(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090771
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】ファームウェア更新システムおよびファームウェア更新方法
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20240627BHJP
F24H 1/14 20220101ALI20240627BHJP
F24H 15/104 20220101ALI20240627BHJP
F24H 15/395 20220101ALI20240627BHJP
G06F 8/65 20180101ALI20240627BHJP
【FI】
F24H15/196 302H
F24H1/14 B
F24H15/104
F24H15/395
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206869
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】吉▲高▼ 豊
【テーマコード(参考)】
3L024
3L034
5B376
【Fターム(参考)】
3L024CC01
3L024CC17
3L024DD02
3L024DD22
3L024EE03
3L024EE09
3L024FF04
3L024GG39
3L024HH60
3L034EA07
5B376CA42
(57)【要約】
【課題】ファームウェア更新後に給湯器を適正かつ安全に動作させることが可能なファームウェア更新システムおよびファームウェア更新方法を提供する。
【解決手段】ファームウェア更新システム2において、給湯器11は、不揮発性メモリ112aを有する。操作端末50は、ガス圧調整が必要であるか否かを示す付加情報が付加されたファームウェアを給湯器11に送信する。給湯器11は、受信した付加情報に基づいて、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報(通知フラグ)を不揮発性メモリ112aに記憶させて、ファームウェアの更新を実行し、ファームウェアの更新後に、不揮発性メモリ112aにガス圧調整が必要であることを示す判定情報(通知フラグ)が記憶されていることに基づいて、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス給湯器に対するファームウェアの更新を、前記ガス給湯器に通信可能に接続された操作端末を用いて行うファームウェア更新システムであって、
前記ガス給湯器は、記憶部を有し、
前記操作端末は、
ファームウェアを前記ガス給湯器に送信する際に、ガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報を前記ガス給湯器に送信し、
前記ガス給湯器は、
受信した前記要否情報に基づいて、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報を前記記憶部に記憶させて、前記ファームウェアの更新を実行し、
前記記憶部にガス圧調整が必要であることを示す前記判定情報が記憶されていることに基づいて、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する、
ことを特徴とするファームウェア更新システム。
【請求項2】
ガス給湯器に対するファームウェアの更新を、前記ガス給湯器に通信可能に接続された操作端末を用いて行うファームウェア更新システムであって、
前記操作端末は、記憶部を備え、
前記操作端末は、
ファームウェアを前記ガス給湯器に送信する際に、当該ファームウェアとともに受信したガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報を参照して、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報を前記記憶部に記憶させ、
前記記憶部にガス圧調整が必要であることを示す前記判定情報が記憶されていることに基づいて、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する、
ことを特徴とするファームウェア更新システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のファームウェア更新システムにおいて、
前記操作端末は、ファームウェア更新のために前記給湯器に接続される情報処理端末である、
ことを特徴とするファームウェア更新システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載のファームウェア更新システムにおいて、
前記操作端末は、使用者から給湯に関する設定および実行指示を受け付けるためのリモートコントローラである、
ことを特徴とするファームウェア更新システム。
【請求項5】
ガス給湯器に対するファームウェアの更新を、前記ガス給湯器に通信可能に接続された操作端末を用いて行うファームウェア更新方法であって、
前記ガス給湯器は、記憶部を有し、
前記操作端末は、
ファームウェアを前記ガス給湯器に送信する際に、ガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報を前記ガス給湯器に送信し、
前記ガス給湯器は、
受信した前記要否情報に基づいて、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報を前記記憶部に記憶させて、前記ファームウェアの更新を実行し、
前記記憶部にガス圧調整が必要であることを示す前記判定情報が記憶されていることに基づいて、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する、
ことを特徴とするファームウェア更新方法。
【請求項6】
ガス給湯器に対するファームウェアの更新を、前記ガス給湯器に通信可能に接続された操作端末を用いて行うファームウェア更新方法であって、
前記操作端末は、記憶部を備え、
前記操作端末は、
ファームウェアを前記ガス給湯器に送信する際に、当該ファームウェアとともに受信したガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報を参照して、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報を前記記憶部に記憶させ、
前記記憶部にガス圧調整が必要であることを示す前記判定情報が記憶されていることに基づいて、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する、
