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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090492
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206440
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】執行 里恵
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CC14
5D208CF01
(57)【要約】
【課題】カラオケ演奏中の楽曲以外に楽曲が予約されていない場合であってもカラオケ演奏を行うことが可能なカラオケ装置を提供する。
【解決手段】ある楽曲のカラオケ演奏中の所定タイミングで、他の楽曲が予約されているかどうかを判定する判定部と、他の楽曲が予約されていないと判定された場合、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段を制御する演奏制御部と、を有するカラオケ装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある楽曲のカラオケ演奏中の所定タイミングで、他の楽曲が予約されているかどうかを判定する判定部と、
他の楽曲が予約されていないと判定された場合、前記ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段を制御する演奏制御部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記ある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏中において、前記他の楽曲が予約されているかどうかを判定し、
前記演奏制御部は、前記他の楽曲が予約されていないと判定された場合、前記ある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう前記演奏手段を制御することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
楽曲のカラオケ歌唱を評価し、評価結果を取得する評価部を有し、
前記演奏制御部は、前記他の楽曲が予約されていないと判定され、且つ前記評価結果が所定条件を満たす場合、前記ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう前記演奏手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載のカラオケ装置。
【請求項4】
楽曲のカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データを記憶手段に記憶させる記憶処理部を有し、
前記演奏制御部は、前記他の楽曲が予約されていないと判定された場合、前記ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行い、且つ記憶手段に記憶された当該ある楽曲の所定の演奏区間におけるカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データに基づく歌唱音声を、当該カラオケ演奏に同期して再生するよう前記演奏手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の楽曲が予約されている場合、カラオケ装置は予約順に楽曲のカラオケ演奏を行う。よって、予約順が遅い楽曲のカラオケ演奏が開始されるまでには長時間を要する。このため、利用者は、自らが予約した楽曲のカラオケ演奏が開始された場合であっても、他の利用者との会話や飲食に夢中となり気が付かないことがある。
【0003】
ここで、特許文献1には、ある楽曲の歌い出し時期にワイヤレスマイク信号を受信していない場合に、当該ある楽曲の前奏を繰り返す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-057836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、カラオケ演奏中の楽曲以外に楽曲が予約されていない場合、当該楽曲のカラオケ演奏終了と共に場が沈黙状態となる。よって、場の雰囲気が盛り下がってしまう。
【0006】
本発明の目的は、カラオケ演奏中の楽曲以外に楽曲が予約されていない場合であってもカラオケ演奏を行うことが可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、ある楽曲のカラオケ演奏中の所定タイミングで、他の楽曲が予約されているかどうかを判定する判定部と、他の楽曲が予約されていないと判定された場合、前記ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段を制御する演奏制御部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カラオケ演奏中の楽曲以外に楽曲が予約されていない場合であってもカラオケ演奏を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図2】実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図3】実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図4】変形例2に係るカラオケ本体を示す図である。
