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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090520
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】カートロボット
(51)【国際特許分類】
   B60B 19/00 20060101AFI20240627BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B60B19/00 D
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206479
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707CS08
3C707KS10
3C707KT02
3C707KT04
3C707WA16
3C707WA22
(57)【要約】
【課題】安全性を向上させたカートロボットを提供すること。
【解決手段】実施形態に係るカートロボットは、走行車体と、走行車体に設けられる第1車軸と、第1車軸の先端部から第1車軸の径方向に延び、かつ、第1車軸の径方向に伸縮可能な複数の第2車軸と、複数の第2車軸に設けられる車輪と、複数の第2車軸を、第1車軸の周方向に回転させる第1駆動部と、第2車軸に対して、車輪を回転させる第2駆動部と、第2車軸を第1車軸の径方向に伸縮させる第3駆動部と、第2車軸の回転を規制可能な第1ロック部と、車輪の回転を規制可能な第2ロック部と、第2車軸の伸縮、第1ロック部による規制、および、第2ロック部による規制を制御する制御装置とを備える。制御装置は、第1ロック部によって第2車軸の回転を規制している場合には、走行路に接しない車輪を検出し、検出した車輪に対応する第2駆動部による回転駆動を停止する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体と、
前記走行車体に設けられる第1車軸と、
前記第1車軸の先端部から前記第1車軸の径方向に延び、かつ、前記径方向に伸縮可能な複数の第2車軸と、
前記複数の第2車軸の先端部にそれぞれ設けられる車輪と、
前記複数の第2車軸を、前記第1車軸の周方向に回転させる第1駆動部と、
前記第2車軸に対して、前記車輪を回転させる第2駆動部と、
前記第2車軸を前記径方向に伸縮させる第3駆動部と、
前記第2車軸の前記周方向への回転を規制可能な第1ロック部と、
前記車輪の回転を規制可能な第2ロック部と、
前記第2車軸の伸縮、前記第1ロック部による規制、および、前記第2ロック部による規制を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記第1ロック部によって前記第2車軸の前記周方向への回転を規制している場合には、前記走行車体が走行する走行路に接しない前記車輪を検出し、検出した前記車輪に対応する前記第2駆動部による回転駆動を停止する、カートロボット。
【請求項2】
前記複数の第2車軸に設けられた前記車輪のそれぞれの回転数を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記回転数の差から、前記車輪が前記走行路に接するか否かを判定する判定部と
を備え、
前記制御装置は、前記判定部の判定結果に基づいて前記走行路に接しない前記車輪を検出する、請求項1に記載のカートロボット。
【請求項3】
前記第2車軸の前記周方向への回転が規制された場合の前記第1車軸の回転角度を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記回転角度から、前記車輪が前記走行路に接するか否かを判定する判定部と
を備え、
前記制御装置は、前記判定部の判定結果に基づいて前記走行路に接しない前記車輪を検出する、請求項1に記載のカートロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、カートロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の所定の集荷計画に基づいて自律走行し、棚からアームによって荷物を取り出すカートロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-68557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カートロボットでは、平坦な走行路だけでなく、階段のような平坦ではない走行路も走行可能なものが検討されている。
【0005】
このようなカートロボットは、走行車体に設けられた第1車軸と、第1車軸から第1車軸の径方向に延び、かつ、第1車軸の径方向に伸縮可能な複数の第2車軸と、複数の第2車軸にそれぞれ設けられる車輪と、複数の第2車軸を、第1車軸の周方向に回転させる第1駆動部と、第2車軸に対して車輪を回転させる第2駆動部と、第2車軸を伸縮させる第3駆動部と、第2車軸の回転を規制可能な第1ロック部と、車輪の回転を規制可能な第2ロック部とを備える。
【0006】
