(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090453
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】複合粒子、複合粒子の製造方法、及び化粧料
(51)【国際特許分類】
C08J 3/12 20060101AFI20240627BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240627BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240627BHJP
A61K 8/00 20060101ALI20240627BHJP
C08G 77/42 20060101ALI20240627BHJP
C08L 1/00 20060101ALI20240627BHJP
C08K 3/36 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
C08J3/12 Z CEP
A61K8/25
A61K8/73
A61K8/00
C08G77/42
C08L1/00
C08K3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206379
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000226666
【氏名又は名称】日信化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】三石 紘史
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健太郎
【テーマコード(参考)】
4C083
4F070
4J002
4J246
【Fターム(参考)】
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC372
4C083AC911
4C083AC912
4C083AD152
4C083AD261
4C083AD262
4C083BB25
4C083CC01
4C083CC11
4C083CC12
4C083CC19
4C083CC31
4C083EE07
4F070AA02
4F070AC23
4F070AC52
4F070DC02
4F070DC04
4F070DC05
4F070DC07
4F070DC16
4J002AB011
4J002DJ016
4J002HA09
4J246AA02
4J246BA220
4J246BA22X
4J246BB020
4J246BB022
4J246BB02X
4J246EA28
4J246FA081
4J246FA131
4J246FA321
4J246FA421
4J246FB211
4J246FE26
4J246GB09
4J246GB29
4J246GB32
4J246GC49
4J246HA53
(57)【要約】
【課題】生分解性及び触感に優れた微粒子を提供することを目的とする。
【解決手段】セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含む複合粒子であり、前記シリカが前記粒子100質量部に対し1~60質量部のテトラアルコキシシランの重合物であることを特徴とする複合粒子。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含む複合粒子であり、前記シリカが前記粒子100質量部に対し1~60質量部のテトラアルコキシシランの重合物であることを特徴とする複合粒子。
【請求項2】
前記セルロース又はセルロース誘導体の粒子が体積平均粒子径1~300μmを有することを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
【請求項3】
前記テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランであることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
【請求項4】
前記複合粒子を含む塗膜が静摩擦係数0.50未満を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
【請求項5】
請求項1に記載の複合粒子はアルコキシ修飾されたものであることを特徴とする複合粒子。
【請求項6】
セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含む複合粒子であり、前記粒子の比表面積の50%以上がシリカで被覆されたものであることを特徴とする複合粒子。
【請求項7】
前記セルロース又はセルロース誘導体の粒子が体積平均粒子径1~300μmを有することを特徴とする請求項6に記載の複合粒子。
【請求項8】
前記シリカがテトラアルコキシシランの重合物であることを特徴とする請求項6に記載の複合粒子。
【請求項9】
前記テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランであることを特徴とする請求項8に記載の複合粒子。
【請求項10】
前記複合粒子を含む塗膜が静摩擦係数0.50未満を有するものであることを特徴とする請求項6に記載の複合粒子。
【請求項11】
請求項6に記載の複合粒子はアルコキシ修飾されたものであることを特徴とする複合粒子。
【請求項12】
セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含むものである複合粒子の製造方法であって、
(1)(A)セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、水と、アルカリの存在下で、前記(A)粒子の100質量部に対し1~60質量部の(B)テトラアルコキシシランを加水分解及び縮合反応させてシリカを形成し該シリカを前記(A)粒子の表面に付着させて前記複合粒子を得る工程を含むことを特徴とする複合粒子の製造方法。
【請求項13】
前記工程(1)の後、(2)水を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の複合粒子の製造方法。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載の複合粒子を含有するものであることを特徴とする化粧料。
【請求項15】
