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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090473
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】ノートブック型コンピュータ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240627BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240627BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20240627BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G06F1/20 B
G09F9/00 304B
G09F9/00 350Z
G06F1/20 C
G06F1/16 312E
H05K7/20 G
H05K7/20 H
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206413
(22)【出願日】2022-12-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 正樹
【テーマコード(参考)】
5E322
5G435
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA03
5E322BA01
5E322BA03
5E322BB03
5E322DB08
5G435AA06
5G435AA12
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE02
5G435EE16
5G435EE50
5G435KK01
5G435LL08
(57)【要約】
【課題】排気口から放出される気流を妨げることを抑制できるノートブック型コンピュータを提供する。
【解決手段】実施形態のノートブック型コンピュータは、第1の部分と、第2の部分と、ヒンジと、を備える。第1の部分は、表示装置と、前記表示装置を露出させる開口が設けられた第1の面と、前記第1の面から突出する凸部と、を有する。第2の部分は、第2の面と、前記第2の面に沿う第1の方向における端部に設けられて前記凸部に向くとともに排気口が設けられた端面と、前記排気口から外部へ放出される気流を生じるファンと、を有する。前記ヒンジは、前記第1の部分の前記凸部と前記第2の部分の前記端部とを、閉じ位置と、開き位置と、の間で回動可能に接続する。前記凸部は、第1の縁と、第2の縁と、の間で前記第1の面に対して斜めに延びる斜面を有する。前記排気口は、前記閉じ位置及び前記開き位置のいずれにおいても前記斜面に向く。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、前記表示装置を露出させる開口が設けられた第1の面と、前記第1の面から突出する凸部と、を有する第1の部分と、
第2の面と、前記第2の面に沿う第1の方向における端部に設けられて前記凸部に向くとともに排気口が設けられた端面と、前記排気口から外部へ放出される気流を生じるファンと、を有する第2の部分と、
前記第1の部分の前記凸部と前記第2の部分の前記端部とを、前記第1の面と前記第2の面とが向かい合う閉じ位置と、前記第1の面が前記第2の面から離間するとともに前記第1の方向の反対の第2の方向に向く開き位置と、の間で回動可能に接続するヒンジと、
を備え、
前記凸部は、第1の縁と、前記第1の縁よりも前記第1の面から離間した第2の縁と、の間で前記第1の面に対して斜めに延びる斜面を有し、
前記排気口は、前記閉じ位置及び前記開き位置のいずれにおいても前記斜面に向き、
前記閉じ位置において、前記第1の縁は前記第2の縁よりも前記排気口に近く、
前記開き位置において、前記第2の縁は前記第1の縁よりも前記排気口に近い、
ノートブック型コンピュータ。
【請求項2】
前記閉じ位置において、前記第1の縁は、前記第2の面が向く第3の方向において前記排気口の両端の間に位置する、
請求項1に記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項3】
前記第2の部分は、前記第2の面の反対側に位置する第3の面を有し、
前記閉じ位置における前記第2の縁は、前記第3の方向において前記排気口よりも前記第3の面に近い、
請求項2に記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項4】
前記第3の方向において、前記閉じ位置における前記第2の縁は、前記第3の面よりも前記第2の面に近い、
請求項3に記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項5】
前記ヒンジの回転の中心軸は、前記第3の方向において前記排気口の中心よりも前記第3の面に近い、
