(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090420
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20240627BHJP
D06F 17/12 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
D06F39/08 301B
D06F39/08 301Z
D06F17/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206328
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】永井 孝之
(72)【発明者】
【氏名】田島 登
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 純也
(72)【発明者】
【氏名】辻 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】石崎 歩
【テーマコード(参考)】
3B166
3B168
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA04
3B166AA05
3B166AB22
3B166AB30
3B166AE02
3B166BA19
3B166BA34
3B166BA52
3B166BA58
3B166BA73
3B166BA84
3B166CA01
3B166CA11
3B166CB02
3B166CB12
3B166CB13
3B166CC02
3B166CD02
3B166CD05
3B166CD15
3B166DB03
3B166DB18
3B166DC03
3B166DC13
3B166DC22
3B166DC37
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE06
3B166EA03
3B166EA11
3B166EA17
3B166EB03
3B166EB17
3B166ED05
3B166FA01
3B166FA06
3B166FA12
3B166FB01
3B166FB04
3B166FB05
3B166FB08
3B166GA02
3B166GA05
3B166GA06
3B166GA12
3B166GA14
3B168AA02
3B168AA04
3B168AA05
3B168AB22
3B168AB30
3B168AE02
3B168BA19
3B168BA34
3B168BA52
3B168BA58
3B168BA73
3B168BA84
3B168FA01
3B168FA06
3B168FA12
(57)【要約】
【課題】洗剤泡が洗濯物に長く浸透しやすくなることにより、洗濯物の洗浄効果が高まりやすいドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】ドラム式洗濯機1は、筐体10内に配置された外槽20と、洗濯物が収容されるドラム23と、液体洗剤が貯められる液剤タンク220と、第2給水バルブ120の開放により、水道栓から送られてきた水が流れるサブ給水路235と、サブ給水路235に設けられ、液剤タンク220から排出された液体洗剤が流入する洗剤流入口237と、サブ給水路235に接続され、洗剤流入口237からサブ給水路235に流入し、サブ給水路235を流れる水により希釈された液体洗剤が、洗剤液として貯められる貯液槽290と、貯液槽290から取り込んだ洗剤液を発泡させて洗剤泡を生成する泡生成モジュール310と、洗剤泡をドラム23内に放出する泡放出ノズル320と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置された外槽と、
前記外槽内に水平な回転軸周りまたは水平方向に対して傾斜する回転軸周りに回転可能に配置され、洗濯物が収容されるドラムと、
液体洗剤が貯められる液剤タンクと、
水道栓に繋がる給水バルブと、
前記給水バルブの開放により、前記水道栓から送られてきた水が流れる第1給水路と、
前記第1給水路に設けられ、前記液剤タンクから排出された前記液体洗剤が流入する流入口と、
前記第1給水路に接続され、前記流入口から前記第1給水路に流入し、前記第1給水路を流れる水により希釈された前記液体洗剤が、洗剤液として貯められる貯液槽と、
前記貯液槽から取り込んだ前記洗剤液を発泡させることにより洗剤泡を生成する泡生成部と、
前記泡生成部で生成された前記洗剤泡を前記ドラム内に放出する泡放出部と、
を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記給水バルブの開放により、前記水道栓から送られてきた水が前記外槽内へ供給されるために流れる第2給水路を、さらに備え、
前記第1給水路は、前記第2給水路から分岐し、
前記第1給水路には、前記第2給水路を流れる水の一部が流入する、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項3】
請求項2に記載のドラム式洗濯機において、
前記第1給水路は、前記第2給水路に接する直立した壁面に、前記第2給水路に繋がる入水口を有し、
前記入水口の開口面積が前記第1給水路の流路断面積よりも小さい、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項4】
請求項1に記載のドラム洗濯機において、
前記第1給水路の底面には、前記流入口から前記貯液槽に向かって下る勾配が設けられる、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項5】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記貯液槽は、規定水量よりも多くの前記洗剤液が貯められたときに前記洗剤液が溢れる溢水口を有し、
前記溢水口から溢れた前記洗剤液を前記外槽内へ排出させる排出経路を、さらに備える、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載のドラム洗濯機において、
前記泡放出部は、
前記洗剤泡が放出される放出口と、
前記放出口に向かって前記洗剤泡が流れる流路と、を含み、
前記流路には、当該流路を塞ぐように、メッシュ状のフィルタが配置される、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項7】
請求項1ないし5の何れか一項に記載のドラム洗濯機において、
前記泡放出部は、
前記泡放出部の先端部に設けられ、前記洗剤泡が放出される放出口と、
前記放出口に向かって前記洗剤泡が流れる流路と、を含み、
前記放出口は、前記泡放出部を正面から見て左右方向に延び、前方向および左右方向に開口する、
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転ドラムと水槽とを含む収容槽と、循環ポンプと、泡生成部とを備え、洗い工程において、収容槽内に溜められた洗剤を含む水(以下、「洗剤水」と称する)が循環ポンプにより泡生成部へ送られ、泡生成部により泡が生成されて収容槽に送られるドラム式の洗濯機が、特許文献1に記載されている。この洗濯機では、洗い工程において、収容槽、即ち回転ドラム内の衣類が泡との接触により効果的に洗浄される。泡は、発泡した洗剤、即ち洗剤泡である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の洗濯機では、収容槽、即ち水槽内に溜められた洗剤水から洗剤泡が生成される。このため、水槽内に洗剤水が溜まるのを待つ必要があるので、洗い工程における早い段階から衣類、即ち洗濯物に洗剤泡を接触させることが難しい。
【0005】
洗い工程における早い段階から洗濯物に洗剤泡を接触させることができれば、洗剤泡が洗濯物に長く浸透しやすくなり、より効果的に衣類を洗浄することが可能となる。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、洗剤泡が洗濯物に長く浸透しやすくなることにより、洗濯物の洗浄効果が高まりやすいドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる態様に係るドラム式洗濯機は、筐体内に配置された外槽と、前記外槽内に水平な回転軸周りまたは水平方向に対して傾斜する回転軸周りに回転可能に配置され、洗濯物が収容されるドラムと、液体洗剤が貯められる液剤タンクと、水道栓に繋がる給水バルブと、前記給水バルブの開放により、前記水道栓から送られてきた水が流れる第1給水路と、前記第1給水路に設けられ、前記液剤タンクから排出された前記液体洗剤が流入する流入口と、前記第1給水路に接続され、前記流入口から前記第1給水路に流入し、前記第1給水路を流れる水により希釈された前記液体洗剤が、洗剤液として貯められる貯液槽と、前記貯液槽から取り込んだ前記洗剤液を発泡させることにより洗剤泡を生成する泡生成部と、前記泡生成部で生成された前記洗剤泡を前記ドラム内に放出する泡放出部と、を備える。
【0008】
たとえば、泡生成部は、ベンチュリ管を含み、水道栓に繋がる泡生成用給水バルブの開放によりベンチュリ管に供給された水がベンチュリ管を流れるときに生じる負圧により空気と貯液槽内の洗剤液とをベンチュリ管内に取り込み、洗剤液を発泡させて洗剤泡を生成するような構成とすることができる。
【0009】
