用者個人のスケジュール情報を保持する利用者個人スケジュール情報保持部と、前記配置装置による配置結果を出力する出力部と、を有し、前記会議管理装置は、会議の開催予定である会議開催予定情報を保持する会議開催予定情報保持部と、前記会議開催予定情報と関連付けられた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報保持部と、を有し、前記配置装置は、各利用者の利用者個人スケジュール情報を取得する利用者スケジュール情報取得部と、前記会議開催予定情報を取得する会議開催予定情報取得部と、前記会議参加者情報を取得する会議参加者情報取得部と、居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する居室内配置情報取得部と、前記会議参加者情報と、前記利用者個人スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する、居室内参加者抽出部と、前記居室内参加者と、前記居室内配置情報と、に基づいて前記居室内参加者の配置を決定する居室内参加者配置決定部と、居室内参加者配置を配置結果として端末に送信する配置結果送信部と、を有する、配置システムが提供される。
【0012】
本発明の第三の視点によれば、コンピュータが利用者のスケジュールを取得するステップと、前記コンピュータが会議の開催予定を取得するステップと、前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を前記コンピュータが取得するステップと、居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を前記コンピュータが取得するステップと、前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を前記コンピュータが抽出するステップと、居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を前記コンピュータが決定するステップと、を含む配置方法。
【0013】
本発明の第四の視点によれば、利用者のスケジュールを取得する処理と、会議の開催予定を取得する処理と、前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を取得する処理と、居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する処理と、前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する処理と、居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を決定する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0014】
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の各視点によれば、フリーアドレス環境下の、会議等の場面における円滑なコミュニケーションと、情報セキュリティの確保を支援することの可能な配置装置、配置システム、配置方法、及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態の配置装置の構成の一例を説明するためのブロック図である。
図2】第1の実施形態の配置装置における処理結果の概略を示す図である。
図3】第1の実施形態の配置装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態の配置装置の処理の一例を示すための図である。
図5】居室内で隣接しないように配置を決定するためのテーブルを示す図である。
図6】第1の実施形態の配置装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態の配置装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図8】第2の実施形態の配置システムの構成の一例を示すブロック図である。
図9】第3の実施形態の座席位置決定システムの構成を示す図である。
図10】第3の実施形態の座席位置決定システムにおける、フリーアドレス管理システムの利用者情報データベースの有する情報を示すための図である。
図11】第3の実施形態の座席位置決定システムにおける、オフィスのフリーアドレスのレイアウトを示す図である。
図12】第3の実施形態の座席位置決定システムにおける、フリーアドレスで隣接する席の情報を示す図である。
図13】第3の実施形態の座席位置決定システムにおける、席の利用状況と使用者情報を示す図である。
図14】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、利用者が出社予定情報を入力する際の動作を示す図である。
図15】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、利用者が会議情報を入力する際の動作を示す図である。
