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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090511
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】セパレート型キャンピングトレーラー
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/34 20060101AFI20240627BHJP
   B60P 3/35 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B60P3/34 Z
B60P3/35
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206465
(22)【出願日】2022-12-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】597116252
【氏名又は名称】村山 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】村山 哲夫
(57)【要約】      (修正有)
【課題】既存のユースドカーのボディ本体を三分割してスライド機能を付加することによって車内空間の拡張が図れるセパレート型キャンピングトレーラーの提供を図る。
【解決手段】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーは、フロントボディカバーを一体に形成したボディ本体と、後方のスライド移動手段と引き出し取っ手と、スライド走行補助輪を備えた後方スライドキャビンと、両端に幌留め穴を設けた矩形の幌シートと、着脱自在の形状に形成された幌シート補強フレームと、から成る手段を採る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって車内空間の拡大が図れるセパレート型キャンピングトレーラーであって、
前記セパレート型キャンピングトレーラーは、ボディ本体と、後方スライドキャビンと、蛇腹シートと、から成り、
前記ボディ本体は、ボディ後方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレームには前方のスライド移動手段を備え、前方部には連結牽引装置と、接地固定装置を備えて成り、
前記後方スライドキャビンは、キャビン前方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレームには後方のスライド移動手段を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手と、スライド走行補助輪を備えて成り、
前記ボディ本体と、前記後方スライドキャビンと、を前記前方及び後方のスライド移動手段によってスライド可能に連結すると共に、前記ボディ本体の後方開口部と、前記後方スライドキャビンの前方開口部と、をアーチ状の蛇腹シートで覆って連通させたことを特徴とするセパレート型キャンピングトレーラー。
【請求項2】
キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって車内空間の拡大が図れるセパレート型キャンピングトレーラーであって、
前記セパレート型キャンピングトレーラーは、ボディ本体と、後方スライドキャビンと、幌シートと、から成り、
前記ボディ本体は、ボディ後方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレームには前方のスライド移動手段を備え、前方部には連結牽引装置と、接地固定装置を備えて成り、
前記後方スライドキャビンは、キャビン前方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレームには後方のスライド移動手段を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手と、スライド走行補助輪を備えて成り、
前記ボディ本体と、前記後方スライドキャビンと、を前記前方及び後方のスライド移動手段によってスライド可能に連結すると共に、前記ボディ本体の後方開口部と、前記後方スライドキャビンの前方開口部と、をアーチ状の幌シートで覆って連通させたことを特徴とするセパレート型キャンピングトレーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって車内空間の拡大が図れるセパレート型キャンピングトレーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるキャンピングトレーラーは、走行中に乗車することができないという運行条件の規制はあるが、その特徴的な構造としては「牽引車とトレーラーが連結器でつながっている」ということに尽きる。つまり、牽引車とトレーラーを切り離してしまえば、牽引車(自家用車)だけで何処へでも自由気ままに単独行動することができるものである。
従って、従来における自走式の大型キャンピングトレーラーとは異なり旅先での小回りが利くので、現地での観光や買い物などが容易くできることによって、旅行の自由度ならびに満喫度が格段と高まると共に、トレーラー内の座席の形状や配置を自由にレイアウトすることができ、さらに、車体の大きさや内装仕様においてもユーザー嗜好を多様に反映させることができることから、近年におけるドライブ宿泊旅行の交通手段の一つとしてその需要が益々増加している。
【0003】
そのような多様なユーザー嗜好を反映して多種多様のキャンピングカーが開発されている。例えば貨物自動車の荷台に載置したキャンピングシェルを回動させて車内空間を確保した「キャンピングシェル」(特許文献-1)が提案されている。
【0004】
しかしながら、係る「キャンピングシェル」の提案は、貨物自動車の荷台に載置した所定の重量のあるキャンピングシェルを手動で回動させる手段を採用していることから下記に示すような問題点を解決する必要があった。
・乗用車が荷台のある貨物自動車に限定される。
・所定の重量シェルを手動で回動させるには一定の背丈と腕力を必要とする。
・回動させるにあたって安全装置がないため危険である。
・回動させるシェル内に備品を収納することができない。
・シェル内に入るには階段を必要とする。
・展開シェルを階段状又は円弧状に引き出すため車内空間が狭い。
といった多くの問題があった。
【0005】
また、キャスターを装着したキャビンをキャンピングカーの後方荷台にスライド可能に出し入れ収納することができる「キャンピングカー」(特許文献-2)が提案されている。
【0006】
しかしながら、係る「キャンピングカー」の提案は、キャンピングカーの後方荷台にキャビンを収納する手段を採用していることから下記に示すような問題点を解決する必要があった。
・乗用車がキャビンを格納することができる大型のワンボックスカーに限定される。
・キャビンがキャンピングカーの収納空間より小型にする必要があるため車内空間が狭い。
・キャンピングカーならびにキャビンがオリジナル製作となるため車両製作価格ならびに車両購入価格が高騰になる。
・走行時においてキャビンを格納した状態での牽引自動車の車内空間が制限される。
・就寝スペースがワンボックスカーの後方荷台スペースに限定される。
・キャビンのスカート設置作業ならびに構造が複雑である。といった多くの問題があった。
【0007】
本発明のセパレート型キャンピングトレーラーは上記の多くの問題点をクリアするものである。
・キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって、車内空間の拡大を図ると共に運転時の走行性を高めることができる。
・ユースドカーが後輪牽引走行となることで、車両空間のフラット化が図られ、さらに、車体高さの低重心化が図られる。
・キャンピングトレーラーの車体フレームとユースドカーの車体フレームが共通化しているため車体剛性が高い。
・車両ボディの天井高さが立ち歩き仕様ではなく、座り歩き仕様であるためキャンピングトレーラーの軽量化ならびにコンパクト化が図れる。
・既存のユースドカーの高度な車体設計性能を利用することができる。
・従来のオリジナルのハンドメイド製造ではなく、既存のユースドカーを利用した改造製
造であるため大幅な製造コストの低廉化が図れる。
・車両デザインが前方部を除いて既存のユースドカーのボディデザインを流用するため既存のユースドカーの車体ボディに内蔵されている車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、室内灯、ナンバープレート照明灯、ハザードランプ、施錠キー、オートドアロック装置、ガラス窓開閉装置などを再利用することができる。
・牽引車の後輪走行タイヤとボディ本体の走行タイヤのホイールベースが短いことから運転時の走行性を高めることができる。
・ボディ本体から後方スライドキャビンを引き出すだけで就寝スペースを容易に確保することができる。といった多くの特徴を備えるものである。
【0008】
従来におけるキャンピングカーならびにキャンピングトレーラーの製作手段は、主に手作業で一台一台仕上げるハンドメイド生産に頼っていることから、車両価格が高い、納期がかかる、修理部品の調達ができない、修理期間がかかる、修理単価が高いなどの問題点があると同時に、既存のユースドカーと比して、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性などの車体設計性能を備えているものではなかった。
また、従来におけるキャンピングカーならびにキャンピングトレーラーの多くは、就寝ベッド、ソファ、キャンピング用品、キッチン、トイレ・シャワー、娯楽用品等を備えて車内を立ち歩きできる大型仕様になり勝ちになり、その結果、購入価格が高い、大型で運転が難しい、大きな駐車スペースが必要とするなど日本特有の住宅事情とあいまって、これまでに広く一般的に普及してこなかった要因となっていた。
【0009】
本出願人は、上記の問題点を鑑みてなされたもので、従来のこれまでに普及している大型且つ豪華装備の高価格帯のキャンピングトレーラーと比べて、低価格であると共にコンパクトで運転性に優れたキャンピングトレーラーの提供ができないものかという構想の下、キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって車内空間の拡大が図れるセパレート型キャンピングトレーラーを開発し、本発明における「セパレート型キャンピングトレーラー」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許5992571号公報