本態様に係るドラム式洗濯機によれば、洗い工程での給水工程において、給水バルブが開放されると、第1給水路を水が流れ、当該水により希釈された液体洗剤が、洗剤液として貯液槽に貯められる。そして、泡生成部により貯液槽に貯められた洗剤液から洗剤泡が生成され、生成された洗剤泡が泡放出部からドラム内に放出されて、ドラム内の洗濯物に掛けられる。これにより、給水工程の段階、即ち、洗い工程における早い段階から洗剤泡を洗濯物に接触させることができる。よって、洗い工程において、洗剤泡が洗濯物に長く浸透しやすくなり、洗濯物の洗浄効果が高まりやすくなる。
【0010】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記給水バルブの開放により、前記水道栓から送られてきた水が前記外槽内へ供給されるために流れる第2給水路を、さらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記第1給水路が、前記第2給水路から分岐し、前記第1給水路には、前記第2給水路を流れる水の一部が流入するような構成が採られ得る。
【0011】
上記の構成によれば、1つの給水バルブを用いて、第2給水路を介した外槽内への給水と、第1給水路を介した貯液槽へ洗剤液の供給とを行うことができ、構造の簡略化とコストの低減を図ることができる。
【0012】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記第1給水路は、前記第2給水路に接する直立した壁面に、前記第2給水路に繋がる入水口を有するような構成とされ得る。この場合、前記入水口の開口面積が前記第1給水路の流路断面積よりも小さくされ得る。
【0013】
上記の構成によれば、入水口において第1給水路への水の流入量が絞られる。これにより、第1給水路に流れる水の流量を抑えることができるので、貯液槽に規定水量の洗剤液を溜めるための時間の設定など、給水制御が易しくなる。よって、貯液槽内に規定水量の洗剤液を安定して貯めることができる。
【0014】
本態様に係るドラム洗濯機において、前記第1給水路の底面には、前記流入口から前記貯液槽に向かって下る勾配が設けられ得る。
【0015】
上記の構成によれば、第1給水路に導入された液体洗剤が、水とともに貯液槽まで流れやすくなる。これにより、第1給水路内に液体洗剤が残りにくくなり、第1給水路内での洗剤のこびつきが生じにくくなる。
【0016】
本態様に係るドラム式洗濯機において、前記貯液槽は、規定水量よりも多くの前記洗剤液が貯められたときに前記洗剤液が溢れる溢水口を有するような構成とされ得る。この場合、ドラム式洗濯機は、前記溢水口から溢れた前記洗剤液を前記外槽内へ排出させる排出経路を、さらに備えるような構成とされ得る。
【0017】
上記の構成によれば、給水バルブから供給される水の流量のばらつきによって規定水量よりも多くの洗剤液が貯液槽に流れ、貯液槽から洗剤液が溢れても、溢れた洗剤液は、外槽内に供給されるため、洗い工程での洗濯物の洗いに利用できる。
【0018】
本態様に係るドラム洗濯機において、前記泡放出部は、前記洗剤泡が放出される放出口と、前記放出口に向かって前記洗剤泡が流れる流路と、を含むような構成とされ得る。この場合、前記流路には、当該流路を塞ぐように、メッシュ状のフィルタが配置され得る。
【0019】
この構成によれば、洗剤泡がフィルタを通過することによりきめの細かな洗剤泡が生成され、当該きめ細かな洗剤泡が、その生成直後に泡放出部から放出されてドラム内の洗濯物に掛けられる。よって、きめ細な洗剤泡の接触により、洗濯物から汚れを効果的に剥離できる。
【0020】
本態様に係るドラム洗濯機において、前記泡放出部は、前記泡放出部の先端部に設けられ、前記洗剤泡が放出される放出口と、前記放出口に向かって前記洗剤泡が流れる流路と、を含むような構成とされ得る。この場合、前記放出口は、前記泡放出部を正面から見て左右方向に延び、前方向および左右方向に開口するような構成とされ得る。
【0021】
上記の構成によれば、放出口から左右方向に広角に洗剤泡を放出できるので、ドラム内の洗濯物に広く洗剤泡を掛けることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、洗剤泡が洗濯物に長く浸透しやすくなることにより、洗濯物の洗浄効果が高まりやすいドラム式洗濯機を提供できる。
【0023】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯機の構成を示す側面断面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る、給水装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る、第1給水ホースおよび第2給水ホースが取り外された状態の注水ユニットの平面図である。
【
図4】
図4(a)は、実施の形態に係る、サブ給水路の周辺が示された水路形成部材の要部の斜視断面図である。
図4(b)および(c)は、それぞれ、
図4(a)のA-A´部分断面図およびB-B´部分断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る、貯液槽の位置で切断された注水ユニットおよび洗剤泡生成ユニットの正面断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る、泡生成モジュールの分解斜視図である。
【
図7】
図7(a)は、実施の形態に係る、ベンチュリ管の斜視図であり、
図7(b)は、実施の形態に係る、吸液部材の分解斜視図である。
図7(c)は、実施の形態に係る、吸液管の流路断面積と負圧流路の取込口の開口面積の大きさを示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る、ベンチュリ管の縦断面図である。
【
図9】
図9(a)は、実施の形態に係る、泡放出ノズルの斜視図であり、
図9(b)は、実施の形態に係る、第1部材が取り外された状態の泡放出ノズルの斜視図である。
図9(c)は、実施の形態に係る、泡放出ノズルの縦断面図である。
【
図10】
図10(a)、(b)および(c)は、それぞれ、実施の形態に係る、洗剤液貯留工程、洗剤泡供給工程および最終給水工程について説明するための図である。
【
図11】
図11は、変更例1に係る、給水装置の斜視図である。
【
図12】
図12(a)は、変更例1に係る、注水ユニットにおける貯液槽の周辺および洗剤泡生成ユニットを示す正面断面図である。
図12(b)は、変更例1に係る、吸液管の流路断面積と負圧流路の取込口の開口面積の大きさを示す図である。
【
図13】
図13(a)および(b)は、変更例1に係る、泡生成モジュールの構成を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、変更例1に係る、洗剤泡生成ユニットにおけるベンチュリ管の周辺を示す縦断面図である。
【
図15】
図15(a)は、変更例1に係る、正面左側から見た泡放出ノズルの斜視図であり、
図15(b)は、変更例1に係る、
図15(a)のC-C´線で切断された泡放出ノズルの平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態であるドラム式洗濯機について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、ドラム式洗濯機1の構成を示す側面断面図である。
【0027】
ドラム式洗濯機1は、方形状の筐体10を備える。筐体10の前面には、洗濯物が投入される円形の投入口11が形成される。投入口11は、ほぼ円盤状を有する開閉自在なドア12により覆われる。ドア12は、ほぼ円盤状を有する外ドア12aと、外ドア12aの後側に設けられ、筐体10内に張り出す透明な内ドア12bとを含む。外ドア12aは、内ドア12bに対応する部分に透明な窓12cを有する。窓12cおよび内ドア12bを通してドラム23内を見ることができる。
【0028】
筐体10内には、外槽20が配置される。外槽20は、複数のダンパー21とスプリング22とにより弾性的に支持される。外槽20内には、横軸型のドラム23が回転自在に配置される。ドラム23は、水平な回転軸周りに回転する。ドラム23は、前面に円形の開口部23aを有する。ドラム23は、水平方向に対して傾斜する回転軸周りに回転してもよい。
【0029】
外槽20は、その前面であってドラム23の開口部23aの前方に、円形の開口部20aを有する。筐体10の投入口11と外槽20の開口部20aとの間には、弾性を有する環状のパッキン24が設けられる。パッキン24の前側の周縁部が投入口11の周縁部に接続され、パッキン24の後側の周縁部が開口部20aの周縁部に接続される。閉じられたドア12の内ドア12bの周面がパッキン24に接触し、投入口11とドア12との間が水封される。
【0030】
ドラム23の内周面には、多数の脱水孔23bが形成される。また、ドラム23の内周面には、周方向に等しい間隔で、ほぼ三角柱形状を有する3つのバッフル25が設けられる。
【0031】
外槽20の後方には、ドラム23を回転させるためのトルクを発生させる駆動モータ30が配置される。駆動モータ30は、たとえば、アウターロータ型のDCブラシレスモータである。駆動モータ30は、洗い工程およびすすぎ工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力より小さく、洗濯物がタンブリングする回転数でドラム23を回転させる。一方、駆動モータ30は、脱水工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力よりはるかに大きく、洗濯物がドラム23の内周面に張り付く回転数でドラム23を回転させる。
【0032】
