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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090741
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】口腔機能の維持・向上支援システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240627BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206817
(22)【出願日】2022-12-23
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000106324
【氏名又は名称】サンスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003823
【氏名又は名称】弁理士法人柳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 修平
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】口腔機能の維持又は向上をサポートする口腔機能の維持・向上システムを提供する。
【解決手段】口腔機能の維持・向上システムの支援サーバ1において、状態・ケア実体情報取得部10aは、個々のユーザーのセンサー付きの端末から顔面・頸部領域の美容状態及びケア実態を把握する情報を取得する。意識・知識実体情報取得部10bは、第三者のコンピュータから、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に対する意識・知識実態を把握する事が可能な情報並びにユーザーの一般属性、全身の健康状態、ケア履歴などのユーザー情報を取得する。有用情報生成部10dは、最新及び過去の顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する情報を、ユーザー情報に基づき解析し、解析した情報を提供する時点においてユーザーの口腔機能を維持又は向上するために有用な情報を生成する。情報送信部10eは、精製した情報をユーザーに提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を、ユーザー自身の一般属性、ケア履歴、食生活や生活習慣、運動習慣の実態、および心理状態から選択される1又は2以上のユーザー情報に基づき解析し、個々のユーザー毎に対し解析した情報を提供する時点において、ユーザーの顔面・頸部領域の美容を維持又は向上させるために有用な情報やサービスをネットワークを通じてユーザーの端末に提供する支援サーバを有した口腔機能の維持又は向上の支援システムであって、
支援サーバが、
個々のユーザーの端末又はユーザーの情報を保有する第三者のコンピュータから、ネットワークを通じて、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する状態およびケアの実態を把握することが可能な情報であって前記端末により日常的に入手される時系列的に連続的若しくは断続的な情報を取得する機能・状態・ケア実態情報取得部と、
個々のユーザーの端末又はユーザーの情報を保有する第三者のコンピュータから、ネットワークを通じて、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に対する意識・知識実態を把握する事が可能な情報を取得する意識・知識実態情報取得部と、
個々のユーザーの端末又はユーザーの情報を保有する第三者のコンピュータから、ネットワークを通じて、ユーザーの一般属性、顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケア履歴、食生活や生活習慣、運動習慣の実態、および心理状態から選択される1又は2以上のユーザー情報を取得するユーザー情報取得部と、
取得した前記顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を記憶する、顔面・頸部情報記憶部と、
取得した前記ユーザー情報を記憶する、ユーザー情報記憶部と、
最新および過去の顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を、前記ユーザー情報に基づき解析し、解析した情報を提供する時点において、ユーザーの顔面・頸部領域の美容の維持又は向上のために有用な情報を生成する有用情報生成部と、
この生成された有用情報を、ネットワークを通じて、ユーザー端末又はユーザーの情報を保有する第三者のコンピュータに送信して提供する、
情報送信部と、
を備えた口腔機能の維持又は向上の支援システム。
【請求項2】
前記有用情報が、下記(i)~(v)の情報から選択される1つ又は2つ以上の情報を含む、請求項1記載の口腔機能の維持又は向上の支援システム。
(i) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能の実態に関する評価情報および改善提案の情報、
(ii) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能に関する状態の程度がもたらす心身の健康に与えうる影響に関する一般情報、
(iii) ユーザーの現状の顔面・頸部領域の美容に関する状態から考えられる将来の口腔・咽喉領域の機能に関する状態の変化・リスクやその予防・改善方法に関する情報、
(iv) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能の維持や向上のためのサービスの情報、
(v) ユーザーの生活習慣、食生活、運動習慣の実態の評価およびその実態から推測できる将来の口腔・咽喉領域の機能に関するリスク、実態の改善方法や維持・改善行動に対するサポート提案の情報。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの顔面・頸部領域の美容を維持又は向上するために有用な情報やサービスをネットワークを通じてユーザーの端末に提供し、ユーザーの口腔機能の維持又は向上を支援するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中高年であっても趣味や仕事に意欲的で、健康志向が高く、元気で活動的な人が増加している。それに伴い美容に対する意識、特に実年齢よりも若く見られたいという意識が高まっており、特に年齢を感じやすい顔や首のシワやたるみを改善したいという要望がある。
【0003】
他方、食べ物を噛むことや嚥下行動、唾液の分泌等は、脳および全身への影響が大きく、心身の健康および健康寿命に大きく影響を及ぼすことが知られており、口腔および咽頭領域の機能を維持、向上させることで、結果的に健康寿命も延びるといわれている。特に、歯応えのある食事の十分な咀嚼は、栄養摂取、脳の活性化、運動機能の向上、肥満の抑制、老化の抑制、社会性の維持につながるなど、健康寿命の延伸に効果があるとされており、加齢により咀嚼力等の口腔機能が低下すると、オーラルフレイル、ひいてはフレイルや寝たきりへ繋がることが知られている(非特許文献1参照)。
【0004】
このように、咀嚼等の口腔機能を維持・向上させることが健康寿命の延伸に効果的であることから、咀嚼力を鍛錬するための食品(特許文献1)や、トレーニング器具(特許文献2)が種々提案されている。しかし、将来の健康リスクを低下させるために単調なトレーニングを継続することは多くの消費者にとって困難であり、モチベーションの維持は個々人の健康意識の高さによるところが大きいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-000197号公報
【特許文献2】特表2017-524510号公報
【非特許文献1】小林義典,依頼論文 咬合・咀嚼が創る健康寿命,日補綴会誌Ann Jpn Prosthodont Soc3,p189-219,2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、顔面・頸部領域の美容の維持又は向上を目的とするによりユーザーのモチベーションを高め、口腔機能の維持又は向上をサポートするシステムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、かかる現況に鑑み、鋭意検討した結果、顔面・頸部領域の美容の維持又は向上には、口腔や咽頭領域における機能の維持向上が重要であることに着目し、個々のユーザーのセンサー付きの計測手段を用いて入手できる情報を解析する事で把握できる顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を、ユーザー自身の一般属性、全身の健康状態、ケア履歴、食生活や生活習慣、運動習慣の実態、および心理状態などから、当該ユーザーの顔面・頸部領域の美容の維持又は向上に適した形で、当該ユーザーの口腔や咽頭領域における機能の維持向上に有用や情報を導き出し、これを当該ユーザーに適宜、提供することで、各ユーザーの口腔や咽頭領域における機能の維持又は向上に大きく貢献できる情報提供システムを実現できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
項1.
顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を、ユーザー自身の一般属性、ケア履歴、食生活や生活習慣、運動習慣の実態、および心理状態から選択される1又は2以上のユーザー情報に基づき解析し、個々のユーザー毎に対し解析した情報を提供する時点において、ユーザーの顔面・頸部領域の美容を維持又は向上させるために有用な情報やサービスをネットワークを通じてユーザーの端末に提供する支援サーバを有した口腔機能の維持又は向上の支援システムであって、
支援サーバが、
個々のユーザーの端末又はユーザーの情報を保有する第三者のコンピュータから、ネットワークを通じて、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する状態およびケアの実態を把握することが可能な情報であって前記端末により日常的に入手される時系列的に連続的若しくは断続的な情報を取得する機能・状態・ケア実態情報取得部と、
個々のユーザーの端末又はユーザーの情報を保有する第三者のコンピュータから、ネットワークを通じて、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に対する意識・知識実態を把握する事が可能な情報を取得する意識・知識実態情報取得部と、
個々のユーザーの端末又はユーザーの情報を保有する第三者のコンピュータから、ネットワークを通じて、ユーザーの一般属性、顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケア履歴、食生活や生活習慣、運動習慣の実態、および心理状態から選択される1又は2以上のユーザー情報を取得するユーザー情報取得部と、
取得した前記顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を記憶する、顔面・頸部情報記憶部と、
取得した前記ユーザー情報を記憶する、ユーザー情報記憶部と、
最新および過去の顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を、前記ユーザー情報に基づき解析し、解析した情報を提供する時点において、ユーザーの顔面・頸部領域の美容の維持又は向上のために有用な情報を生成する有用情報生成部と、
この生成された有用情報を、ネットワークを通じて、ユーザー端末又はユーザーの情報を保有する第三者のコンピュータに送信して提供する、
情報送信部と、
を備えた口腔機能の維持又は向上の支援システム。
項2.
前記有用情報が、下記(i)~(v)の情報から選択される1つ又は2つ以上の情報を含む、項1記載の口腔機能の維持又は向上の支援システム。
(i) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能の実態に関する評価情報および改善提案の情報、
(ii) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能に関する状態の程度がもたらす心身の健康に与えうる影響に関する一般情報、
(iii) ユーザーの現状の顔面・頸部領域の美容に関する状態から考えられる将来の口腔・咽喉領域の機能に関する状態の変化・リスクやその予防・改善方法に関する情報、
(iv) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能の維持や向上のためのサービスの情報、
(v) ユーザーの生活習慣、食生活、運動習慣の実態の評価およびその実態から推測できる将来の口腔・咽喉領域の機能に関するリスク、実態の改善方法や維持・改善行動に対するサポート提案の情報。
【発明の効果】
【0009】
以上にしてなる本願発明によれば、ユーザーの顔面・頸部領域の美容の維持又は向上に適した形で、当該ユーザーの口腔や咽頭領域における機能の維持又は向上に有用な情報をユーザーに適宜提供し、各ユーザーの口腔や咽頭領域における機能の維持又は向上に大きく貢献できる情報提供システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の代表的実施形態に係る支援システムの構成を示す説明図。
図2】同じく支援システムにおける支援サーバの構成を示すブロック図。
図3】同じく支援システムにおけるユーザー端末の構成を示す説明図。
図4】同じくユーザー端末としてのセンサーデバイスの構成を示すブロック図。
図5】同じく支援サーバにおける有用情報の生成からユーザー端末への送信までの手順を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の一実施形態について添付図面に基づき詳細に説明する。本発明の支援システムは、顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を、ユーザー自身の一般属性、全身の健康状態、治療履歴、食生活や生活習慣、運動習慣の実態、および心理状態から選択される1又は2以上のユーザー情報に基づき解析し、個々のユーザー毎に対し解析した情報を提供する時点において使用する、ユーザーの口腔機能の維持又は向上するために有用な情報やサービスをネットワークを通じてユーザーの端末に提供するシステムである。
【0012】
本実施形態に係る支援システムは、図1に示すように、支援サーバ1と個々のユーザー端末2とがインターネットなどのネットワークNを通じて通信接続され、各種情報のやりとりが行われるとともに、支援サーバ1は、さらにユーザー情報を保有する第三者のコンピュータ(第三者コンピュータ3)にネットワークNを通じて通信接続され、各種情報のやりとりが行われる。
【0013】
