(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090542
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】掘進機とカッタの交換方法
(51)【国際特許分類】
E21D 9/087 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
E21D9/087 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206516
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521478094
【氏名又は名称】地中空間開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】田村 憲
(72)【発明者】
【氏名】志田 智之
(72)【発明者】
【氏名】花岡 泰治
(72)【発明者】
【氏名】野田 節
【テーマコード(参考)】
2D054
【Fターム(参考)】
2D054BA06
2D054BB06
2D054BB07
2D054CA02
(57)【要約】
【課題】大口径は勿論のこと、中・小口径の掘進機であっても、機内からのカッタの交換をスムーズに行うことのできる、掘進機とカッタの交換方法を提供する。
【解決手段】掘進機本体10と、チャンバ13の前方に回転自在に配設されているカッタヘッド20とを有し、カッタヘッド20は、その放射方向に延設する複数のカッタスポーク21を備え、各カッタスポーク21には複数のカッタ30が着脱自在に装着されている掘進機100であり、カッタスポーク21の内部22には、その長手方向に延設するガイドレール31が設けられ、交換対象のカッタ30の設置位置とカッタスポーク21の背面24に設けられている交換用開口27との間を、ガイドレール31に沿ってカッタ交換装置50が移動し、カッタ交換装置50にてカッタ30の交換が実行されるようになっており、交換用開口27を介して新旧のカッタ30が交換される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁の前方にチャンバを備えている掘進機本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設されているカッタヘッドとを有し、該カッタヘッドは、その放射方向に延設する複数のカッタスポークを備え、各カッタスポークには複数のカッタが着脱自在に装着されている、掘進機であって、
前記カッタスポークの内部には、その長手方向に延設するガイドレールが設けられ、交換対象の前記カッタの設置位置と該カッタスポークの背面に設けられている交換用開口との間を、該ガイドレールに沿ってカッタ交換装置が移動し、該カッタ交換装置にて該カッタの交換が実行されるようになっており、
前記交換用開口を介して新旧の前記カッタが交換されることを特徴とする、掘進機。
【請求項2】
前記隔壁には、前方ハッチと後方出入り口を備えている作業ピットが設けられ、該作業ピットは、移動機構により前記交換用開口まで移動自在であり、
前記移動機構により前方に移動された前記作業ピットが、前記カッタスポークの背面における前記交換用開口の周囲に圧接されて連通し、前記カッタ交換装置を介して新旧の前記カッタが交換されることを特徴とする、請求項1に記載の掘進機。
【請求項3】
前記カッタスポークの前面には、前記カッタが出入りするカッタ開口が設けられ、
前記カッタスポークの内部における前記カッタ開口に対応する位置には、該カッタ開口を開閉する第1開閉蓋がスライド自在に設けられており、
前記カッタ交換装置にて前記カッタが収容された際に、前記第1開閉蓋がスライドして、開放されている前記カッタ開口が閉塞され、
前記カッタ交換装置が新規のカッタを搬送してきた際に、前記第1開閉蓋がスライドして前記カッタ開口が開放されることを特徴とする、請求項2に記載の掘進機。
【請求項4】
前記カッタスポークの内部における前記カッタの設置位置には、該カッタを収容する収容ケースが取り付けられており、
前記カッタ開口から前記カッタが取り外される際は、該カッタと前記収容ケースを繋ぐ第1伸縮手段を縮めることにより、該カッタが後方へ引き込まれて前記収容ケースに収容され、次いで前記カッタスポークから該収容ケースが取り外されて前記カッタ交換装置に搭載され、
前記カッタ開口に対して新規のカッタが設置される際は、前記カッタ交換装置により、該新規のカッタが収容されている前記収容ケースが前記カッタスポークに取り付けられ、次いで前記第1開閉蓋がスライドされて前記カッタ開口が開放され、次いで該カッタ開口に対して該新規のカッタが押し出されることを特徴とする、請求項3に記載の掘進機。
【請求項5】
前記カッタスポークのうち、前記カッタ開口に対応する背面位置において、背面開口が設けられており、
前記背面開口を開閉する第2開閉蓋がスライド自在に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の掘進機。
【請求項6】
前記収容ケースは、第1分割ケースと第2分割ケースと、該第1分割ケースと該第2分割ケースを繋ぐ第2伸縮手段とを有し、該第2伸縮手段により、該第1分割ケースと該第2分割ケースの間の隙間を大きくした拡張姿勢と、該第1分割ケースと該第2分割ケースの間の隙間を少なくした収縮姿勢とを形成するようになっており、
前記カッタはその周囲にカッタケースを備え、該カッタケースが前記第1分割ケースと前記第2分割ケースの双方の内面に摺動して、該カッタケースの内部と前記カッタスポークの内部が連通しないように構成されており、
前記第2伸縮手段により、前記カッタスポークにおける前記カッタ開口の周囲を押圧した状態で接触している前記第1分割ケースの端部が取り外され、かつ、前記背面開口の周囲を押圧している前記第2分割ケースの端部が取り外されて前記収縮姿勢を形成し、前記カッタ交換装置が前記ガイドレールに沿って走行可能な状態とされることを特徴とする、請求項5に記載の掘進機。
【請求項7】
前記カッタ交換装置は、
前記ガイドレールに沿って移動する、走行台と、
前記走行台の上で該走行台に対してスライド自在に積層され、スライドによって相互に遠近する第1スライド台及び第2スライド台と、
前記第1スライド台の上面から上下に出没して、前記第1分割ケースの下面に係合する、第1シリンダと、
前記第2スライド台の上面から上下に出没して、前記第2分割ケースの下面に係合する、第2シリンダと、
前記走行台の上面から上下に出没して、前記第1スライド台と前記第2スライド台にそれぞれ係合する、第3シリンダ及び第4シリンダと、
交換対象の前記カッタの位置を特定する、特定手段とを有することを特徴とする、請求項6に記載の掘進機。
【請求項8】
前記カッタ交換装置は、
前記ガイドレールに沿って移動する、走行台と、
前記走行台に搭載されて、前記第1分割ケースと前記第2分割ケースをそれぞれスライドさせる、第5シリンダ及び第6シリンダと、
交換対象の前記カッタの位置を特定する、特定手段とを有することを特徴とする、請求項6に記載の掘進機。
【請求項9】
隔壁の前方にチャンバを備えている掘進機本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設されているカッタヘッドとを有し、該カッタヘッドがその放射方向に延設する複数のカッタスポークを備え、各カッタスポークには複数のカッタが着脱自在に装着されている掘進機において前記カッタを交換する、カッタの交換方法であって、