外槽20の底部には、排水口部20bが形成される。排水口部20bには、外槽20内から排水を行う排水部40が接続される。排水部40は、排水バルブ41、排水ホース42および排水フィルタ43により構成される。排水口部20bに、排水バルブ41が接続される。排水バルブ41は、たとえば、バルブと、バルブを開閉させるトルクモータとを含む。排水フィルタ43は、排水バルブ41の下流に設けられる。排水フィルタ43に、排水ホース42が接続される。排水バルブ41が開放されると、外槽20内に溜められた水が排水口部20b、排水フィルタ43および排水ホース42を通じて機外に排出される。リント等の異物が排水フィルタ43により捕獲される。
【0033】
筐体10内の上部には、給水装置50が配置される。給水装置50は、主として、外槽20内に給水を行う機能と、液剤タンク220に貯められた液体洗剤および液体柔軟剤を外槽20内に自動投入する機能とを有する。給水装置50は、液体洗剤を投入する際、当該液体洗剤を発泡させて、発泡した洗剤である洗剤泡を生成し、生成した洗剤泡をドラム23内に放出する。
【0034】
ドラム式洗濯機1は、洗濯物を乾燥させる機能を有する。このため、ドラム式洗濯機1は、図示しない乾燥装置を備える。乾燥装置は、外槽20に接続される循環路を備える。循環路内には、送風ファン、冷却器および加熱器が配置される。加熱器で加熱された空気が送風ファンの動作により外槽20と循環路との間で循環し、ドラム23内の洗濯物が乾燥する。外槽20内から循環路に戻ってきた空気は、加熱器で加熱される前に冷却器で冷却され除湿される。さらに、循環路内には、循環する空気に含まれたリント等の異物を捕獲する乾燥フィルタと、乾燥フィルタの表面に水を流して乾燥フィルタを清掃する給水部材とが配置される。
【0035】
次に、給水装置50の構成について、詳細に説明する。
【0036】
【0037】
給水装置50は、バルブユニット51と、注水ユニット52と、洗剤泡生成ユニット53と、を備える。
【0038】
バルブユニット51は、第1給水バルブ110、第2給水バルブ120および第3給水バルブ130を含む。バルブユニット51の給水口51aは、図示しない接続ホースを介して水道栓に接続される。給水口51aは、第1給水バルブ110、第2給水バルブ120および第3給水バルブ130の入口に接続される。よって、第1給水バルブ110、第2給水バルブ120および第3給水バルブ130は、水道栓に繋がる。第2給水バルブ120は、本発明の給水バルブに相当する。
【0039】
第2給水バルブ120の定格流量は、たとえば、約12L/分とされる。第1給水バルブ110の定格流量は、第2給水バルブ120の定格流量よりも小さくされ、たとえば、7±2L/分とされる。
【0040】
図3は、第1給水ホース250および第2給水ホース260が取り外された状態の注水ユニット52の平面図である。
図4(a)は、サブ給水路235の周辺が示された水路形成部材230の要部の斜視断面図である。
図4(b)および(c)は、それぞれ、
図4(a)のA-A´部分断面図およびB-B´部分断面図である。
図5は、貯液槽290の位置で切断された注水ユニット52および洗剤泡生成ユニット53の正面断面図である。
図3では、注水ユニット52が、水路形成部材230の上部材230aが取り外された状態で示されている。
図4(a)では、水路形成部材230の上部材230aが水平方向に切断されている。
図5では、A部拡大図が併記されている。
【0041】
図2ないし
図5を参照して、注水ユニット52は、注水口部材210と、液剤タンク220と、水路形成部材230と、注水ホース240と、第1給水ホース250と、第2給水ホース260と、洗剤ポンプ270と、柔軟剤ポンプ280と、を含む。
【0042】
注水口部材210は、前面および上面が開口する箱状を有する。注水口部材210の底部には、下方に突出する円筒状の注水口211が設けられる。注水口211には、注水ホース240の上端が接続される。注水ホース240の下端は、外槽20に接続される。
【0043】
液剤タンク220は、注水口部材210内に、前方へ引出可能に収容される。液剤タンク220の内部は、液体洗剤が収容される洗剤室221と液体柔軟剤が収容される柔軟剤室222とに区画される。洗剤室221の後面下部には、後方に開口する洗剤排出口223が形成される。また、柔軟剤室222の後面下部には、後方に開口する柔軟剤排出口224が形成される。注水口部材210の内部には液剤タンク220の下方に隙間が形成され、当該隙間が水路形成部材230から排出された水の流路212となる。
【0044】
液剤タンク220は、筐体10の前面に設けられた収容口13を通じて注水口部材210に収容される。液剤タンク220の前面には、収容口13を塞ぐ扉14が取り付けられる。ユーザは、液剤タンク220を前方に引き出して、洗剤室221内および柔軟剤室222内に、それぞれ、液体洗剤および液体柔軟剤を補充する。
【0045】
水路形成部材230は、注水口部材210の上面に配置されて注水口部材210よりも後方に張り出す。水路形成部材230は、上部材230aと下部材230bとを結合することにより形成される。水路形成部材230の後部に設けられた導入管231に、第1給水ホース250の出口が接続される。第1給水ホース250の入口は、第2給水バルブ120の出口に接続される。
【0046】
水路形成部材230の内部には、メイン給水路232が形成される。メイン給水路232は、その始端が水路形成部材230の左後端部に位置し、前方へ延びた後に渦巻の迷路のような形に曲がりくねり、その終端が水路形成部材230の中央部右側に設けられた注水室233に繋がる。注水室233の底面には、注水口部材210の内部に繋がる多数の円形や方形の注水孔233aが形成される。メイン給水路232は、本発明の第2給水路に相当する。
【0047】
液剤タンク220の洗剤室221は、水路形成部材230の注水室233の真下を避けるような形状を有しており、注水室233の真下の位置には、粉末洗剤等が収容される洗剤受皿(図示せず)が液剤タンク220と一体に設けられる。洗剤受皿には、注水口部材210の底部の流路212に繋がる出水口が設けられる。注水室233から注水口部材210内に排出された水は、洗剤受皿を介して流路212に至る。
【0048】
メイン給水路232の始端には、流入口232aが形成される。導入管231が流入口232aに繋がる。流入口232aには、逆止弁234が設けられる。導入管231から水が流入口232aに流入すると、水圧により逆止弁234が開く。
【0049】
水路形成部材230の内部には、注水室233の後方の右端部の位置に、貯液槽290が設けられる。貯液槽290は、左右方向に扁平な直方体の箱状を有する。貯液槽290には、後端部の上端に、左方に開口する流入口291と、後方に開口する溢水口292とが設けられる。貯液槽290は、その底面部の中央部に、下方に凹む円形の凹部293を有する。凹部293の周縁部には、周方向に沿って複数のガイドリブ294が形成される。
【0050】
水路形成部材230の内部には、サブ給水路235が形成される。サブ給水路235は、メイン給水路232から分岐し、前方および右方へ延びて貯液槽290の流入口291に繋がる。サブ給水路235は、本発明の第1給水路に相当する。
【0051】
図4(a)および(b)に示すように、サブ給水路235は、メイン給水路232に接する直立した壁面235aに、メイン給水路232に繋がる方形の入水口235bを有する。入水口235bは、メイン給水路232の底面から上方に離れた位置に設けられている。
図4(c)に示すように、サブ給水路235は、その流路断面が方形状を有する。入水口235bの開口面積S1は、サブ給水路235の流路断面積S2よりも小さくなっている。
【0052】
水路形成部材230の内部には、貯液槽290の溢水口292に隣接するように、排出口236が形成される。排出口236は注水口部材210の内部に連通し、排出口236から排出された水が注水口部材210の底部の流路212に至るようになっている。
【0053】
サブ給水路235には、洗剤流入口237が形成され、メイン給水路232には、柔軟剤流入口238が形成される。サブ給水路235の底面には、少なくとも洗剤流入口237から貯液槽290に向かって下る勾配が設けられる。本実施の形態では、入水口235bから貯液槽290にかけて、サブ給水路235の底面が下り勾配となっている。洗剤流入口237は、本発明の流入口に相当する。
【0054】
図3に示すように、注水口部材210の後方には、洗剤ポンプ270および柔軟剤ポンプ280が配置される。洗剤ポンプ270は、たとえば、ピストンポンプであり、その吸込口が洗剤室221の洗剤排出口223に接続され、その吐出口が洗剤流入口237に接続される。柔軟剤ポンプ280は、たとえば、ピストンポンプであり、その吸込口が柔軟剤室222の柔軟剤排出口224に接続され、その吐出口が柔軟剤流入口238に接続される。
【0055】
洗剤ポンプ270の動作により、洗剤室221内の液体洗剤がサブ給水路235内に送られる。洗剤流入口237からサブ給水路235内に流入した液体洗剤は、第2給水バルブ120から供給されてサブ給水路235を流れる水で押し流され、当該水により希釈され、洗剤液として貯液槽290内に貯まる。
【0056】
柔軟剤ポンプ280の動作により、柔軟剤室222内の液体柔軟剤がメイン給水路232内に送られる。柔軟剤流入口238からメイン給水路232内に流入した液体洗剤は、第2給水バルブ120から供給されてメイン給水路232を流れる水で押し流され、最終的に外槽20内に投入される。液体柔軟剤は、すすぎ工程の給水時に外槽20内に投入される。
【0057】