このようなカートロボットは、第2車軸の伸縮、第1ロック部による規制、および、第2ロック部による規制を制御することで、平坦な走行路の場合には、第1車軸を回転させず、走行路に接している車輪を回転させ、平坦ではない走行路の場合には、第2車軸に対して車輪を回転させず、第1車軸を回転させる。これにより、平坦な走行路だけでなく、平坦ではない走行路も走行可能となる。
【0007】
このようなカートロボットには、安全性についてさらなる改善の余地がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、安全性を向上させたカートロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の一態様に係るカートロボットは、走行車体と、走行車体に設けられる第1車軸と、第1車軸の先端部から第1車軸の径方向に延び、かつ、第1車軸の径方向に伸縮可能な複数の第2車軸と、複数の第2車軸の先端部にそれぞれ設けられる車輪と、複数の第2車軸を、第1車軸の周方向に回転させる第1駆動部と、第2車軸に対して、車輪を回転させる第2駆動部と、第2車軸を第1車軸の径方向に伸縮させる第3駆動部と、第2車軸の第1車軸の周方向への回転を規制可能な第1ロック部と、車輪の回転を規制可能な第2ロック部と、第2車軸の伸縮、第1ロック部による規制、および、第2ロック部による規制を制御する制御装置とを備え、制御装置は、第1ロック部によって第2車軸の第1車軸の周方向への回転を規制している場合には、走行車体が走行する走行路に接しない車輪を検出し、検出した車輪に対応する第2駆動部による回転駆動を停止する。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係るカートロボットの概略を示す側面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る情報処理装置の制御系ブロック図である。
図3図3は、カートロボットが平坦な走行路を走行する状態を示す図である。
図4図4は、カートロボットが階段を走行する状態を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係るカートロボットの走行状態の切替処理を説明するフローチャートである。
図6図6は、第1実施形態に係るカートロボットにおける走行路に接しない車輪の駆動停止構成を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係るカートロボットにおける走行路に接しない車輪の駆動停止制御の処理を説明するフローチャートである。
図8図8は、第2実施形態に係るカートロボットにおける走行路に接しない車輪の駆動停止構成を示す図である。
図9図9は、第2実施形態に係るカートロボットにおける走行路に接しない車輪の駆動停止制御の処理を説明するフローチャートである。
図10図10は、情報処理装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係るカートロボット1について説明する。第1実施形態に係るカートロボット1の概略を、図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るカートロボット1の概略を示す側面図である。
【0014】
カートロボット1は、荷物を搬送する。カートロボット1は、載置された荷物を搬送する。カートロボット1は、設定された走行経路に沿って走行する。走行経路は、変更可能であってもよい。
【0015】
カートロボット1は、たとえば、倉庫内の荷物を取り出して搬送する。カートロボット1は、倉庫内における使用に限定されることはない。カートロボット1は、ビル、たとえば、オフィスビル内において使用されてもよい。荷物は、品物、および、書類などを含む。以下では、アーム4を有するカートロボット1を一例として説明するが、これに限られることはない。カートロボット1は、アーム4を有さないものであってもよい。
【0016】
カートロボット1は、走行車体2と、駆動機構3と、アーム4と、検出部5と、検出部6(図6参照)と、情報処理装置7とを備える。走行車体2は、たとえば、上方が開口する箱形に形成される。走行車体2には、荷物が載置可能である。
【0017】
駆動機構3は、走行車体2に設けられる。駆動機構3は、第1車軸10、第2車軸11と、車輪12と、第1駆動部13と、第2駆動部14と、第3駆動部15と、第1ロック部16と、第2ロック部17とを備える。
【0018】
第1車軸10は、走行車体2に設けられる。第1車軸10は、走行車体2に回転自在に支持される。第1車軸10は、複数設けられる。第1車軸10は、走行車体2に偶数個設けられる。第1車軸10は、たとえば、走行車体2に4つ設けられる。第1車軸10の数は、4つに限られることはない。第1車軸10の数は、2つでもよく、6つでもよい。第1車軸10は、走行車体2の左右方向に延びるように構成される。第1車軸10が2つである場合、2つの第1車軸10は、前後方向に並んで設けられる。
【0019】
第2車軸11は、第1車軸10の先端部から第1車軸10の径方向に延びるように構成される。第2車軸11は、第1車軸10の径方向に伸縮可能である。第2車軸11は、第1車軸10に対して複数設けられる。複数の第2車軸11は、それぞれ第1車軸10の径方向に伸縮可能である。第2車軸11は、たとえば、1つの第1車軸10に対して4つ設けられる。第2車軸11は、第1車軸10の周方向に沿って等間隔に設けられる。第2車軸11は、第1車軸10が回転された場合、第1車軸10と一体となり回転する。第2車軸11の数は、4つに限られることはない。第2車軸11の数は、3つ以上である。
