(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090626
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】回転電機、およびポンプ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/02 20160101AFI20240627BHJP
H02K 5/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H02K11/02
H02K5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206629
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】片岡 慈裕
(72)【発明者】
【氏名】坂田 智洋
(72)【発明者】
【氏名】曹 衡
【テーマコード(参考)】
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
5H605AA11
5H605BB05
5H605CC01
5H605CC10
5H611BB01
5H611TT01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】大型化することを抑制しつつ、基板のグランドパターンを接地できる構造を提供する。
【解決手段】本発明の回転電機の一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータと、ロータと隙間を介して対向するステータと、ステータに電気的に接続された基板70と、軸方向一方側に開口し、ステータを内部に収容する金属製の第1ハウジングと、第1ハウジングの軸方向一方側に固定され、基板を内部に収容し、かつ、絶縁性を有する第2ハウジングと、基板と第1ハウジングとを電気的に接続する導電部材90と、を備える。基板は、グランドパターンを有する。導電部材は、第1ハウジングの内部において第1ハウジングに電気的に接続された第1接続部91cと、グランドパターン72に電気的に接続された第2接続部92cと、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を中心として回転可能なロータと、
前記ロータと隙間を介して対向するステータと、
前記ステータに電気的に接続された基板と、
軸方向一方側に開口し、前記ステータを内部に収容する金属製の第1ハウジングと、
前記第1ハウジングの軸方向一方側に固定され、前記基板を内部に収容し、かつ、絶縁性を有する第2ハウジングと、
前記基板と前記第1ハウジングとを電気的に接続する導電部材と、
を備え、
前記基板は、グランドパターンを有し、
前記導電部材は、
前記第1ハウジングの内部において前記第1ハウジングに電気的に接続された第1接続部と、
前記グランドパターンに電気的に接続された第2接続部と、
を有する、回転電機。
【請求項2】
前記第1ハウジングは、
前記ステータを内部に収容する第1ハウジング本体部と、
前記第1ハウジング本体部から径方向外側に突出する取付部と、
を有する、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記第2ハウジングは、前記基板と前記ステータとの軸方向の間に位置する底部を有し、
前記底部は、前記ステータのコイルから引き出されたコイル引出線または前記コイル引出線に電気的に接続された端子部材を支持し、
前記導電部材は、前記底部を軸方向に貫通している、請求項1に記載の回転電機。
【請求項4】
前記底部は、
前記底部を軸方向に貫通し前記導電部材が通される第1貫通孔と、
少なくとも一部が前記第1貫通孔の内部に位置し、弾性変形可能な弾性保持部と、
を有し、
前記導電部材は、前記弾性保持部と前記第1貫通孔の内面とに接触している、請求項3に記載の回転電機。
【請求項5】
前記導電部材は、
前記第1接続部を有する第1部材と、
前記第2接続部を有し、前記第1部材と軸方向に接触する第2部材と、
を有する、請求項1のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項6】
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方は、軸方向に弾性変形可能な弾性部を有し、
前記第1部材と前記第2部材とは、前記弾性部を介して互いに接触している、請求項5に記載の回転電機。
【請求項7】
前記第2ハウジングは、
前記基板を軸方向他方側から支持する支持部材と、
前記基板を軸方向一方側から覆う蓋部材と、
を有し、
前記第2部材は、前記支持部材を軸方向に貫通し、前記支持部材に保持されている、請求項6に記載の回転電機。
【請求項8】
前記ステータにおけるステータコアの軸方向一方側に位置する絶縁部材を備え、
前記絶縁部材は、前記第1ハウジングの内部に位置し、
前記絶縁部材と前記第1ハウジングとの径方向の間には、隙間が設けられ、
前記第1部材は、前記絶縁部材に軸方向他方側から支持され、かつ、前記絶縁部材の径方向外側面に接触し、
前記第1接続部は、径方向に弾性変形可能であり、前記絶縁部材の径方向外側面と前記第1ハウジングの径方向内側面との径方向の間に位置し、かつ、前記第1ハウジングの径方向内側面に接触している、請求項6に記載の回転電機。
【請求項9】
前記第1部材は、
前記絶縁部材に軸方向および径方向に接触する被支持部と、
前記被支持部の径方向内側の端部から軸方向一方側に突出する前記弾性部と、
前記被支持部の径方向外側の端部から軸方向一方側に突出する突出部と、
を有する、請求項8に記載の回転電機。
【請求項10】
前記絶縁部材の軸方向一方側の面には、径方向に延び、径方向外側に開口する溝が設けられ、
前記被支持部の少なくとも一部は、前記溝に嵌め込まれている、請求項9に記載の回転電機。
【請求項11】
前記導電部材は、単一の部材である、請求項1に記載の回転電機。
【請求項12】
前記導電部材は、
前記第1接続部を有し、前記第1ハウジングに固定された固定部と、
前記固定部と前記第2接続部とを接続するケーブルと、
を有する、請求項1に記載の回転電機。
【請求項13】
前記第1ハウジングは、前記第1ハウジングの内部に開口する穴部を有し、
前記第1接続部は、前記穴部内に圧入されている、請求項1に記載の回転電機。
【請求項14】
前記穴部は、軸方向一方側に開口し、
前記第2ハウジングは、前記導電部材の一部に軸方向一方側から接触する接触部を有する、請求項13に記載の回転電機。
【請求項15】
前記第1接続部は、前記第1ハウジングの内面にボルトによって固定されている、請求項1に記載の回転電機。
【請求項16】
前記第1ハウジングは、前記第1ハウジングの内部に開口し前記ボルトが締め込まれる雌ねじ穴を有し、
前記導電部材は、前記導電部材を貫通する第2貫通孔を有し、
前記第2貫通孔の一部は、前記ボルトが前記雌ねじ穴に締め込まれる方向に見て前記ボルトと重なっている、請求項15に記載の回転電機。
【請求項17】
前記導電部材は、軸方向と交差する方向に凸となる向きに湾曲する湾曲部を有する、請求項1に記載の回転電機。
【請求項18】
前記第2接続部は、前記基板を貫通する複数の接続端子部を有する、請求項1に記載の回転電機。
【請求項19】
前記複数の接続端子部は、
周方向位置が互いに異なる一対の接続端子部と、
前記一対の接続端子部と径方向位置が異なる接続端子部と、
を含む、請求項18に記載の回転電機。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の回転電機と、
前記回転電機に接続されたポンプ機構と、
を備える、ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機、およびポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
基板のグランドパターンを、金属製の筐体のうち基板を収容する部分と電気的に接続させて接地させる構造を有する回転電機が知られている。例えば、特許文献1には、電動モータを備える駆動装置において、ねじで基板のグランドパターンと筐体とを電気的に接続する構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転電機においては、筐体のうち基板を収容する部分を樹脂などの絶縁性を有する材料で構成する場合がある。この場合、基板のグランドパターンを接地するために、グランドパターンに接続された金属製の部材を筐体の外部に突出させて、当該金属製の部材を接地させることが考えられる。しかしながら、この場合、回転電機が大型化する問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、大型化することを抑制しつつ、基板のグランドパターンを接地できる構造を有する回転電機、およびポンプを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の回転電機の一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータと隙間を介して対向するステータと、前記ステータに電気的に接続された基板と、軸方向一方側に開口し、前記ステータを内部に収容する金属製の第1ハウジングと、前記第1ハウジングの軸方向一方側に固定され、前記基板を内部に収容し、かつ、絶縁性を有する第2ハウジングと、前記基板と前記第1ハウジングとを電気的に接続する導電部材と、を備える。前記基板は、グランドパターンを有する。前記導電部材は、前記第1ハウジングの内部において前記第1ハウジングに電気的に接続された第1接続部と、前記グランドパターンに電気的に接続された第2接続部と、を有する。
【0007】
本発明のポンプの一つの態様は、上記の回転電機と、前記回転電機に接続されたポンプ機構と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、回転電機およびポンプにおいて、回転電機が大型化することを抑制しつつ、基板のグランドパターンを接地できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態におけるポンプを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態におけるポンプを示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態におけるステータの一部、第3絶縁部材、および端子部材アッセンブリを示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態におけるポンプの一部を示す断面図であり、