請求項3又は請求項4に記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項6】
前記端面に、前記閉じ位置及び前記開き位置のいずれにおいても前記斜面に向く吸気口が設けられ、
前記ファンは、前記吸気口から気流を吸引する、
請求項1に記載のノートブック型コンピュータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、ノートブック型コンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型コンピュータは、冷却のためのファンを有する。ファンは、例えば、筐体の背面又は側面に設けられた排気口から気流を放出することで、発熱する電子部品の冷却を促進する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-187284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筐体の背面に設けられた排気口は、例えば、ヒンジカバーに面することがある。この場合、ヒンジカバーが排気口から放出される気流を妨げてしまう虞がある。
【0005】
本発明の一実施形態に係る目的は、排気口から放出される気流を妨げることを抑制できるノートブック型コンピュータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係るノートブック型コンピュータは、第1の部分と、第2の部分と、ヒンジと、を備える。第1の部分は、表示装置と、前記表示装置を露出させる開口が設けられた第1の面と、前記第1の面から突出する凸部と、を有する。第2の部分は、第2の面と、前記第2の面に沿う第1の方向における端部に設けられて前記凸部に向くとともに排気口が設けられた端面と、前記排気口から外部へ放出される気流を生じるファンと、を有する。前記ヒンジは、前記第1の部分の前記凸部と前記第2の部分の前記端部とを、前記第1の面と前記第2の面とが向かい合う閉じ位置と、前記第1の面が前記第2の面から離間するとともに前記第1の方向の反対の第2の方向に向く開き位置と、の間で回動可能に接続する。前記凸部は、第1の縁と、前記第1の縁よりも前記第1の面から離間した第2の縁と、の間で前記第1の面に対して斜めに延びる斜面を有する。前記排気口は、前記閉じ位置及び前記開き位置のいずれにおいても前記斜面に向く。前記閉じ位置において、前記第1の縁は前記第2の縁よりも前記排気口に近い。前記開き位置において、前記第2の縁は前記第1の縁よりも前記排気口に近い。
【0007】
前記ノートブック型コンピュータでは、前記閉じ位置において、前記第1の縁は、前記第2の面が向く第3の方向において前記排気口の両端の間に位置する。
【0008】
前記ノートブック型コンピュータでは、前記第2の部分は、前記第2の面の反対側に位置する第3の面を有し、前記閉じ位置における前記第2の縁は、前記第3の方向において前記排気口よりも前記第3の面に近い。
【0009】
前記ノートブック型コンピュータでは、前記閉じ位置における前記第2の縁は、前記第3の方向において、前記第3の面よりも前記第2の面に近い。
【0010】
前記ノートブック型コンピュータでは、前記ヒンジの回転の中心軸は、前記第3の方向において前記排気口の中心よりも前記第3の面に近い。
【0011】
前記ノートブック型コンピュータでは、前記端面に、前記閉じ位置及び前記開き位置のいずれにおいても前記斜面に向く吸気口が設けられ、前記ファンは、前記吸気口から気流を吸引する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、排気口から放出される気流を妨げることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、一つの実施形態のノートブック型コンピュータを示す斜視図である。
図2図2は、上記実施形態の本体を示す斜視図である。
図3図3は、上記実施形態の閉じ位置におけるノートブック型コンピュータを示す側面図である。
図4図4は、上記実施形態の開き位置におけるノートブック型コンピュータを示す側面図である。
図5図5は、上記実施形態のヒンジカバーを示す斜視図である。
図6図6は、上記実施形態の閉じ位置におけるノートブック型コンピュータの一部を拡大して示す断面図である。
図7図7は、上記実施形態の開き位置におけるノートブック型コンピュータの一部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、ノートブック型コンピュータ1の実施形態を詳細に説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0015】
まず、第1の実施形態に係るノートブック型コンピュータ1の概略と構造について説明する。図1は、一つの実施形態のノートブック型コンピュータ1を示す斜視図である。ノートブック型コンピュータ1は、図1に示されるように、表示部10、本体20、及び二つのヒンジ30を備えている。表示部10は、第1の部分の一例である。本体20は、第2の部分の一例である。