図16】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、座席決定部で利用者の座席配置を決める手順の概略を示す図である。
図17】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、隣席の候補者の優先度を決定する方法を示す図である。
図18】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、会議情報から各利用者の隣席の候補者の優先度を決めた場合の処理結果を示す図である。
図19】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、座席配置を決定する際の手順について示す図である。
図20】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、座席配置を決定する際の手順について示す図である。
図21】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、端末装置の表示部に表示されるフリーアドレスオフィスエリアの配置図と空席情報を示す図である。
図22】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、警告が出力される例を示すための図である。
図23】第3の実施形態の座席位置決定システムにおいて、出力される警告の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0018】
図1に一実施形態の配置装置の構成の一例を示したブロック図を示す。一実施形態の配置装置01は、利用者スケジュール情報取得部02と、会議開催予定情報取得部03と、会議参加者情報取得部04と、居室内配置情報取得部05と、居室内参加者抽出部06と、居室内参加者配置決定部07と、を有する。
【0019】
利用者スケジュール情報取得部02は利用者のスケジュール情報である利用者スケジュール情報を取得する。会議開催予定情報取得部03は、会議の開催予定情報である会議開催予定情報を取得する。会議参加者情報取得部04は、前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を取得する。居室内配置情報取得部05は、居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する。居室内参加者抽出部06は、前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する。居室内参加者配置決定部07は、居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を決定する。
【0020】
上記一実施形態の配置装置は、取得した利用者のスケジュール情報と会議参加者のリストである会議参加者情報により、居室内に在室している会議参加者を抽出する。その上で居室内において人員を配置可能な位置を示す居室内配置情報に基づいて居室内の参加者の配置を決定する。
【0021】
このように、一実施形態の配置装置では、例えば利用者が使用する机や椅子などの位置を示す居室内配置情報に従って、会議の際などに出社している人員の配置を実行することが可能である。さらに、この配置に一定の制約を設けることで、よりコミュニケーションが取りやすく、かつ機密情報等の漏洩のリスクを低減した人員配置を行うことが可能である。
【0022】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。なお、各実施形態において同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0023】
[第1の実施形態]
[装置の概略]
図2は本実施形態の配置装置による処理結果の概略を示す図である。この図にあるように、フリーアドレス化されている居室内に机1と円卓R1が設置されている。出社した利用者は適宜この居室内の各配置にて勤務を遂行するが、会議等が開催される場合には本実施形態の配置装置にて配置が決定される。現在居室内では3つの会議及び打合わせが同時に行われている。AはWeb会議であり、社内の参加者内1と内4とが1-1と1-5との向かい合わせの配置にて着席して会議に参加中である。Bは社内の参加者内9と社外の参加者外1との2人での打合わせである。1-7と1-8とで隣り合わせた配置にて打合わせを行っている。円卓R1では3名で会議Cが行われており、お互いに正面か隣り合わせた机に配置されている。
【0024】
一方、この図の中に存在しない社内の参加者内2、内3、内5、内6、内8は出社せず在宅にて勤務している。内2、内3については、内1と内4と共にWeb会議Aに遠隔で参加している。
【0025】
会議等A-Cは互いに交わることない空間にて開催されており、例えば1-7に隣り合った1-6、及び1-3は空席となっており、なるべく同一の会議に参加していない者が隣り合うことのないように配置が決定される。打合わせBは自社の参加者内9と他社の参加者(外1)とで実行されており、外1は打合わせの相手である内9の他には隣り合うことのないように配置されている。
【0026】