化粧料全量に対し複合粒子を1~50質量%で含むものであることを特徴とする請求項14に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース-シリカ複合粒子及びそのアルコキシ修飾した複合粒子、それらの製造方法、並びに化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用途に応じた様々な高分子の微粒子が提案されてきた。例えば、化粧品に含有される微粒子としてもその目的は様々である。化粧品に微粒子を含有する目的は、化粧品ののびを向上する、触感に変化を与える、シワぼかし効果を付与する、またファンデーションなどの滑り性を向上すること等である。
【0003】
特に真球度が高い微粒子は、触感に優れ、また、その物性や形状によって光散乱(ソフトフォーカス)効果が得られる。そして、このような微粒子をファンデーションなどに用いた場合には、肌の凹凸を埋めて滑らかにし、光を様々な方向に散乱させることでしわなどを目立ちにくくする(ソフトフォーカス)効果が期待できる。
【0004】
このような化粧品の目的及び効果のため、化粧品に配合する微粒子は、粒度分布が狭く、真球度が高い微粒子であることが必要とされ、このような微粒子として、ナイロン12などのポリアミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びポリスチレン(PS)等の合成ポリマーからなる微粒子が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの合成ポリマーからなる微粒子は、比重が1以下と軽く、粒子径もあまりに小さすぎることから、水に浮きやすく、排水処理施設では除去できない場合があり、そのまま川やさらに川を通して海に流れ込むことがある。このため海洋等がこれらの合成ポリマーからなる微粒子で汚染されるという問題がある。
【0006】
さらに、これらの合成ポリマーからなる微粒子は、環境中の微量の化学汚染物質を吸着
する性質があるため、その化学汚染物質を吸着した微粒子をプランクトンや魚が飲み込む
ことで、人体へも悪影響を及ぼす可能性が生じる等、様々な影響を与えることが懸念され
ている。
【0007】
このような懸念から、多様な用途に用いられている合成ポリマーの微粒子を、生分解性のある粒子に代替しようとする試みがなされている。
【0008】
代表的な生分解性のある樹脂として、セルロースがある。セルロースは、食料や飼料と競合しない、木材や綿花等の天然素材から得ることができる点で優れる。このため、セルロースを含有した微粒子の開発が望まれている。
【0009】
また、シリコーンを主原料とした合成樹脂粉体は、皮膚や毛髪の表面に均一な皮膜を形成して潤いや滑らかさを与えたり、撥水性や耐水性を付与するための重要な成分として、頭髪化粧品、メークアップ化粧品、サンスクリーンなど多くの化粧品等に使用されている。例えば、特許文献1ではシリコーン微粒子が開示され、これらは柔らかい触感を有し、かつ凝集性がなく分散性に優れるとされている。そのため、化粧料として配合するのに適しているが、よりよい樹脂粉体の開発が求められている。
【0010】
特許文献2ではセルロースアセテート粒子をシリコーン系成分を含む親油性付与剤で表面処理した粒子を化粧品組成物として配合することを開示している。しかしながらその方法としては、親油性付与剤を湿式処理法でセルロースアセテート粒子に付着させており、n-ヘキサンなどの有機溶剤の使用が必要となるため、より環境に配慮した水系での複合粒子の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平07-196815号公報
【特許文献2】国際公開第2020/188698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、生分解性及び触感に優れた微粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明では、
セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含む複合粒子であり、前記シリカが前記粒子100質量部に対し1~60質量部のテトラアルコキシシランの重合物である複合粒子を提供する。
【0014】
このような複合粒子は、生分解性のあるセルロース粒子を、摺動性、撥水性などを付与するシリカで被覆し、複合粒子とすることで、生分解性及び触感に優れた微粒子となる。
【0015】
また、前記セルロース又はセルロース誘導体の粒子が体積平均粒子径1~300μmを有することが好ましい。
【0016】
このような体積平均粒子径とすれば、本発明の複合粒子はより触感に優れ、化粧料に適したものとなる。
【0017】
また、前記テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランであることが好ましい。
【0018】
このようなものであれば、より確実に、テトラアルコキシシランを加水分解及び縮合反応させて、シリカをセルロース粒子に付着した状態で得ることができる。
【0019】
また、本発明の複合粒子は、前記複合粒子を含む塗膜が静摩擦係数0.50未満を有するものであることが好ましい。
【0020】
このような複合粒子であれば、すべり性に優れた化粧料を得ることができる。
【0021】
また、上記複合粒子はアルコキシ修飾されたものであることが好ましい。
【0022】
このようなものであれば、撥水性の粒子とすることができる。
【0023】
また本発明では、
セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含む複合粒子であり、前記粒子の比表面積の50%以上がシリカで被覆されたものである複合粒子を提供する。
【0024】
このような複合粒子は、生分解性のあるセルロース粒子を、摺動性、撥水性などを付与するシリカで被覆し、複合粒子とすることで、生分解性及び触感に優れた微粒子となる。
【0025】
また、前記セルロース又はセルロース誘導体の粒子が体積平均粒子径1~300μmを有することが好ましい。
【0026】
このような体積平均粒子径とすれば、本発明の複合粒子はより触感に優れ、化粧料に適したものとなる。
【0027】
また、前記シリカがテトラアルコキシシランの重合物であることが好ましい。
【0028】
このようなものであれば、テトラアルコキシシランを加水分解及び縮合反応させて、シリカをセルロース粒子に付着した状態で得ることができる。
【0029】
また、前記テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランであることが好ましい。
【0030】
このようなものであれば、より確実に、テトラアルコキシシランを加水分解及び縮合反応させて、シリカをセルロース粒子に付着した状態で得ることができる。
【0031】
また、本発明の複合粒子は、前記複合粒子を含む塗膜が静摩擦係数0.50未満を有するものであることが好ましい。
【0032】
