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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090777
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】切断用位置決め具
(51)【国際特許分類】
   F16L 1/00 20060101AFI20240627BHJP
   B25H 7/02 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
F16L1/00 X
B25H7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206878
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】591287819
【氏名又は名称】株式会社コクサイ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】村松 秀樹
(57)【要約】
【課題】配管の継手間に接続する管体の長さ調整を容易に行うことができる切断用位置決め具を提供する。
【解決手段】第一プレート群10、第二プレート群20、第三プレート群30、第四プレート群40、第五プレート群50およびインデックスプレート60と、これらを重ね合わせた状態で回転可能に保持する保持具2とを備える。第一プレート群10は、上プレート10a、中プレート10bおよび下プレート10cを有し、上プレート10a、中プレート10bおよび下プレート10cは、罫書き孔4と、ガイド表示部11と、案内図12とを有する。ガイド表示部11は、継手の複数の受口内を通るそれぞれの筒軸の交点を基準として、その継手のそれぞれの受口毎の筒軸方向内端部までの長さを示す複数の切断長表示部13、14から形成される。案内図12は継手の断面図を縮小して表示したものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受口を有する2つの継手の間に管体が接続される配管での前記継手の受口内に差し込まれる管体の端部に対して、前記継手の受口内への差し込み長さに応じて切断位置を決める切断用位置決め具であって、
透明または半透明な素材から形成されるプレートと、
前記プレートに設けられる罫書き孔と、
前記プレートに設けられるガイド表示部とを有し、
前記ガイド表示部は、前記継手の複数の受口内を通るそれぞれの筒軸の交点を基準として、前記継手のそれぞれの受口毎の筒軸方向内端部までの長さを示す複数の切断長表示部から形成されており、
前記罫書き孔が、複数の前記切断長表示部の長さ方向一端部に位置している切断用位置決め具。
【請求項2】
前記ガイド表示部は直線である基準線を有し、複数の前記切断長表示部はその一端部が前記基準線上に位置し、かつ同じ方向に延び出している状態にあり、前記罫書き孔が前記基準線上に位置している請求項1に記載の切断用位置決め具。
【請求項3】
前記プレートが複数の前記ガイド表示部を有し、複数の前記ガイド表示部が同一の規格のそれぞれ異なる呼び径に対応するものである請求項1または2に記載の切断用位置決め具。
【請求項4】
複数の前記プレートと、複数の前記プレートを相互に重ね合わせた状態で保持する保持具とを有するプレート群が形成され、
前記プレート群の複数の前記プレートが前記保持具を中心として相互に幅方向へ回動可能となっており、
複数の前記プレートがそれぞれ異なる規格の継手に対応した前記ガイド表示部を有する請求項1または2に記載の切断用位置決め具。
【請求項5】
前記プレートは、前記ガイド表示部に対応する前記継手の案内図を有し、
前記継手の案内図のそれぞれの受口に相互に異なる識別マークが設けられ、
前記継手の案内図のそれぞれの受口に対応する前記ガイド表示部の切断長表示部に、前記継手の案内図のそれぞれの受口に設けられた前記識別マークと同じ識別マークが付されている請求項1または2に記載の切断用位置決め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配管の継手間に接続される管体の端部に対して、それぞれの継手の入れ代に応じて切断する位置を決める切断用位置決め具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住戸や建物の排水用配管などにおいて、配管の流れの方向を変えるためのエルボや、配管の流れを合流させるチーズ、LT、45°Yなどの継手が用いられている。この継手は、管体が差し込まれる複数の受口を有している。継手としては呼び径に応じて、それぞれの受口内を通る筒軸の交点(継手の中心)を基準として、それぞれの受口の筒軸方向外端部までの長さ寸法が、JIS規格あるいは各継手メーカーで独自に規定されている。通常、接続元の継手の受口と接続先の継手の受口間に、直管である管体を接続して配管が構築される。配管を構築する際、接続元の継手の中心と接続先の継手の中心との距離(継手間距離)を把握するために、継手間距離を測定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された技術は、レーザー光線を応用した配管工具用具であって、レーザー光線を応用して、配管での接続先の継手の中心と接続元の継手の中心との継手間距離を正確かつ短時間に測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3060370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術により、上記継手間距離を測定し、その測定値に基づき管体を切断しても、切断後の管体の端部を少しずつ切断してその長さ寸法を調整する必要がある。この管体の長さ寸法の調整は、一般に、それぞれの継手における受口の筒軸方向の差し込み長さ(受口の入れ代)に基づいて調整する必要がある。具体的には、それぞれの継手における受口の入れ代に対して、管体の端部が90%以上差し込まれている状態となるように調整する。
【0006】
したがって、このような調整は、経験豊富な作業者であっても、2回、3回と管体の端部を少しずつ切断する必要があり手間がかかる。経験が少ない作業者であれば、経験豊富な作業者よりも切断の回数が増えることとなり、さらに時間と手間がかかるという問題があった。
【0007】
そこで、この発明の課題は、配管の継手間に接続する管体の長さ調整を容易に行うことができる切断用位置決め具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明では、以下の構成の切断用位置決め具を提供する。
[構成1]
複数の受口を有する2つの継手の間に管体が接続される配管での前記継手の受口内に差し込まれる管体の端部に対して、前記継手の受口内への差し込み長さに応じて切断位置を決める切断用位置決め具であって、透明または半透明な素材から形成されるプレートと、前記プレートに設けられる罫書き孔と、前記プレートに設けられるガイド表示部とを有し、前記ガイド表示部は、前記継手の複数の受口内を通るそれぞれの筒軸の交点を基準として、前記継手のそれぞれの受口毎の筒軸方向内端部までの長さを示す複数の切断長表示部から形成されており、前記罫書き孔が、複数の前記切断長表示部の長さ方向一端部に位置している切断用位置決め具。
