(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000908
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20231226BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20231226BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20231226BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20231226BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20231226BHJP
H10B 12/00 20230101ALI20231226BHJP
【FI】
H01L29/78 626A
H01L29/78 618B
H01L29/78 616V
H01L29/78 617U
H01L29/78 613B
H01L29/78 617K
H01L29/78 616U
H01L29/44 P
H01L21/28 301R
H01L21/28 301B
H01L29/58 G
H01L29/50 M
H01L27/108 671A
H01L27/108 621B
H01L27/108 671Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099891
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】側瀬 聡文
(72)【発明者】
【氏名】山下 俊太郎
【テーマコード(参考)】
4M104
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】トランジスタ特性の優れた半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態の半導体装置は、金属酸化物を含む第1の電極と、金属酸化物を含む第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間の酸化物半導体層と、酸化物半導体層を囲むゲート電極と、シリコン(Si)及び窒素(N)を含むゲート絶縁層と、第1の電極とゲート電極との間の第1の絶縁層と、第2の電極とゲート電極との間に設けられた第2の絶縁層と、第1の電極の酸化物半導体層と反対側の面に接する第1の導電層と、第2の電極の酸化物半導体層と反対側の面に接する第2の導電層と、第1の電極を囲み第1の導電層に接する第1の層と、第2の電極を囲み第2の導電層に接する第2の層と、第1の電極と第1の絶縁層との間の、ゲート絶縁層及び第1の層に接する第3の絶縁層と、第2の電極と第2の絶縁層との間の、ゲート絶縁層及び第2の層に接する第4の絶縁層と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物を含む第1の電極と、
金属酸化物を含む第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層を囲むゲート電極と、
前記ゲート電極と前記酸化物半導体層との間に設けられ、シリコン(Si)及び窒素(N)を含むゲート絶縁層と、
前記第1の電極と前記ゲート電極との間に設けられた第1の絶縁層と、
前記第2の電極と前記ゲート電極との間に設けられた第2の絶縁層と、
前記第1の電極の前記酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の導電層と、
前記第2の電極の前記酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の導電層と、
前記第1の電極から前記第2の電極に向かう第1の方向に垂直な第1の断面において前記第1の電極を囲み、前記第1の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の層と、
前記第1の方向に垂直な第2の断面において前記第2の電極を囲み、前記第2の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の層と、
前記第1の電極と前記第1の絶縁層との間に設けられ、前記ゲート絶縁層及び前記第1の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第3の絶縁層と、
前記第2の電極と前記第2の絶縁層との間に設けられ、前記ゲート絶縁層及び前記第2の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第4の絶縁層と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第1の電極に含まれる前記金属酸化物及び前記第2の電極に含まれる前記金属酸化物は、インジウム(In)及びスズ(Sn)を含む請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、チタン(Ti)及び窒素(N)を含む請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の層は、チタン(Ti)及び窒素(N)を含む請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の層は前記第1の導電層と同一の材料を含み、前記第1の導電層及び前記第1の層はチタン(Ti)及び窒素(N)を含む請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第3の絶縁層及び前記第4の絶縁層は、シリコン(Si)及び窒素(N)を含む請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記ゲート絶縁層は、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む第1の膜と、前記第1の膜と前記ゲート電極との間に設けられシリコン(Si)及び窒素(N)を含む第2の膜と、を含む請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2の膜は前記第3の絶縁層及び前記第4の絶縁層と接する請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の導電層の前記第2の電極と反対側の面に接する金属層を、更に備える請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
請求項1記載の半導体装置と、
前記第1の電極又は前記第2の電極に電気的に接続されたキャパシタと、
を備える半導体記憶装置。
【請求項11】
金属酸化物を含む第1の電極と、
金属酸化物を含む第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層を囲むゲート電極と、
前記ゲート電極と前記酸化物半導体層との間に設けられ、シリコン(Si)及び窒素(N)を含むゲート絶縁層と、
前記第1の電極と前記ゲート電極との間に設けられた第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層との間に前記ゲート電極が設けられた第2の絶縁層と、
前記第1の電極の前記酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の導電層と、
前記第2の電極の前記酸化物半導体層と反対側の面に接し、前記第1の電極から前記第2の電極に向かう第1の方向に垂直な第1の断面において前記第2の電極に囲まれ、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の導電層と、
前記第1の断面において前記第2の導電層に囲まれた金属層と、
前記第1の方向に垂直な第2の断面において前記第1の電極を囲み、前記第1の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の層と、
前記第1の電極と前記第1の絶縁層との間に設けられ、前記ゲート絶縁層及び前記第1の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第3の絶縁層と、
前記ゲート電極との間に前記第2の絶縁層が設けられ、前記第1の方向に垂直な第3の断面において前記金属層を囲み、前記第2の導電層、及び前記ゲート絶縁層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第4の絶縁層と、
を備える半導体装置。
【請求項12】
前記第4の絶縁層と前記酸化物半導体層との間に前記第2の電極が設けられる請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1の電極に含まれる前記金属酸化物及び前記第2の電極に含まれる前記金属酸化物は、インジウム(In)及びスズ(Sn)を含む請求項11記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、チタン(Ti)及び窒素(N)を含む請求項11記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1の層は、チタン(Ti)及び窒素(N)を含む請求項11記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1の層は前記第1の導電層と同一の材料を含み、前記第1の導電層及び前記第1の層はチタン(Ti)及び窒素(N)を含む請求項11記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第3の絶縁層及び前記第4の絶縁層は、シリコン(Si)及び窒素(N)を含む請求項11記載の半導体装置。
【請求項18】
前記ゲート絶縁層は、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む第1の膜と、前記第1の膜と前記ゲート電極との間に設けられシリコン(Si)及び窒素(N)を含む第2の膜と、を含む請求項11記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第2の膜は前記第3の絶縁層及び前記第4の絶縁層と接する請求項18記載の半導体装置。
【請求項20】
請求項11記載の半導体装置と、
前記第1の電極又は前記第2の電極に電気的に接続されたキャパシタと、
を備える半導体記憶装置。
【請求項21】
金属酸化物を含む第1の電極と、
金属酸化物を含む第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層を囲むゲート電極と、
前記ゲート電極と前記酸化物半導体層との間に設けられ、前記第1の電極から前記第2の電極に向かう第1の方向に垂直な第1の断面において前記第2の電極を囲み、シリコン(Si)及び窒素(N)を含むゲート絶縁層と、
前記第1の電極と前記ゲート電極との間に設けられた第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層との間に前記ゲート電極が設けられた第2の絶縁層と、
前記第1の電極の前記酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の導電層と、
前記第2の電極の前記酸化物半導体層と反対側の面に接し、前記ゲート絶縁層に接し、前記ゲート電極との間に前記第2の絶縁層が設けられ、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の導電層と、
前記第1の方向に垂直な第2の断面において前記第1の電極を囲み、前記第1の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の層と、
前記第1の電極と前記第1の絶縁層との間に設けられ、前記ゲート絶縁層及び前記第1の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第3の絶縁層と、
を備える半導体装置。
【請求項22】
前記第1の電極に含まれる前記金属酸化物及び前記第2の電極に含まれる前記金属酸化物は、インジウム(In)及びスズ(Sn)を含む請求項21記載の半導体装置。
【請求項23】
前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、チタン(Ti)及び窒素(N)を含む請求項21記載の半導体装置。
【請求項24】
前記第1の層は、チタン(Ti)及び窒素(N)を含む請求項21記載の半導体装置。
【請求項25】
前記第1の層は前記第1の導電層と同一の材料を含み、前記第1の導電層及び前記第1の層はチタン(Ti)及び窒素(N)を含む請求項21記載の半導体装置。
【請求項26】
前記第3の絶縁層は、シリコン(Si)及び窒素(N)を含む請求項21記載の半導体装置。
【請求項27】
前記ゲート絶縁層は、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む第1の膜と、前記第1の膜と前記ゲート電極との間に設けられシリコン(Si)及び窒素(N)を含む第2の膜と、を含む請求項21記載の半導体装置。
【請求項28】
前記第2の膜は前記第3の絶縁層及び前記第2の導電層と接する請求項27記載の半導体装置。
【請求項29】
