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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009056
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】流体の無菌移送用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20240112BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20240112BHJP
   A61M 5/145 20060101ALI20240112BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61M5/28 530
A61M5/142 520
A61M5/145 504
A61M5/20 510
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192265
(22)【出願日】2023-11-10
(62)【分割の表示】P 2022089603の分割
【原出願日】2018-10-15
(31)【優先権主張番号】62/572,730
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディビット イー.ブース
(72)【発明者】
【氏名】グウェン ル ディメ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター クイン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ヴィンセント クイン
(57)【要約】
【課題】薬剤送達デバイス内の流体の無菌移送を提供する。
【解決手段】流体移送システムは、カニューレ配置と容器との間の流体の無菌移送のためのコネクタ配置を利用する流体移送システムであって、前記カニューレ配置と、前記容器と、前記カニューレ配置と前記容器との間に保持された少なくとも1つの膜であって、前記カニューレ配置と前記容器との間の流体連通を確立するために、前記少なくとも1つの膜がハウジングから引き出される、膜と、前記カニューレ配置と前記容器との間に前記少なくとも1つの膜をクランプするように構成された少なくとも1つのクリップとを備える。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カニューレ配置と容器との間の流体の無菌移送のためのコネクタ配置を利用する、薬剤送達システムのための流体移送システムであって、
ハウジングと、前記ハウジング内にスライド可能に配置されたカニューレとを備えた、前記カニューレ配置と、
前記容器と、
前記カニューレ配置と前記容器との間に保持された少なくとも1つの膜であって、薬剤送達システムの前記ハウジングを通って、前記ハウジングの外側に延びる、少なくとも1つの膜と、
前記カニューレ配置を前記容器に固定し、前記カニューレ配置と前記容器との間に少なくとも1つの膜をクランプするように構成された、少なくとも1つのクリップと、
を備え、
前記少なくとも1つの膜は、前記カニューレ配置と前記容器との間の流体連通を確立するために、前記カニューレ配置が前記容器に固定された状態で前記カニューレ配置と前記容器との間から取り外し可能であるように構成され、
前記容器と前記ハウジングは、前記少なくとも1つの膜を間にクランプして互いに分離され、少なくとも1つの膜を取り外すと、前記容器と前記ハウジングは互いに係合するように移動する、流体移送システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの膜が2つの膜を備えた、請求項1に記載の流体移送システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのクリップが2つのクリップを備えた、請求項1に記載の流体移送システム。
【請求項4】
前記カニューレ配置がその一部の周りに延びるフランジを含み、
前記容器がその一部の周りに延びるフランジを含み、
前記少なくとも1つのクリップは、前記カニューレ配置および前記容器の前記フランジを係合して、前記カニューレ配置と前記容器との間に前記少なくとも1つの膜をクランプするように構成されている、請求項1に記載の流体移送システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの膜は、フォイル、ゴム、またはポリマーのうちの1つを備えた、請求項1に記載の流体移送システム。
【請求項6】
前記容器がシリンジバレルを備えた、請求項1に記載の流体移送システム。
【請求項7】
前記カニューレ配置の近位端に設けられた継手部材および前記容器の遠位端に設けられた継手部材をさらに備え、前記継手部材は、前記少なくとも1つの膜が前記カニューレ配置と前記容器との間から取り除かれた後、互いに係合するように構成されている、請求項1に記載の流体移送システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの膜の少なくとも一部が、前記少なくとも1つのクリップを通って延びる、請求項1に記載の流体移送システム。
