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  • 特開-自動車盗難防止装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090497
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】自動車盗難防止装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/09 20130101AFI20240627BHJP
   E05B 83/00 20140101ALI20240627BHJP
【FI】
B60R25/09
E05B83/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206445
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】719005345
【氏名又は名称】中邨 光
(72)【発明者】
【氏名】中邨 光
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250LL00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自動車防犯対策として、自動車の自重を利用した丈夫で壊れにくい根本原理方法により長期間確実安定的な盗難防止効果を得る。
【解決手段】メインフレーム3上に載置された左右車輪1下部のタイヤホイール内側空隙14にロックバー5を移動させ挿入し車輪1発進時の回転を止め、固定錠10により施錠することが出来る。自動車が載置時にメインフレーム3へ掛かる自動車自重の下向きの力と自動車発進時にロックバー5に掛かる上向きの力との力のつり合い原理を利用し、これにより物理的に自動車が自走することを不可能にして盗難を阻止できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールを備えたメインフレームと前記レール機構に沿って直動するロックバーを、前記メインフレーム上に載置された車輪のホイール内側空隙へ挿入し、自動車発進時にメインフレームとロックバーとの間で、車輪のタイヤ及びホイールリム幅内側を挟持により車輪の回転を止めることによる自動車盗難防止装置。
【請求項2】
前記ロックバーを自動車盗難防止装置中央より外向きに、左右ホイール内側空隙へそれぞれ挿入することを特徴とする請求項1記載の自動車盗難防止装置。
【請求項3】
前記ロックバーをホイール内側空隙に挿入し、自動車発進車輪回転時にロックバーとホイール内側下部リム幅面との距離を、早期に縮める補助ロックバーを有することを特徴とする請求項1または2記載の自動車盗難防止装置。
【請求項4】
前記本体の後部に設けられた位置調整機能付き車止めを備えたことを特徴とする、請求項1乃至3記載の自動車盗難防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車における車輪の回転を止めて自走不可能にするタイプの自動車盗難防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1乃至特許文献4に開示されるような、車輪の1部を囲うタイプの盗難防止装置が知られている。この従来技術は、装置を外から切られたり装着したまま自走されたりすることで壊され盗難されていた。
【0003】
一方、特許文献5は地面に設置固定されたタイヤストッパーを設けることで盗難を防止しているが、大胆な自動車盗難方法においては重機等により車体ごと持ち上げられ別の車輌に積んで持ち去られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-175165号公報
【特許文献2】特開2006-168662号公報
【特許文献3】特開2002-160604号公報
【特許文献4】特開2002-173001号公報
【特許文献5】特開2003-072516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでの物理的な自動車盗難防止装置は、実際の犯行現場において時間を稼ぐ程度のものであり、装置ストッパー部分の物理的な切断や重機などによる吊り上げ等によって盗難が可能となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一発明は、レールを備えたメインフレームと前記レール機構に沿って直動するロックバーを、前記メインフレーム上に載置された車輪のホイール内側空隙へ挿入する。自動車発進時にメインフレームとロックバーとの間で、車輪のタイヤ及びホイール下部リム幅内側を挟持することにより、車輪の回転を止めることを特徴とする自動車盗難防止装置。
【0007】
第二発明は、前記ロックバーを自動車盗難防止装置中央より外向きに、左右ホイール内側空隙へそれぞれ挿入することを特徴とする自動車盗難防止装置。
【0008】
第三発明は、前記ロックバーをホイール内側空隙に挿入し、自動車発進車輪回転時にロックバーとホイール内側下部リム幅面との距離を、早期に縮める補助ロックバーを有することを特徴とする自動車盗難防止装置。
【0009】
第四発明は、自動車盗難防止装置本体の後部に設けられた位置調整機能付き車止めを備えたことを特徴とする自動車盗難防止装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の自動車盗難防止装置に自動車を載置して、ロックバーがホイール内側に挿入される。そしてこのロックバーが車輪やメインフレームと一体になることで、装置に自動車の自重が掛かり、車輪を動かせなくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1乃至図3は本発明第一実施例の各働き動作を示す図である。図4乃至図5は第二実施例を動作毎に示した図である。図6乃至図7はその天面を開き内部構造を動作毎に示した図である。
図1】本第一発明の自動車盗難防止装置。
図2】本第一発明の自動車盗難防止装置に車輌車輪の載置状態を示す図。
図3】本第一発明の自動車盗難防止装置に車輌車輪の載置ロックした状態を示す図。
図4】本第二発明の自動車盗難防止装置に車輌車輪の載置状態を示す図。
図5】本第二発明の自動車盗難防止装置に車輌車輪の載置ロックした状態を示す図。
図6】本発明のロックバー戻り防止機構を示したロック解除時の図。
図7】本発明のロックバー戻り防止機構を示したロック状態の図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態については、実施例に基づいた図1乃至図7の図面と共に以下に説明する。なお、図面乃至特許願内において適宜示される矢印と前後左右上下の方向について、自動車盗難防止装置に車輌を載置する方向を後ろ向きにし、運転席に乗車した状態を想定した場合の方向を示すものとする。