このような複合粒子であれば、すべり性に優れた化粧料を得ることができる。
【0033】
また、上記複合粒子はアルコキシ修飾されたものであることが好ましい。
【0034】
このようなものであれば、撥水性の粒子とすることができる。
【0035】
また本発明では、
セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含むものである複合粒子の製造方法であって、
(1)(A)セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、水と、アルカリの存在下で、前記(A)粒子の100質量部に対し1~60質量部の(B)テトラアルコキシシランを加水分解及び縮合反応させてシリカを形成し該シリカを前記(A)粒子の表面に付着させて前記複合粒子を得る工程を含む複合粒子の製造方法を提供する。
【0036】
このように本発明の複合粒子は、水系の反応によって製造することができる。
【0037】
このとき、前記工程(1)の後、(2)水を除去する工程をさらに含んでもよい。
【0038】
このようにすれば、本発明の複合粒子を粉体の状態で得ることができる。
【0039】
また本発明では、上記の複合粒子を含有するものである化粧料を提供する。
【0040】
本発明の複合粒子は、化粧料に好適に用いることができる。
【0041】
このとき、化粧料全量に対し複合粒子を1~50質量%で含むものであることが好ましい。
【0042】
このような配合量とすれば、本発明の化粧料は、本発明の複合粒子の効果を十分に得ることができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明の複合粒子は、化粧料に配合、使用した場合、摺動性、柔らかな触感、撥水性等を化粧料に持たせることができる。従って、本発明の複合粒子は、頭髪化粧品、メークアップ化粧品、サンスクリーンなど多くの化粧品に配合することができる。しかも、生分解性であるため、環境にもやさしい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】実施例3で得た複合粒子の表面の電子顕微鏡写真である。
【
図2(a)】実施例3で得た複合粒子の表面の電子顕微鏡の写真(a)である。
【
図2(b)】
図2(a)の写真に対応する、ケイ素の元素マッピング画像と炭素の元素マッピング画像を重ね合わせた画像(b)である。
【
図2(c)】
図2(b)の画像に対応する、ケイ素のシグナルのみを表示した画像(c)である。
【
図3】比較例4で得た複合粒子の表面の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
上述のように、生分解性及び触感に優れた微粒子の開発が求められていた。
【0046】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、セルロース粒子をシリカで被覆した複合粒子を開発し本発明を成すに至った。
【0047】
すなわち、本発明は、セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含む複合粒子であり、前記シリカが前記粒子100質量部に対し1~60質量部のテトラアルコキシシランの重合物であることを特徴とする複合粒子、及びその製造方法、並びに前記複合粒子を含む化粧料を提供する。さらに、前記複合粒子をアルコキシ修飾した複合粒子及びその製造方法、並びにアルコキシ修飾した複合粒子を含む化粧料を提供する。
【0048】
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
[複合粒子]
本発明は、セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含む複合粒子であり、前記シリカが前記粒子100質量部に対し1~60質量部のテトラアルコキシシランの重合物であることを特徴とする複合粒子である。以下、詳細に説明する。
【0050】
(A)セルロース又はセルロース誘導体の粒子
セルロース又はセルロース誘導体の粒子(以下、まとめてセルロース粒子という)は、セルロースを含む粒子である。酢酸セルロースや酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース誘導体粒子であってもよい。また、セルロース粒子の形状は球状に限定されず不定形のものでもよいが、球状のセルロース粒子が好ましい。
【0051】
セルロース粒子の体積平均粒子径は1~300μmであることが好ましい。さらに、1~150μmが好ましく、1~50μmがより好ましい。より詳細には、体積平均粒子径3μm、5μm、7μm、10μm、15μm、20μm、及び45μm等があげられる。ここで、セルロース粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計(例えば、株式会社島津製作所製「SALD2100」)を用いて測定し得られたデータより求めた積算体積50%粒子径である。
【0052】
セルロース粒子の嵩密度は0.4~1.0g/cm3であることが好ましい。1.0g/cm3以下であれば、化粧料に配合した際の軽みが得られ、また吸油性も良好となる。なお、嵩密度は、約200mlの容器に試料を入れ、容器上面で余剰試料を除去した後重量を測定し、次式により算出することができる。
嵩密度(g/cm3)=試料重量(g)/容器容積(cm3)
嵩密度の測定装置としては、例えば、パウダテスタPT-X(ホソカワミクロン製)を用いることができる。
【0053】
セルロース粒子の安息角は60°以下であることが好ましい。60°以下であればねっとりとした触感を与えるおそれがないので好ましい。なお、安息角は、径6mmのロートから試料約10gを落とし、下方の受け皿に山を形成させ、その時の山の斜面と水平面とがなす角度を測定することによって求めることができる。安息角の測定装置としては、例えば、パウダテスタPT-X(ホソカワミクロン製)を用いることができる。
【0054】
セルロース粒子またはセルロール誘導体は、例えば、酢酸セルロースが有機溶媒に溶解した酢酸セルロース溶液を水中に懸濁させ、酢酸セルロース粒子が水中に分散した懸濁液を調製し、前記懸濁液から前記有機溶媒を除去し、セルロースの質量に対する酢酸の量が0.5ppm以下となるように、前記酢酸セルロース粒子を鹸化して製造することができる。酢酸セルロース粒子を鹸化してセルロース粒子とした後、さらに、固液分離により水を除去し、セルロース粒子を乾燥させてもよい。
【0055】
市販のセルロース粒子としては、例えば、BELLOCEA(登録商標、ダイセル社製、酢酸セルロース)、ビスコパール(登録商標、レンゴー製)、ART PEARL NC-400、NC-800(根上工業製)を使用することができる。
【0056】