【請求項9】
カニューレ配置と容器との間の流体の無菌移送のためのコネクタ配置を利用する、薬剤送達システムのための流体移送システムであって、
前記カニューレ配置であって、開口端を有するハウジングと、前記ハウジング内にスライド可能に配置されたカニューレと、を備えた、前記カニューレ配置と、
前記ハウジングの開口端に取り付けられた第1の膜と、
前記容器に含まれた第2の膜と、
前記第1の膜および前記第2の膜は、薬剤送達システムの前記ハウジングを通って、前記ハウジングの外側に延び、
前記カニューレ配置および前記容器から離れた少なくとも1つのクリップであって、前記カニューレ配置を前記容器に固定し、前記カニューレ配置と前記容器との間に第1の膜および第2の膜をクランプするように構成された、少なくとも1つのクリップと、
を備え、
第1の膜と第2の膜は、前記カニューレ配置が前記容器に固定された状態で前記カニューレ配置と前記容器との間から取り外し可能に構成され、前記カニューレ配置と前記容器との間の流体連通を確立する、流体移送システム。
【請求項10】
前記容器と前記ハウジングは、前記第1の膜および前記第2の膜を間にクランプして互いに分離され、前記第1の膜および前記第2の膜を取り外すと、前記容器と前記ハウジングは互いに係合するように移動する、請求項9に記載の流体移送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月16日に出願された「流体の無菌移送用コネクタ」という発明の名称の米国仮出願第62/572、730号に対する優先権を主張し、その開示の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、薬剤送達デバイスに関し、特に、薬剤送達デバイス内の流体の無菌移送のためのコネクタ配置に関する。
【0003】
様々な種類の自動注射または薬剤送達デバイスは、薬液および他の液体治療製剤が訓練されていない人員によって投与されまたは自己注射されることを可能にするために開発されてきた。概して、これらのデバイスは、液体治療製剤で事前充填されたリザーバ、および使用者によってトリガされることが可能なある種の自動針注射機構を含む。投与される流体または薬剤の容積が概して1mLのような特定の容積未満であるとき、自動注射装置が典型的には使用され、これは典型的には約10秒から15秒の注射時間を有する。投与される流体または薬剤の容積が1mLを超えるとき、注射時間は、概して、より長くなり、結果的に、患者にとってデバイスと患者の皮膚の対象領域との間の接触を維持することが困難になる。さらに、投与されるべき薬剤の容積が大きくなるにつれて、注射のための時間の増大が望ましくなる。患者にゆっくりと注射される薬剤のための従来の方法は、IVを開始しおよび薬剤を患者の体内にゆっくりと注射することである。そのような手順は、典型的には、病院または外来診療の場で行われる。
【0004】
特定のデバイスは、家庭の場における自己注射を可能にし、および患者の皮膚内に液体治療製剤を徐々に注射することができる。いくつかの場合において、これらのデバイスは、液体治療製剤が患者に注入されている間に、それらが患者によって「着用(worn)」されるのを可能にするのに十分に小さい(高さおよび全体的サイズの両方において)。これらのデバイスは、典型的には、液体治療製剤をリザーバの中から注射針内に流れさせるためのポンプまたは他の種類の排出機構を含む。そのようなデバイスは、また、典型的には、液体治療製剤を適時に流れ始めさせるための弁または流量制御機構(flow control mechanism)、および注射を開始するためのトリガ機構を含む。
【発明の概要】
【0005】
一つの態様において、薬剤を注射するための薬剤送達システムは、空洞を画定するハウジング、空洞内に受け入れられる容器であり、クロージャを含む当該容器と共に薬剤を受け入れるように構成された容器、空洞内に受け入れられ容器のクロージャを貫通するように構成された貫通を含む弁組立品、および容器と弁組立品との間に設けられたコネクタ配置を含み、コネクタ配置は、容器のクロージャと弁組立品との間の無菌性を維持する第1の使用前位置と、容器と弁組立品の間の流体連通を可能にする第2の使用位置との間で移動可動である。
【0006】
別の態様では、コネクタ配置は、容器と弁組立品との間に保持された少なくとも1つの膜を含み得る。コネクタ配置は、容器と弁組立品との間に保持された2つの膜を含み得る。少なくとも膜は、フラッシュ紡糸高密度ポリエチレン繊維を含み得る。コネクタ配置の少なくとも一部は、ハウジングを通って外に延び得る。コネクタ配置を第1の位置から第2の位置に移動させるために、コネクタ配置はハウジングから引き出され得る。
【0007】
別の態様では、カニューレ配置と容器との間の流体の無菌移送のためのコネクタ配置を利用する流体移送システムは、カニューレ配置、容器、カニューレ配置と容器との間に保持される少なくとも1つの膜、およびカニューレ配置と容器との間に少なくとも1つの膜をクランプするように構成されている少なくとも1つのクリップを含む。