図2における部分拡大図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態におけるポンプの一部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態におけるポンプの一部を上側から見た図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態における第3絶縁部材の一部、および導電部材の第1部材を示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態における導電部材を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態におけるポンプの一部を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態におけるポンプの一部を示す断面図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態におけるポンプの一部を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態における導電部材を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第4実施形態におけるポンプの一部を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態におけるポンプの一部を、導電部材を固定するボルトが雌ねじ穴に締め込まれる方向に見た図である。
【
図15】
図15は、第5実施形態におけるポンプの一部を示す部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各図には、適宜、以下の各実施形態のポンプの中心軸線Jを示している。中心軸線Jは、仮想軸線である。以下の説明においては、中心軸線Jが延びる方向、つまり中心軸線Jの軸方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。各図においては、軸方向と平行なZ軸を示している。以下の説明においては、軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」と呼び、軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。以下の各実施形態において、上側は「軸方向一方側」に相当し、下側は「軸方向他方側」に相当する。なお、上側および下側とは、単に各部の配置関係等を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0011】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態のポンプ100は、例えば、車両に搭載される電動ポンプである。ポンプ100が送る流体は、例えば、オイルである。なお、ポンプ100が送る流体は、特に限定されず、水などのオイル以外の流体であってもよい。
図2に示すように、ポンプ100は、回転電機10と、回転電機10に接続されたポンプ機構20と、を備える。
【0012】
ポンプ機構20は、回転電機10によって駆動されて流体を送る。ポンプ機構20は、後述する第1ハウジング61に設けられたポンプ室63内に収容されている。ポンプ機構20は、回転電機10によって中心軸線J回りに回転させられるインナーロータ21と、インナーロータ21を囲みインナーロータ21と噛み合うアウターロータ22と、を有する。
【0013】
回転電機10は、中心軸線Jを中心として回転可能なロータ30と、ロータ30と隙間を介して対向するステータ40と、第3絶縁部材50と、ハウジング60と、基板70と、を備える。ロータ30は、軸方向に延びるシャフト31と、シャフト31の外周面に固定されたロータコア32と、ロータコア32に固定された複数のマグネット33と、を有する。本実施形態においてシャフト31は、中心軸線Jを中心として延び、軸方向の両側に開口する円筒状の中空シャフトである。シャフト31の下側の端部は、インナーロータ21に接続されている。
【0014】
ステータ40は、ロータ30の径方向外側に位置する。ステータ40は、ロータ30を囲む環状である。ステータ40は、ステータコア41と、ステータコア41に取り付けられたインシュレータ42と、インシュレータ42を介してステータコア41に取り付けられた複数のコイル43と、を有する。
【0015】
ステータコア41は、ロータコア32の径方向外側に隙間を空けて対向して配置されている。
図3に示すように、ステータコア41は、中心軸線Jを囲む環状のコアバック41aと、コアバック41aから径方向内側に延びる複数のティース41bと、を有する。複数のティース41bは、周方向において一周に亘って等間隔に配置されている。複数のティース41bには、インシュレータ42を介して、複数のコイル43のそれぞれが取り付けられている。
【0016】
図2に示すように、インシュレータ42は、絶縁性を有する第1絶縁部材44と、絶縁性を有する第2絶縁部材45と、を有する。第1絶縁部材44は、ステータコア41の上側に位置する絶縁部材である。第2絶縁部材45は、ステータコア41の下側に位置する絶縁部材である。本実施形態において第1絶縁部材44および第2絶縁部材45は、樹脂製である。
図3に示すように、第1絶縁部材44は、中心軸線Jを囲む環状である。第1絶縁部材44は、コアバック41aの上側に位置する環状部44aと、環状部44aから径方向内側に延びる複数の延伸部44bと、を有する。複数の延伸部44bは、複数のティース41bのそれぞれを上側および周方向の両側から覆っている。
【0017】
環状部44aは、中心軸線Jを中心とする略円環状である。環状部44aの外径は、ステータコア41の外径よりも小さい。環状部44aの径方向外側面は、ステータコア41の径方向外側面よりも径方向内側に離れて位置する。環状部44aは、環状の本体部44cと、本体部44cから径方向外側に突出する複数の凸部44dと、本体部44cから径方向外側に突出する複数の爪部44eと、を有する。複数の凸部44dは、環状部44aのうち複数の延伸部44bが繋がる部分にそれぞれ設けられている。複数の凸部44dは、周方向において一周に亘って等間隔に配置されている。
【0018】
爪部44eは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。複数の爪部44eは、周方向において一周に亘って等間隔に配置されている。爪部44eは、例えば、3つ設けられている。各爪部44eは、周方向に隣り合う凸部44d同士の間に設けられている。爪部44eは、周方向に延びている。爪部44eは、周方向に隣り合う一対の凸部44d同士を繋いでいる。爪部44eの径方向外側の端部は、凸部44dの径方向外側の端部よりも径方向内側に位置する。爪部44eの上側の端部は、本体部44cの外周面における上側の端部に設けられている。爪部44eの下側の端部は、コアバック41aの径方向内縁部の上側に離れて位置する。
【0019】
爪部44eの下側の面は、コアバック41aの上側の面と軸方向に間隔を空けて対向する第1接触面44fである。第1接触面44fは、下側を向き、軸方向と直交する平坦面である。爪部44eの径方向外側の面は、傾斜面44gを有する。傾斜面44gは、上側に向かうに従って径方向内側に位置する。傾斜面44gの上側の端部は、爪部44eの径方向外側面における上側の端部である。
【0020】
第3絶縁部材50は、絶縁性を有する。本実施形態において第3絶縁部材50は、樹脂製である。第3絶縁部材50は、ステータコア41の上側に位置する絶縁部材である。本実施形態において第3絶縁部材50は、第1絶縁部材44の上側に位置する。第3絶縁部材50は、第1絶縁部材44に取り付けられている。第3絶縁部材50は、中心軸線Jを囲む環状である。より詳細には、第3絶縁部材50は、中心軸線Jを中心とする略円環状である。
【0021】
図4に示すように、第3絶縁部材50は、第1ハウジング61の内部に位置する。第3絶縁部材50の上側の端部は、第1ハウジング61の上側の端部よりも下側に位置する。第3絶縁部材50の径方向外側面は、第1ハウジング61の径方向内側面から径方向内側に離れて位置する。つまり、第3絶縁部材50と第1ハウジング61との径方向の間には、隙間が設けられている。
図3に示すように、第3絶縁部材50は、環状部51と、引出線保持部52と、爪部53と、を有する。
【0022】
環状部51は、中心軸線Jを中心とする略円環状である。環状部51は、板面が軸方向を向く板状である。環状部51は、環状部51を軸方向に貫通する孔部51aを有する。孔部51aは、周方向に延びている。孔部51aは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において孔部51aは、3つ設けられている。複数の孔部51aは、軸方向に見て、複数の爪部53の後述する爪本体部53bと重なる位置にそれぞれ設けられている。
【0023】
引出線保持部52は、コイル43から引き出されたコイル引出線43aを保持する部分である。引出線保持部52は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。引出線保持部52は、後述する端子部材81が挿入される凹部52aを有する。凹部52a内に端子部材81が上側から挿し込まれることで、端子部材81とコイル引出線43aとが電気的に接続される。
【0024】
爪部53は、環状部51から下側に延びている。爪部53は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において爪部53は、3つ設けられている。爪部53は、環状部51から下側に延びる基部53aと、基部53aの下端部から径方向内側に突出する爪本体部53bと、を有する。基部53aは、板面が径方向を向く板状である。基部53aは、環状部51に繋がる上端部を支点として径方向に弾性変形可能である。
【0025】