【特許文献2】特開2000-52845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題点を鑑みてなされるもので、キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって車内空間の拡大が図れるセパレート型キャンピングトレーラーの提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーは、キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって車内空間の拡大が図れるセパレート型キャンピングトレーラーであって、前記セパレート型キャンピングトレーラーは、ボディ本体と、後方スライドキャビンと、蛇腹シートと、から成り、前記ボディ本体は、ボディ後方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレームには前方のスライド移動手段を備え、前方部には連結牽引装置と、接地固定装置を備えて成り、前記後方スライドキャビンは、キャビン前方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレームには後方のスライド移動手段を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手と、スライド走行補助輪を備えて成り、前記ボディ本体と、前記後方スライドキャビンと、を前記前方及び後方のスライド移動手段によってスライド可能に連結すると共に、前記ボディ本体の後方開口部と、前記後方スライドキャビンの前方開口部と、をアーチ状の蛇腹シートで覆って連通させた手段を採る。
【0013】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーは、キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって車内空間の拡大が図れるセパレート型キャンピングトレーラーであって、前記セパレート型キャンピングトレーラーは、ボディ本体と、後方スライドキャビンと、幌シートと、から成り、前記ボディ本体は、ボディ後方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレームには前方のスライド移動手段を備え、前方部には連結牽引装置と、接地固定装置を備えて成り、前記後方スライドキャビンは、キャビン前方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレームには後方のスライド移動手段を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手と、スライド走行補助輪を備えて成り、前記ボディ本体と、前記後方スライドキャビンと、を前記前方及び後方のスライド移動手段によってスライド可能に連結すると共に、前記ボディ本体の後方開口部と、前記後方スライドキャビンの前方開口部と、をアーチ状の幌シートで覆って連通させた手段を採る。
【発明の効果】
【0014】
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって車内空間の拡大が図れる、といった優れた効果を奏する。
【0015】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、キャンピングトレーラーのベース車両に中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等のユースドカーを利用することによって、従来にない極めて低価格帯のセパレート型キャンピングトレーラーの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0016】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、車体ボディが既存の車メーカーの車装デザイン(車体設計)を流用するため、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れたセパレート型キャンピングトレーラーの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0017】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、牽引車から容易に切り離して保管できることから、自宅での駐車時においては、子供の勉強部屋としてや秘密基地として使用することができると共に、大人の利用時においては、趣味の部屋(映画・音楽鑑賞、読書、ゲーム、囲碁、将棋、麻雀、絵画、楽器演奏など)、書斎、テレワークルーム、リラックスルームとして利用することができる、といった優れた効果を奏する。
【0018】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、製造時において既存のユースドカーの一部を加工する作業に留まることから、従来のハンドメイド製造のキャンピングトレーラーと比して製作コストならびに製作日数及び製作工程が大幅に低減される、といった優れた効果を奏する。
【0019】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、室内灯、ナンバープレート照明灯、ハザードランプ、バッテリー、施錠キー、オートドアロック装置、ドアガラス昇降装置、盗難防止警告装置、ラジオ、シュガーライター等は、既存のユースドカーに備えられている装置を流用して再利用することができることから、防犯性ならびに利便性に優れたセパレート型キャンピングトレーラーが提供できる、といった優れた効果を奏する。
【0020】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、既存のユースドカーの窓ガラス部に遮蔽フィルムを貼付することによって、完全なプライバシー空間の確保ができる、といった優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、ベース車両に中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等の車両価値が下がったユースドカーを利用することによって、スクラップ処理される車両資源の有効活用が図られる、といった優れた効果を奏する。
【0022】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、牽引車は日常時においては通勤や買い物などの普通乗用車として利用できると共に、行楽先においてはトレーラーハウスを切り離して普段乗り馴れている乗用車として利用することができることで、疲労運転がなくなり行楽先での観光や買い物などの行動範囲が広くとれる、といった優れた効果を奏する。
【0023】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、車内の床面が全面フラットに開放されているため、使用目的(ベッド、ソファ、自転車、バイク、テント、サーフィン、パラグライダー、スキューバダイビング、登山用品、スポーツ用品、キャンプ用品、寝具等を収納する)に合った空間スペースを提供することができる、といった優れた効果を奏する。
【0024】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、低価格であると共に各車メーカーの多様なカーデザインが施されたトレーラーハウスのラインアップが図られることによってキャンピングユーザーの購買意欲を増すことができるため、事前に生産しておける在庫展示販売が可能になる、といった優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、基本的にトレーラーハウス単体で販売されるため、購入ユーザーは個人の嗜好や、購入予算に合わせて従来にない個性的且つ低価格帯のセパレート型キャンピングトレーラーを購入することができる、といった優れた効果を奏する。
【0026】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、トレーラーハウスの大きさが軽バンタイプからワンボックスタイプの比較的コンパクトな小型車両で形成されていることによって、駐車スペースを広くとらないことや、牽引運行長さが従来のキャンピングトレーラーと比して短いことから女性や運転経験の浅いドライバーでも容易に運転することができる、といった優れた効果を奏する。
【0027】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、従来のセキャンピングトレーラーは大家族を対象として室内が豪華且つ大型に仕上げられているのが主流であったが、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーは、どちらかといえば少人数(夫婦や恋人同士や趣味仲間)ならびに趣味を追求するソロキャンプ者(車中泊独身者)等をターゲットとしたコンパクト且つオートキャンプに必要な最低限の装備を備えたセパレート型キャンピングトレーラーであることから、従来のキャンピングトレーラーのファミリー的な需要層とは異なった新たな需要層の掘り起こしができる、といった優れた効果を奏する。
【0028】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、フロントボディカバーの素材がFRP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等を使用していることによって、形状デザインをユーザーの嗜好や年式に合わせて多様且つ斬新なカーデザインを要して提供することができる、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの実施形態を示す説明図である。 (実施例1)
図2】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの断面説明図である。
図3】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの使用状態を示す断面説明図である。
図4】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの製造ならびに設置状態を示す手順図である。
図5】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの別の実施形態を示す説明図である。(実施例2)
図6】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの別の断面説明図である。
図7】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの別の使用状態を示す断面説明図である。
図8】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの別の製造ならびに設置状態を示す手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、蛇腹シート23または幌シート25と、から成り、該後方スライドキャビン17をボディ本体11より後方にスライド移動させることによって車内空間Rを拡大することができる手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
尚、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で、適宜変更することができる。
【0032】
本発明の詳細な説明において、本来であれば新規製造のセパレート型のキャンピングトレーラーとして説明するところではあるが、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17を新規に製造するにあたってユースドカーUをベース車とすることで低価格化が図れることや、車メーカーのコンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能を流用することができることから、以下、ユースドカーUを用いた実施形態について説明する。
【実施例0033】