(B)シリカ
本発明の複合粒子は上述したセルロース粒子の表面にシリカが付着して成る。該シリカは、テトラアルコキシシランの重合物である。テトラアルコキシシランは、以下の式で表わされる。
Si(OR)4
(式中、Rは、水素原子、及び1~4の炭素原子を有するアルキル基である。最も好ましくはメチル基である。)
【0057】
テトラアルコキシシランは、1種単独でもよいし、または2種以上の併用でもよい。
【0058】
上記テトラアルコキシシランとして、好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランである。特に好ましくは、Rがメチルであるテトラメトキシシランである。
【0059】
本発明の複合粒子において、付着しているシリカはテトラアルコキシシランの加水分解・縮合反応による重合物であり、SiO2単位を含む構造であるが、原料であるテトラアルコキシシランに由来するアルコキシ基や縮合反応しなかったシラノール基を含有していてもよい。
【0060】
[製造方法]
本発明はセルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含むものである複合粒子の製造方法であって、(1)(A)セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、水と、アルカリの存在下で、前記(A)粒子の100質量部に対し1~60質量部の(B)テトラアルコキシシランを加水分解及び縮合反応させてシリカを形成し該シリカを前記(A)粒子の表面に付着させて前記複合粒子を得る工程を含む複合粒子の製造方法を提供する。その後、(2)水を除去する工程を含んでもよい。ここで、シリカはSiO2単位を含む重合体である。以下、本発明の製造方法について詳しく説明する。
【0061】
本発明の製造方法における工程(1)は、(A)セルロース粒子と、水と、アルカリの存在下で、(B)テトラアルコキシシランを加水分解及び縮合反応させてシリカを形成する。加水分解及び縮合反応により得られたシリカは、セルロース粒子に付着した状態で得ることができる。
【0062】
アルカリは、(B)テトラアルコキシシランを加水分解及び縮合反応させる触媒、又は縮合反応させる触媒として作用する。アルカリは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、アルカリはそのまま添加しても、アルカリ性水溶液として添加してもよい。さらに、アルカリは、セルロース粒子および水を含む水分散液に、テトラアルコキシシランを添加する前に配合しておいてもよいし、テトラアルコキシシラン添加後に添加してもよい。
【0063】
アルカリの添加量は、セルロース粒子及び水を含む水分散液のpHが好ましくは9.0~12.0、より好ましくは9.5~11.5の範囲となる量である。該pHが上記範囲内であれば、テトラアルコキシシランの加水分解及び縮合反応が十分に進行することができ、また、得られるシリカはセルロース粒子表面へ十分に付着することができる。
【0064】
アルカリは特には限定されず、(B)テトラアルコキシシランの加水分解及び縮合反応を進行させるものであればよい。例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;アンモニア;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド;又はモノメチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等のアミン類等を使用することができる。中でも、得られるセルロース粒子の粉末から揮発させることにより容易に除去できることから、アンモニアが最も適している。アンモニアは、市販されているアンモニア水溶液を使用することができる。
【0065】
(B)テトラアルコキシシランの添加量は、(A)セルロース粒子100質量部に対し、(B)テトラアルコキシシランの量が1~60質量部の範囲となる量、好ましくは5~50質量部、さらに好ましくは15~40質量部の範囲となる量とする。(B)テトラアルコキシシランが1質量部未満であるとシリカの効果が表れず、60質量部を超えると、セルロース粒子に被覆しないシリカや凝集粒子が生じ、手触りが悪くなり、化粧料として配合する場合にも硬さや粒感が生じる。
【0066】
(B)テトラアルコキシシランの添加は、プロペラ翼、平板翼等の通常の撹拌機を用いて好ましくは50~500rpm攪拌下で行うことが望ましい。
【0067】
また、セルロース粒子表面に付着させるシリカの付着性をコントロールする目的で、界面活性剤や水溶性高分子をセルロース水分散液に添加しても良い。
【0068】
水分散液に添加する界面活性剤は、特には限定されず、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両イオン性界面活性剤が挙げられる。添加する界面活性剤は、2種以上の界面活性剤を使用してもよい。界面活性剤を添加する場合、その量は、(A)セルロース粒子100質量部に対し、0.01質量部~10質量部の範囲であるとよい。
【0069】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0070】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α―スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0071】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩等が挙げられる。
【0072】
両イオン性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルカルボキシベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0073】
水分散液に添加する水溶性高分子は、特に限定されず、ノニオン性水溶性高分子、アニオン性水溶性高分子、カチオン性水溶性高分子、および両イオン性水溶性高分子が挙げられる。水溶性高分子は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。水溶性高分子を添加する場合、その量は、(A)セルロース粒子100質量部に対し、0.01質量部~10質量部の範囲であるとよい。
【0074】
ノニオン性水溶性高分子としては、例えば、ビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体、アクリルアミドの重合体、ビニルピロリドンの重合体、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ポリエチレングリコール、イソプロピルアクリルアミドの重合体、メチルビニルエーテルの重合体、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、キサンタンガム等が挙げられる。