図5】変形例3に係るカラオケ本体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
図1図3を参照して、実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0011】
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0012】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者のカラオケ歌唱の歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0013】
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0014】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0015】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ、区間情報等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の歌唱旋律を示すデータであって、利用者によるカラオケ歌唱を評価する際に用いられるデータである。区間情報は、演奏区間を示す。演奏区間は、カラオケ演奏が行われる区間である。演奏区間は、歌唱区間及び非歌唱区間を含む。歌唱区間は、楽曲において歌唱すべき歌詞が設定されている区間(たとえば、1番のAメロ、Bメロ、サビ)である。非歌唱区間は、たとえば前奏、間奏、後奏のような、楽曲において歌唱すべき歌詞が設定されていない区間である。
【0016】
記憶手段10aは、各楽曲に対応する歌詞をカラオケ演奏に合わせて表示装置30等に表示させるための歌詞データ、及びカラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ、及び楽曲の属性情報(楽曲名、歌手名、ジャンル、演奏時間等)を記憶する。
【0017】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の操作入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0018】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された音声信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0019】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0020】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、判定部100及び演奏制御部200として機能する。
【0021】
(判定部)
判定部100は、ある楽曲のカラオケ演奏中の所定タイミングで、他の楽曲が予約されているかどうかを判定する。
【0022】
所定タイミングは、判定部100による処理を実行するタイミングである。所定タイミングは、たとえば「最後のサビの最後の小節の1拍目」、「最初のBメロの最初の小節の2拍目」、「1番と2番の間奏の小節の1拍目」のように、楽曲のカラオケ演奏中であれば特に限定されない。本実施形態において、所定タイミングは、カラオケ装置毎に予め一のタイミングが設定されていてもよいし、利用者が利用する都度、リモコン装置50等を介して設定してもよい。ある楽曲は、現在カラオケ演奏が行われている楽曲である。他の楽曲は、現在カラオケ演奏が行われている楽曲とは異なる楽曲である。
【0023】
判定部100による処理は、予約待ち行列に登録されている楽曲識別情報があるかどうかを確認することにより行う。
【0024】
カラオケ歌唱を希望する利用者は、リモコン装置50等を介して楽曲の選曲を行う。カラオケ装置Kは、利用者が選曲した楽曲の楽曲識別情報を予約待ち行列に登録することにより、楽曲の予約(すなわちカラオケ演奏の予約)を行う。
【0025】
カラオケ装置K(具体的には演奏制御部200)は、予約待ち行列に登録されている楽曲識別情報を元に、楽曲の伴奏データを記憶手段10aから取得する。カラオケ装置Kは、取得した伴奏データを再生し、スピーカ20からカラオケ演奏音を放音させるよう、演奏手段10dを制御する。利用者は、スピーカ20から放音されるカラオケ演奏音に合わせ、マイク40を用いてカラオケ歌唱を行うことができる。
【0026】
ここで、判定部100は、所定タイミングが到来した場合、予約待ち行列にある楽曲以外の他の楽曲の楽曲識別情報が登録されているかどうかを確認する。予約待ち行列に他の楽曲の楽曲識別情報が登録されていた場合、判定部100は、他の楽曲が予約されていると判定する。一方、予約待ち行列に他の楽曲の楽曲識別情報が登録されていなかった場合、判定部100は、他の楽曲が予約されていないと判定する。判定部100は、判定結果を演奏制御部200に出力する。
