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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090668
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】シャワーヘッド装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
A47K3/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206708
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲チョウ▼雪菲
(72)【発明者】
【氏名】大出 健太郎
【テーマコード(参考)】
2D132
【Fターム(参考)】
2D132FA02
2D132FA17
2D132FB02
2D132FC04
2D132FJ04
2D132FJ07
2D132FJ12
(57)【要約】
【課題】使用性を向上できるシャワーヘッド装置を提供する。
【解決手段】シャワーヘッド装置は、シャワーヘッドと、キャップ部材と、を備える。シャワーヘッドは、複数の第1散水孔が配置された第1放水部を前面に有した本体部と、使用者に把持されるグリップと、を有する。キャップ部材は、複数の第2散水孔が配置された第2放水部を有し、本体部に装脱着可能である。キャップ部材は、本体部の前面に装着して第1放水部を覆うことができるとともに、本体部の背面に装着できる。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1散水孔が配置された第1放水部を前面に有した本体部と、使用者に把持されるグリップと、を有するシャワーヘッドと、
複数の第2散水孔が配置された第2放水部を有し、前記本体部に装脱着可能なキャップ部材と、
を備え、
前記キャップ部材は、前記本体部の前面に装着して前記第1放水部を覆うことができるとともに、前記本体部の背面に装着できる、シャワーヘッド装置。
【請求項2】
前記キャップ部材の材料は、弾性材料である、請求項1に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項3】
前記キャップ部材は、前記第2放水部の外表面から突出する複数の突起をさらに有する、請求項1に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項4】
前記第2散水孔は、少なくともいずれかの前記突起に配置される、請求項3に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項5】
前記シャワーヘッドは、
前面に装着した前記キャップ部材を係止する第1係止部と、
背面に装着した前記キャップ部材を係止する第2係止部と、
をさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項6】
前記第1係止部及び前記第2係止部は、前記本体部の周面に配した環状の溝部により形成され、
前記キャップ部材は、前記溝部に嵌合する嵌合突起を有する、請求項5に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項7】
前記第1係止部を形成する前記溝部と前記第2係止部を形成する前記溝部とが共通である、請求項6に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項8】
前記キャップ部材の周方向における位置決めをするための位置決め部をさらに有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項9】
前記第2放水部の中央部に配される前記第2散水孔の開口径は、周部に配される前記第2散水孔の開口径よりも大きい、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシャワーヘッド装置。
【請求項10】
前記第2散水孔の開口径は、前記第2放水部の中央側に向かうほど大きくなる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシャワーヘッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーヘッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャップ部材などのアタッチメントをシャワーヘッドに装着するシャワーヘッド装置が知られている。たとえば、特許文献1のシャワー装置では、リング状キャップの表面部に多数のブラシを植毛したブラシ部がシャワーヘッド本体の放水頭部の周縁に嵌着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-243049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アタッチメントを取り付けずにシャワー装置を使用する場合、アタッチメントをシャワーヘッドから離れた場所に置いておく必要がある。この場合、使用者は、アタッチメントの適切な置き場所が無くて困ることがある。また、使用者がアタッチメントをシャワーヘッドから離れた場所に放置してしまい、アタッチメントを紛失する虞がある。このため、シャワー装置の使用性が悪い問題があった。