前記第2の導電層の前記第2の電極と反対側の面に接する金属層を、更に備える請求項21記載の半導体装置。
【請求項30】
請求項21記載の半導体装置と、
前記第1の電極又は前記第2の電極に電気的に接続されたキャパシタと、
を備える半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及び半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化物半導体層にチャネルを形成する酸化物半導体トランジスタは、オフ動作時のチャネルリーク電流が極めて小さいという優れた特性を備える。このため、例えば、酸化物半導体トランジスタを、Dynamic Random Access Memory(DRAM)のメモリセルのスイッチングトランジスタに適用することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、トランジスタ特性の優れた半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、金属酸化物を含む第1の電極と、金属酸化物を含む第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層を囲むゲート電極と、前記ゲート電極と前記酸化物半導体層との間に設けられ、シリコン(Si)及び窒素(N)を含むゲート絶縁層と、前記第1の電極と前記ゲート電極との間に設けられた第1の絶縁層と、前記第2の電極と前記ゲート電極との間に設けられた第2の絶縁層と、前記第1の電極の前記酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の導電層と、前記第2の電極の前記酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の導電層と、前記第1の電極から前記第2の電極に向かう第1の方向に垂直な第1の断面において前記第1の電極を囲み、前記第1の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の層と、前記第1の方向に垂直な第2の断面において前記第2の電極を囲み、前記第2の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の層と、前記第1の電極と前記第1の絶縁層との間に設けられ、前記ゲート絶縁層及び前記第1の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第3の絶縁層と、前記第2の電極と前記第2の絶縁層との間に設けられ、前記ゲート絶縁層及び前記第2の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第4の絶縁層と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図5】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図6】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図7】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図8】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図9】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図10】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図11】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図12】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図15】第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置の模式断面図。
【
図16】第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置の模式断面図。
【
図17】第1の実施形態の第3の変形例の半導体装置の模式断面図。
【
図18】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図19】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図20】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図21】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図22】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図23】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図24】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図25】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図26】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図27】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図28】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図29】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図30】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図31】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図32】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図33】第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図34】第3の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図35】第3の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図36】第3の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図37】第3の実施形態の半導体装置の模式断面図。
【
図38】第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図39】第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図40】第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図41】第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図42】第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図43】第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図44】第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図45】第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図46】第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
【
図47】第4の実施形態の半導体記憶装置の等価回路図。
【
図48】第4の実施形態の半導体記憶装置の模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材などには同一の符号を付し、一度説明した部材などについては適宜その説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書中、便宜上「上」、「下」、「上部」、「下部」、「上方」、又は「下方」という用語を用いる場合がある。「上」、「下」、「上部」、「下部」、「上方」、又は「下方」とはあくまで図面内での相対的位置関係を示す用語であり、重力に対する位置関係を規定する用語ではない。
【0009】
本明細書中の半導体装置及び半導体記憶装置を構成する部材の化学組成の定性分析及び定量分析は、例えば、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)、エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:EDX)、ラザフォード後方散乱分析法(Rutherford Back-Scattering Spectroscopy:RBS)により行うことが可能である。また、半導体装置及び半導体記憶装置を構成する部材の厚さ、部材間の距離、結晶粒径等の測定には、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いることが可能である。
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、金属酸化物を含む第1の電極と、金属酸化物を含む第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた酸化物半導体層と、酸化物半導体層を囲むゲート電極と、ゲート電極と酸化物半導体層との間に設けられ、シリコン(Si)及び窒素(N)を含むゲート絶縁層と、第1の電極とゲート電極との間に設けられた第1の絶縁層と、第2の電極とゲート電極との間に設けられた第2の絶縁層と、第1の電極の酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の導電層と、第2の電極の酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の導電層と、第1の電極から第2の電極に向かう第1の方向に垂直な第1の断面において第1の電極を囲み、第1の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の層と、第1の方向に垂直な第2の断面において第2の電極を囲み、第2の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の層と、第1の電極と第1の絶縁層との間に設けられ、ゲート絶縁層及び第1の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第3の絶縁層と、第2の電極と第2の絶縁層との間に設けられ、ゲート絶縁層及び第2の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第4の絶縁層と、を備える。
【0011】
図1、
図2、
図3、及び
図4は、第1の実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図2は、
図1のAA’断面図である。
図3は、
図1のBB’断面図である。
図4は、
図1のCC’断面図である。
図1において、上下方向を第1の方向と称する。
図1において、左右方向を第2の方向と称する。第2の方向は、第1の方向に垂直である。
【0012】
BB’断面は、第1の断面の一例である。CC’断面は第2の断面の一例である。
【0013】
第1の実施形態の半導体装置は、トランジスタ100である。トランジスタ100は、酸化物半導体にチャネルが形成される酸化物半導体トランジスタである。トランジスタ100において、ゲート電極が、チャネルが形成される酸化物半導体層を囲んで設けられる。トランジスタ100は、いわゆるSurrounding Gate Transistor(SGT)である。トランジスタ100は、いわゆる縦型トランジスタである。
【0014】
トランジスタ100は、下部電極12、上部電極14、酸化物半導体層16、ゲート電極18、ゲート絶縁層20、下部絶縁層22、上部絶縁層24、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、上部バリア絶縁層36、金属層38、下部層間絶縁層40、及び上部層間絶縁層42を備える。ゲート絶縁層20は、第1のゲート絶縁膜20a及び第2のゲート絶縁膜20bを含む。
【0015】
下部電極12は、第1の電極の一例である。上部電極14は、第2の電極の一例である。下部絶縁層22は、第1の絶縁層の一例である。上部絶縁層24は、第2の絶縁層の一例である。下部バリア導電層26は、第1の導電層の一例である。上部バリア導電層28は、第2の導電層の一例である。第1の側壁バリア層30は、第1の層の一例である。第2の側壁バリア層32は、第2の層の一例である。下部バリア絶縁層34は、第3の絶縁層の一例である。上部バリア絶縁層36は、第4の絶縁層の一例である。第1のゲート絶縁膜20aは、第1の膜の一例である。第2のゲート絶縁膜20bは、第2の膜の一例である。
