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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090624
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】処理液供給装置および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
H01L21/304 648K
H01L21/304 643A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206623
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】温井 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB45
5F157AB49
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157CE10
5F157CF04
5F157CF16
5F157CF34
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF70
5F157CF74
5F157CF99
5F157DC51
(57)【要約】
【課題】タンクおよびポンプの設置面積が広くなることを抑制しながら、ポンプ内に気泡が溜まることを抑制することが可能な処理液供給装置および基板処理装置を提供する。
【解決手段】処理液供給装置200は、タンク210と、ポンプ220と、第1接続配管410とを備える。タンク210は、基板Wを処理する処理液を収容する。ポンプ220は、タンク210の真下に配置される。第1接続配管410は、上下方向に延びるとともに、タンク210の流出口214とポンプ220の流入口222とを接続する。第1接続配管410は、タンク210からポンプ220に処理液を流通させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理液を収容するタンクと、
前記タンクの真下に配置されるポンプと、
上下方向に延びるとともに、前記タンクの流出口と前記ポンプの流入口とを接続し、前記タンクから前記ポンプに前記処理液を流通させる第1接続配管と
を備える、処理液供給装置。
【請求項2】
液供給源からの処理液を前記タンクに流通する第1流通配管と、
前記第1流通配管の端部に配置され、前記処理液を前記タンクに吐出するノズルと
を備え、
前記ノズルは、前記処理液を吐出する複数の孔を有し、
前記複数の孔は、
前記タンク内の前記処理液の液中に配置され、
前記第1流通配管の内部を通過する前記処理液の流通方向に対して交差する方向に開口する、請求項1に記載の処理液供給装置。
【請求項3】
前記ノズルを複数備え、
前記タンクは、長手方向および短手方向を有する形状に形成されており、
前記複数のノズルは、前記タンクの長手方向の中央部に対して略対称に配置される、請求項2に記載の処理液供給装置。
【請求項4】
前記第1流通配管に配置され、前記処理液を濾過する第1フィルタと、
前記第1フィルタに接続され、前記第1フィルタ内の気泡を前記第1フィルタの外部に排出する第1気泡抜き配管と
を備え、
前記第1流通配管は、前記タンク内の前記処理液の液面よりも上方に配置され、前記第1流通配管内と前記タンク内とを流通する流通孔を有する、請求項2に記載の処理液供給装置。
【請求項5】
液供給源からの処理液を前記タンクに流通する第1流通配管と、
前記第1流通配管に配置され、前記第1流通配管を通過する処理液を加熱するヒータと
を備える、請求項1に記載の処理液供給装置。
【請求項6】
前記処理液を収容する廃液タンクと、
前記タンクと前記廃液タンクとを接続し、前記タンク内の処理液を前記廃液タンクに排液する第1排液配管と、
液供給源からの処理液を前記タンクに流通し、ヒータが配置されない第2流通配管と
を備える、請求項5に記載の処理液供給装置。
【請求項7】
前記タンク内の処理液の温度を測定する温度センサと、
前記タンクから前記廃液タンクへ前記処理液を排液する排液動作、および、前記液供給源から前記タンクへ前記第2流通配管を介して前記処理液を供給する供給動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記タンク内の温度が所定値よりも高い場合、前記排液動作の実行後に、前記供給動作を実行する、請求項6に記載の処理液供給装置。
【請求項8】
前記ポンプは、インペラを有し、
前記処理液供給装置は、前記ポンプに接続され、前記ポンプ内の気泡を前記ポンプの外部に排出する第2気泡抜き配管を備え、
前記第2気泡抜き配管は、導電性を有し、
前記ポンプは、前記第2気泡抜き配管を介して接地される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の処理液供給装置。
【請求項9】
前記ポンプに接続され、前記ポンプ内の処理液を前記ポンプの外部に流通する第3流通配管と、
前記第3流通配管に接続され、前記処理液を濾過する第2フィルタと、
前記処理液を収容する廃液タンクと、
前記第3流通配管のうち前記第2フィルタよりも上流側の部分と前記廃液タンクとを接続し、前記第3流通配管内の処理液を前記廃液タンクに排液する第2排液配管と、
前記第2フィルタと前記タンクとを接続する第2接続配管と
を備え、
前記第2接続配管は、前記タンク内の前記処理液の液面よりも上方の空間に繋がっている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の処理液供給装置。
【請求項10】
前記第2排液配管から分岐し、前記廃液タンクに接続される分岐配管と、
前記分岐配管に配置され、前記第2排液配管内の処理液を吸引し前記廃液タンクに排出する吸引装置と
を備える、請求項9に記載の処理液供給装置。
【請求項11】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の処理液供給装置と、
前記処理液供給装置から前記処理液が供給され、前記処理液により基板を処理する基板処理ユニットと
を備える、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理液供給装置および基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の製造に好適に用いられる。基板処理装置は、薬液等の処理液を用いて基板を処理する。このような基板処理装置として、基板に薬液を供給した後、基板に純水等のリンス液を供給する基板処理装置が知られている。例えば特許文献1には、基板を洗浄する洗浄装置と、洗浄装置に純水を供給する純水加熱装置とが記載されている。純水加熱装置は、純水を収容するタンクと、タンク内の純水を洗浄装置に供給するポンプとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-119756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、タンクとポンプとを備える装置では、タンクの横にポンプが配置されることがある。この場合、タンクおよびポンプを設置するための面積(フットプリントともいう)が広くなってしまう。また、タンクとポンプとを横並びに配置する場合において、ポンプ内で気泡が発生した場合、気泡をポンプからタンクに排出することが困難である。よって、ポンプ内に気泡が溜まる場合がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンクおよびポンプの設置面積が広くなることを抑制しながら、ポンプ内に気泡が溜まることを抑制することが可能な処理液供給装置および基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、処理液供給装置は、タンクと、ポンプと、第1接続配管とを備える。前記タンクは、基板を処理する処理液を収容する。前記ポンプは、前記タンクの真下に配置される。前記第1接続配管は、上下方向に延びるとともに、前記タンクの流出口と前記ポンプの流入口とを接続する。前記第1接続配管は、前記タンクから前記ポンプに前記処理液を流通させる。
【0007】
ある実施形態では、前記処理液供給装置は、第1流通配管と、ノズルとを備える。前記第1流通配管は、液供給源からの処理液を前記タンクに流通する。前記ノズルは、前記第1流通配管の端部に配置され、前記処理液を前記タンクに吐出する。前記ノズルは、前記処理液を吐出する複数の孔を有する。前記複数の孔は、前記タンク内の前記処理液の液中に配置される。前記複数の孔は、前記第1流通配管の内部を通過する前記処理液の流通方向に対して交差する方向に開口する。
【0008】
ある実施形態では、前記処理液供給装置は、前記ノズルを複数備える。前記タンクは、長手方向および短手方向を有する形状に形成されている。前記複数のノズルは、前記タンクの長手方向の中央部に対して略対称に配置される。
【0009】
ある実施形態では、前記処理液供給装置は、第1フィルタと、第1気泡抜き配管とを備える。前記第1フィルタは、前記第1流通配管に配置され、前記処理液を濾過する。前記第1気泡抜き配管は、前記第1フィルタに接続され、前記第1フィルタ内の気泡を前記第1フィルタの外部に排出する。前記第1流通配管は、前記タンク内の前記処理液の液面よりも上方に配置される流通孔を有する。前記流通孔は、前記第1流通配管内と前記タンク内とを流通する。
【0010】
ある実施形態では、前記処理液供給装置は、第1流通配管と、ヒータとを備える。前記第1流通配管は、液供給源からの処理液を前記タンクに流通する。前記ヒータは、前記第1流通配管に配置され、前記第1流通配管を通過する処理液を加熱する。
【0011】
ある実施形態では、前記処理液供給装置は、廃液タンクと、第1排液配管と、第2流通配管とを備える。前記廃液タンクは、前記処理液を収容する。前記第1排液配管は、前記タンクと前記廃液タンクとを接続し、前記タンク内の処理液を前記廃液タンクに排液する。前記第2流通配管は、液供給源からの処理液を前記タンクに流通する。前記第2流通配管には、ヒータが配置されない。
【0012】
ある実施形態では、前記処理液供給装置は、温度センサと、制御部とを備える。前記温度センサは、前記タンク内の処理液の温度を測定する。前記制御部は、前記タンクから前記廃液タンクへ前記処理液を排液する排液動作、および、前記液供給源から前記タンクへ前記第2流通配管を介して前記処理液を供給する供給動作を制御する。前記制御部は、前記タンク内の温度が所定値よりも高い場合、前記排液動作の実行後に、前記供給動作を実行する。
【0013】