【0008】
別の態様では、少なくとも1つの膜は2つの膜を含み得る。少なくとも1つのクリップは、2つのクリップを含み得る。カニューレ配置は、その一部の周りに延びるフランジを含み得る。容器は、その一部の周りに延びるフランジを含み得る。少なくとも1つのクリップは、カニューレ配置および容器のフランジを係合するように構成され、カニューレ配置と容器との間に少なくとも1つの膜をクランプし得る。カニューレ配置は、ハウジングと、ハウジング内にスライド可能に配置されたカニューレとを含み得る。少なくとも1つの膜は、フォイル、ゴム、またはポリマーのうちの1つを含み得る。少なくとも1つの膜は、カニューレ配置と容器との間の流体連通を確立するために、ハウジングから引き出され得る。容器はシリンジバレルを含み得る。継手部材は、カニューレ配置の近位端に提供され得、継手部材は、容器の遠位端に提供され得る。継手部材は、少なくとも1つの膜がカニューレ配置と容器の間から取り外された後に互いに係合するように構成され得る。少なくとも1つの膜の少なくとも一部は、少なくとも1つのクリップを通って延び得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面と併せて本開示の実施形態の以下の説明を参照することによって、本開示の上記および他の特徴および利点ならびにそれらを達成する方法はより明らかになり、および開示自体はよりよく理解されるであろう。
【0010】
図1】本発明の1つの態様による薬剤送達システムの斜視図である。
図2】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの斜視断面図である。
図3】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図である。
図4】取り外されたハウジングの上部および使用前位置(pre-use position)にある薬剤送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬剤送達システムの上面図である。
図5】使用前位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面断面図である。
図6】使用前位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図である。
図7】取り外されたハウジングの上部および初期作動位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬剤送達システムの上面図である。
図8】初期作動位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面断面図である。
図9】初期作動位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図である。
図10】取り外されたハウジングの上部および使用位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬剤送達システムの上面図である。
図11】使用位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面断面図である。
図12】使用位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図である。
図13】取り外されたハウジングの上部および使用後位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬剤送達システムの上面図である。
図14】使用後位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの上面断面図である。
図15】使用後位置にある薬剤送達システムを示す、本発明の一態様による図1の薬剤送達システムの正面断面図である。
図16】本発明の一態様による図1の薬剤送達システムにおける流体の無菌移送のためのコネクタの側面図である。
図17A】本発明の別の態様による、図1の薬剤送達システムにおける流体の無菌移送のためのコネクタの側面図であり、コネクタは、非アクティブ状態で示されている。
図17B】アクティブ状態で示される、図17Aのコネクタの側面図である。
図18】本発明の別の態様による図1の薬剤送達システムにおける流体の無菌移送のためのコネクタの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記載は、本発明を実施するために考えられる説明された実施形態を当業者が製造しおよび使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、および代替物は、依然として、当業者に容易に明らかになるであろう。任意のおよび全てのそのような修正、変形、等価物、および代替物は、本発明の精神および範囲の中に入ることが意図される。
【0012】
