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▶ 株式会社総合園芸の特許一覧

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  • 特開-植木鉢 図1
  • 特開-植木鉢 図2
  • 特開-植木鉢 図3
  • 特開-植木鉢 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090525
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】植木鉢
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20240627BHJP
【FI】
A01G9/02 101E
A01G9/02 101F
A01G9/02 101J
A01G9/02 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206486
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】522499656
【氏名又は名称】株式会社総合園芸
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】徳本 修一
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327NC02
2B327NC16
2B327NC53
2B327NC56
2B327VA20
(57)【要約】
【課題】 植物の根に対する影響を抑制しつつ、植木鉢に植栽された植物に親しむことができる植木鉢を提供する。
【解決手段】 植木鉢は、植木鉢本体と、前記植木鉢本体の内壁面から露出した電極と、前記電極と接触している、多孔質の無機焼成体と、前記無機焼成体に接触した状態で植えられている植物と、前記電極を介した電気的接触を検知するタッチセンサと、前記タッチセンサによる検知結果に応じて、光、音又は動力を出力する出力部とを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植木鉢本体と、
前記植木鉢本体の内壁面から露出した電極と、
前記電極と接触している、多孔質の無機焼成体と、
前記無機焼成体に接触した状態で植えられている植物と、
前記電極を介した電気的接触を検知するタッチセンサと、
前記タッチセンサによる検知結果に応じて、光、音又は動力を出力する出力部と
を有する植木鉢。
【請求項2】
前記植木鉢本体の外壁面又は内壁面は、透明又は半透明の材料で構成され、
前記出力部は、前記植木鉢本体の内部に配置されたLEDライトである
請求項1に記載の植木鉢。
【請求項3】
前記タッチセンサ及び前記出力部は、USBポートを介して供給される電力を用いて機能する
請求項2に記載の植木鉢。
【請求項4】
前記無機焼成体は、粒状に成形された多孔質焼成物の集合体であり、
前記多孔質焼成物は、乾燥状態において絶縁性を示す無機物であり、
前記多孔質焼成物は、水が多孔部分に含まれている場合に導電性を示す
請求項3に記載の植木鉢。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植木鉢に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、植木鉢に植栽されている植物の一部に触れることによって、照明ランプの点滅操作をすることができる照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平5-38557号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、植物の根に対する影響を抑制しつつ、植木鉢に植栽された植物に親しむことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る植木鉢は、植木鉢本体と、前記植木鉢本体の内壁面から露出した電極と、前記電極と接触している、多孔質の無機焼成体と、前記無機焼成体に接触した状態で植えられている植物と、前記電極を介した電気的接触を検知するタッチセンサと、前記タッチセンサによる検知結果に応じて、光、音又は動力を出力する出力部とを有する。
【0006】
好適には、前記植木鉢本体の外壁面又は内壁面は、透明又は半透明の材料で構成され、前記出力部は、前記植木鉢本体の内部に配置されたLEDライトである。
【0007】
好適には、前記タッチセンサ及び前記出力部は、USBポートを介して供給される電力を用いて機能する。
【0008】
好適には、前記無機焼成体は、粒状に成形された多孔質焼成物の集合体であり、前記多孔質焼成物は、乾燥状態において絶縁性を示す無機物であり、前記多孔質焼成物は、水が多孔部分に含まれている場合に導電性を示す。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、植物の根に対する影響を抑制しつつ、植木鉢に植栽された植物に親しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】植木鉢本体10の構成を例示する断面図である。
