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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009069
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】成形されたワイヤを有するステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/86 20130101AFI20240112BHJP
【FI】
A61F2/86
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193007
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2019170161の分割
【原出願日】2019-09-19
(31)【優先権主張番号】62/734,128
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レイシー・ゴロチョウ
(57)【要約】
【課題】新規のステント構造体を提供すること。
【解決手段】ステントは、一般に、周囲方向に位置決めされた起伏ワイヤを有する管状構造体を含み得、その起伏ワイヤは、そのステントの長さの大部分にわたって延在し、その結果、起伏は、ステントの周囲を画定するように周囲方向に振動する。この起伏は、隣接する起伏の上部及び下部に巻き付いて、織り合わされた構造体を形成し得る。追加的に、又は代替的に、隣接するワイヤが接合され得る。ステントを形成するワイヤは、弾性管材から切断され得、その結果、各ワイヤが三次元形状を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントであって、
2つ以上のワイヤを備え、
前記2つ以上のワイヤの各々が、三次元振動部分と、前記三次元振動部分の両端部に接続された一対の端部構造体と、を備え、
前記三次元振動部分が、
z軸に対して平行に計測される振動部分長さと、
前記z軸の周りに360°未満の円弧にわたって前記ステントの周囲方向に延在し、前記振動部分長さに延在し、かつ前記振動部分長さにわたって前記z軸から実質的に一定の半径を維持する、湾曲部と、を備え、
前記湾曲部が、前記周囲方向に振動し、前記湾曲部の前記円弧内に制限され、かつ前記振動部分長さにわたって延在する、波形を含み、
前記ステントの長さが、第1の開放端部から第2の開放端部まで計測され、
前記振動部分長さは、前記ステントの長さから前記一対の端部構造体の長さを除いた長さであり、
前記2つ以上のワイヤの各々の前記三次元振動部分の少なくとも一部が、前記2つ以上のワイヤの他の全ての前記三次元振動部分とは独立して移動可能である、ステント。
【請求項2】
前記2つ以上のワイヤのうちの第1のワイヤを、前記第1の開放端部に近接して前記2つ以上のワイヤのうちの第2のワイヤに固着する第1の接合部を更に備え、前記第1の接合部が、前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとの間の唯一の固着された接合部である、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記2つ以上のワイヤのうちの第1のワイヤが、前記第1のワイヤの前記波形の1つの振動周期内で、前記2つ以上のワイヤのうちの隣接する第2のワイヤの下部及び上部で交差する、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記2つ以上のワイヤの各々が、前記2つ以上のワイヤの他の全てから独立して形成されている、請求項1に記載のステント。
【請求項5】
前記第1の開放端部に隣接して位置決めされ、前記第1の開放端部と前記振動部分との間に延在する、第1の端部構造体と、
前記第2の開放端部に隣接して位置決めされ、前記第2の開放端部と前記振動部分との間に延在する、第2の端部構造体と、を更に備える、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記第1の端部構造体及び前記第2の端部構造体が、非外傷性形状を各々含む、請求項5に記載のステント。
【請求項7】
前記2つ以上のワイヤの各々が、1つ以上の場所において、前記2つ以上のワイヤのうちの前記周囲方向に隣接するワイヤに接合されている、請求項1に記載のステント。
【請求項8】
前記2つ以上のワイヤのうちのワイヤが、前記ステントの前記長さに沿って変化する幅を有する、請求項1に記載のステント。
【請求項9】
ステントであって、
2つ以上のワイヤを備え、
前記ステントの長さが、第1の開放端部から第2の開放端部までz軸に対して平行に計測され、
前記2つ以上のワイヤの各々が、三次元波形と、前記三次元波形の両端部に接続された一対の端部構造体と、を備え、
前記三次元波形が、前記z軸の周りの円弧内で前記ステントの周囲方向に振動し、
前記三次元波形が、前記z軸から実質的に一定の半径距離を維持し、
前記2つ以上のワイヤの各々が、前記ステントの周囲で互いに前記周囲方向に隣接して位置決めされ、
前記2つ以上のワイヤの各々の少なくとも一部が、前記2つ以上のワイヤの他の全てから独立して移動可能である、ステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、埋め込み可能なステント医療機器、同機器を製造するための方法に関し、より具体的には、新規のステント構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
