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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090817
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】ガスコンロの梱包部材
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20240627BHJP
   B65D 5/50 20060101ALI20240627BHJP
   B65D 81/05 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B65D85/68 N
B65D5/50 101A
B65D81/05 500A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206949
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷 秀樹
【テーマコード(参考)】
3E037
3E060
3E066
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA03
3E037BB03
3E037CA02
3E037CA07
3E060AA03
3E060BA03
3E060BC02
3E060CC18
3E060CC19
3E060CG03
3E060DA23
3E060EA16
3E066AA03
3E066BA06
3E066CA04
3E066FA06
3E066HA06
3E066JA03
3E066MA09
3E066NA60
(57)【要約】
【課題】ガスコンロを収容する梱包部材において、付属品を効率良く安定的に収容しやすい構造を提供する。
【解決手段】梱包部材20は、外箱30と第1緩衝部材110と第2緩衝部材120とを備える。外箱30の第1フラップ41及び第2フラップ42のうちの一方には第1切り起こし部41Zが設けられ、他方には第2切り起こし部42Zが設けられる。第1緩衝部材110及び第2緩衝部材120のうちの少なくとも一方には、第1切り起こし部41Z及び第2切り起こし部42Zよりも上位置に配置され且つ板面が上側を向く板部が設けられ、板部の端部には切欠き部130が設けられる。梱包部材20は、付属品70の側部を切欠き部130内に入り込ませ、付属品70の下端部の前側に第1切り起こし部41Zを配置し後側に第2切り起こし部42Zを配置して付属品70を起立状態で保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の前後方向において互いに対向する前面部及び背面部を備えた筐体部を有するガスコンロを梱包対象とし、前記ガスコンロを内部に収容する梱包部材であって、
前記ガスコンロを収容する外箱と、
前記外箱に収容される第1緩衝部材と、
前記外箱に収容される第2緩衝部材と、
を備え、
前記外箱は、
正規の収容状態で収容された前記筐体部の前記前面部と対向する前壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部の前記背面部に対向する後壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部の一方の側面部に対向する第1側壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部の他方の側面部に対向する第2側壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部を下方側から支える底壁部と、
前記第1側壁部の下端側から内側に折り曲げられる第1フラップと、
前記第2側壁部の下端側から内側に折り曲げられる第2フラップと、
前記前壁部の下端側から内側に折り曲げられる第3フラップと、
前記後壁部の下端側から内側に折り曲げられる第4フラップと、
を有し、
前記第1緩衝部材は、前記筐体部が前記外箱内において前記正規の収容状態で収容されたときに前記一方の側面部と前記第1側壁部との間に配置されつつ前記筐体部を支持し、
前記第2緩衝部材は、前記筐体部が前記外箱内において前記正規の収容状態で収容されたときに前記他方の側面部と前記第2側壁部との間に配置されつつ前記筐体部を支持し、
前記第1フラップ、前記第2フラップ、前記第3フラップ、及び前記第4フラップによって前記底壁部が構成され、前記第1フラップ及び前記第2フラップが、前記第3フラップ及び前記第4フラップの上側に配置され、
前記第1緩衝部材は、前記第1フラップの上側に配置されて前記第1フラップによって下方側から支持され、