1-1に配置されている内1は内7と隣り合っているが、内7は同一社内の人員であり、かつ他の会議に参加していないので、1-1に隣り合った1-2に配置されることを許されている。
【0027】
このように本実施形態の配置装置は、一の会議に参加している者は、他の会議に参加している者となるべく隣り合わないような配置を決定する事が可能である。
【0028】
[装置の構成]
図3は本実施形態の配置装置の構成の一例を示すブロック図である。この図にあるように、本実施形態の配置装置01は、利用者スケジュール情報取得部02と、会議開催予定情報取得部03と、会議参加者情報取得部04と、居室内配置情報取得部05と、居室内参加者抽出部06と、居室内参加者配置決定部07と、同一時刻開催検出部08と、社外参加者検出部09と、通知部10と、を有する。
【0029】
利用者スケジュール情報取得部02は、上述の通り利用者のスケジュール情報である利用者スケジュール情報を取得する。「利用者」とは配置装置を使用して配置を決定する者であり、社内外を問わない。図4は本実施形態の配置装置の処理の一例を示すための図である。この図にあるように、利用者である内1の利用者スケジュール情報が記載されたタイムテーブル(図4(a))が存在する。このテーブルは内1の端末に保持されており、配置装置が取得するものであっても良いし、配置装置側にテーブルが格納されていてもよい。テーブルを参照すると、内1は10:00に出社し、18:00まで出社すなわち居室内で在席している。13:00から15:00までは自席でWeb会議Aに参加することが予定されている。
【0030】
会議開催予定情報取得部03は、上述のとおり会議の開催予定情報である会議開催予定情報を取得する。図4(b)に会議開催予定情報の一例を示す。このように、居室毎に会議開催のスケジュールがタイムテーブル上に格納されている。このテーブルは配置装置01内の記憶域に保持されており、居室内で新たな会議が決定すると更新される。
【0031】
会議参加者情報取得部04は、前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を取得する。図4(c)に会議参加者情報の一例を示す。この図にあるようにWeb会議Aに参加を予定している者が参加者リスト形式で配置装置01の記憶域に保持されている。図にあるようにWeb会議Aの会議参加者情報は会議開催予定情報内のWeb会議Aの情報と関連付けられて保持されている。
【0032】
居室内配置情報取得部05は、居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する。具体的には、図2で示されているような居室内の配置の位置関係を示す情報であって、人員を配置するためのスロットを示す情報である。どのスロットにどの人員を配置するかの決定は後述する居室内参加者配置決定部07により行われる。
【0033】
居室内参加者抽出部06は前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する。具体的には、会議参加者情報を参照して参加者それぞれについて利用者スケジュール情報を取得して、どの参加者が居室内に存在しているか否かの情報を抽出する。抽出された参加者の情報は、後述する居室内参加者配置決定部07に渡される。
【0034】
居室内参加者配置決定部07は、居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を決定する。具体的には上述した居室内配置情報取得部05と、居室内参加者抽出部06から、それぞれ居室内配置情報と、居室内参加者の情報とを取得し居室内参加者それぞれの居室内での配置を算出して決定する。算出は所定の条件(制約条件)に則って行われても良い。
【0035】
同一時刻開催検出部08は、前記会議開催予定情報の内、複数の会議が同一の時刻に開催されているかを検出する。前記居室内参加者配置決定部07は、前記複数の会議が同一の時刻に開催されているとの判断結果の場合に、所定の条件で前記居室内参加者の配置を決定する。
【0036】
「所定の条件」とは、図4(b)を参照すると、14:30の時点でWeb会議Aと会議Cと打合わせBとが同時に居室内で開催されている。この時、図2で示すように、できるだけ会議が開催されている3つのエリアが重ならないように、人員の配置を決定するといった条件などが含まれる。
【0037】
また、所定の条件としては、互いに異なる会議へ参加する前記居室内参加者同士の配置が、居室内で隣接しないように配置を決定する、といった条件も含まれる。図5は居室内で隣接しないように配置を決定するためのテーブルを示す図である。
【0038】
まず利用者「内1」の配置を決定する。なお、居室内参加者毎に、配置決定の優先順位に基づいた順序で前記居室内参加者の配置の決定を行っても良い。例えば、Web会議を行っている者は、対面状況でないため視聴環境を整えるために優先的に配置を決めることができても良い。内1は座席ID「1-1」に配置された。そうすると隣接座席である1-2、1-5については同じ会議に参加しているもの以外は利用を回避することとなる。次に同じくWeb会議Aに参加している利用者ID「内4」について配置を決定する。内4は内1の隣接座席に配置可能なので、向かい側の1-5に配置することとする(図2参照)。