【0005】
本発明は、上記の状況を鑑みて、使用性を向上できるシャワーヘッド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の一の態様によるシャワーヘッド装置は、シャワーヘッドと、キャップ部材と、を備える。前記シャワーヘッドは、複数の第1散水孔が配置された第1放水部を前面に有した本体部と、使用者に把持されるグリップと、を有する。前記キャップ部材は、複数の第2散水孔が配置された第2放水部を有し、前記本体部に装脱着可能である。前記キャップ部材は、前記本体部の前面に装着して前記第1放水部を覆うことができるとともに、前記本体部の背面に装着できる。
【0007】
本発明の更なる特徴や利点は、以下に示す実施形態によって一層明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、使用性を向上できるシャワーヘッド装置を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】実施形態に係るシャワーヘッド装置の前面にキャップ部材を配した外観図
図1B】実施形態に係るシャワーヘッド装置の背面にキャップ部材を配した外観図
図2】軸方向一方側から見たシャワーヘッドの正面図
図3】キャップ部材の正面図
図4】キャップ部材が第1放水部に取り付けられるシャワーヘッド装置を軸方向一方側から見た分解斜視図
図5】キャップ部材が第1放水部に取り付けられるシャワーヘッド装置を軸方向他方側から見た分解斜視図
図6】キャップ部材が裏面部に取り付けられるシャワーヘッド装置を軸方向他方側から見た分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
<1.シャワーヘッド装置100>
図1Aは、実施形態に係るシャワーヘッド装置100の前面にキャップ部材2を配した外観図である。図1Bは、実施形態に係るシャワーヘッド装置100の背面にキャップ部材2を配した外観図である。図1A及び図1Bに示すように、シャワーヘッド装置100は、シャワーヘッド1と、キャップ部材2と、を備える。なお、図1Aでは、キャップ部材2をシャワーヘッド1の本体部101の前面(後述する第1放水部11側)に装着している。また、図1Bでは、キャップ部材2をシャワーヘッド1の本体部101の背面(後述する裏面部13側)に装着している。
【0012】
<1-1.シャワーヘッド1>
図2は、軸方向一方D1側から見たシャワーヘッド1の正面図である。シャワーヘッド1は、中空の本体部101と、グリップ102と、を有する。本体部101は、複数の第1散水孔111が配置された第1放水部11を前面に有する。グリップ102は、使用者に把持される。
【0013】
本体部101は、本実施形態では軸方向Dに薄い円筒形状である。たとえば、本体部101の軸方向Dの厚さは、その円筒形状の側面の外径よりも小さい。但し、本体部101の形状は、この例示に限定されない。
【0014】
グリップ102は、本体部101の側面部から1方向に延びる円筒形状である。つまり、グリップの一方端は、本体部101に繋げられる。他方端は、温水供給器などの水源に接続された給水ホースHに繋げられる。シャワーヘッド1は、水源から給水ホース及びグリップ102の内部(つまり給水路)を通じて供給される水(温水又は冷水)を本体部101から散水できる。
【0015】
シャワーヘッド1の本体部101は、第1放水部11と、側壁部12と、裏面部13と、を有する。
【0016】
第1放水部11は、軸方向Dから見て円形の板状であり、複数の第1散水孔111を有する。複数の第1散水孔111は、第1放水部11に配置された開口であり、第1放水部11の外表面に二次元的に配置される。なお、第1放水部11の軸方向Dにおける外表面は、軸方向Dと交差(たとえば直交)する平面であってもよいし、軸方向一方D1又は他方D2に突出する曲面であってもよい。また、複数の第1散水孔111は、たとえば、放射状に配置されてもよいし、千鳥状に配置されてもよい。本体部101内の水は、その水圧により、第1散水孔111を通じて本体部101の外部に放出される。
【0017】
側壁部12は、第1放水部11の外縁から裏面部13に向かって延びる円筒面である。つまり、側壁部12の軸方向一方端部は、第1放水部11に接続される。側壁部12の軸方向他方端部は、裏面部13の外縁に接続される。側壁部12には、周方向に延びる環状の溝部121,122が配置される。溝部121は、本発明の「第1係止部」の一例であり、側壁部12の軸方向一方D1側に配置される。溝部122は、本発明の「第2係止部」の一例であり、側壁部12の軸方向他方D2側に配置される。