ある実施形態では、前記ポンプは、インペラを有する。前記処理液供給装置は、第2気泡抜き配管を備える。前記第2気泡抜き配管は、前記ポンプに接続され、前記ポンプ内の気泡を前記ポンプの外部に排出する。前記第2気泡抜き配管は、導電性を有する。前記ポンプは、前記第2気泡抜き配管を介して接地される。
【0014】
ある実施形態では、前記処理液供給装置は、第3流通配管と、第2フィルタと、廃液タンクと、第2排液配管と、第2接続配管とを備える。前記第3流通配管は、前記ポンプに接続され、前記ポンプ内の処理液を前記ポンプの外部に流通する。前記第2フィルタは、前記第3流通配管に接続され、前記処理液を濾過する。前記廃液タンクは、前記処理液を収容する。前記第2排液配管は、前記第3流通配管のうち前記第2フィルタよりも上流側の部分と前記廃液タンクとを接続する。前記第2排液配管は、前記第3流通配管内の処理液を前記廃液タンクに排液する。前記第2接続配管は、前記第2フィルタと前記タンクとを接続する。前記第2接続配管は、前記タンク内の前記処理液の液面よりも上方の空間に繋がっている。
【0015】
ある実施形態では、前記処理液供給装置は、分岐配管と、吸引装置とを備える。前記分岐配管は、前記第2排液配管から分岐し、前記廃液タンクに接続される。前記吸引装置は、前記分岐配管に配置される。前記吸引装置は、前記第2排液配管内の処理液を吸引し前記廃液タンクに排出する。
【0016】
本発明の別の局面によれば、基板処理装置は、上記の処理液供給装置と、基板処理ユニットとを備える。前記基板処理ユニットは、前記処理液供給装置から前記処理液が供給され、前記処理液により基板を処理する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、タンクおよびポンプの設置面積が広くなることを抑制しながら、ポンプ内に気泡が溜まることを抑制することが可能な処理液供給装置および基板処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態の基板処理装置の模式的な平面図である。
図2】第1実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
図3】第1実施形態による処理液供給装置のタンクおよびポンプ周辺の構造を概略的に示す斜視図である。
図4】第1実施形態による処理液供給装置のタンクおよびポンプ周辺の構造を概略的に示す平面図である。
図5】第2実施形態による処理液供給装置の構造を概略的に示す斜視図である。
図6】処理液供給装置のタンク周辺の構造を概略的に示す断面斜視図である。
図7】処理液供給装置のタンク周辺の構造を概略的に示す断面図である。
図8】処理液供給装置のポンプ周辺の構造を概略的に示す斜視図である。
図9】処理液供給装置の第2ヒータおよび第2フィルタ周辺の構造を概略的に示す斜視図である。
図10】処理液供給装置の処理液の流れを概略的に示す図である。
図11】処理液供給装置の第2排液配管周辺の構造を概略的に示す斜視図である。
図12】第2実施形態の処理液供給装置のブロック図である。
図13】タンク内の処理液の温度を低下させる方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。本実施形態では、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0020】
(第1実施形態)
図1図4を参照して、本発明の第1実施形態による処理液供給装置200を備えた基板処理装置100について説明する。図1は、第1実施形態の基板処理装置100の模式的な平面図である。
【0021】
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去、および、洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0022】
基板Wは、半導体基板として用いられる。基板Wは、半導体ウエハを含む。例えば、基板Wは略円板状である。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する。
【0023】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10と、処理液キャビネット110と、処理液ボックス120と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。
【0024】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理ユニット10との間で基板Wを搬送する。基板処理ユニット10の各々は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。処理液は、例えば、薬液、リンス液、除去液および/または撥水剤を含む。処理液キャビネット110は、処理液を収容する。なお、処理液キャビネット110は、ガスを収容してもよい。
【0025】
具体的には、複数の基板処理ユニット10は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(図1では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理ユニット10(図1では3つの基板処理ユニット10)を含む。処理液ボックス120は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。処理液キャビネット110内の液体は、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。また、処理液キャビネット110内のガスは、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。
【0026】
典型的には、処理液キャビネット110は、処理液を調製するための調製槽(タンク)を有する。処理液キャビネット110は、1種類の処理液のための調製槽を有してもよく、複数種類の処理液のための調製槽を有してもよい。また、処理液キャビネット110は、処理液を流通するためのポンプ、ノズルおよび/またはフィルタを有する。
【0027】
制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101により、基板処理ユニット10は基板Wを処理する。
【0028】
制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、プロセッサを有する。制御部102は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
【0029】
記憶部104は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0030】
記憶部104は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部104はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0031】
次に、図2を参照して、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10を説明する。図2は、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。
【0032】
図2に示すように、基板処理ユニット10は、チャンバー11と、送風ユニット12と、基板保持部20と、薬液供給部30と、リンス液供給部40と、過水供給部50とを備える。
【0033】
チャンバー11は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー11は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー11には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー11内に収容され、チャンバー11内で処理される。チャンバー11には、基板保持部20、薬液供給部30、リンス液供給部40および過水供給部50のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
【0034】
送風ユニット12は、チャンバー11の上部または上方に配置される。例えば、送風ユニット12は、チャンバー11の天面に配置される。送風ユニット12は、チャンバー11内に空気を送る。送風ユニット12は、例えば、ファン・フィルタ・ユニット(FFU)を含む。送風ユニット12および排気装置(図示しない)により、チャンバー11内にダウンフロー(下降流)が形成される。
【0035】
基板保持部20は、基板Wを保持する。基板保持部20は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの下面(裏面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。例えば、基板Wの上面Waには、リセスの形成された積層構造が設けられている。基板保持部20は、基板Wを保持したまま基板Wを回転させる。
【0036】
例えば、基板保持部20は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部20は、基板Wを下面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部20は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部20は、非デバイス形成面である基板Wの下面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部20は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
【0037】
例えば、基板保持部20は、スピンベース21と、チャック部材22と、シャフト23と、スピンモーター24と、ハウジング25とを含む。チャック部材22は、スピンベース21に設けられる。チャック部材22は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース21には、複数のチャック部材22が設けられる。
【0038】
シャフト23は、回転軸AXに沿って鉛直方向に延びている。シャフト23の上端には、スピンベース21が結合されている。基板Wは、スピンベース21の上方に載置される。
【0039】
スピンベース21は、円板状である。チャック部材22は、基板Wを水平に支持する。シャフト23は、スピンベース21の中央部から下方に延びる。スピンモーター24は、シャフト23に回転力を与える。スピンモーター24は、シャフト23を回転方向に回転させることにより、回転軸AXを中心に基板Wおよびスピンベース21を回転させる。ハウジング25は、シャフト23およびスピンモーター24を収容する。