医療ステントは、生体内の管腔、通路、又は開口部を支持、維持、又は修復するために使用される。ステント設計は、ステントが治療部位に到達するように体腔をナビゲートするため、折り畳まれた状態で十分可撓性がなければならないため、治療の場所及び目的によって固有であり、治療部位を修復するために必要な構造的支持を提供するために、埋め込まれた状態で構造的に十分堅牢であり、かつテーパ状、屈曲、又は他の非直線的若しくは非管状の形状を有する治療部位において高い適合性を有するように柔軟に拡張可能である。可撓性、構造的一体性、及び適合性は、多くの場合、設計目的と競合し、その目的は、治療部位の場所、治療の目的、及び治療部位の形状に応じて変化することになる。
【0003】
ワイヤ、又は編組されたステントは、典型的には、可撓性ワイヤから編組されて、ステントの中心軸を中心に螺旋状に巻き付くワイヤの管を形成し、おおよそ半分のワイヤが順時計回りに巻き付き、かつ他の半分が反時計回りに巻き付き、その結果、反対方向に延在するワイヤが、交互様態で斜めに互いに上部及び下部に巻か付く。ワイヤステントは、可撓性を極めて高くし得、屈曲を含む体腔内で高い適合性を達成し得、ねじれに対する耐性があり得るが、ワイヤステントは、一般に、いくつかの治療において必要とされる、管腔壁に対して外向きの力を半径方向に加えるため、構造的一体性に欠けている。
【0004】
構造的一体性が所望される場合のステント設計のための一般的な方策は、ある長さの弾性管材からのレーザ切断パターンを採用し、典型的には、ニチノール又はニチノール合金などの記憶形状金属で作製される。一般に、材料は、管材から取り出され、セルパターンを形成する。一般的に言えば、レーザ切断されたステントの構造上の全体的な一体性が、一旦埋め込まれた管腔壁に対抗して必要な外側への十分な力が加わるように、十分な材料が残っている必要がある。材料は、戦略的に取り除かれて、治療部位への送達のためのステントの可撓性、及び屈曲若しくは他の不均一な壁構造を含む治療部位内の管腔壁に対する適合性を増加させる。数多くのステント設計では、パターンが切断されて、ブリッジストラットによって長手方向に実質的には周囲方向に接続されるリングを形成する。そのような設計では、ブリッジストラットは、より大きな構造的一体性を達成するために追加され、より大きな可撓性を達成するために取り除かれる。
【0005】
弾性管材から切断されたステントと比較して、より大きな可撓性及びねじれ耐性、並びにワイヤステントと比較して、より大きな構造的一体性を有するステントを設計する試行が行われてきた。そのような方策の1つとして、弾性管材を単一の螺旋構造体に切断することを採用し、その螺旋構造体は、ステント本体の周りで周囲方向に巻き付き、隣接する螺旋の巻き線が、ブリッジストラットと長手方向に相互接続される(例えば、米国特許第5,925,061号)。別の方策としては、材料シートを切断して格子撚り線を形成することを採用し、その格子撚り線は、心棒の周りに単一の螺旋として巻き付けられ得、隣接する巻き線が、その後、相互接続される(例えば、米国特許第5,370,683号)。そのような設計は、典型的には、周囲方向のリングを利用するレーザ切断管状ステントと比較してより高い可撓性を達成することができるが、構造的一体性を犠牲にしており、そのような設計は、ワイヤステントと比較して、より大きな構造的一体性を達成することができるが、それらは、ほとんどのワイヤステントの順応性及びねじれ耐性を達成することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、様々な解剖学的幾何学的形状を有する様々な治療部位において、様々な治療目的の必要性を満たすために、可撓性、構造的一体性、及び順応性を達成するための代替的なステント設計の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、上記の必要性に対処し得る、本発明の様々な例示的ステントが開示されている。ステントは、一般に、ステントの長さの大部分にわたって延在する周囲方向に位置決めされた起伏ワイヤを有する管状構造体を含み得、その起伏は、周囲方向に振動し、ワイヤの起伏は、ステントの周囲を集合的に画定する。この起伏は、隣接する起伏の上部及び下部に巻き付いて織り合わされた構造体を形成し得る。追加的に、又は代替的に、隣接するワイヤが接合され得る。
【0008】
例示的なステントは、第1の開放端部から第2の開放端部まで計測されるステント長さと、ステント長さの大部分にわたって延在し、かつ1つ以上のワイヤの他の全ての振動部分とは独立して移動可能である三次元振動部分を各々有する2つ以上のワイヤと、を含み得る。各ワイヤの振動部分は、z軸に対して平行に計測される振動部分長さと、z軸から一定の半径でz軸の周りに360°未満の円弧にわたって周囲方向に延在する湾曲部と、円弧にわたって振動部分の長さにわたって振動する波形とを有し得る。1つ以上のワイヤの各々の振動部分は、1つ以上のワイヤの他の全てとは独立して移動可能であり得る。
【0009】
周囲及び長さを有する別の例示的なステントは、2つ以上のワイヤを含み得、各ワイヤは、ステント長さに対して平行であるz軸の周りの円弧内に周囲方向に振動する三次元波形を有し、その結果、各波形は、ステント長さの大部分にわたってz軸に対して平行に延在し、z軸から実質的に一定の半径距離を維持する。ステントのワイヤは、ステントの周囲の周りに周囲方向に互いに隣接して位置決めされて、ステントの周囲を画定し得る。各ワイヤは、ステント内の他の全てのワイヤとは独立してステントの長さの大部分に沿って移動可能であり得る。
【0010】
周囲及び長さを有する管状構造体を有する別の例示的なステントは、ステントの周囲の周りに位置決めされた複数のワイヤを含み得る。各ワイヤは、独立して形成され得、周囲方向に起伏してステントの長さの大部分にわたって延在する波パターンを形成し得、ステントの長さの大部分にわたって、隣接するワイヤに対する隣接する位置を維持しながら、反復様態で隣接するワイヤの下部及び上部を通過し得、他のワイヤと周囲方向に絡み合って管状ステントを形成し得る。