図4に示すように、爪本体部53bは、第1接触面44fに下側から接触する第2接触面53cを有する。第2接触面53cは、上側を向き、軸方向と直交する平坦面である。第2接触面53cが第1接触面44fに下側から接触することで、爪部53は、爪部44eに下側から引っ掛かっている。各爪部53が各爪部44eに下側から引っ掛かることで、第3絶縁部材50がインシュレータ42の第1絶縁部材44に固定されている。本実施形態において第3絶縁部材50は、爪部53と爪部44eとによって構成されるスナップフィット構造によってインシュレータ42に固定されている。
【0026】
図5から
図7に示すように、第3絶縁部材50は、後述する導電部材90の第1部材91を支持する導電部材支持部54を有する。本実施形態において導電部材支持部54は、環状部51のうち1つの爪部53が設けられている部分と当該1つの爪部53とによって構成されている。導電部材支持部54は、環状部51の上面に設けられた溝54aを有する。つまり、第3絶縁部材50の上側の面には、溝54aが設けられている。溝54aは、径方向に延び、径方向外側に開口している。本実施形態において溝54aは、径方向内側にも開口している。溝54aには、1つの孔部51aが設けられている。溝54aの周方向両縁部には、それぞれ上側に突出する凸部54bが設けられている。凸部54bは、径方向に延びている。凸部54bは、径方向に沿って延びている。一対の凸部54bのうちの一方は、孔部51aによって径方向に分断されている。
【0027】
図7に示すように、導電部材支持部54は、溝54aの径方向外側の端部を軸方向に貫通する貫通部54cを有する。貫通部54cは、環状部51の径方向外縁部を軸方向に貫通している。貫通部54cは、径方向外側に開口する。貫通部54cが設けられることで、環状部51のうち溝54aが設けられた部分における径方向外縁部は、環状部51のうち溝54aの周方向両側に位置する部分における径方向外縁部よりも径方向内側に窪んでいる。
【0028】
導電部材支持部54は、爪部53の径方向外側面に設けられた支持凹部54dを有する。支持凹部54dは、爪部53の基部53aにおける径方向外側面から径方向内側に窪んでいる。支持凹部54dは、軸方向の両側に開口している。支持凹部54dの内面のうち径方向外側を向く面は、環状部51のうち貫通部54cが設けられた部分における径方向外側面と滑らかに繋がっている。
【0029】
支持凹部54dは、幅広部54eと、幅狭部54fと、を有する。幅広部54eは、支持凹部54dの上側部分である。幅狭部54fは、支持凹部54dの下側部分である。幅広部54eの周方向の寸法は、幅狭部54fの周方向の寸法よりも大きい。幅広部54eは、幅狭部54fよりも周方向両側に突出している。幅広部54eは、上側、および周方向の一方側に開口している。幅狭部54fは、幅広部54eの下側に繋がっている。幅狭部54fは、下側に開口している。
【0030】
図2に示すように、ハウジング60は、ポンプ機構20、ロータ30、ステータ40、第3絶縁部材50、および基板70を内部に収容している。ハウジング60は、第1ハウジング61と、第2ハウジング62と、を有する。つまり、回転電機10は、第1ハウジング61と、第2ハウジング62と、を備える。
【0031】
第1ハウジング61は、ポンプ機構20、ロータ30、ステータ40、および第3絶縁部材50を内部に収容している。第1ハウジング61は、金属製である。第1ハウジング61は、上側に開口する筒状である。
図1に示すように、第1ハウジング61は、中心軸線Jを中心とする略円筒状である。第1ハウジング61は、第1ハウジング本体部61aと、取付部61bと、を有する。
【0032】
第1ハウジング本体部61aは、中心軸線Jを中心とする略円筒状である。
図2に示すように、第1ハウジング本体部61aは、ロータ30、ステータ40、および第3絶縁部材50を内部に収容している。第1ハウジング本体部61aは、ステータ収容部61cと、ポンプ機構収容部61dと、ポンプカバー61eと、を有する。ステータ収容部61cとポンプ機構収容部61dとは、同一の単一部材の一部である。ポンプカバー61eは、ステータ収容部61cおよびポンプ機構収容部61dと別体である。
【0033】
ステータ収容部61cは、中心軸線Jを中心とし、上側に開口する略円筒状である。ステータ収容部61cは、ステータ40を内部に収容している。ステータ収容部61cの内周面には、ステータコア41の外周面が固定されている。ステータ収容部61cは、下側に位置する底壁部61hを有する。底壁部61hには、シャフト31が軸方向に通された孔部61iが設けられている。
【0034】
ポンプ機構収容部61dは、ステータ収容部61cの下側に繋がっている。ポンプ機構収容部61dの外径は、ステータ収容部61cの外径よりも小さい。ポンプ機構収容部61dは、ポンプ機構収容部61dの下側の面から上側に窪む収容凹部61gを有する。収容凹部61gの下側の開口における少なくとも一部がポンプカバー61eによって塞がれることで、ポンプ機構20を内部に収容するポンプ室63が構成されている。ポンプ室63の内部には、孔部61iに通されたシャフト31の下端部が挿入されている。シャフト31の下端部は、ポンプ室63内においてインナーロータ21に接続されている。
【0035】
図1に示すように、取付部61bは、第1ハウジング本体部61aから径方向外側に突出している。より詳細には、取付部61bは、ステータ収容部61cの上側部分における外周面から径方向外側に突出している。取付部61bとステータ収容部61cとは、同一の単一部材の一部である。取付部61bは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において取付部61bは、中心軸線Jを径方向に挟んで一対設けられている。取付部61bは、取付部61bを軸方向に貫通する取付孔61fを有する。
【0036】
取付部61bは、ポンプ100が取り付けられる機器に取り付けられる部分である。本実施形態において取付部61bは、取付孔61fに通されたボルトが、ポンプ100が取り付けられる機器の筐体に締め込まれることで、当該機器の筐体に固定される。当該機器の筐体は、例えば、金属製であり、金属製の第1ハウジング61と電気的に接続される。
【0037】
第2ハウジング62は、第1ハウジング61の上側に固定されている。第2ハウジング62は、第1ハウジング61の上側の開口を塞いでいる。第2ハウジング62は、絶縁性を有する。本実施形態において第2ハウジング62は、樹脂製である。第2ハウジング62は、中心軸線Jを囲む筒状である。より詳細には、第2ハウジング62は、中心軸線Jを中心とし、下側に開口する略円筒状である。
図2に示すように、第2ハウジング62は、基板70を内部に収容している。第2ハウジング62は、蓋部材62aと、支持部材64と、を有する。本実施形態において蓋部材62aと支持部材64とは、互いに別体である。
【0038】
蓋部材62aは、基板70を上側から覆っている。蓋部材62aは、下側に開口する略円筒状である。
図1に示すように、蓋部材62aは、天壁部62bと、周壁部62cと、フランジ部62hと、固定爪部62dと、コネクタ部62eと、を有する。天壁部62bは、径方向に広がる略円板状である。
図2に示すように、天壁部62bは、基板70を上側から覆っている。周壁部62cは、天壁部62bの径方向外縁部から下側に突出している。周壁部62cは、中心軸線Jを中心とする略円筒状である。周壁部62cの径方向内側には、基板70が配置されている。フランジ部62hは、周壁部62cの下端部から径方向外側に突出している。フランジ部62hは、中心軸線Jを囲む略円環状である。フランジ部62hは、板面が軸方向を向く板状である。
【0039】
固定爪部62dは、フランジ部62hの径方向外縁部から下側に突出している。固定爪部62dは、第1ハウジング61の上端部の径方向外側に位置する。固定爪部62dは、フランジ部62hの径方向外縁部から下側に突出する基部62fと、基部62fの下端部から径方向内側に突出する爪本体部62gと、を有する。爪本体部62gは、第1ハウジング61の外周面に設けられた固定溝61j内に挿入され、固定溝61jの内面のうち上側に位置する部分に下側から引っ掛かっている。これにより、固定爪部62dは、第1ハウジング61に固定されている。
図1に示すように、固定爪部62dは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。複数の固定爪部62dによって、第2ハウジング62は、第1ハウジング61に固定されている。
【0040】
コネクタ部62eは、天壁部62bに設けられている。
図2に示すように、コネクタ部62eは、天壁部62bから軸方向の両側に突出している。図示は省略するが、コネクタ部62eには、複数の端子が保持されている。当該複数の端子は、基板70と電気的に接続されている。コネクタ部62eには、外部機器のコネクタが接続される。
【0041】
本実施形態において支持部材64は、基板70とステータ40との軸方向の間に位置する「底部」に相当する。支持部材64は、蓋部材62aの周壁部62cにおける下端部の径方向内側に嵌め合わされている。
図3に示すように、支持部材64は、中心軸線Jを囲む環状である。より詳細には、支持部材64は、中心軸線Jを中心とする略円環状である。本実施形態において支持部材64は、端子部材81を保持する部材である。支持部材64は、例えば、端子部材81および後述する導電部材90をインサート部材とするインサート成形によって作られている。支持部材64と端子部材81と導電部材90とによって、端子部材アッセンブリ80が構成されている。
【0042】
支持部材64は、第1環状部64aと、第2環状部64bと、フランジ部64cと、基板支持部64fと、突起部64gと、端子保持部64hと、導電部材保持部64iと、を有する。第1環状部64aは、中心軸線Jを中心とする略円環状である。
図2に示すように、第1環状部64aは、周壁部62cの下端部における径方向内側に嵌め合わされている。第1環状部64aの外周面には、シール部材65aが嵌め込まれたシール溝64dが設けられている。シール溝64dは、中心軸線Jを囲む円環状である。本実施形態においてシール部材65aは、Oリングである。シール部材65aは、第1環状部64aの外周面と周壁部62cの内周面との間を封止している。
【0043】