【0040】
薬液供給部30は、基板Wに薬液を供給する。典型的には、薬液供給部30は、基板Wの上面Waに薬液を供給する。薬液供給部30の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0041】
薬液は、特に限定されるものではないが、例えば、SPM(硫酸過酸化水素水混合液)またはオゾン水を含む。SPMは、硫酸と過酸化水素水とが混合された硫酸過酸化水素水混合液である。第1実施形態では、薬液は、SPMである。なお、薬液は、例えば、SC1(アンモニア水と過酸化水素水と水との混合液)であってもよいし、有機溶剤であってもよい。
【0042】
薬液供給部30は、配管32と、バルブ34と、ノズル36とを含む。ノズル36は、基板Wの上面Waに薬液を吐出する。ノズル36は、配管32に接続される。配管32には、供給源から薬液が供給される。なお、配管32は、硫酸と過酸化水素水との混合液(SPM)が貯留されたタンクに接続されていてもよい。または、配管32は、硫酸と過酸化水素水とを流路の途中で合流させてノズル36に供給するように構成されていてもよい。
【0043】
バルブ34は、配管32内の流路を開閉する。バルブ34は、配管32の開度を調節して、配管32に供給される薬液の流量を調整する。具体的には、バルブ34は、例えば、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0044】
ノズル36は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。薬液供給部30は、ノズル移動部38をさらに有してもよい。ノズル移動部38は、ノズル36を昇降してもよく、ノズル36を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部38は、ノズル36を昇降させる。例えば、ノズル移動部38は、ボールねじ機構と、ボールねじ機構に駆動力を与える電動モーターとを含む。また、ノズル移動部38は、ノズル36を水平回動させる。例えば、ノズル移動部38は、電動モーターを含む。
【0045】
第1実施形態では、薬液がノズル36から基板Wに供給される間、ノズル移動部38は、ノズル36を水平方向に往復させる。具体的には、ノズル移動部38は、基板Wに対する薬液の衝突位置が基板Wの中央部と縁部との間で往復するように、ノズル36を移動させる。これにより、基板Wに対する薬液の衝突位置が移動する。なお、薬液がノズル36から基板Wに供給される間、ノズル36は固定されていてもよい。
【0046】
リンス液供給部40は、基板Wにリンス液を供給する。典型的には、リンス液供給部40は、基板Wの上面Waにリンス液を供給する。リンス液供給部40の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0047】
例えば、リンス液として、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)が挙げられる。第1実施形態では、リンス液は、脱イオン水(DIW)である。
【0048】
リンス液供給部40は、配管42と、バルブ44と、ノズル46とを含む。ノズル46は、基板Wの上面Waにリンス液を吐出する。ノズル46は、配管42に接続される。配管42には、供給源からリンス液が供給される。
【0049】
バルブ44は、配管42内の流路を開閉する。バルブ44は、配管42の開度を調節して、配管42に供給されるリンス液の流量を調整する。具体的には、バルブ44は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0050】
ノズル46は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。リンス液供給部40は、ノズル移動部48をさらに有してもよい。ノズル移動部48は、ノズル46を昇降してもよく、ノズル46を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部48は、例えば、ノズル移動部38と同様に構成される。
【0051】
第1実施形態では、リンス液がノズル46から基板Wに供給される間、ノズル移動部48は、ノズル46を水平方向に往復させる。具体的には、ノズル移動部48は、基板Wに対するリンス液の衝突位置が基板Wの中央部と縁部との間で往復するように、ノズル46を移動させる。これにより、基板Wに対するリンス液の衝突位置が移動する。なお、リンス液がノズル46から基板Wに供給される間、ノズル46は固定されていてもよい。
【0052】
過水供給部50は、基板Wに過酸化水素水を供給する。典型的には、過水供給部50は、基板Wの上面Waに過酸化水素水を供給する。過水供給部50の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0053】
過水供給部50は、配管52と、バルブ54と、ノズル56とを有する。ノズル56は、基板Wの上面Waに過酸化水素水を吐出する。ノズル56は、配管52に接続される。配管52には、供給源から過酸化水素水が供給される。バルブ54は、配管52内の流路を開閉する。バルブ54は、配管52の開度を調節して、配管52に供給される過酸化水素水の流量を調整する。具体的には、バルブ54は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0054】
ノズル56は、基板Wに対して移動可能に構成されてもよい。過水供給部50は、ノズル移動部58をさらに有してもよい。ノズル移動部58は、ノズル56を昇降してもよく、ノズル56を回動軸線の周りに水平回動させてもよい。ノズル移動部58は、例えば、ノズル移動部38と同様に構成される。
【0055】
基板処理ユニット10は、カップ90をさらに備える。カップ90は、基板Wから飛散した処理液を回収する。カップ90は昇降する。例えば、カップ90は、薬液供給部30、リンス液供給部40および/または過水供給部50が基板Wに薬液、リンス液および/または過酸化水素水を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ90は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する薬液、リンス液および/または過酸化水素水を回収する。また、カップ90は、薬液供給部30、リンス液供給部40および/または過水供給部50が基板Wに薬液、リンス液および/または過酸化水素水を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
【0056】
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、送風ユニット12、基板保持部20、薬液供給部30、リンス液供給部40、過水供給部50および/またはカップ90を制御する。一例では、制御部102は、送風ユニット12、スピンモーター24、バルブ34、44、54、ノズル移動部38、48、58および/またはカップ90を制御する。
【0057】
第1実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
【0058】
次に、図3および図4を参照して、第1実施形態による処理液供給装置200について説明する。図3は、第1実施形態による処理液供給装置200のタンク210およびポンプ220周辺の構造を概略的に示す斜視図である。図4は、第1実施形態による処理液供給装置200のタンク210およびポンプ220周辺の構造を概略的に示す平面図である。
【0059】
図3に示すように、基板処理装置100は、処理液供給装置200を備える。処理液供給装置200は、処理液キャビネット110に配置される。処理液供給装置200は、基板処理ユニット10に処理液を供給する。なお、第1実施形態では、処理液供給装置200は、処理液としてリンス液を基板処理ユニット10に供給する。具体的には、処理液供給装置200は、リンス液供給部40にリンス液としてDIWを供給する。
【0060】
処理液供給装置200は、タンク210と、ポンプ220と、第1接続配管410とを備える。タンク210は、基板Wを処理する処理液を収容する。ポンプ220は、タンク210の真下に配置される。言い換えると、図4に示すように、ポンプ220とタンク210とは、平面視で重なっている。なお、第1実施形態では、ポンプ220全体がタンク210の真下に配置されているが、ポンプ220の一部のみがタンク210の真下に配置されてもよい。言い換えると、ポンプ220の一部とタンク210の一部とが、平面視で重なっていてもよい。
【0061】
タンク210の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、直方体形状である。図3に示すように、タンク210は、底面211と、4つの側面212と、上面213とを有する。また、タンク210は、処理液を排出する流出口214を有する。流出口214は、タンク210の下部に配置される。流出口214は、例えば、タンク210の底面211に配置される。なお、流出口214は、例えば、タンク210の側面212のうち底面211の近傍に配置されてもよい。
【0062】
ポンプ220は、処理液が通過する流路を形成するケーシング221を有する。また、ポンプ220は、処理液を流入させる流入口222を有する。流入口222は、例えば、ポンプ220の上面に配置される。言い換えると、ポンプ220は、流入口222が上方を向くように配置される。なお、流入口222は、例えば、ポンプ220の側面に配置されてもよい。言い換えると、ポンプ220は、流入口222が側方を向くように配置されてもよい。
【0063】
また、ポンプ220は、長手方向(方向Z)および短手方向(方向X、方向Y)を有する形状に形成されている。第1実施形態では、ポンプ220は、長手方向が略鉛直方向に延びるように配置される。
【0064】
第1接続配管410は、上下方向に延びるとともに、タンク210の流出口214とポンプ220の流入口222とを接続する。第1接続配管410は、タンク210からポンプ220に処理液を流通させる。第1実施形態では、第1接続配管410は、鉛直方向に延びる部分のみからなる。つまり、第1接続配管410は、一直線状に形成されている。
【0065】