図1は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの実施形態を示す説明図である。
図1(a)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の全体斜視図である。
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、アーチ状の蛇腹シート23と、から成るもので、蛇腹シート23が後方スライドキャビン17の前方に連結して備えつけられることから、通常走行時は一般のキャンピングトレーラーと殆ど変わりがない状態で運転することができる。
尚、車体フレーム19の作図は、前方のスライド移動手段13の作図上重なるため図示は省略している。(図1図8の同様)
【0034】
尚、ユースドカーUは、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10のベース車(被牽引車)となるもので、後方に開閉ドアを備える既存の中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等を利用し、車内のエンジン駆動関係、ハンドル操舵関係、座席シート関係、ドライブシャフト、排気マフラー等を取り外した車両を利用するものである。
具体的な車種としては、ワンボックスカー、ワゴン車、商業車バン、軽ワゴン・バン車、ハイルーフ車などの後方に開閉ドアを備えるユースドカーUが好適である。
【0035】
図1(b)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の走行状態を示す説明図である。
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、アーチ状の蛇腹シート23と、から成り、ボディ本体11には前方のスライド移動手段13を備え、前方部には連結牽引装置15と、接地固定装置16を備え、後方スライドキャビン17には後方のスライド移動手段20を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手21と、スライド走行補助輪22を備えて成り、牽引車C(自家用車)の連結牽引装置15に連結されて牽引される。
【0036】
尚、図示では、軽自動車を改造したキャンピングトレーラーを軽自動車の牽引車Cで牽引している実施例を記載しているが、牽引車Cならびにセパレート型キャンピングトレーラー10は普通車と軽自動車が夫々交互に入れ替わった状態で使用することもできる。
【0037】
図1(c)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10が新車製造の場合の走行状態を示す説明図である。
走行車輪35が、ボディ本体11の中央位置に配置されるため、キャンピングトレーラー全体のバランスが良くなると共に、出入りドアや窓などがデザイン良く且つ使い勝手が良く配置される。
【0038】
図2は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの断面説明図である。
図2(a)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の走行状態を示す断面説明図である。
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、蛇腹シート23と、から成り、該ボディ本体11は、ボディ後方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレーム19には前方のスライド移動手段13を備え、前方部には連結牽引装置15と、接地固定装置16を備えて成り、後方スライドキャビン17は、キャビン前方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレーム19には後方のスライド移動手段20を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手21と、スライド走行補助輪22を備えて成り、該前方及び後方のスライド移動手段13、20によってボディ本体11と後方スライドキャビン17とをスライド可能に連結すると共に、ボディ本体11の後方開口部12と後方スライドキャビン17の前方開口部18とをアーチ状の蛇腹シート23で覆って連通させた手段を採る。
【0039】
図2(b)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の設置状態を示す断面説明図である。
ボディ本体11は、ユースドカーUのセンターピラー以降の車体ボディの一部(フロントボディカバー34が取り付けられる車体フレーム19長さを含む)を流用し、室内灯、ナンバープレート照明灯、バッテリー、施錠キー、オートドアロック装置、ドアガラス昇降装置、盗難防止警告装置、ラジオ、シュガーライター等は再利用して形成される。
前方の開放部にはフロントボディカバー34が装着され、後方開口部12には前方のスライド移動手段13と蛇腹シート23を介して後方スライドキャビン17の前方開口部18と連結される。
【0040】
前方のスライド移動手段13は、例えば、ボディ本体11の車体フレーム19に複数本装着されるもので、C形鋼(ボディ本体11側)とH形鋼(後方スライドキャビン17側)を組み合わせて形成される。(図2(b)吹き出し図参照)
また、前方のスライド移動手段13は、例えば、C形鋼の開口口を上にして車体フレーム19に所定の長さ(フロントボディカバー34が取り付けられる車体フレーム19の長さを含む)を有して装着される。
【0041】
制動装置は、既存のユースドカーUのブレーキ装置を再利用する。(図示省略)
尚、制動装置は、新車製造の場合は新規製造となる。
例えば、パーキングブレーキは、フットペダル式のパーキングブレーキは車内の任意の箇所に取り付けられ、ハンドル式のパーキングブレーキは車内の任意の箇所または連結牽引装置15の走行補助タイヤに連動させて取り付けられる。
また、電磁ディスクブレーキは、既存のユースドカーUの電磁ディスクブレーキを再利用し、走行車輪35に連動して取り付けられる。
【0042】
スライド固定手段14は、ボディ本体11側と後方スライドキャビン17側をスライド不能にロックする装置であって、例えば、シートベルトロック装置、閂鍵かけ錠、引っ掛け錠などが取り付けられる。
【0043】
連結牽引装置15は、所謂ヒッチメンバーとも呼ばれ、牽引車C(自家用車)の車体フレーム19の後側下方中央部とセパレート型キャンピングトレーラー10の車体フレーム19の前側下方中央部にボールマウントとレシーバーとで連結されるもので、走行補助タイヤ付トレーラージャッキ、パーキングブレーキ、安全連結チェーン、配線コネクター、送風ダクトホース等が付属される。
尚、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10は、走行車輪35がボディ本体11の後方にあるため、走行時において連結牽引装置15のボールマウントとレシーバー部に過荷重がかかるため、サスペンション機能やばね機能を有した緩衝装置を備えることもできる。
【0044】
接地固定装置16は、例えば、セパレート型キャンピングトレーラー10のボディ本体11の前側下方両側に備えられるもので、走行時は内側に折り畳まれて格納され、接地固定時は折り畳んだ状態から外側に開放し、ハンドル部を回転させて設置固定足を接地させて固定状態とするものである。
また、設置固定足をストッパー付補助輪タイヤとすることでセパレート型キャンピングトレーラー10を接地した状態で移動させることもできる。
【0045】
後方スライドキャビン17は、既存のユースドカーUのバックドアボディ部を流用するもので、後面には任意の箇所に蛇腹シート23をスライドさせる引き出し取っ手21と、両側下方にはスライド走行補助輪22が取り付けられる。
尚、新車製造の場合は、新規製造となり、スライド走行補助輪22を後方スライドキャビン17のボディ内に格納する構造とすることもできる。
また、その他のスライド移動手段としては、例えば、油圧式、電動式、エアー式、ラックピニオン式、ワイヤー式、チェーン式などが考えられる。
【0046】
後方のスライド移動手段20は、延長することで車内空間Rを拡大することができるもので、例えば、後方スライドキャビン17の車体フレーム19に複数本装着され、H形鋼の平面側を上にして、ボディ本体11側のC形鋼の前方のスライド移動手段13と組み合わされる。(図2(b)吹き出し図参照)
【0047】
引き出し取っ手21は、後方スライドキャビン17の後方に一対にして取り付けられるもので、ボディ本体11から後方スライドキャビン17を引き出す場合や、押し込む場合に使用されるものである。
【0048】
スライド走行補助輪22は、例えば、セパレートキャンピングカー10の後方スライドキャビン17の後側下方両側に備えられるもので、走行時は上方に回動させて固定し、接地固定時は下方に回動させて設置し、さらにハンドル部を回転させてストッパー付補助輪を接地させて固定状態とするものである。
尚、新車製造の場合は、後方スライドキャビン17のボディ内に格納する構造とすることもできる。
【0049】
蛇腹シート23は、ボディ本体11側の後方開口部12と後方スライドキャビン17側の前方開口部18に装着され、所定の長さを有してアーチ状に連結する蛇腹状の帆布製等のシートで形成される。
【0050】
蛇腹シート補強フレーム24は、蛇腹シート23の補強としての役目と、スライド移動を制限する役目の二通りの役目を果たすもので、所定の長さを有して両端が鍵状に加工された等辺山形鋼を落とし込み穴に落と込む形状に形成される。
使用時は、ボディ本体11側の後方開口部12付近に開けられた落とし込み穴と後方スライドキャビン17側の前方開口部18付近に開けられた落とし込み穴に両端が鍵状に加工された複数の等辺山形鋼を落とし込んでセットする。
尚、蛇腹シート補強フレーム24は、蛇腹シート23内の上方に少なくても三か所設けられ、蛇腹シート23を内側から支える状態で設けられる。
【0051】
フラット床パネル28は、任意の形状に形成される床板材が使用され、前方及び後方のスライド移動手段13,20上に複数敷設される。
【0052】
就寝平坦ベッド29は、箱状の平坦なベッド状に形成し、ベッド下方には床下収納機能付のボックスが備えられ、室内チェアを兼ねる。
使用用途に合わせて車内空間R内に複数組み合わされて配置される。
【0053】
指示灯装置30は、既存のユースドカーUの指示灯を再利用する。(図示省略)
例えば、車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、ナンバープレート照明灯、ハザードランプを再利用するもので配線コネクターを介して牽引車C(自家用車)と連動させて接続される。
尚、指示灯装置30は、新車製造の場合は新規製造となる。
【0054】
フロントボディカバー34は、ボディ本体11の前方の開放部に装着されるもので、既存のユースドカーUの車体ボディの前方を開放し、その開放された前方に車内空間Rを拡張する形状に形成され取り付けられる。
形状としては、例えば、前方の空気抵抗を減少させる流線形に形成し、ユースドカーUから取り外されたフロントガラス部の外周縁を加工して前方のぞき窓が形成されている。
【0055】
また、フロントボディカバー34の形状は、中型車仕上げと小型車仕上げに分け、既存のユースドカーUの形状に合わせてハンドメイド作業で加工することでフロントボディカバー34の定番化ならびに量産化を可能とするもので、特にその形状は特定されない。
【0056】