ユーザー端末2としては、センサー付きの端末(センサーデバイス21)やパーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの情報端末22などが該当する。支援サーバ1は、ユーザー端末2としてのセンサー付きの端末で取得された情報を受信したり、ユーザー端末2としての情報端末22の入力手段でユーザーが手動で入力した情報を受信することができる。センサー付き端末から受信するシステムとしては、図3に示すように、センサーデバイス21で取得される種々の情報を直接、または該センサーデバイス21と無線通信する充電・保管台(ドッキングステーション23)やユーザーのパーソナルコンピュータ/スマートフォンなどの情報端末22を通じて受信するシステムが該当する。
【0014】
支援サーバ1は、図2に示すように、処理装置10と記憶手段11とを備える単または複数のコンピュータで構成され、具体的には、処理装置10を中心に、記憶手段11、通信制御部12、図示しない入力操作手段としてポインティングデバイスやキーボード、ディスプレイなどよりなる従来から汎用されているコンピュータ装置を用いることができる。
【0015】
処理装置10は、マイクロプロセッサなどのCPUを主体に構成され、図示しないRAM、ROMからなる記憶部を有して各種処理動作の手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。記憶手段11は、支援サーバ1内外のメモリやハードディスクなどからなる。支援サーバ1に通信接続された他のコンピュータのメモリやハードディスクなどで一部又は全部の記憶部の内容を記憶してもよい。
【0016】
処理装置10は、機能的には、大きく分けて、個々のユーザーのセンサー付きの端末(ユーザー端末2)から、ネットワークNを通じて、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する状態およびケアの実態を把握することが可能な情報であって前記センサーにより日常的に入手される時系列的に連続的若しくは断続的な情報を取得する状態・ケア実態情報取得部10aと、個々のユーザーの端末2又はユーザーの情報を保有する第三者コンピュータ3から、ネットワークNを通じて、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に対する意識・知識実態を把握する事が可能な情報を取得する意識・知識実態情報取得部10bと、個々のユーザー端末2又はユーザーの情報を保有する第三者コンピュータ3から、ネットワークを通じて、ユーザーの一般属性、ケア履歴、食生活や生活習慣、運動習慣の実態、および心理状態から選択される1又は2以上のユーザー情報を取得するユーザー情報取得部10cと、取得した最新および過去の顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を、取得した前記ユーザー情報に基づき解析し、解析した情報を提供する時点において、ユーザーの顔面・頸部領域の美容を維持又は向上させるために有用な情報を生成する有用情報生成部10dと、この生成された有用情報を、ネットワークNを通じて、ユーザー端末2に送信して提供する、情報送信部100eとを少なくとも備えており、これらの処理機能は上記プログラムにより実現される。
【0017】
記憶手段11は、状態・ケア実態情報取得部10a、および意識・知識実態情報取得部10bが取得した前記顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を記憶する、顔面・頸部領域情報記憶部11aと、ユーザー情報取得部10cが取得した前記ユーザー情報を記憶する、ユーザー情報記憶部11bと、有用情報生成部10dが生成したユーザーの顔面・頸部領域の美容を維持又は向上させるための有用情報を記憶する有用情報記憶部11cとを少なくとも備えている。
【0018】
状態・ケア実態情報取得部10aがユーザーのセンサー付きの端末(センサーデバイス21)から取得する、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する状態に関する情報としては、たとえば、顔面・頸部領域の肌の外観的状態としてシワ、シミ、キメ、赤み、くま、くすみ、毛穴、たるみ、ほうれい線、くぼみや隆起等、顔面・頸部領域の肌の内部的状態として水分量、皮脂・油分量、血流量等、顔面・頸部領域の機能的状態として筋肉の状態等、顔面・頸部領域全体を総合的に見た場合の印象、見た目の年齢等、また、日常的に実施しているケアの内容、頻度、使用しているケア用具等が該当する。
【0019】
より具体的には、シワに関する情報は、シワグレード標準による目視あるいは画像での評価、肌診断器、シワ部位レプリカの三次元評価(シワ面積率、シワ平均深さ、シワ最大深さ等)、及び画像解析によるシワ解析等で取得できる。シミに関する情報は、目視又は肌診断器による評価(個数、色、形状、大きさ等)、UV写真を用いた隠れシミや肝斑の評価、メラニン測定器による評価、及び画像解析によるシミ解析等で取得できる。キメに関する情報は皮膚の拡大画像の解析による評価(大きさ、大きさのばらつき、単位面積あたりの数、流れ、皮溝総長、皮溝総面積、皮溝面積比、皮溝深さ平均等)、皮膚レプリカの三次元評価等で取得できる。赤み、くまに関する情報は、目視又は肌診断器による評価、及び画像解析等で取得できる。くすみに関する情報は、目視又は肌診断器による評価、分光測色計による評価、及び画像解析等で取得できる。毛穴に関する情報は、目視又は肌診断器による評価、マイクロスコープを用いた評価(大きさ、単位面積あたりの数、形状、色等)、及び画像解析等で取得できる。たるみ、ほうれい線、くぼみや隆起に関する情報は、目視又は肌診断器による評価、及び二次元や三次元画像を用いた解析等で取得できる。