【0016】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。+X方向及び-X方向は、本体20の長手方向であり、左右方向とも称され得る。+Y方向及び-Y方向は、本体20の短手方向であり、前後方向とも称され得る。+Z方向及び-Z方向は、本体20の厚さ方向であり、上下方向とも称され得る。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、ノートブック型コンピュータ1の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。また、+Y方向は第1の方向の一例であり、-Y方向は第2の方向の一例であり、+Z方向は第3の方向の一例である。
【0017】
表示部10は、筐体11と、表示装置12と、ヒンジカバー13とを有する。ヒンジカバー13は、凸部の一例である。表示部10は、他の部品をさらに有しても良い。筐体11は、略直方体状の箱型に形成され、表示装置12を収容する。
【0018】
筐体11は、前面11aを有する。前面11aは、第1の面の一例である。前面11aは、略平坦に形成される。前面11aに、開口14が設けられる。開口14は、筐体11の内部に収容された表示装置12を当該筐体11の外部へ露出させる。前面11aに、カメラを露出させる孔が設けられても良い。
【0019】
表示装置12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイのような画像を表示可能な装置である。表示装置12は、表示面12aを有する。表示装置12は、表示面12aに画像を表示可能である。表示面12aは、開口14を通して筐体11の外部へ露出される。表示面12aに、例えば、タッチパネルが設けられても良い。
【0020】
ヒンジカバー13は、筐体11の前面11aから当該前面11aが向く方向に突出するように、筐体11に取り付けられる。ヒンジカバー13は、ヒンジ30の一部を収容する。ヒンジカバー13は、例えば、無線アンテナ及びアンテナケーブルをさらに収容しても良い。
【0021】
ヒンジカバー13は、例えば、ポリカーボネート又はABSのような合成樹脂で作られる。これにより、ヒンジカバー13に収容された無線アンテナは、ヒンジカバー13を通して無線通信を行うことができる。さらに、ヒンジカバー13は、例えばスナップフィットにより筐体11に取り付けられることができる。
【0022】
図2は、本実施形態の本体20を示す斜視図である。図3は、本実施形態の閉じ位置Pcにおけるノートブック型コンピュータ1を示す断面図である。図2及び図3に示すように、本体20は、筐体21と、ファン23と、キーボード25と、タッチパッド26とを有する。
【0023】
筐体21は、ファン23を収容する。さらに、筐体21は、例えば、マザーボードのような基板、central processing unit(CPU)のような処理装置、read only memory(ROM)及びrandom access memory(RAM)のようなメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)のような記憶装置、及びバッテリのような、種々の部品を収容する。
【0024】
筐体21は、上面21aと、端面21bと、二つのヒンジ収容部21cと、底面21dとを有する。上面21aは、第2の面の一例である。底面21dは、第3の面の一例である。上面21aは、略平坦に形成され、上方向(+Z方向)に向いている。このため、+Y方向及び-Y方向は、上面21aに沿う方向である。
【0025】
上面21aには、キーボード25及びタッチパッド26のような入力装置が配置される。なお、キーボード25及びタッチパッド26は、ノートブック型コンピュータ1から外れた状態で、例えば無線通信やUSB入力などの方法により、ノートブック型コンピュータ1に接続されてもよい。
【0026】
端面21bは、前方向(+Y方向)における本体20の端部に設けられる。端面21bは、略平坦に形成され、略前方向(+Y方向)に向く。なお、端面21bは、後方向(-Y方向)に窪む曲面であっても良い。端面21bに、二つの排気口27と吸気口28とが設けられる。
【0027】
吸気口28は、二つの排気口27の間に位置する。吸気口28は、二つの排気口27のそれぞれから離間している。排気口27及び吸気口28のそれぞれは、気流を通過させるための略長方形の複数の孔を含む。なお、排気口27及び吸気口28は、この例に限られない。
【0028】
二つのヒンジ収容部21cは、端面21bから略前方向(+Y方向)に突出している。このため、ヒンジ収容部21cは、前方向(+Y方向)における本体20の端部に設けられる。一方のヒンジ収容部21cは、左方向(-X方向)における端面21bの端部に設けられる。他方のヒンジ収容部21cは、右方向(+X方向)における端面21bの端部に設けられる。このため、二つのヒンジ収容部21cは、互いに離間している。排気口27及び吸気口28は、二つのヒンジ収容部21cの間に位置する。