図2】植木鉢本体10の側面に設けられたUSBポート40を例示する図である。
図3】制御回路20及びLEDライト30の回路構成を例示する図である。
図4】植木鉢1の全体構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、植木鉢本体10の構成を例示する図である。
図1に例示するように、植木鉢本体10は、透明又は半透明の合成樹脂で形成された上部部材12及び下部部材14と、この上部部材12及び下部部材14の間の空間に配置された制御回路20及びLEDライト30と、植木鉢本体10の内壁面(すなわち、上部部材12の上面)から露出した電極24とを有する。
本例の上部部材12及び下部部材14は、一方が他方にはまり込むことによって、植木鉢本体10の筐体を構成する。本例の上部部材12及び下部部材14は半透明の合成樹脂で形成されているため、その間の空間に配置された制御回路20及びLEDライト30は視認できないが、LEDライト30が点灯すると、その明かりは外部から視認できる。
制御回路20は、電極24に接続されており、この電極24を介して電気的な接触を検知し、検知結果に応じて、LEDライト30の点灯及び消灯を制御する。
LEDライト30は、発光ダイオードを含み、白熱電球等に比べて熱を発することなく、点灯することができる。本例のLEDライト30は、複数の発光ダイオードを含み、制御回路20からの制御に応じて、点灯する発光ダイオードの個数を変えて、複数段階の調光を実現する。
【0012】
図2に例示するように、本例の植木鉢本体10の側面部には、USBポート40が設けられている。このUSBポート40から入力される電力は、制御回路20及びLEDライト30に供給される。例えば、USBポート40は、USB Type-Cに対応したポートである。これにより、植木鉢本体10は、モバイルバッテリーやノートパソコンからUSBケーブルを介して電力供給を受けて稼働することができる。
さらに、植木鉢本体10は水密容器となっているため、パソコン作業を行うデスク上に置いて、植物60(後述)とふれあうことができる。
【0013】
図3は、制御回路20及びLEDライト30の回路構成を例示する図である。
図3に例示するように、本例のLEDライト30は、4つの発光ダイオード(LED)を含むが、これに限定されるものではない。
制御回路20は、電極24を介した電気的接触(植物60を人が触る動作)を、LEDライト30に対するスイッチ操作として検知して、LEDライト30の点滅及び調光を行う。
【0014】
図4は、植木鉢1の全体構成を例示する図である。
図4に例示するように、植木鉢1は、植木鉢本体10と、植木鉢本体10の内壁面から露出した電極24と、電極24と接触している無機焼成体5(不図示)と、無機焼成体5に接触した状態で植えられている植物60と、電極24を介した電気的接触を検知する制御回路20(タッチセンサの具体例)と、制御回路20による検知結果に応じて、光を出力するLEDライト30(出力部の具体例)とを有する。
無機焼成体5は、粘土等を発泡させながら焼成した多孔質の無機焼成体であり、虫がわいたり臭いを発したりしにくい。本例の無機焼成体5は、複数の多孔質焼成物50の集合体である。多孔質焼成物50は、ハイドロボール等のように、毛細管現象によって多孔部分で吸水する粒状の無機焼成物であり、乾燥状態において絶縁性を示し、かつ、水が多孔部分に含まれている場合に導電性を示す。すなわち、無機焼成体5は、吸水した状態では導電体となって、植物60から電極24まで電気的に接続させ、乾燥した状態では、植物60と電極24との間の絶縁体となる。
【0015】
以上説明したように、本実施形態における植木鉢1によれば、無機焼成体5が保水しているか否かを、植物60に対する人のタッチ操作で確認することができる。すなわち、無機焼成体5の保水状態はその外観から視認しづらいが、人が植物60に触れることにより容易に確認できる。特に、植物60に対する水のやりすぎが根腐れを引き起こすが、本例の植木鉢1によれば、人が植物60に触れてもLEDライト30の点灯状態が変化しないことを確認することで、水やりの適期を知ることができる。
また、植木鉢本体10に内蔵された光源をLEDライト30とすることにより、光源からの熱による植物60への影響を抑えることができる。
【0016】
(変形例)
上記実施形態では、人のタッチ操作に応じて、LEDライト30を点滅させる形態を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、タッチ操作に応じて音声を出力してもよいし、モータ等の駆動力により筐体の一部を駆動又は振動させてもよい。
【符号の説明】
【0017】
10…植木鉢本体
20…制御回路
30…LEDライト
40…USBポート
50…多孔質焼成物
60…植物
図1
図2
図3
図4