【0009】
このようにすると、複数の受口を有する2つの継手間に管体を接続して配管を構築する際、一方の継手の受口に対応するガイド表示部の切断長表示部より、一方の継手の受口に差し込む管体の実際の長さを把握することができる。また、他方の継手の受口に対応するガイド表示部の切断長表示部より、他方の継手の受口に差し込む管体の実際の長さを把握することができる。
【0010】
[構成2]
前記ガイド表示部は直線である基準線を有し、前記複数の切断長表示部はその一端部が前記基準線上に位置し、かつ同じ方向に延び出している状態にあり、前記罫書き孔が前記基準線上に位置している構成1に記載の切断用位置決め具。
【0011】
このようにすると、プレート上での複数の切断長表示部がプレートの長さ方向に沿って整列される。このため、プレート上での複数の切断長表示部の幅を小さくすることが可能となり、プレートの幅寸法の大きさをコンパクトに形成することができる。
【0012】
[構成3]
前記プレートが複数の前記ガイド表示部を有し、複数の前記ガイド表示部が同一の規格のそれぞれ異なる呼び径に対応するものである構成1または2に記載の切断用位置決め具。
【0013】
[構成4]
複数の前記プレートと、複数の前記プレートを相互に重ね合わせた状態で保持する保持具とを有するプレート群が形成され、前記プレート群の複数の前記プレートが前記保持具を中心として相互に幅方向へ回動可能となっており、複数の前記プレートがそれぞれ異なる規格の継手に対応した前記ガイド表示部を有する構成1から構成3のいずれかに記載の切断用位置決め具。
【0014】
このようにすると、保持具に連結されたプレート群のうち、配管に用いる継手に対応したガイド表示部を設けたプレートを選択することにより、多くの規格の継手に対応させることが可能となる。
【0015】
[構成5]
前記プレートは、前記ガイド表示部に対応する前記継手の案内図を有し、前記継手の案内図のそれぞれの受口に相互に異なる識別マークが設けられ、前記継手の案内図のそれぞれの受口に対応する前記ガイド表示部の切断長表示部に、前記継手の案内図のそれぞれの受口に設けられた前記識別マークと同じ識別マークが付されている構成1から構成4のいずれかに記載の切断用位置決め具。
【0016】
この構成によると、案内図を見ることにより、配管に使用される継手を視覚的に確認することができ、同じ識別マークを介して、継手の受口とその受口に対応する切断長表示部とを容易に関連付けることができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明では、2つの継手の間に管体が接続される配管を構築する際、2つの継手の受口に差し込む管体の差し込み長さを、プレートのガイド表示部の切断長表示部で把握して、その切断長表示部と同じ長さ分だけ管体の端部を切断することができる。そのため、配管の継手間に接続する管体の長さ調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の切断用位置決め具に係る実施形態を示す正面図
図2】切断用位置決め具の第一プレート群のうち呼び径40、50の継手に関するプレートを示す正面図
図3図2中のA-A線における断面図
図4】第一プレート群の案内図を示す拡大正面図
図5】切断用位置決め具の第二プレート群のうち呼び径40、50の継手に関するプレートを示す正面図
図6】第二プレート群の案内図を示す拡大正面図
図7】切断用位置決め具の第三プレート群のうち呼び径40、50の継手に関するプレートを示す正面図
図8】第三プレート群の案内図を示す拡大正面図
図9】切断用位置決め具の第四プレート群のうち呼び径40、50の継手に関するプレートを示す正面図
図10】第四プレート群の案内図を示す拡大正面図
図11】切断用位置決め具の第五プレート群のうち呼び径40、50の継手に関するプレートを示す正面図
図12】第五プレート群の案内図を示す拡大正面図
図13】切断用位置決め具のインデックスプレートを示す正面図
図14】切断用位置決め具を重ね合わせた状態を示す正面図
図15図14中のB-B線における断面図
図16】切断用位置決め具を使用して切断する管体を用いた配管を示す断面図
図17】(a)前準備により第一罫書き線を付した管体を示す説明図、(b)第一罫書き線を基準に第一プレート群のうち中プレートを添わせた管体を示す説明図、(c)第二罫書き線を付した管体を示す説明図
図18】(a)第二罫書き線を基準に第一プレート群のうち中プレートを添わせた状態の管体を示す説明図、(b)第三罫書き線で切断した管体を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の実施形態の切断用位置決め具1を図面に基づいて説明する。図1に示すように、切断用位置決め具1は、第一プレート群10、第二プレート群20、第三プレート群30、第四プレート群40、第五プレート群50およびインデックスプレート60と、これらを重ね合わせた状態で回転可能に保持する保持具2とを備えている。
【0020】
第一プレート群10から第五プレート群50までは、それぞれ複数のプレート(この実施形態ではそれぞれ3枚のプレート)を含み、各プレートは同じ大きさの長方形をなし、可撓性を有する透明な板状部材から形成されている。
【0021】
第一プレート群10は、上プレート10a、中プレート10bおよび下プレート10cからなる。上プレート10a、中プレート10bおよび下プレート10cは、同じ大きさの長方形をなす板状部材であって、可撓性を有する透明な素材から形成される。図2に示すように、上プレート10aは、上プレート10aを貫通する罫書き孔4と、上プレート10aの長さ方向に沿って延びるガイド表示部11と、案内図12とを有する。
【0022】
【表1】
【0023】
表1は、第一プレート群10での上プレート10a、中プレート10bおよび下プレート10cと、それらに設けられるガイド表示部11の継手の呼び径との関係を示すものである。表1に示すように、ガイド表示部11は、継手(JIS K6739)のうち、45°エルボの呼び径40の継手に関する第一ガイド表示部11aと、45°エルボの呼び径50の継手に関する第二ガイド表示部11bとを有する。第一ガイド表示部11aと第二ガイド表示部11bは、上プレート10aの長さ方向に沿う帯状をなし、それぞれに対応する継手の規格名(または慣用名や略称、略号)が表示されている。
【0024】
図2に示すように、上プレート10aの長さ方向一端寄りの位置に直線状の基準線5が設けられる。基準線5は、上プレート10aの幅方向に沿って設けられている。第一ガイド表示部11aおよび第二ガイド表示部11bの一端縁が基準線5上に位置している。上プレート10aにおいて、罫書き孔4は基準線5上にスリット状に設けられている。図3に示すように、罫書き孔4は上プレート10aを貫通している。