【0011】
管状構造体を有する別の例示的なステントは、ステントの長さの大部分にわたって延在する、周囲方向に位置決めされた起伏ワイヤを含み得る。ワイヤは、各々、周囲方向に振動する起伏を有し得る。各ワイヤの起伏は、隣接するワイヤの起伏内で周囲方向に陥凹し得、その結果、起伏ワイヤの周囲方向の位置決めが、ステントの周囲を画定し得、起伏ワイヤの周囲方向の位置決めが、ステントの周囲を画定するための任意の追加的な構造体が存在しないステントの周囲を単独で画定し得る。
【0012】
例示的なステントのいずれにおいても、ステントの各ワイヤは、ステントの他の全てのワイヤとは独立して形成され得る。ステントの各ワイヤは、1つ以上の場所において、周囲方向に隣接するワイヤに接合され得る。ステントは、第1のワイヤを第1の開放端部付近の第2のワイヤに固着する、第1の接合部を含み得る。この第1の接合部は、第1のワイヤと第2のワイヤとの間の唯一の固着された接合部であり得る。追加的に、又は代替的に、隣接するワイヤを固着するため、第1のワイヤは、第1のワイヤの波形の1つの振動周期内で、第2のワイヤの下部で交差し、かつその上部で交差し得る。
【0013】
例示的なステントのいずれかにおいて、ステントは、第1の開放端部に隣接して位置決めされ、ステントの第1の開放端部と振動部分との間に延在する第1の端部構造体を含み得、ステントは、第2の開放端部に隣接して位置決めされ、ステントの第2の開放端部と振動部分との間に延在する第2の端部構造体を含み得る。第1及び第2の端部構造体のうちの一方又は両方は、非外傷性形状を有し得る。
【0014】
例示的なステントのいずれかにおいて、ステントのワイヤは、ステントの長さに沿って変化する幅を有し得る。
【0015】
例示的なステントのいずれかにおいて、ワイヤのうちの1つ以上は、記憶形状材料を含み得る。少なくとも1つのワイヤは、円弧に沿って湾曲した所定の三次元形状を有し得、その三次元形状は、円弧内で起伏する波パターンを有する。
【0016】
本明細書に記載される例示的なステントのいずれかを含むステントを製造するための例示的な方法は、弾性管材を提供するステップと、管材を切断して複数の実質的に同様の波パターンを形成するステップと、複数の波パターンの各々を管材から分離するステップと、ステントの長さの大部分にわたって延在するように各波パターンを位置決めするステップと、複数の波パターンから管状ステント本体の大部分を形成するステップとを含み得る。各波パターンは、それが切断される管材の周囲内の円弧にわたって周囲方向に延在する振幅と、波パターンが反復する管材の長さの少なくとも一部分に沿って延在する軸と、管材の管腔表面の切断部分である湾曲した内側表面とを有し得る。
【0017】
本明細書に記載される例示的なステントのいずれかを含むステントを製造するための別の例示的な方法は、周囲及び長さを有する弾性管材を提供するステップと、各ワイヤが周囲の一部分にわたってピークツーピークで振動する波パターンを有するように、管材から個々のワイヤを切断するステップと、管形状を形成するようにワイヤを織成するステップと、を含み得る。
【0018】
例示的な方法のいずれかは、各ワイヤが周囲の一部分にわたってピークツーピークで振動する波パターンを有するように、提供された管材から個々のワイヤを切断するステップ、ワイヤが互いから切り離されるように、切断されたワイヤを管材から分離するステップ、第1のワイヤを1つ以上の場所において第2のワイヤに接合させるステップ、第1のワイヤをステント本体の端部付近の第2のワイヤに接合させるステップ、並びに/又は各ワイヤを順時計回りの隣接するワイヤ、及び反時計回りの隣接するワイヤと絡み合わせるステップの任意の組み合わせを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の上記及び更なる態様は、
添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例解することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明の装置の1つ以上の実装形態を描写している。
図1】本発明によるステントの三次元斜視図である。
図2A】本発明による拡張された状態でのステントの側面図である。
図2B】本発明による折り畳まれた状態での図2Aのステントの側面図である。
図3A】本発明によるステントのワイヤの二次元描写である。
図3B】本発明による図3Aのワイヤの三次元描写である。
図3C図3Bに描写したワイヤなどの、ステントのワイヤの三次元形状を説明するための座標系の概略図である。
図4】本発明によるステントの周囲の周りの例示的なワイヤ配置を例解する、ステントのワイヤの二次元描写である。
図5】本発明によるステントの周囲の周りの例示的なワイヤ配置を例解する、ステントのワイヤの二次元描写である。
図6】本発明によるステントの周囲の周りの例示的なワイヤ配置を例解する、ステントのワイヤの二次元描写である。
図7】本発明によるステントの周囲の周りの例示的なワイヤ配置を例解する、ステントのワイヤの二次元描写である。
図8】本発明によるステントの周囲の周りの例示的なワイヤ配置を例解する、ステントのワイヤの二次元描写である。
図9】本発明によるステントの周囲の周りの例示的なワイヤ配置を例解する、ステントのワイヤの二次元描写である。
図10A】本発明によるステントのワイヤの場合の例示的な波形パターン又は起伏パターンを例解する。
図10B】本発明によるステントのワイヤの場合の例示的な波形パターン又は起伏パターンを例解する。
図10C】本発明によるステントのワイヤの場合の例示的な波形パターン又は起伏パターンを例解する。
図10D】本発明によるステントのワイヤの場合の例示的な波形パターン又は起伏パターンを例解する。
図10E】本発明によるステントのワイヤの場合の例示的な波形パターン又は起伏パターンを例解する。