第2環状部64bは、中心軸線Jを中心とする略円環状である。第2環状部64bは、第1環状部64aの下側に繋がっている。第2環状部64bの外径は、第1環状部64aの外径よりも大きい。第2環状部64bの内径は、第1環状部64aの内径よりも大きい。第2環状部64bは、第1ハウジング61における上側の開口の内部に嵌め合わされている。第2環状部64bの外周面には、シール部材65bが嵌め込まれたシール溝64eが設けられている。シール溝64eは、中心軸線Jを囲む円環状である。本実施形態においてシール部材65bは、Oリングである。シール部材65bは、第2環状部64bの外周面と第1ハウジング61の上端部における内周面との間を封止している。
【0044】
フランジ部64cは、第1環状部64aの下端部から径方向外側に突出している。フランジ部64cは、中心軸線Jを中心とする略円環状である。フランジ部64cは、板面が軸方向を向く板状である。フランジ部64cは、蓋部材62aのフランジ部62hと第1ハウジング61の上端部との軸方向の間に位置する。フランジ部64cは、フランジ部62hと第1ハウジング61の上端部とに接触した状態で軸方向に挟まれている。
【0045】
図3に示すように、基板支持部64fは、第1環状部64aの上側の面から上側に突出している。本実施形態において基板支持部64fは、軸方向に見て、周方向に長い略長方形状である。基板支持部64fは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において基板支持部64fは、3つ設けられている。複数の基板支持部64fは、周方向において一周に亘って等間隔に配置されている。
図2に示すように、基板支持部64fの上面は、基板70の径方向外縁部における下面と接触している。これにより、支持部材64は、基板70を下側から支持している。
【0046】
図3に示すように、突起部64gは、第1環状部64aの径方向内縁部から上側に突出している。突起部64gは、基板支持部64fよりも上側に突出している。突起部64gは、略円柱状である。突起部64gは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において突起部64gは、4つ設けられている。
図4に示すように、突起部64gは、基板70に設けられた孔部70aに軸方向に通されている。複数の突起部64gがそれぞれ孔部70aに通されることで、基板70は、支持部材64に対して径方向に位置決めされている。
【0047】
図3に示すように、端子保持部64hは、第1環状部64aの内周面から径方向内側に突出している。端子保持部64hは、端子部材81を保持している。これにより、支持部材64は、端子部材81を支持している。端子保持部64hは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において端子保持部64hは、3つ設けられている。複数の端子保持部64hは、周方向において一周に亘って等間隔に配置されている。複数の端子保持部64hの周方向位置は、複数の基板支持部64fの周方向位置とそれぞれ同じである。各端子保持部64hは、各基板支持部64fの径方向内側に位置する。
【0048】
導電部材保持部64iは、第1環状部64aの内周面から径方向内側に突出している。導電部材保持部64iは、周方向に隣り合う端子保持部64h同士の間に位置する。導電部材保持部64iは、後述する第2部材92を保持している。導電部材保持部64iの径方向内側の端部は、端子保持部64hの径方向内側の端部よりも径方向内側に位置する。
【0049】
各端子保持部64hにそれぞれ保持された各端子部材81は、一部が端子保持部64hに埋め込まれている。端子部材81は、端子部材81から軸方向の両側に突出している。端子部材81は、金属製である。端子部材81は、基部81aと、コイル接続部81bと、基板接続部81cと、を有する。基部81aは、板面が径方向を向く板状である。基部81aは、端子保持部64hに保持されている。
【0050】
コイル接続部81bは、基部81aの下端部に繋がり、端子保持部64hよりも下側に突出している。コイル接続部81bは、板面が径方向を向く板状である。コイル接続部81bは、第3絶縁部材50の凹部52aに上側から挿入され、凹部52a内に保持されたコイル引出線43aと電気的に接続されている。これにより、端子部材81は、コイル引出線43aに電気的に接続されている。
【0051】
基板接続部81cは、基部81aの上側の縁部から上側に突出している。本実施形態において基板接続部81cは、周方向に間隔を空けて一対設けられている。
図2に示すように、基板接続部81cは、基板70に設けられた孔部70bに軸方向に通されている。本実施形態において基板接続部81cは、孔部70b内に圧入されることで、基板70と電気的に接続されるプレスフィット端子である。コイル接続部81bがコイル引出線43aと電気的に接続され、かつ、基板接続部81cが基板70に電気的に接続されることで、基板70は、端子部材81を介してステータ40に電気的に接続されている。
【0052】
本実施形態において基板70は、板面が軸方向を向く板状である。基板70は、径方向に広がっている。基板70の径方向外縁部は、支持部材64の基板支持部64fの上面に接触している。基板70は、図示しない配線パターンが設けられたプリント配線基板である。本実施形態において基板70は、多層基板である。基板70には、複数の電子部品73が取り付けられている。図示は省略するが、基板70には、ステータ40に電力を供給するインバータ回路が設けられている。当該インバータ回路は、基板70に接続された端子部材81およびコイル引出線43aを介してコイル43に電流を供給する。これにより、ロータ30が回転し、ポンプ機構20が駆動される。
【0053】
図4に示すように、基板70は、グランドパターン72を有する。グランドパターン72は、例えば、銅箔で構成されたベタパターンである。本実施形態においてグランドパターン72は、多層基板である基板70を構成する複数の層のうちの1つの層を構成している。グランドパターン72は、例えば、基板70を構成する複数の層のうち最も上側に位置する層と最も下側に位置する層との軸方向の間に位置する層である。なお、グランドパターン72は、基板70に対してどのように設けられてもよい。基板70は、基板70を軸方向に貫通する接地孔部71を有する。接地孔部71の内面には、メッキ部71aが設けられている。メッキ部71aは、例えば、銅メッキである。メッキ部71aは、グランドパターン72と電気的に接続されている。
【0054】
回転電機10は、基板70と第1ハウジング61とを電気的に接続する導電部材90を備える。導電部材90は、導電性を有する。導電部材90は、金属製である。本実施形態において導電部材90は、第1部材91と、第2部材92と、を有する。第1部材91と第2部材92とは、互いに別体である。本実施形態において第1部材91および第2部材92は、板金部材である。第1部材91と第2部材92とは、互いに軸方向に接触している。
【0055】
図5に示すように、本実施形態において第1部材91は、第3絶縁部材50に支持されている。より詳細には、第1部材91は、導電部材支持部54に支持されている。
図7および
図8に示すように、第1部材91は、被支持部91aと、弾性部91bと、第1接続部91cと、突出部91dと、を有する。つまり、導電部材90は、被支持部91aと、弾性部91bと、第1接続部91cと、突出部91dと、を有する。
【0056】
被支持部91aは、第3絶縁部材50に支持される部分である。被支持部91aは、軸方向接触部91eと、径方向接触部91fと、を有する。軸方向接触部91eは、板面が軸方向を向く板状である。軸方向接触部91eは、一対の腕部91gと、連結部91hと、を有する。一対の腕部91gは、径方向に延び、周方向に間隔を空けて配置されている。連結部91hは、一対の腕部91gが延びる径方向と直交する方向に延びて一対の腕部91gの径方向内側の端部同士を繋いでいる。
【0057】
図5に示すように、軸方向接触部91eは、上側から溝54aに嵌め込まれている。つまり、被支持部91aの一部が、溝54aに嵌め込まれている。これにより、被支持部91aが溝54aの周方向の内側面に引っ掛かり、第1部材91が第3絶縁部材50に対して周方向にずれることが抑制される。なお、被支持部91aの全体が、溝54aに嵌め込まれてもよい。本実施形態では、一対の腕部91gが溝54aに嵌め込まれている。一対の腕部91gの径方向内側の端部は、溝54aの径方向内側の開口を介して、環状部51の径方向内縁部よりも径方向内側に突出している。一対の腕部91gは、溝54aの下側の底面に接触している。これにより、軸方向接触部91eが第3絶縁部材50に軸方向に接触し、被支持部91aが第3絶縁部材50に軸方向に接触している。軸方向接触部91eは、溝54aの下側の底面によって下側から支持されている。つまり、第1部材91は、第3絶縁部材50に下側から支持されている。これにより、第3絶縁部材50によって第1部材91が軸方向に位置決めされている。連結部91hは、環状部51の径方向内縁部よりも径方向内側に位置する。
【0058】
径方向接触部91fは、周方向に延びて、一対の腕部91gの径方向外側の端部同士を繋いでいる。径方向接触部91fは、板面が径方向を向く板状である。径方向接触部91fは、一対の腕部91gの径方向外側の端部から下側に突出している。径方向接触部91fは、支持凹部54dの幅広部54e内に挿入されている。径方向接触部91fは、幅広部54eの内面のうち径方向外側を向く面に接触している。これにより、径方向接触部91fが第3絶縁部材50に径方向に接触し、被支持部91aが第3絶縁部材50に径方向に接触している。つまり、第1部材91は、第3絶縁部材50の径方向外側面に接触している。これにより、第3絶縁部材50によって第1部材91が径方向に位置決めされている。
【0059】
弾性部91bは、軸方向に弾性変形可能な部分である。弾性部91bは、被支持部91aの径方向内側の端部から上側に突出している。本実施形態において弾性部91bは、連結部91hの径方向内側の縁部における周方向の中央部から上側に突出している。
図8に示すように、弾性部91bは、湾曲部91iと、第3延伸部91jと、弾性接触部91kと、を有する。つまり、導電部材90は、湾曲部91iと、第3延伸部91jと、弾性接触部91kと、を有する。
【0060】
湾曲部91iは、被支持部91aに繋がる部分である。湾曲部91iは、周方向に見て、径方向内側に凸となる円弧状に湾曲して延びる板状である。つまり、湾曲部91iは、軸方向と交差する方向に凸となる向きに湾曲している。これにより、弾性部91bを軸方向に弾性変形させやすくできる。湾曲部91iは、周方向に見て、被支持部91aから軸方向に延びたあと、径方向外側に凸となる円弧状に湾曲して延びる板状であってもよい。