【0027】
(演奏制御部)
演奏制御部200は、上述の通り、予約された楽曲のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。
【0028】
また、本実施形態に係る演奏制御部200は、他の楽曲が予約されていないと判定された場合、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する。
【0029】
所定の演奏区間は、他の楽曲が予約されているかどうかを判定する所定タイミングが含まれる演奏区間である。所定の演奏区間は、たとえば「最後のサビの歌唱区間」、「最初のBメロの歌唱区間」、「1番と2番の間奏の非歌唱区間」のように、楽曲の演奏区間であれば特に限定されない。本実施形態において、所定の演奏区間は、カラオケ装置毎に予め一の演奏区間が設定されていてもよいし、利用者が利用する都度、リモコン装置50等を介して設定してもよい。また、1回の判定につき、カラオケ演奏を繰り返す回数は1回である。
【0030】
判定部100から他の楽曲が予約されていないという判定結果が出力されたとする。この場合、演奏制御部200は、残りの演奏区間のカラオケ演奏を開始せず、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する。一方、判定部100から他の楽曲が予約されているという判定結果が出力されたとする。この場合、演奏制御部200は、カラオケ演奏の繰り返しを行うことなく、ある楽曲の残りの演奏区間のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。残りの演奏区間は、他の楽曲が予約されているかどうかを判定した所定タイミングよりも後の演奏区間(すなわち、未だカラオケ演奏が行われていない演奏区間)である。
【0031】
なお、カラオケ演奏が繰り返し行われている状態で新たな楽曲の予約があった場合、判定部100からは他の楽曲が予約されているという判定結果が出力される。従って、演奏制御部200は、カラオケ演奏の繰り返しを中止し、残りの演奏区間のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。
【0032】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、図3を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図3は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。
【0033】
カラオケ装置Kの利用者は、リモコン装置50を介してある楽曲の選曲を行う。カラオケ装置Kは、利用者が選曲したある楽曲の予約を行う(ある楽曲の予約。ステップ10)。演奏制御部200は、予約されたある楽曲のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する(ある楽曲のカラオケ演奏を開始。ステップ11)。
【0034】
判定部100は、ある楽曲のカラオケ演奏中の所定タイミングで、他の楽曲が予約されているかどうかを判定する(他の楽曲が予約されているかどうかを所定タイミングで判定。ステップ12)。
【0035】
他の楽曲が予約されていないと判定された場合(ステップ13でNの場合)、演奏制御部200は、ステップ10で予約されたある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する(所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返す。ステップ14)。判定部100は、繰り返しのカラオケ演奏中において所定タイミングが到来する都度、ステップ12の処理を行う。
【0036】
一方、他の楽曲が予約されていると判定された場合(ステップ13でYの場合)、演奏制御部200は、ステップ10で予約されたある楽曲の残りの演奏区間のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する(残りの演奏区間のカラオケ演奏。ステップ15)。
【0037】
たとえば、利用者U1~利用者U3の3名でカラオケ装置Kを利用するとする。また、「最後のサビの最後の小節の1拍目」が所定タイミングとして設定され、「最後のサビの歌唱区間」が所定の演奏区間として設定されているとする。
【0038】
ここで、利用者U1、利用者U2の順番で楽曲X1、楽曲X2の選曲を行った場合、カラオケ装置Kは、楽曲X1、楽曲X2の楽曲IDを予約待ち行列に順番に登録することにより、楽曲X1及び楽曲X2の予約を行う。なお、楽曲X1の演奏区間は、前奏、1番のAメロ、Bメロ、サビ、間奏(1)、2番のAメロ、Bメロ、サビ、間奏(2)、3番のBメロ、サビ、後奏からなり、楽曲X2の演奏区間は、前奏、1番のAメロ、Bメロ、サビ、間奏(1)、2番のAメロ、Bメロ、サビ、間奏(2)、3番のAメロ、Bメロ、サビ、4番のBメロ、サビ、後奏からなるとする。
【0039】