さらに、フロントボディカバー34の素材が、例えば、FRP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等を採用している場合は、形状デザインをユーザーの嗜好や年式に合わせて多様な車体設計デザインを施すことができる。
【0057】
既存のユースドカーUの前方部分は、取り外されて廃棄されるが、フロントガラス部は外周縁を加工してフロントボディカバー34の前方のぞき窓として再利用することができる。
尚、フロントボディカバー34は、新車製造の場合はボディ本体11と共に新規製造される。
【0058】
走行車輪35は、既存のユースドカーUの後輪タイヤを再利用する。
尚、走行車輪35は、新車製造の場合は新規製造となる。
【0059】
緩衝装置は、既存のユースドカーUのサスペンションを再利用する。(図示省略)
尚、緩衝装置は、新車製造の場合は新規製造となる。
【0060】
その他の装備品としては、ルーフキャリア、背面キャリア、ポップアップ式ルーフテント、ルーフボックス、野外拡張テント、二段式ハンモックなどをオプションとして装備することができる。
【0061】
また、既存のユースドカーUに標準装備されているラジオ、ナビゲーション、盗難防止警告装置、シュガーライター、車内照明灯、座席シート(ユーザー仕様によって採用)等は再利用される。
尚、標準装備類は、新車製造の場合は新規製造となる。
【0062】
牽引車C(自家用車)に標準装備されている冷暖房装置は、切り替え機能付き送風ダクトホースによって牽引車C(自家用車)からセパレート型キャンピングトレーラー10に送風することができる。
また、操作機能は牽引車C(自家用車)と連動させて既存のユースドカーUから操作する仕様とすることもできる。
さらに、発電機からAC電源を確保することで家庭用やポータブル式の冷暖房装置を使用することもできる。
【0063】
車内空間Rは、既存のユースドカーUの前方部の空間を拡張して形成されるもので、前方にはキッチンキャビネット31、冷蔵庫、発電機、給水貯留タンク、ガスボンベ、ポータブルトイレ33等を収納し、さらに組み立て式床下収納機能付きの就寝平坦ベッド29(室内チェアを兼ねる)、テーブル、テレビ、AC電源コンセント、USB差込口等を設置して、料理、娯楽、就寝など多目的に利用することができる。
【0064】
図3は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの使用状態を示す断面説明図である。
図3(a)就寝平坦ベッド29を使用した場合は、軽自動車仕様であっても大人が足を伸ばした状態で就寝することができ、定員の人数によっては車内空間Rに二段式ハンモックを設けることもできる。
【0065】
図3(b)団らん時に就寝平坦ベッド29や座席シートを使用した場合は、就寝平坦ベッド29に寝転んだ状態でTV鑑賞や読書をすることができる。
【0066】
図3(c)キッチンキャビネット31(シンク・ガスコンロ)を使用した場合は、搭乗者が就寝平坦ベッド29に腰掛けた状態で料理することができると共に、ダインニングテーブル32を使用して食事をとることができる。
【0067】
図3(d)車両に直結することができる野外拡張テント36を使用した場合は、野外テーブル、野外チェア、バーベキューセットなどを置くことができると共に、セパレート型キャンピングトレーラー10の周辺に野外就寝用のシェラフを使って宿泊を行うことで、小型のトレーラーハウスでありながら牽引車C(自家用車)の定員一杯の人員が利用できる。
その他、野外拡張テント36を張ることでポータブルトイレ33を利用した野外トイレとしてや貯留タンクをルーフキャリア上にセットしてシャワー室として利用することもできる。
また、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の車体ボディ上のルーフキャリアにポップアップ式ルーフテント37を取り付けて就寝用スペースを確保することもできる。
【0068】
図4は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの製造ならびに設置状態を示す手順図である。
セパレート型キャンピングトレーラー10が新車製造の場合、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17は新規製造される。
(1)ユースドカーU(ベース車)のセンターピラー以前の車体ボディと、フロントボディカバー34が取り付けられる車体フレーム19の長さを含むボディ本体11と、後方スライドキャビン17に三分割する。
(2)フロントボディカバー34と連結牽引装置15と接地固定装置16が取り付けられたボディ本体11と、引き出し取っ手21とスライド走行補助輪22を備えた後方スライドキャビン17を用意し、それぞれの前方及び後方の開口部12、18を蛇腹シート23で覆い連結する。
(3)後方スライドキャビン17の後方のスライド移動手段20のH形鋼をボディ本体11の前方のスライド移動手段13のC形鋼に嵌め合わせスライド固定手段14でロックする。
(4)スライド固定手段14のロックを外した後、後方スライドキャビン17のスライド走行補助輪22を下ろし、ボディ本体11から後方スライドキャビン17の引き出し取っ手21を握って蛇腹シート23を後方に向かって引き出しながらスライド移動させる。
(5)ボディ本体11と後方スライドキャビン17の間に蛇腹シート補強フレーム24をセットし、必要とするキャンピング車内装備品を配置する。
【0069】
本発明における実施例2の説明において、実施例1と同様な部品ならびに構造は、その説明を一部省略している。
【実施例0070】
図5は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの別の実施形態を示す説明図である。
図5(a)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の全体斜視図である。
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、アーチ状の幌シート25と、から成るもので、幌シート25がボディ本体11内に折り畳まれて収納されることから、通常走行時は一般のキャンピングトレーラーと殆ど変わりがない状態で運転することができる。
【0071】
尚、ユースドカーUは、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10のベース車(被牽引車)となるもので、後方に開閉ドアを備える既存の中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等を利用し、車内のエンジン駆動関係、ハンドル操舵関係、座席シート関係、ドライブシャフト、排気マフラー等を取り外した車両を利用するものである。
具体的な車種としては、ワンボックスカー、ワゴン車、商業車バン、軽ワゴン・バン車、ハイルーフ車などの後方に開閉ドアを備えるユースドカーUが好適である。
【0072】
図5(b)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の走行状態を示す説明図である。
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、アーチ状の幌シート25と、から成り、ボディ本体11には前方のスライド移動手段13を備え、前方部には連結牽引装置15と、接地固定装置16を備えて装着され、後方スライドキャビン17には後方のスライド移動手段20を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手21と、スライド走行補助輪22を備えて成り、牽引車C(自家用車)の連結牽引装置15に連結されて牽引される。
【0073】
尚、図示では、軽自動車を改造したキャンピングトレーラーを軽自動車の牽引車Cで牽引している実施例を記載しているが、牽引車Cならびにセパレート型キャンピングトレーラー10は普通車と軽自動車が夫々交互に入れ替わった状態で使用することもできる。
【0074】
図5(c)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10が新車製造の場合の走行状態を示す説明図である。
走行車輪35が、ボディ本体11の中央位置に配置されるため、キャンピングトレーラー全体のバランスが良くなると共に、出入りドアや窓などがデザイン良く且つ使い勝手が良く配置される。
【0075】
図6は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの別の断面説明図である。
図6(a)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の走行状態を示す断面説明図である。
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、幌シート25と、から成り、該ボディ本体11は、ボディ後方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレーム19には前方のスライド移動手段13を備え、前方部には連結牽引装置15と、接地固定装置16を備えて成り、後方スライドキャビン17は、キャビン前方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレーム19には後方のスライド移動手段20を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手21と、スライド走行補助輪22を備えて成り、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、を前方及び後方のスライド移動手段13、20によってスライド可能に連結すると共に、ボディ本体11の後方開口部12と、後方スライドキャビン17の前方開口部18と、をアーチ状の幌シート25で覆って連通させた手段を採る。
【0076】
図6(b)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の設置状態を示す断面説明図である。
【0077】
ボディ本体11は、ユースドカーUのセンターピラー以降の車体ボディの一部(フロントボディカバー34が取り付けられる車体フレーム19長さを含む)を流用し、室内灯、ナンバープレート照明灯、バッテリー、施錠キー、オートドアロック装置、ドアガラス昇降装置、盗難防止警告装置、ラジオ、シュガーライター等は再利用して形成される。
前方の開放部にはフロントボディカバー34が装着され後方開口部12には前方のスライド移動手段13と幌シート25を介して後方スライドキャビン17の前方開口部18と連結される。
【0078】
幌シート25は、例えば、アーチ状の幅形ならびにスライド量の長さを有する矩形の帆布シート又は合成樹脂シート等で形成され、アーチ状の幅形の両側には所定の間隔をあけて幌留め穴27bが設けられ、該幌留め穴27bにボディ本体11と、後方スライドキャビン17に設けられている幌留め捻り金具27aが嵌められて連結される。(図8(2)、(3)参照)尚、走行時は、ボディ本体11内に折り畳まれて収納される。
【0079】
幌シート補強フレーム26は、幌シート25の補強としての役目と、降雨をはじく屋根の役割と、スライド移動を制限する役目の三通りの役目を果たすもので、所定の長さを有して両端が鍵状に加工された等辺山形鋼を落とし込み穴に落と込む形状に形成される。(図8(5)参照)
使用時は、ボディ本体11側の後方開口部12付近に開けられた落とし込み穴と後方スライドキャビン17側の前方開口部18付近に開けられた落とし込み穴に両端が鍵状に加工された等辺山形鋼を落とし込んでセットする。