【0039】
次に、打合わせBに参加しているID「内9」の配置を決めることとする、既に内1と内4については、配置が決定しており、隣接座席IDとして1-2、1-6は利用をなるべく回避するという制約が課されている。したがって打合わせBを行うために横に隣り合った座席ID1-7と1-8とを確保することとする。そうすると隣接座席である1-6、1-3、1-4は利用をなるべく回避するという制約が課される。したがって会議Cを開催しようとする利用者ID「内10」、「外2」、「内11」は円卓上のR1-1、R1-3、R1-4に配置することとなり、隣接するR1-2については利用をなるべく回避するという制約が課される。
【0040】
ところで、利用者ID「内7」は配置を決定したいが、すでに座席ID1-1から1-8まで隣接座席又は既に利用されている座席となっており、原則として配置が不可能である。ただし、内7は会議参加の予定がないので、なるべく他者(他社)と隣接しない1-2に配置が決定される。
【0041】
社外参加者検出部09は、同一時刻開催検出部08が同一時刻に複数の会議が開催されていることを検出した場合において、会議参加者情報を参照し、利用者の会社に所属する者以外の者を検出する。本実施形態の配置装置は、社外参加者検出部09が社外参加者を検出した場合に、利用者に対し通知を行う通知部10を有していても良い。
【0042】
さらに、居室内参加者配置決定部07は、前記社外参加者検出部09が社外参加者を検出した場合において、前記配置決定の優先順位を社外参加者の数に応じて設定して居室内参加者の配置を決定しても良い。社外参加者が増加すると、それに応じて情報漏洩に対するリスクが高くなるため、より優先的に配置を決定するという趣旨である。
【0043】
[処理の流れ]
図6は本実施形態の配置装置の処理の流れを示すフローチャートである。この図にあるように、まず配置装置01は利用者スケジュール情報を取得する(ステップS0601)。次に会議開催予定情報を取得する(ステップS0602)。次に、会議参加者情報を取得する(ステップS0603)。その後居室内配置情報を取得する(ステップS0604)。ここまでの処理については互いに前後、あるいは同時に実行されていても良い。
【0044】
各情報の取得が完了すると、次に会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する(ステップS0605)。次に複数の会議が同一の時刻に開催されているか否かを検出する(ステップS0606)。次に居室内参加者の配置を決定するが、複数の会議が同一時刻に開催されているとの検出結果の場合には(ステップS0606、Y)、所定の条件を呼び出して(ステップS0607)、その条件下で居室内参加者の配置を決定する(ステップS0608)。
【0045】
[ハードウエア構成]
次に、第1の実施形態に係る配置装置を構成する各種装置のハードウエア構成を説明する。図7は、第1の実施形態に係る配置装置01のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0046】
配置装置01は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、図7に例示する構成を備える。例えば、配置装置01は、内部バス105により相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、入出力インタフェース103及び通信手段であるNIC(Network Interface Card)104等を備える。
【0047】
但し、図7に示す構成は、配置装置01のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。配置装置01は、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース103を備えていなくともよい。また、配置装置01に含まれるCPU等の数も図7の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUが配置装置01に含まれていてもよい。
【0048】
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0049】
入出力インタフェース103は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0050】
配置装置01の機能は、処理モジュールである利用者スケジュール情報取得プログラムと、会議開催予定情報取得プログラムと、会議参加者情報取得プログラムと、居室内配置情報取得プログラムと、居室内参加者抽出プログラムと、居室内参加者配置決定プログラムと、同一時刻開催検出プログラム等、により実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納された計時プログラムをCPU101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、及び/又は、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0051】