演奏制御部200は、予約待ち行列に最初に登録されている楽曲IDを元に、楽曲X1の伴奏データを記憶手段10aから取得する。カラオケ装置Kは、取得した伴奏データを再生し、スピーカ20から楽曲X1のカラオケ演奏音を放音させるよう、演奏手段10dを制御する。利用者U1は、スピーカ20から放音されるカラオケ演奏音に合わせ、マイク40を用いて楽曲X1のカラオケ歌唱を行う。
【0040】
ここで、判定部100は、ある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏中において、他の楽曲が予約されているかどうかを判定する。
【0041】
上記例において、楽曲X1の3番のサビの最後の小節の1拍目(すなわち所定タイミング)が到来した場合、判定部100は、予約待ち行列に楽曲X1以外の他の楽曲の楽曲IDが登録されているかどうかを確認する。この段階では、予約待ち行列に楽曲X2の楽曲IDが登録されている。よって、判定部100は、他の楽曲が予約されていると判定する。判定部100は、判定結果を演奏制御部200に出力する。
【0042】
演奏制御部200は、当該判定結果に基づき、楽曲X1の残りの演奏区間(すなわち、3番のサビの最後の小節の1拍目以後及び後奏)のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。
【0043】
楽曲X1のカラオケ演奏終了後、演奏制御部200は、楽曲X1の次に予約待ち行列に登録されている楽曲X2の楽曲IDを元に、楽曲X2の伴奏データを記憶手段10aから取得する。カラオケ装置Kは、取得した伴奏データを再生し、スピーカ20から楽曲X2のカラオケ演奏音を放音させるよう、演奏手段10dを制御する。利用者U2は、スピーカ20から放音されるカラオケ演奏音に合わせ、マイク40を用いて楽曲X2のカラオケ歌唱を行う。
【0044】
ここで、楽曲X2の4番のサビの最後の小節の1拍目(すなわち所定タイミング)が到来した場合、判定部100は、予約待ち行列に楽曲X2以外の他の楽曲の楽曲IDが登録されているかどうかを確認する。この例では、楽曲X1は既にカラオケ演奏を終えているため、楽曲X1の楽曲IDは予約待ち行列から削除されている。すなわち、この段階では、予約待ち行列に他の楽曲の楽曲IDが登録されていない。よって、判定部100は、他の楽曲が予約されていないと判定する。判定部100は、判定結果を演奏制御部200に出力する。
【0045】
演奏制御部200は、他の楽曲が予約されていないと判定された場合、ある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する。
【0046】
上記例において、演奏制御部200は、楽曲X2の残りの演奏区間(後奏)のカラオケ演奏を開始せず、楽曲X2の4番のサビの歌唱区間(すなわち所定の演奏区間)のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する。
【0047】
ここで、楽曲X2の4番のサビの歌唱区間のカラオケ演奏が繰り返されている途中で利用者U3が楽曲X3の選曲を行ったとする。この場合、カラオケ装置Kは、楽曲X3の楽曲IDを予約待ち行列に登録することにより、楽曲X3の予約を行う。
【0048】
その後、カラオケ演奏が繰り返されている楽曲X2の4番のサビの最後の小節の1拍目が到来した場合、判定部100は、予約待ち行列に楽曲X2以外の他の楽曲の楽曲IDが登録されているかどうかを確認する。この段階では、予約待ち行列に楽曲X3の楽曲IDが登録されている。よって、判定部100は、他の楽曲が予約されていると判定する。判定部100は、判定結果を演奏制御部200に出力する。演奏制御部200は、当該判定結果に基づき、楽曲X2の残りの演奏区間(すなわち、4番のサビの最後の小節の1拍目以後及び後奏)のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。
【0049】
楽曲X2のカラオケ演奏終了後、演奏制御部200は、予約待ち行列に登録されている楽曲X3の楽曲IDを元に、楽曲X3の伴奏データを記憶手段10aから取得する。カラオケ装置Kは、取得した伴奏データを再生し、スピーカ20から楽曲X3のカラオケ演奏音を放音させるよう、演奏手段10dを制御する。利用者U3は、スピーカ20から放音されるカラオケ演奏音に合わせ、マイク40を用いて楽曲X3のカラオケ歌唱を行う。
【0050】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、ある楽曲のカラオケ演奏中の所定タイミングで、他の楽曲が予約されているかどうかを判定する判定部100と、他の楽曲が予約されていないと判定された場合、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する演奏制御部200と、を有する。
【0051】
このようなカラオケ装置Kによれば、ある楽曲のカラオケ演奏中の所定タイミングにおいて他の楽曲が予約されていない場合には、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏が繰り返し行われる。その結果、他の楽曲が予約されていない場合であってもスピーカからはカラオケ演奏音が放音される。よって、場の雰囲気を維持しつつ、更にカラオケを楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、カラオケ演奏中の楽曲以外に楽曲が予約されていない場合であってもカラオケ演奏を行うことができる。