前記カッタスポークの内部には、その長手方向に延設するガイドレールを設け、交換対象の前記カッタの設置位置と該カッタスポークの背面に設けられている交換用開口との間に、該ガイドレールに沿ってカッタ交換装置を移動させて、該カッタ交換装置にて該カッタを交換させ、
前記交換用開口を介して新旧の前記カッタを交換することを特徴とする、カッタの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘進機とカッタの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばシールド工法において掘進機による掘進長が長い場合に、地中においてカッタヘッドのカッタスポークに装着されているローラカッタやカッタビットといったカッタの交換が行われる場合がある。このカッタの交換に際しては、掘進機におけるカッタヘッド後方のチャンバ内から切羽とカッタヘッドの間に作業員が入り、カッタヘッド前方からカッタの交換を行う方法や、カッタスポーク内から直接カッタの交換を行う方法が適用される。
上記するカッタスポーク内からのカッタの交換方法によれば、凍土の造成等を含む地盤改良を行うことなくカッタの交換が可能になることから、工費の削減と工期の短縮を図ることができる。ところで、カッタスポーク内からのカッタの交換方法には、掘進機本体の軸芯にあるセンターシャフトに作業員が入り、センターシャフトから各カッタの背面側に作業員が移動し、カッタを収容するカッタホルダを背面側に移動させてカッタの交換を行う方法や、カッタスポークに沿ってガイドレールに収納されたカッタホルダを引き抜くことにより、カッタを機内に一度に取り込んでカッタの交換を行う方法などがある。
しかしながら、これらの機内交換工法では、センターシャフトが自ずと大口径化し易く、例えば、カッタヘッドの口径が2m乃至9m程度の中・小口径の掘進機への適用は困難と言える。
従って、大口径は勿論のこと、中・小口径の掘進機であっても、機内からのカッタの交換を行うことのできる掘進機の開発やカッタの交換方法が望まれている。
【0003】
ここで、特許文献1には、トンネル掘削機が提案されている。このトンネル掘削機は、カッタヘッドのカッタスポークにディスクカッタ(上記のローラカッタに相当)収納室及びカッタ交換室を備え、ディスクカッタ収納室に対して回転体が油圧ジャッキにより回動自在に装着され、この回転体の前部にディスクカッタが着脱自在に装着されるとともに、回転体の側部にディスクカッタの装着開口部からカッタスポークの側方に貫通する土砂排出路が設けられ、この土砂排出路に対応してディスクカッタに付着した土砂を排除する水噴射ノズルが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のトンネル掘削機によれば、ディスクカッタの交換作業性が向上するとしている。
ところで、特許文献1に記載のトンネル掘削機では、ディスクカッタの交換に際して作業員が交換対象のディスクカッタに対応するカッタ交換室に入り、ディスクカッタの交換を行うとしている。すなわち、多数のディスクカッタのそれぞれに作業員が進入可能な寸法のカッタ交換室が設けられていることから、大口径のトンネル掘削機を前提とした技術であることは明らかであり、上記するように、大口径は勿論のこと、中・小口径の掘進機であっても、機内からのカッタの交換を行うことのできる掘進機を提供するものではない。
【0006】
本発明は、大口径は勿論のこと、中・小口径の掘進機であっても、機内からのカッタの交換をスムーズに行うことのできる、掘進機とカッタの交換方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、本発明による掘進機の一態様は、
隔壁の前方にチャンバを備えている掘進機本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設されているカッタヘッドとを有し、該カッタヘッドは、その放射方向に延設する複数のカッタスポークを備え、各カッタスポークには複数のカッタが着脱自在に装着されている、掘進機であって、
前記カッタスポークの内部には、その長手方向に延設するガイドレールが設けられ、交換対象の前記カッタの設置位置と該カッタスポークの背面に設けられている交換用開口との間を、該ガイドレールに沿ってカッタ交換装置が移動し、該カッタ交換装置にて該カッタの交換が実行されるようになっており、
前記交換用開口を介して新旧の前記カッタが交換されることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、カッタスポークの内部にガイドレールが設けられ、交換対象のカッタの設置位置とカッタスポークの背面に設けられている交換用開口との間をガイドレールに沿ってカッタ交換装置が移動し、カッタ交換装置にてカッタの交換が実行されるとともに、交換用開口を介して新旧のカッタが交換されることにより、個々のカッタごとに作業員が進入して交換作業を行うカッタ交換室が不要となり、大口径は勿論のこと、中・小口径の掘進機であっても、機内から重量のあるカッタの交換をスムーズに行うことができる。
交換用開口の機内側にいる作業員は、例えば、操作ボックス等を用いた無線操作等により、カッタ交換装置によるカッタヘッドからのカッタの取り外しやカッタヘッドへのカッタの設置、ガイドレールに沿ったカッタ交換装置の移動を操作できる。
ここで、「カッタ」には、ローラカッタやカッタビットをはじめとする、カッタヘッドに装着される様々な形態のカッタが含まれる。
【0009】
また、本発明による掘進機の他の態様において、
前記隔壁には、前方ハッチと後方出入り口を備えている作業ピットが設けられ、該作業ピットは、移動機構により前記交換用開口まで移動自在であり、
前記移動機構により前方に移動された前記作業ピットが、前記カッタスポークの背面における前記交換用開口の周囲に圧接されて連通し、前記カッタ交換装置を介して新旧の前記カッタが交換されることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、掘進機本体の隔壁に設けられている作業ピットが、チャンバを超えてカッタスポークの背面まで移動して背面における交換用開口の周囲に圧接され、カッタスポークの内部と連通することにより、相互に圧接された状態のカッタスポークと作業ピットを連通させて、作業ピットの内部にいる作業員がカッタ交換装置を介して新旧のカッタの交換を実行できる。このことにより、カッタスポークに装着されている全てのカッタのスムーズかつ安全な交換を実現できる。
例えば、カッタヘッドの背面に設けられている交換用開口に合致するスプリングライン上の左右の二箇所、もしくは左右のいずれか一箇所に作業ピットが設けられ、スプリングライン上に位置合わせされた水平姿勢のガイドレールに沿ってカッタ交換装置を移動させることにより、カッタ交換装置をガイドレールから脱落させずに走行させることができる。尚、ガイドレールが傾斜姿勢や鉛直姿勢でもカッタ交換装置が脱落しない態様でガイドレールに対して走行自在に装着されている場合は、スプリングライン上にある作業ピットの他に、傾斜位置やセンターライン上に別途の作業ピットが設けられ、この作業ピットにガイドレールが位置合わせされてもよい。
本態様では、作業ピットにいる作業員が操作ボックス等を用いた無線操作等により、カッタ交換装置の操作を実現できる。
【0011】
また、本発明による掘進機の他の態様において、