【0025】
図4に示すように、案内図12は第一ガイド表示部11aおよび第二ガイド表示部11bのうち、代表として第一ガイド表示部11aに関する継手の断面図を縮小して表示したものである。案内図12には、2つの受口を通る筒軸の交点12aと、識別マーク12b、12cとが設けられている。識別マーク12b、12cは、交点12aを基準としてそれぞれの受口の筒軸方向外側に位置しており、視認性の良い図形である。識別マーク12bは、案内図12に表示されている継手において、一方(上流側)の受口に対応するものである。識別マーク12cは、他方(下流側)の受口に対応するものである。例えば、識別マーク12bには丸印が使用され、識別マーク12cには三角印が使用される。
【0026】
図2に示すように、第一ガイド表示部11aは、2つの切断長表示部13、14を有する。切断長表示部13、14は、所定の色彩(例えば、緑色)で帯状に印刷されたものである。なお、「印刷された」とは、上プレート10aに直接印刷されている場合と、印刷された紙やシート等が上プレート10aに取り付けられている(貼り付けられている)場合とを含み、後述する上プレート20a、30a、40a、50aも同様である。
【0027】
切断長表示部13は、45°エルボの呼び径40の継手の2つの受口内を通るそれぞれの筒軸の交点(図4での交点12aに対応する交点)を基準として、一方(上流側)の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部13は、案内図12の識別マーク12bと同じ識別マーク12bが設けられている。切断長表示部14は、45°エルボの呼び径40の継手の2つの受口内を通るそれぞれの筒軸の交点(図12での交点12aに対応する交点)を基準として、他方(下流側)の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部14は、案内図12の識別マーク12cと同じ識別マーク12cが設けられている。この実施形態では、第一ガイド表示部11aの切断長表示部13、14は同じ長さである。このため、切断長表示部13、14は、1つにまとめられている。
【0028】
第二ガイド表示部11bは、上述のように45°エルボの呼び径50の継手に関するものであり、2つの切断長表示部13、14から形成されている。第二ガイド表示部11bは、第一ガイド表示部11aに対して、45°エルボの呼び径のみが異なるものである。このため、第二ガイド表示部11bにおいて、第一ガイド表示部11aの2つの切断長表示部13、14に対応する部分は、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0029】
上プレート10aの幅方向一方の側縁であって、上プレート10aの長さ方向他端部には、インデックス10dが設けられている。インデックス10dにはガイド表示部11に関する継手の呼び径が表示されている。
【0030】
中プレート10bは、上プレート10aの場合と同様に、中プレート10bを貫通する罫書き孔4と、中プレート10bの長さ方向に沿って延びるガイド表示部11と、案内図12とを有する。中プレート10bのガイド表示部11は、表1に記載された45°エルボの呼び径に対応して、その呼び径ごとに2つの切断長表示部13、14が設けられている。中プレート10bの他の構成においては、上プレート10aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0031】
下プレート10cは、上プレート10aの場合と同様に、下プレート10cを貫通する罫書き孔4と、下プレート10cの長さ方向に沿って延びるガイド表示部11と、案内図12とを有する。下プレート10cのガイド表示部11は、表1に記載された45°エルボの呼び径に対応して、2つの切断長表示部13、14が設けられている。下プレート10cのその他の構成においては、上プレート10aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0032】
上プレート10a、中プレート10bおよび下プレート10cは、この順序で上から下へ重なり合う状態となる。上プレート10a、中プレート10bおよび下プレート10cのインデックス10dは、長さ方向他端部から一端部に向かって相互に重ならない位置に配置されている。
【0033】
図1に示すように、第二プレート群20は、上プレート20a、中プレート20bおよび下プレート20cからなる。上プレート20a、中プレート20bおよび下プレート20cは、同じ大きさの長方形をなす板状部材であって、可撓性を有する透明な素材から形成される。図5に示すように、上プレート20aは、上プレート20aを貫通する罫書き孔4と、その上プレート20aの長さ方向に沿って延びるガイド表示部21と、案内図22とを有する。
【0034】
【表2】
【0035】
表2は、第二プレート群20での上プレート20a、中プレート20bおよび下プレート20cと、それらに設けられるガイド表示部21の継手の呼び径との関係を示すものである。表2に示すように、ガイド表示部21は、継手(JIS K6739)のうち、45°Yの呼び径50の継手に関する第一ガイド表示部21aと、径違い45°Yの呼び径50×40の継手に関する第二ガイド表示部21bとを有する。第一ガイド表示部21aおよび第二ガイド表示部21bは、上プレート20aの長さ方向に沿う帯状をなし、それぞれに対応する継手の規格名(または慣用名や略称、略号)が表示されている。
【0036】
上プレート20aの長さ方向一端寄りの位置に、直線状の基準線5が設けられる。基準線5は、上プレート20aの幅方向に沿って設けられている。第一ガイド表示部21aおよび第二ガイド表示部21bの一端縁は基準線5上に位置している。上プレート20aにおいて、罫書き孔4は基準線5上にスリット状に設けられている。罫書き孔4は上プレート20aを貫通している。
【0037】
図6に示すように、案内図22は第一ガイド表示部21aおよび第二ガイド表示部21bのうち、代表として第一ガイド表示部21aに関する継手の断面図を縮小して表示したものである。案内図22には、3つの受口を通る筒軸の交点22aと、識別マーク22b、22c、22dとが設けられている。それぞれの識別マーク22b、22c、22dは、交点22aを基準としてそれぞれの受口の筒軸方向外側に位置しており、視認性の良い図形である。
【0038】
識別マーク22bは、案内図22に表示される継手において、分岐側の2つの受口のうち、合流側の受口と同一の筒軸を有する受口(一方の分岐側受口)に対応するものである。識別マーク22cは、合流側の受口に対応するものである。識別マーク22dは、分岐側の2つの受口のうち、合流側の受口と同一直線上に位置していない筒軸を有する受口(他方の分岐側受口)に対応するものである。例えば、識別マーク22bには丸印が使用され、識別マーク22cには三角印が使用され、識別マーク22dには星印が使用される。
【0039】
第一ガイド表示部21aは、3つの切断長表示部23、24、25を有する。3つの切断長表示部23、24、25は、所定の色彩(例えば、緑色)で帯状に印刷されたものである。