前記第2緩衝部材は、前記第2フラップの上側に配置されて前記第2フラップによって下方側から支持され、
前記第1フラップ及び前記第2フラップのうちの一方のフラップにおいて後方側の端部には、左右に延びる折り目に沿って上方側に折り曲げられる第1切り起こし部が設けられ、他方のフラップにおいて前記一方のフラップ側の端部には、前後に延びる折り目に沿って上方に折り曲げられる第2切り起こし部が設けられ、
前記第1緩衝部材及び前記第2緩衝部材のうちの少なくとも一方の緩衝部材には、前記第1切り起こし部及び前記第2切り起こし部よりも上位置に配置され且つ板面が上側を向く板部が設けられ、
前記第1切り起こし部の折り目は、前記第2切り起こし部の前側の端部よりも前側の位置に配置され、
前記板部の端部には切欠き部が設けられ、
前記梱包部材内に収容される付属品の側部を前記切欠き部内に入り込ませ、前記付属品の下端部の前側に前記第1切り起こし部を配置し前記下端部の後側に前記第2切り起こし部を配置して前記付属品を起立状態で保持する
ガスコンロの梱包部材。
【請求項2】
前記一方の緩衝部材には、前記切欠き部の内側に折り目を有する折り曲げ可能な折り曲げ片が設けられ、
前記起立状態のときに前記切欠き部の内縁と前記折り曲げ片との間に前記付属品を挟みつつ保持する
請求項1に記載のガスコンロの梱包部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスコンロの梱包部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガスコンロの梱包部材が開示されている。特許文献1に開示される梱包部材20は、後壁部13Fが上方側となるにつれて後方側に張り出す構成をなす筐体部2を備えたガスコンロ1を梱包対象とする。梱包部材20は、ガスコンロ1を収容する外箱30と、外箱30と筐体部2との間に配置され、筐体部2を支持する緩衝部材50と、ガスコンロ1の同梱部品を収容する内箱60と、を備えている。外箱30は、前壁部31、後壁部32、及び底壁部40と一体的に設けられる支持部35を有する。内箱60は、正規の収容状態で収容された筐体部2の後壁部13Fと後壁部32との間に収容され、且つ、支持部35と後壁部32とによって自立状態で挟持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-15538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の梱包部材は、梱包部材内に収容されるガスコンロに付属する付属品を収納するために、外箱とは別の内箱を必須部品として用意する必要があることに加え、更に、付属品を内箱内に収容する上で、付属品をテープ等によって内箱に固定する等の追加作業が必要となり、作業性の面で改善の余地がある。
【0005】
本開示の目的の一つは、ガスコンロを収容する梱包部材において、付属品を効率良く安定的に収容しやすい構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つであるガスコンロの梱包部材は、
所定の前後方向において互いに対向する前面部及び背面部を備えた筐体部を有するガスコンロを梱包対象とし、前記ガスコンロを内部に収容する梱包部材であって、
前記ガスコンロを収容する外箱と、
前記外箱に収容される第1緩衝部材と、
前記外箱に収容される第2緩衝部材と、
を備え、
前記外箱は、
正規の収容状態で収容された前記筐体部の前記前面部と対向する前壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部の前記背面部に対向する後壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部の一方の側面部に対向する第1側壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部の他方の側面部に対向する第2側壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部を下方側から支える底壁部と、
前記第1側壁部の下端側から内側に折り曲げられる第1フラップと、
前記第2側壁部の下端側から内側に折り曲げられる第2フラップと、
前記前壁部の下端側から内側に折り曲げられる第3フラップと、
前記後壁部の下端側から内側に折り曲げられる第4フラップと、
を有し、
前記第1緩衝部材は、前記筐体部が前記外箱内において前記正規の収容状態で収容されたときに前記一方の側面部と前記第1側壁部との間に配置されつつ前記筐体部を支持し、
前記第2緩衝部材は、前記筐体部が前記外箱内において前記正規の収容状態で収容されたときに前記他方の側面部と前記第2側壁部との間に配置されつつ前記筐体部を支持し、