【0061】
第3延伸部91jは、湾曲部91iの上側の端部から上側かつ径方向外側に斜めに延びる長方形板状である。弾性接触部91kは、湾曲部91iの上側かつ径方向外側の端部に繋がっている。弾性接触部91kは、周方向に見て、上側に凸となる円弧状に湾曲して延びる板状である。弾性接触部91kは、第2部材92と接触している。弾性部91bは、第1部材91と第2部材92とが接触させられる際に、第2部材92によって弾性接触部91kが下向きに押されることで、湾曲部91iが弾性変形して、第3延伸部91jおよび弾性接触部91kが湾曲部91iを支点として下側向きに弾性変位する。本実施形態では、第2部材92と接触した状態において弾性部91bは、軸方向の下側に弾性変形した状態となっており、第2部材92に対して上側向きの力を加えている。このように、第1部材91と第2部材92とが弾性部91bを介して互いに接触することで、第1部材91と第2部材92との軸方向位置のずれを弾性部91bの弾性変形によって吸収できるとともに、弾性部91bの弾性力を利用して、第1部材91と第2部材92とを互いに押し付け合わせた状態で好適に接触させることができる。
【0062】
第1接続部91cは、被支持部91aの径方向外側の端部から下側に突出している。より詳細には、第1接続部91cは、径方向接触部91fの下側の縁部における周方向の中央部から下側に突出している。
図4に示すように、第1接続部91cは、第3絶縁部材50の径方向外側面と第1ハウジング61の径方向内側面との径方向の間に位置する。本実施形態において第1接続部91cは、爪部53の径方向外側面とステータ収容部61cの内周面との径方向の間に位置する。第1接続部91cは、第1延伸部91mと、軸方向湾曲部91pと、第2延伸部91rと、接触凸部91sと、を有する。
【0063】
図5に示すように、第1延伸部91mは、径方向接触部91fから下側に延びている。第1延伸部91mは、板面が径方向を向き、軸方向に長い長方形板状である。第1延伸部91mは、支持凹部54dの幅狭部54f内に挿入されている。これにより、第1延伸部91mが幅狭部54fの周方向両側の内側面に周方向に引っ掛かり、第1接続部91cの周方向位置がずれることを抑制できる。第1延伸部91mは、幅狭部54fの内面のうち径方向外側を向く面に接触している。これにより、第1接続部91cが第3絶縁部材50に径方向に接触している。
【0064】
軸方向湾曲部91pは、周方向に見て、下側に凸となる円弧状に湾曲して延びる板状である。軸方向湾曲部91pは、コアバック41aの上側に隙間を空けて対向して配置されている。軸方向湾曲部91pが設けられることで、第1接続部91cは、径方向に弾性変形可能である。
【0065】
第2延伸部91rは、軸方向湾曲部91pの径方向外側の端部から上側に延びている。第2延伸部91rは、板面が径方向を向く板状である。第2延伸部91rは、第1延伸部91mの径方向外側に位置する。第2延伸部91rは、第1延伸部91mと隙間を介して径方向に対向している。第2延伸部91rの上側の縁部は、径方向に見て、上側に凸となる円弧状である。第2延伸部91rの上側の端部は、第1延伸部91mの上側の端部よりも下側に位置する。
【0066】
接触凸部91sは、第2延伸部91rから径方向外側に突出している。本実施形態において接触凸部91sは、径方向外側に凸となる半球殻状である。接触凸部91sは、例えば、第2延伸部91rの一部が径方向外側にカシメられることで作られている。
図4および
図6に示すように、接触凸部91sは、ステータ収容部61cの内周面に接触している。つまり、第1接続部91cは、第1ハウジング61の径方向内側面に接触している。これにより、第1接続部91cは、第1ハウジング61の内部において第1ハウジング61に電気的に接続されている。
【0067】
第1接続部91cは、軸方向湾曲部91pを支点として第2延伸部91rおよび接触凸部91sが径方向内側に弾性変位する向きに弾性変形した状態で、第1ハウジング61に接触している。これにより、接触凸部91sを第1ハウジング61に径方向内側から押し付けることができ、第1接続部91cを第1ハウジング61に対して好適に電気的に接続することができる。このように、本実施形態によれば、第1接続部91cが、径方向に弾性変形可能であり、第3絶縁部材50の径方向外側面と第1ハウジング61の径方向内側面との径方向の間に位置し、かつ、第1ハウジング61の径方向内側面に接触する構成とすることで、第1接続部91cを第1ハウジング61に対して好適に電気的に接続することができる。
【0068】
図5に示すように、突出部91dは、被支持部91aの径方向外側の端部から上側に突出している。そのため、第1部材91を組み付ける際に、治具などによって突出部91dを摘むことができる。これにより、第1部材91の第1接続部91cを、第3絶縁部材50と第1ハウジング61との径方向の隙間に上側から差し込みやすくできる。したがって、第1部材91を組み付けやすくできる。
【0069】
本実施形態において突出部91dは、径方向接触部91fの上側の縁部における周方向の中央部から上側に突出している。突出部91dは、板面が径方向を向き、軸方向に長い略長方形板状である。突出部91dの上側の端部は、弾性部91bの上側の端部よりも下側に位置する。突出部91dは、弾性部91bよりも径方向外側に位置する。突出部91dは、第1接続部91cの上側に位置し、軸方向に見て、第1接続部91cと重なる位置に配置されている。そのため、突出部91dを摘んで第1部材91を組み付ける際に、突出部91dの下側に位置する第1接続部91cを、第3絶縁部材50と第1ハウジング61との径方向の隙間に上側からより好適に差し込みやすくできる。本実施形態において突出部91dは、軸方向に見て、第1接続部91cの第1延伸部91mと重なる位置に配置されている。
【0070】
第2部材92は、第1部材91の上側に位置し、第1部材91と軸方向に接触している。
図4に示すように、本実施形態において第2部材92は、支持部材64を軸方向に貫通している。これにより、導電部材90は、底部としての支持部材64を軸方向に貫通している。第2部材92の一部は、導電部材保持部64iに埋め込まれている。これにより、第2部材92は、支持部材64に保持されている。第2部材92は、第1壁部92aと、第2壁部92bと、第2接続部92cと、を有する。つまり、導電部材90は、第1壁部92aと、第2壁部92bと、第2接続部92cと、を有する。
【0071】
第1壁部92aは、板面が軸方向を向く矩形板状である。第1壁部92aは、導電部材保持部64iの下面に埋め込まれている。第1壁部92aの下面は、導電部材保持部64iの下面と軸方向において同じ位置に配置され、導電部材保持部64iの外部に露出している。第1壁部92aの下面には、第1部材91の弾性接触部91kが接触している。第1壁部92aの上面は、導電部材保持部64iの下面64jと接触する。導電部材保持部64iの下面64jは、第1部材91の弾性部91bが軸方向の下側に弾性変形したことによる弾性力の反力を受けた第1壁部92aを支持している。
【0072】
第2壁部92bは、第1壁部92aの径方向外側の端部から上側に突出している。第2壁部92bは、板面が径方向を向く板状である。
図5に示すように、第2壁部92bは、第2壁部92bの径方向外側の端部に繋がる幅広部92dと、幅広部92dの上側に繋がる幅狭部92eと、を有する。幅広部92dの周方向の寸法は、第1壁部92aの周方向の寸法と同じであり、幅狭部92eの周方向の寸法よりも大きい。幅狭部92eは、幅広部92dの周方向の中央部から上側に延びている。
【0073】
第2接続部92cは、第2壁部92bの上側の端部から上側に延びている。本実施形態において第2接続部92cは、幅狭部92eの上側の端部における周方向の中央部から上側に延びている。本実施形態において第2接続部92cは、軸方向に延びる細長の略四角柱状である。第2接続部92cは、基板70に設けられた接地孔部71に軸方向に通されている。第2接続部92cは、接地孔部71の内面に設けられたメッキ部71aに接触している。これにより、第2接続部92cは、メッキ部71aを介してグランドパターン72に電気的に接続されている。したがって、導電部材90によって、基板70のグランドパターン72と第1ハウジング61とを電気的に接続することができる。そのため、基板70を収容する第2ハウジング62を樹脂などの絶縁性を有する部材としつつ、導電部材90および第1ハウジング61を介して、グランドパターン72を接地させることができる。これにより、グランドパターン72の基準電位を安定させることができ、基板70を流れる電流に起因するノイズが生じることを抑制できる。
【0074】
また、本実施形態によれば、第1接続部91cが第1ハウジング61の内部において第1ハウジング61に電気的に接続されている。そのため、基板70のグランドパターン72を接地させるための部材を第2ハウジング62の外部に突出させる必要などがなく、回転電機10が大型化することを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、回転電機10が大型化することを抑制しつつ、基板70のグランドパターン72を接地できる。また、グランドパターン72を接地させるための部材を第2ハウジング62の外部に突出させて外部から第1ハウジング61に接続する場合に比べて、回転電機10を組み立てやすくできる。また、基板70をねじ止めによって金属製のハウジングに直接固定する場合と異なり、基板70と第2ハウジング62との間に絶縁性を有する部材を配置する必要がない。また、当該絶縁性を有する部材の経年劣化に伴う変形によって基板70の固定が緩むなどの問題が生じることも抑制できる。
【0075】
また、本実施形態によれば、第1ハウジング61は、第1ハウジング本体部61aから径方向外側に突出する取付部61bを有する。そのため、取付部61bを回転電機10が取り付けられる機器の筐体に固定することで、導電部材90、第1ハウジング本体部61a、および取付部61bを介して、グランドパターン72を当該機器の筐体に電気的に接続することができる。これにより、グランドパターン72をより好適に接地できる。
【0076】
また、本実施形態によれば、導電部材90は、底部としての支持部材64を軸方向に貫通している。そのため、底部としての支持部材64を設けて端子部材81を支持させることでステータ40と基板70とを電気的に接続しやすくしつつ、導電部材90によって基板70と第1ハウジング61とを好適に電気的に接続することができる。
【0077】
