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特開2024-90653半導体装置および半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090653
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/872 20060101AFI20240627BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20240627BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H01L29/86 301F
H01L29/86 301D
H01L29/48 F
H01L29/48 D
H01L29/44 S
H01L29/48 M
H01L29/86 301M
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206685
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐川 啓
(72)【発明者】
【氏名】岡本 國美
【テーマコード(参考)】
4M104
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA10
4M104BB05
4M104BB14
4M104BB36
4M104CC01
4M104CC03
4M104DD24
4M104DD37
4M104EE02
4M104EE15
4M104EE17
4M104FF02
4M104FF22
4M104FF27
4M104GG03
4M104GG18
4M104HH16
(57)【要約】
【課題】ドリフト層として酸化ガリウム系半導体を有し、安価でかつオン抵抗を低減できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置1は、第1主面(3a)とその反対側の第2主面(3b)とを有するSi基板(3)と、第1主面上に配置され、酸化ガリウム系半導体層からなり、n型不純物がドープされた第1ドリフト層(41)と、第1ドリフト層におけるSi基板側とは反対側の表面に形成され、酸化ガリウム系半導体層からなり、n型不純物がドープされ、第1ドリフト層よりも低いn型不純物濃度を有する第2ドリフト層(42)と、第2主面(3b)から第1主面(3a)に向かって掘り下げられることによって形成され、第1ドリフト層に達する単一の平面視円形のトレンチ(5)とを含み、第1ドリフト層のn型不純物濃度が、1×1017.6cm-3以上である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面とその反対側の第2主面とを有するSi基板と、
前記第1主面上に配置され、酸化ガリウム系半導体層からなり、n型不純物がドープされた第1ドリフト層と、
前記第1ドリフト層における前記Si基板側とは反対側の表面に形成され、酸化ガリウム系半導体層からなり、n型不純物がドープされ、前記第1ドリフト層よりも低いn型不純物濃度を有する第2ドリフト層と、
前記第2主面から前記第1主面に向かって掘り下げられることによって形成され、前記Si基板を貫通して前記第1ドリフト層に達する単一の平面視円形のトレンチと、
前記トレンチの側面および底面に形成され、前記第1ドリフト層とオーミック接触する第1電極と、
前記第2ドリフト層における前記第1ドリフト層側とは反対側の表面にショットキー接触する第2電極を含み、
前記第1ドリフト層のn型不純物濃度が、1×1017.6cm-3以上である、半導体装置。
【請求項2】
前記第1ドリフト層のn型不純物濃度が、1×1018cm-3以上である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ドリフト層のn型不純物濃度が、1×1018.4cm-3以上である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2ドリフト層のn型不純物の濃度が、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記n型不純物が、シリコン(Si)またはスズ(Sn)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1主面は、前記Si基板の(111)面である、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記Si基板、前記第1ドリフト層および前記第2ドリフト層を含むチップの平面視形状が正方形状であり、
前記トレンチの直径が50μm以上であり、
前記チップの平面視形状の一辺の長さが、前記トレンチの直径の1.3倍以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記トレンチの直径が60μm以上140μm以下であり、前記チップの平面視形状の一辺の長さが110μm以上190μm以下である、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記酸化ガリウム系半導体層が、(Inx1Ga1-x1(0≦x1<1)層または(Alx2Ga1-x2(0≦x2<1)層からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1ドリフト層の膜厚が0.1μm以上3μm以下であり、