なお、第1接続配管410は、例えば、上下方向に延びるのであれば、鉛直方向に延びていなくてもよい。例えば、第1接続配管410は、鉛直方向に対して傾斜する方向に延びてもよい。また、例えば、第1接続配管410は、鉛直方向に延びる部分と、鉛直方向に対して傾斜する方向に延びる部分と、水平方向に延びる部分とのうち、少なくとも2つ以上を有してもよい。ただし、第1接続配管410は、上流側(タンク210側)から下流側(ポンプ220側)に向かって、上方に向かう部分を有しないことが好ましい。言い換えると、第1接続配管410は、第1接続配管410の中心線(図示せず)が上流側から下流側に向かって、上方を向くことがないように、構成されていることが好ましい。なお、第1実施形態において、上流側および下流側とは、処理液等の流体の流通方向における上流側および下流側を意味する。
【0066】
また、処理液供給装置200は、流通配管420を備える。なお、流通配管420は、本発明の「第3流通配管」の一例である。流通配管420は、ポンプ220に接続され、ポンプ220内の処理液を流通する。第1実施形態では、流通配管420は、リンス液供給部40に処理液を供給する。流通配管420は、ポンプ220とリンス液供給部40とを接続する。
【0067】
第1実施形態では、ポンプ220は、インペラ(図示せず)を有するインペラポンプである。インペラは、回転することによって流体(ここでは処理液)を移動させる羽根車である。ポンプ220の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、レビトロポンプである。レビトロポンプは、磁気浮上ポンプとも呼ばれる。レビトロポンプは、インペラを回転させるための回転軸を有しない。レビトロポンプでは、インペラが、ケーシング内において非接触で浮上し、モーターの回転磁界によって回転する。ポンプ220は、インペラが回転することによって、回転軸方向(ここでは、上下方向)に処理液を吸い込み、径方向(ここでは、水平方向)に処理液を排出する。
【0068】
以上、図1図4を参照して説明したように、第1実施形態では、処理液供給装置200は、タンク210と、ポンプ220と、第1接続配管410とを備え、ポンプ220は、タンク210の真下に配置される。従って、タンク210およびポンプ220を設置するための面積が広くなることを抑制できる。このため、処理液供給装置200の面積が大きくなることを抑制できる。
【0069】
また、第1接続配管410は、上下方向に延びるとともに、タンク210の流出口214とポンプ220の流入口222とを接続する。従って、ポンプ220内で気泡が発生した場合であっても、ポンプ220内の気泡は、浮力によって、第1接続配管410を介してタンク210に移動する。つまり、ポンプ220内で発生した気泡を、気泡に作用する浮力によって、ポンプ220の外部に排出できる。
【0070】
また、ポンプ220は、長手方向が略鉛直方向に延びるように配置される。従って、長手方向が略水平方向に延びるようにポンプ220を配置する場合に比べて、ポンプ220を設置するための面積が広くなることを抑制できる。
【0071】
(第2実施形態)
次に、図5図13を参照して、第2実施形態による処理液供給装置200について説明する。図5は、第2実施形態による処理液供給装置200の構造を概略的に示す斜視図である。
【0072】
図5に示すように、処理液供給装置200は、上記第1実施形態で示したタンク210、ポンプ220、第1接続配管410および流通配管420に加え、第1フィルタ230、第1ヒータ240、第2ヒータ250と、第2フィルタ260と、第1流通配管430とを備える。なお、第1ヒータ240は、本発明の「ヒータ」の一例である。また、上述したように、流通配管420は、本発明の「第3流通配管」の一例である。以下、理解を容易にするために、流通配管420を第3流通配管420と記載することがある。第1流通配管430は、液供給源からの処理液(ここでは、リンス液)をタンク210に流通する。第3流通配管420は、ポンプ220からの処理液を基板処理ユニット10に流通する。以下、詳細に説明する。
【0073】
まず、第1流通配管430周辺の構造について簡単に説明する。第1流通配管430は、液供給源から第1フィルタ230および第1ヒータ240を通過してタンク210に接続される。言い換えると、第1フィルタ230および第1ヒータ240は、第1流通配管430に配置される。
【0074】
第1流通配管430は、液供給源に接続される部分430aと、第1フィルタ230を通過する部分430bとを有する。部分430aは、処理液供給装置200の支持板201に沿って配置される。支持板201は、処理液供給装置200の図示しないフレームに取り付けられる。部分430bは、部分430aの下流側に配置される。部分430bは、略環状に形成される。
【0075】
第1フィルタ230は、処理液を濾過する。第1フィルタ230の数は、特に限定されるものではないが、例えば、2つである。以下、2つの第1フィルタ230を、それぞれ第1フィルタ230aおよび第1フィルタ230bと記載することがある。第1フィルタ230aおよび第1フィルタ230bは、直列に配置される。具体的には、第1フィルタ230bは、第1フィルタ230aに対して下流側に配置される。
【0076】
第1流通配管430は、第1ヒータ240に処理液を供給する部分430cと、第1ヒータ240から処理液が供給される部分430dとを有する。部分430cは、部分430bの下流側に配置される。部分430cは、第1ヒータ240に接続される。第1ヒータ240に流入された処理液は、第1ヒータ240によって加熱されながら、第1ヒータ240を上方向に流通する。部分430dは、第1ヒータ240に接続される。第1ヒータ240を上方向に流通した処理液は、部分430dに流出する。
【0077】
第1流通配管430は、部分430dを2つに分岐する分岐部430eと、分岐部430eからタンク210に延びる2つの部分430fとを有する。分岐部430eは、略T字形状を有する。部分430fは、部分430dの下流側に配置される。部分430fは、分岐部430eとタンク210とを接続する。部分430fは、処理液をタンク210に供給する。
【0078】
図6は、処理液供給装置200のタンク210周辺の構造を概略的に示す断面斜視図である。図7は、処理液供給装置200のタンク210周辺の構造を概略的に示す断面図である。図6および図7に示すように、第1流通配管430の下流端は、タンク210内に配置される。言い換えると、第1流通配管430の部分430fは、分岐部430eからタンク210内まで延びる。
【0079】
処理液供給装置200は、第1流通配管430の端部に配置されるノズル435を備える。第2実施形態では、処理液供給装置200は、2つのノズル435を備える。ノズル435は、第1流通配管430の下流端に配置される。ノズル435は、処理液をタンク210内に吐出する。ノズル435は、タンク210内の処理液の液中に配置される。つまり、ノズル435は、タンク210内の処理液の液面Ls(図7参照)よりも下方に配置される。ノズル435は、処理液を吐出する複数の孔435aを有する。複数の孔435aは、タンク210内の処理液の液中に配置される。つまり、複数の孔435aは、タンク210内の処理液の液面Lsよりも下方に配置される。
【0080】
複数の孔435aは、第1流通配管430の部分430fの内部を通過する処理液の流通方向(方向Z)に対して交差する方向に開口する。第2実施形態では、複数の孔435aは、水平方向に開口する。また、各ノズル435において、複数の孔435aは、周方向に等角度で配置される。各ノズル435における孔435aの数は、特に限定されるものではないが、例えば、4個以上、8個以下である。第2実施形態では、各ノズル435における孔435aの数は、6個である。なお、第2実施形態では、ノズル435の下面(タンク210の底面211に対向する面)には、処理液を吐出する孔が設けられていない。
【0081】
また、第2実施形態では、ノズル435は、第1流通配管430とは別体で形成され、第1流通配管430の端部に固定される。ノズル435の直径は、第1流通配管430の直径よりも大きい。なお、ノズル435は、第1流通配管430と一体で形成されてもよい。この場合、ノズル435の直径は、第1流通配管430の直径と同じ大きさであってもよい。
【0082】
タンク210は、長手方向(方向Y)および短手方向(方向X)を有する形状に形成されている。タンク210は、処理液供給装置200の例えばフレーム205に取り付けられる。
【0083】
複数のノズル435は、タンク210の長手方向(方向Y)の中央部に対して略対称に配置される。具体的には、2つのノズル435は、タンク210の長手方向の中央部に対して略線対称に配置される。また、2つのノズル435は、略同じ高さに配置される。第2実施形態では、2つのノズル435は、タンク210の上下方向の略中心に配置される。なお、2つのノズル435は、タンク210の長手方向の中心に対して一方側(方向Y1)と他方側(方向Y2)とに1つずつ配置されてもよい。また、2つのノズル435の孔435aは、タンク210の長手方向の中央部に対して線対称に配置されなくてもよい。
【0084】
液供給源から第1流通配管430に流入した処理液は、部分430aを通過した後、部分430bを通過する。このとき、処理液は、第1フィルタ230によってパーティクル等が除去される。そして、部分430bを通過した処理液は、部分430cおよび第1ヒータ240を通過する。このとき、処理液は、第1ヒータ240によって所定温度に加熱される。例えば、液供給源から供給される処理液の温度は、室温(例えば25℃)と略同じである。また、例えば、第1ヒータ240によって、処理液の温度は、室温から40℃以上80℃以下になる。
【0085】
その後、第1ヒータ240を通過した処理液は、部分430d、分岐部430eおよび部分430fを通過する。部分430fを通過した処理液は、ノズル435の複数の孔435aを介して、タンク210内の処理液の液中に吐出される。
【0086】
次に、第3流通配管420周辺の構造について簡単に説明する。図8は、処理液供給装置200のポンプ220周辺の構造を概略的に示す斜視図である。なお、第1接続配管410の構造は、第1実施形態と同様である。
【0087】
図8に示すように、処理液供給装置200は、ポンプ220を保持するポンプ保持部材270を備える。ポンプ保持部材270は、底板271と、支持板272と、一対の側板273とを有する。底板271は、略水平方向に延びる。支持板272は、底板271に対して略垂直に配置され、ポンプ220が取り付けられる。側板273は、略三角形状を有する。側板273は、底板271と支持板272とを略垂直に固定する。ポンプ保持部材270は、処理液供給装置200の支持板202に固定される。支持板202は、処理液供給装置200の図示しないフレームに取り付けられる。
【0088】
ポンプ220は、ポンプ220とポンプ保持部材270の底板271(または、支持板202)との間に空間が形成されるように、ポンプ保持部材270に固定されている。従って、ポンプ220を支持板202に配置する場合に比べて、第1接続配管410の長さが長くなることを抑制できるので、第1接続配管410における圧力損失を抑制できる。