【0016】
下部電極12は、酸化物半導体層16の下に設けられる。下部電極12は、酸化物半導体層16に電気的に接続される。下部電極12は、例えば、酸化物半導体層16に接する。下部電極12は、トランジスタ100のソース電極又はドレイン電極として機能する。
【0017】
下部電極12は、導電体である。下部電極12は、導電性の金属酸化物を含む。下部電極12は、例えば、インジウム(In)、スズ(Sn)、及び酸素(O)を含む。下部電極12は、例えば、酸化インジウムスズを含む。下部電極12は、例えば、酸化インジウムスズ層である。
【0018】
上部電極14は、酸化物半導体層16の上に設けられる。上部電極14は、酸化物半導体層16に電気的に接続される。上部電極14は、例えば、酸化物半導体層16に接する。上部電極14は、トランジスタ100のソース電極又はドレイン電極として機能する。
【0019】
上部電極14は、導電体である。上部電極14は、導電性の金属酸化物を含む。上部電極14は、例えば、インジウム(In)、スズ(Sn)、及び酸素(O)を含む。上部電極14は、例えば、酸化インジウムスズを含む。上部電極14は、例えば、酸化インジウムスズ層である。
【0020】
下部電極12と上部電極14とは、例えば、同一の材料を含む。下部電極12及び上部電極14に含まれる金属酸化物は、例えば、インジウム(In)及びスズ(Sn)を含む。下部電極12及び上部電極14は、例えば、酸化インジウムスズを含む。下部電極12及び上部電極14は、例えば、酸化インジウムスズ層である。
【0021】
酸化物半導体層16は、下部電極12と上部電極14との間に設けられる。酸化物半導体層16は、例えば、下部電極12に接する。酸化物半導体層16は、例えば、上部電極14に接する。
【0022】
酸化物半導体層16には、トランジスタ100のオン動作時に、電流経路となるチャネルが形成される。
【0023】
酸化物半導体層16は、酸化物半導体である。酸化物半導体層16は、例えば、アモルファスである。
【0024】
酸化物半導体層16は、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)を含む。酸化物半導体層16は、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)及び酸素(O)を含む。酸化物半導体層16は、例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛を含む。酸化物半導体層16は、例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛層である。
【0025】
酸化物半導体層16は、例えば、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素と、酸素(O)を含む。酸化物半導体層16は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、又は酸化タングステンを含む。酸化物半導体層16は、例えば、酸化チタン層、酸化亜鉛層、又は酸化タングステン層である。
【0026】
酸化物半導体層16は、例えば、下部電極12の化学組成、及び、上部電極14の化学組成と異なる化学組成を有する。
【0027】
酸化物半導体層16は、酸素空孔を含む。酸化物半導体層16の中の酸素空孔は、ドナーとして機能する。
【0028】
酸化物半導体層16の第1の方向の長さは、例えば、80nm以上200nm以下である。酸化物半導体層16の第2の方向の長さは、例えば、20nm以上100nm以下である。
【0029】
第1の方向は、下部電極12から上部電極14に向かう方向である。第2の方向は、第1の方向に垂直な方向である。
【0030】
ゲート電極18は、酸化物半導体層16に対向する。ゲート電極18は、その第1の方向における位置座標が下部電極12と上部電極14それぞれの第1の方向における位置座標の間の値となるように設けられる。
【0031】
図2に示すように、ゲート電極18は、第1の方向に垂直な断面において、酸化物半導体層16を囲む。ゲート電極18は、酸化物半導体層16の周囲に設けられる。
【0032】
ゲート電極18は、導電体である。ゲート電極18は、例えば、金属、金属化合物、又は半導体である。ゲート電極18は、例えば、タングステン(W)を含む。ゲート電極18は、例えば、タングステン層である。
【0033】
ゲート電極18の第1の方向の長さは、例えば、20nm以上100nm以下である。
【0034】
ゲート絶縁層20は、酸化物半導体層16とゲート電極18との間に設けられる。ゲート絶縁層20は、第1の方向に垂直な断面において、酸化物半導体層16を囲む。ゲート絶縁層20は、下部電極12と上部電極14との間に設けられる。ゲート絶縁層20は、下部バリア絶縁層34及び上部バリア絶縁層36と接する。ゲート絶縁層20は、例えば、下部電極12及び上部電極14と接する。
【0035】
ゲート絶縁層20は、シリコン(Si)及び窒素(N)を含む。ゲート絶縁層20は、例えば、窒化シリコンを含む。
【0036】
ゲート絶縁層20は、例えば、第1のゲート絶縁膜20a及び第2のゲート絶縁膜20bを含む。第2のゲート絶縁膜20bは、第1のゲート絶縁膜20aとゲート電極18との間に設けられる。
【0037】
第2のゲート絶縁膜20bは、例えば、下部電極12及び上部電極14と接する。第2のゲート絶縁膜20bは、例えば、下部バリア絶縁層34及び上部バリア絶縁層36と接する。
【0038】
第1のゲート絶縁膜20aは、例えば、酸化物である。第1のゲート絶縁膜20aは、例えば、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む。第1のゲート絶縁膜20aは、例えば、酸化シリコンを含む。第1のゲート絶縁膜20aは、例えば、酸化シリコン膜である。
【0039】
第2のゲート絶縁膜20bは、例えば、窒化物である。第2のゲート絶縁膜20bは、例えば、シリコン(Si)及び窒素(N)を含む。第2のゲート絶縁膜20bは、例えば、窒化シリコンを含む。第2のゲート絶縁膜20bは、例えば、窒化シリコン膜である。
【0040】
ゲート絶縁層20の厚さは、例えば、2nm以上10nm以下である。
【0041】
下部絶縁層22は、下部電極12の上に設けられる。下部絶縁層22は、下部電極12とゲート電極18との間に設けられる。
【0042】
下部絶縁層22は、第1の方向に垂直な面において、酸化物半導体層16を囲む。下部絶縁層22は、第1の方向に垂直な面において、ゲート絶縁層20を囲む。
【0043】
下部絶縁層22は、絶縁体である。下部絶縁層22は、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。下部絶縁層22は、例えば、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む。下部絶縁層22は、例えば、酸化シリコンを含む。下部絶縁層22は、例えば、酸化シリコン層である。
【0044】
上部絶縁層24は、ゲート電極18の上に設けられる。上部絶縁層24は、例えば、ゲート電極18と上部電極14との間に設けられる。
【0045】
上部絶縁層24は、第1の方向に垂直な面において、酸化物半導体層16を囲む。上部絶縁層24は、第1の方向に垂直な面において、ゲート絶縁層20を囲む。
【0046】
上部絶縁層24は、絶縁体である。上部絶縁層24は、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。上部絶縁層24は、例えば、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む。上部絶縁層24は、例えば、酸化シリコンを含む。上部絶縁層24は、例えば、酸化シリコン層である。
【0047】
下部バリア導電層26は、下部電極12の下に設けられる。下部バリア導電層26は、下部電極12の酸化物半導体層16と反対側の面に接する。
【0048】
下部バリア導電層26は、下部電極12からの酸素の脱離、又は、下部電極12への酸素の侵入を抑制する機能を有する。下部バリア導電層26は、例えば、下部バリア導電層26の下に設けられる図示しない金属層の酸化を抑制する機能を有する。
【0049】
下部バリア導電層26は、導電体である。下部バリア導電層26は、下部電極12と異なる材料を含む。下部バリア導電層26は、下部電極12と異なる材料で形成される。下部バリア導電層26は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む。
【0050】
下部バリア導電層26は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる一つの金属元素を含む。下部バリア導電層26は、例えば、タングステン層、モリブデン層、銅層、アルミニウム層、チタン層、又はタンタル層である。
【0051】
下部バリア導電層26は、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素と、窒素(N)を含む。下部バリア導電層26は、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化モリブデン、又は窒化タンタルを含む。下部バリア導電層26は、例えば、窒化チタン層、窒化タングステン層、窒化モリブデン層、又は窒化タンタル層である。
【0052】
下部バリア導電層26は、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素と、炭素(C)を含む。下部バリア導電層26は、例えば、炭化チタン、炭化タングステン、炭化モリブデン、又は炭化タンタルを含む。下部バリア導電層26は、例えば、炭化チタン層、炭化タングステン層、炭化モリブデン層、又は炭化タンタル層である。
【0053】
下部バリア導電層26は、例えば、下部電極12よりも酸素透過率の低い材料で形成される。下部バリア導電層26は、例えば、酸化インジウムスズよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0054】
下部バリア導電層26は、例えば、下部層間絶縁層40よりも酸素透過率の低い材料で形成される。下部バリア導電層26は、例えば、酸化シリコンよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0055】
上部バリア導電層28は、上部電極14の上に設けられる。上部バリア導電層28は、上部電極14の酸化物半導体層16と反対側の面に接する。
【0056】
上部バリア導電層28は、上部電極14からの酸素の脱離、又は、上部電極14への酸素の侵入を抑制する機能を有する。上部バリア導電層28は、例えば、上部電極14の上に設けられる金属層38の酸化を抑制する機能を有する。
【0057】
上部バリア導電層28は、導電体である。上部バリア導電層28は、上部電極14と異なる材料を含む。上部バリア導電層28は、上部電極14と異なる材料で形成される。上部バリア導電層28は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む。
【0058】
上部バリア導電層28は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる一つの金属元素を含む。上部バリア導電層28は、例えば、タングステン層、モリブデン層、銅層、アルミニウム層、チタン層、又はタンタル層である。
【0059】
上部バリア導電層28は、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素と、窒素(N)を含む。上部バリア導電層28は、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化モリブデン、又は窒化タンタルを含む。上部バリア導電層28は、例えば、窒化チタン層、窒化タングステン層、窒化モリブデン層、又は窒化タンタル層である。
【0060】
上部バリア導電層28は、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素と、炭素(C)を含む。上部バリア導電層28は、例えば、炭化チタン、炭化タングステン、炭化モリブデン、又は炭化タンタルを含む。上部バリア導電層28は、例えば、炭化チタン層、炭化タングステン層、炭化モリブデン層、又は炭化タンタル層である。
【0061】
上部バリア導電層28は、例えば、上部電極14よりも酸素透過率の低い材料で形成される。上部バリア導電層28は、例えば、酸化インジウムスズよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0062】
上部バリア導電層28は、例えば、上部層間絶縁層42よりも酸素透過率の低い材料で形成される。上部バリア導電層28は、例えば、酸化シリコンよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0063】
第1の側壁バリア層30は、下部電極12の側面を囲む。
図3に示すように、第1の側壁バリア層30は、第1の方向に垂直な第1の断面において下部電極12を囲む。
図3に示すBB’断面は第1の断面の一例である。
【0064】
第1の側壁バリア層30は、下部バリア導電層26及び下部バリア絶縁層34に接する。第1の側壁バリア層30は、例えば、下部電極12に接する。第1の側壁バリア層30は、例えば、下部電極12の側面に接する。