ことを特徴とするファームウェア更新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス給湯器に対するファームウェアの更新を、ガス給湯器に通信可能に接続された操作端末を用いて行うファームウェア更新システムおよびファームウェア更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯器の制御ソフトウエアであるファームウェアが、随時、最新のものに更新され、給湯器に適用されている。以下の特許文献1には、給湯タンクに貯留された湯水を燃料電池ユニットの排熱により温める方式の燃料電池システムにおいて、各々の構成装置に対するファームウェアの更新を効率的かつ安全に行うことが可能な構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給湯器に対して更新されるファームウェアが給湯器のガス圧に関する制御を含む場合、ファームウェアの更新後に給湯器のガス圧調整(ガス2次圧調整)が必要となる。この場合、ファームウェアの更新を行う作業者がファームウェアの更新後にガス圧調整を行わなかった場合、給湯器が不適切なガス圧で制御されてしまい、誤作動や不具合が生じる惧れがあった。
【0005】
かかる課題に鑑み、ファームウェア更新後に給湯器を適正かつ安全に動作させることが可能なファームウェア更新システムおよびファームウェア更新方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、ガス給湯器に対するファームウェアの更新を、前記ガス給湯器に通信可能に接続された操作端末を用いて行うファームウェア更新システムに関する。この態様に係るファームウェア更新システムにおいて、前記ガス給湯器は、記憶部を有する。前記操作端末は、ファームウェアを前記ガス給湯器に送信する際に、ガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報を前記ガス給湯器に送信する。前記ガス給湯器は、受信した前記要否情報に基づいて、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報を前記記憶部に記憶させて、前記ファームウェアの更新を実行し、前記記憶部にガス圧調整が必要であることを示す前記判定情報が記憶されていることに基づいて、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する。
【0007】
本態様に係るファームウェア更新システムによれば、ファームウェアの更新に伴い給湯器のガス圧調整が必要な場合、そのことが作業者に報知される。これにより、ガス圧調整が確実に行われ、ファームウェア更新後に給湯器を適正かつ安全に動作させることができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、ガス給湯器に対するファームウェアの更新を、前記ガス給湯器に通信可能に接続された操作端末を用いて行うファームウェア更新システムに関する。この態様に係るファームウェア更新システムにおいて、前記操作端末は、記憶部を備える。前記操作端末は、ファームウェアを前記ガス給湯器に送信する際に、当該ファームウェアとともに受信したガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報を参照して、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部にガス圧調整が必要であることを示す前記判定情報が記憶されていることに基づいて、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する。
【0009】
本態様に係るファームウェア更新システムにおいても、上記第1の態様と同様、ファームウェアの更新に伴い給湯器のガス圧調整が必要な場合、そのことが作業者に報知される。これにより、ガス圧調整が確実に行われ、ファームウェア更新後に給湯器を適正かつ安全に動作させることができる。
【0010】
第1の態様および第2の態様に係るファームウェア更新システムにおいて、前記操作端末は、ファームウェア更新のために前記給湯器に接続される情報処理端末とされ得る。これにより、作業者は、別途準備した情報処理端末により、給湯器に対するファームウェアの更新を円滑に行い得る。
【0011】
あるいは、第1の態様および第2の態様に係るファームウェア更新システムにおいて、前記操作端末は、使用者から給湯に関する設定および実行指示を受け付けるためのリモートコントローラとされ得る。これにより、作業者は、別途、情報処理端末を準備することなく、予め給湯器に接続されているリモートコントローラを用いて、給湯器に対するファームウェアの更新を円滑に行い得る。
【0012】
本発明の第3の態様は、ガス給湯器に対するファームウェアの更新を、前記ガス給湯器に通信可能に接続された操作端末を用いて行うファームウェア更新方法に関する。ここで、前記ガス給湯器は、記憶部を有する。この態様に係るファームウェアの更新方法において、前記操作端末は、ファームウェアを前記ガス給湯器に送信する際に、ガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報を前記ガス給湯器に送信する。前記ガス給湯器は、受信した前記要否情報に基づいて、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報を前記記憶部に記憶させて、前記ファームウェアの更新を実行し、前記記憶部にガス圧調整が必要であることを示す前記判定情報が記憶されていることに基づいて、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する。
【0013】
本態様に係るファームウェアの更新方法によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0014】
本発明の第4の態様は、ガス給湯器に対するファームウェアの更新を、前記ガス給湯器に通信可能に接続された操作端末を用いて行うファームウェア更新方法に関する。ここで、前記操作端末は、記憶部を備える。前記操作端末は、ファームウェアを前記ガス給湯器に送信する際に、当該ファームウェアとともに受信したガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報を参照して、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部にガス圧調整が必要であることを示す前記判定情報が記憶されていることに基づいて、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する。
【0015】
本態様に係るファームウェアの更新方法によれば、上記第2の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0016】
以上のとおり、本発明によれば、ファームウェア更新後に給湯器を適正かつ安全に動作させることが可能なファームウェア更新システムおよびファームウェア更新方法を提供することができる。