【0029】
底面21dは、上面21aの反対側に位置する。底面21dは、略平坦に形成され、略下方向(-Z方向)に向く。底面21dに、例えば、ゴム製の複数の脚が設けられる。さらに、底面21dに、他の吸気口が設けられても良い。
【0030】
ファン23は、筐体21の内部で、排気口27の近傍に設けられる。ファン23は、吸気口28から気流を吸引し、排気口27から筐体21の外部へ放出される気流を生じる。これにより、ファン23は、筐体21の内部の熱を外部へ放出する。本体20は、二つ以上のファン23を有しても良い。
【0031】
ヒンジ30の一部は、表示部10のヒンジカバー13に収容され、表示部10に取り付けられる。ヒンジ30の他の部分は、本体20のヒンジ収容部21cに収容され、本体20に取り付けられる。これにより、ヒンジ30は、表示部10のヒンジカバー13と前方向(+Y方向)における本体20の端部とを、互いに回動可能に接続する。
【0032】
図4は、本実施形態の開き位置Poにおけるノートブック型コンピュータ1を示す断面図である。ヒンジ30により互いに接続された表示部10及び本体20は、図3に示す閉じ位置Pcと、図4に示す開き位置Poと、の間で、中心軸Axまわりに互いに回動可能である。中心軸Axは、略右方向(+X方向)及び左方向(-X方向)に延びている。
【0033】
閉じ位置Pcでは、表示部10の前面11aと本体20の上面21aとが向かい合う。開き位置Poでは、表示部10の前面11aは、本体20の上面21aから離間するとともに、後方向(-Y方向)に向く。なお、図1に示すように、表示部10及び本体20は、開き位置Poを越えて開かれることができる。ユーザは、開き位置Po、又は表示部10及び本体20が開き位置Poを越えて開かれた状態で、ノートブック型コンピュータ1を使用する。
【0034】
開き位置Poにおいて、下方向(-Z方向)における表示部10の端部10aは、本体20の底面21dを越えて下方向(-Z方向)に張り出している。このため、下方向(-Z方向)における表示部10の端部10aは、例えば机の天面に当接し、前方向(+Y方向)における本体20の端部が机の天面から離間するようにノートブック型コンピュータ1を支持する。すなわち、本実施形態のノートブック型コンピュータ1は、いわゆるリフトアップ式のノートブック型コンピュータである。なお、ノートブック型コンピュータ1は、この例に限られない。
【0035】
ヒンジカバー13は、本体20の二つのヒンジ収容部21cの間に位置する。さらに、本体20の端面21bと、当該端面21bに設けられた排気口27及び吸気口28とは、隙間を介してヒンジカバー13に向く。
【0036】
ヒンジ30の回転の中心軸Axは、排気口27の中心よりも低い。言い換えると、ヒンジ30の回転の中心軸Axは、上下方向(+Z方向、-Z方向)において、排気口27の中心よりも底面21dに近い。
【0037】
図5は、本実施形態のヒンジカバー13を示す斜視図である。図6は、本実施形態の閉じ位置Pcにおけるノートブック型コンピュータ1の一部を拡大して示す断面図である。図7は、本実施形態の開き位置Poにおけるノートブック型コンピュータ1の一部を拡大して示す断面図である。
【0038】
図5に示すように、ヒンジカバー13は、外面130を有する。外面130は、ヒンジカバー13の外部に向く。外面130は、曲面131と、斜面132とを有する。曲面131及び斜面132のそれぞれは、外面130の一部である。
【0039】
曲面131は、中心軸Ax、又は当該中心軸Axと略平行な他の中心軸まわりに延びる略半円筒状に形成される。斜面132は、曲面131からヒンジカバー13の内側に窪んでいる。
【0040】
図6に示すように、斜面132は、当該斜面132の第1の縁132aと第2の縁132bとの間で、表示部10の前面11aに対して斜めに延びている。第1の縁132aと第2の縁132bとは、略右方向(+X方向)及び左方向(-X方向)に、略平行に延びている。
【0041】
第1の縁132aは、第2の縁132bよりも開口14に近い。さらに、第2の縁132bは、第1の縁132aよりも前面11aから離間している。このため、斜面132は、開口14から離間するに従って前面11aから離間するように、前面11aに対して斜めに延びている。本実施形態において、斜面132は略平面であるが、曲面であっても良いし、凹凸又は孔が設けられても良い。
【0042】
図6及び図7に示すように、排気口27及び吸気口28は、閉じ位置Pc及び開き位置Poのいずれにおいても斜面132の少なくとも一部に向く。本実施形態では、排気口27及び吸気口28は、閉じ位置Pcと開き位置Poとの間のいずれの位置でも、さらに図1に示す表示部10及び本体20が開き位置Poを越えて開かれた位置でも、斜面132の少なくとも一部に向く。