水路形成部材230の内部には、後部に、フィルタ用給水路239が設けられる。フィルタ用給水路239の始端には、流入口239aが形成される。流入口239aには、逆止弁239bが設けられる。流入口239aに繋がる導入管239cに、第2給水ホース260の出口が接続される。第2給水ホース260の入口は、第3給水バルブ130の出口に接続される。フィルタ用給水路239の終端には、流出口239dが設けられる。流出口239dに繋がる導出管239eが、図示しない接続ホースを介して乾燥装置の給水部材に接続される。第3給水バルブ130が開放されると、第2給水ホース260、フィルタ用給水路239および接続ホースを介して給水部材に水が送られる。
【0058】
図2に示すように、洗剤泡生成ユニット53は、泡生成モジュール310と、泡放出ノズル320と、第1ホース330と、第2ホース340と、を含む。泡生成モジュール310と第1給水バルブ110とが第1ホース330により接続される。また、泡生成モジュール310と泡放出ノズル320とが第2ホース340により接続される。泡生成モジュール310は、本発明の泡生成部に相当し、泡放出ノズル320は、本発明の泡放出部に相当する。
【0059】
図6は、泡生成モジュール310の分解斜視図である。
図7(a)は、ベンチュリ管400の斜視図であり、
図7(b)は、吸液部材500の分解斜視図である。
図7(c)は、吸液管520の流路断面積S3と負圧流路462の取込口462aの開口面積S4の大きさを示す図である。
図8は、ベンチュリ管400の縦断面図である。
【0060】
泡生成モジュール310は、ベンチュリ管400と吸液部材500とを組み合わせることにより構成される。ベンチュリ管400および吸液部材500は、たとえば、樹脂材料により形成される。
【0061】
ベンチュリ管400は、管本体410と、管接続部420と、第1取付タブ430と、第2取付タブ440と、第3取付タブ450と、を含む。
【0062】
管本体410の内部には、ベンチュリ構造を有する流路460(以下、ベンチュリ流路460と称する)が形成される。ベンチュリ流路460は、断面が円形状有する流入路461と、断面が半長円形状を有し、流入路461の下流に位置する負圧流路462と、断面が円形状を有し、負圧流路462の下流に位置する流出路463と、を含む。
【0063】
流入路461には、出口部分に、流路断面積が下流に向かって小さくなる絞り部464が設けられる。絞り部464は、流入路461の出口である円形状の出口464aを有する。負圧流路462の半円形部分の中心は、絞り部464の出口464aの中心と一致する。
【0064】
流出路463は、絞り部464の出口464aと対向して当該出口464aと同心円となる入口463aを有するとともに、入口463aから下流に向かって流路断面積が徐々に大きくなる拡径部463bと、当該拡径部463bに続く、流路断面積が一定の定径部463cとを含む。入口463aの直径D2は、絞り部464の出口464aの直径D1よりも大きくされている。
【0065】
負圧流路462の流路断面積は、絞り部464の出口464aの開口面積および流出路463の入口463aの開口面積よりも大きくされている。
【0066】
管接続部420は、負圧流路462に隣接するように、管本体410の前部に設けられる。管接続部420は、扁平な円筒状を有し、左方向に開口する。管接続部420の底面には、負圧流路462への入口が洗剤液の取込口462aとして設けられる。管接続部420内には、Oリング421が配置される。
【0067】
第1取付タブ430は、管本体410の前部の上側に設けられる。第1取付タブ430には、左右方向を向く2つの挿通孔431が、管接続部420を挟むようにして前後に形成される。
【0068】
第2取付タブ440は、管本体410の前部の下側に設けられる。第2取付タブ440には、左右方向を向く2つの挿通孔441が、管接続部420を挟むようにして前後に形成される。
【0069】
第3取付タブ450は、管本体410の後部に設けられる。第3取付タブ450には、上下方向を向くの挿通孔451が形成される。
【0070】
吸液部材500は、ベース部510と、吸液管520と、一対の第1取付ボス530と、一対の第2取付ボス540と、第3取付ボス550と、を含む。
【0071】
ベース部510は、前後方向に長尺な部材である。ベース部510には、前後方向に並ぶように3つの挿通孔511が形成される。さらに、ベース部510には、2つの位置決め孔512が形成される。
【0072】
吸液管520は、第1管521と第2管522とにより構成される。第1管521は、逆L字形状を有し、ベース部510の前部に、ベース部510と一体形成される。第2管522は、細長い円筒状を有し、下方から第1管521に接続される。
【0073】
吸液管520は、その入口520aが下方向を向き、その出口520bが右方向を向く。吸液管520には、出口520bの近傍に、円環状のフランジ部523が設けられる。また、吸液管520には、第2管522の上部に、円形の吸気孔524が形成される。
【0074】
一対の第1取付ボス530は、円柱状を有し、ベース部510における第1取付タブ430に対応する位置に、そのネジ孔531が左方向に向くように設けられる。一対の第2取付ボス540は、円柱状を有し、ベース部510における第2取付タブ440に対応する位置に、そのネジ孔541が左方向に向くように設けられる。第3取付ボス550は、円柱状を有し、ベース部510における第3取付タブ450に対応する位置に、そのネジ孔551が上方向に向くように設けられる。
【0075】
水路形成部材230の上部材230aには、貯液槽290に対応する部分を凹ませることにより、貯液槽290の天面部290aが構成される。上部材230aには、天面部290aと天面部290aの前方とに、吸液部材500の3つの挿通孔511と2つの位置決め孔512にそれぞれ対応する、3つの取付ボス295と2つの位置決めピン296とが設けられる。各取付ボス295には、ネジ孔295aが形成される。さらに、天面部290aには、吸液部材500の吸液管520に対応して、貯液槽290内に連通する円形の開口部297が設けられる。天面部290aには、開口部297の周囲にOリング298が配置される。
【0076】
泡生成モジュール310が組み立てられる際には、ベンチュリ管400と吸液部材500とが左右方向に合される。第1取付タブ430の2つの挿通孔431を通された2つのネジ610が一対の第1取付ボス530のネジ孔531に止められる。第2取付タブ440の2つの挿通孔441を通された2つのネジ620が一対の第2取付ボス540のネジ孔541に止められる。第3取付タブ450の挿通孔451を通されたネジ630が第3取付ボス550のネジ孔551に止められる。これにより、ベンチュリ管400と吸液部材500とが結合され、泡生成モジュール310が完成する。
【0077】
図5に示すように、吸液管520のフランジ部523がベンチュリ管400の管接続部420内に嵌め込まれ、吸液管520の出口520bがベンチュリ管400の負圧流路462の取込口462aに接続される。フランジ部523と管接続部420との間がOリング421によって水封される。なお、
図7(c)示すように、吸液管520の流路断面積S3は、負圧流路462の取込口462aの開口面積S4よりも大きくされている。さらに、吸液管520の流路断面積S3は、絞り部464の出口464aの開口面積よりも大きくされている。
【0078】
泡生成モジュール310の吸液部材500が、貯液槽290の天面部290aに装着される。この際、2つの位置決め孔512に位置決めピン296が挿入されることにより、吸液部材500が位置決めされ、3つの挿通孔511を通されたネジ640が、3つの取付ボス295のネジ孔295aに止められる。
【0079】
図5に示すように、吸液部材500の吸液管520が天面部290aの開口部297を通されて貯液槽290内に挿入される。開口部297と吸液部材500との間がOリング298により水封される。吸液管520の下端部がガイドリブ294に案内されることにより、吸液管520の入口520aが凹部293内に収容される。吸液管520の吸気孔524は、貯液槽290の溢水口292の下縁よりも僅かに高い位置に存在する。即ち、吸気孔524の位置は、貯液槽290に貯められる洗剤液の水位よりも高くなる。さらに、吸液管520の出口520b、即ち負圧流路462の取込口462aは、貯液槽290の溢水口292よりも高い位置に存在する。
【0080】
吸液管520の吸気孔524は、上方から見て貯液槽290の領域内に存在する。このため、吸気孔524よりも上の吸液管520の部分に残った洗剤液や水が、吸液管520の内壁面を伝って吸気孔524から外に漏れ出しても、洗剤液や水は、貯液槽290内に戻り、貯液槽290の外には出ない。
【0081】
泡生成モジュール310において、ベンチュリ流路460の流入路461に第1ホース330の出口が接続され、ベンチュリ流路460の流出路463に第2ホース340の入口が接続される。第1ホース330および第2ホース340は、たとえば、ゴム、塩化ビニル等の柔軟な材料により形成される。
【0082】
なお、本実施の形態では、ベンチュリ流路460は、流入路461における絞り部464よりも上流側の部分が、一定の流路断面積を有しておらず、中間部分の流路断面積が前部分および後部分の流路断面積よりも大きくなっている。しかしながら、ベンチュリ流路460は、
図8の破線に示すように、流入路461の中間部分の流路断面積が前部分および後部分の流路断面積と等しくされてもよい。
【0083】
図9(a)は、泡放出ノズル320の斜視図であり、
図9(b)は、第1部材320aが取り外された状態の泡放出ノズル320の斜視図である。
図9(c)は、泡放出ノズル320の縦断面図である。
【0084】