前記カッタスポークの前面には、前記カッタが出入りするカッタ開口が設けられ、
前記カッタスポークの内部における前記カッタ開口に対応する位置には、該カッタ開口を開閉する第1開閉蓋がスライド自在に設けられており、
前記カッタ交換装置にて前記カッタが収容された際に、前記第1開閉蓋がスライドして、開放されている前記カッタ開口が閉塞され、
前記カッタ交換装置が新規のカッタを搬送してきた際に、前記第1開閉蓋がスライドして前記カッタ開口が開放されることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、カッタスポークの内部におけるカッタ開口に対応する位置において、カッタ開口を開閉する第1開閉蓋がスライド自在に設けられていることにより、カッタが収容された際に第1開閉蓋がカッタ開口を閉塞することで、一時的にカッタが取り外されたカッタ開口からカッタスポーク内への地下水の浸入を防止できる。
【0013】
また、本発明による掘進機の他の態様において、
前記カッタスポークの内部における前記カッタの設置位置には、該カッタを収容する収容ケースが取り付けられており、
前記カッタ開口から前記カッタが取り外される際は、該カッタと前記収容ケースを繋ぐ第1伸縮手段を縮めることにより、該カッタが後方へ引き込まれて前記収容ケースに収容され、次いで前記カッタスポークから該収容ケースが取り外されて前記カッタ交換装置に搭載され、
前記カッタ開口に対して新規のカッタが設置される際は、前記カッタ交換装置により、該新規のカッタが収容されている前記収容ケースが前記カッタスポークに取り付けられ、次いで前記第1開閉蓋がスライドされて前記カッタ開口が開放され、次いで該カッタ開口に対して該新規のカッタが押し出されることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、カッタの設置位置に取り付けられている収容ケースに対して、第1伸縮手段の伸縮によってカッタの収容と押し出しが実行されることにより、設置位置におけるカッタの安定した設置姿勢の保持と、カッタのスムーズな取り外しの双方を実現できて好ましい。
【0015】
また、本発明による掘進機の他の態様は、
前記カッタスポークのうち、前記カッタ開口に対応する背面位置において、背面開口が設けられており、
前記背面開口を開閉する第2開閉蓋がスライド自在に設けられていることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、カッタスポークにおけるカッタ開口に対応する背面位置に背面開口が設けられ、背面開口を開閉する第2開閉蓋がスライド自在に設けられていることにより、カッタによる掘削によって収容ケース内に取り込まれた土砂を、背面開口を介して後方のチャンバへ速やかに排土することができ、カッタの周囲に土砂が滞留して、カッタの回転が阻害されることを防止できる。
ここで、カッタの回転の際は、カッタ開口と背面開口を開閉する第1開閉蓋と第2開閉蓋の双方が各開口を開放し、カッタの交換のためにカッタがカッタ開口から取り外された際は、カッタ開口と背面開口がそれぞれ第1開閉蓋と第2開閉蓋にて閉塞される。
【0017】
また、本発明による掘進機の他の態様において、
前記収容ケースは、第1分割ケースと第2分割ケースと、該第1分割ケースと該第2分割ケースを繋ぐ第2伸縮手段とを有し、該第2伸縮手段により、該第1分割ケースと該第2分割ケースの間の隙間を大きくした拡張姿勢と、該第1分割ケースと該第2分割ケースの間の隙間を少なくした収縮姿勢とを形成するようになっており、
前記カッタはその周囲にカッタケースを備え、該カッタケースが前記第1分割ケースと前記第2分割ケースの双方の内面に摺動して、該カッタケースの内部と前記カッタスポークの内部が連通しないように構成されており、
前記第2伸縮手段により、前記カッタスポークにおける前記カッタ開口の周囲を押圧した状態で接触している前記第1分割ケースの端部が取り外され、かつ、前記背面開口の周囲を押圧している前記第2分割ケースの端部が取り外されて前記収縮姿勢を形成し、前記カッタ交換装置が前記ガイドレールに沿って走行可能な状態とされることを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、収容ケースが第1分割ケースと第2分割ケースを備え、第1分割ケースと第2分割ケースが第2伸縮手段にて相互に遠近される(双方の間の隙間が拡張され、収縮される)ことにより、カッタ開口の周囲と第1分割ケースの端部との接触及び分離と、背面開口の周囲と第2分割ケースの端部との接触及び分離をスムーズかつ確実に実行することが可能になる。
カッタ開口の周囲と第1分割ケースの端部との接触、及び背面開口の周囲と第2分割ケースの端部との接触により、掘削によって収容ケース内に取り込まれた土砂や地下水がカッタスポークの他の領域に浸入することを防止しながら、カッタスポークの後方にあるチャンバへ導くことができる。一方、カッタ開口の周囲と第1分割ケースの端部との分離、及び背面開口の周囲と第2分割ケースの端部との分離により、交換対象のカッタが収容ケース内に収容されたカッタ交換装置を、ガイドレールに沿って移動させることができる。
尚、カッタ開口の周囲と第1分割ケースの端部の少なくとも一方や、背面開口の周囲と第2分割ケースの端部の少なくとも一方に、無端状のシール材が取り付けられていることにより、接触箇所からの漏水を確実に防止することができる。
【0019】
また、本発明による掘進機の他の態様において、
前記カッタ交換装置は、
前記ガイドレールに沿って移動する、走行台と、
前記走行台の上で該走行台に対してスライド自在に積層され、スライドによって相互に遠近する第1スライド台及び第2スライド台と、
前記第1スライド台の上面から上下に出没して、前記第1分割ケースの下面に係合する、第1シリンダと、
前記第2スライド台の上面から上下に出没して、前記第2分割ケースの下面に係合する、第2シリンダと、
前記走行台の上面から上下に出没して、前記第1スライド台と前記第2スライド台にそれぞれ係合する、第3シリンダ及び第4シリンダと、
交換対象の前記カッタの位置を特定する、特定手段とを有することを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、走行台の上に第1スライド台と第2スライド台がスライド自在に積層され、第1スライド台の上面から上下に出没する第1シリンダが第1分割ケースの下面に係合自在であり、第2スライド台の上面から上下に出没する第2シリンダが第2分割ケースの下面に係合自在であることにより、走行台及び第1、第2スライド台と、第1分割ケース及び第2分割ケースとの固定と固定解除を図ることができる。
さらに、走行台の上面から上下に出没して、第1スライド台と第2スライド台にそれぞれ係合する、第3シリンダ及び第4シリンダをさらに備えていることにより、例えば、第1分割ケースを後方へスライドさせてカッタ開口から分離する際は、第4シリンダを伸長させて走行台と第2スライド台を固定し、第3シリンダを短縮させて走行台と第1スライド台との固定を解除することにより、第1分割ケースを後方へスライドさせる際の反力を、第2分割ケース及び第2スライド台を介して走行台に取ることができる。
一方、第2分割ケースを前方へスライドさせて背面開口から分離する際は、第3シリンダを伸長させて走行台と第1スライド台を固定し、第4シリンダを短縮させて走行台と第2スライド台との固定を解除することにより、第2分割ケースを前方へスライドさせる際の反力を、第1分割ケース及び第1スライド台を介して走行台に取ることができる。