【0065】
第1の側壁バリア層30は、下部電極12からの酸素の脱離、又は、下部電極12への酸素の侵入を抑制する機能を有する。
【0066】
第1の側壁バリア層30は、例えば、導電体である。第1の側壁バリア層30は、下部電極12と異なる材料を含む。第1の側壁バリア層30は、下部電極12と異なる材料で形成される。
【0067】
第1の側壁バリア層30は、例えば、下部バリア導電層26と同一の材料を含む。第1の側壁バリア層30は、例えば、下部バリア導電層26と同一の材料で形成される。第1の側壁バリア層30は、例えば、下部バリア導電層26と連続する。第1の側壁バリア層30は、例えば、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む。
【0068】
第1の側壁バリア層30は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる一つの金属元素を含む。第1の側壁バリア層30は、例えば、タングステン層、モリブデン層、銅層、アルミニウム層、チタン層、又はタンタル層である。
【0069】
第1の側壁バリア層30は、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素と、窒素(N)を含む。第1の側壁バリア層30は、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化モリブデン、又は窒化タンタルを含む。第1の側壁バリア層30は、例えば、窒化チタン層、窒化タングステン層、窒化モリブデン層、又は窒化タンタル層である。
【0070】
第1の側壁バリア層30は、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素と、炭素(C)を含む。下部バリア導電層26は、例えば、炭化チタン、炭化タングステン、炭化モリブデン、又は炭化タンタルを含む。第1の側壁バリア層30は、例えば、炭化チタン層、炭化タングステン層、炭化モリブデン層、又は炭化タンタル層である。
【0071】
第1の側壁バリア層30は、例えば、下部電極12よりも酸素透過率の低い材料で形成される。第1の側壁バリア層30は、例えば、酸化インジウムスズよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0072】
第1の側壁バリア層30は、例えば、下部層間絶縁層40よりも酸素透過率の低い材料で形成される。第1の側壁バリア層30は、例えば、酸化シリコンよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0073】
第2の側壁バリア層32は、上部電極14の側面を囲む。
図4に示すように、第2の側壁バリア層32は、第1の方向に垂直な第2の断面において上部電極14を囲む。
図4に示すCC’断面は第2の断面の一例である。
【0074】
第2の側壁バリア層32は、上部バリア導電層28及び上部バリア絶縁層36に接する。第2の側壁バリア層32は、例えば、上部電極14に接する。第2の側壁バリア層32は、例えば、上部電極14の側面及び上部バリア導電層28の側面に接する。
【0075】
第2の側壁バリア層32は、上部電極14からの酸素の脱離、又は、上部電極14への酸素の侵入を抑制する機能を有する。
【0076】
第2の側壁バリア層32は、例えば、絶縁体である。第2の側壁バリア層32は、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む。第2の側壁バリア層32は、例えば、酸化アルミニウム層、酸化マグネシウム層、酸化ガリウム層、酸化ゲルマニウム層、酸化イットリウム層、酸化ジルコニウム層、酸化ランタン層、酸化ハフニウム層、酸化タンタル層、窒化シリコン層、窒化アルミニウム層、酸窒化シリコン層、又は酸窒化アルミニウム層である。
【0077】
第2の側壁バリア層32は、例えば、上部電極14よりも酸素透過率の低い材料で形成される。第2の側壁バリア層32は、例えば、酸化インジウムスズよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0078】
第2の側壁バリア層32は、例えば、上部層間絶縁層42よりも酸素透過率の低い材料で形成される。第2の側壁バリア層32は、例えば、酸化シリコンよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0079】
下部バリア絶縁層34は、下部電極12と下部絶縁層22との間に設けられる。下部バリア絶縁層34は、例えば、第1の方向に垂直な断面において、酸化物半導体層16及びゲート絶縁層20を囲む。
【0080】
下部バリア絶縁層34は、ゲート絶縁層20及び第1の側壁バリア層30に接する。下部バリア絶縁層34は、例えば、第2のゲート絶縁膜20bに接する。下部バリア絶縁層34は、例えば、下部電極12に接する。
【0081】
下部バリア絶縁層34は、下部電極12からの酸素の脱離、又は、下部電極12への酸素の侵入を抑制する機能を有する。
【0082】
下部バリア絶縁層34は、絶縁体である。下部バリア絶縁層34は、下部絶縁層22と異なる材料を含む。下部バリア絶縁層34は、下部絶縁層22と異なる材料で形成される。
【0083】
下部バリア絶縁層34は、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む。下部バリア絶縁層34は、例えば、酸化アルミニウム層、酸化マグネシウム層、酸化ガリウム層、酸化ゲルマニウム層、酸化イットリウム層、酸化ジルコニウム層、酸化ランタン層、酸化ハフニウム層、酸化タンタル層、窒化シリコン層、窒化アルミニウム層、酸窒化シリコン層、又は酸窒化アルミニウム層である。
【0084】
下部バリア絶縁層34は、例えば、下部電極12よりも酸素透過率の低い材料で形成される。下部バリア絶縁層34は、例えば、酸化インジウムスズよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0085】
下部バリア絶縁層34は、例えば、下部絶縁層22よりも酸素透過率の低い材料で形成される。下部バリア絶縁層34は、例えば、酸化シリコンよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0086】
上部バリア絶縁層36は、上部電極14と上部絶縁層24との間に設けられる。上部バリア絶縁層36は、例えば、第1の方向に垂直な断面において、酸化物半導体層16及びゲート絶縁層20を囲む。
【0087】
上部バリア絶縁層36は、ゲート絶縁層20及び第2の側壁バリア層32に接する。上部バリア絶縁層36は、例えば、第2のゲート絶縁膜20bに接する。上部バリア絶縁層36は、例えば、上部電極14に接する。
【0088】
上部バリア絶縁層36は、上部電極14からの酸素の脱離、又は、上部電極14への酸素の侵入を抑制する機能を有する。
【0089】
上部バリア絶縁層36は、絶縁体である。上部バリア絶縁層36は、上部絶縁層24と異なる材料を含む。上部バリア絶縁層36は、上部絶縁層24と異なる材料で形成される。
【0090】
上部バリア絶縁層36は、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む。上部バリア絶縁層36は、例えば、酸化アルミニウム層、酸化マグネシウム層、酸化ガリウム層、酸化ゲルマニウム層、酸化イットリウム層、酸化ジルコニウム層、酸化ランタン層、酸化ハフニウム層、酸化タンタル層、窒化シリコン層、窒化アルミニウム層、酸窒化シリコン層、又は酸窒化アルミニウム層である。
【0091】
上部バリア絶縁層36は、例えば、上部電極14よりも酸素透過率の低い材料で形成される。上部バリア絶縁層36は、例えば、酸化インジウムスズよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0092】
上部バリア絶縁層36は、例えば、上部絶縁層24よりも酸素透過率の低い材料で形成される。上部バリア絶縁層36は、例えば、酸化シリコンよりも酸素透過率の低い材料で形成される。
【0093】
金属層38は、上部バリア導電層28の上に設けられる。金属層38と上部電極14との間に、上部バリア導電層28が設けられる。金属層38は、例えば、上部バリア導電層28に接する。
【0094】
金属層38は、導電体である。金属層38は、上部バリア導電層28と異なる材料を含む。金属層38は、上部バリア導電層28と異なる材料で形成される。金属層38は、金属を含む。
【0095】
金属層38は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる一つの金属元素を含む。金属層38は、例えば、タングステン層、モリブデン層、銅層、アルミニウム層、チタン層、又はタンタル層である。
【0096】
下部層間絶縁層40は、下部バリア絶縁層34の下に設けられる。下部層間絶縁層40は、下部電極12の側方に設けられる。
【0097】
下部層間絶縁層40は、第1の方向に垂直な断面において、下部電極12を囲む。下部層間絶縁層40は、第1の方向に垂直な断面において、第1の側壁バリア層30を囲む。
【0098】
下部層間絶縁層40は、例えば、図示しない配線層と、下部電極12との間を電気的に絶縁する機能を有する。
【0099】
下部層間絶縁層40は、絶縁体である。下部層間絶縁層40は、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。下部層間絶縁層40は、例えば、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む。下部層間絶縁層40は、例えば、酸化シリコンを含む。下部層間絶縁層40は、例えば、酸化シリコン層である。
【0100】
上部層間絶縁層42は、上部バリア絶縁層36の上に設けられる。上部層間絶縁層42は、上部電極14の側方に設けられる。
【0101】
上部層間絶縁層42は、第1の方向に垂直な断面において、上部電極14を囲む。上部層間絶縁層42は、第1の方向に垂直な断面において、第2の側壁バリア層32を囲む。
【0102】
上部層間絶縁層42は、例えば、図示しない配線層と、上部電極14との間を電気的に絶縁する機能を有する。
【0103】
上部層間絶縁層42は、絶縁体である。上部層間絶縁層42は、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。上部層間絶縁層42は、例えば、シリコン(Si)及び酸素(O)を含む。下部層間絶縁層40は、例えば、酸化シリコンを含む。上部層間絶縁層42は、例えば、酸化シリコン層である。
【0104】
次に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0105】
【0106】
以下、下部電極12が酸化インジウムスズ層、上部電極14が酸化インジウムスズ層、酸化物半導体層16が酸化インジウムガリウム亜鉛層、ゲート電極18がタングステン層、ゲート絶縁層20が酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層構造、下部絶縁層22が酸化シリコン層、上部絶縁層24が酸化シリコン層、下部バリア導電層26が窒化チタン層、上部バリア導電層28が窒化チタン層、第1の側壁バリア層30が窒化チタン層、第2の側壁バリア層32が窒化シリコン層、下部バリア絶縁層34が窒化シリコン層、上部バリア絶縁層36が窒化シリコン層、金属層38がタングステン層、下部層間絶縁層40が酸化シリコン層、上部層間絶縁層42が酸化シリコン層である場合を例に説明する。
【0107】
最初に、図示しない基板の上に、第1の酸化シリコン膜51を形成する。第1の酸化シリコン膜51は、例えば、Chemical Vapor Deposition法(CVD法)により形成する。
【0108】
次に、第1の酸化シリコン膜51に図示しない開口部を形成する。第1の酸化シリコン膜51の開口部は、例えば、リソグラフィ法、及び、Reactive Ion Etching法(RIE法)を用いて形成する。
【0109】
次に、第1の酸化シリコン膜51の開口部の中に、第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53を形成する。第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53は、例えば、CVD法を用いて形成する。
【0110】
次に、第1の酸化シリコン膜51の表面の、第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53を除去する(
図5)。第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53の除去には、例えば、Chemical Mechanical Polishing法(CMP法)を用いる。
【0111】
第1の酸化シリコン膜51は、最終的に下部層間絶縁層40となる。第1の窒化チタン膜52は、最終的に下部バリア導電層26及び第1の側壁バリア層30となる。第1の酸化インジウムスズ膜53は、最終的に下部電極12となる。
【0112】
次に、第1の酸化インジウムスズ膜53の上に、第1の窒化シリコン膜54、第2の酸化シリコン膜55、第1のタングステン膜56、第3の酸化シリコン膜57、及び第2の窒化シリコン膜58を、この順に第1の方向に積層する(