図11】本発明によるステントの例示的なワイヤ織成パターンを例解する。
図12A】本発明による可変幅を有する例示的なワイヤセグメントを例解する。
図12B】本発明による可変幅を有する例示的なワイヤセグメントを例解する。
図12C】本発明による可変幅を有する例示的なワイヤセグメントを例解する。
図12D】本発明による可変幅を有する例示的なワイヤセグメントを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上記の必要性に対処することができる各種の典型的なステントが、本明細書に記載されている。一般に、ステントは、このステントの長さの大部分にわたって延在する周囲方向に位置決めされた起伏ワイヤを有する概ね管状の構造体を有し得る。各ワイヤの起伏は、周囲方向に振動し得、ワイヤの起伏は、隣接するワイヤの起伏内で陥凹し得、その結果、各ワイヤの互いへの陥凹は、ステントの周囲を画定する。隣接するワイヤは、端部などのいくつかの場所で、又は必ずしも全てではない位置で、接合され得、その結果、個々のワイヤは、他の全てのワイヤとは独立して移動可能である。追加的に、又は代替的に、起伏は、隣接する起伏の上部及び下部に巻き付いて、織り合わされた構造体を形成し得る。
【0021】
一般に、本明細書に説明される例示的なステントは、金属管から切断され得、その管を別個のワイヤに切断することによって調製され得、それらのワイヤは、それらが切断される管壁から螺旋状湾曲部を保持する。ワイヤは、管から切断されて実質的に互いに独立し得、これらのワイヤは、編組され、織成され、又は別様に絡み合わされて管状形状を形成し得る。いくつかの用途では、8~16個のレーザ切断されたワイヤを利用することが望ましく、所望の可撓性、構造的一体性、及び順応性を有するステントを形成し得る。いくつかの例示的なステントでのワイヤは、ある程度互いに独立して移動し得、例えば、例示的なステントのワイヤは、既知の編組又は織成された構造体内のワイヤが、概してどのように互いに独立して移動可能であるかと同様に、移動可能であり得る。追加的に、又は代替的に、いくつかの例示的なステント内のワイヤは、ワイヤの各々の長さに沿って1つ以上の場所において互いに溶接されるか、又は別様に接合され得る。接合されたワイヤは、相互係止構造体を形成し得、ステントの構造的一体性を増加させ得る。
【0022】
いくつかの例示的なステントのワイヤが、実質的に互いに移動可能であるように作製され得るため、いくつかの例示的なステントは、既知のレーザ切断管設計と比較して、改善された可撓性及びねじれ耐性を有し得、既知のワイヤ編組ステント設計と同様の可撓性及びねじれ耐性を達成し得る。いくつかの例示的なステントのワイヤは、金属管から切断され得るため、例示的なステントのワイヤは、既知のワイヤ編組ステント設計のワイヤと比較して、より大きな半径方向力を提供し得、ステントのワイヤは、非外傷性端部構造体を有するように設計され得(それは、典型的には、既知のワイヤ編組ステント設計において切断されたワイヤを使用することによっては、達成不可能である)、ステントは、ステントの長さに沿って厚さ及び形状が変化するワイヤを有し得る(それは、一定の直径ワイヤを利用する既知のワイヤ編組ステント設計においては、概して可能ではない)。いくつかの例示的なステントの潜在的な用途は、曲がりくねった解剖学的組織のナビゲーションを必要とする到達すべき治療部位において、動脈瘤内の塞栓用コイルを支持することができる。
【0023】
図1は、4つのワイヤ200a、200b、200c、200dを有するステント100の三次元斜視図である。図から認識及び理解されるように、ステント100は、所望の可撓性、構造的一体性、及び順応性を達成するために必要とされるいくつかの、又は多くのワイヤを含み得る。より多くのワイヤを有するステントが、例えば、より大きな直径を有する体腔を治療する際に必要とされ得る。ステントはまた、塞栓インプラントを送達するためのマイクロカテーテルが通過することができるワイヤ間の空間をも有するように設計され得、その場合には、十分な構造的支持を提供するのに十分小さいが、空孔を通って収まり得るコイル状のマイクロカテーテルを提供するのに十分大きいワイヤ間に空孔を作り出すことが望ましい場合がある。いくつかの用途では、8~16個のレーザ切断されたワイヤを利用することが望ましい場合がある。
【0024】
図2Aは、4つのワイヤ200a、200b、200c、200dを有する図1のステントと同様の、拡張された状態のステント100の側面図である。このステント100は、第1の開放端部112、第2の開放端部114、及び第1の開放端部112から第2の開放端部114まで長手方向10に延在する長さ110を有する実質的に管状の本体形状を有し得る。ステント100は、治療の必要性を満たすための長さを有するように設計され得、例えば、長さ110は、動脈瘤の頸部よりも大きくサイズ設計され得、その結果、より大きい頚部開口部を有する動脈瘤は、より長いステントを使用して治療され得る。ステント100の管状本体形状は、拡張された状態において、本体形状の長さ110に沿って実質的に均一な周囲20を有し得る。代替的に、(図示せず)ステントは、管状本体形状を有し得、その形状は、第1の開放端部において大きい周囲を有し、第2の開放端部におけるより小さい周囲に向かってテーパ状になる。そのようなテーパ状設計は、例えば、テーパ形状の体腔を治療する場合に有利であり得る。
【0025】
図2Bは、折り畳まれた状態での図2Aのステントの側面図である。この折り畳まれた状態では、ステント100は、マイクロカテーテルを通して血管系内の治療部位に送達されるようにサイズ設計され得る。ステント100は、少数のワイヤで作製され得、各ワイヤ200a、200b、200c、200dは、長手方向10に伸張されて小さい断面プロファイルを占有し得るため、ステント100の利点は、それが、レーザ切断された管状型ステントよりも薄い寸法に折り畳まれ得ることである。レーザ切断された管状型ステントは、典型的には、長手方向に伸張する能力をほとんど有さない。より薄く折り畳まれた寸法は、いくつかの用途では、ステント100が、より小さいカテーテルを通して治療部位に送達されることを可能にし得、したがって、他のステント設計を使用しては到着することが困難であるか、又は不可能であり得る治療部位に到着し得る。