【0020】
水分量に関する情報は、角質水分測定器による評価等により取得できる。皮脂・油分量は、目視又は肌診断器による評価、光透過法を使用した油分計・皮脂分泌量測定器による評価、及び経皮水分蒸散量(TEWL)測定機器による評価等で取得できる。血流量に関する情報は、血流量は、レーザー血流計や超音波血流計による評価等で取得できる。筋肉の状態は、筋電位測定による活動強度や反応時間の評価等で取得できる。
【0021】
顔面・頸部領域全体を総合的に見た場合の印象、見た目の年齢に関する情報は、ユーザー自身の顔写真を解析し、統計データから見た目の印象の良さや年齢について推定を行うソフトウェアによる評価等で取得できる。
【0022】
ケア実態に関する情報は、ユーザー自身に使用している用品や頻度などの実態を入力させる、ユーザー端末2と通信可能に構成されたケア用品の使用履歴、ユーザーの情報を保有する第三者、たとえばケア用品の購入やケアサービスの利用についての情報を保有する第三者の第三者コンピュータ3から、顧客関係管理(CRM)システムの情報(ケア用品の購買履歴、ケアサービス利用履歴の情報)等で取得できる。
【0023】
これらの情報は顔面・頸部領域全体で取得してもよく、顔面・頸部それぞれの領域で取得してもよく、顔面・頸部の領域をさらに細分化して取得してもよい。細分化した領域としては、顔面領域では額、こめかみ、眉間、まぶた、目頭、目尻、もみあげ、耳介、頬、鼻、小鼻、鼻下、上下口唇、フェイスライン、顎、顎下等が挙げられる。頸部領域では、全体を上下方向に複数に分割した領域、それをさらに正面及び左右側面に正面及び左右側面に分割した領域などが挙げられる。
【0024】
センサーデバイス21の構成は、たとえば、図4をに示すように、処理装置24を中心に記憶手段25、入・出力部26、画像入力部27、表示・告知部28、無線・有線通信部29を備え、入・出力部26のセンサーや画像入力部27により顔面・頸部領域の美容に関する状態、行動情報、ケア行動情報を入手するデバイスとすることができる。また、ユーザー端末2にセンサーデバイス21の機能を内蔵することもできる。
【0025】
より好ましくは、以下のような構成を備える。すなわち、スイッチをオンすることで、またはドッキングステーション23から取り出すことで、または加速度、生体センサーで動きを感知することで電源がONとなる。複数ユーザーでの使用も可能とし、個人認識用のボタン、または生体センサーによる個人認識を行う。入・出力部26のセンサーからの取得情報と共に、センサーデバイス21の状態(電池残量、使用時間、装着状態など)を、同じくユーザー端末2であるスマートフォンなどの情報端末22に対して無線・有線通信部29により近距離無線通信(ANT+、Bluetooth、ZigBee、IrDAなど)を用いて転送する。オンラインで使用する場合、センサーデバイス21が取得した情報が情報端末22に近距離無線通信により転送され、情報端末22にユーザーが直ぐに確認可能な形式で表示される。
【0026】
また、好ましくは、オフラインでも使用が可能であり、入・出力部26のセンサーから得られた情報は一時的にEEPROMなどの記憶手段25に保存される。スマートフォンなどの情報端末22または充電・保管台(ドッキングステーション23)と通信が可能となったら、データを転送する。記憶手段25の記憶容量が一定の閾値を超えた場合、それをユーザーに知らせる手段を持つ。EEPROMのデータは情報端末22に転送することで消去される。またはユーザーに告知した後、転送せずに使用した場合は消去される。オンラインで使用した場合は、EEPROM上にデータは記憶されなくてもよい。
【0027】
さらに、例えば測定プローブの押し付け圧などが測定可能な範囲を超過するなどした場合はユーザーにそれを知らせる構成を備え、それを実施するための演算機能(演算部)が処理装置24に備わる。また、センサーデバイス21のセット不良、情報端末未接続、故障、電池残量判定などの診断をし、それを告知する表示・告知部28が備わることも好ましい。ユーザーへの告知はアラーム、LEDの点滅、LCD・ELなどによる画像、振動など、聴覚、視覚、触覚に訴える手段で行うことができる。
【0028】
センサーデバイス21または、充電・保管台(ドッキングステーション23)は、センサーで取得した情報、画像入力部から取得した画像データを送信する機能を備えることが好ましい。たとえば、ユーザーは各種センサーで取得した情報、又は画像入力部で撮影した顔写真や肌の拡大画像等を、解析・診断を行うことが可能な第三者に送付する。この際、支援サーバ1側で、前期情報や画像を取得した際に、識別情報が割り付けられる。
【0029】
パーソナルコンピュータやスマートフォンに代表される情報端末22は、公知のものを広く採用できる。顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケア行動情報、アドバイス情報、商品情報を表示するとともに、ユーザーの属性、行動日記などの情報をキーボード、マイクなどの入力部により行うことができる。また、備え付けのカメラ、バーコードリーダーなどで画像入力部から、顧客情報および製品情報などを画像情報にて取り込むこともできる。センサーデバイス21とインタラクティブに情報伝達することでケア行動、顔面・頸部領域の現在の状態などを即座に表示すると共に、支援サーバ1から、機器からの情報を元に解析、評価した結果も合わせて表示を行う。また、関連商品の紹介などを分析データと使用実態から適切に行い、ユーザーの利便性を高める事を目的とする。
【0030】