【0017】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る、給湯システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る、ファームウェア更新システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る、給湯器の燃焼系および配管の構成を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る、ファームウェア更新時に操作端末の制御部によって行われる処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る、ファームウェア更新時に給湯器の制御部によって行われる処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態1の変更例に係る、ファームウェア更新時に給湯器の制御部によって行われる処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態2に係る、ファームウェア更新時に操作端末の制御部によって行われる処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態2に係る、ファームウェア更新時に給湯器の制御部によって行われる処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態2の変更例に係る、ファームウェア更新時に操作端末の制御部によって行われる処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態3に係る、給湯システムの構成を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態3に係る、ファームウェア更新システムを構成する給湯器および台所リモコンの回路ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る、給湯システム1の構成を示す図である。
【0021】
図1に示すように、給湯システム1は、給湯装置10と、サーバ40とを備える。給湯装置10は、外部通信網30を介して、サーバ40と通信可能である。また、給湯装置10は、サーバ40を介して、図示しない携帯端末装置(たとえば、携帯電話機)により遠隔制御可能である。携帯端末装置の使用者は、宅内H10または宅外において、自身の携帯端末装置を用いて、湯張りや追い焚き、給湯温度の設定等の各種設定を行い得る。
【0022】
給湯装置10は、給湯器11と、リモートコントローラ12、13とを備えている。給湯器11は、ガスを燃料として湯を供給するガス給湯器である。即ち、給湯装置10は、ガス燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温めるガス燃焼式給湯装置である。
【0023】
給湯器11により生成された湯は、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給される。また、床暖房機能や、室内暖房機能、浴室暖房機能を実現するそれぞれの機器(暖房端末)に対して、給湯器11から湯が供給される。
【0024】
リモートコントローラ12、13は、給湯器11に接続され、給湯装置10の各機能について種々の設定や実行指示を行うために用いられる。リモートコントローラ12は、液晶パネルからなる表示部121と、入力部122とを備え、リモートコントローラ13は、タッチパネルからなる表示入力部131と、運転ボタン132とを備える。操作者は、表示部121に表示された画面に従って入力部122を操作することにより、湯張りや給湯温度調節等について、任意の設定を行うことができる。また、操作者は、表示入力部131を操作することによっても、湯張り等の設定を行える。
【0025】
リモートコントローラ12は、浴室に設置され、リモートコントローラ13は、キッチン等に設置される。リモートコントローラ12、13には、音声を入出力するための音声窓12a、13aが設けられている。
【0026】
以下、浴室に設置されるリモートコントローラ12を、「浴室リモコン12」と称し、キッチン等に設置されるリモートコントローラ13を、「台所リモコン13」と称する。
【0027】
ルータ20は、建物内(ここでは、宅内H10)に存在する各機器を、外部通信網30に接続するための通信中継器である。外部通信網30は、たとえば、インターネットである。外部通信網30には、給湯装置10を管理するためのサーバ40が接続されている。台所リモコン13は、ルータ20および外部通信網30を介して、サーバ40と通信を行う。
【0028】
台所リモコン13には、給湯システム1のアプリケーションプログラムが、サーバ40からダウンロードされ、インストールされている。このアプリケーションプログラムに、サーバ40にアクセスするためのアドレス情報(たとえば、IPアドレス)が含まれている。台所リモコン13は、このアドレス情報に基づいて、サーバ40にアクセスし、通信を行う。
【0029】
台所リモコン13のアドレス情報は、初期設定の際に、サーバ40に送信されて、サーバ40に登録される。さらに、台所リモコン13のID情報(識別情報)が、台所リモコン13からサーバ40に送信されて、サーバ40に登録される。
【0030】
図1には、さらに、給湯器11に対してファームウェアを更新するための構成として、操作端末50が示されている。操作端末50は、サービスマン等の作業者が別途準備した情報処理端末(パーソナルコンピュータやタブレットコンピュータ等)である。ファームウェアの更新時に、操作端末50は、通信線により、給湯器11に通信可能に接続される。給湯器11および操作端末50は、給湯器11に対するファームウェアの更新を行うためのファームウェア更新システム2を構成する。
【0031】
図2は、ファームウェア更新システム2を構成する給湯器11および操作端末50の回路ブロックを示す図である。便宜上、
図2には、サーバ40の回路ブロックが含まれている。
【0032】
給湯器11は、制御部111と、記憶部112と、表示部113と、入力部114と、駆動部115と、検出部116と、通信部117と、を備える。
【0033】
制御部111は、マイクロコンピュータを備え、内蔵メモリに記憶されたプログラム(ファームウェア)に従って、給湯器11内の各部の制御を行う。記憶部112は、メモリを備え、ファームウェア実行時の外部メモリ(ワーク領域)として用いられる。また、記憶部112は、EEPROM等の不揮発性メモリ112aを備えている。
【0034】
表示部113は、7セグメントディスプレイ等の表示手段を備える。入力部114は、操作ボタン等の入力手段を備える。ガス圧調整は、作業者が、入力部114に配置された所定の操作ボタンにより後述の比例弁を駆動してガス2次圧を調整しながら、最大燃焼時において燃焼器の燃焼状態が適正となるように、比例弁における燃料ガスのガス2次圧を調整する。ガス圧調整が完了すると、ガス圧調整前に不揮発性メモリ112aに記憶されていたガス圧調整値(最大燃焼時における比例弁の開度に関する値)は、ガス圧調整後のガス圧調整値に書き換えられる。
【0035】