前記第1フラップ、前記第2フラップ、前記第3フラップ、及び前記第4フラップによって前記底壁部が構成され、前記第1フラップ及び前記第2フラップが、前記第3フラップ及び前記第4フラップの上側に配置され、
前記第1緩衝部材は、前記第1フラップの上側に配置されて前記第1フラップによって下方側から支持され、
前記第2緩衝部材は、前記第2フラップの上側に配置されて前記第2フラップによって下方側から支持され、
前記第1フラップ及び前記第2フラップのうちの一方のフラップにおいて後方側の端部には、左右に延びる折り目に沿って上方側に折り曲げられる第1切り起こし部が設けられ、他方のフラップにおいて前記一方のフラップ側の端部には、前後に延びる折り目に沿って上方に折り曲げられる第2切り起こし部が設けられ、
前記第1緩衝部材及び前記第2緩衝部材のうちの少なくとも一方の緩衝部材には、前記第1切り起こし部及び前記第2切り起こし部よりも上位置に配置され且つ板面が上側を向く板部が設けられ、
前記第1切り起こし部の折り目は、前記第2切り起こし部の前側の端部よりも前側の位置に配置され、
前記板部の端部には切欠き部が設けられ、
前記梱包部材内に収容される付属品の側部を前記切欠き部内に入り込ませ、前記付属品の下端部の前側に前記第1切り起こし部を配置し前記下端部の後側に前記第2切り起こし部を配置して前記付属品を起立状態で保持する
ガスコンロの梱包部材。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る技術は、ガスコンロを収容する梱包部材において、付属品を効率良く安定的に収容しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る梱包部材を概略的に示す平面図である。
図2図2は、図1の梱包部材内に収容されるガスコンロを例示する斜視図である。
図3図3は、図1の梱包部材の外箱を概略的に示す平面図である。
図4図4は、図1の一部を部分的に拡大して示す拡大図である。
図5図5は、第1緩衝部材を示す斜視図である。
図6図6は、図5の第1緩衝部材の平面図である。
図7図7は、図5の第1緩衝部材の側面図である。
図8図8は、第2緩衝部材を示す斜視図である。
図9図9は、図8の第2緩衝部材の平面図である。
図10図10は、図8の第2緩衝部材の側面図である。
図11図11は、梱包部材の内部構成を透視図法を用いて示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で例示される特徴は、矛盾しない組み合わせでどのように組み合わされてもよい。
【0010】
〔1〕所定の前後方向において互いに対向する前面部及び背面部を備えた筐体部を有するガスコンロを梱包対象とし、前記ガスコンロを内部に収容する梱包部材であって、
前記ガスコンロを収容する外箱と、
前記外箱に収容される第1緩衝部材と、
前記外箱に収容される第2緩衝部材と、
を備え、
前記外箱は、
正規の収容状態で収容された前記筐体部の前記前面部と対向する前壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部の前記背面部に対向する後壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部の一方の側面部に対向する第1側壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部の他方の側面部に対向する第2側壁部と、
前記正規の収容状態で収容された前記筐体部を下方側から支える底壁部と、
前記第1側壁部の下端側から内側に折り曲げられる第1フラップと、
前記第2側壁部の下端側から内側に折り曲げられる第2フラップと、
前記前壁部の下端側から内側に折り曲げられる第3フラップと、
前記後壁部の下端側から内側に折り曲げられる第4フラップと、
を有し、
前記第1緩衝部材は、前記筐体部が前記外箱内において前記正規の収容状態で収容されたときに前記一方の側面部と前記第1側壁部との間に配置されつつ前記筐体部を支持し、
前記第2緩衝部材は、前記筐体部が前記外箱内において前記正規の収容状態で収容されたときに前記他方の側面部と前記第2側壁部との間に配置されつつ前記筐体部を支持し、
前記第1フラップ、前記第2フラップ、前記第3フラップ、及び前記第4フラップによって前記底壁部が構成され、前記第1フラップ及び前記第2フラップが、前記第3フラップ及び前記第4フラップの上側に配置され、
前記第1緩衝部材は、前記第1フラップの上側に配置されて前記第1フラップによって下方側から支持され、
前記第2緩衝部材は、前記第2フラップの上側に配置されて前記第2フラップによって下方側から支持され、