以下、説明の目的のために、用語「上部の(upper)」、「下部の(lower)」、「右の(right)」、「左の(left)」、「垂直の(vertical)」、(水平の(horizontal)」、「上の(top)」、「下の(bottom)」、「横の(lateral)」、「縦の(longitudinal)」、およびそれらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、様々な代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付図面に示されおよび以下の明細書に記載される特定のデバイスは、単に、本発明の例示的な実施形態であることも理解されよう。それ故、本明細書に開示される実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的な特徴は、制限的であると見なされない。
【0013】
図1から図15を参照して、本開示の1つの態様による薬剤送達システム10は、駆動組立品12、容器14、弁組立品16、および針アクチュエータ組立品18を含む。駆動組立品12、容器14、弁組立品16、および針アクチュエータ組立品18は、ハウジング20によって画定される空洞内部に少なくとも部分的に位置付けられる。ハウジング20は上部22および下部24を含むが、ハウジング20のための他の適当な配置が利用され得る。1つの態様において、薬剤送達システム10は、使用者に着用されまたは固定されおよび使用者内に注射を介して容器14内部に供給される薬剤の所定の投与量を送達するように構成される注射器デバイスである。システム10は、薬剤が設定時間内に送達される「ボーラス注入(bolus injection)」を送達するために利用され得る。薬剤は、45分の時間にわたって送達され得るが、他の適当な注射の量および期間が利用され得る。ボーラス投与または送達は、律速(rate controlling)と共に実行されることができ、または特定の律速を有さなくてもよい。システム10は、速度を可変として固定圧力(fixed pressure)で使用者に薬剤を送達し得る。システム10の概括的な操作(general operation)は、図1から図15に関連して下述される。
【0014】
図1から図15を再度参照して、システム10は、使用者による作動ボタン26の係合を通して機能(operate)するように構成され、これにより、針アセンブリ18の針28が使用者の皮膚を突き刺し、駆動アセンブリ12の作動により、針28が容器14と流体連通し、および容器14から流体または薬剤を放出し、 および薬剤の注射後の針28の引き抜きは完了される。薬剤送達システムの概括的な操作は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2013/155153号および国際公開第2014/179774号に示されおよび記載されている。システム10のハウジング20は、システム10の状態に関して使用者に表示を提供するように構成される表示器配置(indicator arrangement)32を見るための表示器窓(indicator window)30と、容器14を見るための容器窓31とを含む。表示器窓30は、表示器配置32の鮮明なビューを提供するための拡大レンズであり得る。表示器配置32は、システム10の使用前状態、使用状態、および使用後状態を示すために、システム10の使用の間、針アクチュエータ組立品18に沿って移動する。表示器配置32は、状態に関する視覚的表示(visual indicia)を提供するが、聴覚的または触覚的のような他の適当な表示が、代替的または付加的な表示として設けられ得る。
【0015】
図4から図6を参照して、システム10の使用前位置の間、容器14は、駆動組立品12および弁組立品16から間隔が空けられており、および針28は、格納位置(retracted position)にある。システム10の初期作動の間、図7から図9に示されるように、駆動組立品12は、容器14と係合し弁組立品16に向かって容器14を移動させ、弁組立品16は、容器14のクロージャ36を貫通し、および容器14の内部の薬剤を、管(tube)(不図示)または他の適当な配置を介して針28と流体連通の状態にするように構成される。駆動組立品12は、容器14のストッパ34と係合するように構成され、ストッパ34は、当初、容器14内の流体または薬剤の非圧縮性によって、容器14全体を弁組立品16と係合するように移動させることとなる。システム10の初期作動は、使用者による作動ボタン26の係合によって引き起こされ、使用者による作動ボタン26の係合は、以下により詳細に記載されるように針アクチュエータ組立品18および駆動組立品12を解放する。初期作動の間、針28は、依然として格納位置にあり、およびシステム10の使用者に注射するための伸展位置(extended position)に今にも移動しようとしている。
【0016】
