(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090474
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】カメラシャッター構造
(51)【国際特許分類】
G03B 11/04 20210101AFI20240627BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240627BHJP
【FI】
G03B11/04 B
G03B17/02
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206414
(22)【出願日】2022-12-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 美里
【テーマコード(参考)】
2H083
2H100
【Fターム(参考)】
2H083CC01
2H083CC22
2H083CC34
2H100AA61
2H100BB06
2H100CC07
(57)【要約】
【課題】カメラシャッター構造が配設されたフロントカバーの縁幅を細くする。
【解決手段】バックカバーに取り付けられた基板と、前記基板に対向し前記基板との間に所定の空間を設けて前記バックカバーに取り付けられたフロントカバーと、前記実装面に配設されたカメラと、前記フロントカバーの外部に向けて光を出射する光源と、前記フロントカバーに形成されたカメラ窓と、前記フロントカバーの前面に取り付けられたカメラパネルと、を備える筐体に配設され、前記所定の空間を前記フロントカバーの延在方向に沿って延在及び移動し前記カメラ窓を開閉するシャッターと、前記フロントカバー及び前記カメラパネルを該フロントカバーの厚さ方向に貫通するつまみ配置孔と、前記シャッターの前面に一体的に形成され、該つまみ配置孔に収容されて前記フロントカバー及び前記カメラパネルから外部に向かって突き出たつまみと、を備えるカメラシャッター構造。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックカバーと、前記バックカバーに取り付けられ実装面を有する基板と、前記基板に背面を向けて対向し前記基板との間に所定の空間を設けて前記バックカバーに取り付けられた額縁状のフロントカバーと、前記実装面に配設され前記フロントカバーの外部を撮像するカメラと、前記実装面に実装され前記フロントカバーの外部に向けて光を出射する光源と、前記フロントカバーに形成され前記カメラに対向するカメラ窓と、前記フロントカバーの前面に取り付けられたカメラパネルと、を備える筐体に配設され、
前記所定の空間を前記フロントカバーの延在方向に沿って延在しかつ移動し前記カメラ窓を開閉するシャッターと、
前記フロントカバー及び前記カメラパネルを該フロントカバーの厚さ方向に貫通するつまみ配置孔と、
前記シャッターの前面に一体的に形成され、該つまみ配置孔に収容されて前記フロントカバー及び前記カメラパネルから前記フロントカバーの外部に向かって前記厚さ方向に突き出たつまみと、を備えるカメラシャッター構造。
【請求項2】
前記フロントカバーの背面において前記基板側に向かって盛り上がった盛り上がり部と、
前記フロントカバーの延在方向において前記盛り上がり部の両側にそれぞれ形成された第一窪み部及び第二窪み部と、を備え、
前記シャッターは、前記第一窪み部及び前記第二窪み部に係合する係合突起を備え、
前記第一窪み部又は前記第二窪み部のいずれか一方に前記係合突起を係合した状態で、前記フロントカバーに対する前記延在方向におけるズレを規制する請求項1に記載のカメラシャッター構造。
【請求項3】
前記フロントカバーの背面に、該フロントカバーの幅方向において対向する一対の固定爪を備え、
前記シャッターは、該一対の固定爪の間に前記フロントカバーの延在方向に沿って前記フロントカバーの背面を摺動可能に挟持された請求項1または2に記載のカメラシャッター構造。
【請求項4】
前記フロントカバーの背面は、前記基板側に向かって突出する筒状突出部を備え、
前記基板は、前記実装面を保護するシールド板を備え、
前記シャッターは、該筒状突出部が入り込む長孔と、該シャッターの背面に形成され該シャッターの延在方向に沿って延在するとともに、前記長孔を該シャッターの延在方向において挟み前記シールド板に当接するレールと、を備える請求項1または2に記載のカメラシャッター構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、カメラシャッター構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)のような電子機器の筐体の上部側に収容され、筐体の外部(例えば、電子機器を使用する使用者等)を撮像するカメラが知られている。そして、該カメラは、筐体に配設されたカメラシャッター構造によって、筐体外部に露出した状態と、筐体外部に露出していない状態とに切り替え可能となっている。例えば、人と人とのコミュニケーションの方法は、上記カメラを使用したオンラインミーティング等が主流となる傾向にある。これに伴いカメラの乗っ取り等のセキュリティに対する関心が高まっており、上記のようなカメラシャッター構造においては、使用者自らが、シャッターの開け閉めをできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の筐体は、カメラが露出する孔を備え額縁状(矩形枠状)のフロントカバーと、フロントカバーの背面側に配設されるバックカバーと、フロントカバーの前面に取り付けられるカメラパネルと、を備えている。また、バックカバーとフロントカバーとは、表示装置である液晶ディスプレイ(LCD)を挟むようにして、液晶ディスプレイが貼着される。そして、フロントカバーとバックカバーとの間に設けられた薄い空間に、回路が配設された基板、基板に取り付けられたカメラ、及び基板に取り付けられた光源等が配置されている。
【0005】