【0021】
また、本発明による掘進機の他の態様において、
前記カッタ交換装置は、
前記ガイドレールに沿って移動する、走行台と、
前記走行台に搭載されて、前記第1分割ケースと前記第2分割ケースをそれぞれスライドさせる、第5シリンダ及び第6シリンダと、
交換対象の前記カッタの位置を特定する、特定手段とを有することを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、走行台に搭載されて、第1分割ケースと第2分割ケースをそれぞれスライドさせる第5シリンダ及び第6シリンダをさらに備えていることにより、例えば、第5シリンダをフリーにして第1分割ケースのスライドに追随できる状態とした上で、第2伸縮手段によって第1分割ケースを第2分割ケース側の後方へスライドさせて双方の間の隙間を少なくした収縮姿勢を形成し、第1分割ケースをカッタ開口から分離する。次いで、第5シリンダと第6シリンダの双方を作動させて第1分割ケースと第2分割ケースを前方へスライドさせることにより、第2分割ケースを背面開口から分離して走行台を移動可能な状態にできる。
ここで、第5シリンダ及び第6シリンダがそれぞれ、第1スライド台と第2スライド台をそれぞれスライドさせ、第1スライド台と第2スライド台のスライドによって第1分割ケースと第2分割ケースがスライドされる構成であってもよい。
【0023】
また、本発明によるカッタの交換方法の一態様は、
隔壁の前方にチャンバを備えている掘進機本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設されているカッタヘッドとを有し、該カッタヘッドがその放射方向に延設する複数のカッタスポークを備え、各カッタスポークには複数のカッタが着脱自在に装着されている掘進機において前記カッタを交換する、カッタの交換方法であって、
前記カッタスポークの内部には、その長手方向に延設するガイドレールを設け、交換対象の前記カッタの設置位置と該カッタスポークの背面に設けられている交換用開口との間に、該ガイドレールに沿ってカッタ交換装置を移動させて、該カッタ交換装置にて該カッタを交換させ、
前記交換用開口を介して新旧の前記カッタを交換することを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、カッタスポークの内部にガイドレールを設け、交換対象のカッタの設置位置とカッタスポークの背面に設けられている交換用開口との間にあるガイドレールに沿ってカッタ交換装置を移動させ、カッタ交換装置にてカッタを交換させるとともに、交換用開口を介して新旧のカッタを交換することにより、個々のカッタごとに作業員が進入して交換作業を行うカッタ交換室が不要となり、大口径は勿論のこと、中・小口径の掘進機であっても、機内から重量のあるローラカッタ(カッタの一例)の交換をスムーズに行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の掘進機とカッタの交換方法によれば、大口径は勿論のこと、中・小口径の掘進機であっても、機内からのカッタの交換をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態に係る掘進機の一例の縦断面図である。
【
図5】カッタスポークの内部における、ローラカッタの取り付け状態と、ガイドレールに沿って移動するカッタ交換装置を構成する走行台が、交換用開口に対応する位置に停止している状態を示す図であって、構成要素が分離した状態のカッタ交換装置を示す図である。
【
図6】走行台が交換対象のローラカッタの設置位置に移動し、第1スライド台及び第2スライド台と収容ケースが相互に固定された状態を示す図であって、構成要素が一体となっている状態のカッタ交換装置を示す図である。
【
図7】
図6において、カッタ交換装置の途中で切断した縦断面図である。
【
図8】ローラカッタを収容ケースに収容している状態を示す図である。
【
図9】第1開閉蓋をスライドさせてカッタ開口を閉塞している状態を示す図である。
【
図10】第2開閉蓋をスライドさせて背面開口を閉塞している状態を示す図である。
【
図11】第1分割ケースを後方へスライドしている状態を示す図である。
【
図12】
図11において、カッタ交換装置の途中で切断した縦断面図である。
【
図13】第2分割ケースを前方へスライドしている状態を示す図である。
【
図14】
図13において、カッタ交換装置の途中で切断した縦断面図である。
【
図15】ガイドレールに沿ってカッタ交換装置を交換用開口に対応する位置に移動させた状態を示す図である。
【
図16】カッタ交換装置を構成する第1分割ケースと第2分割ケースのスライド機構他の例を示す図であって、第1スライド台及び第2スライド台と収容ケースが相互に固定された状態を示す図である。
【
図17】
図16に続いて、第1分割ケースを後方へスライドしている状態を示す図である。
【
図18】
図17に続いて、第1分割ケースと第2分割ケースを前方へスライドしている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施形態に係る掘進機とカッタの交換方法について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
【0028】
[実施形態に係る掘進機とカッタの交換方法]
<掘進機>
はじめに、
図1乃至
図5を参照して、実施形態に係る掘進機の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る掘進機の一例の縦断面図であり、
図2乃至
図4はそれぞれ、
図1のII方向矢視図、III-III矢視図、及びIV方向矢視図である。また、
図5はカッタスポークの内部における、ローラカッタの取り付け状態と、ガイドレールに沿って移動するカッタ交換装置を構成する走行台が、交換用開口に対応する位置に停止している状態を示す図であって、構成要素が分離した状態のカッタ交換装置を示す図である。尚、以下の説明では、交換対象のカッタとしてローラカッタを取り上げて説明するが、交換対象のカッタは、カッタビット等のその他の形態のカッタであってもよい。
【0029】
図示する掘進機100は中折れ式のシールド掘進機であり、前胴10Aと後胴10Bにより構成される掘進機本体10と、掘進機本体10の掘進方向前方に回転自在に取り付けられているカッタヘッド20とを有し、カッタヘッド20が複数のカッタスポーク21を備える、土圧式シールド掘進機(泥土圧式シールド掘進機を含む)である。ここで、掘進機は、面板状のカッタヘッドを備えている、泥水式シールド掘進機であってもよい。また、掘進機としては、中折れ式のシールド掘進機の他、中折れ機構を備えていない一般の掘進機であってもよい。さらに、図示例の掘進機100は、口径が2m乃至9m程度の中・小口径のシールド掘進機であるが、大口径のシールド掘進機であってもよい。
【0030】
掘進機本体10は、カッタヘッド20の後方に隔壁11を備え、隔壁11とカッタヘッド20の間には、掘削された土砂を取り込むチャンバ13を備えており、隔壁11のチャンバ13に面する側面に複数の固定翼12が設けられ、カッタヘッド20のチャンバ13に面する背面24に撹拌翼25が設けられている。チャンバ13の内部に取り込まれた土砂に対して加泥材が供給され、カッタヘッド20の回転に応じて撹拌翼25を回転させることにより、固定翼12と回転する撹拌翼25にて土砂が塑性流動化される。
【0031】