[ハードウエアの動作]
配置装置01は処理を開始すると、利用者スケジュール情報取得プログラムと、会議開催予定情報取得プログラムと、会議参加者情報取得プログラムと、居室内配置情報取得プログラムと、がメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムはそれぞれ利用者スケジュールデータと、会議開催予定データと、会議参加者データ、居室内配置データと、をメモリ102から読み込む。
【0052】
次に居室内参加者抽出プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムは先にメモリ102から読み込んだ会議参加者データ、利用者スケジュールデータと、を参照し、各会議参加者が出社(=居室内参加)しているか否かを判断して居室内参加者を抽出し、メモリ102へ一時的に格納する。
【0053】
次に同一時刻開催検出プログラムがメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。同プログラムは会議開催予定データを参照し、複数の会議が同一の時刻に開催されているかを検出する。その後居室内参加者配置決定プログラムがメモリ102から呼び出され実行状態となる。
【0054】
同一時刻開催検出プログラムが同一時刻の開催を検出した場合には、所定の条件下で居室内参加者の配置の決定処理を実行する。具体的には、図5で示される座席IDと隣席座席IDとが関連付けられているテーブルを呼び出しておき、会議参加者データ内の参加者毎に座席IDを付与していく。その際、付与毎に隣接座席IDを読みこんでメモリ102に作成されたリスト内に格納する。前記付与の際にはそのリストを参照し、リスト内にある隣接座席IDを回避して座席IDを付与していく。その際同一会議に参加する参加者は隣接座席IDにかかわらず近接させて座席IDを付与しても良い。付与が完了した利用者のIDは予め読み込まれた居室内配置データに付与され、NIC104等を介して端末に送信したり、ディスプレイ等の入出力インタフェースに出力したりする。
【0055】
[効果の説明]
本実施形態の配置装置は、利用者のスケジュールと、会議の開催情報、そして会議参加者のリストから、居室内での会議参加者を抽出し、所定の条件下で、参加者の居室内での配置を実行することが可能である。例えば、別の会議に参加する者同士が隣り合わないような条件下で配置を実行することが可能である。これにより、円滑なコミュニケーションと情報漏洩のリスクの低減化を図ることができる。
【0056】
[第2の実施形態]
本実施形態では端末と、会議管理装置及び配置装置とを含めたシステムの構成について述べる。
【0057】
[システムの構成]
図8は本実施形態の配置システムの構成の一例を示すブロック図である。この図にあるように、本実施形態の配置システムは、配置装置01と、端末20と、会議管理装置30と、を含む。配置装置01は利用者スケジュール情報取得部02と、会議開催予定情報取得部03と、会議参加者情報取得部04と、居室内配置情報取得部05と、居室内参加者抽出部06と、居室内参加者配置決定部07と、を有する。端末20は利用者個人スケジュール情報保持部21と、出力部22と、を有する。会議管理装置30は会議開催予定情報保持部31と、会議参加者情報保持部32と、を有する。また、図示していないが、配置装置01は、同一時刻開催検出部08と、社外参加者検出部09と、通知部10と、を有していても良い。
【0058】
上記実施形態1の配置装置との差異点は、新たに端末20と、会議管理装置30と、を有する点と、配置装置01が新たに配置結果送信部11を有する点である。他の構成要件については上記で説明済みであるので記載は省略する。
【0059】
端末20は利用者個人スケジュール情報保持部21と、出力部22と、を有する。会議管理装置30は会議開催予定情報保持部31と、会議参加者情報保持部32と、を有する。
【0060】
利用者個人スケジュール情報保持部21は、各利用者の利用者個人スケジュール情報を取得する。利用者個人スケジュール情報については、図4(a)に示す通りである。なお、利用者個人スケジュール情報を集約したものが利用者スケジュール情報である。出力部22は、配置装置01による配置結果を受信してディスプレイ等の入出力デバイスにて出力する。
【0061】
会議開催予定情報保持部31は、会議の開催予定である会議開催予定情報を保持する。会議開催予定情報の例としては図4(b)に示す通りである。会議参加者情報保持部32は、会議開催予定情報と関連付けられた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を保持する。会議参加者情報の例については、図4(c)に示すとおりである。
【0062】
配置結果送信部11は、居室内参加者配置を配置結果として端末20に送信する。
【0063】
[第3の実施形態]
本実施形態では上記実施形態の配置装置と、配置システムと、をフリーアドレス管理システムの態様で実施した場合のシステムの構成及び動作について述べる。
【0064】
[システムの構成]
座席位置決定システム1000の構成を図9に示す。座席位置決定システム1000は、下記から構成される。下記3つはネットワークを介して通信できるようにネットワーク1014に接続されている。