前記第1フラップ及び前記第2フラップのうちの一方のフラップにおいて後方側の端部には、左右に延びる折り目に沿って上方側に折り曲げられる第1切り起こし部が設けられ、他方のフラップにおいて前記一方のフラップ側の端部には、前後に延びる折り目に沿って上方に折り曲げられる第2切り起こし部が設けられ、
前記第1緩衝部材及び前記第2緩衝部材のうちの少なくとも一方の緩衝部材には、前記第1切り起こし部及び前記第2切り起こし部よりも上位置に配置され且つ板面が上側を向く板部が設けられ、
前記第1切り起こし部の折り目は、前記第2切り起こし部の前側の端部よりも前側の位置に配置され、
前記板部の端部には切欠き部が設けられ、
前記梱包部材内に収容される付属品の側部を前記切欠き部内に入り込ませ、前記付属品の下端部の前側に前記第1切り起こし部を配置し前記下端部の後側に前記第2切り起こし部を配置して前記付属品を起立状態で保持する
ガスコンロの梱包部材。
【0011】
上記〔1〕のガスコンロの梱包部材は、梱包部材内に収容される付属品の側部を、切欠き部内に入り込ませ、付属品の下端部の前側に第1切り起こし部を配置し下端部の後側に第2切り起こし部を配置して付属品を起立状態で保持することができる。このような保持構造であれば、大掛かりな内箱等を設けなくても付属品を直接又は簡易な包装で起立させつつ安定的に保持することができる。また、付属品を起立状態で保持するための収容作業は、第1切り起こし部と第2切り起こし部の間に付属品の下端部を挟み込ませ、切欠き部内に付属品の側部を入り込ませる作業が基本となるため、作業性の面で有利である。
【0012】
〔2〕前記一方の緩衝部材には、前記切欠き部の内側に折り目を有する折り曲げ可能な折り曲げ片が設けられ、
前記起立状態のときに前記切欠き部の内縁と前記折り曲げ片との間に前記付属品を挟みつつ保持する
〔1〕に記載のガスコンロの梱包部材。
【0013】
上記〔2〕のガスコンロの梱包部材は、上記〔1〕の梱包部材の保持構造に加え、切欠き部の内縁と折り曲げ片との間に付属品を挟みつつ保持することができるため、付属品をより安定的に保持することができる。しかも、切欠き部の内縁と折り曲げ片とによって安定化させるための構造を簡易に実現することができる。
【0014】
〔3〕〔1〕又は〔2〕に記載のガスコンロの梱包部材と前記ガスコンロとを有し、前記ガスコンロの前記筐体部を前記正規の収容状態で収容し、前記天板部を前記筐体部とは分離させて前記筐体部の上方に収容する収容構造であり、
前記正規の収容状態は、前記筐体部の底部が前記外箱の前記底壁部上に載置され、前記第1緩衝部材と前記第2緩衝部材との間に前記筐体部が配置され、前記筐体部における前記第1側壁部側の前記一方の側面部が前記第1緩衝部材の側面に沿って配置されるとともに前記第1緩衝部材の側面から押圧を受け、前記筐体部における前記第2側壁部側の前記他方の側面部が前記第2緩衝部材の側面に沿って配置されるとともに前記第2緩衝部材の側面から押圧を受け、前記筐体部の前記背面部が前記後壁部に対向しつつ前記後壁部から距離を隔てて配置された状態であり、
前記天板部を直接的に又は他部材を介して間接的に前記第1緩衝部材及び前記第2緩衝部材の上に載置する
ガスコンロの収容構造。
【0015】
<第1実施形態>
1.概要
以下の説明は、第1実施形態に係るガスコンロの梱包部材20に関する。
図1に示される梱包部材20は、図2に示されるガスコンロ1を内部に収容して梱包する部材である。ガスコンロ1は、梱包部材20によって梱包された状態で、搬送や保管がなされる。梱包部材20は、ガスコンロ1に対する外部からの衝撃を吸収するように機能する。ガスコンロ1は、以下ではビルトインタイプのグリル付きガスコンロである例を示すが、テーブルコンロ等であってもよい。
【0016】
本明細書では、ガスコンロ1が平坦な載置面に載置されたときの載置面と直交する方向が、ガスコンロ1においての上下方向であり、筐体部2においての上下方向でもある。つまり、ガスコンロ1の上下方向と筐体部2の上下方向は一致する。また、上下方向と直交する方向のうち左側壁部2Dと右側壁部2Eとが向かい合う方向が、ガスコンロ1においての左右方向であり、筐体部2においての左右方向でもある。ガスコンロ1の左右方向と筐体部2の左右方向は一致する。上記上下方向及び上記左右方向と直交する方向が、ガスコンロ1においての前後方向であり、筐体部2においての前後方向でもある。ガスコンロ1の前後方向と筐体部2の前後方向は一致する。図2に示される代表例のガスコンロ1では、正面視したときの長手方向が左右方向であり、短手方向が上下方向である。また、天板部3を平面視したときの長辺の方向が長手方向であり、短辺の方向が短手方向である。
【0017】