【0018】
裏面部13は、軸方から見て円形の板状であり、第1放水部11と軸方向Dに対向して配置される(後述する図5参照)。なお、裏面部13の軸方向Dにおける外表面は、軸方向Dと交差(たとえば直交)する平面であってもよいし、軸方向一方D1又は他方D2に突出する曲面であってもよい。
【0019】
<1-2.キャップ部材2>
次に、図1A図1B及び図3図6を参照して、キャップ部材2を説明する。図3は、キャップ部材2の正面図である。図4は、キャップ部材2が第1放水部11に取り付けられるシャワーヘッド装置100を軸方向一方D1側から見た分解斜視図である。図5は、キャップ部材2が第1放水部11に取り付けられるシャワーヘッド装置100を軸方向他方D2側から見た分解斜視図である。図6は、キャップ部材2が裏面部13に取り付けられるシャワーヘッド装置100を軸方向他方D2側から見た分解斜視図である。
【0020】
キャップ部材2は、本実施形態では有蓋筒状である。キャップ部材2は、後述する複数の第2散水孔214が配置された第2放水部21を有し、シャワーヘッド1の本体部101に装脱着可能である。たとえば、キャップ部材2は、本体部101の前面に装着して第1放水部11を覆うことができるとともに、本体部101の背面に装着して裏面部13を覆うことができる(図1A及び図1B参照)。
【0021】
キャップ部材2で第1放水部11を覆うことにより、第2散水孔214から散水できる(図1A参照)。従って、シャワーヘッド装置100から吐出される水流の太さ、勢いなどを変化させることができる。また、第2放水部21の構造(第2散水孔214の配置など)により気泡を含む水流を放出することもできる。一方、キャップ部材2を使用せずにシャワーヘッド1から散水させたい場合、キャップ部材2は、第1放水部11とは異なる部分を覆う(図1B参照)。これにより、シャワーヘッド装置100は、キャップ部材2が不使用であっても、キャップ部材2をシャワーヘッド1から離さずに保持できる。従って、不使用時におけるキャップ部材2の置き場所を用意する必要がない。また、放置などによるキャップ部材2の紛失などを防止できる。よって、シャワーヘッド装置100の使用性を向上できる。
【0022】
好ましくは、キャップ部材2の材料は、シリコンゴムなどの弾性材料である。こうすれば、シャワーヘッド1に対するキャップ部材2の装脱着がし易くなる。但し、この例示は、キャップ部材2の材料が弾性材料でない構成を排除しない。
【0023】
次に、キャップ部材2の第2放水部21は、軸方向Dから見て円形の板状である。キャップ部材2の第2放水部21は、隆起部211と、複数の凸部212と、複数の突起213と、複数の第2散水孔214と、を有する。隆起部211は、第2放水部21の中央部に配置され、第2放水部21の外方側(たとえば、軸方向Dにおいてシャワーヘッド1とは反対側)の表面において外方に向けて円柱台形状に突出する。複数の凸部212は、隆起部211の外表面(外方側の端面)において二次元的に配置され、該外表面から外方に突出する。
【0024】
なお、隆起部211は、第2放水部21の内方側(たとえば、軸方向Dにおいてシャワーヘッド1側)の表面では、外方に凹む凹部である(図5参照)。キャップ部材2で第1放水部11を覆う際、第1放水部11から吐出される水は、第1放水部11及び第2放水部21間において軸方向Dから見て中央部と重なる部分に集まり易い。この部分に凹部(隆起部211の内方側)を設けて放水することで、第1放水部11及び第2放水部21間における水圧の偏りを抑制又は防止できる。また、偏った水圧により、キャップ部材2がシャワーヘッド1から外れることを防止できる。
【0025】
また、突起213は、第2放水部21の外表面から突出する。複数の突起213は、第2放水部21の外表面上の隆起部211の周囲に二次元的に配置される。複数の突起213は、たとえば、放射状に配置されてもよいし、千鳥状に配置されてもよい。ここで、第2放水部21の外表面とは、キャップ部材2が第1放水部11を覆う際に、軸方向Dにおいて第1放水部11とは反対側のキャップ部材2の表面を指す。該外表面は、軸方向Dと交差(たとえば直交)する平面であってもよいし、軸方向一方D1又は他方D2に突出する曲面であってもよい。
【0026】
こうすれば、使用者は、シャワーを浴びる際に、身体の表面(たとえば頭皮)に突起213を押し当てて動かすことにより、シャワーを浴びながら当接部位をマッサージできる。複数の突起213はそれぞれ、柱状、円錐形状、又は円錐台形状である。好ましくは、その先端は、丸みを帯びている。
【0027】
第2散水孔214は、隆起部211の表面及び突起213の先端に設けられる。このほか、第2放水部21の突起213間の表面上にも、第2散水孔214を設けてもよい。また、凸部212の先端に第2放水部21を設けてもよい。なお、隆起部211上の第2散水孔214の開口径は、凸部212の先端及び突起213の先端の第2散水孔214の開口径よりも大きい。つまり、第2放水部21の中央部に配される第2散水孔214の開口径は、周部に配される第2散水孔214の開口径よりも大きい。こうすれば、前面に装着されたキャップ部材2が水圧の集中により脱着することを防止できる。