・フリーアドレス管理システム1011
・予定管理システム1012
・端末装置1013
・ネットワーク1014
【0065】
利用者が使用する端末装置1013は、下記から構成される。
・通信部1131
・表示部1132
・入力部1133
【0066】
利用者は、端末装置1013の入力部1133から下記情報を入力する。
・フリーアドレス管理システムに自身の出社予定を入力
・予定管理システムに自身の会議時間や参加者といった会議情報を入力
入力された情報は、通信部1131によって、送信される。
【0067】
フリーアドレス管理システム1011は、下記から構成される。
・利用者情報データベース1111
・座席情報データベース1112
・会議情報データベース1113
・座席決定部1114
・会議情報分析部1115
・通信部1116
【0068】
フリーアドレス管理システム1011の利用者情報データベース1111には図10のような下記の情報を有している。
・利用者の一覧
・利用者のメールアドレス
・利用者の出社予定
【0069】
フリーアドレス管理システム1011の座席情報データベース1112は、下記図11、12、13を有している。
・オフィスのフリーアドレスのレイアウト
・フリーアドレスで隣接する席の情報
・席の利用状況と使用者情報
【0070】
予定管理システム1012は、下記から構成される。
・会議情報データベース1121
・通信部1122
会議情報データベース1113には、利用者の会議時間や会議の参加者の情報が格納されている。
【0071】
[システムの動作]
[出社予定情報の入力]
利用者が出社予定情報を入力する際の動作を図14に示す。利用者は、自身の予定を端末装置1013の入力部1133から出社予定の情報を入力する(ステップS1100)。フリーアドレス管理システム1011フリーアドレス管理システム1011入力された情報は、端末装置1013の通信部1131からフリーアドレス管理システム1011に情報を送信する(ステップS1101)。フリーアドレス管理システム1011は、受信した情報を利用者情報データベース1111に格納する(ステップS1102)。
【0072】
[会議情報の入力]
利用者が会議情報を入力する際の動作を図15に示す。利用者は、自身の予定を端末装置1013の入力部1133から下記の会議情報を入力する(ステップS1200)。
・会議の日時
・参加者
入力された会議情報は、端末装置1013の通信部1131から予定管理システム1012に情報を送信する(ステップS1201)。予定管理システムは、受信した情報を会議情報データベース1121に格納する(ステップS1202)。会議情報データベース1121が更新されたら、フリーアドレス管理システム1011に更新した情報を送信する(ステップS1203)。フリーアドレス管理システム1011の会議情報分析部1115が、受信した会議情報の会議の参加者の情報から社外の会議であるかを解析する(ステップS1204)。解析には、たとえばメールアドレスのドメイン(メールアドレスuser1@xxx.xxxのxxx.xxx)部で判断する。取得した情報と解析した情報を会議情報データベース1113に格納する(ステップS1205)。
【0073】
[座席配置を決定する利用者の順番の決定方法]
座席決定部1114で利用者の座席配置を決める。その手順の概略を図16に示す。フリーアドレス管理システム1011の利用者情報データベース1111から、出社予定となっている利用者を抽出する(ステップS1300)。抽出した利用者の会議予定情報(会議時間・参加者)を会議情報データベース1113から取得する。利用者すべての組み合わせに対して社外・社内の会議が重複している時間を確認する(ステップS1302、S1303)。このとき、同一会議に出席している場合は、会議が重複しているものとしない。利用者毎に隣席の候補者を検索していく。隣席の候補者は、図17の優先順位をもとに優先度を決めていく。(ステップS1304)図13の会議情報から各利用者の隣席の候補者の優先度を決めた場合、図18のようになる。
【0074】
次に利用者の座席配置を決めていくが、順番は社外会議の重複時間が長い利用者を優先的に決めていき、次に社内会議の重複時間が長い利用者を決めていく(ステップS1305)。また、座席配置を決める際は、隣席数の少ない場所へ優先的に割り当てる。また、どうしても会議の重複する利用者しか割り当てられない場合、空席があれば優先順位の高い利用者から順位に空席を割り当てる(ステップS1306)。
【0075】
例として図19の座席配置を決定する場合の手順について記載する。利用者の会議情報は図13とする。そのため、利用者毎の隣席候補者は図18となる。図18の隣席のレイアウト情報は図20のようになる。同じ優先順位の場合はIDの小さいものから選択していく。図18で利用者ID4、5の優先順位が一番高い。同じ優先順位の場合、利用者IDが小さいものを先にするため、利用者ID4の座席配置から決めることとなる。
【0076】