【0020】
車輪12は、第2車軸11の先端部に設けられる。車輪12は、第2車軸11に対してそれぞれ設けられる。すなわち、車輪12は、1つの第1車軸10に対して複数設けられる。車輪12は、たとえば、1つの第1車軸10に対して4つ設けられる。車輪12は、第2車軸11に対して回転可能となるように設けられる。車輪12は、第2車軸11に回転自在に支持される。
【0021】
第1駆動部13は、複数の第2車軸11を、第1車軸10の周方向に回転させる。第1駆動部13は、第1車軸10を回転させることで、第2車軸11を第1車軸10の周方向に回転させる。第1駆動部13は、複数の第1車軸10に対してそれぞれ設けられる。すなわち、第1駆動部13は、複数設けられる。たとえば、第1駆動部13は、4つ設けられる。第1駆動部13は、モータである。
【0022】
第2駆動部14は、車輪12を回転させる。第2駆動部14は、車輪12毎に設けられる。第2駆動部14は、たとえば、1つの第1車軸10に対して4つ設けられる。第2駆動部14は、モータである。
【0023】
第3駆動部15は、第2車軸11を第1車軸10の径方向に伸縮させる。第3駆動部15は、たとえば、1つの第1車軸10に対して1つ設けられる。第3駆動部15は、第1車軸10に設けられた第2車軸11を第1車軸10の径方向に伸縮させる。第3駆動部15は、第2車軸11毎に設けられてもよい。第2車軸11は、第1車軸10の径方向における長さをそれぞれ変更可能であってもよい。第3駆動部15は、モータと、モータによる回転運動(回動運動)を直進運動に変換する変換機構とを含む。
【0024】
第1ロック部16は、第1車軸10の周方向への第2車軸11の回転を規制可能となるように構成される。第1ロック部16は、第1車軸10の周方向への第2車軸11の回転状態を切り替える。回転状態は、回転が許容される非ロック状態と、回転が規制、具体的には、禁止されるロック状態とを含む。
【0025】
すなわち、第1ロック部16は、第1車軸10の周方向への第2車軸11の回転を禁止させることができる。第1ロック部16がロック状態である場合、第1車軸10が走行車体2に対して回転しないように、第1車軸10が固定される。これにより、第1車軸10の周方向への第2車軸11の回転が禁止される。
【0026】
第1ロック部16が非ロック状態である場合、第1車軸10の固定が解除される。これにより、走行車体2に対して第1車軸10が回転可能となり、第1車軸10の周方向への第2車軸11の回転が許容される。
【0027】
第1ロック部16は、第1車軸10毎に設けられる。第1ロック部16は、たとえば、第1車軸10に係合して、第1車軸10の回転を禁止させる係合部材と、係合部材を動作させるアクチュエータとを含む。アクチュエータは、たとえば、モータなどを含む。
【0028】
第2ロック部17は、車輪12の回転を規制可能となるように構成される。第2ロック部17は、車輪12の回転状態を切り替える。第2ロック部17は、車輪12の回転を禁止させることができる。第2ロック部17がロック状態である場合、車輪12が回転しないように、車輪12が第2車軸11に固定される。これにより、第2車軸11に対する車輪12の回転が禁止される。
【0029】
第2ロック部17が非ロック状態である場合、第2車軸11に対する車輪12の固定が解除される。これにより、第2車軸11に対する車輪12の回転が許容される。
【0030】
第2ロック部17は、車輪12毎、すなわち、第2車軸11毎に設けられる。第2ロック部17は、たとえば、第2車軸11と車輪12とを連結して、第2車軸11に対する車輪12の回転を禁止させる連結部材と、連結部材を動作させるアクチュエータとを含む。
【0031】
アーム4は、走行車体2に取り付けられる。アーム4の基端部が、走行車体2に取り付けられることで、アーム4は、走行車体2に固定される。たとえば、アーム4の基端部は、走行車体2の上端に取り付けられる。アーム4は、走行車体2に対して複数設けられる。たとえば、アーム4は、2つ設けられる。なお、アーム4の数は、これに限られることはない。アーム4は、1つ設けられてもよく、3つ以上設けられてもよい。
【0032】
アーム4は、走行車体2の前端、および、走行車体2の後端に取り付けられる。アーム4は、走行車体2の左右方向の中央付近に取り付けられる。
【0033】
アーム4は、複数の棒部4aと、複数の関節部4bを有する。関節部4bは、たとえば、2つの棒部4aとの間に設けられ、2つの棒部4aを相対的に回転可能とする。各関節部4bは、モータを有する。各関節部4bによって、棒部4aが相対的に回転することで、アーム4は、伸縮し、360度回転可能となる。
【0034】
アーム4の先端部には、把持部4cが設けられる。把持部4cは、たとえば、複数の指部4dを備える。把持部4cに対する指部4dの数は、3本、または、5本である。把持部4cに対する指部4dの数は、これに限られることはない。把持部4cに対する指部4dの数は、2本以上である。アーム4は、複数の指部4dを動かすことで、荷物を把持する。把持部4cは、吸引によって荷物を把持してもよい。
【0035】