【0089】
図5に示すように、第3流通配管420は、ポンプ220に接続され、ポンプ220内の処理液を流通する。第2実施形態では、第3流通配管420は、ポンプ220から第2ヒータ250および第2フィルタ260を通過する。言い換えると、ポンプ220および第2ヒータ250は、第3流通配管420に配置される。また、第3流通配管420は、ポンプ220から基板処理ユニット10まで延びる。
【0090】
第3流通配管420は、ポンプ220に接続される部分420aと、第2ヒータ250に接続される部分420bとを有する。部分420bは、部分420aの下流側に配置される。
【0091】
第2ヒータ250の数は、特に限定されるものではないが、例えば、2つである。以下、2つの第2ヒータ250を、それぞれ第2ヒータ250aおよび第2ヒータ250bと記載することがある。第2ヒータ250aおよび第2ヒータ250bは、直列に配置される。具体的には、第2ヒータ250bは、第2ヒータ250aに対して下流側に配置される。第2実施形態では、第2ヒータ250aは、第1ヒータ240と同じ高さに配置される。また、第2ヒータ250aは、第1ヒータ240を方向X1に平行移動した位置に配置される。第2ヒータ250bは、第2ヒータ250aの真上に配置される。言い換えると、第2ヒータ250aと第2ヒータ250bとは、平面視で重なっている。第2実施形態では、第2ヒータ250bは、第2ヒータ250aを鉛直上方向に平行移動した位置に配置される。つまり、第2実施形態では、第2ヒータ250b全体が、第2ヒータ250bの真上に配置される。なお、第2ヒータ250bの一部のみが第2ヒータ250aの真上に配置されてもよい。言い換えると、第2ヒータ250bの一部と第2ヒータ250aの一部とが、平面視で重なっていてもよい。
【0092】
また、第3流通配管420の部分420bは、第2ヒータ250aに接続される。部分420bは、第2ヒータ250aに処理液を供給する。第2ヒータ250aに流入された処理液は、第2ヒータ250aによって加熱されながら、第2ヒータ250aを上方向に流通する。
【0093】
第3流通配管420は、第2ヒータ250aと第2ヒータ250bとを接続する部分420cと、第2ヒータ250bに接続される部分420dとを有する。部分420cは、第2ヒータ250aに接続される。部分420cは、上方向に延びて、第2ヒータ250bに接続される。部分420cは、第2ヒータ250aからの処理液を第2ヒータ250bに供給する。第2ヒータ250bに流入された処理液は、第2ヒータ250bによって加熱されながら、第2ヒータ250bを上方向に流通する。
【0094】
部分420dは、第2ヒータ250bに接続される。部分420dは、第2ヒータ250よりも奥側(方向Y2側)まで延びる。
【0095】
図9は、処理液供給装置200の第2ヒータ250および第2フィルタ260周辺の構造を概略的に示す斜視図である。図9に示すように、第3流通配管420は、部分420dを2つに分岐する分岐部420eと、分岐部420eから第2フィルタ260まで延びる2つの部分420fとを有する。分岐部420eは、略T字形状を有する。部分420fは、部分420dの下流側に配置される。
【0096】
第2フィルタ260は、処理液を濾過する。第2フィルタ260の数は、特に限定されるものではないが、例えば、2つである。以下、2つの第2フィルタ260を、それぞれ第2フィルタ260aおよび第2フィルタ260bと記載することがある。また、第2フィルタ260bは、第2フィルタ260aを方向X1に平行移動した位置に配置される。第2フィルタ260aおよび第2フィルタ260bは、並列に配置される。具体的には、2つの部分420fは、第2フィルタ260aの下部および第2フィルタ260bの下部にそれぞれ接続される。2つの部分420fは、第2ヒータ250bからの処理液を第2フィルタ260aおよび第2フィルタ260bに供給する。第2フィルタ260aの下部に流入された処理液は、第2フィルタ260aによって濾過されて、第2フィルタ260aを上方向に流通する。同様に、第2フィルタ260bの下部に流入された処理液は、第2フィルタ260bによって濾過されて、第2フィルタ260bを上方向に流通する。
【0097】
第3流通配管420は、第2フィルタ260aおよび第2フィルタ260bにそれぞれ接続される2つの部分420gを有する。2つの部分420gは、第2フィルタ260aの上部および第2フィルタ260bの上部にそれぞれ接続される。部分420gの各々は、2つのタワーTWの基板処理ユニット10に処理液を供給する。
【0098】
図5に示すように、タンク210からポンプ220を介して第3流通配管420に流入した処理液は、部分420aおよび部分420bを通過する。そして、処理液は、第2ヒータ250a、部分420cおよび第2ヒータ250bを通過する。このとき、処理液は、第2ヒータ250aおよび第2ヒータ250bによって所定温度に加熱される。
【0099】
その後、第2ヒータ250bを通過した処理液は、部分420d、分岐部420eおよび2つの部分420fを通過する。そして、処理液は、第2フィルタ260aおよび第2フィルタ260bを通過する。このとき、処理液は、第2フィルタ260aおよび第2フィルタ260bによってパーティクル等が除去される。その後、第2フィルタ260aおよび第2フィルタ260bを通過した処理液は、部分420gを介して2つのタワーTWの基板処理ユニット10に供給される。
【0100】
次に、図5および図10を参照して、処理液供給装置200についてさらに説明する。図10は、処理液供給装置200の処理液の流れを概略的に示す図である。なお、図10では、処理液供給装置200が備える配管等を図5に比べて、より詳しく描いている。
【0101】
図5および図10に示すように、処理液供給装置200は、戻り配管440を備える。戻り配管440は、第3流通配管420から基板処理ユニット10に供給された処理液の一部をタンク210に戻す。例えば、戻り配管440は、基板Wの処理に用いられなかった処理液をタンク210に戻す。第3流通配管420と、処理液供給装置200および基板処理ユニット10を接続する図示しない配管と、戻り配管440等とによって、基板処理装置100内で処理液を循環させる循環経路が構成される。
【0102】
図6に示すように、戻り配管440の数は、特に限定されるものではないが、例えば、2つである。各戻り配管440は、基板処理ユニット10からの処理液が流入される部分440aと、部分440aを複数(ここでは、2つ)に分岐する分岐部440bと、分岐部440bからタンク210に延びる複数(ここでは、2つ)の部分440cとを有する。分岐部440bは、略T字形状を有する。部分440cは、処理液をタンク210に供給する。
【0103】
戻り配管440の下流端は、タンク210内に配置される。言い換えると、戻り配管440の部分440cは、分岐部440bからタンク210内まで延びる。また、戻り配管440の下流端は、タンク210内の処理液の液中に配置される。戻り配管440の下流端は、処理液を吐出する孔440dを有する。孔440dは、タンク210内の処理液の液中に配置される。つまり、孔440dは、タンク210内の処理液の液面Ls(図7参照)よりも下方に配置される。
【0104】
複数(ここでは、4つ)の孔440dは、タンク210の長手方向(方向Y)の中央部に対して略対称に配置される。具体的には、4つの孔440dは、タンク210の長手方向の中央部に対して略線対称に配置される。また、複数の孔440dは、タンク210の短手方向(方向X)の中央部に対して略対称に配置される。具体的には、4つの孔440dは、タンク210の短手方向の中央部に対して略線対称に配置される。なお、4つの孔440dは、タンク210の長手方向または短手方向の中央部に対して略線対称に配置されなくてもよい。
【0105】
処理液供給装置200は、タンク210内の処理液の温度を測定する温度センサ280を備える。第2実施形態では、温度センサ280は、タンク210内の処理液の温度を測定する。
【0106】
図5および図10に示すように、処理液供給装置200は、第2流通配管450を備える。第2流通配管450は、液供給源からの処理液をタンク210に流通する。第2流通配管450には、ヒータが配置されない。言い換えると、第2流通配管450は、液供給源からの処理液を加熱することなくタンク210に供給する。具体的には、第2流通配管450の一端は、第1流通配管430のうちの第1フィルタ230bと第1ヒータ240との間の部分に接続される。例えば、第2流通配管450の一端は、第1流通配管430の部分430bまたは部分430cに接続される。また、第2流通配管450の他端は、タンク210に接続される。なお、第2実施形態では、第2流通配管450が第1流通配管430に接続される例について示したが、第2流通配管450は、第1流通配管430とは別に設けられてもよい。言い換えると、第2流通配管450を通過する処理液の流通経路の一部を、第1流通配管430と共通にする例について示したが、第2流通配管450を通過する処理液の流通経路を第1流通配管430とは別にしてもよい。
【0107】
処理液供給装置200は、不活性ガス供給管460を備える。不活性ガス供給管460は、ガス供給源からの不活性ガスをタンク210に供給する。不活性ガスの種類は、特に限定されるものではないが、例えば、窒素ガス(N2ガス)である。不活性ガス供給管460によりタンク210内に不活性ガスを供給することによって、タンク210のうち処理液の液面Lsよりも上方の空間Spが不活性ガスで充満される。従って、空間Spが空気で充満される場合と異なり、例えば、タンク210等の内面が酸化することを抑制できる。
【0108】
処理液供給装置200は、液量検知センサ290を備える。液量検知センサ290は、タンク210内の処理液の量を検知する。液量検知センサ290の数は、特に限定されるものではないが、第2実施形態では、例えば、2つである。以下、2つの液量検知センサ290を、それぞれ液量検知センサ290aおよび液量検知センサ290bと記載することがある。
【0109】
液量検知センサ290aは、例えば、タンク210内に所定量の処理液があるか否かを検知する。所定量は、例えば、処理液の標準的な量である。例えば、液量検知センサ290aは、タンク210の上下方向の中心または中心よりも上方に配置される。
【0110】
液量検知センサ290bは、例えば、タンク210が空に近い状態(ニアエンドともいう)であるか否かを検知する。液量検知センサ290bは、液量検知センサ290aよりも下方に配置される。例えば、液量検知センサ290bは、タンク210の底面211に近い位置に配置される。
【0111】