【0075】
アニオン性水溶性高分子化合物としては、例えば、アクリル酸ナトリウムの重合体、アクリル酸ナトリウムとマレイン酸ナトリウムとの共重合体、アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドの共重合体、スチレンスルホン酸ナトリウムの重合体、ポリイソプレンスルホン酸ナトリウムとスチレンとの共重合体、ナフタレンスルホン酸ナトリウムの重合体、カルボキシメチルデンプン、リン酸デンプン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、カラギーナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0076】
カチオン性水溶性高分子としては、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体、ビニルイミダゾリンの重合体、メチルビニルイミダゾリウムクロライドの重合体、アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、エピクロルヒドリン/ジメチルアミン重合体、エチレンイミンの重合体、エチレンイミンの重合体の4級化物、アリルアミン塩酸塩の重合体、ポリリジン、カチオンデンプン、カチオン化セルロース、キトサン、及びこれらに非イオン性基やアニオン性基を持つモノマーを共重合したこれらの誘導体物が挙げられる。
【0077】
両イオン性水溶性高分子としては、例えば、アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸とアクリルアミドの共重合体、メタアクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸とアクリルアミドの共重合体、アクリルアミドの重合体のホフマン分解物等が挙げられる。
【0078】
本発明の製造方法の一の態様は、(A)セルロース粒子及び水を含む水分散液にアルカリを添加した後に(B)テトラアルコキシシランを添加する。この場合、該テトラアルコキシシランを一度に添加しても良いが、時間を掛けて徐々に添加することが好ましい。テトラアルコキシシランを添加するときの反応温度は0~60℃であることが好ましく、より好ましくは0~40℃の範囲である。温度が上記範囲内にあれば、セルロース粒子の表面にシリカを上手く付着させることができる。その後、テトラアルコキシシランの加水分解反応が進行して、少なくとも水にテトラアルコキシシランが溶解するまでの間、攪拌を続ける。この時、加水分解反応を促進させるために少量のアルカリを添加するとよい。攪拌は、テトラアルコキシシランの添加後、テトラアルコキシシランの加水分解及び縮合反応が完結するまで継続する。加水分解を完結させるためには、該反応は室温で行っても40~100℃程度の加熱下で行ってもよく、またアルカリを適宜追加しても良い。
【0079】
本発明の製造方法の別の態様では、アルカリを添加する前にテトラアルコキシシランを添加しても良い。この場合は、まず、水にテトラアルコキシシランを添加するのが良い。テトラアルコキシシランは、一度に水に添加しても良いが、時間を掛けて徐々に添加してもよい。また、テトラアルコキシシランに水を添加しても良いし、水とテトラアルコキシシランを同時に槽に入れて混合してもよい。テトラアルコキシシランを水に添加するときの温度は特に限定されず、例えば0~100℃の範囲で行えば良い。その後、テトラアルコキシシランの加水分解反応が進行して、少なくとも水にテトラアルコキシシランが溶解するまでの間、攪拌を続ける。この時、加水分解反応を促進させるために少量のアルカリを添加するとよい。
【0080】
その後、上記で得られた溶液に、セルロース粒子を含む水分散液を添加し、次いでアルカリを添加する。アルカリを添加すると、テトラアルコキシシランの加水分解物の縮合反応が進行し、シリカが生成する。但しこの時、シリカが生成する前に攪拌を停止する、又は非常にゆっくり攪拌する必要がある。シリカ生成時に反応液が高速で流動していると、シリカがセルロース粒子にうまく付着できない。
【0081】
縮合反応時の温度は0~60℃であることが好ましく、より好ましくは0~40℃の範囲である。該温度が上記範囲内にあると、セルロース粒子にシリカをうまく付着することができる。シリカが生成(シリカがセルロース粒子表面に付着)するまでは、反応液を静置又は非常にゆっくりな攪拌状態にしておくのがよい。なお、静置時間は10分~24時間の範囲であるのが好ましい。その後、縮合反応を完結させるために、アルカリをさらに追加したり、40~100℃で加熱しても良い。また通常の攪拌をさらに行っても良い。
【0082】
本発明の製造方法における工程(2)は水を除去する工程であり、セルロース粒子の表面にシリカを付着させた後、水分を揮発除去する。
【0083】
水分の揮発除去は、常圧下または減圧下(0~200℃)で行ってよく、常圧下または減圧下に加熱(好ましくは100~200℃)することで行ってもよい。例えば、分散液を加熱下で静置して水分を除去する方法等が挙げられる。なお、この操作の前処理として、濾過分離、遠心分離、デカンテーション等の方法で分散液を濃縮してもよいし、必要ならば分散液を水や水溶性のアルコール等で洗浄しても良い。
【0084】
水の揮発除去により得られた複合粒子の粉体が凝集している場合には、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル等の粉砕機で解砕すればよい。
【0085】
上記方法で得られる複合粒子は、セルロース粒子がシリカで被覆されている。シリカで被覆されていることは赤外吸収スペクトルで確認することができる。また、被覆状態は電子顕微鏡写真で表面を観察することで確認できる。特には、セルロース粒子比表面積の30%~95%、好ましくは40~90%、より好ましくは50~70%がシリカで被覆されていることが好ましい。
【0086】
セルロース粒子の表面被覆率が30%未満であると、シロキサンの効果が表れない。また被覆率が50%以上であるとシロキサンの効果がより顕著に表れる。一方、被覆率が95%以下であれば、セルロース粒子に被覆しないシロキサンや凝集粒子が生じて手触りが悪くなるというおそれがなく、なおかつセルロース粒子の生分解性効果が確実に得られる。
【0087】