図2に示されるガスコンロ1は、例えばビルトインコンロとして構成され、天板部3と、装置本体1Aと、を備え、装置本体1Aの上端部に天板部3が固定された構成をなす。天板部3は、装置本体1Aに対して着脱可能とされる。装置本体1Aは、ガスコンロ1から天板部3及び天板部3に対する取付物(五徳7など)を取り外した残りの部分を指す。装置本体1Aは、外殻を構成する筐体部2、右側バーナ4、中央バーナ6、左側バーナ5、ガス供給装置、グリル庫8、排気路などを備える。
【0018】
筐体部2は、例えば金属材料によって構成され、上端部が開口する略直方体状に構成されている。筐体部2は、ガスコンロ1の外殻をなすとともにガスバーナ(右側バーナ4、中央バーナ6、左側バーナ5等)などを収容するケースとして機能する部分である。筐体部2は、主に、筐体本体部2A、梁部材、前パネルなどを備えた構成をなし、上端側が開放した箱状形態をなす。筐体本体部2Aは、ガスコンロ1の左右両側に配置される一対の側壁部(左側壁部2D、右側壁部2E)と、後端側に配置される後壁部2Fと、下面側に配置される底壁部2Gと、を備える。筐体本体部2Aは、一対の側壁部2D,2E、後壁部2F、底壁部2Gが互いに連結されており、上端側及び前端側が開放した箱状形態をなす。後壁部2Fは、筐体部2の背面部として機能する部分である。後壁部2Fは、上方側となるにつれて後方側に張り出す構成である。すなわち、後壁部2Fは、底壁部2Gに対して、後方に向かうにつれて高位置となるように傾斜している。換言すれば、後壁部2Fは、前下がりに傾斜している。筐体本体部2Aの一対の側壁部2D,2Eの間には、ガスバーナ(右側バーナ4、中央バーナ6、左側バーナ5等)、グリル庫8、排気路などの各種部品が収容される。
【0019】
前パネル2Hは、筐体部2の前面部として機能する部分である。前パネル2Hは、前面の大部分が平坦面として構成され、上記正規の配置状態のときには、上記平坦面が前側を向いた配置で左右方向に延びるように配置される。図2の例では、筐体本体部2Aの左右両側に前パネル2Hがそれぞれ装着され、2つの前パネル2H,2Hの間には、グリル庫8のグリル扉8Aが開閉可能に装着されている。前パネル2H,2Hは、後壁部2Fと前後方向において互いに対向している。
【0020】
天板部3の板面には、3つの円形状の開口部4A,6A,5Aが形成され、これらの開口部4A,6A,5Aにそれぞれ挿入される形態で右側バーナ4、中央バーナ6、左側バーナ5のそれぞれの一部が上方側に向けて突出して配置されている。右側バーナ4、中央バーナ6、左側バーナ5の各周囲には、五徳7が夫々設置されている。ガスコンロ1の使用時には、五徳7の各上部にフライパン、鍋等の調理容器(図示略)が載置される。
【0021】
2.梱包部材の詳細
次の説明は、主として梱包部材20に関する。
本明細書では、外箱30が図1のような収容前構造で構成された場合において外箱30が平坦な載置面に載置されたときの載置面と直交する方向が、梱包部材20においての上下方向である。また、上下方向と直交する方向のうち左側壁部33と右側壁部34が向かい合う方向が、梱包部材20においての左右方向であり、上下方向及び左右方向と直交する方向が、梱包部材20においての前後方向である。上記収容前構造は、図1のように底壁部40が閉塞構造(周壁部の下端を閉塞する構造)で構成され、前壁部31,後壁部32が左右方向に延びるように配置され、側壁部33,34が前後方向に延びるように構成され、前壁部31,後壁部32,左側壁部33、右側壁部34によって構成される周壁部の上端が開放した状態である。後述の正規の収容状態では、筐体部2の上下方向と梱包部材20の上下方向が一致又は略一致する。後述の正規の収容状態では、筐体部2の左右方向と梱包部材20の左右方向が一致又は略一致する。後述の正規の収容状態では、筐体部2の前後方向と梱包部材20の前後方向が一致又は略一致する。上記収容前構造は、底壁部40が上記周壁部の下端を閉塞し、フラップ51,52,53,54によって構成される上壁部が上記周壁部の上端を閉塞する梱包構造からフラップ51,52,53,54を変位させて上記周壁部の上端を開放した構造である。
【0022】
図1に示される梱包部材20は、ガスコンロ1を梱包対象とし、ガスコンロ1を内部に収容しつつ梱包する部材である。梱包部材20は、ガスコンロ1を収容する外箱30と、外箱30に収容される第1緩衝部材110と、外箱30に収容される第2緩衝部材120と、を備える。
【0023】
図3に示される外箱30は、ガスコンロ1よりもひとまわり大きな、段ボール紙製の直方体形状の箱である。外箱30は、例えば、段ボール紙製の板部材を展開状態に切り抜いた後に、曲げ加工等して成形された単一部品である。なお、ここで示される材料はあくまで一例であり、同様の加工が可能な材料であれば他の材料(例えば、一部又は全部に樹脂材料が含まれる材料など)が用いられてもよい。外箱30は、前壁部31と、後壁部32と、左側壁部(第1側壁部)33と、右側壁部(第2側壁部)34と、底壁部40と、上壁部と、を有している。前壁部31、後壁部32、左側壁部33、右側壁部34、底壁部40、及び上壁部は、一体的に形成されている。