【0052】
また、本実施形態に係る判定部100は、ある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏中において、他の楽曲が予約されているかどうかを判定し、演奏制御部200は、他の楽曲が予約されていないと判定された場合、ある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、他の楽曲が予約されていない場合であっても、最も盛り上がることが多い楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏を繰り返し行うことができる。
【0053】
<変形例1>
上記実施形態では、ある楽曲のカラオケ演奏中において所定タイミングが一の例について説明した。一方、所定タイミングは複数あってもよい。
【0054】
たとえば「各サビの最後の小節の2拍目」を所定のタイミングとすることができる。この場合、判定部100は、ある楽曲の1番のサビの最後の小節の2拍目が到来した場合、予約待ち行列にある楽曲以外の他の楽曲の楽曲IDが登録されているかどうかを確認することができる。予約待ち行列に他の楽曲の楽曲IDが登録されている場合、判定部100は、他の楽曲が予約されていると判定する。判定部100は、判定結果を演奏制御部200に出力する。演奏制御部200は、当該判定結果に基づき、ある楽曲の残りの演奏区間のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。
【0055】
次に、判定部100は、ある楽曲の2番のサビの最後の小節の2拍目が到来した場合、予約待ち行列にある楽曲以外の他の楽曲の楽曲IDが登録されているかどうかを確認することができる。予約待ち行列に他の楽曲の楽曲IDが登録されている場合、判定部100は、他の楽曲が予約されていると判定する。判定部100は、判定結果を演奏制御部200に出力する。演奏制御部200は、当該判定結果に基づき、ある楽曲の残りの演奏区間のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。判定部100及び演奏制御部200は、所定タイミングが到来する毎に上記処理を繰り返し行う。
【0056】
一方、ある楽曲の1番のサビの最後の小節の2拍目が到来した場合において、予約待ち行列に他の楽曲の楽曲IDが登録されていなかったとする。この場合、判定部100は、他の楽曲が予約されていないと判定する。判定部100は、判定結果を演奏制御部200に出力する。演奏制御部200は、当該判定結果に基づき、ある楽曲の1番のサビの歌唱区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する。
【0057】
なお、上記例において演奏制御部200は、1番のサビの歌唱区間のカラオケ演奏を所定回数(たとえば1回)繰り返した後、残りの演奏区間のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御してもよい。また、判定部100は、他の楽曲が予約されていると判定した場合には、以後の判定を行わないものとしてもよい。
【0058】
<変形例2>
演奏制御部200は、カラオケ歌唱の評価結果に基づいてカラオケ演奏の繰り返しを行うかどうかを決定することができる。
【0059】
[制御手段]
本変形例においては、CPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、判定部100、演奏制御部200、及び評価部300として機能する(図4参照)。
【0060】
(評価部)
評価部300は、楽曲のカラオケ歌唱を評価し、評価結果を取得する。
【0061】
カラオケ歌唱の評価は、公知の技術を利用することができる。たとえば、評価部300は、マイク40から入力された音声信号から、ピッチ(音高)データ、音量データ等の歌唱情報を抽出し、カラオケ歌唱を行った楽曲のリファレンスデータと比較する。評価部300は、比較結果に応じて評価結果を取得することができる。評価結果は、たとえば100点を満点とする数値や、ピッチデータとリファレンスデータの一致度(たとえば一致している割合)として示すことができる。評価部300は、取得した評価結果を演奏制御部200に出力する。
【0062】
カラオケ歌唱の評価を行う歌唱区間は特に限定されない。評価部300は、判定部100が判定を行う所定タイミングを含む歌唱区間における歌唱情報のみに基づいてカラオケ歌唱の評価を行うことができる。たとえば、判定部100がある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏中において判定を行う場合、評価部300は、当該最後のサビの歌唱区間における歌唱情報に基づいてカラオケ歌唱の評価を行うことができる。また、評価部300は、判定部100が判定を行う所定タイミングを含む歌唱区間、及びそれより前の歌唱区間における歌唱情報に基づいてカラオケ歌唱の評価を行うことができる。たとえば、判定部100がある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏中において判定を行う場合、評価部300は、1番のAメロの歌唱区間から当該最後のサビの歌唱区間における歌唱情報に基づいてカラオケ歌唱の評価を行うことができる。