本発明の複合粒子の体積平均粒子径は1~300μmであることが好ましい。さらに、1~150μmが好ましく、1~50μmがより好ましい。ここで、本発明の複合粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計(例えば、株式会社島津製作所製「SALD2100」)を用いて測定し得られたデータより求めた積算体積50%粒子径である。
【0088】
さらに本発明の複合粒子はアルコキシ修飾されたものであってもよい。アルコシキ修飾する方法としては例えば特開2008-37714で開示されている方法が挙げられる。具体的には、アルコール(CnH2n+1OH)によりシリカの表面修飾をしてシリカの表面にアルコキシ基を形成する方法である。なお、nの値は特に限定されないが、例えば、n<5とすることができる。
【0089】
本発明では、アルコールの煮沸還流によりアルコキシレーションを行うこと、前記アルコキシ基からなる有機官能基の側鎖の長さを変化させることにより、耐水性を高めること、前記有機官能基の疎水部をアルコールの側鎖の長さで変化させてシリカ表面を疎水的にすることを好ましい実施の態様としている。
【0090】
本発明の複合粒子は、セルロース粒子の表面にシリカが付着しているものであればよい。すなわち、本発明の複合粒子は、セルロース粒子の表面にシリカのみが付着しているものであってもよいし、もしくはセルロース粒子の表面に、シリカに加えて、その他の成分が付着しているものであってもよい。ただし、その他の成分がゴム粒子を含む場合、ゴム粒子は触感等に影響するからゴム粒子が少ない方がよりよい触感や伸び性が得られる。したがって、本発明の複合粒子は、セルロース100質量部あたり、ゴム粒子の含有量は好ましくは0.1質量部未満であり、より好ましくはセルロース粒子の表面にはゴム粒子が付着していないものである。
【0091】
また、本発明の複合粒子は、前記複合粒子を含む塗膜が静摩擦係数0.50未満を有するものであることが好ましい。このような複合粒子であれば、すべり性に優れた化粧料を得ることができる。
【0092】
[化粧料]
本発明の複合粒子は、化粧料に配合して使用し得るが、化粧料全体に対する複合粒子の配合量は1~50質量%が好ましい。1質量%以上であると十分な効果が得られ、50質量%以下であると白さが目立つなどといった不具合がない。
【0093】
本発明の複合粒子体以外の化粧料配合物として、油剤、溶剤、本発明の複合粒子以外の粉体等が挙げられる。
【0094】
油剤としては、炭化水素、シリコーン油、トリグリセライド、エステル油、油脂類、ロウ類、炭素数12~20の高級脂肪酸、炭素数8~20の高級アルコール等が挙げられ、特に低沸点シリコーン油、低沸点イソパラフィン系炭化水素、トリグリセライド、エステル油が好ましい。例えば、低沸点シリコーン油としてはオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。エステル油としては、炭素数6~20の脂肪酸エステル又はグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0095】
化粧料中の油剤の含有量は、化粧料の剤型によって異なるが、好ましくは、粉体及び本発明の複合粒子の総計に対し0.1~95質量%、更に好ましくは1~80質量%であるのがよい。0.1質量%以上では油剤の滑り性、保湿性等の効果が十分に発揮され、95質量%以下では保存安定性が良好である。
【0096】
溶剤としては、中低級アルコール、芳香族アルコール類等を挙げることができるが、イソプロピルアルコール等の炭素数1~4の低級アルコールが好ましい。本発明の化粧料中の溶剤の含有率は化粧料の剤型によって異なるが、粉体及び本発明の複合粒子の総計に対して、好ましくは0.1~80質量%、更に好ましくは1~50質量%であるのがよい。
【0097】
粉体は、通常(メークアップ)化粧料に使用可能な材料を示し、特に限定されない。通常、平均粒子径0.1~50μmであり、例えば、無機着色顔料、無機白色顔料、有機顔料等の着色料、パール剤、体質顔料、有機粉末等である。
【0098】
粉体としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、ベンガラ、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール系色素をレーキ化したもの、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素をレーキ化したもの等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、雲母チタン、酸化鉄処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウム、金、銀、銅、白金、ステンレス等の金属粉体が挙げられる。
【0099】
更に、本発明の化粧料には、上記の構成成分に加え、目的に応じて、界面活性剤、油性成分、高分子化合物、ゲル化剤、アルカリ剤、多価アルコール、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、消炎剤、美肌用成分、及び香料等、通常の化粧品に配合される他の成分を配合することが可能である。
【0100】
本発明の化粧料としては、例えば、ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、口紅、ネイルカラー等のメークアップ化粧料、乳液、クリーム、ローション、カラミンローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、パック料、アクネ対策化粧料、エッセンス等の基礎化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアカラー、ヘアトニック、セット剤、養毛料、パーマネント剤等の頭髪化粧料、ボディパウダー、デオドラント、脱毛剤、セッケン、ボディシャンプー、入浴剤、ハンドソープ、香水等が挙げられる。本発明の複合粒子は、ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイブロー等の粉体化粧料に用いることが好ましい。
【実施例0101】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、部及び%はそれぞれ質量部、質量%を示す。
【0102】
[実施例1]
平均粒径7μmの球状セルロース粒子(A-1)100質量部、イオン交換水830質量部、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(カチオンBB、日油製カチオン乳化剤)1.6質量部を500ml反応器に投入し、30分攪拌した。5℃まで冷却の後、25%アンモニア水0.5質量部を加え、テトラメトキシシラン(B-1)を22.5質量部、20分かけて投入した。8℃にて1時間熟成した後、25%アンモニア水22質量部を投入し1時間熟成した。55℃に昇温して1時間熟成し、スラリーを得た。スラリーを吸引ろ過して固液分離し、静置乾燥した。電子顕微鏡により、二酸化ケイ素が粒状セルロース粒子表面に付着している複合粒子であることが確認された。