前記第2ドリフト層の膜厚が1μm以上30μm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1電極は、前記トレンチの側面および底面に形成され、前記第1ドリフト層とオーミック接触する第1オーミックメタルと、前記第1オーミックメタルに積層された第1電極メタルとを含み、
前記第2電極は、前記第2ドリフト層における前記第1ドリフト層側とは反対側の表面にショットキー接触する第2ショットキーメタルと、前記第2ショットキーメタルに積層された第2電極メタルとを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体装置のオン抵抗が5.0Ω・cm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記半導体装置のオン抵抗が4.5Ω・cm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体装置のオン抵抗が4.2Ω・cm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
第1主面およびその反対側の第2主面を有するSi基板の前記第1主面に、n型不純物がドープされた第1ドリフト層を形成する工程と、
前記第1ドリフト層における前記Si基板側とは反対側の表面に、n型不純物がドープされ、前記第1ドリフト層よりも低いn型不純物濃度を有する第2ドリフト層を形成する工程と、
前記第2主面から前記第1主面に向かって掘り下げることにより、前記Si基板を貫通して前記第1ドリフト層に達する単一の平面視円形のトレンチを形成する工程と、
前記トレンチの側面および底面に、前記ドリフト層にオーミック接触する第1電極を形成する工程と、
前記第2ドリフト層における前記第1ドリフト層側とは反対側の表面にショットキー接触する第2電極を形成する工程とを含み、
前記第1ドリフト層のn型不純物の濃度が、1×1017.6cm-3以上である、半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記半導体装置のオン抵抗が5.0Ω・cm以下となるように、前記第1ドリフト層のn型不純物濃度が設定されている、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記半導体装置のオン抵抗が4.5Ω・cm以下となるように、前記第1ドリフト層のn型不純物濃度が設定されている、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記半導体装置のオン抵抗が4.2Ω・cm以下となるように、前記第1ドリフト層のn型不純物濃度が設定されている、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ショットキーバリアダイオード(Schottky Barrier Diode)等の半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、酸化ガリウム(Ga)を用いたショットキーバリアダイオードが開示されている。特許文献1に記載のショットキーバリアダイオードは、酸化ガリウムからなる半導体基板と、半導体基板上に形成された酸化ガリウムからなるドリフト層と、ドリフト層とショットキー接触するアノード電極と、半導体基板とオーミック接触するカソード電極とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-179815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のショットキーバリアダイオードは、半導体基板として、比較的高価な酸化ガリウム基板が用いられているため、コストが高くなるという問題がある。
【0005】
そこで、安価なSi基板を、酸化ガリウム基板に代えて用いようとすると、酸化ガリウムからなるドリフト層とSi基板とのバンドギヤップの違いにより、オン抵抗が大きくなるという問題がある。
【0006】
本開示の一実施形態の目的は、ドリフト層として酸化ガリウム系半導体を有し、安価でかつオン抵抗を低減できる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態は、第1主面とその反対側の第2主面とを有するSi基板と、前記第1主面上に配置され、酸化ガリウム系半導体層からなり、n型不純物がドープされた第1ドリフト層と、前記第1ドリフト層における前記Si基板側とは反対側の表面に形成され、酸化ガリウム系半導体層からなり、n型不純物がドープされ、前記第1ドリフト層よりも低いn型不純物濃度を有する第2ドリフト層と、前記第2主面から前記第1主面に向かって掘り下げられることによって形成され、前記Si基板を貫通して前記第1ドリフト層に達する単一の平面視円形のトレンチと、前記トレンチの側面および底面に形成され、前記第1ドリフト層とオーミック接触する第1電極と、前記第2ドリフト層における前記第1ドリフト層側とは反対側の表面にショットキー接触する第2電極を含み、前記第1ドリフト層のn型不純物濃度が、1×1017.6cm-3以上である、半導体装置を提供する。