【0026】
ワイヤ200が、二次元で図3Aに、三次元で図3Bに例解されている。ワイヤ200は、図3Bに例解されるように、三次元形状を有し、図3Aの二次元例解図は、ワイヤ200の可視化及び考察を支援するために提供されている。図3A及び3Bを集合的に参照すると、ワイヤ200は、z軸12に対して平行に計測される振動部分長さ211を有する振動部分210を有し得る。振動部分210は、振動部分210の長さ211にわたって反復する波形を有し得、その波形は、振動周期212で反復する。この波形は、一連のピーク202、トラフ204、及びピーク202とトラフ204との間に延在する中間セグメント206を有する正弦波であり得る。振動部分210は、ステントの長さの大部分にわたって延在し得、ワイヤ200はまた、各ワイヤ200の端部において端部構造体220をも有し得る。各端部構造体220は、非外傷性形状を有し得る。
【0027】
図3Cは、図3Bに描写したワイヤなどの、ステント100のワイヤ200の三次元形状を説明するための円筒座標系の概略図である。この円筒座標系では、z軸12は、このページに対して垂直であり、図3Cに例解される円の中心に位置決めされていると理解される。一般に、円筒座標系における点の位置は、座標軸r、θ、及びzによって定義され得、ここで、r座標は、z軸からの距離を定義し、θ座標は、r軸からの角度を定義し、z座標は、z軸に沿った直線位置を定義する。したがって、管は、z軸の所与の長さにわたって、rが、定数Rに等しい点を含み、当該管内の円弧は、θの角度、又はθの数値範囲に限定され、その角度は、360°未満であり得る。したがって、図3Bに例解される例示的なワイヤ200は、z軸から実質的に一定である半径214を維持する約180°の円弧216にわたって、周囲方向に延在する湾曲部を有するものとして説明され得る。波形は、周囲方向に振動し、湾曲部の円弧内に限定され、振動部分210の長さ211にわたってz方向に延在するものとして説明され得る。
【0028】
図3Aを参照すると、波形の振幅は、ピーク202とトラフ204との間の距離として説明され得る。したがって、図3B及び3Cを参照すると、波形の振幅は、湾曲部216の円弧、及び半径214の関数として表され得る。図から認識及び理解されるように、湾曲部は、より広く、又はより狭くし、ステントの所望の特性を達成することができる。例えば、より大きい振幅を有する波形では、結果として、全体的により高い可撓性を有するステント設計が得られ、これに対して、より小さい振幅を有する波形では、結果として、マイクロカテーテルを通して全体的により容易に送達するステント設計が得られ得る。
【0029】
図3B及び3Cを参照すると、ワイヤは、弾性管材の一部分からワイヤを切断することによって形成され得る。この管材は、半径214を有し得、この管材は、切断され得、結果として得られるワイヤ200は、管材の半径214を維持する振動部分を有する。ワイヤ200は、管材の周囲の少なくとも一部分によって画定された円弧から切断され得、その結果、得られたワイヤ200は、円弧216内で振動し、得られたワイヤは、管の周囲の切断部分を横切ってピークツーピークで振動する波パターンを有し得る。
【0030】
管材は、内側管腔表面を有する管腔を有し得る。ワイヤ200は、内側表面を有する管材から切断され得、その内側表面は、管材の管腔表面から切断される。ワイヤ200は、管材から切断され得、その結果、振動部分210の大部分は、他のワイヤの振動部分210とは独立して移動可能である。ワイヤ200は、一旦切断されると、管材から分離されて、形成されたワイヤ200とは独立して形成し得る。
【0031】
図4~9は、ステントの周囲の周りの例示的なワイヤ配置を例解する、ステントのワイヤの二次元描写である。例解図は、考察及び視覚化のために二次元で提供されている。図4~8を集合的に参照すると、例解図は、ステントを形成するための周囲方向に4つのワイヤ200a、200b、200c、200dの配置を描写する。底部ワイヤ200aは、頂部ワイヤ200dの上方の破線ワイヤ200a’として描き直され、頂部ワイヤ200dは、底部ワイヤ200aの下方の破線ワイヤ200d’として描き直されて、三次元ステントの頂部及び底部ワイヤ200d、200aとして示されるワイヤの配置及び接続を例解している。
【0032】
ワイヤ200a、200b、200c、200dは、管材から切断され得、各ワイヤは、ステントの周囲を画定するように位置決めされ得る。ワイヤは、各振動部分210がステントの長さを横切って延在するように位置決めされ得る。各ワイヤ200a、200b、200c、200dの各振動部分210の内側の湾曲表面は、ステントの周囲を集合的に形成するように整列され得る。ワイヤ200a、200b、200c、200dは、接合及び/又は織成されて管形状を形成し得る。
【0033】
図4は、図1及び2Aに描写されたステントと同様のステントの周囲を画定するように配置された4つのワイヤの二次元例解図である。各ワイヤは、周囲方向に隣接するワイヤの起伏内で周囲方向に陥凹され得、その結果、起伏ワイヤの周囲方向の位置決めがステントの周囲を画定する。各ワイヤは、独立して形成され、少なくともある程度、他の全てのワイヤと比較して移動可能であり得る。
【0034】