従来のカメラシャッター構造は、フロントカバーとカメラとの間に形成された空間に、フロントカバーの延在方向に沿って延びるシャッターを備えている。そして、該シャッターは、使用者が筐体外部で把持できるつまみを備えており、該つまみによって、シャッターがフロントカバーとカメラとの間をフロントカバーの延在方向に沿って移動可能となっている。従来、シャッターを移動させるためのつまみは、フロントカバーに取り付けられたカメラパネルからフロントカバーの幅方向に外れた位置にあり、例えば、カメラパネルの上方となる位置に離されて配設されている。また、従来のカメラシャッター構造は、シャッターを固定するための固定構造を、フロントカバーの幅方向(ベゼル幅方向)に延在するように形成している。そのため、つまみ及び該固定構造の分だけ、額縁状のフロントカバーの縁幅(ベゼル幅)が太くなる。
【0006】
よって、カメラシャッター構造が配設されたフロントカバーの縁幅をより細くする狭額縁化を図るという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本実施形態のカメラのシャッター構造は、バックカバーと、前記バックカバーに取り付けられ実装面を有する基板と、前記基板に背面を向けて対向し前記基板との間に所定の空間を設けて前記バックカバーに取り付けられた額縁状のフロントカバーと、前記実装面に配設され前記フロントカバーの外部を撮像するカメラと、前記実装面に実装され前記フロントカバーの外部に向けて光を出射する光源と、前記フロントカバーに形成され前記カメラに対向するカメラ窓と、前記フロントカバーの前面に取り付けられたカメラパネルと、を備える筐体に配設される。そして、本実施形態のカメラのシャッター構造は、前記所定の空間を前記フロントカバーの延在方向に沿って延在しかつ移動し前記カメラ窓を開閉するシャッターと、前記フロントカバー及び前記カメラパネルを貫通するつまみ配置孔と、前記シャッターの前面に一体的に形成され、該つまみ配置孔に収容されて前記フロントカバー及び前記カメラパネルから前記フロントカバーの外部に向かって前記厚さ方向に突き出たつまみと、を備える。
【0008】
前記フロントカバーの背面において前記基板側に向かって盛り上がった盛り上がり部と、前記フロントカバーの延在方向において前記盛り上がり部の両側にそれぞれ形成された第一窪み部及び第二窪み部と、を備え、前記シャッターは、前記第一窪み部及び前記第二窪み部に係合する係合突起を備え、前記第一窪み部又は前記第二窪み部のいずれか一方に前記係合突起を係合した状態で、前記フロントカバーに対する前記延在方向におけるズレを規制する。
【0009】
前記フロントカバーの背面に、該フロントカバーの縁幅方向において対向する一対の固定爪を備え、前記シャッターは、該一対の固定爪の間に前記フロントカバーの延在方向に沿って前記フロントカバーの背面を摺動可能に挟持されている。
【0010】
前記フロントカバーの背面は、前記基板側に向かって突出する筒状突出部を備え、前記基板は、前記実装面を保護するシールド板を備え、前記シャッターは、該筒状突出部が入り込む長孔と、該シャッターの背面に形成され該シャッターの延在方向に沿って延在するとともに、前記長孔を該シャッターの延在方向において挟み前記シールド板に当接するレールと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
電子機器等の筐体に配設される本実施形態のカメラシャッター構造は、筐体のフロントカバーと基板との間の所定の空間を前記フロントカバーの延在方向に沿って延在しかつ移動しカメラ窓を開閉するシャッターと、前記フロントカバー及びカメラパネルを該フロントカバーの厚さ方向に貫通するつまみ配置孔と、前記シャッターの前面に一体的に形成され、該つまみ配置孔に収容されて前記フロントカバー及び前記カメラパネルから前記フロントカバーの外部に向かって突き出たつまみと、を備えている。そのため、フロントカバーの縁幅(ベゼル幅)をより狭くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、表示装置が取り付けられ本実施形態のカメラシャッター構造が配設された筐体を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、筐体のバックカバーを説明する斜視図である。
【
図3】
図3は、バックカバーに貼着されフロントカバーが貼着される前の表示装置、及びシャッター構造の一部でありバックカバーの前面側に配設されたシャッターを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、バックカバーに貼着された表示装置、表示装置に貼着されバックカバーに取り付けられたフロントカバー、及びカメラシャッター構造を、
図1のX軸方向に沿って切断して示す断面図である。
【
図5】
図5は、バックカバーに取り付けられた基板とフロントカバーとの間の所定の空間に配設された各構成、及びカメラシャッター構造を
図1のY軸方向に沿って切断して示す断面図である。
【
図6】
図6は、シャッターの前面を説明する斜視図である。
【
図7】
図7は、シャッターの背面を説明する斜視図である。
【
図8】
図8は、フロントカバーに取り付けられたシャッターを背面側から説明する斜視図である。
【
図9】
図9は、フロントカバーに取り付けられたシャッターが、カメラを覆っていない状態を説明する断面図である。
【
図10】
図10は、従来の電子機器の筐体における、カメラシャッター構造を説明する説明図である。
【
図11】
図11は、従来の電子機器の筐体における、カメラシャッター構造のシャッターのズレを規制するロック構造を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に示す表示装置11が取り付けられた筐体1は、例えば、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器の一部となる。即ち、筐体1には、キーボード等が配設された図示しない電子機器本体が、ヒンジ等からなる接続部20を介して回転可能(開閉可能)に接続される。