【0008】
この構成では、安価でかつオン抵抗を低減できる半導体装置が得られる。
【0009】
本開示の一実施形態は、第1主面およびその反対側の第2主面を有するSi基板の前記第1主面に、n型不純物がドープされた第1ドリフト層を形成する工程と、前記第1ドリフト層における前記Si基板側とは反対側の表面に、n型不純物がドープされ、前記第1ドリフト層よりも低いn型不純物濃度を有する第2ドリフト層を形成する工程と、前記第2主面から前記第1主面に向かって掘り下げることにより、前記Si基板を貫通して前記第1ドリフト層に達する単一の平面視円形のトレンチを形成する工程と、前記トレンチの側面および底面に、前記第1ドリフト層にオーミック接触する第1電極を形成する工程と、前記第2ドリフト層における前記第1ドリフト層側とは反対側の表面にショットキー接触する第2電極を形成する工程とを含み、前記第1ドリフト層のn型不純物の濃度が、1×1017.6cm-3以上である、半導体装置の製造方法を提供する。
【0010】
この製造方法では、安価でかつオン抵抗を低減できる半導体装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、この発明の第1実施形態に係る半導体装置の構成を説明するための図解的な平面図である。
図2図2は、図2のII-II線に沿う図解的な断面図である。
図3A図3Aは、図1および図2に示す半導体装置の製造工程の一部を示す断面図であって、図2の切断面に対応する断面図である。
図3B図3Bは、図3Aの次の工程を示す断面図である。
図3C図3Cは、図3Bの次の工程を示す断面図である。
図3D図3Dは、図3Cの次の工程を示す断面図である。
図3E図3Eは、図3Dの次の工程を示す断面図である。
図3F図3Fは、図3Eの次の工程を示す断面図である。
図3G図3Gは、図3Fの次の工程を示す断面図である。
図4図4は、シミュレーションモデルの構成を説明するための断面図であり、図2の断面図に対応する断面図である。
図5図5は、各パラメータおよび各パラメータと他のパラメータの相互作用がオン抵抗に影響に与える度合い[%]を示す表である。
図6図6は、L_gaoとL_trenchとの差(L_gao-L_trench)が等しく、L_gaoおよびL_trenchが異なる5つのシミュレーション条件S1~S5を説明するための表である。
図7図7は、シミュレーション結果を示す表である。
図8図8は、シミュレーション結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明の第1実施形態に係る半導体装置の構成を説明するための図解的な平面図である。図2は、図1のII-II線に沿う図解的な断面図である。
【0014】
半導体装置1は、ショットキーバリアダイオードである。半導体装置1は、平面視四角形状のチップ2を含む。平面視におけるチップ2の四辺のそれぞれの長さは、たとえば、75μm~500μm程度である。この実施形態では、平面視におけるチップ2の四辺のそれぞれの長さは、150μmである。
【0015】
チップ2は、第1主面3aおよびその反対側の第2主面3bを有しかつSi(シリコン)を主材料とするSi基板(シリコン基板)3を含む。また、チップ2は、Si基板3の第1主面3aに形成されたドリフト層4を含む。ドリフト層4は、酸化ガリウム(Ga)系半導体層からなる。
【0016】
Si基板3には、n型不純物がドープされている。n型不純物としては、リン(P)等が用いられる。Si基板3内のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3~1×1021cm-3程度であってもよい。この実施形態では、Si基板3内のn型不純物濃度は、2×1018cm-3である。Si基板3の主面(第1主面3aおよび第2主面3b)は、(111)面である。Si基板3の厚さは、例えば、50μm~700μm程度である。この実施形態では、Si基板3の厚さは、200μmである。
【0017】
ドリフト層4は、Si基板3の第1主面3aに形成された第1ドリフト層41と、第1ドリフト層41におけるSi基板3側とは反対側の表面に形成された第2ドリフト層42を含む。第1ドリフト層41は、第1主面41aおよびその反対側の第2主面42bを有しする。第2ドリフト層42は、第1主面42aおよび第2主面42bを有する。
【0018】
第1ドリフト層41の第2主面41bがSi基板3の第1主面3aに接触しており、第1ドリフト層41の第1主面41aが第2ドリフト層42の第2主面42bに接触している。
【0019】