駆動部115は、後述の元ガス電磁弁や比例弁、流量調節弁等の給湯動作に必要な駆動手段を備える。検出部116は、給湯器11に配置された各種センサを含んでいる。たとえば、検出部116は、湯水の温度を検出するための温度センサや、湯水の供給を検出するための流量センサ等を含んでいる。
【0036】
通信部117は、制御部111からの制御に従って、操作端末50と通信を行う。また、通信部117は、電力供給用の2芯通信線を介して、
図1の浴室リモコン12および台所リモコン13と通信を行う。
【0037】
操作端末50は、制御部511と、記憶部512と、表示部513と、入力部514と、通信部515とを備える。
【0038】
制御部511は、CPU等の演算処理回路を備え、記憶部512に記憶されたプログラムに従って各部を制御する。記憶部512は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶手段を備え、制御部511が実行するプログラムを記憶する。記憶部512には、ファームウェア更新のための制御プログラムが記憶されている。
【0039】
表示部513は、液晶ディスプレイ等の表示手段を備えている。入力部514は、キーボードや操作パッド等の入力手段を備えている。表示および入力が可能な液晶パネルによって表示部513および入力部514が一体的に構成されてもよい。通信部515は、制御部511からの制御により、外部通信網30を介して、サーバ40と通信を行う。
【0040】
サーバ40は、制御部411と、記憶部412と、通信部413とを備える。
【0041】
制御部411は、CPU等の演算処理回路を備え、記憶部412に記憶されたプログラムに従って各部を制御する。記憶部412は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶手段を備え、制御部411が実行するプログラムを記憶する。記憶部412には、給湯器11に適用されるファームウェア情報が、給湯器11の種別ごとに記憶されている。ファームウェア情報は、ファームウェアに付加情報が付加されて構成される。付加情報は、ガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報を含んでいる。
【0042】
通信部413は、制御部411からの制御により、外部通信網30を介して、操作端末50と通信を行う。また、通信部413は、制御部411からの制御により、外部通信網30を介して、
図1の台所リモコン13と通信を行う。
【0043】
図3は、給湯器11の燃焼系および配管の構成を模式的に示す図である。
【0044】
給湯器11は、その外郭を形成する筐体200内に、第1供給部210と第2供給部220とを備える。第1供給部210は、給湯機能のために、給湯用の湯を生成して、カラン、浴槽等の給湯端末に供給する。第2供給部220は、床暖房、室内暖房および浴室暖房を含む暖房機能のために、暖房用の湯を生成して床暖房機等の暖房端末に供給する。さらに、第2供給部220は、追い焚き機能のために、追い焚き用の湯を生成して浴槽に供給する。
【0045】
さらに、筐体200には、燃焼室を構成する缶体250と、缶体250の内部に燃焼用の空気を供給するためのファン260とが収容されている。缶体250の排気口251は、筐体200の上面から外部に導かれている。
【0046】
第1供給部210は、1次熱交換器211と、2次熱交換器212と、燃焼器213とを備える。燃焼器213は、燃料ガスを燃焼させるガスバーナである。1次熱交換器211および2次熱交換器212は、燃焼器213で生じた燃焼ガスから熱を回収して、入水管214を流れる水を加熱昇温させる。入水管214には、水源からの水が供給される。1次熱交換器211および2次熱交換器212における熱交換により生成された湯が、出湯管215から出湯される。出湯された湯は、台所および浴室のカランや、浴槽に供給される。
【0047】
入水管214と出湯管215の間には、バイパス管216が設けられている。このバイパス管216に、制御部111によって制御される流量調節弁217が設置されている。流量調節弁217が開放されると、バイパス管216を介して、入水管214から出湯管215に水が流入する。こうして、出湯管215を流れる湯に水が混ざることで、湯の温度が調整される。また、出湯管215に設けられた流量調節弁218によって入水管214および出湯管215を流れる湯水の流量を調整することによっても、湯の温度を調整できる。流量調節弁218は、入水管214に設けられてもよい。
【0048】
燃焼器213には、ガス管271を介して、燃料ガスが供給される。ガス管271には、燃料ガスの供給および遮断を切り替えるための元ガス電磁弁272が設置されている。元ガス電磁弁272は、制御部111によって制御される。ガス管271は、元ガス電磁弁272の下流側において2つの流路271a、271bに分岐している。流路271a、271bには、それぞれ、燃料ガスの流通量を制御するための比例弁273、274が設置されている。比例弁273、274は、制御部111によって制御される。元ガス電磁弁272および比例弁273、274は、
図2の駆動部115に含まれる。
【0049】
流路271a、271bは、それぞれ、燃焼器213、223に接続されている。元ガス電磁弁272が開放されると、比例弁273、274により規定される流通量の燃料ガスが、燃焼器213、223に供給される。これにより、所定の燃焼量で燃焼器213、223が燃焼を行う。
【0050】
第2供給部220は、1次熱交換器221と、2次熱交換器222と、燃焼器223とを備える。燃焼器223は、燃料ガスを燃焼させるガスバーナである。1次熱交換器221および2次熱交換器222は、それぞれ、燃焼器223で生じた燃焼ガスから熱を回収して、流通管234、233を流れる水を加熱昇温させる。
【0051】
暖房機能について、流通管231から出湯された湯は、比較的高温(たとえば、80℃程度)の湯を必要とする暖房端末、即ち室内暖房機と浴室換気乾燥暖房機に供給される。流通管232から出湯された湯は、比較的低温(たとえば、60℃程度)の温水を必要とする暖房端末、即ち床暖房機に供給される。これらの暖房端末を循環した湯は、流通管233に戻される。即ち、流通管231、232、233と、これらの流通管と暖房端末とを接続する配管、および、流通管234、235とによって、暖房端末との間の循環経路が構成される。
【0052】
暖房用の流路と暖房端末との間で湯を循環させるために、膨張タンク236とポンプ237が設置されている。制御部111によりポンプ237が駆動されると、膨張タンク236内の湯が、流通管231、232を通って各暖房端末に導入され、さらに、各暖房端末を通った湯が、流通管233に戻される。流通管233に戻された湯は、2次熱交換器222で加熱昇温され、膨張タンク236に貯留される。
【0053】