検出部5は、第1検出部20と、第2検出部21と含む。第1検出部20は、走行車体2に取り付けられる。第1検出部20は、たとえば、走行車体2の前端に取り付けられる。第1検出部20は、走行車体2の進行方向における走行路R(R1,R2)の形状を検出する。走行路Rは、平坦な走行路R1、および、段差がある走行路R2、たとえば、階段を含む。走行路Rの形状は、階段の高さ、階段の奥行き、および、階段の角度を含む。
【0036】
第1検出部20は、カメラである。カメラは、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、レンズとを備える。第1検出部20は、ソリッドステートLiDAR(light detection and ranging)、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサの少なくとも1つを含んでもよい。第1検出部20は、MoPU(Motion Processing Unit)を含んでもよい。MoPUは、高解像度カメラによる動きを検知するユニットである。MoPUは、例えば1000フレーム/秒以上のフレームレートで撮影された物体の画像から、撮影された物体の動きを示す動き情報を、例えば1000フレーム/秒以上のフレームレートで出力する。更に、物体の存在位置を示す点の、所定の座標軸に沿った動きのベクトル情報を動き情報として出力する。すなわち、MoPUから出力される動き情報には、撮影された物体が何であるか(例えば、人なのか、障害物なのか)を識別するために必要な情報は含まれておらず、当該物体の中心点(又は重心点)などの座標軸(x軸、y軸、z軸)上の動き(移動方向と移動速度)を示す情報のみが含まれている。
【0037】
第2検出部21は、アーム4の先端側の動きを検出する。第2検出部21は、たとえば、アーム4に取り付けられる。たとえば、第2検出部21は、アーム4の先端部に取り付けられる。
【0038】
第2検出部21は、カメラである。第2検出部21は、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサの少なくとも1つを含んでもよい。第2検出部21は、MoPUを含んでもよい。
【0039】
検出部6は、車輪12の駆動停止部を構成する。検出部6は、第1実施形態では、回転数センサ61(図6参照)である。回転数センサ61は、複数の第2車軸11に設けられた車輪12の回転数を検出する。回転数センサ61は、複数の車輪12のそれぞれの回転数を検出する。なお、検出部6(回転数センサ61)を含む車輪12の駆動停止部の構成については、図6を用いて後述する。
【0040】
情報処理装置7は、図2に示すように、情報取得部30と、制御部31と、判定部32と、情報蓄積部33とを備える。図2は、第1実施形態に係る情報処理装置7の制御系ブロック図である。
【0041】
情報取得部30は、第1検出部20、および、第2検出部21によって検知された情報を取得する。情報取得部30は、カートロボット1の動作を指示するコントロールセンタなどから送信される信号を取得する。コントロールセンタなどから送信される信号は、カートロボット1の走行経路に関する情報などを含む。また、情報取得部30は、回転数センサ61によって検出された車輪12の回転数を、車輪12ごとに取得する。
【0042】
制御部31は、コントロールセンタなどから送信され、情報取得部30によって取得された信号に基づいて、アーム4、および、走行車体2の動作を制御する。また、制御部31は、第1検出部20、および、第2検出部21における検知結果に基づいて、アーム4、および、走行車体2の動作を制御する。制御部31は、駆動機構3の各駆動部13~15、および、各ロック部16、17を制御することで、走行車体2の動作を制御する。
【0043】
制御部31は、第1検出部20による検知結果に基づいて、カートロボット1が走行する走行路Rが、平坦な走行路R1であるか、段差、たとえば、階段(以下、符号R2を付す)であるか判定する。制御部31は、第1検出部20による検知結果と、たとえば、AI(Artificial intelligence)とを用いて、カートロボット1が走行する走行路Rが、平坦な走行路R1であるか、段差、たとえば、階段R2であるか判定する。
【0044】
制御部31は、第1ロック部16による規制を制御する。制御部31は、第1車軸10の周方向への第2車軸11の回転状態を切り替える。制御部31は、第1ロック部16によるロック状態、および、非ロック状態を切り替える。
【0045】
制御部31は、第2ロック部17による規制を制御する。制御部31は、車輪12の回転状態を切り替える。制御部31は、第2ロック部17によるロック状態、および、非ロック状態を切り替える。
【0046】
制御部31は、第1駆動部13における第1車軸10の回転速度を制御する。制御部31は、各第1車軸10の回転速度をそれぞれ制御可能である。たとえば、制御部31は、各第1車軸10のうち、少なくとも1つの第1車軸10の回転速度を、他の第1車軸10と異なる回転速度に制御可能である。制御部31は、各第1車軸10の回転方向をそれぞれ制御可能である。
【0047】
制御部31は、第2駆動部14における車輪12の回転速度を制御する。制御部31は、各車輪12の回転速度をそれぞれ制御可能である。たとえば、制御部31は、各車輪12のうち、少なくとも1つの車輪12の回転速度を、他の車輪12と異なる回転速度に制御可能である。