図6)。第1の窒化シリコン膜54、第2の酸化シリコン膜55、第1のタングステン膜56、第3の酸化シリコン膜57、及び第2の窒化シリコン膜58は、例えば、CVD法を用いて形成する。
【0113】
第1の窒化シリコン膜54の一部は、最終的に下部バリア絶縁層34となる。第2の酸化シリコン膜55の一部は、最終的に下部絶縁層22となる。第1のタングステン膜56の一部は、最終的にゲート電極18となる。第3の酸化シリコン膜57の一部は、最終的に上部絶縁層24となる。第2の窒化シリコン膜58の一部は、最終的に上部バリア絶縁層36となる。
【0114】
次に、第2の窒化シリコン膜58の表面から、第2の窒化シリコン膜58、第3の酸化シリコン膜57、第1のタングステン膜56、第2の酸化シリコン膜55、及び第1の窒化シリコン膜54を貫通し、第1の酸化インジウムスズ膜53に達する開口部60を形成する(
図7)。開口部60は、例えば、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いて形成する。
【0115】
次に、開口部60の内部の側面に、第3の窒化シリコン膜61及び第4の酸化シリコン膜62を形成する(
図8)。第3の窒化シリコン膜61及び第4の酸化シリコン膜62は、例えば、CVD法による堆積と、RIE法によるエッチングにより形成する。第3の窒化シリコン膜61は、最終的に第2のゲート絶縁膜20bとなる。また、第4の酸化シリコン膜62は、最終的に第1のゲート絶縁膜20aとなる。
【0116】
次に、開口部60を酸化インジウムガリウム亜鉛膜63で埋め込む(
図9)。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63は、最終的に酸化物半導体層16となる。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63は、例えば、CVD法で堆積した後に、CMP法を用いて上部の一部が除去される。
【0117】
次に、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63の上に、第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66を、この順に形成する。第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66は、例えば、CVD法を用いて形成する。
【0118】
次に、第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66をパターニングする(
図10)。第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66のパターニングは、例えば、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いて行う。
【0119】
第2の酸化インジウムスズ膜64は、最終的に上部電極14となる。第2の窒化チタン膜65は、最終的に上部バリア導電層28となる。また、第2のタングステン膜66は、最終的に金属層38となる。
【0120】
次に、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63中の酸素空孔の量を調整する熱処理を行う。例えば、酸素空孔の量を多くしたい場合は、非酸化性雰囲気での熱処理を行い、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63からの酸素の離脱を促進させる。また、例えば、酸素空孔の量を少なくしたい場合は、酸化性雰囲気での熱処理を行い、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63への酸素の供給を促進させる。
【0121】
第2の酸化インジウムスズ膜64が、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63からの酸素の離脱の経路、又は、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63への酸素の供給の経路となる。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63中の酸素空孔の量を調整することで、例えば、トランジスタの閾値電圧を所望の値に設定できる。
【0122】
次に、第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66の側面に、第4の窒化シリコン膜67を形成する(
図11)。第4の窒化シリコン膜67は、CVD法による堆積とRIE法によるエッチングにより形成する。第4の窒化シリコン膜67は、最終的に第2の側壁バリア層32となる。
【0123】
次に、第4の窒化シリコン膜67の側面に第5の酸化シリコン膜68を形成する(
図12)。第5の酸化シリコン膜68は、例えば、CVD法により形成する。第5の酸化シリコン膜68は、最終的に上部層間絶縁層42となる。
【0124】
以上の製造方法により、
図1、
図2、
図3、及び
図4に示すトランジスタ100が製造される。
【0125】
次に、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
【0126】
酸化物半導体トランジスタでは、トランジスタ構造を形成した後の熱処理により、トランジスタ特性が変動する場合がある。例えば、トランジスタのチャネルが形成される酸化物半導体層から酸素が離脱したり、酸化物半導体層に酸素が供給されたりすることで、トランジスタの閾値電圧が変化する場合がある。
【0127】
トランジスタの閾値電圧の変化は、酸化物半導体層の中でドナーとして寄与する酸素空孔の量が変化することに起因する。例えば、酸素空孔の量が変化することで、トランジスタのチャネル長が変化して、トランジスタの閾値電圧が変化する。
【0128】
図13は、比較例の半導体装置の模式断面図である。
図13は、第1の実施形態の
図1に対応する図である。
【0129】
比較例の半導体装置はトランジスタ900である。比較例のトランジスタ900は、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36を備えない点で、第1の実施形態のトランジスタ100と異なる。
【0130】
図14は、比較例の半導体装置の課題の説明図である。
【0131】
例えば、
図14に示す比較例のトランジスタ900の構造が形成された後に、熱処理が加わる場合を想定する。例えば、非酸化性の雰囲気中での熱処理が行われると、酸化物半導体層16から下部電極12や上部電極14を通って酸素が離脱する。また、例えば、酸化性の雰囲気中での熱処理が行われると、酸化物半導体層16へ下部電極12や上部電極14を通って酸素が供給される。
【0132】
比較例のトランジスタ900では、
図14に点線の両矢印で示されるような酸素の移動経路が存在するため、酸化物半導体層16からの酸素の離脱や、酸化物半導体層16への酸素の供給が生じやすい。酸化物半導体層16からの酸素の離脱や、酸化物半導体層16への酸素の供給が生じやすいことで、トランジスタ特性の変動が生じやすくなる。
【0133】
第1の実施形態のトランジスタ100は、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36を備える。第1の実施形態のトランジスタ100は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36によって囲まれる。
【0134】
ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36は、酸素に対するバリア性が高い。言い換えれば、ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36は、酸素透過率が低い。
【0135】
例えば、ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36は、下部絶縁層22、上部絶縁層24、下部層間絶縁層40、及び上部層間絶縁層42よりも酸素透過率が低い。また、例えば、ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36は、下部電極12や上部電極14よりも酸素透過率が低い。
【0136】
例えば、ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36は、酸化シリコンよりも酸素透過率が低い。また、例えば、ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36は、酸化インジウムスズよりも酸素透過率が低い。
【0137】
第1の実施形態のトランジスタ100は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36によって囲まれる。言い換えれば、第1の実施形態のトランジスタ100は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、酸素に対するバリア性を有する層で囲まれる。このため、トランジスタ構造が形成された後の、熱処理に伴う酸化物半導体層16からの酸素の離脱や、酸化物半導体層16への酸素の供給が抑制される。
【0138】
したがって、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制される。よって、第1の実施形態によれば、トランジスタ特性の優れたトランジスタ100が実現できる。
【0139】
酸素に対する高いバリア性を実現する観点から、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、及び第1の側壁バリア層30は、金属窒化物であることが好ましい。酸素に対する高いバリア性を実現する観点から、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、及び第1の側壁バリア層30は、チタン(Ti)及び窒素(N)を含むことが好ましい。酸素に対する高いバリア性を実現する観点から、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、及び第1の側壁バリア層30は、窒化チタンを含むことが好ましい。
【0140】
酸素に対する高いバリア性を実現する観点から、ゲート絶縁層20、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36は、窒化物又は酸窒化物であることが好ましい。酸素に対する高いバリア性を実現する観点から、ゲート絶縁層20、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36は、シリコン(Si)及び窒素(N)を含むことが好ましい。酸素に対する高いバリア性を実現する観点から、ゲート絶縁層20、第2の側壁バリア層32、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36は、窒化シリコンを含むことが好ましい。
【0141】
(第1の変形例)
第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置は、第1の側壁バリア層30が絶縁体であり、第2の側壁バリア層32が導電体である点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。
【0142】
図15は、第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の第1の変形例の半導体装置は、トランジスタ101である。
図15は、第1の実施形態の
図1に対応する図である。
【0143】
第1の側壁バリア層30は、絶縁体である。第1の側壁バリア層30は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む。第2の側壁バリア層32は、例えば、酸化アルミニウム層、酸化マグネシウム層、酸化ガリウム層、酸化ゲルマニウム層、酸化イットリウム層、酸化ジルコニウム層、酸化ランタン層、酸化ハフニウム層、酸化タンタル層、窒化シリコン層、窒化アルミニウム層、酸窒化シリコン層、又は酸窒化アルミニウム層である。
【0144】
第2の側壁バリア層32は、導電体である。第2の側壁バリア層32は、例えば、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む。
【0145】
第2の側壁バリア層32は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる一つの金属元素を含む。第2の側壁バリア層32は、例えば、タングステン層、モリブデン層、銅層、アルミニウム層、チタン層、又はタンタル層である。
【0146】
第2の側壁バリア層32は、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素と、窒素(N)を含む。第2の側壁バリア層32は、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化モリブデン、又は窒化タンタルを含む。第2の側壁バリア層32は、例えば、窒化チタン層、窒化タングステン層、窒化モリブデン層、又は窒化タンタル層である。