また、センサーデバイス21からのセンサー取得情報と共に機器の状態(電池残量、使用時間、装着状態など)の情報入手は、近距離無線通信(ANT+、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、IrDAなど)を用いて受信することで行うことができる。オンラインで使用する場合、たとえばセンサー情報がセンサーデバイス21から近距離無線通信により転送され、情報端末22にユーザーが直ぐに確認可能な形式で表示される。顔面・頸部領域のケア行動後に表示される分析・評価内容に関しては、Wifiなどの無線LANまたは有線LANによるインターネット接続により支援サーバ1との間でデータ送信が行われる。
【0031】
また、好ましくは、ユーザーの何らかの問題で、情報端末からユーザー属性、健康状態、行動日記などの情報が入力できない場合に対応して、コールセンターへ電話発信する機能を持つ。情報端末を持たなくても、充電・保管台(ドッキングステーション)も無線LAN、有線LANによるインターネット接続機能を持ち、支援サーバ1に情報を送信することができ、その場合は、紙などによる情報提供を行うこともできる。
【0032】
状態・ケア実態情報取得部10aは、このようにセンサー付き端末(センサーデバイス21)からの情報取得に加え、さらにユーザー端末2としてのパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報端末の入力手段でユーザーが手動で入力した顔面・頸部領域の美容に関する状態・ケア実態情報を受信してもよい。たとえば、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する状態の情報は、それぞれの状態・実態についてのユーザーの自己評価や認識を問う問診表やアンケート等で代替しても良く、これらの回答とセンサーデバイスでの測定結果との対応を教師データとして生成した予測モデルを用いた評価を利用することもできる。
【0033】
たとえばユーザーの入力により取得される顔面・頸部領域の美容に関する状態としては、シワが増えた、シミが増えた、キメがなくなった、肌の赤みが増した、くま・くすみが増した、毛穴が目立つようになった、たるみが増した、ほうれい線が深くなった、肌が乾燥する、肌が脂っぽい、表情筋が衰えている、見た目の印象が良くない、見た目の年齢が実年齢より高く見られる、といった情報が該当する。
【0034】
ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する状態・ケア実態情報を保有する第三者コンピュータ3から取得してもよい。また、前記ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する状態・ケア実態情報を保有する第三者としては、センサーデバイスを保有・設置している化粧品販売店舗、ドラッグストア、エステサロン、ネイルサロン、理美容室、皮膚科・美容外科などの医院、ジム、及びユーザーの画像や検体サンプルを評価・分析する分析評価機関などが該当し、これら第三者とあらかじめ情報の交換について提携することなどにより入手することができる。
【0035】
意識・知識実態情報取得部10bが、個々のユーザーの端末2又はユーザーの情報を保有する第三者コンピュータ3から取得する、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する意識・知識実態を把握する事が可能な情報としては、たとえば、美容、特に状態・ケア実態情報取得部10aがユーザーのセンサー付きの端末(センサーデバイス21)から取得する情報に関する悩みや、これらの状態変化への自覚とその対処の実施有無、適正なケア方法、ケア用具やケア製品に関する情報等の把握(理解)度合いなどの情報が該当する。ユーザーの情報を保有する第三者は、美容関連商品販売店舗、化粧品販売店舗、ドラッグストア、これらのオンラインストア、エステサロン、ネイルサロン、理美容室、皮膚科・美容外科などの医院、ジム、パーソナルトレーナー、及びユーザーの画像や検体サンプルを評価・分析する分析評価機関などが該当し、これら第三者とあらかじめ情報の交換について提携することなどにより入手する。
【0036】
ユーザー端末2からの取得は、上述したようにセンサー付き端末(センサーデバイス21)からの取得でもよいし、ユーザー端末2としてのパーソナルコンピュータやスマートフィンなどの情報端末の入力手段でユーザーが手動で入力した情報を受信することなどが該当する。より具体的には、たとえば支援サーバ1の内/外でユーザーへの情報提供を目的としたWebサイト(情報提供サイト)を運営(Webサーバ機能を保有)し、該情報提供サイトを通じてアクセスしたユーザーがパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報端末から入力したユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する意識・知識実態を把握する事が可能な情報を取得することが挙げられる。
【0037】
この情報提供サイトを通じてユーザーに提供する情報の内容としては、後述する当該ユーザー向けの有用情報以外に、一般的な顔面・頸部領域の美容に関するケア関連情報、特に、顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能に関する情報をコアとし、ユーザー自身が、口腔・咽喉領域の機能を維持・向上するケアを行うことにより、顔面・頸部領域の美容の維持・向上が期待できる意識を芽生えさせるようにすることが好ましい。
【0038】