また、本実施形態によれば、導電部材90は、第1接続部91cを有する第1部材91と、第2接続部92cを有し、第1部材91と軸方向に接触する第2部材92と、を有する。そのため、第1部材91を組み付けた後に、第2部材92を組み付ける組立方法を採用することが可能となる。これにより、第1部材91を組み付けてから第2部材92を組み付けるまでの間においては、導電部材90が単一部材である場合に比べて、導電部材90が第1ハウジング61内から軸方向の上側に大きく突出することを抑制できる。したがって、第1部材91を組み付けた後の組立工程を行いやすくできる。そのため、回転電機10およびポンプ100の組み立て性を向上できる。
【0078】
また、本実施形態によれば、第2部材92は、支持部材64を軸方向に貫通し、支持部材64に保持されている。そのため、第2部材92が保持された状態の支持部材64を組み付けることで、第2部材92を組み付けることができる。これにより、第2部材92の第2接続部92cを基板70に接続しない状態で第2部材92を組み付けて第1部材91に接触させることができる。したがって、第2部材92と基板70とを接続する作業を行う前に、第1部材91と第2部材92とが電気的に接続されているか否かを確認する導通確認作業を行うことができる。
【0079】
図5に示すように、第2接続部92cは、周方向に膨らむ被圧入部92fを有する。被圧入部92fは、第2接続部92cの軸方向の中央部に設けられている。被圧入部92fには、被圧入部92fを径方向に貫通する孔部92gが設けられている。被圧入部92fは、孔部92gを潰す向きに弾性変形可能となっている。本実施形態において第2接続部92cは、被圧入部92fが接地孔部71に圧入されることで、基板70に固定されている。第2接続部92cは、プレスフィット端子である。被圧入部92fは、メッキ部71aと接触している。
図4に示すように、第2接続部92cの上端部は、コネクタ部62eの下端部から上側に窪む凹部62i内に挿入されている。
【0080】
上述したポンプ100を組み立てる作業者等は、第1ハウジング61内にステータ40を配置した後、第3絶縁部材50を第1ハウジング61内に上側の開口から挿入する。作業者等は、第3絶縁部材50の爪部53をインシュレータ42の爪部44eに引っ掛けるスナップフィット構造によって第3絶縁部材50をステータ40に固定する。作業者等は、コイル43から引き出されたコイル引出線43aを、ステータ40に固定された状態の第3絶縁部材50の引出線保持部52の凹部52aに保持させる。作業者等は、突出部91dを治具で摘んで第1部材91を第1ハウジング61内に上側の開口から挿入する。作業者等は、第1接続部91cを第3絶縁部材50の径方向外側面と第1ハウジング61の径方向内側面との間に差し込みつつ、第1部材91を第3絶縁部材50に取り付ける。第1接続部91cが差し込まれる際、第1接続部91cは、第3絶縁部材50の径方向外側面と第1ハウジング61の径方向内側面とに接触した状態となり、第3絶縁部材50の径方向外側面と第1ハウジング61の径方向内側面とによって押されて径方向に弾性変形する。
【0081】
次に、作業者等は、端子部材アッセンブリ80を第1ハウジング61内に上側の開口から挿入して、第1ハウジング61の上端部内に嵌め合わせる。これにより、支持部材64に保持された端子部材81のコイル接続部81bがコイル引出線43aに電気的に接続されるとともに、支持部材64に保持された第2部材92が第1部材91に電気的に接続される。この状態において第2部材92と第1ハウジング61との間の通電試験を行うことで、基板70を配置する前に、第1部材91と第2部材92とが電気的に接続されたか否かを確かめることができる。
【0082】
次に、作業者等は、ロータ30を第1ハウジング61内に挿入して配置する。なお、端子部材アッセンブリ80を第1ハウジング61内に配置する前に、ロータ30を配置してもよい。次に、作業者等は、基板70を端子部材アッセンブリ80の上側に配置する。このとき、作業者等は、各突起部64gを基板70の各孔部70aに挿入させて基板70を径方向に位置決めした状態で、基板70を基板支持部64fに近づけていく。これにより、基板70を基板支持部64fに接触させるまで移動させることで、基板70の孔部70b内に基板接続部81cを好適に圧入しつつ、基板70の接地孔部71に第2接続部92cを好適に圧入することができる。このように、本実施形態では、基板70を端子部材アッセンブリ80に対して上側から近づけるだけで、容易に、基板70に対して端子部材81および導電部材90を接続することができる。次に、作業者等は、固定爪部62dを第1ハウジング61の固定溝61jに引っ掛けて、蓋部材62aを第1ハウジング61に固定する。以上により、回転電機10が組み立てられる。
【0083】
以下、上述した実施形態と異なる実施形態について説明する。以下の各実施形態の説明においては、各実施形態の説明よりも上段において説明した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。また、各実施形態の説明よりも上段において説明した構成の各部に対応する部分については、同一の名称を付すとともに異なる符号を付して、上述した構成とは異なる点を説明し、上述した構成と同様の点については説明を省略する場合がある。なお、以下の各実施形態において説明を省略した構成としては、矛盾しない範囲内において、各実施形態よりも上段において説明した構成と同様の構成を採用できる。
【0084】
<第2実施形態>
図9に示すように、本実施形態のポンプ200の回転電機210において、導電部材290は、第1部材291と、第2部材92と、を有する。第1部材291は、被支持部291aと、弾性部91bと、第1接続部291cと、を有する。被支持部291aは、径方向に延び、板面が軸方向を向く略長方形板状である。被支持部291aは、環状部51によって下側から支持されている。
【0085】
第1接続部291cは、延伸部291mと、連結部291tと、一対の接触凸部291uと、を有する。延伸部291mは、被支持部291aの径方向外側の端部から下側かつ径方向内側に斜めに延びる略長方形板状である。延伸部291mは、第3絶縁部材250の爪部253の径方向外側に離れて位置する。第3絶縁部材250は、爪部253の基部253aにおける径方向外側面に支持凹部54dが設けられていない点を除いて、第1実施形態の第3絶縁部材50と同様である。
【0086】
連結部291tは、延伸部291mの下側の端部に繋がっている。連結部291tは、板面が径方向を向く板状である。連結部291tは、延伸部291mの下端部よりも周方向の両側に突出している。連結部291tは、爪部253の基部253aの径方向外側面に接触している。これにより、第1部材291は、第3絶縁部材250の径方向外側面に接触している。
【0087】
一対の接触凸部291uは、連結部291tの周方向両側にそれぞれ繋がっている。一対の接触凸部291uは、連結部291tから周方向に延びている。一対の接触凸部291uは、軸方向に見て、径方向外側に凸となる略V字形状に延びる板状である。軸方向に見て略V字形状の一対の接触凸部291uにおける径方向外側の頂部は、第1ハウジング61の内周面に接触している。これにより、第1接続部291cは、第1ハウジング61の内部において第1ハウジング61に電気的に接続されている。したがって、導電部材290によって、基板70のグランドパターン72が金属製の第1ハウジング61と電気的に接続されている。
【0088】
<第3実施形態>
図10および
図11に示すように、本実施形態のポンプ300の回転電機310において、第2ハウジング362は、底部364と、蓋部362aと、筒部362cと、を有する。底部364と蓋部362aと筒部362cとは、互いに別体である。筒部362cは、軸方向両側に開口する筒状である。蓋部362aは、筒部362cの上側に固定され、筒部362cの上側の開口を塞いでいる。蓋部362aと筒部362cとは、第1実施形態の蓋部材62aとほぼ同様の蓋部材を構成している。
図11に示すように、筒部362cは、基板70を下側から支持する基板支持部362jと、基板支持部362jから上側に突出する突起部362kと、を有する。突起部362kは、基板70に設けられた孔に軸方向に通されている。
【0089】
図10に示すように、底部364は、底本体部366と、コイル引出線支持部367と、を有する。底本体部366とコイル引出線支持部367とは、互いに別体である。コイル引出線支持部367は、底本体部366の上側に固定されている。コイル引出線支持部367は、コイル引出線343aが軸方向に通される孔部を有しており、当該孔部に通されたコイル引出線343aを支持している。これにより、底部364は、コイル43から引き出されたコイル引出線343aを支持している。コイル引出線支持部367に支持されたコイル引出線343aは、コイル引出線支持部367よりも上側に突出し、基板70に電気的に接続されている。本実施形態においてコイル引出線支持部367は、2つのコイル引出線343aを支持している。図示は省略するが、コイル引出線支持部367は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
【0090】
底本体部366は、底壁部364mを有する点を除いて、第1実施形態の支持部材64とほぼ同様の構造を有する。底壁部364mは、径方向に広がっている。底壁部364mの径方向外縁部は、第1環状部64aの径方向内縁部に繋がっている。底壁部364mには、底壁部364mを軸方向に貫通する第1貫通孔364kが設けられている。つまり、底部364は、底部364を軸方向に貫通する第1貫通孔364kを有する。
図11に示すように、本実施形態において第1貫通孔364kは、底壁部364mの径方向外縁部に設けられている。第1貫通孔364kは、軸方向に見て、角丸の長方形状である。第1貫通孔364kの周縁部は、上側に突出する枠状部364rとなっている。枠状部364rは、略長方形枠状である。
【0091】
枠状部364rには、弾性保持部368が設けられている。つまり、底部364は、弾性保持部368を有する。本実施形態において弾性保持部368は、枠状部364rのうち径方向内側に位置する部分に設けられている。
図10に示すように、弾性保持部368は、第1延伸部368aと、円弧部368bと、第2延伸部368cと、押え爪部368dと、を有する。第1延伸部368aは、枠状部364rから上側に突出している。円弧部368bは、第1延伸部368aの上側の端部に繋がっている。円弧部368bは、周方向に見て、第1延伸部368aの上側の端部から径方向外側に向かって上側に凸となる半円弧状に延びている。