膨張タンク236に貯留された低温の湯は、流通管232を通って、低温の暖房端末に供給される。また、膨張タンク236に貯留された低温の湯は、流通管234を通って1次熱交換器221に流通され、高温の湯に加熱昇温される。その後、高温の湯は、流通管231を通って、高温の暖房端末に供給される。このとき、流通管235に設置された流量調節弁238が、適宜、制御部111により開かれる。これにより、膨張タンク236内の低温の湯が、流通管231を流れる高温の湯に混ぜられて、流通管231から出湯される温水の温度が調整される。こうして、各暖房端末と、1次熱交換器221および2次熱交換器222との間で、低温または高温の湯が循環される。なお、流通管231、232には、図示しない開閉弁が設けられ、高温の暖房端末のみに湯を供給するときには、低温用の流通管232の開閉弁が閉鎖され、低温の暖房端末のみに湯を供給するときには、高温用の流通管231の開閉弁が閉鎖される。
【0054】
追い焚き機能について、流通管241から出湯された湯は、浴槽に供給された後、浴槽から流通管243に戻される。すなわち、流通管241、242と、これらの流通管と浴槽とを接続する配管とによって、浴槽との間の循環経路が構成される。流通管242には、浴槽との間で湯を循環させるためのポンプ244が設置されている。さらに、流通管242には、流通管243を流れる温水との間で熱交換を行うための液液熱交換器245が設置されている。
【0055】
追い焚き時には、制御部111によりポンプ237が駆動された状態で、制御部111により開閉弁246が開放される。これにより、1次熱交換器221で加熱昇温された湯が流通管243を流れ、液液熱交換器245により、流通管242を流れる湯が加熱昇温される。加熱昇温された湯は、ポンプ244の駆動により、浴槽に供給される。こうして、浴槽と流通管241、242との間で循環する湯が液液熱交換器245で加熱昇温されることにより、浴槽内の湯に対する追い焚きが行われる。
【0056】
また、筐体200内には、湯の供給動作を実行するための各種センサが設置されている。即ち、7つのサーミスタS1~S7(温度センサ)が、筐体200内に設置されている。
【0057】
サーミスタS1は、出湯管215から出湯される直前の湯水の温度を検知し、サーミスタS2は、缶体250の出口付近において出湯管215を流れる湯水の温度を、給湯温度として検知する。サーミスタS3、S4は、それぞれ、流通管231、232から各暖房端末に出湯される直前の湯水の温度を検知し、サーミスタS5は、各暖房端末から流通管233に戻された湯水の温度を検知する。サーミスタS6は、流通管241から浴槽に出湯される直前の湯水の温度を検知し、サーミスタS7は、浴槽から流通管242に戻された湯水の温度を検知する。
【0058】
この他、出湯管215を流れる湯水の流量を検知するための流量センサS8が筐体200内に設置される。運転オン状態にある場合、制御部111は、流量センサS8により所定量以上の流量が検知されると、第1供給部210を動作させる。これにより、給湯機能の給湯運転が開始される。サーミスタS1~S7および流量センサS8は、
図3の検出部116に含まれる。
【0059】
ところで、給湯器11に対して更新されるファームウェアが給湯器11のガス圧に関する制御を含む場合、ファームウェアの更新後に給湯器11のガス圧調整が必要となる。この場合、ファームウェアの更新を行う作業者がファームウェアの更新後にガス圧調整を行わなかった場合、給湯器11が不適切なガス2次圧で制御されてしまい、誤作動や不具合が生じる惧れがある。
【0060】
このような問題に鑑み、本実施形態では、ファームウェア更新後に給湯器を適正かつ安全に動作させるための制御が行われる。以下、この制御について説明する。
【0061】
図4は、ファームウェア更新時に操作端末50の制御部511によって行われる処理を示すフローチャートである。
図5は、ファームウェア更新時に給湯器11の制御部111によって行われる処理を示すフローチャートである。
【0062】
図4を参照して、操作端末50の制御部511は、サーバ40から、更新対象のファームウェア情報を取得する(S101)。上記のように、ファームウェア情報は、給湯器11に適用されるファームウェアと、ガス圧調整の要否を示す付加情報(要否情報)とを含んでいる。なお、ファームウェア情報は、サーバ40にアクセスして取得する方法の他、USBメモリ等の記憶媒体から読み出す方法によって取得されてもよい。この場合、更新対象のファームウェア情報を記憶したUSBメモリが操作端末50に装着される。制御部511は、装着されたUSBメモリからファームウェア情報を読み出して、記憶部512に記憶させる。
【0063】
次に、制御部511は、作業者から、ファームウェアを更新するための操作が行われたか否かを判定する(S102)。この操作が行われると(S102:YES)、制御部511は、更新対象のファームウェア情報を記憶部512から読み出して、給湯器11に送信する(S103)。
【0064】
図5を参照して、給湯器11の制御部111は、更新対象のファームウェア情報を操作端末50から受信すると(S201:YES)、受信したファームウェア情報に含まれる付加情報(要否情報)が、ガス圧調整が必要であることを示すものであるか否かを判定する(S202)。
【0065】
付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものである場合(S202:YES)、制御部111は、通知フラグを不揮発性メモリ112aに記憶させた後(S203)、ファームウェア更新処理を実行する(S204)。これにより、制御部111の内蔵メモリに記憶されているファームウェアが、受信したファームウェア情報に含まれるファームウェアに書き換えられる。他方、付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものでない場合(S202:NO)、制御部111は、ステップS203をスキップして、ファームウェア更新処理を実行する(S204)。
【0066】
ファームウェア更新処理において、制御部111は、一旦リセットされた後、内蔵メモリに書き換えた更新後のファームウェアにより起動される。これにより、ファームウェア更新処理が完了する。その後、制御部111は、不揮発性メモリ112aを参照し、不揮発性メモリ112aに通知フラグが記憶されているか否かを確認する(S205)。不揮発性メモリ112aに通知フラグが記憶されている場合(S205:YES)、制御部111は、ガス圧調整が必要であることを報知するための報知通知を操作端末50に送信し(S206)、ガス圧調整のためのモードに移行する(S207)。不揮発性メモリ112aに通知フラグが記憶されていない場合(S205:NO)、制御部111は、ステップS206~S209の処理をスキップして、
図5の処理を終了する。
【0067】
図4を参照して、操作端末50の制御部511は、ファームウェア情報を給湯器11に送信した後、報知通知を給湯器11から受信しなかった場合(S104:NO)、ステップS105~S107をスキップして、
図4の処理を終了する。
【0068】
他方、ファームウェア情報を給湯器11に送信した後、報知通知を給湯器11から受信した場合(S104:YES)、制御部511は、ガス圧調整が必要であることを報知するための報知処理を実行する(S105)。
【0069】