【0014】
以下の各図では、便宜上、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向が規定されている。X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、互いに直交している。X軸方向は、筐体1の短手方向に沿う方向である。Y軸方向は、筐体1の長手方向に沿う方向である。Z軸方向は、筐体1の厚さ方向に沿う方向である。X軸方向は、+X方向と-X方向とを含む。Y軸方向は、+Y方向と-Y方向とを含む。Z軸方向は、+Z方向と-Z方向とを含む。
【0015】
筐体1は、例えば、
図1、
図2に示す矩形板状のバックカバー10を備えている。そして、
図2に示すバックカバー10の内面となる前面100に、画像を表示可能な
図1に示す表示装置11の背面が、両面のストレッチテープ107により貼着されている。バックカバー10の前面100は、筐体1の内部に向く略平坦な面である。なお、前面100に、凹凸が設けられても良いし、曲面が設けられても良い。バックカバー10の前面100は、表示装置11の背面に向いている。
【0016】
図1に示す表示装置11は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の画像を表示可能な装置である。表示装置11は、表示面110を有する。表示面110は、略平坦に形成され画像を表示可能である。表示面110に、例えば、タッチパネルが設けられても良い。その場合、ユーザは、表示面110へのタッチ操作により表示装置11を操作することができる。
【0017】
図2は、筐体1のバックカバー10の表示装置11が取り付けられる前の状態を示している。
図2に示すバックカバー10の前面100の中で、+X方向側の上部領域の中央には、実装面121を有する基板12が配設されている。そして、バックカバー10の前面100の中で、基板12の下方に位置する領域に
図1に示す表示装置11が貼着される。バックカバー10の前面100の中で、基板12が配設されている上部領域を、前面103とする。また、バックカバー10の前面100の中で、
図1に示す表示装置11が貼着される下部領域を前面104とする。
【0018】
例えば、バックカバー10の前面104の中での左右の外周縁側の領域(±Y方向における外周縁側の領域)は、台状に少しだけ厚く形成されており、前面104の厚く形成された台状部分に両面のストレッチテープ107が配設されている。そして、バックカバー10の前面104にストレッチテープ107を介して貼着された
図1の表示装置11の背面と前面104との間には、所定の薄い空間が形成される。例えば、バックカバー10の前面100には、基板12に接続されたFPC(Flexible Printed Circuits)105が配設されている。
【0019】
図1に示す矩形板状の表示装置11は、長手方向(Y軸方向)における長さが、バックカバー10の長手方向(Y軸方向)における長さと略同一に設定されている。また、表示装置11は、短手方向(X軸方向)における長さが、バックカバー10の短手方向(X軸方向)における長さよりも小さく設定されている。そして、
図3に示すように、表示装置11がバックカバー10の前面104に貼着された状態において、基板12が表示装置11から+X方向に外れた状態となっている。換言すれば、基板12と表示装置11とは、Z軸方向において重なっていない状態となっている。
【0020】
筐体1は、
図1に示す額縁状(矩形枠状)のフロントカバー13を備えている。フロントカバー13の前面130は開口している。
図3に示すように、表示装置11の前面となる表示面110中の外周縁側の領域に、細幅の両面テープ11cが貼着されており、
図1に示す前面130の開口を塞ぐように、フロントカバー13の背面131が
図3に示す両面テープ11cを介して表示装置11の表示面110の外周縁側の領域に貼着されている。
【0021】
例えば、
図4に示すように、フロントカバー13の上縁部分は、Z軸方向においてバックカバー10側に向かって突き出ることで、位置合わせ溝132bが形成されている。また、
図4に示すようにフロントカバー13の矩形環状となる背面131の中で、上方向の外周縁側の領域(+X方向における外周縁側の領域)は、表示装置11から外れている。フロントカバー13の背面131の中で、表示装置11から外れた上方向の外周縁側の領域を、
図4、
図5に示す基板12とZ軸方向において対向する背面132とする。そして、
図5に示すように、フロントカバー13の背面132と基板12の前面である実装面121とが、Z軸方向において対向している。
【0022】
例えば、
図4に示すように、バックカバー10の前面103の上縁部分は、位置合わせ壁103aとして、フロントカバー13側に向かって突き出ている。また、フロントカバー13の上縁部分は、バックカバー10側から見て凹む位置合わせ溝132bが形成されている。そして、位置合わせ溝132b内に位置合わせ壁103aが入り込むことで、バックカバー10に対して、表示装置11に貼着されたフロントカバー13が適切に位置決めされている。
【0023】
図1に示すヒンジ等からなる接続部20は、フロントカバー13及び表示装置11が一体となったバックカバー10を、図示しない電子機器本体と互いに回動可能となるように接続する。接続部20は、例えば、Y軸方向を軸方向とする軸部200と、軸部200に接続されたヒンジ羽201と、を備えている。また、軸部200の大部分に、ヒンジキャップ146が被せられている。
なお、図示しない上記電子機器本体は、例えば、薄い箱状に形成されており、基板、CPU、ROM、RAM、HDD又はSSDのようなストレージ、バッテリ、アンテナ、及び他の種々の部品を収容する。また、該電子機器本体には、入力手段であるキーボートやタッチパネルが設けられる。接続部20は、図示しない電子機器本体の後端部と、X軸方向の下方向における筐体1の端部である下端部14と、を互いに接続する。
【0024】