提供する顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能に関する情報としては、たとえば、咀嚼・嚥下・唾液分泌機能の重要性についての情報、顔面・頸部領域の筋肉と顔貌・シワ・たるみの関係性、咀嚼運動により得られる種々の効果(ダイエット、アンチエイジング等)、咀嚼により分泌されるホルモンと美容との関係性、咀嚼障害を起こした場合に生じやすい問題、咀嚼障害を生じにくくする予防法、噛み合わせの重要性についての情報、適正でない咀嚼習慣を継続した場合に生じる問題と適正な咀嚼の方法、各種咀嚼関連商品に関する情報(原料・安全性などの製品情報、誤った使用方法の際に生じる問題点と正しい使用方法など)、決めた期間(たとえば1週間)における具体的なケア方法の提案、年齢や性別の違いにより生じるトラブルの例とその予防や対処方法、食事の癖や偏り、嗜好品の摂取・使用などにより生じるトラブルの例とその予防や対処方法、最新の関連研究の紹介などが挙げられる。
【0039】
情報提供サイトでは、これら情報の提供と引き換えに、ユーザーの意識・知識実態の情報をユーザーに可能な限り意識させることなく入手する。具体的には、無料サービス一覧からユーザーが選択する選択履歴から情報を取得すること、提供サービス毎に必要とする情報をユーザーが入力することにより当該情報を取得することなどが行われる。商品の使用に伴うモニタリング情報の入力がある場合は、ユーザー毎のデータ保存ディレクトリを作成する。商品購入後のユーザー登録や商品アフターサービスなども行うことが好ましい。
【0040】
ユーザー情報取得部10cが個々のユーザー端末2又はユーザーの情報を保有する第三者コンピュータ3から取得する、ユーザーの一般属性としては、たとえば、性別や年齢、生年月日、身長、体重、生活地域、職種などが該当する。
【0041】
同じくユーザー情報取得部10cが取得する情報としては、ユーザー端末2としてのセンサーデバイス21が取得する情報が挙げられる。また、ユーザーが手動で入力し、ユーザー端末2から受信する情報、あるいは第三者コンピュータ3から取得する情報として、当該ユーザーの商品購入履歴、ケア履歴、治療・服薬履歴、運動履歴などが該当する。
【0042】
同じくユーザー情報取得部10cが取得する食生活の情報としては、ユーザー端末2としての情報端末を通じて該情報端末にユーザーが入力して得られる食事の情報、たとえば食事の回数、食事時間、食事内容などが該当する。また、この場合のユーザーの情報を保有する第三者としては、たとえば食品の購入や外食産業の利用についての情報を保有する第三者が該当し、当該第三者の第三者コンピュータ3からは、顧客関係管理(CRM)システムの情報(食品商品の購買履歴、外食利用履歴の情報)などを取得できる。
【0043】
同じくユーザー情報取得部10cが取得する生活習慣としては、ユーザー端末2としての情報端末を通じて該情報端末にユーザーが入力して得られる情報として、たとえばライフスタイル(喫煙、飲酒、嗜好(甘いものを良く食べるなど))、日々行動ダイアリーなどが該当する。同じくユーザー情報取得部10cが取得する運動習慣の実態としては、ユーザー端末2としてのセンサーデバイスや、情報端末にユーザーが入力して得られる情報として、たとえば日常的運動の種類、日常的運動の平均的運動時間などが該当する。
【0044】
ユーザー情報取得部10cがユーザー端末2から取得する方法は、上述の意識・知識実態情報取得部10bなどと同様、上述の適宜なセンサーデバイス21や情報端末22にユーザーが入力した情報を取得する方法が該当し、上述した情報提供サイトを通じて、アクセスしたユーザーがパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報端末22から入力したユーザー情報を取得することなどが挙げられる。
【0045】
また、ユーザー情報取得部10cがユーザーの情報を保有する第三者コンピュータ3から情報を取得する方法は、第三者コンピュータ3に当該第三者の担当者が情報を入力することや、当該コンピュータ3にアクセスすることにより取得することができる。ユーザーの情報を保有する第三者としては、歯美容関連商品販売店舗、化粧品販売店舗、ドラッグストア、これらのオンラインストア、エステサロン、ネイルサロン、理美容室、皮膚科・美容外科などの医院、ジム、パーソナルトレーナー、及びユーザーの画像や検体サンプルを評価・分析する分析評価機関が該当し、これら第三者とあらかじめ情報の交換について提携することなどにより入手する。
【0046】
有用情報生成部10dは、顔面・頸部領域情報記憶部11aに記憶された最新および過去の顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を、ユーザー情報記憶部11bに記憶された上記ユーザー情報に基づき解析し、解析した情報を提供する時点におけるユーザーの顔面・頸部領域の美容を維持又は向上させるために有用な情報を選択して生成する。解析は、たとえば多変量解析など、所定の式に基づいて行うことができる。好ましくは上記情報について過去の情報や過去に提供された有用情報を、機械学習により分析し、推測のうえ生成することも好ましい。この機械学習には、ニューラルネットワークによるディープラーニングなどの任意の手法を用いることができる。
【0047】
有用情報生成部10dで生成される有用情報としては、好ましくは次の(i)~(v)
の情報から選択される1つ又は2つ以上の情報が含まれる。
(i) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能の実態に関する評価情報および改善提案の情報、
(ii) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能に関する状態の程度がもたらす精神的・心理的影響に関する一般情報、
(iii) ユーザーの現状の顔面・頸部領域の美容に関する状態から考えられる将来の口腔・咽喉領域の機能に関する状態の変化・リスクやその予防・改善方法に関する情報、