【0147】
第2の側壁バリア層32は、例えば、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素と、炭素(C)を含む。下部バリア導電層26は、例えば、炭化チタン、炭化タングステン、炭化モリブデン、又は炭化タンタルを含む。第2の側壁バリア層32は、例えば、炭化チタン層、炭化タングステン層、炭化モリブデン層、又は炭化タンタル層である。
【0148】
第1の実施形態の第1の変形例のトランジスタ101は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、酸素に対するバリア性を有する層で囲まれる。したがって、第1の実施形態のトランジスタ100と同様、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制される。
【0149】
(第2の変形例)
第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置は、酸化物半導体層に囲まれたコア絶縁層を、更に備える点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。
【0150】
図16は、第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の第2の変形例の半導体装置は、トランジスタ102である。
図16は、第1の実施形態の
図1に対応する図である。
【0151】
トランジスタ102は、コア絶縁層70を備える。コア絶縁層70は、下部電極12と上部電極14との間に設けられる。コア絶縁層70は、酸化物半導体層16に囲まれる。コア絶縁層70は、第1の方向に垂直な断面において、酸化物半導体層16に囲まれる。
【0152】
第1の実施形態の第2の変形例のトランジスタ102は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、酸素に対するバリア性を有する層で囲まれる。したがって、第1の実施形態のトランジスタ100と同様、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制される。
【0153】
(第3の変形例)
第1の実施形態の第3の変形例の半導体装置は、酸化物半導体層がテーパ形状を有する点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。
【0154】
図17は、第1の実施形態の第3の変形例の半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の第3の変形例の半導体装置は、トランジスタ103である。
図17は、第1の実施形態の
図1に対応する図である。
【0155】
トランジスタ103は、酸化物半導体層16がテーパ形状を有する。酸化物半導体層16は、第1の方向に平行な断面において、順テーパ形状を有する。言い換えれば、酸化物半導体層16の第2の方向の幅は、上部電極14から下部電極12向かって狭くなる。
【0156】
第1の実施形態の第3の変形例のトランジスタ103は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、酸素に対するバリア性を有する層で囲まれる。したがって、第1の実施形態のトランジスタ100と同様、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制される。
【0157】
以上、第1の実施形態及び変形例によれば、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制され、トランジスタ特性の優れた半導体装置が実現できる。
【0158】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置は、金属酸化物を含む第1の電極と、金属酸化物を含む第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた酸化物半導体層と、酸化物半導体層を囲むゲート電極と、ゲート電極と酸化物半導体層との間に設けられ、シリコン(Si)及び窒素(N)を含むゲート絶縁層と、第1の電極とゲート電極との間に設けられた第1の絶縁層と、第1の絶縁層との間にゲート電極が設けられた第2の絶縁層と、第1の電極の酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の導電層と、第2の電極の酸化物半導体層と反対側の面に接し、第1の電極から第2の電極に向かう第1の方向に垂直な第1の断面において第1の電極に囲まれ、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の導電層と、第1の断面において第2の導電層に囲まれた金属層と、第1の方向に垂直な第2の断面において第1の電極を囲み、第1の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の層と、第1の電極と第1の絶縁層との間に設けられ、ゲート絶縁層及び第1の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第3の絶縁層と、ゲート電極との間に第2の絶縁層が設けられ、第1の方向に垂直な第3の断面において金属層を囲み、第2の導電層、及びゲート絶縁層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第4の絶縁層と、を備える。
【0159】
第2の実施形態の半導体装置は、第2の導電層が上部電極に囲まれ、金属層が第2の導電層に囲まれる点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。また、第2の実施形態の半導体装置は、第2の層を備えない点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0160】
【0161】
EE’断面は、第2の断面の一例である。FF’断面は第1の断面の一例である。GG’断面は第3の断面の一例である。
【0162】
第2の実施形態の半導体装置は、トランジスタ200である。トランジスタ200は、酸化物半導体にチャネルが形成される酸化物半導体トランジスタである。トランジスタ200において、ゲート電極が、チャネルが形成される酸化物半導体層を囲んで設けられる。トランジスタ200は、いわゆるSGTである。トランジスタ200は、いわゆる縦型トランジスタである。
【0163】
トランジスタ200は、下部電極12、上部電極14、酸化物半導体層16、ゲート電極18、ゲート絶縁層20、下部絶縁層22、上部絶縁層24、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、下部バリア絶縁層34、上部バリア絶縁層36、金属層38、及び下部層間絶縁層40を備える。ゲート絶縁層20は、第1のゲート絶縁膜20a及び第2のゲート絶縁膜20bを含む。
【0164】
下部電極12は、第1の電極の一例である。上部電極14は、第2の電極の一例である。下部絶縁層22は、第1の絶縁層の一例である。上部絶縁層24は、第2の絶縁層の一例である。下部バリア導電層26は、第1の導電層の一例である。上部バリア導電層28は、第2の導電層の一例である。第1の側壁バリア層30は、第1の層の一例である。下部バリア絶縁層34は、第3の絶縁層の一例である。上部バリア絶縁層36は、第4の絶縁層の一例である。第1のゲート絶縁膜20aは、第1の膜の一例である。第2のゲート絶縁膜20bは、第2の膜の一例である。
【0165】
上部電極14は、酸化物半導体層16の上に設けられる。上部電極14は、酸化物半導体層16に電気的に接続される。上部電極14は、例えば、酸化物半導体層16に接する。上部電極14は、トランジスタ200のソース電極又はドレイン電極として機能する。
【0166】
上部電極14は、
図21に示されるように、上部絶縁層24及びゲート絶縁層20に囲まれる。上部電極14は、第1の方向に垂直な第1の断面において、上部絶縁層24及びゲート絶縁層20に囲まれる。上部電極14は、例えば、ゲート絶縁層20に接する。
図21に示すFF’断面は第1の断面の一例である。
【0167】
図19に示すように、ゲート電極18は、第1の方向に垂直な断面において、酸化物半導体層16を囲む。ゲート電極18は、酸化物半導体層16の周囲に設けられる。
【0168】
上部バリア導電層28は、上部電極14の上に設けられる。上部バリア導電層28は、上部電極14の酸化物半導体層16と反対側の面に接する。
【0169】
上部バリア導電層28は、
図21に示されるように、上部電極14に囲まれる。上部バリア導電層28は、第1の方向に垂直な第1の断面において、上部電極14に囲まれる。
【0170】
第1の側壁バリア層30は、下部電極12の側面を囲む。
図20に示すように、第1の側壁バリア層30は、第1の方向に垂直な第2の断面において下部電極12を囲む。
図20に示すEE’断面は第2の断面の一例である。
【0171】
上部バリア絶縁層36は、上部絶縁層24の上に設けられる。ゲート電極18と上部バリア絶縁層36との間に、上部絶縁層24が設けられる。
図22に示すように、上部バリア絶縁層36は、第1の方向に垂直な第3の断面において金属層38を囲む。
図22に示すGG’断面は第3の断面の一例である。
【0172】
上部バリア絶縁層36は、上部バリア導電層28、及びゲート絶縁層20に接する。上部バリア絶縁層36は、例えば、第2のゲート絶縁膜20bに接する。上部バリア絶縁層36は、例えば、上部電極14に接する。
【0173】
上部バリア絶縁層36と酸化物半導体層16との間に、上部電極14が設けられる。
【0174】
金属層38は、上部バリア導電層28の上に設けられる。金属層38と上部電極14との間に、上部バリア導電層28が設けられる。金属層38は、例えば、上部バリア導電層28に接する。
【0175】
金属層38は、
図21に示されるように、上部バリア導電層28に囲まれる。金属層38は、第1の方向に垂直な第1の断面において、上部バリア導電層28に囲まれる。
【0176】
次に、第2の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0177】
【0178】
以下、下部電極12が酸化インジウムスズ層、上部電極14が酸化インジウムスズ層、酸化物半導体層16が酸化インジウムガリウム亜鉛層、ゲート電極18がタングステン層、ゲート絶縁層20が酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層構造、下部絶縁層22が酸化シリコン層、上部絶縁層24が酸化シリコン層、下部バリア導電層26が窒化チタン層、上部バリア導電層28が窒化チタン層、第1の側壁バリア層30が窒化チタン層、下部バリア絶縁層34が窒化シリコン層、上部バリア絶縁層36が窒化シリコン層、金属層38がタングステン層、下部層間絶縁層40が酸化シリコン層である場合を例に説明する。
【0179】
最初に、図示しない基板の上に、第1の酸化シリコン膜51を形成する。第1の酸化シリコン膜51は、例えば、CVD法により形成する。
【0180】
次に、第1の酸化シリコン膜51に図示しない開口部を形成する。第1の酸化シリコン膜51の開口部は、例えば、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いて形成する。
【0181】
次に、第1の酸化シリコン膜51の開口部の中に、第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53を形成する。第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53は、例えば、CVD法を用いて形成する。
【0182】
次に、第1の酸化シリコン膜51の表面の、第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53を除去する(
図23)。第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53の除去には、例えば、CMP法を用いる。
【0183】
第1の酸化シリコン膜51は、最終的に下部層間絶縁層40となる。第1の窒化チタン膜52は、最終的に下部バリア導電層26及び第1の側壁バリア層30となる。第1の酸化インジウムスズ膜53は、最終的に下部電極12となる。
【0184】
次に、第1の酸化インジウムスズ膜53の上に、第1の窒化シリコン膜54、第2の酸化シリコン膜55、第1のタングステン膜56、及び第3の酸化シリコン膜57を、この順に第1の方向に積層する(
図24)。第1の窒化シリコン膜54、第2の酸化シリコン膜55、第1のタングステン膜56、及び第3の酸化シリコン膜57は、例えば、CVD法を用いて形成する。
【0185】
第1の窒化シリコン膜54の一部は、最終的に下部バリア絶縁層34となる。第2の酸化シリコン膜55の一部は、最終的に下部絶縁層22となる。第1のタングステン膜56の一部は、最終的にゲート電極18となる。第3の酸化シリコン膜57の一部は、最終的に上部絶縁層24となる。
【0186】
次に、第3の酸化シリコン膜57の表面から、第3の酸化シリコン膜57、第1のタングステン膜56、第2の酸化シリコン膜55、及び第1の窒化シリコン膜54を貫通し、第1の酸化インジウムスズ膜53に達する開口部60を形成する(