尚、落とし込み穴はボディ本体11側とライドキャビン17側に少なくても夫々三か所設けられ、中央が両側より高い切妻屋根状に設けられる。
【0080】
図7は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの別の使用状態を示す断面説明図である。
図7(a)就寝平坦ベッド29を使用した場合は、軽自動車仕様であっても大人が足を伸ばした状態で就寝することができ、定員の人数によっては車内空間Rに二段式ハンモックを設けることもできる。
【0081】
図7(b)食事ならびに団らん時にダインニングテーブル32を使用した場合は、就寝平坦ベッド29を組み替えて座った状態で食事ならびに団らんをとることができる。
【0082】
図7(c)キッチンキャビネット31(シンク・ガスコンロ)を使用した場合は、搭乗者が就寝平坦ベッド29に腰掛けた状態で料理することができる。
【0083】
図7(d)車両に直結することができる野外拡張テント36を使用した場合は、野外テーブル、野外チェア、バーベキューセットなどを置くことができると共に、セパレート型キャンピングトレーラー10の周辺に野外就寝用のシェラフを使って宿泊を行うことで、小型のトレーラーハウスでありながら牽引車C(自家用車)の定員一杯の人員が利用できるセパレート型キャンピングトレーラーが提供を可能にする。
その他、野外拡張テント36を張ることでポータブルトイレ33を利用した野外トイレとしてや貯留タンクをルーフキャリア上にセットしてシャワー室として利用することもできる。
さらに、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の車体ボディ上のルーフキャリアにポップアップ式ルーフテント37を載置して就寝用スペースを確保することもできる。
【0084】
図8は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの別の製造ならびに設置状態を示す手順図である。
(1)ユースドカーU(ベース車)のセンターピラー後方の車体ボディと、フロントボディカバー34が取り付けられる車体フレーム19長さを含むボディ本体11と、後方スライドキャビン17に三分割する。
(2)フロントボディカバーと連結牽引装置15と接地固定装置16が取り付けられたボディ本体11と、引き出し取っ手21とスライド走行補助輪22を備えた後方スライドキャビン17を用意し、それぞれの前方及び後方の開口部12、18を幌シート25で覆いボディ本体11と後方スライドキャビン17設けられた幌留め捻り金具27aに幌留め穴27bを嵌め込んで連結する。
(3)後方スライドキャビン17の後方のスライド移動手段20のH形鋼をボディ本体11の前方のスライド移動手段13のC形鋼に嵌め合わせスライド固定手段14でロックする。
(4)スライド固定手段14のロックを外した後、後方スライドキャビン17のスライド走行補助輪22を下ろし、ボディ本体11から後方スライドキャビン17の引き出し取っ手21を握って幌シート25を後方に向かって引き出しながらスライド移動させる。
(5)ボディ本体11と後方スライドキャビン17の間に幌シート補強フレーム26をセットし、必要とするキャンピング車内装備品を配置する。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明のセパレート型キャンピングトレーラーは、キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライドさせることによって車内空間の拡大が図れるセパレート型キャンピングトレーラーであることから、製造に当たって新規製造は元より、既存のユースドカーを利用することで低価格を実現すると共に、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れた本発明の「セパレート型キャンピングトレーラー」は、産業上の利用可能性は極めて大であるものと思料する。
【符号の説明】
【0086】
10 セパレート型キャンピングトレーラー
11 ボディ本体
12 後方開口部
13 前方のスライド移動手段
14 スライド固定手段
15 連結牽引装置
16 接地固定装置
17 後方スライドキャビン
18 前方開口部
19 車体フレーム
20 後方のスライド移動手段
21 引き出し取っ手
22 スライド走行補助輪
23 蛇腹シート
24 蛇腹シート補強フレーム
25 幌シート
26 幌シート補強フレーム
27a 幌留め捻り金具
27b 幌留め穴
28 フラット床パネル
29 就寝平坦ベッド
30 指示灯装置
31 キッチンキャビネット
32 ダインニングテーブル
33 ポータブルトイレ
34 フロントボディカバー
35 走行車輪
36 野外拡張テント
37 ポップアップ式ルーフテント
C 牽引車(自家用車)
R 車内空間
U ユースドカー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存のユースドカーのボディ本体を三分割し、該ボディ本体の前方部を改造すると共に後方部をスライドさせることによって車内空間の拡張が図れるセパレート型キャンピングトレーラーであって、
前記セパレート型キャンピングトレーラーは、ボディ本体と、後方スライドキャビンと、幌シートと、幌シート補強フレームと、から成り、
前記ボディ本体は、前方部に装着されているフロントガラス部と、ボンネット部と、ヘッドランプ部と、ワイパー部と、自走に必要な機能ならびに装備を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に前記既存のユースドカーの全高・全幅・全長内において前記車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、両側側面下方端は既存のユースドカーの前輪タイヤハウス部の領域を覆う形状に形成し、さらに後方部が全面開口するフロントボディカバーを一体に形成し、下方に位置する車体フレームには前方のスライド移動手段を備え、前方下方部には連結牽引装置と、接地固定装置を備えて成り、
前記後方スライドキャビンは、キャビン前方を全面開口すると共に、下方に位置する前記車体フレームには後方のスライド移動手段を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手と、スライド走行補助輪を備えて成り、
前記ボディ本体と、前記後方スライドキャビンと、を前記前方及び後方のスライド移動手段によってスライド可能に連結して成り、
前記幌シート補強フレームは、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼を前記ボディ本体側の後方開口部と後方スライドキャビン側の前方開口部に開けられた落とし込み穴に落と込まれる着脱自在の形状に形成されることで、走行時は取り外して車内に束ねて格納することができると共に、キャンプ時は少なくても三か所以上設けることにより前記ボディ本体と前記後方スライドキャビンとの間隔を固定した状態を維持し、さらに両端に幌留め穴を設けた一枚の矩形の幌シートをトンネル状に架設して成ることを特徴とするセパレート型キャンピングトレーラー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存のユースドカーのボディ本体を分割してスライド機能を付加することによって車内空間の拡張が図れるセパレート型キャンピングトレーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるキャンピングトレーラーは、走行中に乗車することができないという運行条件の規制はあるが、その特徴的な構造としては「牽引車とトレーラーが連結器でつながっている」ということに尽きる。つまり、牽引車とトレーラーを切り離してしまえば、牽引車(自家用車)だけで何処へでも自由気ままに単独行動することができるものである。
従って、従来における自走式の大型キャンピングトレーラーとは異なり旅先での小回りが利くので、現地での観光や買い物などが容易くできることによって、旅行の自由度ならびに満喫度が格段と高まると共に、トレーラー内の座席の形状や配置を自由にレイアウトすることができ、さらに、車体の大きさや内装仕様においてもユーザー嗜好を多様に反映させることができることから、近年におけるドライブ宿泊旅行の交通手段の一つとしてその需要が益々増加している。
【0003】
そのような多様なユーザー嗜好を反映して多種多様のキャンピングカーが開発されている。例えば貨物自動車の荷台に載置したキャンピングシェルを回動させて車内空間を確保した「キャンピングシェル」(特許文献-1)が提案されている。
【0004】
しかしながら、係る「キャンピングシェル」の提案は、貨物自動車の荷台に載置した所定の重量のあるキャンピングシェルを手動で回動させる手段を採用していることから下記に示すような問題点を解決する必要があった。
・乗用車が荷台のある貨物自動車に限定される。
・所定の重量シェルを手動で回動させるには一定の背丈と腕力を必要とする。
・回動させるにあたって安全装置がないため危険である。
・回動させるシェル内に備品を収納することができない。
・シェル内に入るには階段を必要とする。
・展開シェルを階段状又は円弧状に引き出すため車内空間が狭い。
といった多くの問題があった。
【0005】
また、キャスターを装着したキャビンをキャンピングカーの後方荷台にスライド可能に出し入れ収納することができる「キャンピングカー」(特許文献-2)が提案されている。
【0006】
しかしながら、係る「キャンピングカー」の提案は、キャンピングカーの後方荷台にキャビンを収納する手段を採用していることから下記に示すような問題点を解決する必要があった。
・乗用車がキャビンを格納することができる大型のワンボックスカーに限定される。
・キャビンがキャンピングカーの収納空間より小型にする必要があるため車内空間が狭い。
・キャンピングカーならびにキャビンがオリジナル製作となるため車両製作価格ならびに車両購入価格が高騰になる。
・走行時においてキャビンを格納した状態での牽引自動車の車内空間が制限される。
・就寝スペースがワンボックスカーの後方荷台スペースに限定される。
・キャビンのスカート設置作業ならびに構造が複雑である。といった多くの問題があった。
【0007】
本発明のセパレート型キャンピングトレーラーは上記の多くの問題点をクリアするものである。
・キャンピングトレーラーのボディ本体を三分割してスライド機能を付加することによって、車内空間の拡張を図ると共に運転時の走行性を高めることができる。
・ユースドカーが後輪牽引走行となることで、車両空間のフラット化が図られ、さらに、車体高さの低重心化が図られる。
・キャンピングトレーラーの車体フレームとユースドカーの車体フレームが共通化しているため車体剛性が高い。
・車両ボディの天井高さが立ち歩き仕様ではなく、座り歩き仕様であるためキャンピングトレーラーの軽量化ならびにコンパクト化が図れる。
・既存のユースドカーの高度な車体設計性能を利用することができる。
・従来のオリジナルのハンドメイド製造ではなく、既存のユースドカーを利用した改造製
造であるため大幅な製造コストの低廉化が図れる。
・車両デザインが前方部を除いて既存のユースドカーのボディデザインを流用するため既存のユースドカーの車体ボディに内蔵されている車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、室内灯、ナンバープレート照明灯、ハザードランプ、施錠キー、オートドアロック装置、ガラス窓開閉装置などを再利用することができる。