図19、20から座席の隣席数が一番少ないのは、1、3、4、6であるので、座席IDの小さな座席ID1に利用者ID4を配置する。利用者ID4の隣席候補者としては、利用者ID1、6の優先順が高いので利用者ID1を座席ID2へ、利用者ID6を座席ID4へ配置する。次に利用者ID5を座席ID3へ配置する。利用者ID5の隣席候補者としては、利用者ID2の優先順が高いので、座席ID6へ配置する。最後に利用者ID3を座席ID5に配置する。
【0077】
[発明の他の実施例]
実施例の動作の説明で説明した方法は、座席管理システムが利用者の座席位置を指定する方法であった。しかし、フリーアドレスは利用者が座席位置を選ぶ使用方法もある。ここでは、利用者がフリーアドレスの座席位置を選んだ場合の実施例を記載する。
【0078】
[座席の選択]
利用者は、端末装置1013を用いてフリーアドレス管理システムへアクセスする。端末装置1013の表示部1132には、図21のようなフリーアドレスオフィスエリアの配置図と空席情報が表示される。利用者は端末装置1013の入力部1133から空席を選択することで、座席を選ぶことができる。
【0079】
[座席位置の決定方法]
利用者がフリーアドレスの空席を選択するとフリーアドレス管理システムは、座席を指定した利用者の会議情報と選択された隣席の利用者の会議情報を取得する。このとき、隣席の利用者の会議と会議時間が重複していた場合は、端末装置1013の表示部1132に警告を出して他の席への登録を促す。図22のような会議予定があった場合に利用者7が座席ID4の空席を選択した場合、図23のような警告を出す。
【0080】
[効果の説明]
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得るが、以下には限られな
い。
[付記1]
上述の第一の視点に係る配置装置のとおりである。
[付記2]
居室内参加者配置決定部は、さらに居室内参加者毎に、配置決定の優先順位に基づいた順序で前記居室内参加者の配置の決定を行う、好ましくは付記1に記載の配置装置。
[付記3]
会議開催予定情報の内、複数の会議が同一の時刻に開催されているかを検出する同一時刻開催検出部、を有し、前記居室内参加者配置決定部は、前記複数の会議が同一の時刻に開催されているとの検出結果の場合に、所定の条件で前記居室内参加者の配置を決定する、好ましくは付記1又は2に記載の配置装置。
[付記4]
居室内参加者配置決定部は、前記所定の条件として、互いに異なる会議へ参加する前記居室内参加者同士の配置が、居室内で隣接しないように配置を決定する、好ましくは付記3に記載の配置装置。
[付記5]
前記同一時刻開催検出部が同一時刻に複数の会議が開催されていることを検出した場合において、前記会議参加者情報を参照し、前記利用者の会社に所属する者以外の者を検出する、社外参加者検出部を、さらに有する、好ましくは付記3に記載の配置装置。
[付記6]
社外参加者検出部が社外参加者を検出した場合に、前記利用者に対し通知を行う通知部をさらに有する、好ましくは付記5に記載の配置装置。
[付記7]
居室内参加者配置決定部は、前記社外参加者検出部が社外参加者を検出した場合において、配置決定の優先順位を社外参加者の数に応じて設定して居室内参加者の配置を決定する、好ましくは付記5に記載の配置装置。
[付記8]
上記第二の視点に係るシステムのとおりである。
[付記9]
上記第三の視点に係る方法のとおりである。
[付記10]
上記第四の視点に係るプログラムのとおりである。
【符号の説明】
【0081】
01 :配置装置
02 :利用者スケジュール情報取得部
03 :会議開催予定情報取得部
04 :会議参加者情報取得部
05 :居室内配置情報取得部
06 :居室内参加者抽出部
07 :居室内参加者配置決定部
08 :同一時刻開催検出部
09 :社外参加者検出部
10 :通知部
11 :配置結果送信部
20 :端末
21 :利用者個人スケジュール情報保持部
22 :出力部
30 :会議管理装置
31 :会議開催予定情報保持部
32 :会議参加者情報保持部
101 :CPU
102 :メモリ
103 :入出力インタフェース
104 :NIC
105 :内部バス
1000:座席位置決定システム
1011:フリーアドレス管理システム
1012:予定管理システム
1013:端末装置
1014:ネットワーク
1111:利用者情報データベース
1112:座席情報データベース
1113:会議情報データベース
1114:座席決定部
1115:会議情報分析部
1116:通信部
1121:会議情報データベース
1122:通信部
1131:通信部
1132:表示部
1133:入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者のスケジュール情報である利用者スケジュール情報を取得する利用者スケジュール情報取得部と、
会議の開催予定情報である会議開催予定情報を取得する会議開催予定情報取得部と、
前記会議開催予定情報の内、複数の会議が同一の時刻に開催されているかを検出する同一時刻開催検出部と、
前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を取得する会議参加者情報取得部と、
居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する居室内配置情報取得部と、