図5は、図4に示されたパターンと同様のステントの周囲を画定するように配置された4つのワイヤの二次元例解図である。各ワイヤは、単一の接合部230a、230b、230c、230d、230d’によって各隣接するワイヤに接続され得る。図示されるように、第1の接合部230cは、第1のワイヤ200cを、第1のワイヤ200cに隣接する第2のワイヤ200dに接合し得、第1の接合部230cは、第1のワイヤ200cと第2のワイヤ200dとの間の唯一の固着接合部であり得る。第1のワイヤ200cはまた、第2の接合部230bを使用して第3のワイヤ200bにも接合され得る。図示されるように、各ワイヤ200a、200b、200c、200dは、各隣のワイヤのために単一の接合部によってその2つの隣接するワイヤに接合され得る。最小限の接続230a、230b、230c、230dにより、ワイヤが、ステントの長さの大部分にわたって互いに独立して移動することを可能にし得る。
【0035】
図から認識及び理解されるように、各接合部は、溶接、ろう付け、はんだ付け、にかわ付け、糸結び等の任意の従来の手段により形成され得る。代替的に、又は追加的に、ステントは、接合部230a、230b、230c、230dが管材の切断されていない部分となるように、管材の単一片から切断され得る。一例では、切断されていない管材部分により隣接するワイヤに接合されたワイヤ200a、200b、200c、200dは、製造中に隣接部から完全には分離され得ない。しかしながら、切断されていない部分は、図5及び6に示され、かつ本明細書に記載されたものと同様な接合部場所230a、230b、230c、230dに配置されて、ワイヤ200a、200b、200c、200dが、ステントの長さの大部分にわたって隣接部ワイヤ及び他のワイヤとは独立して移動可能とすることができる。
【0036】
図6は、隣接するワイヤの各対を接続する1つの接合部230a、230b、230c、230d、230d’を有するステントの周囲を画定するように配置された4つのワイヤの二次元例解図である。図から認識及び理解されるように、接合部230a、230b、230c、230d、230d’は、任意の数の場所に位置決めされ得る。図6は、図5に例解される4つのワイヤ200a、200b、200c、200d、及び4つの接合部230a、230b、230c、230dの代替的な構成を例解する。図から認識及び理解されるように、任意の数の接合部を使用し、任意の数のワイヤを接続して、ステントの所望の可撓性、構造的一体性、及び順応性を達成し得る。最小限の接続230a、230b、230c、230dにより、ワイヤ200a、200b、200c、200dが、ステントの長さの大部分にわたって互いに独立して移動することを可能にし得る。
【0037】
図7は、ステントの周囲を画定するように配置された4つのワイヤの二次元例解図であり、それらのワイヤは、ステントの周囲を画定するように織り合わされている。各ワイヤは、各隣接するワイヤの上部及び下部で交差し得る。例解されるように、第1のワイヤ200aは、第1のワイヤ200aの1つの振動周期内で、第1の隣接したワイヤ200d’の下部244、及び同じワイヤ200d’の上部246において交差し得る。第1のワイヤ200aは、第1のワイヤ200aの同じ振動周期内で、第2の隣接したワイヤ200bの下部242、及び第2の隣接したワイヤ200bの上部248において交差し得る。ワイヤ200a、200b、200c、200dの織り合わされた構造体は、ワイヤを固着するための任意の接合部が全くないステントの構造的一体性を維持するのに十分であり得る。したがって、それらのワイヤは、独立して形成され、独立して移動可能であり得る。図から認識及び理解されるように、ワイヤ200a、200b、200c、200dは、任意の数のパターンで他の波パターンと絡み合わされ得る。
【0038】
図8は、ステントの周囲を画定するように配置された4つのワイヤの二次元例解図であり、それらのワイヤは、図7に例解されるものと同様に、ステントの周囲を画定するように織り合わされている。ステントは、織り合わされたワイヤ200a、200b、200c、200d、及び接合部230a、230b、230c、230dの両方を有して、隣接したワイヤを接合し得る。例解されるように、接合部230bは、交差点において第1のワイヤ200c及び第2のワイヤ200bを接続するように配置され得る。接合部230a、230b、230c、230dは、ワイヤの端部付近に配置され得、1つの接合部のみを使用して各ワイヤを各隣接するワイヤに接続し得る。図から認識及び理解されるように、任意の数の接合部を使用して、ステントの長さに沿ってワイヤ及び様々な場所を接続し得る。最小限の接続230a、230b、230c、230dにより、ワイヤ200a、200b、200c、200dが、ステントの長さの大部分にわたって互いに独立して移動することを可能にし得る。
【0039】
図9は、3つの屈曲230により接合された4つのワイヤセグメント200a、200b、200c、200dの二次元例解図であり、それらのワイヤセグメントは、ステントの周囲を画定するように配置され、各ワイヤセグメント200a、200b、200c、200dは、屈曲230によって、隣接したセグメントに接合されている。例解されるように、各屈曲230は、ステントの第1又は第2の開放端部のいずれかにおいて位置決めされて、第1のワイヤ200a及び第2のワイヤ200bを接続し得る。このように接続されると、ワイヤセグメント200a、200b、200c、200dは、接合され得、長手方向の起伏セグメント200a、200b、200c、200dにより特徴付けられる連続ワイヤを形成し、それらのセグメントは、ステントの各端部に位置決めされた屈曲230において代替的に接合される。連続ワイヤは、セグメントの鎖内における第1のワイヤセグメント200aの端部、及び最後のワイヤセグメント200dの端部において位置決めされた非外傷性端部220を含み得る。代替的に(図示せず)、ステントは、屈曲において接合されたワイヤセグメントからなる複数の独立したワイヤを使用して構築され得る。ワイヤ及びワイヤセグメントは、本明細書に示された他の例において記載されているように、又は当技術分野において既知であるように、別様に接合され、又は織り合わされ得る。