図25)。開口部60は、例えば、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いて形成する。
【0187】
次に、開口部60の内部の側面に、第2の窒化シリコン膜58及び第4の酸化シリコン膜62を形成する(
図26)。第2の窒化シリコン膜58及び第4の酸化シリコン膜62は、例えば、CVD法による堆積と、RIE法によるエッチングにより形成する。第2の窒化シリコン膜58は、最終的に第2のゲート絶縁膜20bとなる。また、第4の酸化シリコン膜62は、最終的に第1のゲート絶縁膜20aとなる。
【0188】
次に、開口部60を酸化インジウムガリウム亜鉛膜63で埋め込む(
図27)。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63は、最終的に酸化物半導体層16となる。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63は、例えば、CVD法で堆積した後に、CMP法を用いて上部の一部を除去する。
【0189】
次に、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63の上部の一部を選択的にエッチバックする(
図28)。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63のエッチバックは、例えば、RIE法を用いて行う。
【0190】
次に、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63の上に、第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66を、この順に形成する(
図29)。第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66は、例えば、CVD法を用いて形成する。
【0191】
第2の酸化インジウムスズ膜64の一部は、最終的に上部電極14となる。第2の窒化チタン膜65の一部は、最終的に上部バリア導電層28となる。また、第2のタングステン膜66の一部は、最終的に金属層38となる。
【0192】
次に、第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66の上部を除去し平坦化する(
図30)。第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66の上部は、例えば、CMP法を用いて平坦化する。
【0193】
次に、第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、第4の酸化シリコン膜62、及び第2の窒化シリコン膜58、第3の酸化シリコン膜57を第2のタングステン膜66に対して選択的にエッチバックする(
図31)。第2のタングステン膜66が突出した状態で残存する。選択的なエッチバックは、例えば、RIE法により行う。
【0194】
次に、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63中の酸素空孔の量を調整する熱処理を行う。例えば、酸素空孔の量を多くしたい場合は、非酸化性雰囲気での熱処理を行い、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63からの酸素の離脱を促進させる。また、例えば、酸素空孔の量を少なくしたい場合は、酸化性雰囲気での熱処理を行い、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63への酸素の供給を促進させる。
【0195】
第2の酸化インジウムスズ膜64が、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63からの酸素の離脱の経路、又は、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63への酸素の供給の経路となる。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63中の酸素空孔の量を調整することで、例えば、トランジスタの閾値電圧を所望の値に設定できる。
【0196】
次に、第2の酸化インジウムスズ膜64、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66の上に、第3の窒化シリコン膜61を形成する(
図32)。第3の窒化シリコン膜61は、例えば、CVD法を用いて形成する。第3の窒化シリコン膜61の一部は、最終的に上部バリア絶縁層36となる。
【0197】
次に、第3の窒化シリコン膜61の上面を平坦化し、第2のタングステン膜66の表面を露出させる(
図33)。第3の窒化シリコン膜61の上面の平坦化は、例えば、CMP法を用いて行う。
【0198】
【0199】
次に、第2の実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
【0200】
第2の実施形態のトランジスタ200は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、下部バリア絶縁層34、及び上部バリア絶縁層36によって囲まれる。言い換えれば、第2の実施形態のトランジスタ200は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、酸素に対するバリア性を有する層で囲まれる。このため、トランジスタ構造が形成された後の、熱処理に伴う酸化物半導体層16からの酸素の離脱や、酸化物半導体層16への酸素の供給が抑制される。
【0201】
したがって、第1の実施形態の半導体装置と同様の作用により、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制される。よって、第2の実施形態によれば、トランジスタ特性の優れたトランジスタ200が実現できる。
【0202】
また、トランジスタ200では、金属層38を、酸化物半導体層16の上方に、酸化物半導体層16に対してセルフアラインで形成することができる。したがって、例えば、金属層38を形成する際に酸化物半導体層16に対する合わせ余裕を確保する必要がない。よって、例えば、トランジスタ200をアレイ状に配置する際に、トランジスタ200の間隔を小さくすることができる。
【0203】
以上、第2の実施形態によれば、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制され、トランジスタ特性の優れた半導体装置が実現できる。
【0204】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置は、金属酸化物を含む第1の電極と、金属酸化物を含む第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた酸化物半導体層と、酸化物半導体層を囲むゲート電極と、ゲート電極と酸化物半導体層との間に設けられ、第1の電極から第2の電極に向かう第1の方向に垂直な第1の断面において第2の電極を囲み、シリコン(Si)及び窒素(N)を含むゲート絶縁層と、第1の電極とゲート電極との間に設けられた第1の絶縁層と、第1の絶縁層との間にゲート電極が設けられた第2の絶縁層と、第1の電極の酸化物半導体層と反対側の面に接し、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の導電層と、第2の電極の酸化物半導体層と反対側の面に接し、ゲート絶縁層に接し、ゲート電極との間に第2の絶縁層が設けられ、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第2の導電層と、第1の方向に垂直な第2の断面において第1の電極を囲み、第1の導電層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体、又は、金属、金属窒化物、及び金属炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの導電体を含む第1の層と、第1の電極と第1の絶縁層との間に設けられ、ゲート絶縁層及び第1の層に接し、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸窒化シリコン、及び酸窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの絶縁体を含む第3の絶縁層と、を備える。
【0205】
第3の実施形態の半導体装置は、第2の電極がゲート絶縁層に囲まれ、第2の層及び第4の絶縁層を備えない点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0206】
【0207】
II’断面は、第2の断面の一例である。JJ’断面は第1の断面の一例である。
【0208】
第3の実施形態の半導体装置は、トランジスタ300である。トランジスタ300は、酸化物半導体にチャネルが形成される酸化物半導体トランジスタである。トランジスタ300において、ゲート電極が、チャネルが形成される酸化物半導体層を囲んで設けられる。トランジスタ300は、いわゆるSGTである。トランジスタ300は、いわゆる縦型トランジスタである。
【0209】
トランジスタ300は、下部電極12、上部電極14、酸化物半導体層16、ゲート電極18、ゲート絶縁層20、下部絶縁層22、上部絶縁層24、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、下部バリア絶縁層34、金属層38、下部層間絶縁層40、及び上部層間絶縁層42を備える。ゲート絶縁層20は、第1のゲート絶縁膜20a及び第2のゲート絶縁膜20bを含む。
【0210】
下部電極12は、第1の電極の一例である。上部電極14は、第2の電極の一例である。下部絶縁層22は、第1の絶縁層の一例である。上部絶縁層24は、第2の絶縁層の一例である。下部バリア導電層26は、第1の導電層の一例である。上部バリア導電層28は、第2の導電層の一例である。第1の側壁バリア層30は、第1の層の一例である。下部バリア絶縁層34は、第3の絶縁層の一例である。第1のゲート絶縁膜20aは、第1の膜の一例である。第2のゲート絶縁膜20bは、第2の膜の一例である。
【0211】
上部電極14は、酸化物半導体層16の上に設けられる。上部電極14は、酸化物半導体層16に電気的に接続される。上部電極14は、例えば、酸化物半導体層16に接する。上部電極14は、トランジスタ300のソース電極又はドレイン電極として機能する。
【0212】
上部電極14は、
図37に示されるように、上部絶縁層24及びゲート絶縁層20に囲まれる。上部電極14は、第1の方向に垂直な第1の断面において、上部絶縁層24及びゲート絶縁層20に囲まれる。
図37に示すJJ’断面は第1の断面の一例である。
【0213】
図35に示すように、ゲート電極18は、第1の方向に垂直な断面において、酸化物半導体層16を囲む。ゲート電極18は、酸化物半導体層16の周囲に設けられる。
【0214】
上部バリア導電層28は、上部電極14の上に設けられる。上部バリア導電層28は、上部バリア導電層28の酸化物半導体層16と反対側の面に接する。
【0215】
上部バリア導電層28は、ゲート絶縁層20に接する。上部バリア導電層28は、例えば、第2のゲート絶縁膜20bに接する。
【0216】
上部バリア導電層28とゲート電極との間に、上部絶縁層24が設けられる。
【0217】
第1の側壁バリア層30は、下部電極12の側面を囲む。
図36に示すように、第1の側壁バリア層30は、第1の方向に垂直な第2の断面において下部電極12を囲む。
図36に示すII’断面は第2の断面の一例である。
【0218】
金属層38は、上部バリア導電層28の上に設けられる。金属層38と上部電極14との間に、上部バリア導電層28が設けられる。金属層38は、例えば、上部バリア導電層28に接する。
【0219】
次に、第3の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0220】
【0221】
以下、下部電極12が酸化インジウムスズ層、上部電極14が酸化インジウムスズ層、酸化物半導体層16が酸化インジウムガリウム亜鉛層、ゲート電極18がタングステン層、ゲート絶縁層20が酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層構造、下部絶縁層22が酸化シリコン層、上部絶縁層24が酸化シリコン層、下部バリア導電層26が窒化チタン層、上部バリア導電層28が窒化チタン層、第1の側壁バリア層30が窒化チタン層、下部バリア絶縁層34が窒化シリコン層、金属層38がタングステン層、下部層間絶縁層40が酸化シリコン層、上部層間絶縁層42が酸化シリコン層である場合を例に説明する。
【0222】
最初に、図示しない基板の上に、第1の酸化シリコン膜51を形成する。第1の酸化シリコン膜51は、例えば、CVD法により形成する。
【0223】
次に、第1の酸化シリコン膜51に図示しない開口部を形成する。第1の酸化シリコン膜51の開口部は、例えば、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いて形成する。
【0224】