図5に示すように、表示装置11に貼着された額縁状(矩形枠状)のフロントカバー13は、基板12に背面132を向けてZ軸方向において対向し、基板12との間に所定の空間15を設けてバックカバー10に取り付けられている。
【0025】
図2、
図5に示す基板12は、バックカバー10の前面103の中央領域において、バックカバー10の長手方向(Y軸方向)に延在する矩形状に形成されている。基板12は、フロントカバー13の背面132と対向する実装面121を有する。そして、
図5に示すように、基板12の実装面121には、フロントカバー13の外部、即ち、フロントカバー13の前面130の前方の空間及び該空間に存在する対象を撮像するカメラ32が配設されている。
【0026】
基板12の実装面121に実装されたカメラ32は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。カメラ32は、静止画データおよび所定のフレームレートでの動画データ(撮像画像データ、画像情報)を出力することができる。カメラ32は、ボディ32aと、ボディ32aの中央に配設されたレンズ32bと、を有する。ボディ32aは、実装面121に固定されている。レンズ32bは、フロントカバー13に形成されたカメラ窓136からフロントカバー13の外部に面した状態でボディ32aに支持されている。カメラ32の光軸、即ち、レンズ32bの光軸は、フロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向)に沿っている。
【0027】
図5に示すフロントカバー13のカメラ32に対向する箇所に、カメラ窓136がフロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向)に貫通形成されている。カメラ窓136は、例えば、矩形の開口であるが、円形の開口等であってもよい。カメラ窓136は、カメラ32のレンズ32bをフロントカバー13の外に露出させる開口である。
【0028】
図5に示すように、フロントカバー13には、例えば、+Y方向側から-Y方向側に向かう方向で、下記の並び順で、第一マイクロフォン孔133a、つまみ孔134、第一光源孔135a、カメラ窓136、第二光源孔135b、及び第二マイクロフォン孔133bが、フロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向)に貫通形成されている。
【0029】
図5に示す第二光源孔135bは、例えば円形の開口であるが、形状はこれに限定されるものではない。実装面121の第二光源孔135bに対応する位置には、第二光源34が実装されている。第二光源34は、フロントカバー13の前面130外部に向けて光を出射する。第二光源34は、実装面121において、Y軸方向にカメラ32と間隔を空けて並べられている。第二光源34は、例えば、赤外線(近赤外線)を出射するLED(Light Emitting Diode)である。第二光源34は、例えば認証用の光源である。第二光源34は、実装面121に実装されフロントカバー13の外部に向けて光を出射する光源の一例である。
【0030】
カメラ32は、フロントカバー13の外部を撮像する。即ち、カメラ32は、第二光源34が出射する赤外線が対象物、この場合、筐体1に取り付けられた表示装置11(
図1参照)を利用する人間(主に表示装置11を覗き込んでいる、表示装置11に対面している人間)の顔で反射した赤外線に基づく画像を撮像する。第二光源34は、カメラ32が主に顔認証や虹彩認証を行う場合に、第二光源孔135bから赤外線を出射する。
【0031】
図5に示す第一光源孔135aは、例えば円形の開口であるが、形状はこれに限定されるものではない。第一光源33は、実装面121の第一光源孔135aに対応する位置に実装され、フロントカバー13の外部に向けて光を出射する。第一光源33は、実装面121において、カメラ32よりも+Y方向側に位置している。第一光源33は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。第一光源33は、例えばカメラ32の動作状態を表示するための光源である。第一光源33は、例えば、カメラ32が撮像をしている場合には、点灯し、カメラ32が撮像をしていない場合には、消灯する。第一光源33は、実装面121に実装されフロントカバー13の外部に向けて光を出射する光源の一例である。
【0032】
例えば、実装面121の第一光源33のY軸方向における両側となる位置には、電子回路38が形成されている。また、実装面121には、実装面121の電子回路38を保護するためのシールド板129が形成されている。シールド板129は、基板12からフロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向)に沿って垂直に立ち上がり、さらにY軸方向に水平に延びる板状に形成されている。そして、シールド板129は、電子回路38の上方を覆っている。また、シールド板129には、開口129aが形成されており、該開口129aから、第一光源33が第一光源孔135aに向かって露出している。
【0033】
図5に示すように、第一マイクロフォン孔133aは、つまみ孔134よりも、+Y方向側に位置している。また、第二マイクロフォン孔133bは、第二光源孔135bよりも-Y方向側に位置している。実装面121の第一マイクロフォン133孔aに対応する位置には、第一マイクロフォン35が実装されている。第一マイクロフォン35は、筐体1の外部から第一マイクロフォン35に到達する音を受音する。第一マイクロフォン35は、ボディ35aと、受音面35bと、を有する。ボディ35aは、実装面121に固定されている。受音面35bは、振動板に含まれ、音を受音する。
【0034】
実装面121の第二マイクロフォン孔133bに対応する位置には、第二マイクロフォン36が実装されている。第二マイクロフォン36は、第一マイクロフォン35と略同一の構成であるため、説明を省略する。
【0035】
図1、