この報知処理において、制御部511は、表示部513に、ガス圧調整を作業者に促すための報知画面を表示させる。あるいは、制御部511は、給湯器11側の表示部113にガス圧調整が必要であることを示すコードを表示させてもよく、給湯器11を介して、台所リモコン13に、ガス圧調整が必要であることを示す表示や音声を出力させてもよい。あるいは、
図5のステップS206において、給湯器11の制御部111が、自身の表示部113にガス圧調整が必要であることを示すコードを表示させてもよい。
【0070】
このような報知処理により、作業者は、ファームウェアの更新後にガス圧調整が必要であることを把握し、給湯器11に対してガス圧調整のための操作を行う。ガス圧調整が完了すると、作業者は、上述の報知画面に含まれる完了ボタンを操作する(S106:YES)。これにより、制御部511は、報知画面を閉じて報知処理を終了し(S107)、
図4の処理を終了する。
【0071】
図5を参照して、作業者は、ガス圧調整が完了すると、給湯器11の入力部114に対して、ガス圧調整完了の操作を行う(S208:YES)。これにより、給湯器11の制御部111は、不揮発性メモリ112aに記憶されている通知フラグを消去し(S209)、新たなガス圧調値(最大燃焼時における比例弁273、274の開度に関する値)を不揮発性メモリ112aに書き込む。これにより、制御部111は、
図4の処理を終了する。
【0072】
<実施形態1の効果>
実施形態1によれば、以下の効果が奏され得る。
【0073】
図4に示したように、操作端末50(制御部511)は、ガス圧調整が必要であるか否かを示す付加情報(要否情報)が付加されたファームウェア(ファームウェア情報)を給湯器11に送信する(S103)。これにより、給湯器11は、
図5に示したように、受信した付加情報(要否情報)に基づいて、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報(通知フラグ)を不揮発性メモリ112aに記憶させて(S203)、ファームウェアの更新を実行し(S204)、ファームウェアの更新後に、不揮発性メモリ112aにガス圧調整が必要であることを示す判定情報(通知フラグ)が記憶されていることに基づいて(S205:YES)、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する(S206)。これにより、ファームウェアの更新後に給湯器11のガス圧調整が必要な場合は、そのことが作業者に報知される。したがって、ガス圧調整が確実に行われ、ファームウェア更新後に給湯器11を適正かつ安全に動作させることができる。
【0074】
図1に示したように、操作端末50は、ファームウェア更新のために給湯器11に接続される情報処理端末である。これにより、作業者は、別途準備した情報処理端末により、給湯器11に対するファームウェアの更新を円滑に行い得る。
【0075】
<変更例>
図6は、実施形態1の変更例に係る、ファームウェア更新時に給湯器11の制御部111によって行われる処理を示すフローチャートである。
【0076】
図6のフローチャートでは、
図5のフローチャートのステップS202、S203がステップS211に置き換えられ、ステップS205がステップS212に置き換えられている。また、
図5のステップS209が、ステップS213に置き換えられている。
図6のその他のステップは、
図5の対応するステップと同様である。
【0077】
すなわち、
図6のフローチャートでは、制御部111は、ファームウェア情報に含まれる付加情報を不揮発性メモリ112aに記憶させて(S211)、ファームウェアの更新処理を実行し(S204)、更新処理が完了すると、不揮発性メモリ112aに記憶されている付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものであるか否かを判定する(S212)。
【0078】
付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものでない場合(S212:NO)、制御部111は、ステップS206~S208、S213をスキップして、
図6の処理を終了する。他方、付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものである場合(S212:YES)、制御部111は、ステップS206以降の処理を実行する。ステップS206~S208の処理およびこれに応じた操作端末50側の処理は、上記実施形態1と同様である。こうして、ファームウェアの更新後にガス圧調整が実行されると(S208:YES)、制御部111は、ステップS211で記憶した付加情報を不揮発性メモリ112aから消去し(S213)、
図6の処理を終了する。
【0079】
この変更例においても、給湯器11は、受信した付加情報に基づいて、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報(付加情報)を不揮発性メモリ112aに記憶させて(S211)、ファームウェアの更新を実行し(S204)、ファームウェアの更新後に、不揮発性メモリ112aにガス圧調整が必要であることを示す判定情報(付加情報)が記憶されていることに基づいて(S212:YES)、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する(S206)。これにより、ファームウェアの更新後に給湯器11のガス圧調整が必要な場合は、そのことが作業者に報知される。これにより、ガス圧調整が確実に行われ、ファームウェア更新後に給湯器11を適正かつ安全に動作させることができる。
【0080】
<実施形態2>
上記実施形態1では、ファームウェアの更新後にガス圧調整が必要であるか否かの判定が給湯器11において行われたが、実施形態2では、この判定が操作端末50側で行われる。
【0081】
図7は、ファームウェア更新時に操作端末50の制御部511によって行われる処理を示すフローチャートである。
図8は、ファームウェア更新時に給湯器11の制御部111によって行われる処理を示すフローチャートである。
【0082】
図7を参照して、操作端末50の制御部511は、サーバ40から、更新対象のファームウェア情報を取得する(S121)。上記のように、ファームウェア情報は、給湯器11に適用されるファームウェアと、ガス圧調整の要否を示す付加情報とを含んでいる。ファームウェア情報の取得方法は、上記実施形態1と同様である。
【0083】
次に、制御部511は、作業者から、ファームウェアを更新するための操作が行われたか否かを判定する(S122)。この操作が行われると(S122:YES)、制御部511は、更新対象のファームウェア情報を記憶部512から読み出して、このファームウェア情報に含まれる付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものであるか否かを判定する(S123)。
【0084】