(iv) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能の維持や向上のためのサービスの情報、
(v) ユーザーの生活習慣、食生活、運動習慣の実態の評価およびその実態から推測できる将来の口腔・咽喉領域の機能に関するリスク、実態の改善方法や維持・改善行動に対するサポート提案の情報。
【0048】
(i)の情報としては、例えば、次のような情報が該当する。
(a) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能の実態を推測できる、センサーデバイスを活用した測定データ(例えば、シワ、たるみ、ほうれい線などに関する測定データ)、又はユーザーが手動で入力した顔面・頸部領域の美容に関する状態・ケア実態情報(例えば、シワ、たるみ、ほうれい線などに関する回答結果)を解析して得られる、口腔・咽喉領域の機能の実態(たとえば、表情筋や咀嚼筋が年齢平均より劣っている可能性がある、咽喉周辺の筋力が低下している可能性がある等)の評価、及び具体的な改善提案の情報、
(b) ケア用品(たとえば、表情筋や咀嚼筋をトレーニングする器具や食品等)の使用時の行動をリアルタイムに適正判断した上で必要に応じて、リアルタイムで提案する、改善内容や具体的方法の情報、
(c) ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する口腔・咽喉領域の機能の実態のデータに基づく、ユーザーに最適なケア用品の情報やそれらの好ましい使い方等の情報。
【0049】
(i)の情報を、改善方法の教育としてユーザーの情報端末に提供する場合には、最も改善すべき事項について、具体的な改善方法を指導することが好ましい。改善すべき項目についてマトリックス表で表示し、見たい内容を選択するとその詳細が示されるなどの表示方法が好ましい。さらに、前回からの改善度合いの傾向を示すことができるトレンドビューの機能を備えることも好ましい。
【0050】
(ii)の情報としては、例えば、次のような情報が該当する。
(a) 肌の外観的・内部的状態のデータに基づく、罹患している可能性のある全身疾患の情報、
(b) 口腔・咽喉領域の機能の実態を推測し得るデータを解析する事により得られる、口腔・咽喉領域の機能の低下リスク、咀嚼力・嚥下力の低下リスク、唾液分泌量の減少リスク、口腔衛生やオーラルフレイルに対するリスクや、摂食障害や味覚異常障害を発症するリスク、それらを原因又は遠因とする全身や精神に対する障害発生のリスクに関する情報、
(c) 食事時やそれ以外の時の舌運動の実体、咬合力、咀嚼時の咬合圧、噛み合わせの態、嚥下機能の水準、咀嚼時の癖などを推測し得るデータを解析して得られる、摂食障害のリスクやそれを原因又は遠因とする全身や精神に対する障害発生のリスクに関する情報
【0051】
(iii)の情報としては、例えば、当該ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関連する現在及び過去の履歴情報及びその他の情報を組み合わせて解析することにより得られる当該ユーザーが現在又は将来において発生する可能性がある心身の健康に与え得る情報が該当し、具体的には、例えば、次のような情報が該当する。
(a) 顔面・頸部領域の美容に関連する状態から推測される、将来の口腔・咽喉領域の機能の低下リスク、咀嚼力・嚥下力の低下リスク、唾液分泌量の減少リスク、口腔衛生やオーラルフレイルに対するリスク、
(b) 口腔・咽喉領域の機能に影響を及ぼす可能性がある当該ユーザーの全身の健康状態や情報、
(d) 当該ユーザーの心身に対するストレス(例えば、メンタルストレス、生体への酸化ストレスなど)の状態から推測される、口腔・咽喉領域の機能に対するリスク、
(e) 咀嚼の癖、咬合状態、咀嚼能力、嚥下機能の程度、食事中における咀嚼回数や咀嚼力などの口腔・咽喉領域の機能の情報提供時における当該ユーザーの情報等から推測される、将来において当該ユーザーが抱える可能性のあるQOLの低下をもたらす事象(例えば、摂食能力の低下、栄養摂取不良、認知力の低下、摂食可能な食事の多様性欠如、誤嚥性肺炎発症のリスクなど)
【0052】
(v)の情報としては、例えば、次のような情報が該当する。
(a) ユーザーの現在や過去の生活習慣や食生活、運動習慣に関するデータを解析する事により得られる、現在や将来における口腔・咽喉領域の機能の現在又は将来のリスク情報、
(b) 前記口腔・咽喉領域の機能の維持や改善に役立つ、食事方法、食事内容、食料品、機能改善用製品に関する情報、
(c) 前記口腔・咽喉領域の機能の維持や改善を目的としたユーザー行動を着手する動機付け及び着実な効果を得るためのシステム等の提供などのサポート提案
【0053】
ここにおいて生活習慣とは、例えば睡眠時間や睡眠の質、喫煙の有無や喫煙歴、喫煙頻度、冷暖房などの家庭内環境、フローリング、畳などの床材や壁材、建築様式(木造家屋、軽量鉄骨家屋、鉄骨ビルなど)等の住居情報、起床・就寝時刻、立位・座位の時間、姿勢や重心の推移などが挙げられ、食生活とは、例えば食事の回数や食事の時刻、食事量(摂取カロリーも含む)、メニューの多様性の程度、栄養バランス、摂取する食品・食事の硬度や弾力性などの物性、間食の有無や頻度、時刻、及び内容、糖質分・繊維分の摂取量、外食の有無や頻度、などが挙げられる。運動習慣とは、例えば習慣にしている運動の有無、運動強度、運動している総時間、運動する時刻、運動頻度、運動する仲間の有無などが挙げられる。
【0054】