図5に示すように、フロントカバー13の前面130の中で、第一マイクロフォン孔133a、つまみ孔134、第一光源孔135a、カメラ窓136、第二光源孔135b、及び第二マイクロフォン孔133bが配設された領域には、カメラパネル17が配設されている。カメラパネル17は、フロントカバー13の前面130に図示しない接着剤又は両面テープにより貼着されている。
【0036】
カメラパネル17は、フロントカバー13の延在方向に沿って延在する矩形板状に形成されている。カメラパネル17は、例えば、一部が透光する部材で形成されている。
図5に示すように、カメラパネル17には、例えば、+Y方向側から-Y方向側に向かう方向で、下記の並び順で、第一マイクロフォン孔171、つまみ孔175、及び第二マイクロフォン孔172が、厚さ方向(Z軸方向)に貫通形成されている。
【0037】
図5に示すように、カメラパネル17の第一マイクロフォン孔171は、フロントカバー13の第一マイクロフォン孔133aに重なる。また、カメラパネル17の第二マイクロフォン孔172はフロントカバー13の第二マイクロフォン孔133bに重なる。カメラパネル17のつまみ孔175は、フロントカバー13のつまみ孔134に重なる。カメラパネル17は、フロントカバー13の背面132と基板12との間の所定の空間15に、つまみ孔134、第一光源孔135a、カメラ窓136、第二光源孔135b等から、ほこり等が入り込むことを防止する役割を果たす。
【0038】
カメラパネル17は、第一マイクロフォン孔133a及び第二マイクロフォン孔133bは覆わずに、フロントカバー13の外部に露出させる。カメラパネル17は、第一光源孔135a、カメラ窓136、及び第二光源孔135bを覆う。カメラパネル17の中で、第一光源孔135a、カメラ窓136、及び第二光源孔135bを覆う部分は、透明または半透明の部材で形成されており、光を透過可能となっている。
【0039】
例えば、第一マイクロフォン孔133aには、フロントカバー13の背面132と基板12との間の所定の空間15にほこり等が入り込むことを防止するために、防塵部材133cが配設されている。防塵部材133cは、例えば、一部が内側に向かって一段縮径された略円筒状に形成されており、第一マイクロフォン35の周囲を囲繞しつつ、第一マイクロフォン35の受音面35bをフロントカバー13の外部に露出させている。なお、第二マイクロフォン孔133bにも、同様の防塵部材133dが配設されている。
【0040】
上記のような各構成を備える筐体1に、本実施形態の
図5に示すカメラシャッター構造5が配設される。本実施形態のカメラシャッター構造5は、フロントカバー13の背面132と基板12との間の所定の空間15をフロントカバー13の延在方向(Y軸方向)に沿って延在しかつ移動しカメラ窓136を開閉するシャッター50と、フロントカバー13及びカメラパネル17をフロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向)に貫通するつまみ配置孔52と、シャッター50の前面500に一体的に形成され、つまみ配置孔52に収容されてフロントカバー13及びカメラパネル17からフロントカバー13の前面130の外部に向かって突き出たつまみ55と、を備える。
【0041】
図6、
図7に示すシャッター50は、例えば、その全体がフロントカバー13(
図5参照)の延在方向に沿って延在する略矩形の板状に形成されている。
図6は、シャッター50の前面500を説明する斜視図である。
図7は、シャッター50の背面501を説明する斜視図である。シャッター50は、例えば、つまみ55が一体的に形成され矩形板状であるつまみ形成部503と、つまみ形成部503と一体的につながり長孔505が形成された中間板部504と、中間板部504と一体的につながり一段の段差を備えるカメラ対向部506とを備えている。
【0042】
カメラ対向部506は、例えば、
図5に示すようにY軸方向に沿って切断した断面が略Z字型に構成されている。即ち、カメラ対向部506は、フロントカバー13の厚さ方向において一段段差が設けられており、シャッター50の背面501の中で一段基板12から離れた位置にあるカメラ覆い面を備えている。
【0043】
カメラ対向部506は、例えば、カメラ窓136の大きさの略半分の大きさに形成されている。つまみ55が、仮に
図5に示す開位置P1にある状態においては、カメラ対向部506はカメラ32の前面から外れた状態となる。また、つまみ55が閉位置P2にある状態においては、カメラ対向部506はカメラ32の前面の略全域を覆った状態となる。
【0044】
図5、
図6に示すように、つまみ55は、例えば、シャッター50の前面500に一体的に形成されており、カメラパネル17(
図1参照)の幅方向(X軸方向)に延在する略直方体状に形成されている。なお、つまみ55の形状は、
図6に示す例に限定されず、使用者が把持しやすい形状であればよい。
【0045】
図5に示すつまみ配置孔52は、本実施形態においては、フロントカバー13のつまみ孔134及びカメラパネル17のつまみ孔175とで形成されおり、全体が略矩形の開口である。つまみ配置孔52に収容されたつまみ55は、カメラパネル17から突き出ており、使用者が把持できる。そして、使用者が、把持したつまみ55に力を加えることで、つまみ配置孔52内をつまみ55がY軸方向に移動可能となっている。
【0046】
本実施形態のカメラシャッター構造5は、例えば、
図5、
図8に示すように、フロントカバー13の背面132において基板12側に向かって盛り上がった盛り上がり部561と、フロントカバー13の延在方向(Y軸方向)において盛り上がり部561の両側にそれぞれ形成された第一窪み部562及び第二窪み部563と、を備えている。盛り上がり部561は、例えば、外周縁部分がスロープ状に傾斜している。
図5に示す第一窪み部562及び第二窪み部563は、例えば、半球状にフロントカバー13の背面132が少しだけ窪んだ形状となっている。
【0047】
図5、