【0063】
(演奏制御部)
本変形例に係る演奏制御部200は、他の楽曲が予約されていないと判定され、且つ評価結果が所定条件を満たす場合、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する。
【0064】
所定条件は、たとえば「100点満点中、80点以上」、「ピッチデータとリファレンスデータの一致度が7割以上」のように、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うかどうかを判断するための条件である。所定条件は、カラオケ装置毎に予め一の条件が設定されていてもよいし、利用者が利用する都度、リモコン装置50等を介して設定してもよい。
【0065】
ここで、判定部100から他の楽曲が予約されていないという判定結果が出力されたとする。この場合、演奏制御部200は、評価部300から出力された評価結果が所定条件を満たすかどうかを判断する。評価結果が所定条件を満たすと判断した場合、演奏制御部200は、残りの演奏区間のカラオケ演奏を開始せず、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する。
【0066】
一方、評価結果が所定条件を満たさないと判断した場合、または判定部100から他の楽曲が予約されているという判定結果が出力された場合、演奏制御部200は、カラオケ演奏の繰り返しを行うことなく、ある楽曲の残りの演奏区間のカラオケ演奏を行うよう演奏手段10dを制御する。
【0067】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ歌唱を評価し、評価結果を取得する評価部300を有する。演奏制御部200は、他の楽曲が予約されていないと判定され、且つ評価結果が所定条件を満たす場合、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する。
【0068】
カラオケ演奏が繰り返し行われる場合、楽曲を選曲した利用者は、カラオケ演奏に合わせて何度もカラオケ歌唱を行うことができる。一方、たとえばカラオケ歌唱が上手くない利用者のカラオケ歌唱を繰り返し聞くことは、他の利用者にとってストレスにもなりうる。
【0069】
一方、本変形例に係るカラオケ装置Kによれば、他の楽曲が予約されていないと判定され、且つ評価結果が所定条件を満たす場合にのみ、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏が繰り返し行われる。すなわち、他の楽曲が予約されていないと判定された場合であっても評価結果が所定条件を満たさない場合には、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏が繰り返し行われることはない。よって、他の利用者がストレスを感じることがないため、場の雰囲気を維持しつつ、更にカラオケ歌唱を楽しむことができる。
【0070】
<変形例3>
演奏制御部200は、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行う際に、利用者の歌唱音声を合わせて放音させることができる。
【0071】
[制御手段]
本変形例においては、CPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、判定部100、演奏制御部200、及び記憶処理部400として機能する(図5参照)。
【0072】
(記憶処理部)
記憶処理部400は、楽曲のカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データを記憶手段10aに記憶させる。
【0073】
演奏制御部200は、楽曲の伴奏データを再生し、スピーカ20からカラオケ演奏音を放音させるよう、演奏手段10dを制御する。利用者は、スピーカ20から放音されるカラオケ演奏音に合わせ、マイク40を用いてカラオケ歌唱を行うことができる。
【0074】
記憶処理部400は、マイク40から入力された音声信号から、歌唱音声データを抽出し、記憶手段10aに記憶させる。
【0075】
歌唱音声データの記憶は、少なくともカラオケ演奏を繰り返し行う所定の演奏区間において行われる。たとえば、所定の演奏区間が「最後のサビの歌唱区間」である場合、記憶処理部400は、少なくとも最後のサビの歌唱区間におけるカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データを記憶させる。
【0076】
(演奏制御部)
本変形例に係る演奏制御部200は、他の楽曲が予約されていないと判定された場合、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行い、且つ記憶手段10aに記憶された当該ある楽曲の所定の演奏区間におけるカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データに基づく歌唱音声を、当該カラオケ演奏に同期して再生するよう演奏手段10dを制御する。