・牽引車の後輪走行タイヤとボディ本体の走行タイヤのホイールベースが短いことから運転時の走行性を高めることができる。
・ボディ本体から後方スライドキャビンを引き出すだけで就寝スペースを容易に確保することができる。といった多くの特徴を備えるものである。
【0008】
従来におけるキャンピングトレーラーの製作手段は、主に手作業で一台一台仕上げるハンドメイド生産に頼っていることから、車両価格が高い、納期がかかる、修理部品の調達が難しい、修理期間がかかる、修理単価が高いなどの問題点があると同時に、既存のユースドカーと比して、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性などの車体設計性能を備えているものではなかった。
また、従来におけるキャンピングトレーラーの多くは、就寝ベッド、ソファ、キャンピング用品、キッチン、トイレ・シャワー、娯楽用品等を備えて車内を立ち歩きできる大型仕様になり勝ちになり、その結果、購入価格が高い、大型で運転が難しい、大きな駐車スペースが必要とするなど日本特有の住宅事情とあいまって、これまでに広く一般的に普及してこなかった要因となっていた。
【0009】
本出願人は、上記の問題点を鑑みてなされたもので、従来のこれまでに普及している大型且つ豪華装備の高価格帯のキャンピングトレーラーと比べて、低価格であると共にコンパクトで運転性に優れたキャンピングトレーラーの提供ができないものかという構想の下、既存のユースドカーのボディ本体を三分割してスライド機能を付加することによって車内空間の拡張が図れるセパレート型キャンピングトレーラーを開発し、本発明における「セパレート型キャンピングトレーラー」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許5992571号公報
【特許文献2】特開2000-52845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題点を鑑みてなされるもので、既存のユースドカーのボディ本体を三分割してスライド機能を付加することによって車内空間の拡張が図れるセパレート型キャンピングトレーラーの提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーは、既存のユースドカーのボディ本体を三分割し、該ボディ本体の前方部を改造すると共に後方部をスライドさせることによって車内空間の拡張が図れるセパレート型キャンピングトレーラーであって、前記セパレート型キャンピングトレーラーは、ボディ本体と、後方スライドキャビンと、幌シートと、幌シート補強フレームと、から成り、前記ボディ本体は、前方部に装着されているフロントガラス部と、ボンネット部と、ヘッドランプ部と、ワイパー部と、自走に必要な機能ならびに装備を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に前記既存のユースドカーの全高・全幅・全長内において前記車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、両側側面下方端は既存のユースドカーの前輪タイヤハウス部の領域を覆う形状に形成し、さらに後方部が全面開口するフロントボディカバーを一体に形成し、下方に位置する車体フレームには前方のスライド移動手段を備え、前方下方部には連結牽引装置と、接地固定装置を備えて成り、前記後方スライドキャビンは、キャビン前方を全面開口すると共に、下方に位置する前記車体フレームには後方のスライド移動手段を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手と、スライド走行補助輪を備えて成り、前記ボディ本体と、前記後方スライドキャビンと、を前記前方及び後方のスライド移動手段によってスライド可能に連結して成り、前記幌シート補強フレームは、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼を前記ボディ本体側の後方開口部と後方スライドキャビン側の前方開口部に開けられた落とし込み穴に落と込まれる着脱自在の形状に形成されることで、走行時は取り外して車内に束ねて格納することができると共に、キャンプ時は少なくても三か所以上設けることにより前記ボディ本体と前記後方スライドキャビンとの間隔を固定した状態を維持し、さらに両端に幌留め穴を設けた一枚の矩形の幌シートをトンネル状に架設して成る手段を採る。
【発明の効果】
【0013】
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、既存のユースドカーのボディ本体を分割してスライド機能を付加することによって車内空間の拡張が図れる、といった優れた効果を奏する。
【0014】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、キャンピングトレーラーのベース車両に中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等のユースドカーを利用することによって、従来にない極めて低価格帯のセパレート型キャンピングトレーラーの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0015】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、車体ボディが既存の車メーカーの車装デザイン(車体設計)を流用するため、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れたセパレート型キャンピングトレーラーの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0016】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、牽引車から容易に切り離して保管できることから、自宅での駐車時においては、子供の勉強部屋としてや秘密基地として使用することができると共に、大人の利用時においては、趣味の部屋(映画・音楽鑑賞、読書、ゲーム、囲碁、将棋、麻雀、絵画、楽器演奏など)、書斎、テレワークルーム、リラックスルームとして利用することができる、といった優れた効果を奏する。
【0017】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、製造時において既存のユースドカーの一部を加工する作業に留まることから、従来のハンドメイド製造のキャンピングトレーラーと比して製作コストならびに製作日数及び製作工程が大幅に低減される、といった優れた効果を奏する。
【0018】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、室内灯、ナンバープレート照明灯、ハザードランプ、バッテリー、施錠キー、オートドアロック装置、ドアガラス昇降装置、盗難防止警告装置、ラジオ、シュガーライター等は、既存のユースドカーに備えられている装置を流用して再利用することができることから、防犯性ならびに利便性に優れたセパレート型キャンピングトレーラーが提供できる、といった優れた効果を奏する。
【0019】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、既存のユースドカーの窓ガラス部に遮蔽フィルムを貼付することによって、完全なプライバシー空間の確保ができる、といった優れた効果を奏する。
【0020】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、ベース車両に中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等の車両価値が下がったユースドカーを利用することによって、スクラップ処理される車両資源の有効活用が図られる、といった優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、牽引車は日常時においては通勤や買い物などの普通乗用車として利用できると共に、行楽先においてはトレーラーハウスを切り離して普段乗り馴れている乗用車として利用することができることで、疲労運転がなくなり行楽先での観光や買い物などの行動範囲が広くとれる、といった優れた効果を奏する。
【0022】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、車内の床面が全面フラットに開放されているため、使用目的(ベッド、ソファ、自転車、バイク、テント、サーフィン、パラグライダー、スキューバダイビング、登山用品、スポーツ用品、キャンプ用品、寝具等を収納する)に合った空間スペースを提供することができる、といった優れた効果を奏する。
【0023】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、低価格であると共に各車メーカーの多様なカーデザインが施されたトレーラーハウスのラインアップが図られることによってキャンピングユーザーの購買意欲を増すことができるため、事前に生産しておける在庫展示販売が可能になる、といった優れた効果を奏する。
【0024】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、基本的にトレーラーハウス単体で販売されるため、購入ユーザーは個人の嗜好や、購入予算に合わせて従来にない個性的且つ低価格帯のセパレート型キャンピングトレーラーを購入することができる、といった優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、トレーラーハウスの大きさが軽バンタイプからワンボックスタイプの比較的コンパクトな小型車両で形成されていることによって、駐車スペースを広くとらないことや、牽引運行長さが従来のキャンピングトレーラーと比して短いことから女性や運転経験の浅いドライバーでも容易に運転することができる、といった優れた効果を奏する。
【0026】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、従来のセキャンピングトレーラーは大家族を対象として室内が豪華且つ大型に仕上げられているのが主流であったが、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーは、どちらかといえば少人数(夫婦や恋人同士や趣味仲間)ならびに趣味を追求するソロキャンプ者(車中泊独身者)等をターゲットとしたコンパクト且つオートキャンプに必要な最低限の装備を備えたセパレート型キャンピングトレーラーであることから、従来のキャンピングトレーラーのファミリー的な需要層とは異なった新たな需要層の掘り起こしができる、といった優れた効果を奏する。
【0027】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、フロントボディカバーの素材がFRP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等を使用していることによって、形状デザインをユーザーの嗜好や年式に合わせて多様且つ斬新なカーデザインを要して提供することができる、といった優れた効果を奏する。
【0028】
また、本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラーによれば、幌シート補強フレームが少なくても三か所以上架設され、さらに幌シートの材質、形状、枚数、取付具等において当業者が容易に行える設計事項を付加することや使用方法を変更することで下記に示すような従来にない幌シートの有効活用ができるものである。