【0103】
[実施例2]
実施例1で得た粉体を100重量部、500ml反応器に投入し、イソプロパノール(和光純薬製)830質量部加えて80℃に昇温し、10時間還流し、スラリーを得た。スラリーを吸引ろ過して固液分離し、静置乾燥したところ、単分散で流動性に優れた粉体を得た。この粉体を水に浮かべ5分間静置したところ、粉体は水面に浮いた状態が維持され、水中に沈降しなかった。その後10時間以上放置後観察すると、水中への沈降が見られた。このことから当該粉体は短時間の撥水性を有する。
【0104】
[実施例3]
平均粒径7μmの球状セルロース粒子を平均粒径15μmの球状セルロース粒子(A-2)に替えた以外は実施例1の工程を繰り返して粉体を得た。
【0105】
この複合粒子を電子顕微鏡で観察したところ、粒子表面に粒径約100nmを有する粒子が確認された。また赤外吸収スペクトルを臭化カリウム錠剤法によりFT-IR測定装置(島津製作所製)で測定したところ、波数1260cm
-1、及び1100~1020cm
-1に特性吸収を認めた。これにより、シリカが粒状セルロース粒子表面に付着している複合粒子であることが確認された。上記複合粒子の表面を観察した電子顕微鏡写真を
図1に示す。また、上記複合粒子の表面を観察した電子顕微鏡写真(a)と、これに対応する、SwiftED3000(HITACHI製)で分析したケイ素の元素マッピング画像と炭素の元素マッピング画像を重ね合わせた画像(b)と、さらにこれに対応する、ケイ素のシグナルのみを表示した画像(c)を
図2(a)~(c)に示す。なお、
図2(b)は白黒画像に変換したことにより若干不鮮明になっているが、
図2(b)中、概ね白色部分は炭素、着色部分はケイ素からのシグナルを示す。これら電子顕微鏡画像からも、シリカが粒状セルロース粒子表面に付着している複合粒子が得られたことが確認された。
【0106】
[実施例4]
実施例1のセルロース粒子を、平均粒径5μmの球状セルロース粒子(A-3)に替えた以外は実施例1の工程を繰り返して粉体を得た。
【0107】
[比較例1~3]
セルロース粒子(A-1)、(A-2)、及び(A-3)を、シリカ処理を施さずに評価に供した。
【0108】
[比較例4]
テトラメトキシシラン投入の前後に25%アンモニアを添加しない以外は実施例1の工程を繰り返して複合粒子を得た。電子顕微鏡写真を
図3に示す。
【0109】
[比較例5]
球状シリカ粒子(B-2)を、何の処理も施さずに評価に供した。
【0110】
上記で得た複合粒子について下記の評価を行った。結果を表1及び2に示す。
【0111】
〈被覆率〉
複合粒子10個の表面の電子顕微鏡写真から目視にて平均被覆率を算出した。より詳細には、最大1万倍に拡大した視野において個々に撮影された画像から、複合粒子におけるシリカ微粒子が付着していない領域の面積を測定し、シリカに被覆されている割合を算出した。
被覆率(%)=被覆面積/表面積×100
として計算した。
【0112】
<触感及び伸び性の測定方法>
粉体試料適量を指に付着させ、黒色カーボン紙上に接触させ紙面上を一気に滑らせる。滑らせた時の感覚を触感、またその滑らせた跡がどれだけ長く伸びているかを伸び性とし、下記の3水準で評価した。
○:特有の良好な滑り感がある
△:やや良好な滑り感がある
×:指に抵抗を感じ滑り感がない
【0113】
<摩擦係数の測定方法>
粉体試料約1gをバイオスキンプレート(Beaulax製)上に均一に塗延ばし試料片とした。HEIDON TYPE-38(新東科学社製)にて100gの重りを載せた圧子を上記試料片に垂直に接触させ、3cm/分で移動させた時の摩擦力を測定し、摩擦力から摩擦係数を算出した。圧子には接触面が直径12mmで、試料片との接触面に人工皮革サプラーレを装着したものを用いた。なお、静・動摩擦係数の好ましい範囲は、静摩擦係数、動摩擦係数はいずれも0.01~0.50、さらに好ましくは0.01~0.45である。
【0114】
<接触角>
上記摩擦係数測定と同様の試料片を作製し、その上に10μmの水滴を滴下し、10秒後の接触角値を協和界面科学社製接触角計CA-D型を用いて測定した。撥水性材料として好ましい範囲は、接触角が90°以上、さらに好ましくは95°以上である。
【0115】
<光拡散強度(光拡散性評価)>
粉体試料5gをクリアラッカー45gに投入しディスパーミキサー3000rpmで2分間分散した。分散液を黒色カーボン紙上に直径2cm円になるよう垂らし、5MILのコーターで塗布し塗膜化した。風乾の後、グロス計で塗膜上の異なる3点を測定し平均値を採用した。85°の反射光強度が小さいほど、マットな仕上がりとなり、光拡散性が良いといえる。光拡散強度(85°)の好ましい範囲は、5以下である。
【0116】
【0117】
【表2】
A-1:平均粒径7μmセルロース粒子(嵩密度0.59g/cm
3、安息角47°)
A-2:平均粒径15μmセルロース粒子(嵩密度0.66g/cm
3、安息角49°)
A-3:平均粒径5μmセルロース粒子(嵩密度0.68g/cm
3、安息角51°)
B-1:テトラメトキシシラン(KBM04、信越化学工業社製)
B-2:シリカパウダー(平均粒径4μm、サイロブロックS-400、森六ケミカルズ製)
(なお、A-1~A-3の平均粒径は、粉体試料1gを水に分散した後、レーザー回折型粒度分布測定装置(HORIBA製 LA-950V2)を用いて測定した平均粒径(D50)である。)
【0118】
表1に示すように、本発明の複合粒子である実施例1~4は、いずれもセルロース粒子の表面がシリカで被覆されたものであることから良好な触感と伸び性を示すとともに、すべり性や光拡散性にも優れている。さらに、アルコキシ修飾を施した実施例2の複合粒子は撥水性を有するものであった。一方、表2に示すように、セルロース粒子を単独で用いた比較例1~3、テトラメトキシシラン(B-1)を添加したにも関わらずシリカが付着していない比較例4は、触感は良好であるにも関わらず十分な伸び性が得られなかった。また、シリカパウダーを単独で用いた比較例5は、触感と伸び性のいずれも不良であった。
【0119】
[実施例5]
実施例1で製造した複合粒子を使用し、下記に示す配合でファンデーションを調製した。
ファンデーション
成分 配合量(%)
(1)実施例1のセルロース-シロキサン複合粒子 3.0
(2)アクリルシリコーン処理タルク(注1) 残量
(3)アクリルシリコーン処理セリサイト 10.0
(4)金属石鹸処理マイカ 2.0
(5)合成金雲母 5.0
(6)シリカ球状粉末 5.0
(7)シリコーン処理微粒子酸化チタン 12.5