図6に示すように、シャッター50は、第一窪み部562及び第二窪み部563に係合する係合突起564を備える。係合突起564は、シャッター50の前面500の中で、つまみ55が形成された箇所からフロントカバー13の延在方向(Y軸方向)において所定距離離れた箇所に形成されている。係合突起564は、例えば第一窪み部562及び第二窪み部563に合わせた半球状の突起である。そして、所定の空間15に配設されたシャッター50は、第一窪み部562及び第二窪み部563のいずれか一方に係合突起564が係合した状態で、フロントカバー13に対する延在方向(Y軸方向)におけるズレが規制される。換言すれば、使用者がつまみ55を把持して力を加えていない状態おいて、
図5に示すシャッター50が開位置P1と閉位置P2との間で自然に(勝手に)移動してしまうことが防止される。
【0048】
図8に示すように、本実施形態のカメラシャッター構造5は、例えば、フロントカバー13の背面132に形成されフロントカバー13の幅方向(X軸方向)において対向する一対の固定爪57を備えている。
図8は、シャッター50がフロントカバー13の背面132に取り付けられた状態を示している。一対の固定爪57は、例えば鉤状に形成されている。そして、鉤状に形成された一対の固定爪57の間に位置付けられたシャッター50のつまみ形成部503が、一対の固定爪57により押さえられる。また、シャッター50は、一対の固定爪57の間に、フロントカバー13の延在方向(Y軸方向)に沿って背面132を摺動可能に挟持された状態となる。一対の固定爪57によって、シャッター50がY軸方向に移動する場合に、シャッター50のフロントカバー13の幅方向(X軸方向)における移動ブレが抑制され、シャッター50の開閉操作の安定性が増す。
【0049】
図5、
図8に示すように、例えば、フロントカバー13の背面132は、基板12側に向かって突出する筒状突出部138を備えている。筒状突出部138は、円筒状に形成されており、その筒内の開口が第一光源孔135aに連通している。なお、筒状突出部138の形状は、円筒状に限定されるものではない。
【0050】
本実施形態のカメラシャッター構造5のシャッター50は、
図5、
図8に示す筒状突出部138が入り込む長孔505を備えている。例えば、シャッター50の中間板部504に貫通形成された長孔505に対して、筒状突出部138が緩嵌合しており、シャッター50のY軸方向における移動に伴って、筒状突出部138も相対的に長孔505内をY軸方向に移動する。そのため、シャッター50がY軸方向に移動する場合の、シャッター50のフロントカバー13の幅方向(X軸方向)における移動ブレが抑制され、シャッター50の開閉操作の安定性が増す。
【0051】
図7、
図8に示すように、シャッター50は、例えば、その背面501に形成されシャッター50の延在方向(Y軸方向)に沿って延在するとともに、長孔505をシャッター50の延在方向において挟むレール509を備えている。例えば、レール509は、シャッター50の幅方向(X軸方向)に間隔を空けて2本形成されている。レール509は、略円柱状に形成されており、つまみ形成部503から中間板部504の長孔505のY軸方向における一端まで延びて一度途切れる。また、レール509は、長孔505をY軸方向において挟むようにして、長孔505のY軸方向における他端から、カメラ対向部506において段差部分に至らない程度の長さで延びている。
【0052】
図4、
図5に示すように、二本のレール509は、フロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向)において、基板12のシールド板129に当接している。そのため、薄い板状で長孔505を備えるシャッター50が、フロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向)において撓んでしまうことを、二本のレール509によって抑制できる。よって、シャッター50の開閉操作の安定性が増す。
【0053】
以下に、
図9に示すカメラシャッター構造5のシャッター50によってカメラ32が覆われておらず、カメラ32がフロントカバー13のカメラ窓136から露出した状態から、
図5に示すシャッター50がカメラ窓136を閉じてカメラ32を覆う状態とする場合について説明する。
【0054】
図9に示すつまみ55が、例えば、Y軸方向における開位置P1にある状態では、カメラ対向部506はカメラ32の前面から外れた状態となる。また、シャッター50の係合突起564は、第一窪み部562に係合している。第二光源34が出射する赤外線が、フロントカバー13の第二光源孔135b、及び光を透過するカメラパネル17を通過して、筐体1に取り付けられた表示装置11(
図1参照)を利用する人間の顔等に照射される。そして、人間の顔等によって反射した赤外線が、カメラパネル17及び開いた状態のカメラ窓136から筐体1内部のカメラ32によって捉えられる。そして、カメラ32は、受光した反射光に基づく画像を撮像する。カメラ32の撮像画像は、顔認証や虹彩認証等を行うために使用される。第一光源33は、例えば、カメラ32が撮像をしている際に点灯しており、使用者は、第一光源33から出射され第一光源孔135a及びカメラパネル17を通過した光を視認することで、カメラ32が撮像を行っていることを判断できる。
【0055】
例えば、使用者が、
図9に示すカメラ32による撮像を停止させたい場合には、使用者が、指でつまみ55を把持して、つまみ55に-Y方向側に向かって力を加える。これによって、係合突起564が第一窪み部562から外れる。そして、つまみ55がつまみ配置孔52内を+Y方向から-Y方向に向かって移動することに伴って、シャッター50が-Y方向に向かって移動する。また、カメラ対向部506が、カメラ窓136を徐々に閉じていく。
【0056】
ここで、
図8に示す一対の固定爪57によって、固定爪57の間に挟持したシャッター50が-Y方向へ移動する際の、フロントカバー13の幅方向(X軸方向)における移動ブレを抑制する。また、
図8、