【0024】
前壁部31及び後壁部32は、長方形の板状であり、前後方向で互いに対向している。左側壁部33及び右側壁部34は、長方形の板状であり、左右方向で互いに対向している。前壁部31、後壁部32、左側壁部33及び右側壁部34は、一体的に形成されて周壁部を構成し、この周壁部、第1フラップ41、第2フラップ42、第3フラップ43、第4フラップ44、フラップ51,52,53,54が、同一の材料(例えば、段ボールなどの紙)によって一体的に構成されている。
【0025】
前壁部31は、正規の収容状態で収容された筐体部2の前面部(前パネル2H等)と対向する壁部である。後壁部32は、正規の収容状態で収容された筐体部2の背面部(後壁部2F)に対向する壁部である。左側壁部33は、第1側壁部の一例に相当し、正規の収容状態で収容された筐体部2の一方の側面部(側壁部2D)に対向する壁部である。右側壁部34は、第2側壁部の一例に相当し、正規の収容状態で収容された筐体部2の他方の側面部(側壁部2E)に対向する壁部である。底壁部40は、正規の収容状態で収容された筐体部2を下方側から支える壁部である。
【0026】
筐体部2の正規の収容状態は、図1において二点鎖線で概念的に示されるように底壁部2Gが配置される状態であり、具体的には、底壁部2Gが底壁部40上に載置されるとともに底壁部2Gが第1緩衝部材110と第2緩衝部材120の間(より具体的には、張出部116と張出部126の間)に配置され、矩形状に構成された底壁部2Gの第1緩衝部材110側の一辺2Mが第1緩衝部材110の壁面(具体的には、張出部116における張出部126側の側面116A)に沿って前後方向に延び、底壁部2Gの第2緩衝部材120側の一辺が第2緩衝部材120の壁面(具体的には、張出部126における張出部116側の側面126A)に沿って前後方向に延びるように筐体部2が配置される状態であり、底壁部2Gの前壁部31側の一辺2Pが前壁部31の内壁面31Aに沿って左右方向に延びるように筐体部2が配置される状態であり、底壁部2Gの後壁部32側の一辺2Qが後壁部32の内壁面32Aよりも前側かつ中段部118,128よりも前側において左右方向に延びるように筐体部2が配置される状態である。更に、正規の収容状態は、図1のように、側壁部2D,2E及び後壁部2Fが一体的に連結されてなる筐体部2の周壁部が、左側壁部33に沿って配置される第1緩衝部材110と右側壁部34に沿って配置される第2緩衝部材120との間に挟まれ、具体的には、側壁部2Dが側面116Aに沿って配置されるとともに側面116Aによって押圧され、側壁部2Eが側面126Aに沿って配置されるとともに側面126Aによって押圧された状態である。更に、正規の収容状態は、後壁部2Fが後壁部32と距離をあけて対向して配置される状態であり、後壁部2Fと後壁部32との間に付属品70などを収容する空間が存在する状態である。更に、正規の収容状態は、筐体部2の前面部が前壁部31に対向しつつ前壁部31に近接して配置される状態である。筐体部2の正規の収容状態では、筐体部2の側壁部2D及び側壁部2Eが筐体部2の前後方向に沿って延び、梱包部材20の前後方向に沿って延びるように配置される。筐体部2の正規の収容状態では、筐体部2の後壁部2Fが筐体部2の左右方向に沿って延び、梱包部材20の左右方向に沿って延びるように配置される。
【0027】
底壁部40は、第1フラップ41、第2フラップ42、第3フラップ43、第4フラップ44を有している。第1フラップ41、第2フラップ42、第3フラップ43、第4フラップ44は、いずれも平坦な構成をなし、折り曲げが可能な構成である。第1フラップ41は、略長方形の板状であり、左側壁部33と一体的に構成され、左側壁部33の下端部を折り目として折り曲げ可能とされており、図1のようにガスコンロ1の各部品を梱包する状態のときには、左側壁部33の下端側から内側に折り曲げられる。第2フラップ42は、略長方形の板状であり、右側壁部34と一体的に構成され、右側壁部34の下端部を折り目として折り曲げ可能とされており、梱包状態のときには右側壁部34の下端側から内側に折り曲げられる。第3フラップ43は、略長方形の板状であり、前壁部31と一体的に構成され、前壁部31の下端部を折り目として折り曲げ可能とされており、梱包状態のときには前壁部31の下端側から内側に折り曲げられる。第4フラップ44は、略長方形の板状であり、後壁部32と一体的に構成され後壁部32の下端部を折り目として折り曲げ可能とされており、梱包状態のときには後壁部32の下端側から内側に折り曲げられる。第1フラップ41及び第2フラップ42は、前後方向に延びる長手状に配置され、第3フラップ43及び第4フラップ44は、左右方向に延びる長手状に配置され、第1フラップ41及び第2フラップ42が、第3フラップ43及び第4フラップ44の上側に配置され、第1フラップ41、第2フラップ42、第3フラップ43、及び第4フラップ44によって底壁部40が構成されている。