(8)シリコーン処理ベンガラ 0.6
(9)シリコーン処理黄酸化鉄 2.0
(10)シリコーン処理黒酸化鉄 0.2
(11)シリコーン処理酸化チタン 6.0
(12)リンゴ酸ジイソステアリル 2.0
(13)トリイソステアリン酸グリセリル 0.4
(14)メチルポリシロキサン 3.5
(15)紫外線吸収剤 5.0
(16)防腐剤 適量
(17)香料 適量
合計 100.0
(注1)NSタルクJA-46R-3F(株式会社角八鱗箔製)
【0120】
[実施例6~8、比較例6~10]
粉体を実施例2~4及び比較例1~5で得た複合粒子に替えた他は実施例5と同じ配合でファンデーションを調製した。
【0121】
[実施例9]
実施例5で使用した複合粒子の量を20%にした他は実施例5と同じ配合でファンデーションを調製した。
【0122】
上記で得たファンデーションについて、下記の評価を実施した。結果を表3,4に示す。
【0123】
[触感、滑り性]
20名の専門パネルによる使用テストを行い、化粧料の触感、滑り性に関する評価項目それぞれについて、下記の評価点基準に基づいて評価した。次いで、各人がつけた評価点を合計し、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価点基準)
5点:非常に優れている
4点:優れている
3点:普通
2点:劣る
1点:非常に劣る
(評価基準)
◎:合計点が80点以上である
○:合計点が60点以上80点未満である
△:合計点が40点以上60点未満である
×:合計点が40点未満である
【0124】
【0125】
【0126】
上記表3及び4に示す通り、表面未処理のセルロース粒子又はシリカパウダーを用いたファンデーションは、触感及びすべり性に劣る。これに対し、本発明のセルロース-シリカ複合粒子は、表面未処理のセルロース粒子と比べて、得られるファンデーションの触感及びすべり性に優れる。
【0127】
本明細書は、以下の発明を包含する。
【0128】
[1]:セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含む複合粒子であり、前記シリカが前記粒子100質量部に対し1~60質量部のテトラアルコキシシランの重合物であることを特徴とする複合粒子。
【0129】
[2]:前記セルロース又はセルロース誘導体の粒子が体積平均粒子径1~300μmを有することを特徴とする上記[1]に記載の複合粒子。
【0130】
[3]:前記テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランであることを特徴とする上記[1]又は上記[2]に記載の複合粒子。
【0131】
[4]:前記複合粒子を含む塗膜が静摩擦係数0.50未満を有するものであることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれかに記載の複合粒子。
【0132】
[5]:上記[1]~[4]のいずれかに記載の複合粒子はアルコキシ修飾されたものであることを特徴とする複合粒子。
【0133】
[6]:セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含む複合粒子であり、前記粒子の比表面積の50%以上がシリカで被覆されたものであることを特徴とする複合粒子。
【0134】
[7]:前記セルロース又はセルロース誘導体の粒子が体積平均粒子径1~300μmを有することを特徴とする上記[6]に記載の複合粒子。
【0135】
[8]:前記シリカがテトラアルコキシシランの重合物であることを特徴とする上記[6]又は上記[7]に記載の複合粒子。
【0136】
[9]:前記テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランであることを特徴とする上記[8]に記載の複合粒子。
【0137】
[10]:前記複合粒子を含む塗膜が静摩擦係数0.50未満を有するものであることを特徴とする上記[6]~[9]のいずれかに記載の複合粒子。
【0138】
[11]:上記[6]~[10]のいずれかに記載の複合粒子はアルコキシ修飾されたものであることを特徴とする複合粒子。
【0139】
[12]:セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、該粒子の表面に付着しているシリカとを含むものである複合粒子の製造方法であって、(1)(A)セルロース又はセルロース誘導体の粒子と、水と、アルカリの存在下で、前記(A)粒子の100質量部に対し1~60質量部の(B)テトラアルコキシシランを加水分解及び縮合反応させてシリカを形成し該シリカを前記(A)粒子の表面に付着させて前記複合粒子を得る工程を含むことを特徴とする複合粒子の製造方法。
【0140】
[13]:前記工程(1)の後、(2)水を除去する工程をさらに含むことを特徴とする上記[12]に記載の複合粒子の製造方法。
【0141】
[14]:上記[1]~[11]のいずれかに記載の複合粒子を含有するものであることを特徴とする化粧料。
【0142】
[15]:化粧料全量に対し複合粒子を1~50質量%で含むものであることを特徴とする上記[14]に記載の化粧料。
【0143】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の複合粒子は、化粧料に配合、使用した場合、摺動性、柔らかな触感、撥水性等を化粧料に持たせることができ、頭髪化粧品、メークアップ化粧品、及びサンスクリーンなど多くの化粧品に配合することができる。また、本発明の複合粉体及び該複合粉体を含む化粧料は生分解性効果が期待できる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α―スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。
粉体としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、ベンガラ、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色顔料、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール系色素をレーキ化したもの、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素をレーキ化したもの等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、雲母チタン、酸化鉄処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウム、金、銀、銅、白金、ステンレス等の金属粉体が挙げられる。