【0043】
図6に示すように、閉じ位置Pcにおいて、第1の縁132aは、第2の縁132bよりも排気口27に近い。このため、閉じ位置Pcにおいては、斜面132は、排気口27の近傍から斜め下方へ延びている。
【0044】
閉じ位置Pcにおいて、第1の縁132aは、上下方向(+Z方向、-Z方向)において、排気口27の両端の間に位置する。言い換えると、閉じ位置Pcにおける第1の縁132aは、上下方向における排気口27の範囲内に位置する。
【0045】
閉じ位置Pcにおいて、第2の縁132bは、上下方向(+Z方向、-Z方向)において排気口27により底面21dに近い。さらに、閉じ位置Pcにおいて、第2の縁132bは、上下方向(+Z方向、-Z方向)において底面21dよりも上面21aに近い。言い換えると、閉じ位置Pcにおける第2の縁132bは、上下方向における排気口27と底面21dとの間に位置する。
【0046】
図7に示すように、開き位置Poにおいて、第2の縁132bは、第1の縁132aよりも排気口27に近い。このため、開き位置Poにおいては、斜面132は、排気口27の近傍から斜め上方へ延びている。
【0047】
次に、ノートブック型コンピュータ1の放熱について説明する。ノートブック型コンピュータ1が動作しているとき、CPUのようなノートブック型コンピュータ1の内部部品から熱が発生する。発生した熱は、時間の経過とともに蓄積され、ノートブック型コンピュータ1の内部温度が上昇し、内部部品に対して悪影響を及ぼすことがある。さらに、内部温度が上昇すると、熱暴走によりノートブック型コンピュータ1の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0048】
ノートブック型コンピュータ1の内部に熱が蓄積されるのを防ぐため、例えば、ファン23及びヒートパイプを備える冷却装置が、ノートブック型コンピュータ1に設けられる。ノートブック型コンピュータ1の動作中にファン23が回転することにより、吸気口28から筐体21の内部へ気流が導入される。
【0049】
ファン23が発生させた気流は、CPUのような内部部品から熱を奪う。また、気流は、ヒートパイプ及び放熱フィンを介して、CPUの熱を奪う。熱を持った気流は、排気口27から筐体21の外部へ放出される。排気口27から放出された気流は、斜面132に衝突する。
【0050】
閉じ位置Pcにおいて、斜面132は、気流を斜め下方向へ導く。閉じ位置Pcにおけるノートブック型コンピュータ1が例えば机の天面に置かれている場合、斜面132の第2の縁132bと机の天面との間には、隙間が存在する。このため、気流は、斜面132に沿って流れ、当該隙間から放出される。
【0051】
開き位置Poにおいて、斜面132は、気流を斜め上方向へ導く。このため、気流は、斜面132に沿って表示部10の前面11aに向かって流れる。開き位置Poにおいて、前面11aは本体20の上面21aから離間しているため、前面11aの近傍は外部に開かれた広い空間となっている。このため、気流は外気に混じって消失する。
【0052】
以上の実施形態のノートブック型コンピュータ1では、閉じ位置Pcにおいて表示部10の前面11aと本体20の上面21aとが向かい合い、開き位置Poにおいて前面11aが上面21aから離間するとともに上面21aに沿う前方向(-Y方向)に向く。本体20の端面21bは、表示部10のヒンジカバー13に向く。本体20のファン23は、端面21bに設けられた排気口27から外部へ放出される気流を生じる。ヒンジカバー13は、第1の縁132aと、当該第1の縁132aよりも前面11aから離間した第2の縁132bと、の間で前面11aに対して斜めに延びる斜面132を有する。排気口27は、閉じ位置Pc及び開き位置Poのいずれにおいても斜面132に向く。閉じ位置Pcにおいて、第1の縁132aは第2の縁132bよりも排気口27に近い。開き位置Poにおいて、第2の縁132bは第1の縁132aよりも排気口27に近い。
【0053】
上述の構成とすることで、閉じ位置Pcにおいて、排気口27から放出された気流は、斜面132に沿って前面11aから離れるように流れる。従って、斜面132は、向かい合う前面11aと上面21aとによって閉塞された空間へ気流が進むことを抑制でき、気流を排気口27からスムーズに放出させることができる。
【0054】
一方、開き位置Poにおいて、第2の縁132bは第1の縁132aよりも排気口27に近い。このため、排気口27から放出された気流は、斜面132に沿って前面11aに向かって流れる。開き位置Poにおいては表示装置12と上面21aとが互いに離間しているため、気流は排気口27からスムーズに放出される。
【0055】
以上のように、ノートブック型コンピュータ1は、ヒンジカバー13に斜面132を有することで、当該ヒンジカバー13が排気口27から放出される気流を妨げることを抑制でき、ひいてはファン23による冷却性能の低下を抑制できる。
【0056】