【0092】
第2延伸部368cは、円弧部368bの径方向外側の端部から下側に延びている。第2延伸部368cは、第1貫通孔364kに軸方向に通されている。これにより、本実施形態では、弾性保持部368の一部が、第1貫通孔364kの内部に位置する。なお、弾性保持部368の全体が第1貫通孔364kの内部に位置してもよい。第2延伸部368cの下側の端部は、第1貫通孔364kから下側に突出している。押え爪部368dは、第2延伸部368cの下側の端部から径方向外側に突出している。押え爪部368dの径方向外側面における下側部分は、上側に向かうに従って径方向外側に位置する傾斜面368eとなっている。
【0093】
弾性保持部368は、弾性変形可能である。本実施形態において弾性保持部368は、径方向に弾性変形可能である。より詳細には、第2延伸部368cが、円弧部368bを支点として、径方向内側に弾性変形可能である。
図11に示すように、弾性保持部368は、周方向に間隔を空けて一対設けられている。
【0094】
図12に示すように、本実施形態において導電部材390は、単一の部材である。そのため、導電部材390が複数の部材で構成される場合に比べて、回転電機310の部品点数を少なくできる。導電部材390は、本体部391と、連結部392と、第1接続部393と、第2接続部394と、を有する。本体部391は、軸方向に延びている。本体部391は、板面が径方向を向く板状である。本体部391には、本体部391を径方向に貫通する貫通孔391aを有する。貫通孔391aは、軸方向に延びている。
【0095】
図10および
図11に示すように、本体部391は、第1貫通孔364kに軸方向に通されている。これにより、導電部材390は、第1貫通孔364kに通されている。本体部391の径方向外側の面は、第1貫通孔364kの内面のうち径方向外側に位置する面に接触している。本体部391の径方向内側の面には、弾性保持部368の押え爪部368dが接触している。これらにより、導電部材390は、弾性保持部368と第1貫通孔364kの内面とに接触している。そのため、導電部材390を弾性保持部368によって第1貫通孔364k内に安定して保持することができる。また、導電部材390の径方向位置を微調整する必要が生じても、弾性保持部368を弾性変形させることで、導電部材390の径方向位置を容易に調整できる。そのため、導電部材390を基板70に接続しやすくできる。本実施形態において弾性保持部368は、弾性変形した状態で導電部材390に接触している。これにより、弾性保持部368によって、導電部材390は、第1貫通孔364kの内面に押し付けられている。したがって、導電部材390を第1貫通孔364k内に、より安定して保持することができる。
【0096】
図12に示すように、連結部392は、本体部391の下端部から延びる板状の部分である。連結部392は、根元部392aと、湾曲部392bと、径方向延伸部392cと、を有する。根元部392aは、本体部391の下側の端部から下側に突出している。湾曲部392bは、周方向に見て、根元部392aの下端部から下側に向かって、径方向内側に凸となる半円弧状に延びている。つまり、本実施形態において導電部材390は、軸方向と交差する方向に凸となる向きに湾曲する湾曲部392bを有する。これにより、導電部材390を軸方向に弾性変形させやすくできる。したがって、第1ハウジング361から導電部材390に加えられた力が導電部材390と基板70との接続部分に伝わりにくくできる。また、導電部材390を弾性変形させることで導電部材390の位置を微調整できるため、導電部材390を組み付けやすくできる。径方向延伸部392cは、湾曲部392bの下側の端部から径方向外側に延びている。径方向延伸部392cは、板面が軸方向を向く略長方形板状である。
【0097】
第1接続部393は、径方向延伸部392cの径方向外側の端部から下側に延びている。第1接続部393は、径方向延伸部392cに繋がる延伸部393aと、延伸部393aの下側の端部に繋がる接続本体部393bと、を有する。接続本体部393bは、軸方向両側に開口する略円筒状である。接続本体部393bの径方向内側の部分には、延伸部393aの下側の端部が繋がっている。接続本体部393bの径方向外側部分には、軸方向に延びるスリット393cが設けられている。スリット393cは、略円筒状の接続本体部393bにおける中心軸を中心とする周方向において、接続本体部393bを分断している。スリット393cが設けられることで、接続本体部393bは、軸方向に見て径方向外側に開口する略C字形状となっている。
【0098】
図10に示すように、第1ハウジング361は、第1ハウジング361の内部に開口する穴部361kを有する。穴部361kは、第1ハウジング本体部361aにおけるステータ収容部361cの径方向内側面に設けられた被接続部361pに設けられている。被接続部361pは、径方向内側に突出している。穴部361kは、被接続部361pの上側の面から下側に窪んでいる。穴部361kは、上側に開口し、下側に底部を有する穴である。穴部361kの上側の開口は、第2環状部364bの下側に間隔を空けて対向して配置されている。
【0099】
穴部361k内には、第1接続部393が圧入されている。そのため、第1接続部393を穴部361k内に圧入により差し込むだけで、第1接続部393を第1ハウジング361に対して固定でき、第1接続部393を容易に第1ハウジング361と電気的に接続できる。本実施形態においては、第1接続部393のうち接続本体部393bが穴部361k内に圧入されている。接続本体部393bはスリット393cによって一部が分断された略円筒状であるため、接続本体部393bを穴部361kに圧入する際に、スリット393cが狭くなる向きに接続本体部393bを弾性変形させやすい。これにより、第1接続部393を穴部361k内に圧入しやすくできる。
【0100】
本実施形態において第2ハウジング362は、導電部材390の一部に上側から接触する接触部364pを有する。そのため、導電部材390を第2ハウジング362によって上側から押さえることができ、第1接続部393が穴部361kから上側に抜けることを抑制できる。また、第2ハウジング362を第1ハウジング361に対して上側から取り付ける際に、第2ハウジング362によって導電部材390を上側から押して、第1接続部393を穴部361k内に押し込むこともできる。
【0101】
本実施形態において接触部364pは、底本体部366における第2環状部364bの下端部である。接触部364pは、導電部材390のうち第1接続部393の上側の端部、すなわち延伸部393aの上側の端部に接触している。つまり、接触部364pは、第1接続部393の上側の端部に接触している。これにより、第2ハウジング362によって第1接続部393を穴部361k内に好適に押さえておくことができる。また、第2ハウジング362によって第1接続部393を穴部361k内に押し込む場合に、第1接続部393に軸方向の力を好適に加えやすく、第1接続部393を穴部361k内に好適に圧入しやすくできる。
【0102】
第2接続部394は、基板70を貫通する複数の接続端子部394cを有する。そのため、基板70のグランドパターン72と第2接続部394とが接続される面積を大きくすることができる。これにより、導電部材390をグランドパターン72に対して好適に電気的に接続しやすくできる。本実施形態において複数の接続端子部394cは、それぞれ基板70に設けられた接地孔部71に軸方向に通されている。各接続端子部394cは、例えば、はんだによって接地孔部71におけるメッキ部71aと電気的に接続されている。
【0103】
図11に示すように、複数の接続端子部394cは、周方向位置が互いに異なる一対の接続端子部394aと、一対の接続端子部394aと径方向位置が異なる接続端子部394bと、を含む。そのため、第2接続部394を基板70に安定して接続することができる。接続端子部394bは、一対の接続端子部394aよりも径方向内側に位置する。接続端子部394bの周方向位置は、一対の接続端子部394aの間における周方向位置である。接続端子部394bは、一対の弾性保持部368の周方向の間の上側に位置する。導電部材390が第1貫通孔364kに下側から差し込まれる際、接続端子部394bは、一対の弾性保持部368同士の間を軸方向に通される。
【0104】
<第4実施形態>
図13および
図14に示すように、本実施形態のポンプ400の回転電機410において、導電部材490は、第3実施形態と同様に、単一の部材である。導電部材490は、本体部491と、連結部492と、第1接続部493と、第2接続部394と、を有する。本体部491は、軸方向に延び、板面が径方向を向く板状である。連結部492は、本体部491の下側の端部から径方向内側に凸となる向きに湾曲する湾曲部492bと、湾曲部492bの下側の端部から径方向外側に延びる径方向延伸部492cと、を有する。
【0105】
第1接続部493は、径方向延伸部492cの径方向外側の端部から径方向内側かつ下側に斜めに延びる略矩形板状である。第1接続部493は、第1ハウジング461の内面にボルト469によって固定されている。そのため、第1接続部493をボルト469の軸力によって強固に第1ハウジング461に固定することができ、第1接続部493を好適に第1ハウジング461に電気的に接続することができる。これにより、第1接続部493と第1ハウジング461とをより好適に導通させることができる。
【0106】
ボルト469は、第1接続部493に設けられた孔に通されて第1ハウジング461に設けられた雌ねじ穴461kに締め込まれている。つまり、第1ハウジング461は、ボルト469が締め込まれる雌ねじ穴461kを有する。雌ねじ穴461kは、第1ハウジング461に設けられた被接続部461pに設けられている。被接続部461pは、第1ハウジング本体部461aにおけるステータ収容部461cの径方向内側面に設けられ、径方向内側に突出している。被接続部461pの上側の面は、上側かつ径方向内側を向いている。雌ねじ穴461kは、被接続部461pの上側の面に開口し、上側かつ径方向内側向きに開口している。これにより、雌ねじ穴461kは、第1ハウジング461の内部に開口している。
【0107】