(1)本願発明のセパレート型キャンピングトレーラーの図3の(a)~(d)の設置状態において幌カバーを天井に跳ね上げて折り畳んだ状態にすることで、開放的な雨除け並びに日除け付きのテラスデッキ仕様とすることができる。
(2)幌シート補強フレームの一端にカーテンレールを取り付けることによって、遮光・安眠カーテン、虫除けカーテン、風除けカーテン、透明カーテン、着替え用カーテンなど使用用途に合わせた多様なカーテンを取り付けることができると共に、側方からの出入りも自由にできる。
(3)幌シートが、一枚の矩形のシートで形成されていることによって、製品自体が安価に制作することができると共にデザイン的なプリント転写加工を施すこともでき、さらに明かり取りを兼ねた覗き窓も容易に設けることもできる。
(4)車内収納時においては、平面的に折り畳んでコンパクトに収納することができる。
(5)自宅に駐車時においては、空間スパースが自在に調整できるプライベートルーム、物置小屋、ペット小屋(フェンス併設)、ビニール温室ハウスとして使用することができる、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの実施形態を示す説明図である。 (実施例1)
図2】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの断面説明図である。
図3】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの使用状態を示す断面説明図である。
図4】本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの製造ならびに設置状態を示す手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、幌シート25と、幌シート補強フレーム26と、から成り、該後方スライドキャビン17をボディ本体11より後方にスライド移動させることによって車内空間Rを拡張することができる手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
尚、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で、適宜変更することができる。
【0032】
本発明の詳細な説明において、本来であれば新規製造のセパレート型のキャンピングトレーラーとして説明するところではあるが、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17を新規に製造するにあたってユースドカーUをベース車とすることで低価格化が図れることや、車メーカーのコンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能を流用することができることから、以下、ユースドカーUを用いた実施形態について説明する。
【実施例0033】
図1は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの実施形態を示す説明図である。
図1(a)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の全体斜視図である。
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、トンネル状の幌シート25と、幌シート補強フレーム26と、から成るもので、幌シート25がボディ本体11内に折り畳まれて収納されることから、通常走行時は一般のキャンピングトレーラーと殆ど変わりがない状態で運転することができる。
【0034】
尚、ユースドカーUは、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10のベース車(被牽引車)となるもので、後方に開閉ドアを備える既存の中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等を利用し、車内のエンジン駆動関係、ハンドル操舵関係、座席シート関係、ドライブシャフト、排気マフラー等を取り外した車両を利用するものである。
具体的な車種としては、ワンボックスカー、ワゴン車、商業車バン、軽ワゴン・バン車、ハイルーフ車などの後方に開閉ドアを備えるユースドカーUが好適である。
【0035】
図1(b)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の走行状態を示す説明図である。
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、アーチ状の幌シート25と、幌シート補強フレーム26と、から成り、ボディ本体11には前方のスライド移動手段13を備え、前方部には連結牽引装置15と、接地固定装置16を備えて装着され、後方スライドキャビン17には後方のスライド移動手段20を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手21と、スライド走行補助輪22を備えて成り、牽引車C(自家用車)の連結牽引装置15に連結されて牽引される。
【0036】
尚、図示では、軽自動車を改造したキャンピングトレーラーを軽自動車の牽引車Cで牽引している実施例を記載しているが、牽引車Cならびにセパレート型キャンピングトレーラー10は普通車と軽自動車が夫々交互に入れ替わった状態で使用することもできる。
【0037】
図1(c)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10が新車製造の場合の走行状態を示す説明図である。
走行車輪35が、ボディ本体11の中央位置に配置されるため、キャンピングトレーラー全体のバランスが良くなると共に、出入りドアや窓などがデザイン良く且つ使い勝手が良く配置される。
【0038】
図2は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの断面説明図である。
図2(a)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の走行状態を示す断面説明図である。
本発明におけるセパレート型キャンピングトレーラー10は、既存のユースドカーUのボディ本体11を三分割し、該ボディ本体11の前方部を改造すると共に後方部をスライドさせることによって車内空間Rの拡張が図れるセパレート型のキャンピングトレーラーであって、該セパレート型キャンピングトレーラー10は、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、幌シート25と、幌シート補強フレーム26と、から成り、ボディ本体11は、前方部に装着されているフロントガラス部と、ボンネット部と、ヘッドランプ部と、ワイパー部と、自走に必要な機能ならびに装備を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に前記既存のユースドカーUの全高・全幅・全長内において車体フレーム19の床面から垂直に立ち上がって車内空間Rを拡張する形状に形成すると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、両側側面下方端は既存のユースドカーUの前輪タイヤハウス部の領域を覆う形状に形成し、さらに後方部が全面開口するフロントボディカバー34を一体に形成し、下方に位置する車体フレーム19には前方のスライド移動手段13を備え、前方下方部には連結牽引装置15と、接地固定装置16を備えて成り、後方スライドキャビン17は、キャビン前方を全面開口すると共に、下方に位置する車体フレーム19には後方のスライド移動手段20を備え、後方部には任意の箇所に引き出し取っ手と、スライド走行補助輪22を備えて成り、ボディ本体11と、後方スライドキャビン17と、を前方及び後方のスライド移動手段13,17によってスライド可能に連結して成り、幌シート補強フレーム26は、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼をボディ本体11側の後方開口部12と後方スライドキャビン17側の前方開口部18に開けられた落とし込み穴に落と込まれる着脱自在の形状に形成されることで、走行時は取り外して車内に束ねて格納することができると共に、キャンプ時は少なくても三か所以上設けることによりボディ本体11と後方スライドキャビン17との間隔を固定した状態を維持し、さらに両端に幌留め穴27bを設けた一枚の矩形の幌シート25をトンネル状に架設して成る手段を採る。
【0039】
図2(b)は本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の設置状態を示す断面説明図である。
ボディ本体11は、ユースドカーUのセンターピラー以降の車体ボディ11の一部(フロントボディカバー34が取り付けられる車体フレーム19長さを含む)を流用し、室内灯、ナンバープレート照明灯、バッテリー、施錠キー、オートドアロック装置、ドアガラス昇降装置、盗難防止警告装置、ラジオ、シュガーライター等は再利用して形成される。
前方の開放部にはフロントボディカバー34が装着され、後方開口部12には前方のスライド移動手段13と幌シート25を介して後方スライドキャビン17の前方開口部18と連結される。
【0040】
前方のスライド移動手段13は、例えば、ボディ本体11の車体フレーム19に複数本装着されるもので、C形鋼(ボディ本体11側)とH形鋼(後方スライドキャビン17側)を組み合わせて形成される。(図2(b)吹き出し図参照)
また、前方のスライド移動手段13は、例えば、C形鋼の開口口を上にして車体フレーム19に所定の長さ(フロントボディカバー34が取り付けられる車体フレーム19の長さを含む)を有して装着される。
【0041】
制動装置は、既存のユースドカーUのブレーキ装置を再利用する。(図示省略)
尚、制動装置は、新車製造の場合は新規製造となる。
例えば、パーキングブレーキは、フットペダル式のパーキングブレーキは車内の任意の箇所に取り付けられ、ハンドル式のパーキングブレーキは車内の任意の箇所または連結牽引装置15の走行補助タイヤに連動させて取り付けられる。
また、電磁ディスクブレーキは、既存のユースドカーUの電磁ディスクブレーキを再利用し、走行車輪35に連動して取り付けられる。
【0042】
スライド固定手段14は、ボディ本体11側と後方スライドキャビン17側をスライド不能にロックする装置であって、例えば、シートベルトロック装置、閂鍵かけ錠、引っ掛け錠などが取り付けられる。
【0043】
連結牽引装置15は、所謂ヒッチメンバーとも呼ばれ、牽引車C(自家用車)の車体フレーム19の後側下方中央部とセパレート型キャンピングトレーラー10の車体フレーム19の前側下方中央部にボールマウントとレシーバーとで連結されるもので、走行補助タイヤ付トレーラージャッキ、パーキングブレーキ、安全連結チェーン、配線コネクター、送風ダクトホース等が付属される。
尚、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10は、走行車輪35がボディ本体11の後方にあるため、走行時において連結牽引装置15のボールマウントとレシーバー部に過荷重がかかるため、サスペンション機能やばね機能を有した緩衝装置を備えることもできる。
【0044】