なお、タンク210内の処理液の量を所定範囲に維持するために、液量検知センサ290aを2つ以上設けてもよい。また、液量検知センサ290は、タンク210が満杯に近い状態(ニアフルともいう)であるか否かを検知するセンサを有してもよい。この場合、第1流通配管430の後述する流通孔431は、タンク210が満杯に近い状態であるか否かを検知するセンサよりも上方に配置されてもよい。
【0112】
処理液供給装置200は、廃液タンク300と、第1排液配管470とを備える。廃液タンク300は、処理液を収容する。廃液タンク300は、例えば、タンク210、第1フィルタ230および第2フィルタ260等から排出された処理液を収容する。廃液タンク300は、例えば、支持板201上に配置される。また、廃液タンク300は、例えば、タンク210およびポンプ220の真下に配置される。言い換えると、廃液タンク300とタンク210とは、平面視で重なっている。また、廃液タンク300とポンプ220とは、平面視で重なっている。
【0113】
第1排液配管470は、タンク210と廃液タンク300とを接続する。第1排液配管470は、タンク210内の処理液を廃液タンク300に排液する。タンク210は、処理液を排出する排液口215(図8参照)を有する。排液口215は、例えば、タンク210の底面211に配置される。第1排液配管470は、タンク210の排液口215に接続される。
【0114】
図10に示すように、処理液供給装置200は、第1気泡抜き配管480を備える。第1気泡抜き配管480は、第1フィルタ230に接続される。第1気泡抜き配管480は、第1フィルタ230内の気泡を第1フィルタ230の外部に排出する。第2実施形態では、第1気泡抜き配管480は、第1フィルタ230と廃液タンク300とを接続する。そして、第1気泡抜き配管480は、第1フィルタ230内の気泡を廃液タンク300に排出する。第2実施形態では、第1気泡抜き配管480は、2つ設けられる。一方の第1気泡抜き配管480は、第1フィルタ230aと廃液タンク300とを接続する。他方の第1気泡抜き配管480は、第1フィルタ230bと廃液タンク300とを接続する。
【0115】
また、図7に示すように、第2実施形態では、第1流通配管430は、流通孔431を有する。流通孔431は、第1流通配管430内とタンク210内とを流通する。流通孔431は、タンク210内の処理液の液面Lsよりも上方に配置される。具体的には、流通孔431は、第1流通配管430のうちのタンク210内に配置される部分に配置される。また、流通孔431は、タンク210の空間Spに配置される。
【0116】
図8および図10に示すように、処理液供給装置200は、第2気泡抜き配管490を備える。第2気泡抜き配管490は、ポンプ220に接続される。第2実施形態では、第2気泡抜き配管490は、第3流通配管420の部分420aを介してポンプ220に接続される。第2気泡抜き配管490は、ポンプ220内の気泡をポンプ220の外部に排出する。また、第2実施形態では、第2気泡抜き配管490は、第3流通配管420の部分420aと廃液タンク300とを接続する。そして、第2気泡抜き配管490は、ポンプ220内の気泡を廃液タンク300に排出する。
【0117】
また、第2実施形態では、第2気泡抜き配管490は、ポンプ220を接地する。言い換えると、ポンプ220は、第2気泡抜き配管490を介して接地される。具体的には、第2気泡抜き配管490は、導電性を有する。第2気泡抜き配管490は、特に限定されるものではないが、例えば、導電性を有する樹脂、または、金属によって形成される。第2実施形態では、第2気泡抜き配管490は、導電性を有する樹脂により形成される。例えば、第2気泡抜き配管490は、カーボンを含有する樹脂チューブからなる。
【0118】
第2気泡抜き配管490は、例えば、処理液供給装置200の例えばフレーム206に電気的に接続される。具体的には、フレーム206は、例えば、金属製である。処理液供給装置200は、支持部材310および支持板311を備える。支持部材310および支持板311は、金属製である。第2気泡抜き配管490は、支持部材310および支持板311を介して、フレーム206取り付けられる。
【0119】
処理液供給装置200は、戻り配管495を備える。戻り配管495は、タンク210から排出された処理液を第1流通配管430に戻す。例えば、戻り配管495は、ポンプ220と第1流通配管430とを接続する。第2実施形態では、戻り配管495の上流端は、第3流通配管420の部分420aに接続される。つまり、戻り配管495の上流端は、第3流通配管420の部分420aを介して、ポンプ220に接続される。また、戻り配管495の下流端は、第1流通配管430のうち第1ヒータ240よりも上流側の部分に接続される。第2実施形態では、戻り配管495の下流端は、第1流通配管430の部分430cに接続される。そして、第2実施形態では、第1接続配管410と、第3流通配管420の一部と、戻り配管495と、第1流通配管430の一部等とによって、処理液供給装置200内で処理液を循環させる循環経路が構成される。
【0120】
なお、第2実施形態では、第1接続配管410と、第3流通配管420の一部とを用いて循環経路を構成したが、第1接続配管410および第3流通配管420を用いずに循環経路を構成してもよい。この場合、例えば、戻り配管495の上流端をタンク210に接続し、戻り配管495の下流端を第1流通配管430に接続し、戻り配管495にポンプを配置してもよい。
【0121】
図10に示すように、処理液供給装置200は、第2排液配管500と、第2接続配管510とを備える。第2排液配管500は、第3流通配管420内の処理液を廃液タンク300に排液する。第2排液配管500は、第3流通配管420のうち第2フィルタ260よりも上流側の部分と廃液タンク300とを接続する。第2実施形態では、第2排液配管500は、第3流通配管420のうち第2ヒータ250aよりも上流側の部分と廃液タンク300とを接続する。つまり、第2実施形態では、第2排液配管500の一端は、第3流通配管420の部分420aまたは部分420bに接続される。なお、第2排液配管500の一端は、例えば、第3流通配管420の部分420c、部分420d、分岐部420eまたは部分420fに接続されてもよい。
【0122】
図11は、処理液供給装置200の第2排液配管500周辺の構造を概略的に示す斜視図である。図11に示すように、第2排液配管500は、支持板201に沿って配置される。第2排液配管500は、第3流通配管420に接続される上流部500aと、廃液タンク300に接続される下流部500bと、上流部500aおよび下流部500bの間に配置される中央部500cとを有する。第2実施形態では、下流部500bは、上流部500aおよび中央部500cの少なくとも一方に比べて、低い位置に配置される。つまり、第2排液配管500は、内部に処理液が残存しやすい構造になっている。なお、第2実施形態では、中央部500cは、上流部500aおよび下流部500bに比べて低い位置に配置される。
【0123】
図10に示すように、第2接続配管510は、タンク210と第2フィルタ260とを接続する。第2接続配管510は、タンク210内の処理液の液面Lsよりも上方の空間Spに繋がっている。また、第2接続配管510は、第2フィルタ260に接続されている。具体的には、処理液供給装置200は、第3排液配管520を備える。第3排液配管520は、第2フィルタ260内の処理液を廃液タンク300に排液する。第3排液配管520は、第2フィルタ260と廃液タンク300とを接続する。第2実施形態では、第3排液配管520は、2つ設けられる。一方の第3排液配管520は、第2フィルタ260aと廃液タンク300とを接続する。他方の第3排液配管520は、第2フィルタ260bと廃液タンク300とを接続する。そして、第2接続配管510は、第3排液配管520を介して、第2フィルタ260とタンク210とを接続する。
【0124】
なお、第2実施形態では、第2接続配管510は、タンク210から第2フィルタ260に延びて分岐した後、2つの第2フィルタ260に接続される。ただし、第2接続配管510は、2つ設けられてもよい。そして、一方の第2接続配管510がタンク210と第2フィルタ260aとを接続し、他方の第2接続配管510がタンク210と第2フィルタ260bとを接続してもよい。
【0125】
また、処理液供給装置200は、第2フィルタ260内の気泡を第2フィルタ260の外部に排出する気泡抜き配管(図示せず)を備えてもよい。この場合、気泡抜き配管(図示せず)は、例えば、第2フィルタ260とタンク210とを接続し、第2フィルタ260内の気泡をタンク210に排出してもよい。
【0126】
図11に示すように、処理液供給装置200は、分岐配管530と、吸引装置320とを備える。分岐配管530は、第2排液配管500から分岐し、廃液タンク300に接続される。言い換えると、分岐配管530は、第2排液配管500と廃液タンク300とを接続する。
【0127】
吸引装置320は、分岐配管530に配置され、第2排液配管500内の処理液を吸引し廃液タンク300に排出する。吸引装置320の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、エジェクタである。吸引装置320は、特に限定されるものではないが、例えば、第2排液配管500のうち最も低い位置に配置される。第2実施形態では、吸引装置320は、第2排液配管500の中央部500cに配置される。
【0128】
以上、図5図11を参照して説明したように、第2実施形態では、ノズル435の複数の孔435aは、タンク210内の処理液の液中に配置され、第1流通配管430の内部を通過する処理液の流通方向(方向Z)に対して交差する方向に開口する。従って、第1ヒータ240によって加熱されノズル435から吐出される比較的高温の処理液と、タンク210内の比較的低温の処理液とを、効果的に混ぜることができる。よって、タンク210内で処理液の温度にバラツキが生じることを抑制できる。
【0129】
また、上記のように、複数のノズル435は、タンク210の長手方向の中央部に対して対称に配置される。従って、タンク210の長手方向において、処理液の温度にバラツキが生じることを抑制できる。よって、タンク210内で処理液の温度にバラツキが生じること効果的に抑制できる。
【0130】
また、上記のように、処理液供給装置200は、第1フィルタ230内の気泡を第1フィルタ230の外部に排出する第1気泡抜き配管480を備える。第1流通配管430は、タンク210内の処理液の液面Lsよりも上方に配置され、第1流通配管430内とタンク210内とを流通する流通孔431を有する。従って、第1フィルタ230内の処理液を廃液タンク300に排出する際に、サイフォンの原理によってタンク210内の処理液が廃液タンク300に排出されることを抑制できる。具体的には、第1フィルタ230内の処理液を第1気泡抜き配管480を介して廃液タンク300に排出する場合、サイフォンの原理によって、タンク210内の処理液がノズル435および第1流通配管430を逆流し、第1気泡抜き配管480を介して廃液タンク300に排出されるおそれがある。しかしながら、第2実施形態では、第1流通配管430に流通孔431を設けることによって、タンク210内の処理液がノズル435を逆流することを抑制できる。よって、タンク210内の処理液が廃液タンク300に排出されることを抑制できる。