【0028】
また、本実施形態では、第2散水孔214は、全ての突起213に配置されるが、一部の突起213に配置されてもよい。たとえば、第2散水孔214は、軸方向Dに貫通する貫通孔であり、隆起部211の表面及び突起213の先端から第2放水部21の内表面に向かって第2放水部21を貫通する。なお、第2放水部21の内表面とは、キャップ部材2が第1放水部11を覆う際に、軸方向Dにおいて第1放水部11側のキャップ部材2の表面を指す。キャップ部材2が第1放水部11を覆う際、第1放水部11から放出された水の一部は、その水圧により、第2散水孔214を通じて突起213の先端から放出される。
【0029】
こうすれば、頭皮などの身体の表面に当接する突起213の先端から放水することにより、勢いよく出た水の水圧により当接部位を押圧して刺激できる。従って、当接部位でのマッサージ効果を向上できる。
【0030】
なお、本実施形態では、第2散水孔214は、突起213にのみ配置される。但し、この例示に限定されず。一部の第2散水孔214は、第2放水部21の隆起部211及び突起213など以外の外表面に配置されてもよい。
【0031】
また、好ましくは、第2散水孔214の開口径は、第2散水部21の中央側に向かうほど大きくなる。たとえば、第2散水部21の端部付近に配置された第2散水孔214の開口径は、第2散水部21の端部から離れた位置に配置された第2散水孔214の開口径よりも小さい。こうすれば、第2散水部21の中央側に向かうほど、第2散水孔214の吐水量を大きくできる。従って、軸方向Dから見た第1放水部11及び第2放水部21間における水圧の偏りを緩和又は防止できるので、キャップ部材2で第1放水部11を覆う際、キャップ部材2が水圧によりシャワーヘッド1から外れることを効果的に抑制又は防止できる。
【0032】
但し、上述の例示は、第2散水部21の中央側に配置された突起213の第2散水孔214の開口径が他の第2散水孔214よりも大きくならない構成、及び、第2散水孔214の開口径が第2散水部21の中央側に向かうほど大きくならない構成を排除しない。たとえば、第2散水孔214の開口径は同一であってもよい。或いは、第2散水部21の中央側以外に配置された突起213の第2散水孔214の開口径が同一であってもよい。
【0033】
また、キャップ部材2は、周壁部22と、嵌合突起221と、をさらに有する。周壁部22は、周方向に延びる環状であり、第2放水部21の外縁から軸方向Dに延びて配置される。本実施形態では、周壁部22は、キャップ部材2がシャワーヘッド1に装着される際に側壁部12の軸方向端部を囲む。周壁部22の内周面には、シャワーヘッド1の溝部121,122に嵌合する嵌合突起221が周方向に延びて配置される。軸方向Dから見て、嵌合突起221は、環状であってもよいし、円弧形状であってもよい。後者において、円弧形状の嵌合突起221は、単数であってもよいし、周方向に複数並んでいてもよい。
【0034】
また、キャップ部材2は、タブ23をさらに有する。タブ23は、周壁部22のから径方向外方に突出して配置される。タブ23の軸方向端面には、滑り止め止め(符号省略)が配置される。なお、タブ23は、本実施形態では単数であるが、複数であってもよい。使用者はタブ23をつまんで引っ張ることで、シャワーヘッド1からキャップ部材2を容易に取り外すことができる。
【0035】
<1-3.キャップ部材2の取付例>
次に、図1A図1B及び図4図6を参照して、シャワーヘッド1に対するキャップ部材2の取付例を説明する。
【0036】
キャップ部材2は、嵌合突起221がシャワーヘッド1の溝部121に嵌合することで、本体部101の前面に装着される。つまり、溝部121は、本発明の「第1係止部」の一例であり、本体部101の前面に装着したキャップ部材2を係止する。また、キャップ部材2は嵌合突起221がシャワーヘッド1の溝部122に嵌合して本体部101の背面に装着される。つまり、溝部122は、本発明の「第2係止部」の一例であり、本体部101の背面に装着したキャップ部材2を係止する。つまり、本実施形態では、本発明の「第1係止部」及び「第2係止部」は、本体部101の周面に配した環状の溝部121,122により形成される。シャワーヘッド1の本体部101は、溝部121と、溝部121と、を有する。
【0037】
こうすれば、キャップ部材2を使用して散水する際には、嵌合突起221と溝部121との嵌合によりキャップ部材2を係合して本体部101に装着し、第1放水部11をキャップ部材2で覆うことができる。一方、キャップ部材2を使用せずに散水する際には、キャップ部材2を本体部101から脱着して、裏面部13にキャップ部材2を装着することができる。従って、キャップ部材2の置き忘れ及び紛失などを防止できる。
【0038】