【0048】
制御部31は、第1車軸10の径方向における第2車軸11の伸縮を制御する。制御部31は、第3駆動部15を制御することで、第1車軸10の径方向における第2車軸11の伸縮を制御する。制御部31は、各第2車軸11の伸縮をそれぞれ制御可能である。たとえば、制御部31は、各第2車軸11の少なくとも1つの第2車軸11の長さを、他の第2車軸11と異なる長さに制御可能である。
【0049】
たとえば、制御部31(図2参照)は、図3に示すように、カートロボット1が走行する走行路Rが、平坦な走行路R1である場合、第1ロック部16(図1参照)をロック状態にし、第1車軸10を回転させない。図3は、カートロボット1が平坦な走行路R1を走行する状態を示す図である。制御部31は、たとえば、1つの第1車軸10に設けられた複数の車輪12のうち、2つの車輪12が路面に接触するように第1車軸10の回転位置を調整した後に、第1車軸10が回転しないように固定する。
【0050】
また、制御部31は、カートロボット1が走行する走行路Rが、平坦な走行路R1である場合、第2ロック部17(図1参照)を非ロック状態にする。制御部31は、第2駆動部14による車輪12の回転速度を制御することで、カートロボット1を走行させる。
【0051】
たとえば、制御部31(図2参照)は、図4に示すように、カートロボット1が走行する走行路Rが、階段R2である場合、第2ロック部17(図1参照)をロック状態にし、第2車軸11に対して車輪12を回転させない。図4は、カートロボット1が階段R2を走行する状態を示す図である。
【0052】
また、制御部31は、カートロボット1が走行する走行路Rが、階段R2である場合、第1ロック部16(図1参照)を非ロック状態にする。制御部31は、第1駆動部13による第1車軸10の回転速度を制御することで、第1車軸10、第2車軸11、および、車輪12を一体的に回転させて、カートロボット1を走行させる。
【0053】
カートロボット1が階段R2を走行する場合に、第2車軸11に対して車輪12が回転せずに固定され、第2車軸11、および、車輪12が一体となり回転することで、カートロボット1は、階段R2を昇降することができる。
【0054】
制御部31は、カートロボット1が走行する走行路Rが、階段R2である場合、階段R2の形状(階段R2の高さ、階段R2の奥行き、階段R2の角度)に応じて、第2車軸11を伸縮させる。具体的には、制御部31は、階段R2の形状に合わせて第2車軸11の長さを調整する。これにより、カートロボット1は、階段R2における走行姿勢を安定させることができる。また、カートロボット1は、形状が異なる階段R2を昇降することができる。
【0055】
制御部31は、第2検出部21による検知結果に応じてアーム4の動作を制御し、荷物を受け渡す。荷物の受け渡しは、荷物の取り出しを含む。
【0056】
制御部31がアーム4の動作を制御することで、カートロボット1は、エレベータによって異なるフロア間を移動可能であってもよい。制御部31は、第2検出部21による検知結果に基づいて、アーム4を制御し、アーム4によってエレベータの行先階のボタンを押す。これにより、エレベータがある建物において、カートロボット1は、階段R2を使わずに階をまたいだ移動が可能となる。
【0057】
判定部32は、カートロボット1が走行する走行路Rが平坦な走行路R1である場合に、情報取得部30によって取得された回転数センサ61の検出結果から、車輪12が走行路R1に接するか否かを判定する。判定部32は、車輪12ごとに対応する回転数センサ61によって検出された回転数の差から、車輪12ごとに、走行路R1に接しているか、または、走行路R1に接していないかを判定する。
【0058】
制御部31は、判定部32の判定結果に基づいて走行路R1に接していない車輪12を検出する。制御部31は、走行路R1に接していない車輪12を検出すると、検出した車輪12へ駆動力を付与する第2駆動部14を停止する。なお、制御部31による車輪12の駆動停止制御については、図7を用いて後述する。
【0059】
情報蓄積部33は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子などの記憶媒体によって実現される。情報蓄積部33は、制御部31によって実行される各種のプログラムを記憶する。情報蓄積部33は、情報取得部30によって取得された情報を記憶する。
【0060】
次に、実施形態に係るカートロボット1の走行状態の切替処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。図5は、第1実施形態に係るカートロボット1の走行状態の切替処理を説明するフローチャートである。
【0061】
情報処理装置7は、第1検出部20による検知結果を取得する(S100)。情報処置装置は、取得した検知結果に基づいて、カートロボット1が走行する走行路Rが平坦な走行路R1であるか否かを判定する(S101)。
【0062】
情報処理装置7は、カートロボット1が走行する走行路Rが平坦な走行路R1である場合(S101:Yes)、第1ロック部16をロック状態にし、かつ、第2ロック部17を非ロック状態にする(S102)。
【0063】