前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する、居室内参加者抽出部と、
居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて居室内参加者の配置を決定する居室内参加者配置決定部と、
を有し、
前記居室内参加者配置決定部は、前記複数の会議が同一の時刻に開催されているとの検出結果の場合に、所定の条件で前記居室内参加者の配置を決定する、
配置装置。
【請求項2】
前記居室内参加者配置決定部は、さらに居室内参加者毎に、配置決定の優先順位に基づいた順序で前記居室内参加者の配置の決定を行う、
請求項1の配置装置。
【請求項3】
前記居室内参加者配置決定部は、前記所定の条件として、互いに異なる会議へ参加する前記居室内参加者同士の配置が、居室内で隣接しないように配置を決定する、
請求項1又は2の配置装置。
【請求項4】
前記同一時刻開催検出部が同一時刻に複数の会議が開催されていることを検出した場合において、前記会議参加者情報を参照し、前記利用者の会社に所属する者以外の者を検出する、社外参加者検出部を、さらに有する、
請求項1又は2の配置装置。
【請求項5】
前記社外参加者検出部が社外参加者を検出した場合に、前記利用者に対し通知を行う通知部をさらに有する、請求項の配置装置。
【請求項6】
前記居室内参加者配置決定部は、前記社外参加者検出部が社外参加者を検出した場合において、配置決定の優先順位を社外参加者の数に応じて設定して居室内参加者の配置を決定する、
請求項の配置装置。
【請求項7】
端末と、配置装置と、会議管理装置と、を有する配置システムであって、
前記端末は、
利用者個人のスケジュール情報である利用者個人スケジュール情報を保持する利用者個人スケジュール情報保持部と、
前記配置装置による配置結果を出力する出力部と、
を有し、
前記会議管理装置は、
会議の開催予定である会議開催予定情報を保持する会議開催予定情報保持部と、
前記会議開催予定情報と関連付けられた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を保持する会議参加者情報保持部と、
を有し、
前記配置装置は、
各利用者の利用者個人スケジュール情報を取得する利用者スケジュール情報取得部と、
前記会議開催予定情報を取得する会議開催予定情報取得部と、
前記会議開催予定情報の内、複数の会議が同一の時刻に開催されているかを検出する同一時刻開催検出部、を有し、
前記会議参加者情報を取得する会議参加者情報取得部と、
居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する居室内配置情報取得部と、
前記会議参加者情報と、前記利用者個人スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する、居室内参加者抽出部と、
前記居室内参加者と、前記居室内配置情報と、に基づいて前記居室内参加者の配置を決定する居室内参加者配置決定部と、
居室内参加者配置を配置結果として端末に送信する配置結果送信部と、
を有し、
前記居室内参加者配置決定部は、前記複数の会議が同一の時刻に開催されているとの検出結果の場合に、所定の条件で前記居室内参加者の配置を決定する、
配置システム。
【請求項8】
コンピュータが利用者のスケジュールである利用者スケジュール情報を取得するステップと、
前記コンピュータが会議の開催予定である会議開催予定情報を取得するステップと、
前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記会議開催予定情報の内、複数の会議が同一の時刻に開催されているかを検出するステップと、
居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を前記コンピュータが取得するステップと、
前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を前記コンピュータが抽出するステップと、
前記複数の会議が同一の時刻に開催されているとの検出結果の場合に、居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて、所定の条件で居室内参加者の配置を前記コンピュータが決定するステップと、を含む配置方法。
【請求項9】
利用者のスケジュールである利用者スケジュール情報を取得する処理と、
会議の開催予定である会議開催予定情報を取得する処理と、
前記会議開催予定情報の内、複数の会議が同一の時刻に開催されているかを検出する処理と、
前記会議開催予定情報と関連付けた、会議に参加する者の情報である会議参加者情報を取得する処理と、
居室内の配置に関する情報である居室内配置情報を取得する処理と、
前記会議参加者情報と、前記利用者スケジュール情報と、に基づいて会議開催の際、前記居室内に在室する者である居室内参加者を抽出する処理と、
前記複数の会議が同一の時刻に開催されているとの検出結果の場合に、居室内参加者と、居室内配置情報と、に基づいて、所定の条件で居室内参加者の配置を決定する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。