第1ドリフト層41および第2ドリフト層42は(Inx1Ga1-x(0≦x1<1)層、(Alx2Ga1-x2(0≦x2<1)層等の酸化ガリウム系半導体層からなる。この実施形態では、第1ドリフト層41および第2ドリフト層42は、n型不純物を含む酸化ガリウム(Ga)層からなる。この明細書において、Gaは、β-Gaである。n型不純物としては、シリコン(Si)、スズ(Sn)等が用いられる。この実施形態では、n型不純物は、シリコン(Si)である。
【0020】
第1ドリフト層41の厚さは、例えば、0.1μm~3μm程度である。この実施形態では、第1ドリフト層41の厚さは、0.5μmである。第1ドリフト層41のn型不純物濃度は、第2ドリフト層42のn型不純物濃度よりも高く、電流拡散層として機能する。第1ドリフト層41のn型不純物濃度は、1×1017.6cm-3以上に設定されている。第1ドリフト層41のn型不純物濃度は、1×1018cm-3以上であることがより好ましい。第1ドリフト層41のn型不純物濃度は、1×1018.4cm-3以上であることがさらに好ましい。この実施形態では、第1ドリフト層41のn型不純物濃度は、1×1018.4cm-3である。
【0021】
第2ドリフト層42の厚さは、例えば、1μm~30μm程度である。この実施形態では、第2ドリフト層42の厚さは、8.5μm程度である。第2ドリフト層42のn型不純物濃度は、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下であることが好ましい。この実施形態では、第2ドリフト層42のn型不純物濃度は、1×1016cm-3である。
【0022】
Si基板3には、Si基板3の第2主面3bの中央部から第1ドリフト層41の第2主面41bに向かって掘り下げられることによって形成され、Si基板3を貫通して第1ドリフト層41の第2主面41bに達する単一のトレンチ5が形成されている。トレンチ5は、Si基板3の第1主面3aからSi基板3の第2主面3bまでの抵抗率を低減するために形成されている。この実施形態では、トレンチ5の底面は、第1ドリフト層41の第2主面41bによって形成されている。
【0023】
この実施形態では、トレンチ5の横断面形状は、円形状である。この実施形態では、平面視において、トレンチ5の中心は、Si基板3の第1主面3aの中心と一致している。トレンチ5の直径は、例えば、50μm~150μm程度である。この実施形態では、トレンチ5の直径は、100μmである。
【0024】
トレンチ5の内面(底面および側面)の全域およびSi基板3の第2主面3bの全域には、第1ドリフト層41の第2主面41bとオーミック接触するオーミックメタル7が形成されている。オーミックメタル7は、n型の酸化ガリウム系半導体とオーミック接触する金属(例えば、チタン(Ti)、インジウム(In)など)からなる。この実施形態では、オーミックメタル7は、チタン(Ti)からなる。オーミックメタル7の厚さは、例えば、0.3nm~300nm程度である。
【0025】
また、トレンチ5内には、オーミックメタル7に包囲された状態で電極メタル8が埋め込まれている。電極メタル8は、銅(Cu)、金(Au)等からなる。この実施形態では、電極メタル8は、銅(Cu)からなる。電極メタル8は、トレンチ5内の埋め込み部8Aと、トレンチ5外においてトレンチ5の開口端からSi基板3の第2主面3bに沿って引き出された引出し部8Bとを含む。引出し部8Bは、トレンチ5から引き出されており、Si基板3の第2主面3b全体を覆っている。電極メタル8の裏面(引出し部8Bの裏面)は、全体にわたって平坦状に形成されている。
【0026】
なお、電極メタル8はトレンチ5内に完全に埋め込まれていなくてもよい。その場合には、電極メタル8の裏面は、平坦になっていなくてもよい。
【0027】
オーミックメタル7と電極メタル8とによって、カソード電極(第1電極)6が構成されている。つまり、カソード電極6は、この実施形態では、Si基板3に接合されたオーミックメタル7と、このオーミックメタル7に積層された電極メタル8との多層構造(この実施形態では2層構造)を有している。
【0028】
第1ドリフト層41の第2主面41bにおけるトレンチ5の底面に相当する領域は、カソード電極6のオーミックメタル7によって覆われている。言い換えれば、第1ドリフト層41の第2主面41bにおけるトレンチ5の底面に相当する領域は、オーミックメタル7(カソード電極6)に接触している。第1ドリフト層41の第2主面41bにおけるそれ以外の領域(平面視でトレンチ5が形成されていない領域)は、Si基板3の第1主面3aに接触している。
【0029】
第2ドリフト層42の第1主面42aには、シリコンナイトライド(SiN)からなるフィールド絶縁膜11が積層されている。フィールド絶縁膜11の厚さは、例えば、100nm以上、好ましくは、700nm~4000nm程度である。フィールド絶縁膜11は、酸化シリコン(SiO)など、シリコンナイトライド以外の絶縁物であってもよい。
【0030】
フィールド絶縁膜11には、第2ドリフト層42の第1主面42aの中央部を露出させる開口12が形成されている。この実施形態では、開口12は、平面視で、トレンチ5と同心の円形状である。また、この実施形態では、開口12の直径は、80μm程度である。フィールド絶縁膜11上には、アノード電極(第2電極)14が形成されている。
【0031】