【0040】
図10A~10Eは、ステントのワイヤのための例示的な波形パターン又は起伏パターンを例解し、それらのパターンは、本明細書に描写及び記載された他の波形に加えて、又はそれらの代わりに使用され得る。認識及び理解されるように、多くの波形パターンを利用して、図示されていないもの、並びに当技術分野において既知のものを含めた、ステントに対する所望の可撓性、構造的一体性、及び順応性を達成し得る。
【0041】
図11は、例示的なワイヤ織成パターンを例解し、そのパターンを利用して、本明細書に描写及び記載された他の織成パターンに加えて、又はそれらの代わりにステントを形成し得る。
【0042】
図12A~12Dは、可変幅を有する例示的なワイヤセグメントを例解し、その可変幅を利用して、本明細書に描写及び記載された他のワイヤ特徴に加えて、又はそれらの代わりにステントを形成し得る。図12Aに例解されるように、ワイヤは、ワイヤの各端部付近により太いセグメントを有する起伏パターン、及びワイヤの中央に位置決めされたより細いセグメントを有し得る。より細い中央セグメントは、ステントがマイクロカテーテルをより容易に通過することを可能にし、これに対して、より太い端部セグメントは、体腔内に固定するためのステント端部における構造的一体性を改善し得る。図12Bに例解されるように、ワイヤは、一方の端部付近に細いセグメントを有し、かつ他方の端部にはより太いセグメントを有し得る。例解されるように、セグメントは、ワイヤの一方の端部から他方の端部まで、次第により太く又はより細くなり得る。漸進的に変化するセグメント太さを有するワイヤセグメントから形成されるステントは、テーパ状構造体を有するように形成され得、そのテーパ状構造体は、テーパ形状である体腔内に埋め込まれたときに、体腔の側壁に対する適合性を達成するのに有利であり得る。
【0043】
本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書に記載されているように、本発明は、ステントの多くの変形及び修正を考察し、それらには、例えば、ワイヤの部分を振動させるための代替的な形状、ワイヤの非外傷性端部セグメントのための代替的な形状、ワイヤを接合又は接続するための代替的な手段、ワイヤを絡み合わせてステントを形成し、任意の数のワイヤを使用してステントを形成し、又はステントのための非常に多くの材料若しくは製造手段のいずれかを利用するための代替的なパターンが含まれる。これらの修正形態は、本発明の関連技術分野の当業者に明らかであろうし、かつ、以下の特許請求項の範囲内であることが意図される。
【0044】
〔実施の態様〕
(1) ステントであって、
第1の開放端部から第2の開放端部まで計測されるステント長さと、
三次元振動部分を各々含む2つ以上のワイヤであって、前記振動部分が、
z軸に対して平行に計測される振動部分長さと、
前記z軸の周りに360°未満の円弧にわたって周囲方向に延在し、前記振動部分の前記長さに延在し、かつ前記振動部分長さにわたって前記z軸から実質的に一定の半径を維持する、湾曲部と、
周囲方向に振動し、前記湾曲部の前記円弧内に制限され、かつ前記振動部分長さにわたって延在する、波形と、を含む、ワイヤと、を備え、
前記振動部分長さが、前記ステント長さの大部分に延在し、
前記1つ以上のワイヤの各々の前記振動部分が、前記1つ以上のワイヤの他の全ての前記振動部分とは独立して移動可能である、ステント。
(2) 前記2つ以上のワイヤのうちの第1のワイヤを、前記第1の開放端部に近接して前記2つ以上のワイヤのうちの第2のワイヤに固着する第1の接合部を更に備え、前記第1の接合部が、前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとの間の唯一の固着された接合部である、実施態様1に記載のステント。
(3) 前記2つ以上のワイヤのうちの第1のワイヤが、前記第1のワイヤの前記波形の1つの振動周期内で、前記2つ以上のワイヤのうちの隣接する第2のワイヤの下部及び上部で交差する、実施態様1に記載のステント。
(4) 前記2つ以上のワイヤの各々が、前記2つ以上のワイヤの他の全てから独立して形成されている、実施態様1に記載のステント。
(5) 前記第1の開放端部に隣接して位置決めされ、前記第1の開放端部と前記振動部分との間に延在する、第1の端部構造体と、
前記第2の開放端部に隣接して位置決めされ、前記第2の開放端部と前記振動部分との間に延在する、第2の端部構造体と、を更に備える、実施態様1に記載のステント。
【0045】
(6) 前記第1の端部構造体及び前記第2の端部構造体が、非外傷性形状を各々含む、実施態様5に記載のステント。
(7) 前記2つ以上のワイヤの各々が、1つ以上の場所において、前記2つ以上のワイヤのうちの周囲方向に隣接するワイヤに接合されている、実施態様1に記載のステント。
(8) 前記2つ以上のワイヤのうちのワイヤが、前記ステントの前記長さに沿って変化する幅を有する、実施態様1に記載のステント。
(9) ステントであって、
第1の開放端部から第2の開放端部までz軸に対して平行に計測される長さと、
周囲と、
三次元波形を各々含む2つ以上のワイヤと、を備え、
各波形が、前記z軸の周りの円弧内で周囲方向に振動し、
各波形が、前記ステントの前記長さの大部分にわたって前記z軸に対して平行に延在し、
各波形が、前記z軸から実質的に一定の半径距離を維持し、
前記2つ以上のワイヤの各々が、前記周囲の周りで互いに周囲方向に隣接して位置決めされ、
前記2つ以上のワイヤの各々が、前記2つ以上のワイヤの他の全てから独立して、前記ステントの前記長さの前記大部分に沿って移動可能である、ステント。
(10) 管状ステントであって、
周囲と、
第1の端部から第2の端部までの長さと、