【0040】
切断長表示部23は、筒軸の交点22aを基準として一方の分岐側の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部23は、案内図22の識別マーク22bと同じ識別マーク22bが設けられている。切断長表示部24は、筒軸の交点22aを基準として、合流側の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部24は、案内図22の識別マーク22cと同じ識別マーク22cが設けられている。切断長表示部25は、筒軸の交点22aを基準として他方の分岐側受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部25は、案内図22の識別マーク22dと同じ識別マーク22dが設けられている。
【0041】
第二ガイド表示部21bは、上述のように径違い45°Yの呼び径50×40の継手に関するものであり、3つの切断長表示部23、24、25から形成されている。第二ガイド表示部21bは、第一ガイド表示部21aに対して、45°Yの呼び径のみが異なるものである。このため、第二ガイド表示部21bにおいて、第一ガイド表示部21aの3つの切断長表示部23、24、25に対応する部分は、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0042】
上プレート20aの幅方向一方の側縁であって、上プレート20aの長さ方向他端部には、インデックス20dが設けられている。上プレート20aのインデックス20dにはガイド表示部21に関する継手の呼び径が表示されている。
【0043】
中プレート20bは、上プレート20aの場合と同様に、中プレート20bを貫通する罫書き孔4と、中プレート20bの長さ方向に沿って延びるガイド表示部21と、案内図22とを有する。中プレート20bのガイド表示部21は、表2に記載された45°Yの呼び径に対応して、その呼び径ごとに3つの切断長表示部23、24、25が設けられている。中プレート20bの他の構成においては、上プレート20aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0044】
下プレート20cは、上プレート20aの場合と同様に、下プレート20cを貫通する罫書き孔4と、下プレート20cの長さ方向に沿って延びるガイド表示部21と、案内図22とを有する。下プレート20cのガイド表示部21は、表2に記載された45°Yの呼び径に対応して、3つの切断長表示部23、24、25が設けられている。下プレート20cのその他の構成においては、上プレート20aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0045】
上プレート20a、中プレート20bおよび下プレート20cは、この順序で上から下へ重なり合う状態となる。上プレート20a、中プレート20bおよび下プレート20cのインデックス20dは、長さ方向他端部から一端部に向かって相互に重ならない位置に配置されている。
【0046】
図1に示すように、第三プレート群30は、上プレート30a、中プレート30bおよび下プレート30cからなる。上プレート30a、中プレート30bおよび下プレート30cは、同じ大きさの長方形をなす板状部材であって、可撓性を有する透明な素材から形成される。図7に示すように、上プレート30aは、上プレート30aを貫通する罫書き孔4と、その上プレート30aの長さ方向に沿って延びるガイド表示部31と、ガイド表示部32と、案内図33とを有する。
【0047】
【表3】
【0048】
表3は、第三プレート群30での上プレート30a、中プレート30bおよび下プレート30cと、それらに設けられるガイド表示部31およびガイド表示部32との関係を示すものである。表3に示すように、ガイド表示部31は、継手(JIS K6739)のうち、90°エルボ(DL)の呼び径40の継手に関する第一ガイド表示部31aと、90°エルボ(DL)の呼び径50の継手に関する第二ガイド表示部31bと、径違い90°エルボ(DL)の呼び径50×40の継手に関する第三ガイド表示部31cとを有する。第一ガイド表示部31a、第二ガイド表示部31bおよび第三ガイド表示部31cは、上プレート30aの長さ方向に沿って設けられる帯状をなし、それぞれに対応する継手の規格名(または慣用名や略称、略号)が表示されている。
【0049】
上プレート30aの長さ方向一端寄りの位置に、直線状の基準線5が設けられる。基準線5は、上プレート30aの幅方向に沿って設けられている。第一ガイド表示部31a、第二ガイド表示部31bおよび第三ガイド表示部31cの一端縁は基準線5上に位置している。上プレート30aにおいて、罫書き孔4は基準線5上にスリット状に設けられている。罫書き孔4は上プレート30aを貫通している。
【0050】
図8に示すように、案内図33は第一ガイド表示部31a、第二ガイド表示部31bおよび第三ガイド表示部31cのうち、代表として第一ガイド表示部31aに関する継手の断面図を縮小して表示したものである。案内図33には、2つの受口を通る筒軸の交点33aと、識別マーク33b、33cとが設けられている。それぞれの識別マーク33b、33cは、交点33aを基準としてそれぞれの受口の筒軸方向外側に位置しており、視認性の良い図形である。
【0051】
識別マーク33bは、案内図33に表示されている継手において、一方(上流側)の受口に対応するものである。識別マーク33cは、他方(下流側)の受口に対応するものである。例えば、識別マーク33bには丸印が使用され、識別マーク33cには三角印が使用される。
【0052】
第一ガイド表示部31aは、2つの切断長表示部34、35を有する。切断長表示部34、35は、所定の色彩(例えば、緑色)で帯状に印刷されたものである。
【0053】
切断長表示部34は、90°エルボの呼び径40の継手の2つの受口内を通るそれぞれの筒軸の交点(図8での交点33aに対応する交点)を基準として、上流側の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部34は、案内図33の識別マーク33bと同じ識別マークが設けられている。切断長表示部35は、前記筒軸の交点33aを基準として、他方(下流側)の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部35は、案内図33の識別マーク33cと同じ識別マークが設けられている。この実施形態では、第一ガイド表示部31aの切断長表示部34、35は同じ長さである。このため、切断長表示部34、35は、1つにまとめられている。
【0054】
第二ガイド表示部31bは、90°エルボの呼び径50の継手に関するものであり、2つの切断長表示部34、35を有する。第三ガイド表示部31cは、径違い90°エルボの呼び径50×40の継手に関するものであり、2つの切断長表示部34、35を有する。第二ガイド表示部31bおよび第三ガイド表示部31cは、第一ガイド表示部31aに対して、90°エルボの呼び径のみが異なるものである。このため、第二ガイド表示部31bおよび第三ガイド表示部31cにおいて、第一ガイド表示部31aの2つの切断長表示部34、35に対応する部分は、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0055】