アノード電極14は、フィールド絶縁膜11の開口12内を埋め尽くし、フィールド絶縁膜11における開口12の周縁部を上から覆うように、当該開口12の外方へフランジ状に張り出している。すなわち、フィールド絶縁膜11における開口12の周縁部は、第2ドリフト層42およびアノード電極14により、全周にわたってその上下両側から挟まれている。この実施形態では、アノード電極14は、平面視で円形状である。また、この実施形態では、アノード電極14の直径は、800μmである。
【0032】
アノード電極14は、この実施形態では、フィールド絶縁膜11の開口12内で第2ドリフト層42に接合されたショットキーメタル15と、このショットキーメタル15に積層された電極メタル16との多層構造(この実施形態では2層構造)を有している。
【0033】
ショットキーメタル15は、酸化ガリウム系半導体層との接合によりショットキー接合を形成する金属からなる。この実施形態では、ショットキーメタル15は、ニッケル(Ni)からなる。第2ドリフト層42に接合されるショットキーメタル15は、第2ドリフト層42を構成する酸化ガリウム系半導体層との間に、ショットキーバリア(電位障壁)を形成する。ショットキーメタル15の厚さは、この実施形態では、例えば、0.02μm~0.20μm程度である。
【0034】
電極メタル16は、アノード電極14において、半導体装置1の最表面に露出して、ボンディングワイヤなどが接合される部分である。電極メタル16は、銅(Cu)、金(Au)等からなる。この実施形態では、電極メタル16は、銅(Cu)からなる。電極メタル16の厚さは、この実施形態では、ショットキーメタル15の厚さよりも大きく、例えば、0.5μm~5.0μm程度である。
【0035】
なお、第2ドリフト層42の表面のうち、第2ドリフト層42の表面にショットキーメタル15がショットキー接触している領域は活性領域と呼ばれ、活性領域を取り囲んでいる領域は外周領域と呼ばれることがある。
【0036】
図3A図3Gは、半導体装置1の製造工程の一例を示す断面図であって、図2の切断面に対応する断面図である。
【0037】
Si基板3の元基板としてのn型シリコンウエハ(図示略)が用意される。シリコンウエハの表面には、複数の半導体装置(ショットキーバリアダイオード)1に対応した複数の素子領域(ショットキーバリアダイオード領域)が、マトリクス状に配列されて設定されている。隣接する素子領域の間には、境界領域(スクライブライン)が設けられている。境界領域は、ほぼ一定の幅を有する帯状の領域であり、直交する二方向に延びて格子状に形成されている。シリコンウエハに対して必要な工程を行った後に、境界領域に沿ってシリコンウエハを切り離すことにより、複数の半導体装置1が得られる。 まず、図3Aに示すように、例えばハイドライド気相成長法(HVPE: Hydride Vapor Epitaxy)によって、n型Si基板(n型シリコンウエハ)3の第1主面3aに、n型不純物がドープされた酸化ガリウム(Ga)からなる第1ドリフト層41および第1ドリフト層41よりもn型不純物濃度が低い第2ドリフト層42が順次形成される。
【0038】
次に、図3Bに示すように、第2ドリフト層42の第1主面42aにシリコンナイトライド(SiN)からなるフィールド絶縁膜11が形成される。
【0039】
次に、図3Cに示すように、フォトリソグラフィによって作成された図示しないレジストパターンをマスクとしてフィールド絶縁膜11がエッチングされることにより、第2ドリフト層42の第1主面42aの中央部(活性領域)を露出させる開口12が形成される。
【0040】
次に、図3Dに示すように、例えばスパッタ法により、第2ドリフト層42およびフィールド絶縁膜11の表面にショットキーメタル15の材料膜21が形成される。材料膜21は、例えばニッケル(Ni)層である。この後、例えば蒸着法により材料膜21上に銅メッキシード層が形成された後、メッキ法により銅メッキシード層上に銅(Cu)が成膜される。これにより、材料膜21上に、電極メタル16の材料膜22が形成される。
【0041】
次に、図3Eに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングによって材料膜22がパターニングされることにより、電極メタル16が形成される。続いて、材料膜21がパターニングされることにより、ショットキーメタル15が形成される。ショットキーメタル15は、開口12内の第2ドリフト層42の第1主面42aの全域を覆うように形成される。これにより、ショットキーメタル15および電極メタル16からなるアノード電極14が形成される。
【0042】
次に、図3Fに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングによって、Si基板3に、Si基板3の第2主面3bから第1ドリフト層41の第2主面41bに達するトレンチ5が形成される。
【0043】
次に、図3Gに示すように、例えばスパッタ法によってトレンチ5の内面およびSi基板3の第2主面3bにチタン(Ti)層が形成されることにより、オーミックメタル7が形成される。
【0044】