前記周囲の周りに位置決めされた複数のワイヤと、を備え、
各ワイヤが、独立して形成され、
各ワイヤが、前記管状ステントの前記長さの大部分にわたって延在する波パターンを形成するように、周囲方向に起伏し、
各ワイヤが、前記管状ステントの前記長さの前記大部分にわたって、前記複数のワイヤのうちの隣接するワイヤに対する隣接する位置を維持しながら、反復様態で前記隣接するワイヤの下部及び上部を通過し、
前記複数のワイヤが、前記管状ステントを形成するように周囲方向に絡み合う、管状ステント。
【0046】
(11) 前記複数のワイヤの各々が、円弧に沿って湾曲した所定の三次元形状を構成する記憶形状材料を含み、前記三次元形状が、前記円弧内で起伏する前記波パターンを含む、実施態様10に記載のステント。
(12) ステントであって、前記ステントの長さの大部分にわたって延在する周囲方向に位置決めされた起伏ワイヤを含む管状構造体を備え、前記ワイヤが、周囲方向に振動する起伏を各々含み、前記ワイヤの各々の前記起伏は、前記起伏ワイヤの前記周囲方向の位置決めが、前記ステントの周囲を単独で画定するように、周囲方向に隣接するワイヤの起伏内で周囲方向に陥凹している、ステント。
(13) ステントを製造するための方法であって、
弾性管材を提供するステップと、
複数の実質的に同様の波パターンを形成するように、前記管材を切断するステップであって、各波パターンが、
前記管材の周囲内の円弧にわたって周囲方向に延在する振幅と、
軸であって、それに沿って前記波パターンが反復し、前記軸が、前記管材の長さの少なくとも一部分に沿って延在する、軸と、
前記管材の管腔表面から切断された湾曲した内側表面と、を含む、切断するステップと、
前記複数の波パターンの各々を前記管材から分離するステップと、
前記ステントの前記長さの大部分を横切って延在するように各波パターンを位置決めするステップと、
前記ステントの周囲を集合的に形成するように、あらゆる波パターンの前記湾曲した内側表面を整合させるステップと、
前記複数の波パターンから管状ステント本体の大部分を形成するステップと、を含む、方法。
(14) 各波パターンを、前記複数の波パターンのうちの順時計回りの隣接する波パターン、及び前記複数の波パターンのうちの反時計回りの隣接する波パターンと絡み合わせるステップを更に含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記複数の波パターンのうちの第1の波パターンを、前記管状ステント本体の端部に近接して前記複数の波パターンのうちの第2の波パターンに接合させるステップを更に含む、実施態様13に記載の方法。
【0047】
(16) 前記弾性管材が、記憶形状金属を含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 複数の屈曲を形成するように前記管材を切断するステップであって、各屈曲が、前記複数の波パターンのうちの2つの隣接する波パターンを接合する、切断するステップと、
前記複数の屈曲が、前記管状ステント本体の第1の端部、又は前記管状ステント本体の第2の端部に近接して各々位置決めされるように、各屈曲を位置決めするステップと、を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(18) 各屈曲が、非外傷性形状を有する、実施態様17に記載の方法。
(19) ステントを製造するための方法であって、
周囲及び長さを含む弾性管材を提供するステップと、
各ワイヤが前記周囲の一部分を横切ってピークツーピークで振動する波パターンを含むように、前記管材から個々のワイヤを切断するステップと、
管形状を形成するように、前記ワイヤを織成するステップと、を含む、方法。
(20) 前記管材から個々のワイヤを切断する前記ステップは、前記個々のワイヤが互いから切り離されるように、前記管材から前記ワイヤを分離するステップを更に含む、実施態様19に記載の方法。
【0048】
(21) 前記個々のワイヤのうちの第1のワイヤを、1つ以上の場所において、前記個々のワイヤのうちの第2のワイヤに接合させるステップを更に含む、実施態様19に記載の方法。
(22) 管状構造体を備えるステントであって、前記管状構造体が、
前記ステントの長さの大部分にわたって延在する周囲方向に位置決めされた起伏ワイヤセグメントであって、前記ワイヤセグメントが、周囲方向に振動する起伏を各々含み、前記ワイヤセグメントの各々の前記起伏は、前記起伏ワイヤの前記周囲方向の位置決めが、前記ステントの周囲を単独で画定するように、周囲方向に隣接するワイヤセグメントの起伏内で周囲方向に陥凹している、起伏ワイヤセグメントと、
前記ステントの第1の端部又は第2の端部に近接して各々位置決めされた、非外傷性ワイヤセグメントであって、周囲方向に隣接するワイヤセグメントを接合する、非外傷性ワイヤセグメントと、を含む、ステント。
(23) 前記起伏ワイヤセグメントと前記非外傷性ワイヤセグメントとの組み合わせが、連続構造体を形成する、実施態様22に記載のステント。
(24) 前記起伏ワイヤセグメントと前記非外傷性ワイヤセグメントとの組み合わせが、連続ワイヤを形成する、実施態様22に記載のステント。
(25) 前記起伏ワイヤセグメント及び前記非外傷性ワイヤセグメントが、前記ステントの前記長さに沿った長手方向、及び前記ステントの前記周囲を形成する周囲方向の両方に曲がりくねって進む連続ワイヤを形成するように、交互様態で位置決めされている、実施態様22に記載のステント。
【0049】
(26) 前記連続ワイヤの第1の端部に近接して位置決めされた第1の非外傷性端部構造体と、前記連続ワイヤの第2の端部に近接して位置決めされた第2の非外傷性端部構造体と、を更に備える、実施態様25に記載のステント。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
【外国語明細書】