情報処理装置7は、カートロボット1が走行する走行路Rが平坦な走行路R1ではない(すなわち、階段R2である)場合(S101:No)、たとえば、カートロボット1が走行する走行路Rが階段R2である場合、第1ロック部16を非ロック状態にし、かつ、第2ロック部17をロック状態にする(S103)。
【0064】
カートロボット1は、走行車体2と、第1車軸10と、複数の第2車軸11と、車輪12と、第1駆動部13と、第2駆動部14と、第3駆動部15と、第1ロック部16と、第2ロック部17と、情報処理装置7とを備える。第1車軸10は、走行車体2に設けられる。複数の第2車軸11は、第1車軸10の先端部から第1車軸10の径方向に延び、かつ、径方向に伸縮可能である。車輪12は、複数の第2車軸11の先端部にそれぞれ設けられる。第1駆動部13は、複数の第2車軸11を、第1車軸10の周方向に回転させる。第2駆動部14は、第2車軸11に対して、車輪12を回転させる。第3駆動部15は、第2車軸11を第1車軸10の径方向に伸縮させる。第1ロック部16は、第1車軸10の周方向への第2車軸11の回転を規制可能である。第2ロック部17は、車輪12の回転を規制可能である。情報処理装置7は、第2車軸11の伸縮、第1ロック部16による規制、および、第2ロック部17による規制を制御する。
【0065】
これにより、カートロボット1は、カートロボット1が走行する走行路Rが、たとえば、階段R2である場合であっても、階段R2を昇降することができる。たとえば、第1ロック部16が非ロック状態となり、かつ、第2ロック部17がロック状態となることで、カートロボット1は、階段R2を昇降することができる。
【0066】
また、第2車軸11が伸縮することで、カートロボット1は、階段R2を安定して走行することがでる。また、階段R2の形状に合わせて、第2車軸11が伸縮することで、カートロボット1は、様々な階段R2に対応して階段R2を昇降することができる。
【0067】
カートロボット1は、第1検出部20を備える。第1検出部20は、走行車体2の進行方向における走行路Rの形状を検出する。情報処理装置7は、第1検出部20によって検出された走行路Rの形状に応じて第2車軸11の伸縮、第1ロック部16による規制、および、第2ロック部17による規制を制御する。
【0068】
これにより、カートロボット1は、様々な階段R2に対応して好適に階段R2を昇降することができる。
【0069】
カートロボット1は、アーム4と、第2検出部21とを備える。アーム4は、走行車体2に取り付けられる。第2検出部21は、アーム4の先端側の動きを検出する。情報処理装置7は、第2検出部21による検知結果に基づいて、アーム4を制御する。
【0070】
これにより、たとえば、カートロボット1は、第2検出部21による検知結果に応じて、エレベータの行先階のボタンをアーム4によって押すことができる。そのため、カートロボット1は、エレベータがある建物において、階段R2を使わずに階をまたいで移動することができる。
【0071】
カートロボット1の走行車体2は、走行車体2の一部が進行方向(前後方向)にスライド可能であってもよい。たとえば、走行車体2は、固定部と、可動部とを備える。固定部には、第1車軸10が取り付けられる。可動部は、固定部に対して前後方向にスライド可能である。可動部は、たとえば、荷物が載置されるトレーである。なお、第1車軸10の一部は、可動部に取り付けられてもよい。
【0072】
これにより、たとえば、荷物に大きさ(重量)に応じて可動部が固定部に対してスライドされることで、カートロボット1のバランスを安定させることができる。
【0073】
次に、第1実施形態に係るカートロボット1における走行路R1に接していない車輪12の駆動停止構成および駆動停止制御について、図6および7を参照して説明する。図6は、第1実施形態に係るカートロボット1における走行路R1に接しない車輪12の駆動停止構成を示す図である。図7は、第1実施形態に係るカートロボット1における走行路R1に接しない車輪12の駆動停止制御の処理を説明するフローチャートである。
【0074】
図6に示すように、車輪12の駆動停止部を構成する検出部6である回転数センサ61は、各車輪12のそれぞれに設けられる。回転数センサ61は、各車輪12のそれぞれの回転数を検出する。なお、回転数センサ61には、機械式のもの、光学式のもの、および、磁気式のものなどを用いることができる。
【0075】
情報処理装置7において、第1ロック部16によって第2車軸11の回転を規制している場合、すなわち、カートロボット1(図1参照)が平坦な走行路R1を走行する場合、情報取得部30は、回転数センサ61によって検出された車輪12の回転数を取得する。情報処理装置7において、判定部32は、車輪12ごとに、回転数センサ61によって検出された回転数の差から、車輪12が走行路R1に接しているか否かを判定する。
【0076】
情報処理装置7において、制御部31は、判定部32の判定結果に基づいて走行路R1に接していない車輪12を検出する。制御部31は、検出した車輪12に対応する第2駆動部14による車輪12の回転駆動を停止する。
【0077】
図7に示すように、駆動停止制御では、情報処理装置7は、情報取得部30において、回転数センサ61によって検出された各車輪12の回転数をそれぞれ取得する(ステップS201)。次いで、情報処理装置7は、判定部32において、車輪12が走行路R1に接しているか否かを、車輪12ごとに判定する(ステップS202)。