【0131】
また、上記のように、処理液供給装置200は、第1流通配管430に配置され、第1流通配管430を通過する処理液を加熱する第1ヒータ240を備える。従って、液供給源から供給される比較的低温(例えば室温)の処理液を、第1ヒータ240によって比較的高温(例えば40℃以上80℃以下)にした状態でタンク210に供給できる。
【0132】
また、上記のように、処理液供給装置200は、タンク210内の処理液を廃液タンク300に排液する第1排液配管470と、液供給源からの処理液をタンク210に流通し、ヒータが配置されない第2流通配管450とを備える。従って、タンク210内の処理液の温度を低下させる場合、タンク210内の処理液を廃液タンク300に排出し、液供給源からの比較的低温の処理液をタンク210に供給することによって、タンク210内の処理液の温度を短時間で低下させることができる。
【0133】
また、上記のように、ポンプ220は、第2気泡抜き配管490を介して接地される。従って、ポンプ220を接地するための部材を別途設ける必要がない。よって、部品点数が増加することを抑制できる。
【0134】
また、上記のように、処理液供給装置200は、第3流通配管420内の処理液を廃液タンク300に排液する第2排液配管500と、タンク210と第2フィルタ260とを接続する第2接続配管510とを備える。従って、例えば第2フィルタ260のメンテナンス時等において、第3流通配管420内の処理液を廃液タンク300に排出する場合、タンク210から第2接続配管510を介して第2フィルタ260に気体が流れる。よって、第3流通配管420内の処理液を廃液タンク300に短時間で排出できる。なお、第2フィルタ260に気体が流れない構成において、処理液を自重で廃液タンク300に排出する場合、処理液の排出に時間がかかってしまう。
【0135】
また、上記のように、タンク210には、窒素ガス等の不活性ガスが供給されるため、第2接続配管510、第3流通配管420および第2排液配管500には、不活性ガスが流入する。よって、第2接続配管510、第3流通配管420および第2排液配管500の内面が例えば酸化することを抑制できる。
【0136】
また、上記のように、処理液供給装置200は、分岐配管530と吸引装置320とを備える。分岐配管530は、第2排液配管500から分岐し、廃液タンク300に接続される。吸引装置320は、分岐配管530に配置され、第2排液配管500内の処理液を吸引し廃液タンク300に排出する。従って、処理液が第2排液配管500内に滞留することを抑制できる。
【0137】
また、上記のように、ノズル435の直径は、第1流通配管430の直径よりも大きい。従って、例えば、ノズル435を第1流通配管430と一体で形成し、ノズル435の直径と第1流通配管430の直径とが同じ大きさである場合に比べて、ノズル435(または第1流通配管430)の中心線から遠い位置で、孔435aから処理液を吐出することができる。つまり、複数の孔435a同士の間の距離を大きくした状態で、比較的高温の処理液を比較的低温の処理液中に吐出できる。よって、比較的高温の処理液と比較的低温の処理液とをより効果的に混ぜることができる。
【0138】
次に、図10を参照して、処理液供給装置200の各配管周辺についてさらに説明する。図10に示すように、処理液供給装置200は、バルブ330~バルブ339を備える。
【0139】
バルブ330は、第1流通配管430に配置される。第2実施形態では、バルブ330は、第1流通配管430のうちの第1フィルタ230よりも上流側の部分に配置される。バルブ330は、第1流通配管430内の流路を開閉する。バルブ330は、第1流通配管430の開度を調節して、第1流通配管430に供給される処理液の流量を調整する。
【0140】
バルブ331は、第1流通配管430に配置される。第2実施形態では、バルブ331は、第1流通配管430のうちの第1フィルタ230と第1ヒータ240との間の部分に配置される。バルブ331は、第1流通配管430内の流路を開閉する。バルブ331は、第1流通配管430の開度を調節して、第1ヒータ240を通過する処理液の流量を調整する。
【0141】
バルブ332は、第2流通配管450に配置される。バルブ332は、第2流通配管450内の流路を開閉する。バルブ332は、第2流通配管450の開度を調節して、第2流通配管450を通過する処理液の流量を調整する。
【0142】
バルブ333は、第2気泡抜き配管490に配置される。バルブ333は、第2気泡抜き配管490内の流路を開閉する。バルブ333は、第2気泡抜き配管490の開度を調節して、第2気泡抜き配管490を通過する処理液の流量を調整する。
【0143】
バルブ334は、戻り配管495に配置される。バルブ334は、戻り配管495内の流路を開閉する。バルブ334は、戻り配管495の開度を調節して、戻り配管495を通過する処理液の流量を調整する。
【0144】
バルブ335は、第1排液配管470に配置される。バルブ335は、第1排液配管470内の流路を開閉する。バルブ335は、第1排液配管470の開度を調節して、第1排液配管470を通過する処理液の流量を調整する。
【0145】
バルブ336は、第2排液配管500に配置される。バルブ336は、第2排液配管500内の流路を開閉する。バルブ336は、第2排液配管500の開度を調節して、第2排液配管500を通過する処理液の流量を調整する。
【0146】
バルブ337は、第3排液配管520に配置される。バルブ337は、第3排液配管520内の流路を開閉する。バルブ337は、第3排液配管520の開度を調節して、第3排液配管520を通過する処理液の流量を調整する。なお、第2実施形態では、バルブ337は、2つ設けられる。2つのバルブ337は、2つの第3排液配管520にそれぞれ配置される。
【0147】
バルブ338は、第2接続配管510に配置される。バルブ338は、第2接続配管510内の流路を開閉する。バルブ338は、第2接続配管510の開度を調節して、第2接続配管510を通過する窒素ガスの流量を調整する。
【0148】
バルブ339は、分岐配管530に配置される。バルブ339は、分岐配管530内の流路を開閉する。バルブ336は、分岐配管530の開度を調節して、分岐配管530を通過する処理液の流量を調整する。
【0149】
また、バルブ330~バルブ339の各々は、例えば、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0150】
なお、図10では図示しないが、各第1気泡抜き配管480には、オリフィスまたは絞り弁が配置されてもよい。
【0151】
次に、図10を参照して、処理液供給装置200の制御装置600について説明する。図10に示すように、処理液供給装置200は、制御装置600を備える。制御装置600は、ポンプ220、第1ヒータ240、第2ヒータ250、および、バルブ330~バルブ339を制御する。つまり、制御装置600は、処理液供給装置200全体を制御する。制御装置600は、制御装置101との間で通信を行うことによって、処理液供給装置200から基板処理ユニット10に、所定量の処理液を所定のタイミングで供給する。
【0152】
制御装置600は、制御部601および記憶部602を含む。制御部601は、プロセッサを有する。制御部601は、例えば、中央処理演算機(CPU)を有する。または、制御部601は、汎用演算機を有してもよい。
【0153】
記憶部602は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、処理液の供給手順および循環手順等を規定する。
【0154】
記憶部602は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部602はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部601は、記憶部602の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、処理液の供給動作および循環動作等を実行する。
【0155】
次に、図12を参照して、処理液供給装置200をさらに説明する。図12は、第2実施形態の処理液供給装置200のブロック図である。
【0156】
図12に示すように、制御装置600は、処理液供給装置200の各種動作を制御する。制御装置600は、上述したように、ポンプ220、第1ヒータ240、第2ヒータ250、および、バルブ330~バルブ339を制御する。具体的には、制御装置600は、ポンプ220、第1ヒータ240、第2ヒータ250、および、バルブ330~バルブ339に制御信号を送信することによって、ポンプ220、第1ヒータ240、第2ヒータ250、および、バルブ330~バルブ339を制御する。
【0157】
制御部601は、ポンプ220を制御して、タンク210内の処理液を第3流通配管420、第2気泡抜き配管490および戻り配管495に供給する。
【0158】
制御部601は、第1ヒータ240を制御して、第1流通配管430を通過する処理液を加熱する。具体的には、制御部601は、第1ヒータ240を制御して、ノズル435に供給される処理液を加熱する。
【0159】
制御部601は、第2ヒータ250を制御して、第3流通配管420を通過する処理液を加熱する。具体的には、制御部601は、第2ヒータ250を制御して、基板処理ユニット10に供給される処理液を加熱する。
【0160】
制御部601は、バルブ330を制御して、バルブ330の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部601は、バルブ330を制御して、バルブ330を開状態にすることによって、液供給源から第1流通配管430に処理液を供給させることができる。また、制御部601は、バルブ330を制御して、バルブ330を閉状態にすることによって、液供給源から第1流通配管430に流れる処理液の供給を停止させることができる。
【0161】
制御部601は、バルブ331を制御して、バルブ331の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部601は、バルブ331を制御して、バルブ331を開状態にすることによって、第1流通配管430からノズル435に処理液を供給させることができる。また、制御部601は、バルブ331を制御して、バルブ331を閉状態にすることによって、第1流通配管430からノズル435に流れる処理液の供給を停止させることができる。