ガイド表示部32は、上プレート30aの表面に設けられ、ガイド表示部31の下方に位置している。ガイド表示部32は、継手(JIS K6739)のうち、90°大曲がりエルボ(LL)の呼び径40の継手に関する第一ガイド表示部32aと、90°大曲がりエルボ(LL)の呼び径50の継手に関する第二ガイド表示部32bとから形成される。第一ガイド表示部32aおよび第二ガイド表示部32bは、上プレート30aの長さ方向に沿って設けられる帯状をなし、それぞれに対応する継手に規格名(または慣用名や略称、略号)が表示されている。第一ガイド表示部32aおよび第二ガイド表示部32bの一端縁は、基準線5上に位置している。
【0056】
ガイド表示部32の第一ガイド表示部32aは、2つの切断長表示部36、37を有する。切断長表示部36、37は、所定の色彩(例えば、緑色)で帯状に印刷されたものである。
【0057】
切断長表示部36は、90°大曲がりエルボ(LL)の呼び径40の継手の2つの受口内を通るそれぞれの筒軸の交点(図8での交点33aに対応する交点)を基準として、上流側の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部36は、案内図33の識別マーク33bと同じ識別マーク33bが設けられている。切断長表示部37は、当該交点を基準として、下流側の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部37は、案内図33の識別マーク33cと同じ識別マーク33cが設けられている。この実施形態では、第一ガイド表示部32aの切断長表示部36、37が同じ長さである。このため、切断長表示部36、37は、上プレート30aに一つにまとめて設けられている。
【0058】
第二ガイド表示部32bは、上述のように90°大曲がりエルボ(LL)の呼び径50の継手に関するものであり、2つの切断長表示部36、37を有する。第二ガイド表示部32bは、第一ガイド表示部32aに対して、90°大曲がりエルボ(LL)の呼び径のみが異なるものである。このため、第二ガイド表示部32bにおいて、第一ガイド表示部32aの2つの切断長表示部36、37に対応する部分は、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0059】
上プレート30aの幅方向一方の側縁であって、上プレート30aの長さ方向中央部分には、インデックス30dが設けられている。上プレート30aのインデックス30dには、ガイド表示部31に関する継手の呼び径が表示されている。
【0060】
中プレート30bは、上プレート30aの場合と同様に、中プレート30bを貫通する罫書き孔4と、中プレート30bの長さ方向に沿って延びるガイド表示部31、ガイド表示部32および案内図33を有する。中プレート30bのガイド表示部31は、表3に記載された90°エルボ(DL)の呼び径に対応して、その呼び径ごとに2つの切断長表示部34、35が設けられている。中プレート30bのガイド表示部32は、表3に記載された90°大曲がりエルボ(LL)の呼び径に対応して、その呼び径ごとに2つの切断長表示部36、37が設けられている。中プレート30bのその他の構成においては、上プレート30aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0061】
下プレート30cは、上プレート30aの場合と同様に、下プレート30cを貫通する罫書き孔4と、下プレート30cの長さ方向に沿って延びるガイド表示部31、ガイド表示部32および案内図33とを有する。下プレート30cのガイド表示部31は、表3に記載された90°エルボ(DL)の呼び径に対応して、その呼び径ごとに2つの切断長表示部34、35が設けられている。下プレート30cのガイド表示部32は、表3に記載された90°大曲がりエルボ(LL)の呼び径に対応して、その呼び径ごとに2つの切断長表示部36、37が設けられている。下プレート30cのその他の構成においては、上プレート30aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0062】
上プレート30a、中プレート30bおよび下プレート30cは、この順序で上から下へ重なり合う状態となる。上プレート30a、中プレート30bおよび下プレート30cのインデックス30dは、長さ方向他端部から一端部に向かって相互に重ならない位置に配置されている。
【0063】
図1に示すように、第四プレート群40、上プレート40a、中プレート40bおよび下プレート40cからなる。上プレート40a、中プレート40bおよび下プレート40cは、同じ大きさの長方形をなす板状部材であって、可撓性を有する透明な素材から形成される。図9に示すように、上プレート40aは、上プレート40aを貫通する罫書き孔4と、その上プレート40aの長さ方向に沿って延びるガイド表示部41および案内図42とを有する。
【0064】
【表4】
【0065】
表4は、第四プレート群40での上プレート40a、中プレート40bおよび下プレート40cと、それらに設けられるガイド表示部41との関係を示すものである。表3に示すように、ガイド表示部41は、継手(JIS K6739)のうち、90°Yの呼び径40の継手に関する第一ガイド表示部41aと、径違い90°Yの呼び径40×30の継手に関する第二ガイド表示部41bと、90°Yの呼び径50の継手に関する第三ガイド表示部41cと、径違い90°Yの呼び径50×30の継手に関する第四ガイド表示部41dと、径違い90°Yの呼び径50×40の継手に関する第五ガイド表示部41eとを有する。第一ガイド表示部41a、第二ガイド表示部41b、第三ガイド表示部41c、第四ガイド表示部41dおよび第五ガイド表示部41eは、上プレート40aの長さ方向に沿って設けられる帯状をなし、それぞれに対応する継手の規格名(または慣用名や略称、略号)が表示されている。
【0066】
上プレート40aの長さ方向一端部寄りの位置に、直線状の基準線5が設けられる。基準線5は、上プレート40aの幅方向に沿って設けられている。第一ガイド表示部41a、第二ガイド表示部41b、第三ガイド表示部41c、第四ガイド表示部41dおよび第五ガイド表示部41eの一端縁は基準線5上に位置している。上プレート40aにおいて、罫書き孔4は基準線5上にスリット状に設けられている。罫書き孔4は上プレート40aを貫通している。
【0067】
図10に示すように、案内図42は、第一ガイド表示部41a、第二ガイド表示部41b、第三ガイド表示部41c、第四ガイド表示部41dおよび第五ガイド表示部41eのうち、代表として第一ガイド表示部41aに関する継手の断面図を縮小して表示したものである。案内図42には、3つの受口を通る筒軸の交点42aと、識別マーク42b、42c、42dが設けられている。識別マーク42b、42c、42dは、交点42aを基準としてそれぞれの受口の筒軸方向外側に位置しており、視認性の良い図形である。