隔壁11の背面の中央近傍には、複数のカッタヘッド駆動用油圧モータ14が設けられ、隔壁11の背面の下方から後胴10Bに亘り、チャンバ13に連通するスクリュコンベア15が傾斜した姿勢で延設しており、チャンバ13の内部において塑性流動化された混合土砂は、スクリュコンベア15にて掘進機100の後方に搬送されるようになっている。
【0032】
前胴10Aには中折れジャッキ18が取り付けられており、中折れジャッキ18の一端が後胴10Bの前方に固定されている。ここで、
図1には、一基の中折れジャッキ18のみを示しているが、複数の中折れジャッキ18が前胴10Aの内部においてその周方向に間隔を置いて配設され、それらの一端が後胴10Bに固定されている。
【0033】
掘進機本体10の内周面には、複数のシールドジャッキ16が取り付けられており(
図1では一基のシールドジャッキのみを図示)、後胴10Bにあるエレクタ装置17により複数のセグメントSがリング状に組み付けられたセグメントリングに対して、シールドジャッキ16を伸張させ、セグメントリングを押圧することにより、掘進機100が掘進方向に掘進されるようになっている。また、後胴10Bの後方内側には、複数箇所において、周方向に亘るテールシール(図示せず)が設けられており、設置されたセグメントリングに対してテールシールが常時摺接することにより、後胴10Bの止水性が確保される。
【0034】
カッタヘッド20は、放射方向(径方向)に延設する複数のカッタスポーク21を備える。また、カッタスポーク21の内部22には、その長手方向に亘り間隔を置いて複数のローラカッタ30(カッタの一例)が装着されている。図示例の掘進機100において、カッタスポーク21の内部22にあるローラカッタ30は、掘進機本体10の内部(機内側)から交換自在となっている。
【0035】
図1及び
図3に示すように、正面視円形の隔壁11のスプリングラインSL上の左側には、一台の作業ピット40がカッタスポーク21の背面24と隔壁11の間をX1方向に移動自在に配設されており、ローラカッタ30の交換に際してカッタスポーク21側に移動された作業ピット40は、
図1に示すようにカッタスポーク21における交換用開口27の周囲に圧接されるようになっている。
【0036】
ここで、作業ピット40の設置位置は、スプリングラインSL上の右側であってもよいし、スプリングラインSL上の左右両側であってもよい。さらには、スプリングラインSL上の少なくとも左右いずれか一方に設置される他に、センターラインCL上の上方や、スプリングラインSLとセンターラインCLの間の斜め上方等に設置されてもよい。
【0037】
図示例の掘進機100は中・小口径のシールド掘進機であるため、スペースの関係から、作業員Pが屈んだ姿勢で入り込める程度の内部空間を備えた一台の作業ピット40を有するが、大口径のシールド掘進機の場合には、正面視円形の隔壁の周方向に、広い内部空間を備えた複数の作業ピットが設けられてもよい。
【0038】
図4に示すように、作業ピット40は箱形のピット本体41を備えており、ピット本体41の前方には前方ハッチ42が設けられ、ピット本体41の後方には作業員Pが出入り自在な後方出入り口43が設けられている。ピット本体41の左右の側面には移動機構である伸縮ジャッキ44が取り付けられており、伸縮ジャッキ44を構成するシリンダ44aの一部が固定翼12の中空部に挿入され、固定翼12により防護されている。
【0039】
このように、作業ピット40を構成する移動機構44の一部が固定翼12の内部に挿通された状態で隔壁11の後方に固定されていることにより、スペースの狭い掘進機本体10においてその内部に露出する機器を可及的に削減することができ、シンプルな内部構成を形成できる。
【0040】
ピット本体41の前方ハッチ42の周囲には、洗浄機構45を構成する複数の注入管が取り付けられており、洗浄機構45により、カッタスポーク21と作業ピット40の圧接箇所が圧接前洗浄されるようになっている。
【0041】
図5に示すように、カッタスポーク21の前面には、ローラカッタ30が着脱されるカッタ開口26が開設されている。ここで、
図5においては、理解を容易にするべく、カッタスポーク21の長さを短く図示した上で、カッタスポーク21の前面にある2つのカッタ開口26のみを図示し、そのうちの一方のカッタ開口26はその途中で切断することにより、以下で詳説するカッタ交換装置50の視認を容易としている。
【0042】
カッタスポーク21の内部22におけるカッタ開口26に対応する位置には、カッタ開口26を開閉する第1開閉蓋33がスライド自在に設けられている。より具体的には、不図示の油圧シリンダ等の開閉機構により、第1開閉蓋33がスライド自在とされており、カッタ交換装置50にてローラカッタ30が収容された際に、第1開閉蓋33がスライドして、開放されているカッタ開口26が閉塞されるようになっている。また、カッタ交換装置50が新規のローラカッタ30を搬送してきた際には、第1開閉蓋33がスライドしてカッタ開口26が開放されるようになっている。
【0043】
一方、カッタスポーク21のうち、カッタ開口26に対応する背面位置には、背面開口28(
図7参照)が設けられており、背面開口28を開閉する第2開閉蓋35(
図10参照)が、油圧シリンダ等の開閉機構36によってスライド自在に設けられている。
【0044】
図5に示すように、カッタスポーク21の一方端側の背面24のうち、圧接される作業ピット40の前方ハッチ42に対応する位置には、交換用開口27が設けられている。交換用開口27には、不図示の背面ハッチが、スライド自在に、もしくは蝶番を介して回動自在に、もしくは取り外し自在に設けられており、作業ピット40がカッタスポーク21の背面に圧接していない状況下においては、交換用開口27は背面ハッチにて完全に閉塞され、チャンバ13内にある土砂がカッタスポーク21の内部22に入り込まないようになっている。
【0045】
一方、作業ピット40がカッタスポーク21の背面24に圧接した際には、作業ピット40の前方ハッチ42とカッタスポーク21の背面ハッチがともに開放されることにより、作業ピット40とカッタスポーク21の内部22が相互に連通される。作業ピット40の内部にいる作業員Pは、
図5に示すカッタ交換装置50を、手を伸ばしてカッタスポーク21の内部22にあるガイドレール31に設置したり、ガイドレール31の端部にあるカッタ交換装置50の全部もしくは一部を作業ピット40内に取り入れることが可能になる。
【0046】
ここで、図示を省略するが、カッタスポーク21の内部22にあるガイドレール31と繋がる引き込みレールが、作業ピット40の内部に設けられていてもよい。例えばガイドレール31の端部に不図示のターンテーブルが設けられ、このターンテーブルに対して作業ピット内にある引き込みレールが接続されることにより、作業ピット40内において作業員Pが引き込みレールにカッタ交換装置50を設置することで、カッタ交換装置50はターンテーブルまで自走し、ターンテーブルで方向を90度変えて、ガイドレール31に沿って所定のローラカッタ30の設置位置まで移動することができる。
【0047】
さらに、図示を省略するが、掘進機100には、各種機器の動作を制御する制御盤が設けられている。制御盤は、掘進機100の後続台車(図示せず)内に装備されてもよいし、地上の遠隔操作室(図示せず)に装備されてもよいし、掘進機100の機内に装備されてもよく、掘進機100の運転操作装置の一部である。
【0048】