【0162】
同様に、制御部601は、バルブ332~バルブ337およびバルブ339を制御して、バルブ332~バルブ337およびバルブ339の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部601は、バルブ332~バルブ337およびバルブ339を制御して、バルブ332~バルブ337およびバルブ339を開状態にすることによって、第2流通配管450、第2気泡抜き配管490、戻り配管495、第1排液配管470、第2排液配管500、第3排液配管520および分岐配管530を流れる処理液を通過させることができる。また、制御部601は、バルブ332~バルブ337およびバルブ339を制御して、バルブ332~バルブ337およびバルブ339を閉状態にすることによって、第2流通配管450、第2気泡抜き配管490、戻り配管495、第1排液配管470、第2排液配管500、第3排液配管520および分岐配管530を流れる処理液の通過を停止させることができる。
【0163】
また、制御部601は、バルブ338を制御して、バルブ338の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部601は、バルブ338を制御して、バルブ338を開状態にすることによって、第2接続配管510を流れる窒素ガスを通過させることができる。また、制御部601は、バルブ338を制御して、バルブ338を閉状態にすることによって、第2接続配管510を流れる窒素ガスの通過を停止させることができる。
【0164】
次に、図13を参照して、処理液供給装置200のタンク210内の処理液の温度を低下させる方法を説明する。図13は、タンク210内の処理液の温度を低下させる方法のフロー図である。以下、タンク210内の処理液の温度を低下させる方法を、温度低下方法と記載することがある。処理液供給装置200の温度低下方法は、ステップS101~ステップS104を含む。ステップS101~ステップS104は、制御部601によって実行される。
【0165】
なお、温度低下方法を実行する場合としては、基板処理ユニット10に供給する処理液の温度設定が低く変更された場合、または、ポンプ220で発生する熱により処理液の温度が上昇した場合等が挙げられる。そして、タンク210内の処理液の温度が設定温度範囲よりも高い場合に、温度低下方法が実行される。言い換えると、制御部601は、タンク210内の処理液の温度が所定値よりも高い場合に、温度低下動作を実行する。以下、詳細に説明する。
【0166】
図13に示すように、ステップS101において、制御部601は、タンク210内の処理液が所定量以上あるか否かを判定する。具体的には、制御部601は、液量検知センサ290aの検出結果に基づいて、タンク210内の処理液が所定量以上であるか否かを判定する。なお、制御部601は、例えば、液量検知センサ290b等の、液量検知センサ290a以外の液量検知センサ290の検出結果に基づいて、タンク210内の処理液が所定量以上であるか否かを判定してもよい。
【0167】
ステップS101で、タンク210内の処理液が所定量以上であると制御部601が判定した場合、処理はステップS102に進む。
【0168】
その一方、ステップS101で、タンク210内の処理液が所定量未満であると制御部601が判定した場合、処理はステップS103に進む。
【0169】
次に、ステップS102において、制御部601は、排液動作を実行する。第2実施形態では、制御部601は、タンク210内の処理液の一部を排液する。具体的には、制御部601は、バルブ335を閉状態から開状態に切り替えることによって、タンク210内の処理液を、第1排液配管470を介して廃液タンク300に排液する。
【0170】
そして、制御部601は、タンク210内の処理液を所定量排液すると、バルブ335を開状態から閉状態に切り替えることによって、処理液の排液を停止する。このとき、制御部601は、例えば、液量検知センサ290bの検知結果に基づいて、タンク210が空に近い状態になったと判定した場合に、処理液の排液を停止してもよい。また、制御部601は、例えば、タンク210から廃液タンク300に処理液を、一定量または一定時間排液することにより、処理液の排液を停止してもよい。
【0171】
次に、ステップS103において、制御部601は、供給動作を実行する。第2実施形態では、制御部601は、第2流通配管450からタンク210に処理液を供給する。具体的には、制御部601は、バルブ332を閉状態から開状態に切り替えることによって、液供給源から第2流通配管450を介してタンク210に処理液を供給する。これにより、比較的低温の処理液がタンク210に供給される。
【0172】
そして、制御部601は、処理液をタンク210内へ所定量供給すると、バルブ332を開状態から閉状態に切り替えることによって、処理液の供給を停止する。このとき、制御部601は、例えば、液量検知センサ290aの検知結果に基づいて、タンク210内の処理液の量が標準的な量になったと判定した場合に、処理液の供給を停止してもよい。また、制御部601は、例えば、タンク210内へ処理液を、一定量または一定時間供給することにより、処理液の供給を停止してもよい。
【0173】
次に、ステップS104において、制御部601は、タンク210内の処理液の温度が目標の温度範囲内にあるか否かを判定する。具体的には、制御部601は、温度センサ280の検出結果に基づいて、タンク210内の処理液の温度が目標の温度範囲の上限値以下であるか否かを判定する。なお、目標の温度範囲は、例えば、設定温度範囲である。
【0174】
ステップS104で、タンク210内の処理液の温度が目標の温度範囲内にないと制御部601が判定した場合、処理はステップS101に戻る。
【0175】
その一方、ステップS104で、タンク210内の処理液の温度が目標の温度範囲内であると制御部601が判定した場合、処理は終了する。
【0176】
以上のようにして、処理液供給装置200のタンク210内の処理液の温度を低下させる処理が終了する。
【0177】
以上、図13を参照して説明したように、第2実施形態では、制御部601は、タンク210から廃液タンク300へ処理液を排出する排液動作、および、液供給源からタンク210へ第2流通配管450を介して処理液を供給する供給動作を制御する。従って、例えば、第1ヒータ240をオフしタンク210内の処理液の温度が低下するまで待つ場合に比べて、短時間でタンク210内の処理液の温度を低下させることができる。よって、基板処理装置100のダウンタイムを抑制できる。
【0178】
また、上記のように、制御部601は、タンク210内の処理液の温度が所定値よりも高い場合、排液動作(ステップS102)の実行後に、供給動作(ステップS103)を実行する。従って、例えば、排液動作と供給動作とを並行して行う場合、または、供給動作の実行後に排液動作を実行する場合に比べて、より短時間でタンク210内の処理液の温度を低下させることができる。よって、基板処理装置100のダウンタイムをより抑制できる。
【0179】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0180】
例えば、第2実施形態では、例えば、上記実施形態では、処理液供給装置200がリンス液を供給する例について示したが、本発明はこれに限らない。処理液供給装置200は、リンス液以外の例えば薬液を供給してもよい。
【0181】
また、第2実施形態では、窒素ガスがタンク210から第2フィルタ260に供給される例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、窒素ガスのガス供給源から直接的に第2フィルタ260に窒素ガスを供給してもよい。
【0182】
また、第2実施形態では、タンク210内の処理液の温度を測定するために、タンク210内に温度センサ280を配置する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、第1接続配管410等の配管に処理液の温度を測定する温度センサを配置してもよい。
【0183】
また、第2実施形態では、処理液供給装置200を制御する制御装置600を、基板処理装置100全体を制御する制御装置101とは別に設ける例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、制御装置101が制御装置600を兼ねてもよい。また、制御部102が制御部601を兼ねてもよい。
【0184】
また、第2実施形態では、温度低下方法において、タンク210内の処理液が所定量以上あるか否かを判定する例について示したが、本発明はこれに限らない。タンク210内の処理液が所定量以上あるか否かを判定しなくてもよい。
【0185】
また、第2実施形態では、ノズル435を第1流通配管430に配置する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、ノズル435を戻り配管440に配置してもよい。
【0186】
また、上記実施形態では、基板処理装置100が基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型である例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、基板処理装置100は、複数枚の基板Wをまとめて処理するバッチ型であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0187】
本発明は、処理液供給装置および基板処理装置に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0188】
10 :基板処理ユニット
100 :基板処理装置
200 :処理液供給装置
210 :タンク
214 :流出口
220 :ポンプ
222 :流入口
230、230a、230b :第1フィルタ
240 :第1ヒータ(ヒータ)
260、260a、260b :第2フィルタ
280 :温度センサ
300 :廃液タンク
320 :吸引装置
410 :第1接続配管
420 :流通配管(第3流通配管)
430 :第1流通配管
431 :流通孔
435 :ノズル
435a :孔
450 :第2流通配管
470 :第1排液配管
480 :第1気泡抜き配管
490 :第2気泡抜き配管
500 :第2排液配管
510 :第2接続配管
530 :分岐配管
601 :制御部
Ls :液面
Sp :空間
W :基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13