【0068】
識別マーク42bは、案内図42に表示される継手において、分岐側の2つの受口のうち、合流側の受口と同一の筒軸を有する受口(一方の分岐側受口)に対応するものである。識別マーク42cは、合流側の受口に対応するものである。識別マーク42dは、分岐側の2つの受口のうち、合流側の受口と同一直線上に位置していない筒軸を有する受口(他方の分岐側受口)に対応するものである。例えば、識別マーク42bには丸印が使用され、識別マーク42cには三角印が使用され、識別マーク42dには星印が使用される。
【0069】
第一ガイド表示部41aは、3つの切断長表示部43、44、45を有する。3つの切断長表示部43、44、45は、所定の色彩(例えば、緑色)で帯状に印刷されたものである。
【0070】
切断長表示部43は、筒軸の交点42aを基準として一方の分岐側の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部43は、案内図42の識別マーク42bと同じ識別マーク42bが設けられている。切断長表示部44は、筒軸の交点42aを基準として、合流側の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部44は、案内図42の識別マーク42cと同じ識別マーク42cが設けられている。切断長表示部45は、筒軸の交点42aを基準として他方の分岐側受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部45は、案内図42の識別マーク42dと同じ識別マーク42dが設けられている。この実施形態では、第一ガイド表示部41aの切断長表示部43、44、45は同じ長さである。このため、その切断長表示部43、44、45は、1つにまとめられている。
【0071】
第二ガイド表示部41bは、径違い90°Y呼び径40×30の継手に関するものであり、3つの切断長表示部43、44、45を有する。第三ガイド表示部41cは、90°Y呼び径50の継手に関するものであり、3つの切断長表示部43、44、45を有する。第四ガイド表示部41dは、径違い90°Y呼び径50×30の継手に関するものであり、3つの切断長表示部43、44、45を有する。第五ガイド表示部41eは、径違い90°Y呼び径50×40の継手に関するものであり、3つの切断長表示部43、44、45を有する。
【0072】
第二ガイド表示部41b、第三ガイド表示部41c、第四ガイド表示部41dおよび第五ガイド表示部41eは、第一ガイド表示部41aに対して、90°Yの呼び径のみが異なるものである。このため、第二ガイド表示部41b、第三ガイド表示部41c、第四ガイド表示部41dおよび第五ガイド表示部41eにおいて、第一ガイド表示部41aの3つの切断長表示部43、44、45に対応する部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0073】
上プレート40aの幅方向一方の側縁であって、上プレート40aの長さ方向一端部寄りの位置には、インデックス40dが設けられている。上プレート40aのインデックス40dにはガイド表示部41に関する継手の呼び径が表示されている。
【0074】
中プレート40bは、上プレート40aの場合と同様に、中プレート40bを貫通する罫書き孔4と、中プレート40bの長さ方向に沿って延びるガイド表示部41と、案内図42とを有する。中プレート40bのガイド表示部41は、表4に記載された90°Yの呼び径に対応して、その呼び径ごとに3つの切断長表示部43、44、45が設けられている。中プレート40bの他の構成においては、上プレート40aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0075】
下プレート40cは、上プレート40aの場合と同様に、下プレート40cを貫通する罫書き孔4と、下プレート40cの長さ方向に沿って延びるガイド表示部41と、案内図42とを有する。下プレート40cのガイド表示部41は、表4に記載された90°Yの呼び径に対応して、3つの切断長表示部43、44、45が設けられている。下プレート40cのその他の構成においては、上プレート40aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0076】
上プレート40a、中プレート40bおよび下プレート40cは、この順序で上から下へ重なり合う状態となる。上プレート40a、中プレート40bおよび下プレート40cのインデックス40dは、長さ方向他端部から一端部に向かって相互に重ならない位置に配置されている。
【0077】
図1に示すように、第五プレート群50は、上プレート50a、中プレート50bおよび下プレート50cからなる。上プレート50a、中プレート50bおよび下プレート50cは、同じ大きさの長方形をなす板状部材であって、可撓性を有する透明な素材から形成される。図11に示すように、上プレート50aは、上プレート50aを貫通する罫書き孔4と、その上プレート50aの長さ方向に沿って延びるガイド表示部51および案内図52とを有する。
【0078】
【表5】
【0079】
表5は、第五プレート群50での上プレート50a、中プレート50bおよび下プレート50cと、それらに設けられるガイド表示部51の継手の呼び径との関係を示すものである。表5に示すように、ガイド表示部51は、継手(JIS K6739)のうち、90°大曲がりY(LT)呼び径40の継手に関する第一ガイド表示部51aと、径違い90°大曲がりY(LT)呼び径50×40の継手に関する第二ガイド表示部51bと、90°大曲がりY(LT)呼び径50の継手に関する第一ガイド表示部51cとを有する。第一ガイド表示部51a、第二ガイド表示部51bおよび第三ガイド表示部51cは、上プレート50aの長さ方向に沿って設けられる帯状をなし、それぞれに対応する継手に規格名(または慣用名や略称、略号)が表示されている。
【0080】
上プレート50aの長さ方向一端部寄りの位置に、直線状の基準線5が設けられる。基準線5は、上プレート50aの幅方向に沿って設けられている。第一ガイド表示部51a、第二ガイド表示部51bおよび第三ガイド表示部51cの一端縁は基準線5上に位置している。上プレート50aにおいて、罫書き孔4は基準線5上にスリット状に設けられている。罫書き孔4は上プレート50aを貫通している。
【0081】
図12に示すように、案内図52は、第一ガイド表示部51a、第二ガイド表示部51bおよび第三ガイド表示部51cのうち、代表として第一ガイド表示部51aに関する継手の断面図を縮小して表示したものである。案内図52には、3つの受口を通る筒軸の交点52aと、識別マーク52b、52c、52dが設けられている。識別マーク52b、52c、52dは、交点52aを基準としてそれぞれの受口の筒軸方向外側に位置しており、視認性の良い図形である。
【0082】