【0077】
たとえば、実施形態で述べたように、利用者U2が、スピーカ20から放音されるカラオケ演奏音に合わせ、マイク40を用いて楽曲X2のカラオケ歌唱を行ったとする。この際、記憶処理部400は、利用者U2のカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データを記憶手段10aに記憶させる。
【0078】
ここで、楽曲X2の4番のサビの最後の小節の1拍目(すなわち所定タイミング)が到来した場合、判定部100は、予約待ち行列に楽曲X2以外の他の楽曲の楽曲IDが登録されているかどうかを確認する。実施形態で述べた通り、判定部100は、他の楽曲が予約されていないと判定する。判定部100は、判定結果を演奏制御部200に出力する。
【0079】
演奏制御部200は、楽曲X2の残りの演奏区間(後奏)のカラオケ演奏を開始せず、楽曲X2の4番のサビの歌唱区間(すなわち所定の演奏区間)のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段10dを制御する。また、演奏制御部200は、楽曲X2の4番のサビの歌唱区間におけるカラオケ歌唱(利用者U2のカラオケ歌唱)に対応する歌唱音声データを記憶手段10aから読み出す。演奏制御部200は、読み出した歌唱音声データに基づく歌唱音声を、楽曲X2の4番のサビの歌唱区間のカラオケ演奏に同期して再生するよう演奏手段10dを制御する。
【0080】
この場合、スピーカ20からは、楽曲X2の4番のサビの歌唱区間のカラオケ演奏音に合わせて、楽曲X2の4番のサビの歌唱区間におけるカラオケ歌唱の歌唱音声(利用者U2の歌唱音声)が放音される。
【0081】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データを記憶手段10aに記憶させる記憶処理部400を有し、演奏制御部200は、他の楽曲が予約されていないと判定された場合、ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行い、且つ記憶手段10aに記憶された当該ある楽曲の所定の演奏区間におけるカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データに基づく歌唱音声を、当該カラオケ演奏に同期して再生するよう演奏手段10dを制御する。
【0082】
このようなカラオケ装置Kによれば、繰り返し行われるある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏に合わせて、記憶された利用者の歌唱音声を放音することができる。よって、利用者はカラオケ演奏の繰り返しに合わせてカラオケ歌唱を続ける必要がないため、次にカラオケ歌唱を行う楽曲の選曲が容易となる。
【0083】
<その他>
開示される技術的特徴の組み合わせのいくつかの例を以下に記載する。
(1)ある楽曲のカラオケ演奏中の所定タイミングで、他の楽曲が予約されているかどうかを判定する判定部と、他の楽曲が予約されていないと判定された場合、前記ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう演奏手段を制御する演奏制御部と、を有するカラオケ装置。
(2)前記判定部は、前記ある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏中において、前記他の楽曲が予約されているかどうかを判定し、前記演奏制御部は、前記他の楽曲が予約されていないと判定された場合、前記ある楽曲の最後のサビの歌唱区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう前記演奏手段を制御することを特徴とする(1)記載のカラオケ装置。
(3)楽曲のカラオケ歌唱を評価し、評価結果を取得する評価部を有し、前記演奏制御部は、前記他の楽曲が予約されていないと判定され、且つ前記評価結果が所定条件を満たす場合、前記ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行うよう前記演奏手段を制御することを特徴とする(1)または(2)記載のカラオケ装置。
(4)楽曲のカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データを記憶手段に記憶させる記憶処理部を有し、前記演奏制御部は、前記他の楽曲が予約されていないと判定された場合、前記ある楽曲の所定の演奏区間のカラオケ演奏を繰り返し行い、且つ記憶手段に記憶された当該ある楽曲の所定の演奏区間におけるカラオケ歌唱に対応する歌唱音声データに基づく歌唱音声を、当該カラオケ演奏に同期して再生するよう前記演奏手段を制御することを特徴とする(1)~(3)のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【0084】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
100 判定部
200 演奏制御部
300 評価部
400 記憶処理部
K カラオケ装置
図1
図2
図3
図4
図5