泡放出ノズル320は、第1部材320aと第2部材320bとを結合することにより構成される。泡放出ノズル320は、その内部が流路321となるよう、中空の円柱状を有する。泡放出ノズル320の基端部には、流路321に繋がる円筒状の接続口322が形成される。接続口322には、第2ホース340の出口が接続される。
【0085】
泡放出ノズル320の先端部は、丸く膨らんでヘッド部323となる。ヘッド部323は、正面視において円形状を有する。さらに、ヘッド部323の周縁部は円弧形状(R形状)を有しており角張っていない。よって、洗濯物が、ドラム23内への投入時にヘッド部323に当たっても傷つきにくい。
【0086】
ヘッド部323には、放出口324が形成される。放出口324は、スリット形状を有し、泡放出ノズル320を正面から見て左右方向に円弧形状である周縁部分まで延び、前方向および左右方向に開口する。
【0087】
泡放出ノズル320の内部には、流路321を遮るようにして、円板状に形成された、メッシュ状のフィルタ325が配置される。フィルタ325の前方、即ち流路321の下流には、円環状の枠部材326が配置される。枠部材326は、フィルタ325の中央部を下流側から支える一対のリブ326aを有する。さらに、泡放出ノズル320には、内周面に、6つのリブ327が設けられる。6つのリブ327は、周方向に並び、流路321の軸方向に延びる。
【0088】
フィルタ325および枠部材326は、6つのリブ327と第2部材320bとの間で挟まれることにより、泡放出ノズル320の流路321内に固定される。洗剤泡および水がフィルタ325を通過するときの圧力によりフィルタ325の中央部が下流側(前方向)に押され得る。しかしながら、フィルタ325の中央部は、一対のリブ326aで支えられているので、下流側に膨らむように変形しにくい。
【0089】
図1に示すように、パッキン24には、頂上部に、後下方に傾く円筒状のノズル装着口24aが形成される。泡放出ノズル320は、ノズル装着口24aに装着されることにより、パッキン24の上部に配置される。泡放出ノズル320のヘッド部323が外槽20内に臨み、後下方向、即ちドラム23の底部の方向を向く。
【0090】
さて、ドラム式洗濯機1では、各種運転コースの洗濯運転が行われる。洗濯運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に行われる。運転コースによっては、すすぎ工程と中間脱水工程とが2回以上行われる場合がある。
【0091】
洗い工程では、ドラム23内に収容された洗濯物の負荷量に応じた洗い水位まで、外槽20内に水が溜められる。さらに、後述するように、泡放出ノズル320から放出された洗剤泡がドラム23内の洗濯物に降り掛けられ、洗濯物に洗剤泡が浸透する。ドラム23の正回転および逆回転が繰り返されることにより、洗濯物がタンブリングされる。洗剤の力とタンブリングによる機械力とにより洗濯物の表面や内部に付着した汚れが落とされる。
【0092】
すすぎ工程では、外槽20内に所定のすすぎ水位までの水が溜められた状態でドラム23が正回転および逆回転し、洗濯物がタンブリングされる。これにより、洗濯物に含まれた洗剤が水とともに排出され、洗濯物がすすがれる。
【0093】
中間脱水工程および最終脱水工程では、駆動モータ30が一方向に高速回転し、ドラム23が、ドラム23内の洗濯物に作用する遠心力が重力よりはるかに大きくなる回転数で一方向に回転する。遠心力の作用により、洗濯物が、ドラム23の内周面に押し付けられ、脱水される。最終脱水工程では、中間脱水工程での回転数よりも高い回転数でドラム23が回転する。
【0094】
洗い工程の最初に行われる給水工程について、以下、詳細に説明する。
【0095】
給水工程では、貯液槽290に洗剤液を貯留する洗剤液貯留工程と、洗剤液から洗剤泡を生成し、洗剤泡をドラム23内の洗濯物に掛ける洗剤泡供給工程と、外槽20内に洗い水位まで給水を行う最終給水工程とが順番に行われる。
【0096】
図10(a)、(b)および(c)は、それぞれ、洗剤液貯留工程、洗剤泡供給工程および最終給水工程について説明するための図である。
【0097】
洗剤液貯留工程が開始されると、まず、洗剤ポンプ270が所定時間動作し、液剤タンク220の洗剤室221から規定量の液体洗剤が、水路形成部材230のサブ給水路235に導入される。規定量は、洗い工程で必要な洗剤量であり、ドラム23内に収容される洗濯物の負荷量に応じて変更できる。
【0098】
次に、第2給水バルブ120が開放され、第1給水ホース250を介して水路形成部材230のメイン給水路232に水が供給される。水は、メイン給水路232を流れ、注水室233、注水口部材210の流路212、注水口211および注水ホース240を経由して、外槽20内へと至る。第1給水ホース250、メイン給水路232、注水室233、流路212、注水口211および注水ホース240は、外槽20内に給水するためのメイン給水経路MRを構成する。
【0099】
メイン給水路232を流れる水の一部が、入水口235bからサブ給水路235に流入し、貯液槽290へ向かって流れる。サブ給水路235に導入された液体洗剤は、サブ給水路235を流れる水で押し流され、当該水により希釈され、洗剤液として貯液槽290内に貯まる。
【0100】
予め定められた給水時間が経過すると、第2給水バルブ120が閉鎖され、メイン給水路232を通じたサブ給水路235へ給水が停止する。貯液槽290内には、規定水量の洗剤液が貯まる。このとき、貯液槽290内の洗剤液の水位L1は、溢水口292の下縁より少し低い位置となる。
【0101】
ここで、貯液槽290内には、それほど多くの洗剤液が貯められない。即ち、規定水量は、たとえば、数十mL程度であり、それほど多くはない。このため、メイン給水路232から多量の水がサブ給水路235に流れてしまうと、貯液槽290に規定水量の洗剤液を溜めるための時間の設定など、給水制御が難しくなる。
【0102】
本実施の形態では、入水口235bの開口面積S1がサブ給水路235の流路断面積S2よりも小さくされているので、入水口235bにおいてサブ給水路235への水の流入量が絞られる。これにより、サブ給水路235に流れる水の流量を抑えることができるので、貯液槽290に規定水量の洗剤液を溜めるための時間の設定など、給水制御が易しくなる。さらに、流量を抑えるためにサブ給水路235の流路断面積S2が小さくされないので、サブ給水路235内を水が円滑に流れやすい。さらに、入水口235bの大きさを変えるだけで、サブ給水路235を変更することなく、容易にサブ給水路235に流れる水の流量を調整できる。
【0103】
さらに、サブ給水路235には、その底面に洗剤流入口237から貯液槽290に向かって下る勾配が設けられているので、サブ給水路235に導入された液体洗剤が、水とともに貯液槽290まで流れやすくなる。これにより、サブ給水路235内に液体洗剤が残りにくくなり、サブ給水路235内での洗剤のこびつきが生じにくくなる。特に、サブ給水路235の底面は、入水口235bから洗剤流入口237に至る経路も下り勾配であるので、洗剤流入口237に達するまでに水に勢いがつきやすく、液体洗剤が押し流されやすくなる。よって、液体洗剤が、一層、貯液槽290まで流れやすくなる。
【0104】
なお、水道圧のばらつきにより、第2給水バルブ120を開放したときの水の流量にばらつきが生じ、その結果、サブ給水路235に流入する水の流量にも多少のばらつきが生じ得る。よって、流量が多くなった場合には、給水時間で貯液槽290内に供給される洗剤液の水量が規定水量より多くなり得る。この場合、貯液槽290内の水位が溢水口292に達し、溢水口292から洗剤液が溢れる。溢れた洗剤液は、排出口236から注水口部材210の流路212に流れ落ち、当該流路212、注水口211および注水ホース240を経由して外槽20内へ排出される。排出口236、流路212、注水口211および注水ホース240は、溢水口292から溢れた洗剤液を外槽20内に排出させる排出経路DRを構成する。
【0105】
こうして、規定水量の洗剤液が貯液槽290に溜められることにより、洗剤泡を生成する準備が完了する。洗剤液貯留工程が終了し、洗剤泡供給工程に移る。
【0106】
洗剤泡供給工程が開始されると、第1給水バルブ110が開放されて、水道栓からの水が第1ホース330を介して泡生成モジュール310のベンチュリ管400に供給される。
【0107】
ベンチュリ管400において、水は、流入路461を流れて絞り部464の出口464aから負圧流路462に放出され、負圧流路462を通過して入口463aから流出路463に流入する。このとき、負圧流路462にはベンチュリ効果により負圧が生じ、当該負圧の作用によって、貯液槽290内の洗剤液が吸液管520を介して負圧流路462に取り込まれる。洗剤液が吸い上げられる際、吸気孔524から空気が吸液管520内に取り込まれ、洗剤液とともに負圧流路462に送られる。洗剤液と空気とが負圧流路462で水と合流し、流出路463に流入する。負圧流路462および流出路463では、洗剤液と空気とがかき混ぜられて洗剤液が発泡することにより、泡立った洗剤である洗剤泡が生成される。生成された洗剤泡は、水とともに流出路463を流れ、ベンチュリ管400から排出される。
【0108】
ここで、本実施の形態では、吸液管520の流路断面積S3が負圧流路462の取込口462aの開口面積S4よりも大きくされている。これにより、吸液管520内を洗剤液と空気が十分に流れるので、負圧流路462に洗剤液と空気を十分に取り込むことができる。
【0109】
また、本実施の形態では、負圧流路462の流路断面積は、絞り部464の出口464aの開口面積および流出路463の入口463aの開口面積よりも大きくされている。これにより、洗剤液と空気とが負圧流路462に取り込まれやすい。
【0110】