識別マーク52bは、案内図52に表示される継手において、分岐側の2つの受口のうち、合流側の受口と同一の筒軸を有する受口(一方の分岐側受口)に対応するものである。識別マーク52cは、合流側の受口に対応するものである。識別マーク52dは、分岐側の2つの受口のうち、合流側の受口と同一直線上に位置していない筒軸を有する受口(他方の分岐側受口)に対応するものである。例えば、識別マーク52bには丸印が使用され、識別マーク52cには三角印が使用され、識別マーク52dには星印が使用される。
【0083】
第一ガイド表示部51aは、3つの切断長表示部53、54、55を有する。3つの切断長表示部53、54、55は、所定の色彩(例えば、緑色)で帯状に印刷されたものである。
【0084】
切断長表示部53は、筒軸の交点52aを基準として一方の分岐側の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部53は、案内図52の識別マーク52bと同じ識別マーク52bが設けられている。切断長表示部54は、筒軸の交点52aを基準として、合流側の受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部54は、案内図52の識別マーク52cと同じ識別マーク52cが設けられている。切断長表示部55は、筒軸の交点52aを基準として、他方の分岐側受口の筒軸方向内端部までの実際の長さを示すものである。切断長表示部55は、案内図52の識別マーク52dと同じ識別マーク52dが設けられている。この実施形態では、第一ガイド表示部51aの切断長表示部54、55は同じ長さである。このため、切断長表示部54、55は1つにまとめられている。
【0085】
第二ガイド表示部51bは、上述のように径違い90°Yの呼び径50×40の継手に関するものであり、3つの切断長表示部53、54、55を有する。第三ガイド表示部51cは、上述のように90°大曲がりY(LT)呼び径50に関するものであり、3つの切断長表示部53、54、55を有する。
【0086】
第二ガイド表示部51bおよび第三ガイド表示部51cは、第一ガイド表示部51aに対して、90°大曲がりYの呼び径のみが異なるものである。このため、第二ガイド表示部51bおよび第三ガイド表示部51cにおいて、第一ガイド表示部51aの3つの切断長表示部53、54、55に対応する部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0087】
上プレート50aの幅方向一方の側縁であって、上プレート50aの長さ方向一端部寄りの位置に、インデックス50dが設けられている。インデックス50dにはガイド表示部51に関する継手の呼び径が表示されている。
【0088】
中プレート50bは、上プレート50aの場合と同様に、中プレート50bを貫通する罫書き孔4と、中プレート50bの長さ方向に沿って延びるガイド表示部51と、案内図52とを有する。中プレート50bのガイド表示部51は、表5に記載された90°大曲がりYの呼び径に対応して、その呼び径ごとに3つの切断長表示部53、54、55が設けられている。中プレート50bの他の構成においては、上プレート50aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0089】
下プレート50cは、上プレート50aの場合と同様に、下プレート50cを貫通する罫書き孔4と、下プレート50cの長さ方向に沿って延びるガイド表示部51と、案内図52とを有する。下プレート50cのガイド表示部51は、表5に記載された90°大曲がりYの呼び径に対応して、3つの切断長表示部53、54、55が設けられている。下プレート50cのその他の構成においては、上プレート50aと同じ構成であるので、その説明を省略する。
【0090】
上プレート50a、中プレート50bおよび下プレート50cは、この順序で上から下へ重なり合う状態となる。上プレート50a、中プレート50bおよび下プレート50cのインデックス50dは、長さ方向他端部から一端部に向かって相互に重ならない位置に配置されている。
【0091】
図1に示すように、第一プレート群10の上プレート10aの上面にインデックスプレート60が重ね合わされている。図13に示すように、インデックスプレート60は、その表面には、案内図12、22、33、42、52が、この順序で、長さ方向他端部から一端部に向かって並んで配置されたものである。図14、15に示すように、インデックスプレート60および第一プレート群10から第五プレート群50が重ね合わされている状態で、これらが保持具2により、その長さ方向一端側で相互に回転可能に連結されている。保持具2は、例えばボルトおよびナットで構成されている。
【0092】
この発明の実施形態の切断用位置決め具1は、以上のように構成される。例えば、図16に示すように、継手70の受口70aと継手71の受口71aとの間に管体72が接続されている配管Hの構築の際に、この実施形態の切断用位置決め具1は使用される。配管Hでは、一例として、継手70および継手71として、45°エルボの呼び径65が用いられている。
【0093】
切断用位置決め具1の使用に際して、以下の前準備を行う。すなわち、継手70の一方の受口70aの筒軸70cと、他方の受口70bの筒軸70dとの交点C1の位置を把握する。同様に、継手71の一方の受口71aの筒軸71cと、他方の受口71bの筒軸71dとの交点C2の位置を把握する。続いて、継手70の交点C1と、継手71の交点C2との間の距離(継手間距離)L0を測定する。継手70の受口70aおよび継手71の受口71aの呼び径と同じ外径を有する直管である長尺の管体Pを用意する。管体Pの長さ方向一端から継手間距離L0分だけ離れた位置に、適宜筆記具や罫書き針などで、第一罫書き線73を付ける(図17(a)参照)。この第一罫書き線73が付いた管体Pに対して切断用位置決め具1を使用する。
【0094】
次に、切断用位置決め具1の使用方法を説明する。まず、第一プレート群10から第五プレート群50およびインデックスプレート60を相互に重ね合わせた状態とする。この状態から、最上位に配置されるインデックスプレート60の複数の案内図を見る。そして、配管Hに用いられている継手70の規格である45°エルボの呼び径65に対応した案内図12を有する第一プレート群10を選択する。続いて、45°エルボの呼び径65に対応した中プレート10bのインデックス10dを指で摘み、中プレート10bを回転させて引き出す。
【0095】
続いて、中プレート10bの案内図12を見て、管体Pの一端部を差し込む継手70の受口70aが、案内図12の継手の2つの受口のうちのいずれの受口であるかを判断する。判断したその受口に設けられる案内図12の識別マーク12bを選択して、ガイド表示部11の第二ガイド表示部のうち、識別マーク12bが設けられる切断長表示部13を選択する。
【0096】
続いて、図17(b)に示すように、選択した切断長表示部13の他端縁を管体Pの第一罫書き線73に合わせる。このとき、中プレート10bは、その長さ方向が管体Pの長さ方向に沿い、かつ、罫書き孔4が管体Pの一端側に位置する状態となっている。この状態で、中プレート10bの罫書き孔4から適宜筆記具や罫書き針などで、管体Pに第二罫書き線74を付ける。