制御盤はコンピュータにより構成されており、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、無線通信装置、表示装置、及び入力装置等を有し、それらがシステムバスにてデータ通信可能に接続されている。ROMには、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAMは、ROMに記憶されているプログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域として用いられる。
【0049】
例えば、カッタスポーク21に対して作業ピット40の前面が圧接する際の好適な圧力値レンジ(止水性が保証され、圧接箇所を破損させない圧力値レンジ)が設定されていて、作業ピット40がカッタスポーク21に対して圧力値レンジ内に入った段階で作業ピット40の移動を停止するプログラムが記憶されている。CPUは、RAMにロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。制御盤はその他、インストールされたプログラム等を記憶する補助記憶装置(図示せず)を有していてもよい。
【0050】
<カッタ交換装置>
次に、
図5乃至
図7を参照して、カッタ交換装置の一例について説明する。ここで、
図6は、走行台が交換対象のローラカッタの設置位置に移動し、第1スライド台及び第2スライド台と収容ケースが相互に固定された状態を示す図であって、構成要素が一体となっている状態のカッタ交換装置を示す図である。また、
図7は、
図6において、カッタ交換装置の途中で切断した縦断面図である。
【0051】
カッタ交換装置50は、ガイドレール31に沿って移動する走行台56と、走行台56の上で走行台56に対してスライド自在に積層され、不図示のスライド機構によってスライドして相互に遠近する第1スライド台57A及び第2スライド台57Bと、ローラカッタ30を収容自在であって、第1スライド台57A及び第2スライド台57Bに着脱自在である収容ケース51とを有する。
【0052】
図5は、ローラカッタ30を保持する収容ケース51が、カッタスポーク21の内部22におけるローラカッタ30の設置位置に取り付けられ、第1スライド台57A及び第2スライド台57Bと収容ケース51が分離されている状態を示している。
【0053】
収容ケース51は、第1分割ケース51A及び第2分割ケース51Bと、第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bを遠近自在に繋ぐ油圧シリンダ53(第2伸縮手段の一例)とを有する。
【0054】
油圧シリンダ53は、第2分割ケース51Bの側面に取り付けられ、油圧シリンダ53の備える伸縮自在なロッド53aの先端が第1分割ケース51Aの側面に取り付けられている。油圧シリンダ53により、第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bとの間で大きな隙間54が設けられている、
図5乃至
図7に示す拡張姿勢と、第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bとの間の隙間54を少なくして(図示例では隙間54が解消されている)、双方の端部同士が接触する
図13乃至
図15に示す収縮姿勢とを形成するようになっている。
【0055】
ローラカッタ30はその周囲にカッタケース55を備えており、カッタケース55が第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bの双方の内面に摺動して、カッタケース55の内部とカッタスポーク21の内部が連通しないように構成されている。
【0056】
第2分割ケース51Bの側面には、上記する第2伸縮手段53の他に、油圧シリンダ52(第1伸縮手段の一例)がさらに取り付けられており、カッタケース55の側方にある取り付け部55aが、第1分割ケース51Aの側面に開設されているスリット51aを介して側方に張り出し、取り付け部55aに対して油圧シリンダ52の備える伸縮自在なロッド52aの先端が取り付けられている。
【0057】
油圧シリンダ52を作動させてロッド52aを短縮することにより、カッタ開口26からローラカッタ30及びカッタケース55を分離して、第1分割ケース51Aの内部に収容し、第1開閉蓋33がスライドして、カッタ開口26を閉塞可能な状態にできる。一方、油圧シリンダ52を作動させてロッド52aを伸長することにより、カッタ開口26に対してローラカッタ30及びカッタケース55を設置して、新しいローラカッタ30をカッタ開口26の前方へ張り出させることができる。
【0058】
走行台56は、一対のガイドレール31に移動自在に係合する複数(図示例は計4つ)の車輪59aを備えている。走行台56はさらに、
図7に示すように、走行台56の上面から上下に出没して、第1スライド台57Aの備える第3凹部57c、57dに対してZ2方向に係合する第3ロッド58cを備える第3シリンダ58Cと、第2スライド台57Bの備える第4凹部57e、57fに対してZ2方向に係合する第4ロッド58dを備える第4シリンダ58Dを有している。
【0059】
例えば、作業ピット40の内部にいる作業員Pの備える操作ボックス等の操作により、
図6に示すように、走行台56は、ガイドレール31に沿って交換対象のローラカッタ30の設置位置までY1方向に移動する。また、走行台56には、不図示のカメラ等の特定手段が装備されており、交換対象のローラカッタ30の設置位置を特定するようになっており、従って、走行台56は交換対象のローラカッタ30の設置位置において自動停止することができる。
【0060】
第1スライド台57Aは、第1出没溝57aと第1シリンダ58Aを備えており、第1シリンダ58Aの第1ロッド58aが第1出没溝57aを介して第1スライド台57Aの上面から上下に出没して、第1分割ケース51Aの下面に設けられている第1凹部51bへのZ1方向の係合と、第1凹部51bに対する係合解除が行われるようになっている。
【0061】
一方、第2スライド台57Bは、第2出没溝57bと第2シリンダ58Bを備えており、第2シリンダ58Bの第2ロッド58bが第2出没溝57bを介して第2スライド台57Bの上面から上下に出没して、第2分割ケース51Bの下面に設けられている第2凹部51cへのZ1方向の係合と、第2凹部51cに対する係合解除が行われるようになっている。
【0062】
また、
図6及び
図7における状態、すなわち、ローラカッタ30を第1分割ケース51Aに収容する前の状態において、隙間54の幅はt1である。さらに、第3凹部57c、57dの間の幅は隙間54の幅t1の半分のt1/2に設定され、第4凹部57e、57fの間の幅も同様にt1/2に設定されている。
【0063】
図7に示すローラカッタ30がカッタ開口26に設置されている状態において、第1分割ケース51Aの段状の端部51dとカッタスポーク21の前方の段状の端部21aは当接しており、これらの間には、カッタ開口26の周囲に延設する不図示の無端状のシール材が介在している。また、第2分割ケース51Bの段状の端部51eとカッタスポーク21の後方の段状の端部21bも当接しており、これらの間には、背面開口28の周囲に延設する不図示の無端状のシール材が介在している。これら無端状のシール材を介して相互に当接していることにより、カッタ開口26から浸入した地下水等が当接箇所を介してカッタスポーク21の内部に浸入することを防止できる。尚、各段状の端部51d、21a、51e、21bは、相互に当接するテーパー状等であってもよい。