最後に、例えば蒸着法によりオーミックメタル7上に銅メッキシード層が形成された後、メッキ法により銅メッキシード層上に銅(Cu)が成膜される。これにより、トレンチ5内に電極メタル8の材料である銅(Cu)が埋め込まれる。これにより、埋め込み部8Aおよび引出し部8Bからなる電極メタル8が形成される。これにより、オーミックメタル7と電極メタル8とからなるカソード電極6が形成され、図1および図2に示されるような半導体装置1が得られる。
【0045】
前述の実施形態に係る半導体装置1では、Si基板3の第1主面3aに、酸化ガリウム系のドリフト層4(第1ドリフト層41および第2ドリフト層42)が形成されている。Si基板3は、サファイア基板や酸化ガリウム基板に比べて、安価なため、安価な半導体装置(ショットキーバリアダイオード)1を得ることができる。
【0046】
また、前述の実施形態に係る半導体装置1では、Si基板3を貫通するトレンチ5が形成されており、トレンチ5内に、Si基板3よりも低抵抗の金属(オーミックメタル7および電極メタル8)が設けられている。これにより、Si基板3の第1主面3aから第2主面3bまでの抵抗率を低減することができる。言い換えれば、前述の実施形態に係る半導体装置1では、Si基板3の一部が除去され、その除去部にシリコンよりも低抵抗の金属が設けられているので、Si基板3の第1主面3aから第2主面3bまでの抵抗率を低減することができる。そのため、半導体装置1の低抵抗化を達成することができる。
【0047】
また、前述の実施形態に係る半導体装置1では、第1ドリフト層41のn型不純物濃度が、1×1017.6cm-3以上に設定されているので、ドリフト層4の抵抗を小さくすることができる。これにより、半導体装置1のオン抵抗を低減することができる。以下、この点について、説明する。
【0048】
まず、シミュレーションモデルを用いて、オン抵抗への影響が大きいパラメータを特定した。
【0049】
図4は、シミュレーションモデル101の構成を説明するための断面図であり、図2の断面図に対応する断面図である。図4において、図2の各部に対応する部分には、図2と同じ符号を付して示す。
【0050】
シミュレーションモデル101では、本実施形態の半導体装置1とほぼ同様な構成を有している。ただし、シミュレーションモデル101では、フィールド絶縁膜11は設けられておらず、第2ドリフト層42の第1主面42aの全面にアノード電極14が設けられている。なお、チップ2の平面形状は正方形であり、トレンチ5の横断面形状は円形である。
【0051】
図4に示されている各パラメータの定義は以下の通りである。
【0052】
L_gao:チップ2の一辺の長さ[μm]
L_trench:トレンチ5の直径[μm]
D_wafer:Si基板3の膜厚[μm]
D_gao1:第1ドリフト層41の膜厚[μm]
D_gao2:第2ドリフト層42の膜厚[μm]
C_wafer:Si基板3のn型不純物濃度[cm-3
C_gao1:第1ドリフト層41のn型不純物濃度[cm-3
D_gao2:第2ドリフト層42のn型不純物濃度[cm-3
これらのパラメータのうち、D_wafer、D_gao2、C_waferおよびC_gao2の4つのパラメータを固定値とし、L_gao、L_trench、D_gao1およびC_gao1の4つのパラメータを可変パラメータとした。そして、40個の異なるシミュレーション条件をランダムに生成して、各シミュレーション条件についてオン抵抗を算出した。
【0053】
ただし、D_wafer=1μm、D_gao2=8.5μm、C_wafer=2×1018cm-3、D_gao2=1×1016cm-3とした。
【0054】
また、L_gaoの範囲を75μm~500μm、L_trenchの範囲を50μm~333μm、D_gao1の範囲を0.1μm~3μm、C_gao1の範囲を1×1016cm-3~1×1019cm-3とした。さらに、L_gao/L_trench>1.3とした。L_gao/L_trenchは、L_trenchに対するL_gaoの比である。
【0055】
オン抵抗のシミュレーション結果に基づいて、機械学習により各パラメータがオン抵抗に影響に与える度合いを数値化した。また、各パラメータと他のパラメータの相互作用も考慮した。
【0056】
図5は、各パラメータおよび各パラメータと他のパラメータの相互作用がオン抵抗に影響に与える度合い[%]を示す表である。
【0057】
図5において、L_Siは、L_gaoとL_trenchとの差(L_gao-L_trench)を表している。
【0058】
図5において、行の項目と列の項目とが同じであるセルの数値は、当該項目単体がオン抵抗に影響に与える度合い[%]を示している。例えば、行の項目がL_Siで列の項目がL_Siであるセルの数値45.4は、L_Si単体がオン抵抗に影響に与える度合い[%]を示している。
【0059】
また、例えば、行の項目がC_gao1で列の項目がC_gao1であるセルの数値40.4は、C_gao1単体がオン抵抗に影響に与える度合い[%]を示している。
【0060】
図5において、行の項目と列の項目とが異なるセルの数値は、当該2つの項目の相互作用がオン抵抗に影響に与える度合い[%]を示している。例えば、行の項目がC_gao1で列の項目がL_Siであるセルの数値14.4は、C_gao1とL_Siの相互作用がオン抵抗に影響に与える度合い[%]を示している。