【0097】
図17(c)に示すように、第一罫書き線73と第二罫書き線74との距離は切断長表示部13の長さと同じである。切断長表示部13は、継手70の交点C1と受口70aの筒軸方向内端部との長さL1を表示するものである。このため、第一罫書き線73と第二罫書き線74との距離はL1と同じ長さになる。
【0098】
続いて、継手70の場合と同様にして、配管Hに用いられる継手71の規格に基づいて、第一プレート群10の中プレート10bを回転させて引き出す。中プレート10bの案内図12を見て、管体Pの他端部を差し込む継手71の受口71aが、案内図12の継手の2つの受口のうちのいずれの受口であるかを判断する。判断したその受口に設けられる案内図12の識別マーク12cを選択して、ガイド表示部11の第二ガイド表示部のうち、識別マーク12cが設けられる切断長表示部14を選択する。
【0099】
図18(a)に示すように、選択した切断長表示部14の他端縁を、管体Pの第二罫書き線74に合わせる。このとき、中プレート10bは、その長さ方向が管体P上に沿い、かつ罫書き孔4が管体Pの一端側に位置する状態となっている。この状態で、中プレート10aの罫書き孔4から適宜筆記具や罫書き針などで、管体Pに第三罫書き線75を付ける。
【0100】
そして、図18(b)に示すように、第三罫書き線75で管体Pを切断する。このとき、第二罫書き線74と第三罫書き線75との距離は切断長表示部14の長さと同じである。切断長表示部14は、継手71の交点C2と受口71aの筒軸方向内端部との長さL2を表示するものである。このため、第二罫書き線74と第三罫書き線75との距離はL2と同じ長さになる。
【0101】
第三罫書き線75で管体Pを切断することにより、管体Pのうち、管体Pの一端部から第三罫書き線75に至る部分によって、図16に示す管体72が製作される。管体72は、継手間距離L0から、長さL1および長さL2を合算した長さ分だけ短くなったものとなる。この管体72の一端部を継手70の受口70aに差し込み、管体72の他端部を継手71の受口71aに差し込んで配管Hが構築する。
【0102】
以上のように、切断用位置決め具1を使用し、第三罫書き線75で切断することで、上記管体72を容易に製作することができる。このため、経験が少ない作業者のみならず経験豊富な作業者であっても、継手における受口の差し込み長さに基づいて、管体の端部を少しずつ切断して調整する必要がなく、その調整時間を短縮することができる。
【0103】
この実施形態の切断用位置決め具1は、第一プレート群10の上プレート10a、中プレート10b、および下プレート10cのガイド表示部11において、それぞれの切断長表示部13、14の一端部が基準線5上に位置し、第一プレート群10の長さ方向に沿って同じ方向に延び出している。また、罫書き孔4が基準線5上に位置している。このため、上プレート10a、中プレート10b、および下プレート10c上におけるそれぞれの切断長表示部13、14の幅寸法を小さくすることが可能となり、第一プレート群10の大きさをコンパクトに形成することができる。同様に、第二プレート群20、第三プレート群30、第四プレート群40および第五プレート群50もその大きさをコンパクトに形成することができる。
【0104】
また、第一プレート群10、第二プレート群20、第三プレート群30、第四プレート群40および第五プレート群50には、相互に異なる規格となる呼び径の継手にそれぞれ対応した複数のガイド表示部11、21、31、32、41、51を有している。このため、切断用位置決め具1は、配管に用いられる継手について、様々な規格のものに対応することが可能となる。
【0105】
さらに、第一プレート群10は案内図12を有し、案内図12のそれぞれの受口に識別マーク12bおよび12cが設けられている。そして、案内図12のそれぞれの受口に対応する切断長表示部13および14に、案内図12のそれぞれの受口に設けられた識別マーク12bおよび12cが付されている。このため、例えば、配管Hに使用される継手70(継手71)を案内図12により視覚的に確認することができる。また、同じ識別マーク12b(または、識別マーク12c)を介して、継手70(継手71)の受口とその受口に対応する切断長表示部13(または、切断長表示部14)とを容易に関連付けることができる。なお、案内図22を有する第二プレート群20、案内図33を有する第三プレート群30、案内図42を有する第四プレート群40および案内図52を有する第五プレート群50も、第一プレート群10と同様である。
【0106】
この実施形態の切断用位置決め具1は、第一プレート群10、第二プレート群20、第三プレート群30、第四プレート群40および第五プレート群50において、ガイド表示部11、21、31、32、41、51としては、継手(JIS K6739)の規格(JIS規格)に対応した継手に関するものを例に挙げて説明した。例えば、第一プレート群10、第二プレート群20、第三プレート群30、第四プレート群40および第五プレート群50において、継手を製造するメーカー独自の規格に対応した継手に関するガイド表示部を設けることができる。
【0107】
この実施形態の切断用位置決め具1は、案内図12、22、33、42、52に設けられるそれぞれの識別マークとして、丸印、三角印、星印以外の図形であってもよく、文字、数字、アルファベットや、これらと図形とを組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 切断用位置決め具
2 保持具
4 罫書き孔
5 基準線
10 第一プレート群
20 第二プレート群
30 第三プレート群
40 第四プレート群
50 第五プレート群
60 インデックスプレート
10a、20a、30a、40a、50a 上プレート
10b、20b、30b、40b、50b 中プレート
10c、20c、30c、40c、50c 下プレート
10d、20d、30d、40d、50d インデックス
11、21、31、32、41、51 ガイド表示部
11a、21a、31a、32a、41a、51a 第一ガイド表示部
11b、21b、31b、32b、41b、51b 第二ガイド表示部
31c、41c、51c 第三ガイド表示部
41d 第四ガイド表示部
41e 第五ガイド表示部
12、22、33、42、52 案内図
12a、22a、33a、42a、52a 交点
12b、12c、22b、22c、22d、33b、33c、42b、42c、42d、52b、52c、52d 識別マーク
13、14、23、24、25、34、35、36、37、43、44、45、53、54、55 切断長表示部
70、71 継手
70a、70b、71a、71b 受口
C1、C2 交点
70c、70d、71c、71d 筒軸
72 管体
73 第一罫書き線
74 第二罫書き線
75 第三罫書き線
H 配管
P 管体
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