さらに、本実施の形態では、流出路463の入口463aの直径D2が絞り部464の出口464aの直径D1よりも大きくされている。これにより、絞り部464の出口464aから放出された水と、負圧流路462に取り込まれた洗剤液および空気とが、円滑に流出路463に流入しやすい。
【0111】
さらに、吸液管520において、吸気孔524の孔径が小さ過ぎると、空気が通る流路断面積が小さくなり過ぎて、吸気孔524から流入する空気の流量が十分に得られなくなる。一方、吸気孔524の孔径が大き過ぎても、吸引力が小さくなり過ぎて、吸気孔524から流入する空気の流量が十分に得られなくなる。よって、本実施の形態において、吸気孔524の孔径は、0.5mm~1.5mmの範囲とされることが望ましい。これにより、流路断面積が小さくなり過ぎず、且つ、吸引力が小さくなり過ぎないようにでき、吸気孔524から流入する空気の流量を十分に確保できる。
【0112】
よって、本実施の形態では、泡生成モジュール310において、洗剤液を十分に泡立てることができ、洗剤泡を良好に生成できる。
【0113】
ベンチュリ管400から排出された洗剤泡は、水とともに第2ホース340を介して泡放出ノズル320に送られる。洗剤泡は、泡放出ノズル320の流路321を流れ、フィルタ325を通過し、きめの細かな洗剤泡となる。そして、洗剤泡は、泡放出ノズル320の放出口324から開口部23aを通じてドラム23内に放出され、ドラム23内に収容された洗濯物に降り掛かる。放出口324は、前方向のみならず左右方向にも開口するスリット状に形成されている。よって、放出口324からは、左右方向に広角に洗剤泡が放出され、洗濯物に広く洗剤泡が降り掛かる。洗剤泡が洗濯物の表面に付着し、洗濯物の内部に浸透する。
【0114】
ここで、本実施の形態では、泡生成モジュール310に水を供給する第1給水バルブ110の定格流量が、メイン給水経路MRを介して外槽20内に水を供給する第2給水バルブ120の定格流量よりも小さくされており、泡生成モジュール310への流水量が多くならないようにされている。これにより、第1給水バルブ110からの水による洗剤液、即ち液体洗剤の希釈を抑えることができるので、洗剤泡の濃度低下を抑えることができる。
【0115】
貯液槽290から全ての洗剤液が泡生成モジュール310に送られる時間が予め実験等により求められ、当該時間に基づいて泡供給時間が決められる。第1給水バルブ110が開放されてから泡供給時間が経過すると、第1給水バルブ110が閉鎖され、泡生成モジュール310への給水が停止する。これにより、洗剤泡供給工程が終了し、最終給水工程に移る。
【0116】
最終給水工程が開始されると、第2給水バルブ120が再び開放される。水道栓からの水がメイン給水経路MRを流れて外槽20内に供給される。さらに、メイン給水路232を流れる水の一部がサブ給水路235に流入し、貯液槽290へと流れる。貯液槽290の溢水口292から水が溢れ、溢れた水が排出経路DRを流れて、外槽20内に供給される。貯液槽290内が、当該貯液槽290内を通る水によって洗浄される。
【0117】
図示しない水位センサにより、外槽20内の水位が洗い水位L2に到達したことが検出されると、第2給水バルブ120が閉鎖され、外槽20内への給水が停止する。
【0118】
洗剤泡供給工程において、水道圧のばらつきにより、第1給水バルブ110から泡生成モジュール310への流水量が少ない状態となった場合、泡供給時間では貯液槽290内から全ての洗剤液を泡生成モジュール310に取り込むことができず、洗剤泡供給工程が終了した時点で貯液槽290内に洗剤液が残ることが生じる得る。貯液槽290内に残った洗剤液は、最終給水工程で貯液槽290に供給される水とともに外槽20内に供給される。よって、貯液槽290内に貯留された洗剤液は、全て洗い工程で利用される。
【0119】
最終給水工程が終了すると、給水工程が終了する。
【0120】
給水工程が終了した時点で、貯液槽290には水が残る。残った水は、その後、外槽20内への給水が可能な適宜のタイミングで、たとえば、すすぎ工程における給水工程の最後に、第1給水バルブ110を開放して泡生成モジュール310に水を供給し、泡放出ノズル320から放水を行うことにより、ベンチュリ効果を利用して、貯液槽290内から泡生成モジュール310へ排出できる。
【0121】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、ドラム式洗濯機1は、液体洗剤が貯められる液剤タンク220と、水道栓に繋がる第2給水バルブ120と、第2給水バルブ120の開放により、水道栓から送られてきた水が流れるサブ給水路235と、サブ給水路235に設けられ、液剤タンク220から排出された液体洗剤が流入する洗剤流入口237と、サブ給水路235に接続され、洗剤流入口237からサブ給水路235に流入し、サブ給水路235を流れる水により希釈された液体洗剤が、洗剤液として貯められる貯液槽290と、貯液槽290から取り込んだ洗剤液を発泡させることにより洗剤泡を生成する泡生成モジュール310と、泡生成モジュール310で生成された洗剤泡をドラム23内に放出する泡放出ノズル320と、を備えている。
【0122】
この構成によれば、洗い工程での給水工程において、第2給水バルブ120が開放されると、サブ給水路235を水が流れ、当該水により希釈された液体洗剤が、洗剤液として貯液槽290に貯められる。そして、泡生成モジュール310により貯液槽290に貯められた洗剤液から洗剤泡が生成され、生成された洗剤泡が泡放出ノズル320からドラム23内に放出されて、ドラム23内の洗濯物に掛けられる。これにより、給水工程の段階、即ち、洗い工程における早い段階から洗剤泡を洗濯物に接触させることができる。よって、洗い工程において、洗剤泡が洗濯物に長く浸透しやすくなり、洗濯物の洗浄効果が高まりやすくなる。
【0123】
さらに、液体洗剤は、第2給水バルブ120および第1給水バルブ110から供給された水により希釈されるものの、その希釈度合は、外槽20内に貯められた水により希釈される場合に比べて小さくなる。よって、高濃度の洗剤泡を洗濯物に接触させることができ、洗濯物の洗浄効果が一層高まりやすくなる。
【0124】
さらに、本実施の形態によれば、ドラム式洗濯機1は、第2給水バルブ120の開放により、水道栓から送られてきた水が外槽20内へ供給されるために流れるメイン給水路232を備えている。サブ給水路235は、メイン給水路232から分岐し、サブ給水路235には、メイン給水路232を流れる水の一部が流入する。
【0125】
この構成によれば、1つの第2給水バルブ120を用いて、メイン給水路232を介した外槽20内への給水と、サブ給水路235を介した貯液槽290へ洗剤液の供給とを行うことができ、構造の簡略化とコストの低減を図ることができる。
【0126】
さらに、本実施の形態によれば、サブ給水路235は、メイン給水路232に接する直立した壁面235aに、メイン給水路232に繋がる入水口232bを有しており、入水口232bの開口面積S1がサブ給水路235流路断面積S2よりも小さくされている。
【0127】
この構成によれば、入水口235bにおいてサブ給水路235への水の流入量が絞られる。これにより、サブ給水路235に流れる水の流量を抑えることができるので、貯液槽290に規定水量の洗剤液を溜めるための時間の設定など、給水制御が易しくなる。よって、貯液槽290内に規定水量の洗剤液を安定して貯めることができる。
【0128】
さらに、本実施の形態によれば、サブ給水路235の底面に、洗剤流入口237から貯液槽290に向かって下る勾配が設けられている。
【0129】
この構成によれば、サブ給水路235に導入された液体洗剤が、水とともに貯液槽290まで流れやすくなる。これにより、サブ給水路235内に液体洗剤が残りにくくなり、サブ給水路235内での洗剤のこびつきが生じにくくなる。
【0130】
さらに、本実施の形態によれば、貯液槽290は、規定水量より多くの洗剤液が貯められたときに当該洗剤液が溢れる溢水口292を有しており、ドラム式洗濯機1は、溢水口292から溢れた洗剤液を外槽20内へ排出させる排出経路DRを備えている。
【0131】
この構成によれば、第2給水バルブ120から供給される水の流量のばらつきによって規定水量よりも多くの洗剤液が貯液槽290に流れ、貯液槽290から洗剤液が溢れても、溢れた洗剤液は、外槽20内に供給されるため、洗い工程での洗濯物の洗いに利用できる。
【0132】
さらに、本実施の形態によれば、泡放出ノズル320は、洗剤泡が放出される放出口324と、放出口324に向かって洗剤泡が流れる流路321と、を含んでおり、流路321には、当該流路321を塞ぐように、メッシュ状のフィルタ325が配置されている。
【0133】
この構成によれば、洗剤泡がフィルタ325を通過することによりきめの細かな洗剤泡が生成され、当該きめ細かな洗剤泡が、その生成直後に泡放出ノズル320から放出されてドラム23内の洗濯物に掛けられる。よって、きめ細な洗剤泡の接触により、洗濯物から汚れを効果的に剥離できる。
【0134】
さらに、本実施の形態によれば、泡放出ノズル320は、その先端部であるヘッド部323に設けられ、洗剤泡が放出される放出口324を含んでおり、放出口324は、スリット形状を有し、泡放出ノズル320を正面から見て左右方向に延び、前方向および左右方向に開口する。
【0135】
この構成によれば、放出口324から左右方向に広角に洗剤泡を放出できるので、ドラム23内の洗濯物に広く洗剤泡を掛けることができる。
【0136】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0137】
<変更例1>
図11は、変更例1に係る、給水装置50Aの斜視図である。
【0138】