【0028】
なお、外箱30の上側にも折り曲げ可能且つ折り曲げ度合いを変更可能とされたフラップ51,52,53,54が設けられている。フラップ51,52,53,54は、外箱30の上側を閉塞する蓋として機能し、外箱30の上壁部として機能する。フラップ51,52,53,54を上壁部として構成する構造としては、例えば、図1のようなフラップ51,52,53,54を内側に折り曲げ、フラップ51,52の上にフラップ53,54を重ねつつフラップ53,54の端部同士を接着媒体(テープ等)によって連結しつつ固定する構造が挙げられる。但し、この例に限定されるわけではなく、上記周壁部を閉塞するようにフラップ51,52,53,54を配置し得るような折り曲げ構造、連結構造であれば、他の構造を採用してもよい。
【0029】
図3図4のように、第1フラップ41及び第2フラップ42のうちの一方のフラップである第1フラップ41において後方側の端部には、左右に延びる折り目41Yに沿って上方側に折り曲げられる第1切り起こし部41Zが設けられている。図3図4のように、第1フラップ41の後端部は、後壁部32に近接して配置される後端部41Rと、後端部41Rよりも第2フラップ42側の後端部41Qと、を備える。後端部41Qの後端は、後端部41Rの後端よりも前位置であり、後端部41Qは、後壁部32から前側に離れている。折り目41Yは、後端部41Rの後端よりも前位置であって後壁部32から前側に離れており、第1切り起こし部41Zは、後壁部32から距離が離れた前位置で立ち上がり状に変形可能とされている。第1フラップ41における第2フラップ42側の端部は、上記収容前構造のときに外箱30の前後方向中央位置付近において前後方向に延びるように配置される第1端部41Lと、上記収容前構造のときに第1端部41Lよりも後方側に配置されるとともに前後方向に延びるように配置される第2端部41Mと、を有している。そして、第2端部41Mの前端部付近と第1切り起こし部41Zの側部とによって切欠き41Pが構成され、この切欠き41Pの前端部付近から延びるように第1切り起こし部41Zが構成されている。第1切り起こし部41Zの先端部41Xの前後方向の位置や上下方向の位置は第1切り起こし部41Zの折り曲げ度合いを調整することによって変更可能とされている。折り目41Yは、左右方向と平行に延びていてもよく、左右方向に対して若干傾いて延びていてもよい。また、折り目41Yは、第1切り起こし部41Zを上方に立ち上げることが可能な折り目構造であれば、直線的に延びていてもよく、若干湾曲していてもよく、直線的に延びる部分と湾曲した部分が混在していてもよい。
【0030】
図3図4のように、第1フラップ41及び第2フラップ42のうちの他方のフラップである第2フラップ42において第1フラップ41側の端部(図3図4の例では左側の端部)には、前後に延びる折り目42Yに沿って上方に折り曲げられる第2切り起こし部42Zが設けられている。図3図4のように、第2フラップ42の後端部は、後壁部32に近接して配置される後端部41Wを有する。第2フラップ42における第1フラップ41側の端部は、上記収容前構造のときに外箱30の前後方向中央位置付近において前後方向に延びるように配置される第3端部42Sと、上記収容前構造のときに第3端部42Sよりも後方側に配置される第4端部42Uと、を有している。そして、第3端部42Sと第4端部42Uとの間に切欠き42Vが構成され、この切欠き42Vの内縁部における左右方向一方側の端部付近から延びるように第2切り起こし部42Zが構成されている。第2切り起こし部42Zの先端部42Xの左右方向の位置や上下方向の位置は第2切り起こし部42Zの折り曲げ度合いを調整することによって変更可能とされている。折り目42Yは、前後方向と平行に延びていてもよく、前後方向に対して若干傾いて延びていてもよい。また、折り目42Yは、第2切り起こし部42Zを上方に立ち上げることが可能な折り目構造であれば、直線的に延びていてもよく、若干湾曲していてもよく、直線的に延びる部分と湾曲した部分が混在していてもよい。
【0031】
第1切り起こし部41Zの折り目41Yは、第2切り起こし部42Zの前側の端部よりも前側の位置に配置される。切欠き41Pの内縁の前端は、切欠き42Vの内縁の後端よりも前位置である。具体的には、切欠き41Pの内縁の前端は、切欠き42Vの内縁における左右方向一方側(折り目41Y側)の端部における後端よりも前位置である。
【0032】