本実施形態では、本体部101に溝部121及び溝部122が設けられるが、側壁部12の中央部に1本の溝部を設けてもよい。これにより、本体部101の前面に配したキャップ部材2を係止する第1係止部を構成する溝部121と、本体部101の背面に配したキャップ部材2を係止する第2係止部を構成する溝部122とが共通化される。このため、シャワーヘッド1のコストを削減することができる。
【0039】
また、好ましくは、シャワーヘッド装置100は、位置決め部3をさらに備える。位置決め部3は、キャップ部材2の周方向における位置決めをするための部材である。本実施形態では、位置決め部3は、突壁部31と、収容部32と、を有する。突壁部31は、第1放水部11の外表面から外方に突出し、第1放水部11の外縁の近傍において第1放水部11の中央に向かって延びて配置される。収容部32は、突壁部31を収容可能な凹部であって、第2放水部21の内表面において第2放水部21の中央に向かって延びて配置される。但し、本実施形態の例示に限定されず、突壁部31は、第2放水部21の内表面に配置され、収容部32は第1放水部11の外表面に配置されてもよい。
【0040】
キャップ部材2が周方向に回動しようとすると、突壁部31の周方向側面が収容部32の周方向内側面に当接する。これにより、周方向におけるキャップ部材2の回動が防止される。
【0041】
位置決め部3により、第1散水孔111に対する第2散水孔214の位置決めができるので、第1散水孔111から第2散水孔214に向かう水を設計の通りにスムーズに流して、第2散水孔214から放出することができる。従って、シャワーヘッド装置100は、好適な状態でシャワーを散水できる。
【0042】
<2.備考>
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素及び各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0043】
<3.総括>
以下では、これまでに説明してきた実施形態について総括的に述べる。
【0044】
たとえば、本明細書中に開示されているシャワーヘッド装置は、
複数の第1散水孔が配置された第1放水部を前面に有した本体部と、使用者に把持されるグリップと、を有するシャワーヘッドと、
複数の第2散水孔が配置された第2放水部を有し、前記本体部に装脱着可能なキャップ部材と、
を備え、
前記キャップ部材は、前記本体部の前面に装着して前記第1放水部を覆うことができるとともに、前記本体部の背面に装着できる構成(第1の構成)とされる。
【0045】
上記第1の構成のシャワーヘッド装置は、
前記キャップ部材の材料は、弾性材料である構成(第2の構成)とされてもよい。
【0046】
上記第1又は第2の構成のシャワーヘッド装置は、
前記キャップ部材は、前記第2放水部の外表面から突出する複数の突起をさらに有する構成(第3の構成)とされてもよい。
【0047】
上記第3の構成のシャワーヘッド装置は、
前記第2散水孔は、少なくともいずれかの前記突起に配置される構成(第4の構成)とされてもよい。
【0048】
上記第1~第4のいずれかの構成のシャワーヘッド装置は、
前記シャワーヘッドは、
前面に装着した前記キャップ部材を係止する第1係止部と、
背面に装着した前記キャップ部材を係止する第2係止部と、
をさらに備える構成(第5の構成)とされてもよい。
【0049】
上記第5の構成のシャワーヘッド装置は、
前記第1係止部及び前記第2係止部は、前記本体部の周面に配した環状の溝部により形成され、
前記キャップ部材は、前記溝部に嵌合する嵌合突起を有する構成(第6の構成)とされてもよい。
【0050】
上記第6の構成のシャワーヘッド装置は、
前記第1係止部を形成する前記溝部と前記第2係止部を形成する前記溝部とが共通である構成(第7の構成)とされてもよい。
【0051】
上記第1~第7のいずれかの構成のシャワーヘッド装置は、
前記キャップ部材の周方向における位置決めをするための位置決め部をさらに有する構成(第8の構成)とされてもよい。
【0052】
上記第1~第8のいずれかの構成のシャワーヘッド装置は、
前記第2放水部の中央部に配される前記第2散水孔の開口径は、周部に配される前記第2散水孔の開口径よりも大きい構成(第9の構成)とされてもよい。
【0053】
上記第1~第9のいずれかの構成のシャワーヘッド装置は、
前記第2散水孔の開口径は、前記第2放水部の中央側に向かうほど大きくなる構成(第10の構成)とされてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 シャワーヘッド
2 キャップ部材
3 位置決め部
11 第1放水部
12 側壁部
13 裏面部
21 第2放水部
22 周壁部
23 タブ
31 突壁部
32 収容部
100 シャワーヘッド装置
101 本体部
102 グリップ
111 第1散水孔
121,122 溝部
211 嵌合突起
212 凸部
213 突起
214 第2散水孔
221 嵌合突起
H 給水ホース
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6