ここで、付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものである場合(S123:YES)、制御部511は、記憶部512に通知フラグを記憶させ(S124)、ファームウェア情報に含まれるファームウェアを給湯器11に送信する(S125)。他方、付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものでない場合(S123:YES)、制御部511は、ステップS124をスキップし、ァームウェア情報に含まれるファームウェアを給湯器11に送信する(S125)。
【0085】
図8を参照して、給湯器11の制御部111は、更新対象のファームウェアを操作端末50から受信すると(S221:YES)、更新フラグを不揮発性メモリ112aに記憶させ(S222)、その後、ファームウェア更新処理を実行する(S223)。これにより、制御部111の内蔵メモリに記憶されているファームウェアが、受信したファームウェアに書き換えられる。
【0086】
上記のように、制御部111は、ファームウェア更新処理において、一旦リセットされた後、内蔵メモリに書き換えた更新後のファームウェアにより起動される。これにより、ファームウェア更新処理が完了する。その後、制御部111は、不揮発性メモリ112aを参照し、不揮発性メモリ112aに更新フラグが記憶されているか否かを確認する(S224)。不揮発性メモリ112aに更新フラグが記憶されている場合(S224:YES)、制御部111は、ファームウェアの更新が完了したことを通知するための完了通知を操作端末50に送信し(S225)、不揮発性メモリ112aに記憶されている更新フラグを消去する(S226)。これにより、制御部111は、
図8の処理を終了する。
【0087】
図7を参照して、操作端末50の制御部511は、給湯器11の制御部111から完了通知を受信すると(S126:YES)、記憶部112に通知フラグが記憶されているか否かを確認する(S127)。記憶部112に通知フラグが記憶されていない場合(S127:NO)、制御部111は、ステップS128~S130をスキップして、
図8の処理を終了する。他方、記憶部112に通知フラグが記憶されている場合(S127:YES)、制御部511は、ガス圧調整が必要であることを報知するための報知処理を実行する(S128)。
【0088】
この報知処理において、制御部511は、上記実施形態1と同様、ガス圧調整を作業者に促すための報知画面を、表示部513に表示させる。この報知画面により、作業者は、ファームウェアの更新後にガス圧調整が必要であることを把握し、給湯器11に対してガス圧調整のための操作を行う。ガス圧調整のための操作は、上記と同様である。
【0089】
ガス圧調整が完了すると、作業者は、上述の報知画面に含まれる完了ボタンを操作する(S129:YES)。これにより、制御部511は、報知画面を閉じて報知処理を終了し、さらに、記憶部512に記憶されている通知フラグを消去する(S130)。これにより、制御部511は、
図4の処理を終了する。
【0090】
<実施形態2の効果>
実施形態2によれば、以下の効果が奏され得る。
【0091】
図7に示したように、操作端末50(制御部511)は、ファームウェアを給湯器11に送信する際に、当該ファームウェアに付加されたガス圧調整が必要であるか否かを示す付加情報を参照して、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報(通知フラグ)を記憶部512に記憶させ(S124)、ファームウェアの更新後に、記憶部512にガス圧調整が必要であることを示す判定情報(通知フラグ)が記憶されていることに基づいて(S127:YES)、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する(S128)。これにより、ファームウェアの更新後に給湯器11のガス圧調整が必要な場合は、そのことが作業者に報知される。したがって、ガス圧調整が確実に行われ、ファームウェア更新後に給湯器11を適正かつ安全に動作させることができる。
【0092】
また、実施形態2においても、
図1に示したように、操作端末50は、ファームウェア更新のために給湯器11に接続される情報処理端末である。これにより、作業者は、別途準備した情報処理端末により、給湯器11に対するファームウェアの更新を円滑に行い得る。
【0093】
<変更例>
図9は、実施形態2の変更例に係る、ファームウェア更新時に操作端末50の制御部511によって行われる処理を示すフローチャートである。
【0094】
図9のフローチャートでは、
図7のフローチャートのステップS123、S124がステップS131に置き換えられ、ステップS127がステップS132に置き換えられている。
図9のその他のステップは、
図7の対応するステップと同様である。
【0095】
すなわち、
図9のフローチャートでは、制御部511は、ファームウェア情報に含まれる付加情報を記憶部512に記憶させて(S131)、ファームウェアを給湯器11に送信し(S125)、完了通知を受信すると(S126:YES)、記憶部512に記憶されている付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものであるか否かを判定する(S132)。
【0096】
付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものでない場合(S132:NO)、制御部511は、ステップS128~S130をスキップして、
図9の処理を終了する。他方、付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものである場合(S132:YES)、制御部511は、ステップS128以降の処理を実行する。ステップS128~S130の処理は、上記実施形態2と同様である。こうして、ファームウェアの更新後にガス圧調整が実行されると(S129:YES)、制御部511は、報知処理を終了し、ステップS131で記憶した付加情報を記憶部512から消去する(S130)。これにより、制御部511は、
図6の処理を終了する。
【0097】
この変更例においても、操作端末50(制御部511)は、ファームウェアを給湯器11に送信する際に、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報(付加情報)を記憶部512に記憶させ(S131)、ファームウェアの更新後に、記憶部512にガス圧調整が必要であることを示す判定情報(付加情報)が記憶されていることに基づいて(S132:YES)、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行する(S128)。これにより、ファームウェアの更新後に給湯器11のガス圧調整が必要な場合は、そのことが作業者に報知される。したがって、ガス圧調整が確実に行われ、ファームウェア更新後に給湯器11を適正かつ安全に動作させることができる。
【0098】
<実施形態3>
上記実施形態1、2では、操作端末50が、給湯器11に別途接続される情報処理端末であったが、実施形態3では、台所リモコン13が、ファームウェアの更新に用いる操作端末とされる。