次に、第1の酸化シリコン膜51の開口部の中に、第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53を形成する。第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53は、例えば、CVD法を用いて形成する。
【0225】
次に、第1の酸化シリコン膜51の表面の、第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53を除去する(
図38)。第1の窒化チタン膜52及び第1の酸化インジウムスズ膜53の除去には、例えば、CMP法を用いる。
【0226】
第1の酸化シリコン膜51は、最終的に下部層間絶縁層40となる。第1の窒化チタン膜52は、最終的に下部バリア導電層26及び第1の側壁バリア層30となる。第1の酸化インジウムスズ膜53は、最終的に下部電極12となる。
【0227】
次に、第1の酸化インジウムスズ膜53の上に、第1の窒化シリコン膜54、第2の酸化シリコン膜55、第1のタングステン膜56、及び第3の酸化シリコン膜57を、この順に第1の方向に積層する(
図39)。第1の窒化シリコン膜54、第2の酸化シリコン膜55、第1のタングステン膜56、及び第3の酸化シリコン膜57は、例えば、CVD法を用いて形成する。
【0228】
第1の窒化シリコン膜54の一部は、最終的に下部バリア絶縁層34となる。第2の酸化シリコン膜55の一部は、最終的に下部絶縁層22となる。第1のタングステン膜56の一部は、最終的にゲート電極18となる。第3の酸化シリコン膜57の一部は、最終的に上部絶縁層24となる。
【0229】
次に、第3の酸化シリコン膜57の表面から、第3の酸化シリコン膜57、第1のタングステン膜56、第2の酸化シリコン膜55、及び第1の窒化シリコン膜54を貫通し、第1の酸化インジウムスズ膜53に達する開口部60を形成する(
図40)。開口部60は、例えば、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いて形成する。
【0230】
次に、開口部60の内部の側面に、第2の窒化シリコン膜58及び第4の酸化シリコン膜62を形成する(
図41)。第2の窒化シリコン膜58及び第4の酸化シリコン膜62は、例えば、CVD法による堆積と、RIE法によるエッチングにより形成する。第2の窒化シリコン膜58は、最終的に第2のゲート絶縁膜20bとなる。また、第4の酸化シリコン膜62は、最終的に第1のゲート絶縁膜20aとなる。
【0231】
次に、開口部60を酸化インジウムガリウム亜鉛膜63で埋め込む(
図42)。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63の一部は、最終的に酸化物半導体層16となる。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63は、例えば、CVD法で堆積した後に、CMP法を用いて上部の一部を除去する。
【0232】
次に、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63の上部の一部を選択的にエッチバックする(
図43)。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63のエッチバックは、例えば、RIE法を用いて行う。
【0233】
次に、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63の上に、第2の酸化インジウムスズ膜64を形成する(
図44)。第2の酸化インジウムスズ膜64は、例えば、CVD法で堆積した後に、CMP法を用いて第3の酸化シリコン膜57表面の部分を除去する。第2の酸化インジウムスズ膜64は、最終的に上部電極14となる。
【0234】
次に、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63中の酸素空孔の量を調整する熱処理を行う。例えば、酸素空孔の量を多くしたい場合は、非酸化性雰囲気での熱処理を行い、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63からの酸素の離脱を促進させる。また、例えば、酸素空孔の量を少なくしたい場合は、酸化性雰囲気での熱処理を行い、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63への酸素の供給を促進させる。
【0235】
第2の酸化インジウムスズ膜64が、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63からの酸素の離脱の経路、又は、酸化インジウムガリウム亜鉛膜63への酸素の供給の経路となる。酸化インジウムガリウム亜鉛膜63中の酸素空孔の量を調整することで、例えば、トランジスタの閾値電圧を所望の値に設定できる。
【0236】
次に、第2の酸化インジウムスズ膜64の上に、第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66を形成する。第2の窒化チタン膜65、及び第2のタングステン膜66は、例えば、CVD法を用いて形成する。
【0237】
次に、第2の窒化チタン膜65及び第2のタングステン膜66をパターニングする(
図45)。第2の窒化チタン膜65及び第2のタングステン膜66のパターニングは、例えば、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いて行う。
【0238】
第2の窒化チタン膜65は、最終的に上部バリア導電層28となる。また、第2のタングステン膜66は、最終的に金属層38となる。
【0239】
次に、第2の窒化チタン膜65及び第2のタングステン膜66の側面に第5の酸化シリコン膜68を形成する(
図46)。第5の酸化シリコン膜68は、例えば、CVD法により形成する。第5の酸化シリコン膜68は、最終的に上部層間絶縁層42となる。
【0240】
【0241】
次に、第3の実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
【0242】
第3の実施形態のトランジスタ300は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、ゲート絶縁層20、下部バリア導電層26、上部バリア導電層28、第1の側壁バリア層30、及び下部バリア絶縁層34によって囲まれる。言い換えれば、第3の実施形態のトランジスタ300は、下部電極12、酸化物半導体層16、及び上部電極14が、酸素に対するバリア性を有する層で囲まれる。このため、トランジスタ構造が形成された後の、熱処理に伴う酸化物半導体層16からの酸素の離脱や、酸化物半導体層16への酸素の供給が抑制される。
【0243】
したがって、第1の実施形態の半導体装置と同様の作用により、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制される。よって、第3の実施形態によれば、トランジスタ特性の優れたトランジスタ300が実現できる。
【0244】
また、トランジスタ300では、上部電極14がゲート絶縁層20に囲まれる。したがって、例えば、第1の実施形態のトランジスタ100が備える第2の側壁バリア層32及び上部バリア絶縁層36が不要となる。したがって、例えば、第1の実施形態のトランジスタ100と比較して、製造工程が簡略化できる。
【0245】
以上、第3の実施形態によれば、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制され、トランジスタ特性の優れた半導体装置が実現できる。
【0246】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の半導体記憶装置は、第1の実施形態の半導体装置と、第1の電極又は第2の電極に電気的に接続されたキャパシタと、を備える。
【0247】
第4の実施形態の半導体記憶装置は、半導体メモリ400である。第4の実施形態の半導体記憶装置は、DRAMである。半導体メモリ400は、第1の実施形態のトランジスタ100を、DRAMのメモリセルのスイッチングトランジスタとして使用する。
【0248】
以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する。
【0249】
図47は、第4の実施形態の半導体記憶装置の等価回路図である。
図47は、メモリセルMCが1個の場合を例示しているが、メモリセルMCは、例えばアレイ状に複数設けられていても構わない。
【0250】
半導体メモリ400は、メモリセルMC、ワード線WL、ビット線BL、及びプレート線PLを備える。メモリセルMCは、スイッチングトランジスタTR及びキャパシタCAを含む。
図47で、破線で囲まれた領域がメモリセルMCである。
【0251】
ワード線WLは、スイッチングトランジスタTRのゲート電極に電気的に接続される。ビット線BLは、スイッチングトランジスタTRのソース・ドレイン電極の一方に電気的に接続される。キャパシタCAの一方の電極は、スイッチングトランジスタTRのソース・ドレイン電極の他方に電気的に接続される。キャパシタCAの他方の電極は、プレート線PLに接続される。
【0252】
メモリセルMCは、キャパシタCAに電荷を蓄積することで、データを記憶する。データの書き込み及び読み出しは、スイッチングトランジスタTRをオン動作させることにより行う。
【0253】
例えば、ビット線BLに所望の電圧を印加した状態でスイッチングトランジスタTRをオン動作させ、メモリセルMCへのデータの書き込みを行う。
【0254】
また、例えば、スイッチングトランジスタTRをオン動作させ、キャパシタに蓄積された電荷量に応じたビット線BLの電圧変化を検知し、メモリセルMCのデータの読み出しを行う。
【0255】
図48は、第4の実施形態の半導体記憶装置の模式断面図である。
図48は、半導体メモリ400のメモリセルMCの断面を示す。
【0256】
半導体メモリ400は、シリコン基板10、スイッチングトランジスタTR、キャパシタCAを含む。
【0257】
スイッチングトランジスタTRは、第1の実施形態のトランジスタ100と同様の構造を有する。
【0258】
キャパシタCAは、シリコン基板10とスイッチングトランジスタTRとの間に設けられる。キャパシタCAは、シリコン基板10と下部電極12との間に設けられる。キャパシタCAは、下部電極12に電気的に接続される。
【0259】
キャパシタCAは、セル電極71、プレート電極72、キャパシタ絶縁膜73を備える。セル電極71は、下部電極12に電気的に接続される。セル電極71は、例えば、下部バリア導電層26に接する。
【0260】
セル電極71及びプレート電極72は、例えば、窒化チタンである。キャパシタ絶縁膜73は、例えば、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの積層構造を有する。
【0261】
ゲート電極18は、例えば、図示しないワード線WLに電気的に接続される。上部電極14は、例えば、図示しないビット線BLに電気的に接続される。プレート電極72は、例えば、図示しないプレート線PLに接続される。
【0262】
半導体メモリ400は、オフ動作時のチャネルリーク電流が極めて小さい酸化物半導体トランジスタをスイッチングトランジスタTRに適用する。したがって、電荷保持特性に優れたDRAMが実現する。
【0263】
また、半導体メモリ400のスイッチングトランジスタTRは、熱処理に伴うトランジスタ特性の変動が抑制される。したがって、例えば、メモリセルMCの動作特性が安定する。よって、動作特性の優れた半導体メモリ400が実現できる。
【0264】
第4の実施形態においては、第1の実施形態のトランジスタが適用される半導体メモリを例に説明したが、本発明の実施形態の半導体メモリは、第1の実施形態の変形例のトランジスタ、第2の実施形態のトランジスタ、又は第3の実施形態のトランジスタが適用される半導体メモリであっても構わない。
【0265】
第4の実施形態においては、セル電極が下部電極12に電気的に接続される半導体メモリを例に説明したが、本発明の実施形態の半導体メモリは、セル電極が上部電極14に電気的に接続される半導体メモリであっても構わない。
【0266】
また、キャパシタCAは、スイッチングトランジスタTRの上に設けられる構造であっても構わない。シリコン基板10とキャパシタCAとの間に、スイッチングトランジスタTRが設けられる構造であっても構わない。
【0267】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0268】
12 下部電極(第1の電極)
14 上部電極(第2の電極)
16 酸化物半導体層
18 ゲート電極
20 ゲート絶縁層
20a 第1のゲート絶縁膜(第1の膜)
20b 第2のゲート絶縁膜(第2の膜)
22 下部絶縁層(第1の絶縁層)
24 上部絶縁層(第2の絶縁層)
26 下部バリア導電層(第1の導電層)
28 上部バリア導電層(第2の導電層)
30 第1の側壁バリア層(第1の層)
32 第2の側壁バリア層(第2の層)
34 下部バリア絶縁層(第3の絶縁層)
36 上部バリア絶縁層(第4の絶縁層)
38 金属層
100 トランジスタ(半導体装置)
200 トランジスタ(半導体装置)
300 トランジスタ(半導体装置)
400 半導体メモリ(半導体記憶装置)
CA キャパシタ