導電部材490は、導電部材490を貫通する第2貫通孔491aを有する。本実施形態において第2貫通孔491aは、本体部491と湾曲部492bと径方向延伸部492cとに跨って設けられている。第2貫通孔491aは、各部の周方向の中央部に設けられている。第2貫通孔491aが設けられることで、湾曲部492bは、周方向において2つに分断されている。
【0108】
図14に示すように、第2貫通孔491aの一部は、ボルト469が雌ねじ穴461kに締め込まれる方向に見てボルト469と重なっている。そのため、ボルト469を締め込むドライバなどの工具を第2貫通孔491aによって逃がすことができ、工具が導電部材490と接触することを抑制できる。これにより、第1接続部493を第1ハウジング461に固定する作業を行いやすくできる。本実施形態では、第2貫通孔491aのうち湾曲部492bに設けられた部分の径方向内側の端部が、ボルト469が雌ねじ穴461kに締め込まれる方向に見て、ボルト469の頭部の一部と重なっている。
【0109】
<第5実施形態>
図15に示すように、本実施形態のポンプ500の回転電機510において、導電部材590は、固定部596と、第2接続部594と、ケーブル595と、を有する。本実施形態において固定部596は、圧着端子である。固定部596は、圧着部596aと、第1接続部593と、を有する。第1接続部593は、第4実施形態の第1接続部493と同様にして、第1ハウジング461の内面にボルト569によって固定されている。これにより、固定部596は、第1ハウジング461に固定されている。ケーブル595は、固定部596と第2接続部594とを接続している。このように、第1接続部593を有する固定部596と第2接続部594とを接続する部分をケーブル595とすることで、第1接続部593から第2接続部594までの取り回し自由度を向上させることができる。したがって、導電部材590を配置しやすくできる。
【0110】
本実施形態においてケーブル595の一端には、圧着部596aが固定されている。ケーブル595の他端には、第2接続部594が固定されている。第2接続部594は、基板70を軸方向に貫通して、基板70に接続されている。図示は省略するが、第2接続部594は、例えば、はんだなどによって基板70に電気的に接続され、基板70のグランドパターン72と電気的に接続されている。
【0111】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。導電部材は、第1ハウジングの内部において第1ハウジングに電気的に接続された第1接続部と、基板のグランドパターンに電気的に接続された第2接続部と、を有するならば、どのような形状であってもよい。導電部材は、3つ以上の部材で構成されてもよい。第1接続部と第1ハウジングとの接続方法、および第2接続部とグランドパターンとの接続方法は、特に限定されない。導電部材が、第1部材と第2部材とを有する場合、第2部材が軸方向に弾性変形可能な弾性部を有してもよいし、第1部材と第2部材との両方が弾性部を有してもよい。
【0112】
基板を軸方向他方側(下側)から支持する支持部材は、第3実施形態の底部364のように第1ハウジングの内部と第2ハウジングの内部とを仕切る底壁部を有する形状であってもよいし、第1実施形態の支持部材64のように環状であってもよい。導電部材の第1部材を軸方向他方側から支持し、かつ、径方向外側面に第1部材が接触する絶縁部材は、ステータのインシュレータを構成する部材であってもよい。つまり、上述した第1実施形態において、第3絶縁部材50の代わりに、第1絶縁部材44によって第1部材91が下側から支持されてもよいし、第1部材91が第1絶縁部材44の径方向外側面に接触してもよい。基板は、グランドパターンを有しているならば、どのような構造の基板であってもよい。
【0113】
本発明が適用される回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、ポンプ以外の機器に搭載されてもよい。ポンプの用途は、特に限定されず、車両以外の機器に搭載されてもよい。
【0114】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータと隙間を介して対向するステータと、前記ステータに電気的に接続された基板と、軸方向一方側に開口し、前記ステータを内部に収容する金属製の第1ハウジングと、前記第1ハウジングの軸方向一方側に固定され、前記基板を内部に収容し、かつ、絶縁性を有する第2ハウジングと、前記基板と前記第1ハウジングとを電気的に接続する導電部材と、を備え、前記基板は、グランドパターンを有し、前記導電部材は、前記第1ハウジングの内部において前記第1ハウジングに電気的に接続された第1接続部と、前記グランドパターンに電気的に接続された第2接続部と、を有する。
(2) 前記第1ハウジングは、前記ステータを内部に収容する第1ハウジング本体部と、前記第1ハウジング本体部から径方向外側に突出する取付部と、を有する、(1)に記載の回転電機。
(3) 前記第2ハウジングは、前記基板と前記ステータとの軸方向の間に位置する底部を有し、前記底部は、前記ステータのコイルから引き出されたコイル引出線または前記コイル引出線に電気的に接続された端子部材を支持し、前記導電部材は、前記底部を軸方向に貫通している、(1)または(2)に記載の回転電機。
(4) 前記底部は、前記底部を軸方向に貫通し前記導電部材が通される第1貫通孔と、少なくとも一部が前記第1貫通孔の内部に位置し、弾性変形可能な弾性保持部と、を有し、前記導電部材は、前記弾性保持部と前記第1貫通孔の内面とに接触している、(3)に記載の回転電機。
(5) 前記導電部材は、前記第1接続部を有する第1部材と、前記第2接続部を有し、前記第1部材と軸方向に接触する第2部材と、を有する、(1)から(4)のいずれか一項に記載の回転電機。
(6) 前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方は、軸方向に弾性変形可能な弾性部を有し、前記第1部材と前記第2部材とは、前記弾性部を介して互いに接触している、(5)に記載の回転電機。
(7) 前記第2ハウジングは、前記基板を軸方向他方側から支持する支持部材と、前記基板を軸方向一方側から覆う蓋部材と、を有し、前記第2部材は、前記支持部材を軸方向に貫通し、前記支持部材に保持されている、(6)に記載の回転電機。
(8) 前記ステータにおけるステータコアの軸方向一方側に位置する絶縁部材を備え、前記絶縁部材は、前記第1ハウジングの内部に位置し、前記絶縁部材と前記第1ハウジングとの径方向の間には、隙間が設けられ、前記第1部材は、前記絶縁部材に軸方向他方側から支持され、かつ、前記絶縁部材の径方向外側面に接触し、前記第1接続部は、径方向に弾性変形可能であり、前記絶縁部材の径方向外側面と前記第1ハウジングの径方向内側面との径方向の間に位置し、かつ、前記第1ハウジングの径方向内側面に接触している、(6)または(7)に記載の回転電機。
(9) 前記第1部材は、前記絶縁部材に軸方向および径方向に接触する被支持部と、前記被支持部の径方向内側の端部から軸方向一方側に突出する前記弾性部と、前記被支持部の径方向外側の端部から軸方向一方側に突出する突出部と、を有する、(8)に記載の回転電機。
(10) 前記絶縁部材の軸方向一方側の面には、径方向に延び、径方向外側に開口する溝が設けられ、前記被支持部の少なくとも一部は、前記溝に嵌め込まれている、(9)に記載の回転電機。
(11) 前記導電部材は、単一の部材である、(1)から(4)のいずれか一項に記載の回転電機。
(12) 前記導電部材は、前記第1接続部を有し、前記第1ハウジングに固定された固定部と、前記固定部と前記第2接続部とを接続するケーブルと、を有する、(1)から(4)のいずれか一項に記載の回転電機。
(13) 前記第1ハウジングは、前記第1ハウジングの内部に開口する穴部を有し、前記第1接続部は、前記穴部内に圧入されている、(1)から(7)のいずれか一項に記載の回転電機。
(14) 前記穴部は、軸方向一方側に開口し、前記第2ハウジングは、前記導電部材の一部に軸方向一方側から接触する接触部を有する、(13)に記載の回転電機。
(15) 前記第1接続部は、前記第1ハウジングの内面にボルトによって固定されている、(1)から(7)のいずれか一項に記載の回転電機。
(16) 前記第1ハウジングは、前記第1ハウジングの内部に開口し前記ボルトが締め込まれる雌ねじ穴を有し、前記導電部材は、前記導電部材を貫通する第2貫通孔を有し、
前記第2貫通孔の一部は、前記ボルトが前記雌ねじ穴に締め込まれる方向に見て前記ボルトと重なっている、(15)に記載の回転電機。
(17) 前記導電部材は、軸方向と交差する方向に凸となる向きに湾曲する湾曲部を有する、(1)から(16)のいずれか一項に記載の回転電機。
(18) 前記第2接続部は、前記基板を貫通する複数の接続端子部を有する、(1)から(17)のいずれか一項に記載の回転電機。
(19) 前記複数の接続端子部は、周方向位置が互いに異なる一対の接続端子部と、前記一対の接続端子部と径方向位置が異なる接続端子部と、を含む、(18)に記載の回転電機。
(20) (1)から(19)のいずれか一項に記載の回転電機と、
前記回転電機に接続されたポンプ機構と、
を備える、ポンプ。
【0115】
以上、本明細書において説明した構成および方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0116】
10,210,310,410,510…回転電機、20…ポンプ機構、30…ロータ、40…ステータ、41…ステータコア、43…コイル、43a,343a…コイル引出線、50…第3絶縁部材(絶縁部材)、54a…溝、60…ハウジング、61,361,461…第1ハウジング、61a,361a,461a…第1ハウジング本体部、61b…取付部、62,362…第2ハウジング、62a…蓋部材、64…支持部材(底部)、70…基板、72…グランドパターン、81…端子部材、90,290,390,490,590…導電部材、91,291…第1部材、91a,291a…被支持部、91b…弾性部、91c,291c,393,493,593…第1接続部、91d…突出部、91i,392b,492b…湾曲部、92…第2部材、92c,394,594…第2接続部、100,200,300,400,500…ポンプ、361k…穴部、362a…蓋部、364…底部、364k…第1貫通孔、364p…接触部、368…弾性保持部、391a…貫通孔、394a,394b,394c…接続端子部、461k…雌ねじ穴、469,569…ボルト、491a…第2貫通孔、595…ケーブル、596…固定部、J…中心軸線