図9に示すシャッター50の長孔505内を、フロントカバー13の筒状突出部138が相対的に+Y方向に移動するため、シャッター50のフロントカバー13の幅方向における移動ブレが抑制される。さらに、
図9に示すように、2本のレール509が、基板12のシールド板129に当接しているため、シャッター50のフロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向))における撓みが抑制される。
【0057】
図9に示す状態から
図5に示す状態のように、シャッター50の第一窪み部562から外れた係合突起564が、盛り上がり部561を乗り越えて、第二窪み部563に係合する。これによって、使用者は、
図5に示すシャッター50のカメラ対向部506が適切にカメラ32の前面全域を覆ったことを、カメラ窓136がカメラ対向部506によって閉じられたことを視認するとともに、指先の感覚からも認識できる。このように、
図5に示すカメラシャッター構造5のシャッター50により、カメラ窓136が閉じられることで、カメラ32による撮像が停止される。
【0058】
図10は、電子機器の筐体8における、従来のカメラシャッター構造を説明する説明図である。
図11は、電子機器の筐体8における、従来のカメラシャッター構造のシャッター85のズレを規制するロック構造を説明する説明図である。なお、
図10では、筐体8のフロントカバー81を前面側から見た状態を示している。また、
図11では、筐体8のフロントカバー81を、カメラパネル86を取り外した状態で前面側から見た状態を示している。
図10に示すように、筐体8の矩形枠状のフロントカバー81は、表示装置82の上部側に取り付けされている。フロントカバー81の前面には、Y軸方向に延在する板状のカメラパネル86が取り付けられている。フロントカバー81には、カメラ窓83が形成されており、フロントカバー81の幅方向(X軸方向)においてカメラ窓83の上方となる位置(+X方向側の位置)には、カメラシャッター構造を構成するつまみ800が配設されている。
図10に示すように、つまみ800は、フロントカバー81に取り付けられたカメラパネル86から幅方向(X軸方向)に外れた位置に配設されている。よって、つまみ800が、フロントカバー81の幅方向の長さ(ベゼル幅)を大きくする要因となっている。
【0059】
また、
図11に示すように、従来のカメラシャッター構造では、つまみ800からフロントカバー81の幅方向(X軸方向)の下側に向かって板状のシャッター85が延在するように一体的に形成されている。板状のシャッター85は、一部がフロントカバー81の延在方向(Y軸方向)に細いバー状に延びた摺動部853を備えている。そして、フロントカバー81の前面には、摺動部853が収容され摺動部853をガイドしつつY軸方向に移動させるための溝814が厚さ方向(Z軸方向)に窪むように形成されている。筐体8における従来のカメラシャッター構造では、
図11に示すように、シャッター85の細いバー状に延びた摺動部853と、フロントカバー81のY軸方向に延在する溝814とでシャッター85のY軸方向への移動を安定させようとしているため、シャッター85の移動が安定しない場合がある。
【0060】
また、筐体8における従来のカメラシャッター構造は、シャッター85が使用者から力を加えられていない場合にY軸方向に自然に移動することを抑制するためのロック構造を備えている。このロック構造は、フロントカバー81のカメラ窓83の下縁部分からフロントカバー81の幅方向(X軸方向)における下方に向かって切り欠かれた係合窪み807を備えている。係合窪み807は、例えば、Y軸方向に間隔を空けて2つ形成されている。そして、シャッター85の背面には、該係合窪み807に係合する図示しない突起が形成されており、該突起が2つの係合窪み807のいずれか一方に係合していることで、シャッター85が使用者から力を加えられていない場合に自然にY軸方向に移動してしまうことが抑制される。しかし、該ロック構造は、その各部がフロントカバー81の幅方向に延びるように構成されていることから、フロントカバー81の幅方向の長さ(ベゼル幅)を大きくする要因となっている。
【0061】
本実施形態に係る
図5、
図9に示すカメラシャッター構造5は、フロントカバー13の背面132と基板12との間の所定の空間15をフロントカバー13の延在方向(Y軸方向)に沿って延在及び移動しカメラ窓136を開閉するシャッター50と、フロントカバー13及びカメラパネル17をフロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向)に貫通するつまみ配置孔52と、シャッター50の前面500に一体的に形成され、つまみ配置孔52に収容されてフロントカバー13及びカメラパネル17からフロントカバー13の外部に向かって突き出たつまみ55と、を備えている。よって、フロントカバー13のX軸方向におけるベゼル幅をより狭くすることが可能となる。
【0062】
例えば、本実施形態のカメラシャッター構造5は、フロントカバー13の背面132において基板12側に向かって盛り上がった盛り上がり部561と、フロントカバー13の延在方向(Y軸方向)において盛り上がり部561の両側にそれぞれ形成された第一窪み部562及び第二窪み部563と、を備え、シャッター50、第一窪み部562及び第二窪み部563に係合する係合突起564を備えている。そして、第一窪み部562又は第二窪み部563のいずれか一方に係合突起564を係合した状態で、フロントカバー13に対する延在方向におけるズレを規制する。即ち、使用者がつまみ55に力を加えていない場合に自然にシャッター50が移動してしまうことを規制する。また、使用者が、例えば、シャッター50を移動させる際に、第一窪み部562と係合突起564との係合が外れ、盛り上がり部561を乗り越えて、第二窪み部563に係合突起564が係合することで、シャッター50が適切な位置に移動したことを、指先の感覚から認識可能となる。そして、フロントカバー13のベゼル幅をより狭くすることが可能となる。
【0063】