接地固定装置16は、例えば、セパレート型キャンピングトレーラー10のボディ本体11の前側下方両側に備えられるもので、走行時は内側に折り畳まれて格納され、接地固定時は折り畳んだ状態から外側に開放し、ハンドル部を回転させて設置固定足を接地させて固定状態とするものである。
また、設置固定足をストッパー付補助輪タイヤとすることでセパレート型キャンピングトレーラー10を接地した状態で移動させることもできる。
【0045】
後方スライドキャビン17は、既存のユースドカーUのバックドアボディ部を流用するもので、後面には任意の箇所に蛇腹シート23をスライドさせる引き出し取っ手21と、両側下方にはスライド走行補助輪22が取り付けられる。
尚、新車製造の場合は、新規製造となり、スライド走行補助輪22を後方スライドキャビン17のボディ内に格納する構造とすることもできる。
また、その他のスライド移動手段としては、例えば、油圧式、電動式、エアー式、ラックピニオン式、ワイヤー式、チェーン式などが考えられる。
【0046】
後方のスライド移動手段20は、延長することで車内空間Rを拡張することができるもので、例えば、後方スライドキャビン17の車体フレーム19に複数本装着され、H形鋼の平面側を上にして、ボディ本体11側のC形鋼の前方のスライド移動手段13と組み合わされる。(図2(b)吹き出し図参照)
【0047】
引き出し取っ手21は、後方スライドキャビン17の後方に一対にして取り付けられるもので、ボディ本体11から後方スライドキャビン17を引き出す場合や、押し込む場合に使用されるものである。
【0048】
スライド走行補助輪22は、例えば、セパレートキャンピングカー10の後方スライドキャビン17の後側下方両側に備えられるもので、走行時は上方に回動させて固定し、接地固定時は下方に回動させて設置し、さらにハンドル部を回転させてストッパー付補助輪を接地させて固定状態とするものである。
【0049】
幌シート25は、例えば、トンネル状の幅形ならびにスライド量の長さを有する矩形の帆布シート又は合成樹脂シート等で形成され、トンネル状の幅形の両側には所定の間隔をあけて幌留め穴27bが設けられ、該幌留め穴27bにボディ本体11と、後方スライドキャビン17に設けられている幌留め捻り金具27aが嵌められて連結される。(図4
(2)、(3)参照)尚、走行時は、ボディ本体11内に折り畳まれて収納される。
【0050】
幌シート補強フレーム26は、幌シート25の補強としての役目と、降雨をはじく屋根の役割と、スライド移動を制限する役目の三通りの役目を果たすもので、所定の長さを有して両端が鍵状に加工されたアングル鋼を落とし込み穴に落と込む形状に形成される。(図4(5)参照)
使用時は、ボディ本体11側の後方開口部12付近に開けられた落とし込み穴と後方スライドキャビン17側の前方開口部18付近に開けられた落とし込み穴に両端が鍵状に加工されたアングル鋼を落とし込んでセットする。
尚、落とし込み穴はボディ本体11側とライドキャビン17側に少なくても夫々三か所設けられ、中央が両側より高い切妻屋根状に設けられる。
【0051】
フラット床パネル28は、任意の形状に形成される床板材が使用され、前方及び後方のスライド移動手段13,20上に複数敷設される。
【0052】
就寝平坦ベッド29は、箱状の平坦なベッド状に形成し、ベッド下方には床下収納機能付のボックスが備えられ、室内チェアを兼ねる。
使用用途に合わせて車内空間R内に複数組み合わされて配置される。
【0053】
指示灯装置30は、既存のユースドカーUの指示灯を再利用する。(図示省略)
例えば、車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、ナンバープレート照明灯、ハザードランプを再利用するもので配線コネクターを介して牽引車C(自家用車)と連動させて接続される。
【0054】
フロントボディカバー34は、ボディ本体11の前方の開放部に装着されるもので、既存のユースドカーの全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に前面天井部は半ドーム状に形成し、両側側面下方端は既存のユースドカーの前輪タイヤハウス部の領域を覆う形状に形成し、さらに後方部が全面開口する形状に形成され、既存のユースドカーUから取り外されたフロントガラス部の外周縁を加工したのぞき窓が取り付けられる。
【0055】
また、フロントボディカバー34の形状は、中型車仕上げと小型車仕上げに分け、既存のユースドカーUの形状に合わせてハンドメイド作業で加工することでフロントボディカバー34の定番化ならびに量産化を可能とするもので、特にその形状は特定されない。
【0056】
さらに、フロントボディカバー34の素材が、例えば、FRP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等を採用している場合は、形状デザインをユーザーの嗜好や年式に合わせて多様な車体設計デザインを施すことができる。
【0057】
既存のユースドカーUの前方部分は、取り外されて廃棄されるが、フロントガラス部は外周縁を加工してフロントボディカバー34の前方のぞき窓として再利用することができる。
【0058】
走行車輪35は、既存のユースドカーUの後輪タイヤを再利用する。
【0059】
緩衝装置は、既存のユースドカーUのサスペンションを再利用する。(図示省略)
【0060】
その他の装備品としては、ルーフキャリア、背面キャリア、ポップアップ式ルーフテント、ルーフボックス、野外拡張テント、二段式ハンモックなどをオプションとして装備することができる。
【0061】
また、既存のユースドカーUに標準装備されているラジオ、ナビゲーション、盗難防止警告装置、シュガーライター、車内照明灯、座席シート(ユーザー仕様によって採用)等は再利用される。
【0062】
牽引車C(自家用車)に標準装備されている冷暖房装置は、切り替え機能付き送風ダクトホースによって牽引車C(自家用車)からセパレート型キャンピングトレーラー10に送風することができる。
また、操作機能は牽引車C(自家用車)と連動させて既存のユースドカーUから操作する仕様とすることもできる。
さらに、発電機からAC電源を確保することで家庭用やポータブル式の冷暖房装置を使用することもできる。
【0063】
車内空間Rは、既存のユースドカーUの前方部の空間を拡張して形成されるもので、前方にはキッチンキャビネット31、冷蔵庫、発電機、給水貯留タンク、ガスボンベ、ポータブルトイレ33等を収納し、さらに組み立て式床下収納機能付きの就寝平坦ベッド29(室内チェアを兼ねる)、テーブル、テレビ、AC電源コンセント、USB差込口等を設置して、料理、娯楽、就寝など多目的に利用することができる。
【0064】
図3は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの使用状態を示す断面説明図である。
図3(a)就寝平坦ベッド29を使用した場合は、軽自動車仕様であっても大人が足を伸ばした状態で就寝することができ、定員の人数によっては車内空間Rに二段式ハンモックを設けることもできる。
【0065】
図3(b)食事ならびに団らん時にダインニングテーブル32を使用した場合は、就寝平坦ベッド29を組み替えて座った状態で食事ならびに団らんをとることができる。
【0066】
図3(c)キッチンキャビネット31(シンク・ガスコンロ)を使用した場合は、搭乗者が就寝平坦ベッド29に腰掛けた状態で料理することができる。
【0067】
図3(d)車両に直結することができる野外拡張テント36を使用した場合は、野外テーブル、野外チェア、バーベキューセットなどを置くことができると共に、セパレート型キャンピングトレーラー10の周辺に野外就寝用のシェラフを使って宿泊を行うことで、小型のトレーラーハウスでありながら牽引車C(自家用車)の定員一杯の人員が利用できるセパレート型キャンピングトレーラーが提供を可能にする。
その他、野外拡張テント36を張ることでポータブルトイレ33を利用した野外トイレとしてや貯留タンクをルーフキャリア上にセットしてシャワー室として利用することもできる。
さらに、本発明のセパレート型キャンピングトレーラー10の車体ボディ上のルーフキャリアにポップアップ式ルーフテント37を載置して就寝用スペースを確保することもできる。
【0068】
図4は、本発明のセパレート型キャンピングトレーラーの製造ならびに設置状態を示す手順図である。
(1)ユースドカーU(ベース車)のセンターピラー後方の車体ボディと、フロントボディカバー34が取り付けられる車体フレーム19長さを含むボディ本体11と、後方スライドキャビン17に三分割する。
(2)フロントボディカバーと連結牽引装置15と接地固定装置16が取り付けられたボディ本体11引き出し取っ手21とスライド走行補助輪22を備えた後方スライドキャビン17を押し込む。
(3)後方スライドキャビン17の後方のスライド移動手段20のH形鋼をボディ本体11の前方のスライド移動手段13のC形鋼に嵌め合わせスライド固定手段14でロックする。
(4)スライド固定手段14のロックを外した後、後方スライドキャビン17のスライド走行補助輪22を下ろし、ボディ本体11から後方スライドキャビン17の引き出し取っ手21を握って後方に向かって引き出しながらスライド移動させる。
(5)ボディ本体11と後方スライドキャビン17の間に幌シート補強フレーム26をセットする。
(6)幌シート25を幌シート補強フレーム26上にセットし、ボディ本体11と後方スライドキャビン17に設けられた幌留め捻り金具27aに幌留め穴27bを嵌め込んで連結し、必要とするキャンピング車内装備品を配置する。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のセパレート型キャンピングトレーラーは、キャンピングトレーラーのボディ本体を二分割してスライド機能を付加することによって車内空間の拡張が図れるセパレート型キャンピングトレーラーであることから、製造に当たって新規製造は元より、既存のユースドカーを利用することで低価格を実現すると共に、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れた本発明の「セパレート型キャンピングトレーラー」は、産業上の利用可能性は極めて大であるものと思料する。
【符号の説明】
【0070】
10 セパレート型キャンピングトレーラー
11 ボディ本体
12 後方開口部
13 前方のスライド移動手段
14 スライド固定手段
15 連結牽引装置
16 接地固定装置
17 後方スライドキャビン
18 前方開口部
19 車体フレーム
20 後方のスライド移動手段
21 引き出し取っ手
22 スライド走行補助輪
25 幌シート
26 幌シート補強フレーム
27a 幌留め捻り金具
27b 幌留め穴
28 フラット床パネル
29 就寝平坦ベッド
30 指示灯装置
31 キッチンキャビネット
32 ダインニングテーブル
33 ポータブルトイレ
34 フロントボディカバー
35 走行車輪
36 野外拡張テント
37 ポップアップ式ルーフテント
C 牽引車(自家用車)
R 車内空間
U ユースドカー
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
【手続補正2】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正5
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正6
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正7
【補正方法】削除
【補正の内容】