【0078】
ステップS202の処理において、車輪12が走行路R1に接していると判定された場合(ステップS202:Yes)、制御部31は、この走行路R1に接している車輪12に対応する第2駆動部14を稼働させる(ステップS203)。この場合、制御部31が第2駆動部14を稼働させるため、第2駆動部14は、対応する車輪12を回転駆動する。
【0079】
一方、ステップS202の処理において、車輪12が走行路R1に接していないと判定された場合(ステップS202:No)、制御部31は、この走行路R1に接していない車輪12に対応する第2駆動部14を停止する(ステップS204)。この場合、制御部31が第2駆動部14を停止するため、第2駆動部14による、対応する車輪12の回転駆動を停止する。
【0080】
このように、第1実施形態に係るカートロボット1において、情報処理装置7は、第1ロック部16によって第2車軸11の第1車軸10の周方向への回転を規制している場合には、走行車体2(カートロボット1)が走行する走行路R1に接していない車輪12を検出し、検出した車輪12に対応する第2駆動部14による回転駆動を停止する。
【0081】
これにより、走行車体2(カートロボット1)が平坦な走行路R1を走行する場合に、走行路R1に接していない車輪12への人、または、物の巻き込みを抑えることができ、安全性を向上させることができる。また、使用しない車輪12へ駆動力を付与する無駄を抑えることができ、省エネ化を図ることができる。また、第2駆動部14の余計な稼働が抑制されるため、第2駆動部14の劣化を抑えることができる。
【0082】
また、第1実施形態に係るカートロボット1は、複数の第2車軸11に設けられた車輪12のそれぞれの回転数を検出する検出部6(回転数センサ61)と、検出部6(回転数センサ61)によって検出された回転数の差から、車輪12が走行路R1に接するか否かを判定する判定部32とを備える。情報処理装置7は、判定部32の判定結果に基づいて走行路R1に接していない車輪12を検出する。
【0083】
これにより、各車輪12のそれぞれの回転数の差から走行路R1に接していない車輪12の検出が可能となる。
【0084】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るカートロボット1について、図8および9を参照して説明する。図8は、第2実施形態に係るカートロボット1における走行路R1に接しない車輪12の駆動停止構成を示す図である。図9は、第2実施形態に係るカートロボット1における走行路R1に接しない車輪12の駆動停止制御の処理を説明するフローチャートである。
【0085】
なお、以下で説明する第2実施形態は、車輪12の駆動停止構成および駆動停止制御において第1実施形態とは異なる。このため、以下の説明では、第1実施形態と同一または同等の箇所には同一の符号を付し、また、第1実施形態と同一または同等の箇所の説明を省略する場合がある。
【0086】
図8に示すように、検出部6は、車輪12の駆動停止部を構成する。検出部6は、第2実施形態では、回転角度センサ62である。回転角度センサ62は、第2車軸11の回転が規制された場合の第1車軸10の回転角度を検出する。すなわち、回転角度センサ62は、カートロボット1(図1参照)が平坦な走行路R1を走行する場合に、第1ロック部16に規制された状態の第1車軸10の回転角度を検出する。
【0087】
図8に示すように、車輪12の駆動停止部を構成する検出部6である回転角度センサ62は、第1車軸10に設けられる。回転角度センサ62は、第1ロック部16によって回転規制された第1車軸10の回転角度を検出する。なお、回転角度センサ62には、たとえば、ポテンショメータを用いることができる。
【0088】
情報処理装置7において、第1ロック部16によって第2車軸11の回転を規制している場合、すなわち、カートロボット1(図1参照)が平坦な走行路R1を走行する場合、情報取得部30は、回転角度センサ62によって検出された第1車軸10の回転角度を取得する。情報処理装置7において、判定部32は、第1車軸10の回転角度から、車輪12が走行路R1に接しているか否かを判定する。
【0089】
情報処理装置7において、制御部31は、判定部32の判定結果に基づいて走行路R1に接していない車輪12を検出する。制御部31は、検出した車輪12に対応する第2駆動部14による車輪12の回転駆動を停止する。
【0090】
図9に示すように、駆動停止制御では、情報処理装置7は、情報取得部30において、回転角度センサ62によって第1車軸10の回転角度を取得する(ステップS301)。次いで、情報処理装置7は、判定部32において、車輪12が走行路R1に接しているか否かを、たとえば、車輪12ごとに判定する(ステップS302)。
【0091】
ステップS302の処理において、車輪12が走行路R1に接していると判定された場合(ステップS302:Yes)、制御部31は、この走行路R1に接している車輪12に対応する第2駆動部14を稼働させる(ステップS303)。この場合、制御部31が第2駆動部14を稼働させるため、第2駆動部14は、対応する車輪12を回転駆動する。
【0092】