また、本実施形態では、閉じ位置Pcにおいて、第1の縁132aは、上面21aが向く+Z方向(上下方向)において排気口27の両端の間に位置する。これにより、排気口27は、閉じ位置Pcにおいて斜面132に向くことができる。さらに、閉じ位置Pcにおいて第1の縁132aが排気口27よりも上方に位置する場合に比べ、ヒンジカバー13は、所定の大きさを有することができ、例えば部品を収容可能なヒンジカバー13の内部の空間を大きく確保することができる。
【0057】
また、本実施形態では、本体20は、上面21aの反対側に位置する底面21dを有する。閉じ位置Pcにおける第2の縁132bは、+Z方向(上下方向)において排気口27よりも底面21dに近い。これにより、ヒンジカバー13は、排気口27を覆うことで、ノートブック型コンピュータ1のデザイン性を向上させることができる。
【0058】
また、本実施形態では、本体20は、上面21aの反対側に位置する底面21dを有する。+Z方向(上下方向)において、閉じ位置Pcにおける第2の縁132bは、底面21dよりも上面21aに近い。これにより、閉じ位置Pcにおいて底面21dが例えば机の天面に支持されるとき、当該天面と第2の縁132bとの間に隙間が生じる。排気口27から放出された気流は、斜面132に沿って流れ、当該隙間を通って外部へ排出される。これにより、斜面132は、気流をスムーズに外部へ放出することができる。
【0059】
また、本実施形態では、ヒンジ30の回転の中心軸Axは、+Z方向(上下方向)において排気口27の中心よりも底面21dに近い。これにより、開き位置Poにおいて、排気口27の周囲の空間が広くなる。従って、ノートブック型コンピュータ1は、気流を排気口27からスムーズに外部へ放出することができる。
【0060】
また、本実施形態では、端面21bに、閉じ位置Pc及び開き位置Poのいずれにおいても斜面132に向く吸気口28が設けられる。ファン23は、吸気口28から気流を吸引する。このため、気流は、斜面132に沿って外部から吸気口28にスムーズに吸引されることができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1 ノートブック型コンピュータ
10 表示部
11a 前面
12 表示装置
13 ヒンジカバー
132 斜面
132a 第1の縁
132b 第2の縁
20 本体
21a 上面
21b 端面
21d 底面
23 ファン
27 排気口
28 吸気口
30 ヒンジ
Ax 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-06-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、前記表示装置を露出させる開口が設けられた第1の面と、前記第1の面から突出する凸部と、を有する第1の部分と、
第2の面と、前記第2の面に沿う第1の方向における端部に設けられて前記凸部に向くとともに排気口が設けられた端面と、前記排気口から外部へ放出される気流を生じるファンと、を有する第2の部分と、
前記第1の部分の前記凸部と前記第2の部分の前記端部とを、前記第1の面と前記第2の面とが向かい合う閉じ位置と、前記第1の面が前記第2の面から離間するとともに前記第1の方向の反対の第2の方向に向く開き位置と、の間で回動可能に接続するヒンジと、
を備え、
前記凸部は、第1の縁と、前記第1の縁よりも前記第1の面から離間した第2の縁と、の間で前記第1の面に対して斜めに延びる斜面を有し、
前記排気口は、前記閉じ位置及び前記開き位置のいずれにおいても前記斜面に向き、
前記閉じ位置において、前記第1の縁は前記第2の縁よりも前記排気口に近く、
前記開き位置において、前記第2の縁は前記第1の縁よりも前記排気口に近い、
ノートブック型コンピュータ。
【請求項2】
前記閉じ位置において、前記第1の縁は、前記第2の面が向く第3の方向において前記排気口の両端の間に位置する、
請求項1に記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項3】
前記第2の部分は、前記第2の面の反対側に位置する第3の面を有し、
前記閉じ位置における前記第2の縁は、前記第3の方向において前記排気口よりも前記第3の面に近い、
請求項2に記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項4】
前記第3の方向において、前記閉じ位置における前記第2の縁は、前記第3の面よりも前記第2の面に近い、
請求項3に記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項5】
前記ヒンジの回転の中心軸は、前記第3の方向において前記排気口の中心よりも前記第3の面に近い、
請求項3又は請求項4に記載のノートブック型コンピュータ。
【請求項6】
前記端面に、前記閉じ位置及び前記開き位置のいずれにおいても前記斜面に向く吸気口が設けられ、
前記ファンは、前記吸気口から気流を吸引し、前記排気口から気流を外部へ放出する、
請求項1に記載のノートブック型コンピュータ。