【0099】
図10は、実施形態3に係る、給湯システム1の構成を示す図である。
【0100】
実施形態3では、給湯器11と台所リモコン13とによって、ファームウェア更新システム2が構成される。
図10の各機器の構成は、
図1と同様である。
【0101】
図11は、実施形態3に係る、ファームウェア更新システム2を構成する給湯器11および台所リモコン13の回路ブロックを示す図である。便宜上、
図11には、サーバ40の回路ブロックが含まれている。
【0102】
台所リモコン13は、
図10に示した表示入力部131および運転ボタン132の他、制御部133と、記憶部134と、通信部135とを備える。制御部133は、マイクロコンピュータを備え、記憶部134に記憶されたプログラムに従って各部を制御する。記憶部134は、ROM、RAM等のメモリを備え、制御部133が実行するプログラムを記憶する。通信部135は、上記のように、2芯通信線を介して給湯器11の通信部117と通信を行う。また、通信部135は、ルータ20および外部通信網30を介してサーバ40と通信を行うための通信モジュールを備える。
【0103】
ファームウェアの更新時において、制御部133は、上記実施形態1、2およびこれらの変更例において操作端末50の制御部511が行った制御と同様の制御を行う。
図4のステップS101および
図7、
図9のステップS121において、制御部133は、表示入力部131に対する作業者からの操作に応じてサーバ40にアクセスし、更新対象のファームウェア情報をサーバ40から取得する。そして、制御部133は、
図4のステップS101および
図7、
図9のステップS121にそれぞれ続く制御を、上記と同様に実行する。この制御において、報知画面は、台所リモコン13の表示入力部131に表示される。これにより、作業者は、ファームウェアの更新後に、ガス圧調整を実行する。
【0104】
<実施形態3の効果>
実施形態3においても、上記実施形態1、2およびその変更例と同様、更新対象のファームウェア情報に含まれる付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものである場合、当該ファームウェアの更新後に、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行されて、表示入力部131に報知画面が表示される。これにより、ファームウェアの更新後に、ガス圧調整が確実に行われる。よって、ファームウェア更新後に給湯器11を適正かつ安全に動作させることができる。
【0105】
また、実施形態3では、ファームウェアの更新を行うための操作端末として、台所リモコン13が用いられる。これにより、作業者は、別途、情報処理端末を準備することなく、予め給湯器11に接続されている台所リモコン13を用いて、給湯器11に対するファームウェアの更新を円滑に行うことができる。
【0106】
なお、実施形態3では、サービスマンではなく、給湯装置10の使用者が、台所リモコン13を介して、ガス圧調整が必要なファームウェアをサーバ40からダウンロードすることが想定され得る。この場合、使用者は、当該ファームウェアの更新後に表示入力部131に表示された報知画面を参照することで、ガス圧調整が必要であることを把握できる。よって、使用者は、製造メーカ等に連絡してガス圧調整の依頼を行うことができ、給湯器11を適正かつ安全に使用することができる。
【0107】
<その他の変更例>
上記実施形態1では、ガス圧調整の要否を判定可能な判定情報(通知フラグ)が不揮発性メモリ112aに記憶されたが、判定情報(通知フラグ)が、不揮発性メモリ112a以外の、ファームウェア更新時には書き換えられることがない記憶部112の他のメモリに記憶されてもよい。
【0108】
また、上記実施形態1~3では、ファームウェアに付加情報が付加されてファームウェア情報が構成され、このファームウェア情報が、サーバ40、操作端末50および給湯器11の間で送受信されたが、ガス圧調整が必要であるか否かを示す要否情報は、必ずしも、ファームウェアに付加されていなくてもよく、要否情報とファームウェアとが個別に送受信されてもよい。この場合、要否情報は、どのファームウェアに対するものかを示す識別情報を含むことになる。
【0109】
また、上記実施形態1~3では、ファームウェアの更新後に、判定情報(通知フラグ)が参照され、この判定情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものである場合に、その旨を報知するための報知処理がなされたが、報知処理は、必ずしも、ファームウェアの更新後に行われなくてもよく、ファームウェアの更新前や更新中になされてもよい。ファームウェアの更新前と更新後に、それぞれ、ガス圧調整が必要であることの報知が行われてもよい。
【0110】
上記実施形態1~3では、更新対象のファームウェア情報に含まれる付加情報が、ガス圧調整が必要であることを示すものである場合、当該ファームウェアの更新後に、ガス圧調整が必要であることを報知するための処理を実行されたが、さらに、この報知後、ガス圧調整が完了するまでの間は、給湯器11を動作不能とする制御が給湯器11の制御部111において行われてもよい。
【0111】
また、上記実施形態3では、台所リモコン13がファームウェアの更新に用いられたが、浴室リモコン12がファームウェアの更新に用いられてもよく、その他のリモートコントローラが給湯器11に接続される場合は、このリモートコントローラがファームウェアの更新に用いられてもよい。
【0112】
また、給湯装置10の構成は、上記実施形態1~3に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。たとえば、給湯装置10が、暖房機能を有さない構成であってもよく、追い焚き機能を有さない構成であってもよい。また、給湯装置10が、暖房機能に含まれる床暖房機能、室内暖房機能および浴室暖房機能のうち、1つまたは2つの機能を有さない構成であってもよい。さらに、給湯装置10は、給湯機能のみを有する構成であってもよい。
【0113】
さらに、上記実施形態1~3では、給湯装置10が、ガス燃料を燃焼させて生じる燃焼ガスで水を温めるガス燃焼式給湯装置であったが、給湯装置10の構成はこれに限られるものではない。たとえば、給湯装置10が、ガス燃焼式給湯装置とともに、電力を生成する発電機からの排熱を利用して温水を生成する構成を備えた、コジェネレーション型給湯装置であってもよい。
【0114】
また、給湯器11の燃焼系および配管の構成は、
図3に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。
【0115】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0116】
2 ファームウェア更新システム
11 給湯器(ガス給湯器)
111 制御部
112 記憶部
112a 不揮発性メモリ
13 台所リモコン(操作端末、リモートコントローラ)
133 制御部
134 記憶部
50 操作端末
501 制御部
502 記憶部