一方、ステップS302の処理において、車輪12が走行路R1に接していないと判定された場合(ステップS302:No)、制御部31は、この走行路R1に接していない車輪12に対応する第2駆動部14を停止する(ステップS304)。この場合、制御部31が第2駆動部14を停止するため、第2駆動部14による、対応する車輪12の回転駆動を停止する。
【0093】
このように、第2実施形態に係るカートロボット1において、情報処理装置7は、第1ロック部16によって第2車軸11の第1車軸10の周方向への回転を規制している場合には、走行車体2(カートロボット1)が走行する走行路R1に接していない車輪12を検出し、検出した車輪12に対応する第2駆動部14による回転駆動を停止する。
【0094】
これにより、走行車体2(カートロボット1)が平坦な走行路R1を走行する場合に、走行路R1に接していない車輪12への人、または、物の巻き込みを抑えることができ、安全性を向上させることができる。また、使用しない車輪12へ駆動力を付与する無駄を抑えることができ、省エネ化を図ることができる。また、第2駆動部14の余計な稼働が抑制されるため、第2駆動部14の劣化を抑えることができる。
【0095】
また、第2実施形態に係るカートロボット1は、第2車軸11の第1車軸10の周方向への回転が規制された場合の第1車軸10の回転角度を検出する検出部6(回転角度センサ62)と、検出部6(回転角度センサ62)によって検出された回転角度から、車輪12が走行路R1に接するか否かを判定する判定部32とを備える。情報処理装置7は、判定部32の判定結果に基づいて走行路R1に接していない車輪12を検出する。
【0096】
これにより、第2車軸11の第1車軸10の周方向への回転が規制されることで回転規制された第1車軸10の回転角度から、走行路R1に接していない車輪12の検出が可能となる。すなわち、第1車軸10の外周部には車輪12が所定の配置で並んでいるため、第1車軸10の回転角度が検出されることで、走行路R1に接していない車輪12を検出することができる。
【0097】
なお、上記実施形態では、走行路R1に接していない車輪12を検出するための検出部6として、車輪12ごとの回転数を検出する回転数センサ61、または、第1車軸10の回転角度を検出する回転角度センサ62を用いているが、他のセンサを用いることも可能である。
【0098】
検出部6として、たとえば、第2車軸11または車輪12へ付与される圧力を検出する圧力センサを用いることができる。圧力センサを用いる場合、所定以上の圧力が付与されている車輪12を走行路R1に接している車輪12として検出し、所定未満の圧力が付与されている車輪12を走行路R1に接していない車輪12として検出する。
【0099】
図10は、情報処理装置7として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0100】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0101】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0102】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0103】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0104】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0105】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0106】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0107】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0108】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0109】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0110】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0111】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0112】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0113】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0114】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0115】
1 カートロボット
2 走行車体
3 駆動機構
4 アーム
5 検出部
6 検出部
7 情報処理装置(制御装置)
10 第1車軸
11 第2車軸
12 車輪
13 第1駆動部
14 第2駆動部
15 第3駆動部
16 第1ロック部
17 第2ロック部
20 第1検出部
21 第2検出部
30 情報取得部
31 制御部
32 判定部
33 情報蓄積部
61 回転数センサ
62 回転角度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10