例えば、フロントカバー13の背面132に、フロントカバー13の幅方向において対向する一対の固定爪57を備え、シャッター50は、一対の固定爪57の間にフロントカバー13の延在方向に沿ってフロントカバー13の背面132を摺動可能に挟持されている。そのため、フロントカバー13のベゼル幅をより狭くすることができるとともに、移動するシャッター50のフロントカバー13の幅方向(X軸方向)におけるブレが抑制され、シャッター50の開閉操作の安定性が増す。
【0064】
例えば、フロントカバー13の背面132は、基板12側に向かって突出する筒状突出部138を備え、基板12は、実装面121の電子回路38等を保護するシールド板129を備え、シャッター50は、筒状突出部138が入り込む長孔505と、シャッター50の背面501に形成されシャッター50の延在方向に沿って延在するとともに、長孔505をシャッター50の延在方向において挟みシールド板129に当接するレール509と、を備える。そのため、シャッター50がY軸方向に移動する場合の、シャッター50のフロントカバー13の幅方向(X軸方向)におけるブレが抑制され、シャッター50の開閉操作の安定性が増す。また、シャッター50が、フロントカバー13の厚さ方向(Z軸方向)において撓んでしまうことが抑制される。よって、シャッター50の開閉操作の安定性が増す。
【0065】
上記のように本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1:筐体
10:バックカバー
11:表示装置
12:基板 121:実装面 129:シールド板
13:フロントカバー 136:カメラ窓 138:筒状突出部
15:フロントカバーと基板との間の所定の空間
17:カメラパネル
20:接続部
32:カメラ 33:第一光源 35:第一マイクロフォン 38:電子回路
5:カメラシャッター構造
50:シャッター 505:長孔 509:レール
52:つまみ配置孔
55:つまみ
561:盛り上がり部 562:第一窪み部 563:第二窪み部 564:係合突起
57:固定爪
【手続補正書】
【提出日】2023-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックカバーと、前記バックカバーに取り付けられ実装面を有する基板と、前記基板に背面を向けて対向し前記基板との間に所定の空間を設けて前記バックカバーに取り付けられた額縁状のフロントカバーと、前記実装面に配設され前記フロントカバーの外部を撮像するカメラと、前記実装面に実装され前記フロントカバーの外部に向けて光を出射する光源と、前記フロントカバーに形成され前記カメラに対向するカメラ窓と、前記フロントカバーの前面に取り付けられたカメラパネルと、を備える筐体に配設されるカメラシャッター構造であって、
前記所定の空間を前記フロントカバーの延在方向に沿って延在しかつ移動し前記カメラ窓を開閉するシャッターと、
前記フロントカバー及び前記カメラパネルを該フロントカバーの厚さ方向に貫通するつまみ配置孔と、
前記シャッターの前面に一体的に形成され、該つまみ配置孔に収容されて前記フロントカバー及び前記カメラパネルから前記フロントカバーの外部に向かって前記厚さ方向に突き出たつまみと、を備え、
前記フロントカバーの背面は、前記基板側に向かって突出する筒状突出部を備え、
前記基板は、前記実装面を保護するシールド板を備え、
前記シャッターは、該筒状突出部が入り込む長孔と、該シャッターの背面に形成され該シャッターの延在方向に沿って延在するとともに、前記長孔を該シャッターの延在方向において挟み前記シールド板に当接するレールと、を備えるカメラシャッター構造。
【請求項2】
前記フロントカバーの背面において前記基板側に向かって盛り上がった盛り上がり部と、
前記フロントカバーの延在方向において前記盛り上がり部の両側にそれぞれ形成された第一窪み部及び第二窪み部と、を備え、
前記シャッターは、前記第一窪み部及び前記第二窪み部に係合する係合突起を備え、
前記第一窪み部又は前記第二窪み部のいずれか一方に前記係合突起を係合した状態で、前記フロントカバーに対する前記延在方向におけるズレを規制する請求項1に記載のカメラシャッター構造。
【請求項3】
前記フロントカバーの背面に、該フロントカバーの幅方向において対向する一対の固定爪を備え、
前記シャッターは、該一対の固定爪の間に前記フロントカバーの延在方向に沿って前記フロントカバーの背面を摺動可能に挟持された請求項1または2に記載のカメラシャッター構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するための本実施形態のカメラのシャッター構造は、バックカバーと、前記バックカバーに取り付けられ実装面を有する基板と、前記基板に背面を向けて対向し前記基板との間に所定の空間を設けて前記バックカバーに取り付けられた額縁状のフロントカバーと、前記実装面に配設され前記フロントカバーの外部を撮像するカメラと、前記実装面に実装され前記フロントカバーの外部に向けて光を出射する光源と、前記フロントカバーに形成され前記カメラに対向するカメラ窓と、前記フロントカバーの前面に取り付けられたカメラパネルと、を備える筐体に配設される。そして、本実施形態のカメラのシャッター構造は、前記所定の空間を前記フロントカバーの延在方向に沿って延在しかつ移動し前記カメラ窓を開閉するシャッターと、前記フロントカバー及び前記カメラパネルを貫通するつまみ配置孔と、前記シャッターの前面に一体的に形成され、該つまみ配置孔に収容されて前記フロントカバー及び前記カメラパネルから前記フロントカバーの外部に向かって前記厚さ方向に突き出たつまみと、を備え、前記フロントカバーの背面は、前記基板側に向かって突出する筒状突出部を備え、前記基板は、前記実装面を保護するシールド板を備え、前記シャッターは、該筒状突出部が入り込む長孔と、該シャッターの背面に形成され該シャッターの延在方向に沿って延在するとともに、前記長孔を該シャッターの延在方向において挟み前記シールド板に当接するレールと、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】