ドラム式洗濯機1は、上記実施の形態の給水装置50に替えて、本変更例の給水装置50Aを備えることができる。
【0139】
給水装置50Aでは、注水ユニット52の水路形成部材230が、上記実施の形態の上部材230aに変わる上部材230cと下部材230bとを結合することにより形成される。さらに、給水装置50Aは、上記実施の形態の洗剤泡生成ユニット53に替えて、洗剤泡生成ユニット54を含む。
【0140】
洗剤泡生成ユニット54は、泡生成モジュール350と、泡放出ノズル360と、第1ホース370と、第2ホース380と、を含む。泡生成モジュール350と第1給水バルブ110とが第1ホース370により接続される。また、泡生成モジュール350と泡放出ノズル360とが第2ホース380により接続される。
【0141】
泡生成モジュール350は、その主要部分(ベンチュリ管700および吸液管800の第1管810)が水路形成部材230の上部材230cと一体形成される。水路形成部材230に設けられた貯液槽290は、その上面開口が上部材230cに覆われる。泡生成モジュール350は、上部材230cにおける貯液槽290の上面開口を覆う領域部分に設けられる。
【0142】
泡生成モジュール350は、本発明の泡生成部に相当し、泡放出ノズル360は、本発明の泡放出部に相当する。
【0143】
図12(a)は、変更例1に係る、注水ユニット52における貯液槽290の周辺および洗剤泡生成ユニット54を示す正面断面図である。
図12(b)は、変更例1に係る、吸液管800の流路断面積S5と負圧流路732の取込口732cの開口面積S6の大きさを示す図である。
図13(a)および(b)は、変更例1に係る、泡生成モジュール350の構成を示す斜視図である。
図14は、変更例1に係る、洗剤泡生成ユニット54におけるベンチュリ管700の周辺を示す縦断面図である。なお、
図12(a)では、注水ユニット52および洗剤泡生成ユニット54が、吸液管800の位置で切断されている。
【0144】
泡生成モジュール350は、ベンチュリ管700と、吸液管800と、を含む。、ベンチュリ管700および吸液管800は、たとえば、樹脂材料により形成される。この場合、上部材230cも樹脂材料により形成される。
【0145】
ベンチュリ管700は、上部材230cと一体形成され、管本体710と、2つのフランジ部720と、を含む。菅本体710の左側が上部材230cに接続される。2つのフランジ部720は、菅本体710の前部および後部に設けられ、上部材230cに繋がる。
【0146】
管本体710の内部には、ベンチュリ流路730が形成される。ベンチュリ流路730は、流入路731と、流入路731の下流に位置する負圧流路732と、負圧流路732の下流に位置する流出路733と、を含む。
【0147】
流入路731は、円形状の流路断面を有する。流入路731には、出口部分に、流路断面積が下流に向かって小さくなる絞り部734が設けられる。絞り部734は、流入路731の出口である円形状の出口734aを有する。流入路731の入口部分731aは、流路断面積が上流に向かって僅かに大きくなる。流入路731における入口部分731aと絞り部734と間の中間部分731bは、流路断面積が一定となる。即ち、流入路731における絞り部734よりも上流側は、流路断面が一定となる部分(中間部分731b)と流入路731の入口側に向かって流路断面が拡がる部分(入口部分731a)とにより構成され、流入路731への入口までの間に、入口側に向かって流路断面が絞られる部分が存在しない。
【0148】
なお、流入路731における絞り部734よりも上流側は、流路断面が一定となる部分のみにより構成されてもよい。
【0149】
負圧流路732は、円形状の流路断面を有する上流側の第1部分732aと、半長円形状の流路断面を有する下流側の第2部分732bとを含む。第1部分732aは、絞り部734の出口734aと等しい直径を有する。第2部分732bは、半円形部分の直径が第1部分732aの直径よりも大きくされている。負圧流路732には、第2部分732bの左端に方形状の取込口732cが設けられる。
【0150】
流出路733は、絞り部734の出口734aと対向して当該出口734aと同心円となる入口733aを有するとともに、入口733aから下流に向かって流路断面積が徐々に大きくなる拡径部733bと、当該拡径部733bに続く、流路断面積が一定の定径部733cとを含む。流出路733の出口部分733dは、流路断面積が上流に向かって僅かに大きくなる。入口733aの直径D4は、絞り部734の出口734aの直径D3よりも大きくされている。
【0151】
吸液管800は、第1管810と、第2管820と、を含む。第1管810は、ベンチュリ管700および上部材230cと一体形成される。第1管810は、円筒状を有し、左右方向に延びる。第1管810の右端がベンチュリ管700に接続される。第1管810の右端の開口は、吸液管800の出口800bであり、当該出口800bが負圧流路732の取込口732cに接続される。第1管810の左端の開口は、キャップ830により閉塞される。
【0152】
第1管810には、左端寄りの位置に、上部材230cを貫通して下方に突出する円筒状の接続口811が形成される。さらに、第1管810には、その周面に沿って延びるリブ812が形成される。リブ812の両端が上部材230cに接続される。リブ812により、第1管810と上部材230cとの間が補強される。
【0153】
第2管820は、細長い円筒状を有し、下方から第1管810の接続口811に接続される。第2管820の上部には、円形の吸気孔821が形成される。第2管820の下端の開口が、吸液管800の入口800aとなる。
【0154】
吸液管800は、貯液槽290内に挿入される。吸液管800の下端部がガイドリブ294に案内されて、吸液管の入口800aが凹部293内に収容される。吸液管800の吸気孔821は、貯液槽290の溢水口292の下縁よりも僅かに高い位置に存在する。即ち、吸気孔821の位置は、貯液槽290に貯められる洗剤液の水位よりも高くなる。
【0155】
図12(b)に示すように、吸液管800の流路断面積S5は、負圧流路732の取込口732cの開口面積S6よりも大きくされている。さらに、吸液管800の流路断面積S5は、絞り部734の出口734aの開口面積よりも大きくされている。
【0156】
第1ホース370および第2ホース380は、ゴム、塩化ビニル等の柔軟な材料(弾性を有する材料)により形成される。このため、第1ホース370および第2ホース380は、ベンチュリ管700よりも柔らかい。
【0157】
第1ホース370は、ベンチュリ管700の後端部に、後部のフランジ部720の近傍まで挿入され、当該後端部にホースバンド390により固定される。これにより、ベンチュリ流路730の流入路731の入口に、第1ホース370の出口が接続される。第2ホース380は、ベンチュリ管700の前端部に、前部のフランジ部720の近傍まで挿入され、当該前端部にホースバンド390により固定される。これにより、ベンチュリ流路730の流出路733の出口に、第2ホース380の入口が接続される。
【0158】
ベンチュリ管700の2つのフランジ部720は、第1ホース370および第2ホース380に対するストッパとしての機能を有するとともに、ベンチュリ管700と上部材230cとの間を補強する機能を有する。
【0159】
図11に示すように、第1ホース370は、上部材230cの後部に設けられた2つのホース保持部230c1、230c2により保持される。
【0160】
図15(a)は、変更例1に係る、正面左側から見た泡放出ノズル360の斜視図であり、
図15(b)は、変更例1に係る、
図15(a)のC-C´線で切断された泡放出ノズル360の平面断面図である。
【0161】
泡放出ノズル360は、細長い有底円筒状を有し、その底面を塞ぐ円盤状の底面部361が、当該泡放出ノズル360の前方向に向かって低くなるように傾斜している。泡放出ノズル360には、底面部361の上の部分の前側半周分が開口することにより、放出口362が形成される。即ち、放出口362は、泡放出ノズル360の下端部(先端部)に設けられ、泡放出ノズル360を正面から見て、前方向と左右方向とに開口する。泡放出ノズル360は、その上端部が入口部363となり、当該入口部363に第2ホース380の出口が接続される。泡放出ノズル360の内部は、放出口362に繋がる流路364となる。
【0162】
泡放出ノズル360には、その下部に、上下方向に並ぶ2つのフランジ部365,366が形成される。泡放出ノズル360は、筐体10内において、パッキン24の上部に設けられた装着口(図示せず)に上方から挿入され、2つのフランジ部365,366の間の部分が装着口に固定される。これにより、泡放出ノズル360は、上下方向に延びた姿勢となり、放出口362は、外槽20内において、後方向、即ちドラム23の内部に向く。
【0163】
本変更例においても、上記実施の形態と同様、洗い工程の最初に行われる給水工程において、洗剤液貯留工程と、洗剤泡供給工程と、最終給水工程とが順番に行われる。
【0164】
洗剤液貯留工程によって貯液槽290内に洗剤液が貯められた後に、洗剤泡供給工程が開始される。
【0165】
洗剤泡供給工程において、第1給水バルブ110が開放されると、水道栓からの水が、第1ホース370を介して泡生成モジュール350のベンチュリ管700に供給され、流入路731、負圧流路732および流出路733を流れる。負圧流路732にはベンチュリ効果により負圧が生じ、貯液槽290内の洗剤液と吸気孔821から取り込まれた空気とが、吸液管800を介して負圧流路732に取り込まれる。負圧流路732および流出路733では、洗剤液と空気とがかき混ぜられて洗剤液が発泡し、洗剤泡が生成される。生成された洗剤泡は、水とともに流出路733を流れ、ベンチュリ管700から排出される。