【0064】
<カッタの交換方法>
次に、
図6乃至
図18を参照して、カッタの交換方法の一例について説明する。ここで、
図8は、ローラカッタを収容ケースに収容している状態を示す図であり、
図9は、第1開閉蓋をスライドさせてカッタ開口を閉塞している状態を示す図であり、
図10は、第2開閉蓋をスライドさせて背面開口を閉塞している状態を示す図である。また、
図11は、第1分割ケースを後方へスライドしている状態を示す図であり、
図12は、
図11において、カッタ交換装置の途中で切断した縦断面図である。さらに、
図13は、第2分割ケースを前方へスライドしている状態を示す図であり、
図14は、
図13において、カッタ交換装置の途中で切断した縦断面図であり、
図15は、ガイドレールに沿ってカッタ交換装置を交換用開口に対応する位置に移動させた状態を示す図である。さらに、
図16乃至
図18は、スライド機構の他の例による、第1分割ケースと第2分割ケースのスライド方法を説明する図である。
【0065】
図6に示すように、交換対象のローラカッタ30の設置位置に走行台56が移動し、第1スライド台57Aと第2スライド台57Bがそれぞれ、第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bに固定される。具体的には、第1スライド台57Aの第1ロッド58aが第1出没溝57aを介して第1スライド台57Aの上面から上方に突出して、第1分割ケース51Aの下面に設けられている第1凹部51b(
図7参照)へZ1方向に係合する。同様に、第2スライド台57Bの第2ロッド58bが第2出没溝57bを介して第2スライド台57Bの上面から上方に突出して、第2分割ケース51Bの下面に設けられている第2凹部51c(
図7参照)へのZ1方向に係合する。
【0066】
図6及び
図7に示す状態において、第3ロッド58cは、第3凹部57c、57dのうち、中央の隙間54側に位置する第3凹部57cに係合しており、第4ロッド58dは、第4凹部57e、57fのうち、同様に中央の隙間54側に位置する第4凹部57eに係合している。
【0067】
次いで、
図8に示すように、油圧シリンダ52を作動させてロッド52aをY2方向に短縮することにより、カッタ開口26からローラカッタ30及びカッタケース55を分離し、第1分割ケース51Aの内部へ収容する。
【0068】
次いで、
図9に示すように、不図示の油圧シリンダ等の開閉機構により、第1開閉蓋33をY3方向にスライドさせて、開放されているカッタ開口26を閉塞する。尚、
図9に示すように、第1開閉蓋33は、カッタ開口26に対応するカッタ開口33aを備えており、双方のカッタ開口26,33aを介してローラカッタ30が前方へ張り出すようになっている。
【0069】
次いで、
図10に示すように、油圧シリンダ等の開閉機構36により、第2開閉蓋35をY4方向にスライドさせて、開放されている背面開口28(
図7参照)を閉塞する。尚、第1開閉蓋33のスライドと第2開閉蓋35のスライドが同時に実行され、カッタ開口26と背面開口28が同時に閉塞されてもよい。
【0070】
この段階では、
図7に示すように、第1分割ケース51Aの端部51dとカッタスポーク21の端部21a、及び、第2分割ケース51Bの端部51eとカッタスポーク21の端部21bがそれぞれ当接していることから、収容ケース51にローラカッタ30が収容されているカッタ交換装置50をガイドレール31に沿って移動させることはできない。
【0071】
そこで、次に、第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bを交互に、双方の間の隙間54の幅t1の半分ずつを狭めるように中央側へスライドさせることにより、カッタスポーク21の端部21a、21bとの当接姿勢を解除し、カッタ交換装置50を移動可能な状態とする。
【0072】
具体的には、まず、
図11に示すように、第2伸縮手段53を作動させて、第1分割ケース51Aを中央側へY5方向にスライドさせる。
【0073】
この際、
図7に示すように、中央側にある第3凹部57cに収容されていた第3シリンダ58Cの第3ロッド58cを降下させて第3凹部57cとの係合状態を解除することで、走行台56に対する第1スライド台57Aのスライドを可能にする。
【0074】
その上で、第1スライド台57Aを中央側へt1/2だけスライドさせることにより、
図12に示すように、カッタスポーク21の端部21aと第1分割ケース51Aの端部51dとの当接状態が解除される。この第1スライド台57Aの中央側へのスライドの際には、第2分割ケース51Bが第2スライド台57Bに対して固定され、第2スライド台57Bが走行台56に固定されていることから、これらに反力を取ることにより、第1スライド台57Aのスムーズなスライドが実現される。
【0075】
そして、第1スライド台57Aが中央側へt1/2だけスライドすることにより、
図12に示すように、中央側にある第3凹部57cからt1/2離れている外側にある第3凹部57dに対して、第3シリンダ58Cの第3ロッド58cがZ3方向に上昇して嵌まり込むことになる。この第3凹部57dへの第3ロッド58cの嵌まり込みにより、第1スライド台57Aに対して、ローラカッタ30が収容されている第1分割ケース51Aが固定される。
【0076】
また、第1スライド台57Aが中央側へt1/2だけスライドすることにより、第1スライド台57Aと第2スライド台57Bとの間の隙間54の幅は、当初のt1からt1/2に狭まる。
【0077】
次いで、
図13に示すように、第2伸縮手段53を作動させて、第2分割ケース51Bを中央側へY6方向にスライドさせる。
【0078】
この際、
図12に示すように、中央側にある第4凹部57eに収容されていた第4シリンダ58Dの第4ロッド58dを降下させて第4凹部57eとの係合状態を解除することで、走行台56に対する第2スライド台57Bのスライドを可能にする。
【0079】
その上で、第2スライド台57Bを中央側へt1/2だけスライドさせることにより、
図14に示すように、カッタスポーク21の端部21bと第2分割ケース51Bの端部51eとの当接状態が解除される。この第2スライド台57Bの中央側へのスライドの際には、第1分割ケース51Aが第1スライド台57Aに対して固定され、第1スライド台57Aが走行台56に固定されていることから、これらに反力を取ることにより、第2スライド台57Bのスムーズなスライドが実現される。
【0080】
そして、第2スライド台57Bが中央側へt1/2だけスライドすることにより、
図14に示すように、中央側にある第4凹部57eからt1/2離れている外側にある第4凹部57fに対して、第4シリンダ58Dの第4ロッド58dがZ4方向に上昇して嵌まり込むことになる。この第4凹部57fへの第4ロッド58dの嵌まり込みにより、第2スライド台57Bに対して第2分割ケース51Bが固定される。
【0081】
また、第2スライド台57Bが中央側へt1/2だけスライドすることにより、第2スライド台57Bと第1スライド台57Aとの間の隙間54の幅は、
図12に示す状態におけるt1/2からゼロとなり、当初の隙間54は完全に解消される。
【0082】
図13及び
図14の状態により、カッタ交換装置50はカッタスポーク21から完全に分離され、ガイドレール31に沿って移動可能な状態となる。
【0083】
次いで、