システム10の使用位置の間、図10から図12に示されるように、容器14から針28を通しておよび使用者に薬剤を送達するために駆動組立品12が容器14内部でストッパ34を移動させると共に、針28は、伸展位置にあり少なくとも部分的にハウジング20の外側にある。使用位置において、弁組立品16は、容器14を針28との流体連通状態に置くように、容器14のクロージャ36を既に貫通して、容器14を針28との流体連通状態にしており、これはまた、流体は容器14から分注されることができるので、駆動組立品12が容器14に対してストッパ34を移動させることを可能にする。図13から図15に示されるシステム10の使用後位置において、針28は、格納位置にあり、ならびに針28を密封しおよび容器14からの流体または薬剤の何らかの残留流を防止するようにパッド38と係合している。容器14および弁組立品16は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2015/081337号に示されおよび記載される容器14および弁組立品16であり得る。
【0017】
図16から17Bを参照すると、一態様では、コネクタ配置50は、2つの嵌合する構成要素間に提供され、流体移送の間、2つの構成要素間の無菌接続を提供する。一態様では、コネクタ配置50は、シリンジバレルまたは容器52とカニューレ配置54との間に提供される。カニューレ配置54は、フランジ58と共にハウジング56によって囲まれたカニューレ53を含む。容器52は、対応するフランジ60も含む。容器52およびハウジング56はそれぞれ、容器52およびハウジング56の嵌合部分の無菌シールを提供するために膜62、64を含む。膜62、64は、フォイル、ゴム、またはポリマーなどの任意の適切な材料で作られおり、容器52、カニューレ53、およびハウジング56の無菌性を維持する一方で、膜62、64が取り除かれることを可能にする。
【0018】
再び図16から17Bを参照すると、コネクタ配置50の組立て中に、クリップ66または他の同様のタイプのコネクタが、膜62、64が互いに接触するように、容器52およびハウジング56のそれぞれのフランジ58、60と係合するように取り付けられる。一態様では、フランジ58、60を互いにクランプするために単一のクリップ66が提供される。別の態様では、フランジ58、60を互いにクランプするために、2つのクリップ66が提供される。膜62、64は、コネクタ配置50が組み立てられた時点で、クリップ66の1つを通って延びていてもよい。カニューレ配置54を使用する前に、膜62、64は、コネクタ配置50から取り外されて、容器52とカニューレ53との間の流体連通を可能にする。膜62、64は、コネクタ配置50から引き離され得、容器52およびハウジング56が互いに係合するように動くことを可能にすることができる。一態様では、容器52の遠位端およびハウジング56の近位端は、容器52とハウジング56との間の係合を容易にするために継手(joint)68、70を含み得る。継手68、70は、容器52の遠位端をハウジング56の近位端に接続する任意のタイプの係合およびロック機構であり得る。
【0019】
図18を参照すると、図1~15に示されている薬剤送達システム10と共に使用されているコネクタ配置50が示されている。コネクタ配置50は、容器14と弁組立品16との間に設けられている。特に、膜62、64は、容器14の遠位端と弁組立品16の弁部材72の近位端との間に保持される。この態様では、膜62、64は、システム10のハウジング20を通って外に延びるプルタブを形成する。弁組立品16は、容器14のクロージャ36に保持された隔壁74を貫通するように構成されている。システム10の薬剤送達プロセスの間、容器14は、弁部材72に押し付けられて、弁部材72に収容された貫通部材76を露出させる。貫通部材76は、容器14の隔壁74を貫通して、容器14と弁組立品16との間の流体連通を確立する。しかし、システム10を使用する前に、膜62、64はシステム10の使用前に構成要素の無菌性を維持するために、容器14と弁組立品16との間に配置されている。膜62、64の一部は、システム10のハウジング20から延び得、使用者が膜62、64を把持できるようにする。システム10の使用前に、膜62、64は、ハウジング20から引っ張られて、システム10の薬剤送達プロセス中に、容器14および弁組立品16が互いに向かって動くことを可能にする。この態様では、膜62、64は、フラッシュ紡糸高密度ポリエチレン繊維でできており、膜62、64を破壊または引き裂くことなく膜62、64を引っ張ることを可能にする。しかし、他の適切な材料も膜62、64のために使用され得ることが企図される。
【0020】
1つの開示された態様の要素は、異なる組み合わせを形成するように1つまたは複数の他の開示された態様の要素と組み合わせられることができ、その全ては本発明の範囲内であるとみなされる。
【0021】
本開示は例示的な設計を有するように記載されてきたが、本開示は、本開示の精神および範囲の中でさらに修正されることができる。本出願は、したがって、その一般原則を用いる開示の任意の変形、使用、または翻案(adaptation)を包含するように意図される。さらに、本出願は、本開示の属するおよび添付される特許請求の範囲内に入る技術分野における慣行または慣例の中に入るような本開示からの逸脱を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18