【実施例0013】
図1乃至図3は、第一発明の自動車盗難防止装置を示すものである。図1は車輪1が載置無し時、図2は車輪1が載置されたロック解除時、図3は車輪1が載置されたロック状態を示す全体的な図である。
【0014】
本実施例1の自動車盗難防止装置0に、車輪1がスロープ16を通過して車止め15まで自動車をさげる。その状態が図2である。
【0015】
周知のように車輪1はタイヤとホイールを有する。そしてホイールはタイヤの幅に合わせたリム幅を有しており、かつホイールはタイヤの外径や扁平率に適合したホイール高さのリム径を有する。この車輪1と、同心円とする中心にドライブシャフト2が配置される。
【0016】
本発明は、このドライブシャフト2より下方側と、リム幅のホイール内側空隙14を利用するものである。このホイール内側空隙14と、左右車輪間のドライブシャフト2下方側のスペースは、地面との接点が近いこともあり比較的空いている車両がほとんどである。
【0017】
このスペースへ上部に棒状のロックバーを、中間部には固定車輪付きの台車と下部にはラチェットロックプレート7を配置し、ボルトにて螺合緊結したものから成るロックバー5を使用する。
【0018】
このロックバー5上部先端が、ホイール内側空隙14にホイールリム径下部内側面又はロックバー5土台部が、タイヤ内側面双方どちらかに係合されるまで、ロックバー操作ハンドル11により引き直動させ挿入する。
【0019】
この操作を左右両輪双方に行う。その状態が図3である。この左右車輪1内側へロックバー5を挿入することによって、物理的に抜け出せ無くしている。そしてこれが車体の下ということで、外部より壊されにくい。
【0020】
ロックバー5は車種や車輪サイズ等により棒状の上部を変更する必要が有るため、脱着式となっている。
【0021】
又この自動車盗難防止装置全体としては、運搬のしやすさや容易に設置出来るなど工業的な広がりを考慮して、分割可能な構造としている。
【0022】
前記にあるロックバー操作ハンドル11は、図6乃至図7ではロックバー5の下部に固定されて、車輪固定時には引き動作のため装置側面より大きく突出するため、折れ曲がる構造になっている。(図3図5図7参照)
【0023】
またこれとは別に、ロックバー操作ハンドル11本体を取手の付いた直線棒状としてロックバー5下部との固定方法を脱着可能にする事も出来る。この場合、取り外したハンドルを車内などに保管することで、簡易的な施錠効果も期待出来る。
【0024】
図6乃至図7では、このロックバー5の戻りを防止する固定方法として、ラチェットロックプレート7とラチェットロックバー8に各種最適な切込みを設け掛止めする。
【0025】
この機構を直線的に配置する事で、駐車位置から少々横ずれしても固定できるようにするため、ロック位置に幅を持たせることが可能となる機構としている。他にもチェーンやギアなどの機構で行うことも出来る。
【0026】
ここで大切なことは車種別による車幅の違いや、駐車時載置される車輪の左右ずれに対し左右それぞれ車輪1のホイール内側空隙14に最大限ロックバーが挿入されることである。
【0027】
これにより発進時ロックバー5と、車輪1ホイール内側下部リム幅面との間で、最大限挟持による力を発揮し車輪の回転を止めると共に、固定錠10等によりラチェットロックバー8を固定することで施錠することが出来る。(図3図7参照)
【0028】
この方法で、自動車が自動車盗難防止装置載置時にメインフレーム3へ大きく掛かる自動車自重の下向きの力と、自動車発進時ロックバー5に掛かる上向きの力との力のつり合い原理により、物理的に自動車が自走することを不可能にする自動車盗難防止装置である。
【0029】
又この自動車盗難防止装置を前後に組み合わせると4輪仕様にすることも可能で、さらに盗難抑止や盗難防止効果を高めることが出来る。
【実施例0030】
次に、本発明の実施例2の自動車盗難防止装置について説明する。本実施例2の自動車盗難防止装置も、基本的には前記実施例1と同様である。そこで以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、同様の箇所については説明及び図における同一の符号もそれぞれ省略する。
【0031】
図4乃至図5は補助ロックバー6を使用した場合の、自動車盗難防止装置実施の流れで図4は車輪1が載置されたロック解除時、図5は車輪1が載置されたロック状態を示す全体的な図である。
【0032】
実施例1で示す通り、補助ロックバー6は無くても自動車盗難防止装置としての機能を果たす事は出来るが、これを用いることにより自動車発進時に補助ロックバー6を車輪1が踏むことにより、その高さ分車輪1の高さが上がると同時にホイール内側下部リム幅面の高さも上がる。
【0033】
このホイール内側下部リム幅面とロックバー5の上部挿入部を自動車発進時早期に干渉度合いを上げることで、車輪1を回転させようとする力、いわゆるトルクを小さい状態にすることで、より効率的に挟持効果を上げ発進阻止力向上を可能にするものである。
【0034】
また挟持効果等によるロック機構の主要耐力は、前記に述べたロックバー5の緊結ボルトの耐力により決まる。その力の最大を発揮するのはボルトの軸方向となり、これは縦向きに配置される。このため縦方向の力に対して最大の耐力が発揮できる。
【0035】
補助ロックバー6を踏むことにより、ロックバー5に掛かる力の方向をより挟持効果の高い縦向きに近い方向へと変えることが可能となる。
【0036】
また補助ロックバー6における他の効果として、この先端長さをロックバー5上部先端長さより挿入した際、自動車の車輪1外側面より一定程度伸ばし突出させて外部より見やすくし、且つその部位を目立った色にする等により目視による盗難抑止効果が期待できる。
【実施例0037】
自動車盗難防止装置本体後部に設けられた車止め15は、その設置台と固定されるが車種や車輪サイズ別に応じて、ロックバー5と車輪1の前後中心位置を双方最大限近く出来るように、位置調整機能付きとなっている。
【符号の説明】
【0038】
0 自動車盗難防止装置
1 車輪
2 ドライブシャフト
3 メインフレーム
4 レール
5 ロックバー
6 補助ロックバー
7 ラチェットロックプレート
8 ラチェットロックバー
9 スプリング
10 固定錠
11 ロックバー操作ハンドル
12 アジャスター
13 ラチェットロックバー解除ハンドル
14 ホイール内側空隙
15 車止め
16 スロープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7