【0061】
図5から、L_gaoとL_trenchとの差(L_Si=L_gao-L_trench)と、C_gao1とが、オン抵抗に大きな影響を与えることがわかる。
【0062】
そこで、図6に示すように、L_gaoとL_trenchとの差(L_gao-L_trench)が等しく、L_gaoおよびL_trenchが異なる5つのシミュレーション条件S1~S5それぞれについて、C_gao1(第1ドリフト層41のn型不純物濃度)を変化させてオン抵抗をシミュレーションした。
【0063】
ただし、D_wafer=1μm、D_gao1=0.5μm、D_gao2=8.5μm、C_wafer=2×1018cm-3、D_gao2=1×1016cm-3とした。
【0064】
なお、シミュレーションモデル101では、Si基板3の膜厚D_waferを1μmに設定しているが、Si基板3の膜厚D_waferは、オン抵抗(ドリフト層4の抵抗)にほとんど影響しないので、1μmよりも厚くてもよい。例えば、シミュレーションモデル101のSi基板3の膜厚D_waferは、200μmであってもよい。
【0065】
なお、5つのシミュレーション条件S1~S5では、L_gaoとL_trenchとの差(L_gao-L_trench)は50μmであり、L_gao/L_trenchは1.3よりも大きい。
【0066】
図7は、シミュレーション結果を示す表である。図8は、シミュレーション結果を示すグラフである。
【0067】
図7および図8のシミュレーション結果から、C_gao1が1×1017.6cm-3以上であれば、オン抵抗Ronが5Ω・cmよりも小さくなることがわかる。また、C_gao1が1×1018cm-3以上であれば、オン抵抗Ronが4.5Ω・cmよりも小さくなることがわかる。また、C_gao1が1×1018.4cm-3以上であれば、オン抵抗Ronが4.2Ω・cmよりも小さくなることがわかる。
【0068】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本開示の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本開示はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本開示の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
【0069】
この明細書および図面の記載から以下に付記する特徴が抽出され得る。
【0070】
[付記1-1]
第1主面(3a)とその反対側の第2主面(3b)とを有するSi基板(3)と、
前記第1主面上に配置され、酸化ガリウム系半導体層からなり、n型不純物がドープされた第1ドリフト層(41)と、
前記第1ドリフト層(41)における前記Si基板側とは反対側の表面に形成され、酸化ガリウム系半導体層からなり、n型不純物がドープされ、前記第1ドリフト層(41)よりも低いn型不純物濃度を有する第2ドリフト層(42)と、
前記第2主面(3b)から前記第1主面(3a)に向かって掘り下げられることによって形成され、前記Si基板(3)を貫通して前記第1ドリフト層(41)に達する単一の平面視円形のトレンチ(5)と、
前記トレンチ(5)の側面および底面に形成され、前記第1ドリフト層(41)とオーミック接触する第1電極(6)と、
前記第2ドリフト層(42)における前記第1ドリフト層側とは反対側の表面にショットキー接触する第2電極(14)とを含み、
前記第1ドリフト層(41)のn型不純物濃度が、1×1017.6cm-3以上である、半導体装置(1)。
【0071】
[付記1-2]
前記第1ドリフト層(41)のn型不純物濃度が、1×1018cm-3以上である、[付記1-1]に記載の半導体装置。
【0072】
[付記1-3]
前記第1ドリフト層(41)のn型不純物濃度が、1×1018.4cm-3以上である、[付記1-1]に記載の半導体装置(1)。
【0073】
[付記1-4]
前記第2ドリフト層(42)のn型不純物の濃度が、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下である、[付記1-1]~[付記1-3]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0074】
[付記1-5]
前記n型不純物が、シリコン(Si)またはスズ(Sn)である、[付記1-1]~[付記1-4]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0075】
[付記1-6]
前記第1主面(3a)は、前記Si基板(3)の(111)面である、[付記1-1]~[付記1-5]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0076】
[付記1-7]
前記Si基板(3)、前記第1ドリフト層(41)および前記第2ドリフト層(42)を含むチップ(2)の平面視形状が正方形状であり、