【0166】
ここで、吸液管800の流路断面積S5は、負圧流路732の取込口732cの開口面積S6よりも大きい。これにより、吸液管800内を洗剤液と空気が十分に流れるので、負圧流路732に洗剤液と空気を十分に取り込むことができる。
【0167】
さらに、流出路733の入口733aの直径D4が絞り部734の出口734aの直径D3よりも大きい。これにより、絞り部734の出口734aから放出された水と、負圧流路732に取り込まれた洗剤液および空気とが、円滑に流出路733に流入しやすい。
【0168】
よって、本変更例の泡生成モジュール350では、洗剤液を十分に泡立てることができ、洗剤泡を良好に生成できる。
【0169】
ベンチュリ管700から排出された洗剤泡は、水とともに第2ホース380を介して泡放出ノズル360に送られる。洗剤泡は、泡放出ノズル360の流路364を流れ、放出口362から開口部23aを通じてドラム23内に放出され、ドラム23内に収容された洗濯物に降り掛かる。放出口362は、前方向のみならず左右方向にも開口している。よって、放出口362からは、左右方向に広角に洗剤泡が放出され、洗濯物に広く洗剤泡が降り掛かる。洗剤泡が洗濯物の表面に付着し、洗濯物の内部に浸透する。
【0170】
第1給水バルブ110が開放されてから泡供給時間が経過すると、第1給水バルブ110が閉鎖され、泡生成モジュール350への給水が停止する。これにより、洗剤泡供給工程が終了する。
【0171】
その後、最終給水工程が行われ、洗い水位に到達するまで、外槽20内に給水が行われる。
【0172】
本変更例においても、上記実施の形態と同様、給水工程が終了した後、外槽20内への給水が可能な適宜のタイミングに、第1給水バルブ110を開放して泡生成モジュール350に水を供給し、泡放出ノズル360から放水を行うことにより、ベンチュリ効果を利用して、貯液槽290内に残った水を泡生成モジュール350へ排出できる。
【0173】
本変更例の泡放出ノズル360では、その周面の前側半周分が、放出口362として開口している。このため、放出口362からは、
図15(b)の矢印に示すように、左右の真横(前方向に対して90度)に近い方向にまで水が放出される。よって、泡放出ノズル360のほぼ真下に位置するドア12の内ドア12bに水が掛かる。
【0174】
よって、たとえば、すすぎ工程における給水工程の最後に、第1給水バルブ110が開放されれば、洗い工程で内ドア12bに洗剤が付着しても、当該洗剤を泡放出ノズル360から放出された水で洗い流すことができる。また、柔軟剤が投入されたすすぎ工程での排水時やその後に行われる脱水工程の初期の洗濯物が十分濡れている時に、第1給水バルブ110が開放されれば、洗い工程で内ドア12に洗剤が付着し、すすぎ工程で内ドア12bに柔軟剤が付着しても、これら洗剤および柔軟剤を水で洗い流すことができる。
【0175】
泡放出ノズル360に水が流された後に、第1給水バルブ110が閉鎖されて給水が停止したとき、ベンチュリ管700の負圧流路732より上流側、即ち、流入路731および第1ホース370では、水の流れが遅いため、水が負圧流路732以降の下流側に抜けにくい。このため、流入路731および第1ホース370が、水で満たされた状態になりやすい。
【0176】
流入路731および第1ホース370が水で満たされた状態で、冬場などにドラム式洗濯機1の設置場所が0℃以下になると、流入路731および第1ホース370に残った水が凍り得る。
【0177】
本変更例では、流入路731には、絞り部7よりも上流側に、流入路731の入口側に向かって流路断面が絞られた部分が存在しない。さらに、ベンチュリ管700の流入路731の入口に接続され、第1給水バルブ110からの水が流入路731に向かって流れる第1ホース370が、柔軟な材料で形成されており、ベンチュリ管700よりも柔らかい。このため、流入路731の水は、凍って膨張しようとした際に、柔らかい第1ホース370側へと移動しやすい。よって、流入路731では凍結による水の膨張が生じにくく、ベンチュリ管700が破損しにくい。一方、第1ホース370には、ベンチュリ管700から水が移動してきて凍ったときに水の大きな膨張が生じやすくなるが、第1ホース370は柔らかいため破損が生じにくい。
【0178】
さらに、本変更例では、吸液管800は、ベンチュリ管700に接続され且つ上部材230cを貫通する第1管810が、ベンチュリ管700および上部材230cと一体形成されている。このため、第1管810とベンチュリ管700との接続部分および第1管810が上部材230cを貫通する部分に0リング等の水封部材を配置しなくてよく、当該水封部材の劣化等による吸液管800や貯液槽290から筐体10内への洗剤液や水の漏れを懸念せずに済む。
【0179】
<その他の変更例>
泡生成モジュールの構成は、上記実施の形態の泡生成モジュール310および上記変更例1の泡生成モジュール350の構成に限られない。たとえば、上記実施の形態では、泡生成モジュール310が、別部材であるベンチュリ管400と吸液部材500とがネジ610,620,630により結合されることにより構成されている。しかしながら、ベンチュリ管400と吸液部材500とが樹脂材料などにより一体形成されることにより泡生成モジュール310が構成されてもよい。さらに、上記実施の形態では、吸液管520が、第1管521と第2管522による二部材で構成されている。しかしながら、吸液管520が、第1管521と第2管522とを一体形成することにより、一部材とされてもよい。
【0180】
さらに、上記変更例1では、吸液管800の第1管810が、ベンチュリ管700と上部材230cの双方と一体形成されている。しかしながら、第1管810が、ベンチュリ管700および上部材230cのうち、一方のみと一体形成されてもよい。さらに、上記変更例1では、吸液管800は、第1管810に、別部材である第2管820が接続されるような構成とされている。しかしながら、吸液管800は、第1管810と第2管820とが一体形成されるような構成とされてもよい。
【0181】
さらに、上記実施の形態では、泡生成部として、ベンチュリ管400を含む泡生成モジュール310が備えられる。しかしながら、貯液槽290から取り込んだ洗剤液を発泡させることにより洗剤泡を生成することができれば、泡生成モジュール310以外の泡生成部が備えられてもよい。たとえば、泡生成部として、気液混合タイプのポンプが用いられてもよい。この場合、貯液槽290の底面に排出孔が形成され、排出孔とポンプの吸込口とが第1ホースにより接続される。また、ポンプの吐出口と泡放出ノズル320とが第2ホースにより接続される。ポンプが動作すると、貯液槽290からの洗剤液と空気がポンプに吸い込まれ、洗剤液と空気がかき混ぜられて洗剤泡が生成される。洗剤泡は、泡放出ノズル320へ送られる。
【0182】
さらに、泡放出ノズル320の構成は、上記実施の形態の構成に限られない。たとえば、泡放出ノズル320は、スリット状の放出口324を有するのではなく、円形など他の形状の放出口を有していてもよい。また、たとえば、泡放出ノズル320は、多数の孔により構成される放出口を有してもよい。
【0183】
さらに、上記実施の形態では、メイン給水路232からサブ給水路235が分岐するような構成とされ、第2給水バルブ120の開放によりメイン給水路232を流れる水の一部がサブ給水路235へ送られる。しかしながら、サブ給水路235がメイン給水路232と切り離され、水道栓に繋がる第4給水バルブが新たに設けられ、第4給水バルブが第4給水ホースを介してサブ給水路235に接続されるようにしてもよい。この場合、第4給水バルブの開放によりサブ給水路235に水が供給され、サブ給水路235を流れる水により液体洗剤が希釈されて液体洗剤となり、貯液槽290内に貯められる。第4給水バルブの定格流量は、第2給水バルブ120の定格流量よりも小さくされる。第4給水バルブは、本発明の給水バルブに相当する。
【0184】
さらに、上記実施の形態では、入水口235bから貯液槽290にかけて、サブ給水路235の底面が下り勾配となっている。しかしながら、サブ給水路235の底面において、入水口235bから洗剤流入口237に至る範囲は、下り勾配とならず水平であってもよい。さらに、サブ給水路235の底面に、洗剤流入口237から貯液槽290に向かって下る勾配が設けられなくてもよい。
【0185】
さらに、上記実施の形態において、第2給水バルブ120からの水の流量がばらついても貯液槽290に規定水量の洗剤液が溜まりやすいように、第2給水バルブ120からの水の流量を検出する流量センサがサブ給水路235等に設けられ、流量に応じて貯液槽290へ給水を行う時間が変更されるようにしてもよい。あるいは、貯液槽290内の洗剤液の水位を検出するために一対の電極端子等からなる水位検出部が設けられてもよい。
【0186】
さらに、上記実施の形態では、ドラム式洗濯機1が乾燥機能を備えている。しかしながら、ドラム式洗濯機1は、乾燥機能を備えていなくてもよい。
【0187】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0188】
1 ドラム式洗濯機
10 筐体
20 外槽
23 ドラム
23a 開口部
120 第2給水バルブ(給水バルブ)
220 液剤タンク
232 メイン給水路(第2給水路)
232a 壁面
232b 入水口
235 サブ給水路(第1給水路)
237 洗剤流入口(流入口)
290 貯液槽
292 溢水口
310 泡生成モジュール(泡生成部)
320 泡放出ノズル(泡放出部)
321 流路
324 放出口
325 フィルタ
350 泡生成モジュール(泡生成部)
360 泡放出ノズル(泡放出部)
DR 排出経路