情報送信部10eは、有用情報生成部10dで生成された上記有用情報を当該ユーザーのセンサーデバイス21や情報端末22などのユーザー端末2に送信する。ここで、提携先の各種第三者の第三者コンピュータ3にも、前記有用情報のうち、すべて又は一部の情報を送信してもよい。ユーザー端末2に送信する上記有用情報は、Webサイトなどを通じて、家族など予めユーザーが指定した第三者にも閲覧もしくは共有することができることが好ましい。また、日記機能やユーザー間のメッセージ機能、コミュニティ作成機能などSNSによる情報シェアサービスを提供することも好ましい。
【0055】
また、情報送信部10eは、有用情報生成部10dで生成された有用情報のうち商品に関する情報、及びユーザーの住所等の配送に関する情報を、当該商品を取り扱う実店舗、オンラインストア、ロジスティック倉庫、PUDO宅配ボックスに送信してもよい。この場合、ユーザー端末2に、当該商品を購入又は受け取りが可能な場所を表示し、ユーザーに選択させることが好ましい。また、ユーザーに予め決裁手段を登録させておき、一度の操作で推奨される商品をユーザーに配送するよう、前記の各取り扱い店に指示を送信するように構成してもよい。
【0056】
図5は、有用情報生成部10dによる有用情報の生成と情報送信部10eによる有用情報のユーザー端末2への送信の一連の処理の例を示すフロー図である。有用情報生成部10dは、たとえば、有用情報として提供する各種情報の項目に応じて処理に用いる評価式を決定し(S101)、顔面・頸部領域情報記憶部11aに記憶されている当該ユーザーの最新および過去の顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報を抽出する(S102)とともに、ユーザー情報記憶部11bに記憶されているユーザー情報を抽出し(S103)、これら情報に基づき上記決定した評価式で演算処理することで推測、判定処理を行い(S104)、結果、選択された有用情報を有用情報記憶部11cに記憶する(S105)とともに、情報送信部10eが有用情報をユーザー端末2に送信する(S106)。
【0057】
S104で実行される推測処理を行う装置はたとえば、図示しないが、各部を統括して制御する制御部と、装置が推測に使用する各種データを記憶する記憶部、装置が他の装置と通信するための通信部を備えていてもよい。また、装置は、装置に対する各種データの入力を受け付ける入力部および装置が各種データを出力するための出力部を備えていてもよい。
【0058】
前記制御部には、図示しないが、データ取得部、評価値算出部、出力制御部、教師データ生成部、および学習部が含まれていてもよい。また、記憶部には、予測モデルと教師データが記憶されていてもよい。
【0059】
評価値算出部は、データ取得部が取得するデータを用いて顔面・頸部領域の美容や口腔・咽喉領域の機能の評価値を算出する。評価値出部は、ユーザーの顔面・頸部領域の美容に関する状態、ケアの実態および意識・知識実態を把握する事が可能な情報、ユーザー自身の一般属性、ケア履歴、食生活や生活習慣、運動習慣の実態、および心理状態のデータに基づいて、当該対象者の評価値を算出する。評価値の算出には、複数のユーザーのそれぞれのデータと評価値の実態との関係をモデル化した予測モデルを用いてもよい。
【0060】
出力制御部は、評価値算出部が算出する評価値を出力装置に出力してもよい。なお、出力装置は、装置の外部の端末であってもよいし、装置が備えているものであってもよい。また、出力の態様は出力された情報をユーザーが認識できるようなものであればよく、例えば表示出力であっても、印字出力であっても、音声出力であってもよい。
【0061】
教師データ生成部は、予測モデルの生成または更新に用いる教師データを生成してもよい。より詳細には、教師データ生成部は、複数のユーザーのそれぞれのデータと評価値の実態とを対応付けて教師データを生成する。各ユーザーのそれぞれのデータ、及び評価値の実態、例えばユーザーが装置に入力してもよいし、データ取得部がそれらのデータを格納している記憶装置にアクセスして当該記憶装置から取得してもよい。
【0062】
また、教師データ生成部は、データ取得部が取得する、評価値の算出の対象となるユーザーのそれぞれのデータと、当該対象者の評価値の実態との対応関係を示す教師データを生成する。教師データ生成部を備えていることにより、装置は、対象ユーザーのそれぞれのデータに基づく教師データを自動で生成することができる。
【0063】
学習部は、教師データを用いた学習により予測モデルを生成してもよい。また、学習部は、予測モデルの生成後に新たな教師データが追加された場合に、追加された教師データを用いて予測モデルを更新する。これにより、対象ユーザーの評価値を算出する度に、予測モデルの予測精度を維持または向上させることが可能になる。また、予測モデルは、各ユーザーのそれぞれのデータ、及び評価値の実態との関係をモデル化したものであればよく、重回帰モデルに限られない。例えば、ニューラルネットワークやランダムフォレスト等の予測モデルを用いることも可能である。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0065】
1 支援サーバ
2 ユーザー端末
3 第三者コンピュータ
10 処理装置
10a 状態・ケア実態情報取得部
10b 意識・知識実態情報取得部
10c ユーザー情報取得部
10d 有用情報生成部
10e 情報送信部
11 記憶手段
11a 顔面・頸部領域情報記憶部
11b ユーザー情報記憶部
11c 有用情報記憶部
12 通信制御部
21 センサーデバイス
22 情報端末
23 ドッキングステーション
24 処理装置
25 記憶手段
26 入・出力部
27 画像入力部
28 表示・告知部
29 無線・有線通信部
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5