前記トレンチ(5)の直径が50μm以上であり、
前記チップ(2)の平面視形状の一辺の長さが、前記トレンチ(5)の直径の1.3倍以上である、[付記1-1]~[付記1-6]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0077】
[付記1-8]
前記トレンチ(5)の直径が60μm以上140μm以下であり、前記チップ(2)の平面視形状の一辺の長さが110μm以上190μm以下である、[付記1-7]に記載の半導体装置(1)。
【0078】
[付記1-9]
[前記酸化ガリウム系半導体層が、(Inx1Ga1-x1(0≦x1<1)層または(Alx2Ga1-x2(0≦x2<1)層からなる、[付記1-1]~[付記1-8]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0079】
[付記1-10]
前記第1ドリフト層(41)の膜厚が0.1μm以上3μm以下であり、
前記第2ドリフト層(42)の膜厚が1μm以上30μm以下である、[付記1-1]~[付記1-9]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0080】
[付記1-11]
前記第1電極(6)は、前記トレンチ(5)の側面および底面に形成され、前記第1ドリフト層(41)とオーミック接触する第1オーミックメタル(7)と、前記第1オーミックメタル(7)に積層された第1電極メタル(8)とを含み、
前記第2電極(14)は、前記第2ドリフト層(42)における前記第1ドリフト層側とは反対側の表面にショットキー接触する第2ショットキーメタル(15)と、前記第2ショットキーメタル(15)に積層された第2電極メタル(16)とを含む、[付記1-1]~[付記1-10]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0081】
[付記1-12]
前記半導体装置(1)のオン抵抗が5.0Ω・cm以下である、[付記1-1]~[付記1-11]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0082】
[付記1-13]
前記半導体装置(1)のオン抵抗が4.5Ω・cm以下である、[付記1-1]~[付記1-11]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0083】
[付記1-14]
前記半導体装置(1)のオン抵抗が4.2Ω・cm以下である、[付記1-1]~[付記1-11]のいずれかに記載の半導体装置(1)。
【0084】
[付記1-15]
第1主面(3a)およびその反対側の第2主面(3b)を有するSi基板(3)の前記第1主面(3a)に、n型不純物がドープされた第1ドリフト層(41)を形成する工程と、
前記第1ドリフト層(41)における前記Si基板側とは反対側の表面に、n型不純物がドープされ、前記第1ドリフト層(41)よりも低いn型不純物濃度を有する第2ドリフト層(42)を形成する工程と、
前記第2主面(3b)から前記第1主面(3a)に向かって掘り下げることにより、前記Si基板(3)を貫通して前記第1ドリフト層(41)に達する単一の平面視円形のトレンチ(5)を形成する工程と、
前記トレンチ(5)の側面および底面に、前記第1ドリフト層(41)にオーミック接触する第1電極(6)を形成する工程と、
前記第2ドリフト層(42)における前記第1ドリフト層側とは反対側の表面にショットキー接触する第2電極(14)を形成する工程とを含み、
前記第1ドリフト層(41)のn型不純物の濃度が、1×1017.6cm-3以上である、半導体装置(1)の製造方法。
【0085】
[付記1-16]
前記半導体装置(1)のオン抵抗が5.0Ω・cm以下となるように、前記第1ドリフト層(41)のn型不純物濃度が設定されている、[付記1-15]に記載の半導体装置の製造方法。
【0086】
[付記1-17]
前記半導体装置(1)のオン抵抗が4.5Ω・cm以下となるように、前記第1ドリフト層(41)のn型不純物濃度が設定されている、[付記1-15]に記載の半導体装置の製造方法。
【0087】
[付記1-18]
前記半導体装置(1)のオン抵抗が4.2Ω・cm以下となるように、前記第1ドリフト層(41)のn型不純物濃度が設定されている、[付記1-15]に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0088】
1 半導体装置
2 チップ
3 Si基板
3a 第1主面
3b 第2主面
4 ドリフト層
5 トレンチ
6 カソード電極
7 オーミックメタル
8 電極メタル
8A 埋め込み部
8B 引出し部
11 フィールド絶縁膜
12 開口
14 アノード電極
15 ショットキーメタル
16 電極メタル
21 ショットキーメタルの材料膜
22 電極メタルの材料膜
41 第1ドリフト層
41a 第1主面
41b 第2主面
42 第2ドリフト層
42a 第1主面
42b 第2主面
101 シミュレーションモデル
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4
図5
図6
図7
図8