図15に示すように、収容ケース51にローラカッタ30が収容されているカッタ交換装置50をガイドレール31に沿って交換用開口27の正面位置までY7方向に移動させ、交換用開口27の背面にある作業ピット40内にいる作業員Pが、第1スライド台57A及び第2スライド台57Bと収容ケース51との固定状態を解除し、収容ケース51を作業ピット40内に引き込む。
【0084】
次いで、交換対象のローラカッタ30を収容ケース51から取り外し、新規のローラカッタを収容ケース51に収容し、交換用開口27を介して収容ケース51を第1スライド台57A及び第2スライド台57Bの上に載置し、第1シリンダ58Aと第2シリンダ58Bを作動することにより、第1スライド台57A及び第2スライド台57Bと収容ケース51を固定する。その後、カッタ交換装置50を、ローラカッタ30の設置位置まで移動させ、自動停止させる。次に、第1開閉蓋33と第2開閉蓋35をスライドさせて開放し、第1スライド台57Aを前方へスライドさせて第1分割ケース51Aをカッタスポーク21の前方に設置し、第2スライド台57Bを後方へスライドさせて第2分割ケース51Bをカッタスポーク21の後方に設置する。
【0085】
最後に、ローラカッタ30及びカッタケース55を前方へスライドさせ、カッタ開口26からローラカッタ30の一部を張り出させることにより、カッタ開口26に対する新規のローラカッタ30の設置が完了する。
【0086】
尚、カッタスポーク21にある複数のカッタ開口26に対して固有のローラカッタ30が取り付けられていることから、全てのローラカッタ30の交換を連続的に行う場合は、まず、交換用開口27に近いローラカッタ30から順に取り外しを行い、古いローラカッタ30を全て回収する。次に、交換用開口27から遠いカッタ開口26(カッタヘッド20の中央側に近いカッタ開口26)から順に、新規のローラカッタ30を設置していく。
【0087】
次に、
図16乃至
図18を参照して、スライド機構の他の例による、第1分割ケースと第2分割ケースのスライド方法について説明する。ここで、
図16は、カッタ交換装置を構成する第1分割ケースと第2分割ケースのスライド機構の他の例を示す図であって、第1スライド台及び第2スライド台と収容ケースが相互に固定された状態を示す図である。また、
図17は、
図16に続いて、第1分割ケースを後方へスライドしている状態を示す図であり、
図18は、
図17に続いて、第1分割ケースと第2分割ケースを前方へスライドしている状態を示す図である。
【0088】
図16に示すように、油圧シリンダである第2伸縮手段53が第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bを遠近自在に接続している構成は既に説明した通りである。
図16では、既に、交換対象のローラカッタ30(
図5等参照)が第1分割ケース51Aの内部に収容されている。尚、
図16等においては、第1伸縮手段52(
図5等参照)の図示は省略している。さらに、第1スライド台57Aの上面から上下に出没して、第1分割ケース51Aの下面に係合する、第1シリンダ58Aと、第2スライド台57Bの上面から上下に出没して、第2分割ケース51Bの下面に係合する、第2シリンダ58Bについても既に説明した通りである。
【0089】
図7等におけるスライド機構との変更点は、走行台56に搭載されて、第1スライド台57Aと第2スライド台57Bをそれぞれスライドさせる、第5シリンダ58Eと第6シリンダ58Fを有する点である。第5シリンダ58Eの第5ロッド58eの端部が第1スライド台57Aに固定され、第6シリンダ58Fの第6ロッド58fの端部が第2スライド台57Bに固定されている。
【0090】
図16においては、
図7と同様に、第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bの間に幅t1の隙間54がある。
【0091】
次に、
図17に示すように、第5シリンダ58Eをフリーとして第1分割ケース51Aのスライドに追随できる状態(第5ロッド58eが自由にY10方向にスライド可能な状態)とした上で、第2伸縮手段53をY8方向に作動することにより、第1分割ケース51Aを第2分割ケース51B側へY9方向にスライドさせて、第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bの間の隙間を少なくした収縮姿勢を形成する。この収縮姿勢の形成によって、第1分割ケース51Aをカッタ開口26から分離する。
【0092】
次に、
図18に示すように、第5シリンダ58Eと第6シリンダ58Fの双方を同期して作動させ、第5ロッド58eと第6ロッド58fをそれぞれY11方向とY12方向に摺動させることにより、第1分割ケース51Aと第2分割ケース51Bをそれぞれ、前方のカッタ開口26側へY13方向とY14方向にスライドさせる。このスライドにより、第2分割ケース51Bが背面開口28から分離され、走行台56が移動可能な状態とされる。
【0093】
図示するカッタ交換装置50を利用したカッタの交換方法によれば、カッタスポーク21の内部22にガイドレール31を設け、交換対象のローラカッタ30の設置位置とカッタスポーク21の背面24に設けられている交換用開口27との間にあるガイドレール31に沿ってカッタ交換装置50を移動させ、カッタ交換装置50にてローラカッタ30を交換させるとともに、交換用開口27を介して新旧のローラカッタ30を交換することにより、個々のローラカッタ30ごとに作業員が進入して交換作業を行うカッタ交換室が不要となり、大口径は勿論のこと、中・小口径の掘進機であっても、機内から重量のあるローラカッタ30の交換をスムーズに行うことが可能になる。
【0094】
上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、また、本発明はここで示した構成に何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0095】
10:掘進機本体
10A:前胴
10B:後胴
11:隔壁
12:固定翼
13:チャンバ
14:カッタヘッド駆動用油圧モータ
15:スクリュコンベア
16:シールドジャッキ
17:エレクタ装置
18:中折れジャッキ
20;カッタヘッド
21:カッタスポーク
21a,21b:端部
22:内部
23:前面
24:背面
25:撹拌翼
26:カッタ開口
27:交換用開口
28:背面開口
30:ローラカッタ(カッタ)
31:ガイドレール
33:第1開閉蓋
33a:カッタ開口
35:第2開閉蓋
36:開閉機構
40:作業ピット
41:ピット本体
42:前方ハッチ
43:後方出入り口
44:移動機構(伸縮ジャッキ)
45:洗浄機構
50:カッタ交換装置
51:収容ケース
51A:第1分割ケース
51B:第2分割ケース
51a:スリット
51b:第1凹部
51c:第2凹部
51d、51e:端部
52:第1伸縮手段(油圧シリンダ)
52a:ロッド
53:第2伸縮手段(油圧シリンダ)
53a:ロッド
54:隙間
55:カッタケース
55a:取り付け部
56:走行台
57A:第1スライド台
57a:第1出没溝
57B:第2スライド台
57b:第2出没溝
57c、57d:第3凹部
57e、57f:第4凹部
58A:第1シリンダ
58a:第1ロッド
58B:第2シリンダ
58b:第2ロッド
58C:第3シリンダ
58c:第3ロッド
58D:第4シリンダ
58d:第4ロッド
58E:第5シリンダ
58e:第5ロッド
58F:第6シリンダ
58f:第6ロッド
59a:車輪
100:掘進機
S:セグメント
P:作業員