第1緩衝部材110及び第2緩衝部材120は、いずれも、例えば、段ボール紙製の板部材を展開状態に切り抜いた後に、曲げ加工等して成形された単一部品である。第1緩衝部材110は、筐体部2が外箱30内において正規の収容状態で収容されたときに側壁部2D(一方の側面部)と左側壁部33(第1側壁部)との間に配置されつつ筐体部2を支持する部品である。第2緩衝部材120は、筐体部2が外箱30内において正規の収容状態で収容されたときに側壁部2E(他方の側面部)と右側壁部34(第2側壁部)との間に配置されつつ筐体部2を支持する部品である。
【0033】
図3図4のように、第1緩衝部材110は、第1フラップ41に載置されるように第1フラップ41の上側に配置されて第1フラップ41によって下方側から支持される。第1緩衝部材110には、第1切り起こし部41Z及び第2切り起こし部42Zよりも上位置に配置され且つ板面が上側を向く板部112が設けられる。図5図7のように、第1緩衝部材110は、所定の厚さを有する板状又は箱状の外箱隣接部114と、外箱隣接部114の下端部付近から外箱隣接部114の厚さ方向に張り出す張出部116と、外箱隣接部114の後端部付近から張り出すと共に張出部116の後端部に連結される中段部118とを備える。中段部118の上面部が板状に構成されて上記の板部112として構成される。図5図7の例では、外箱隣接部114は、段ボール紙などが折り曲げられて、部分的に係合部や孔部などが形成された構成をなす。なお、図5図7のような立体を構成できる折り曲げ構造であれば、折り曲げ前の初期形状、折り曲げ方法、連結方法などは特に限定されない。図1図5図7のように、外箱隣接部114は、左右方向を厚さ方向とする扁平な形状をなしており、前後方向全体で厚さがほぼ一定とされている。外箱隣接部114の左右方向片側の側面は、左側壁部33の内面に接触しつつ左側壁部33の内面によって押圧される面である。外箱隣接部114の左右方向のもう片側の側面は、筐体部2側に向く構成で配置される面である。外箱隣接部114の上面114Aは、上述の収容前構造において上側を向くように配置される面であり、具体的には、上下方向と直交する方向の平坦面である。張出部116は、外箱隣接部114の下端部側に連結されるとともに外箱隣接部114の下端部付近から左右方向内側(筐体部2側)に張り出すように形成された部分である。張出部116の側面116Aは、例えば、左右方向と直交する方向の平坦面であり、前後方向に延びるように配置される面である。張出部116の上面は上方を向く面である。中段部118は、張出部116の後方側において第1緩衝部材110の後端部付近に設けられる。図1図5図7のように、中段部118の上面118Aは、上方側を向く面であり、板部112の上面でもある。板部112は、所定高さに保持され、板部112の前端部には板状の傾斜部が連結され、板部112の後端部には、板状の立ち上がり部が連結される。上記傾斜部は、板部の前端に連結されるとともに前下がりに傾斜し、傾斜部の前側の外面118Bは、前側となるにつれて低位置となるように傾斜している。上述の収容前構造では、張出部116の上面の高さが中段部118の上面118Aの高さよりも高く、外箱隣接部114の上面114Aの高さが中段部118の上面118Aの高さよりも高い構成で、外箱隣接部114、張出部116、中段部118の位置及び形状が維持される。
【0034】
図3図4のように、第2緩衝部材120は、第2フラップ42に載置されるように第2フラップ42の上側に配置されて第2フラップ42によって下方側から支持される。第2緩衝部材120には、第1切り起こし部41Z及び第2切り起こし部42Zよりも上位置に配置され且つ板面が上側を向く板部122が設けられる。図8図10のように、第2緩衝部材120は、所定の厚さを有する板状又は箱状の外箱隣接部124と、外箱隣接部124の下端部付近から外箱隣接部124の厚さ方向に張り出す張出部126と、外箱隣接部124の後端部付近から張り出すと共に張出部126の後端部に連結される中段部128とを備える。中段部128の上面部が板状に構成されて上記の板部122として構成される。図8図10の例では、外箱隣接部124は、段ボール紙などが折り曲げられて、部分的に係合部や孔部などが形成された構成をなす。なお、図8図10のような立体を構成できる折り曲げ構造であれば、折り曲げ前の初期形状、折り曲げ方法、連結方法などは特に限定されない。図1図8図10のように、外箱隣接部124は、左右方向を厚さ方向とする扁平な形状をなしており、前後方向全体で厚さがほぼ一定とされている。外箱隣接部124の左右方向片側の側面は、右側壁部34の内面に接触しつつ右側壁部34の内面によって押圧される面である。外箱隣接部124の左右方向のもう片側の側面は、筐体部2側に向く構成で配置される面である。外箱隣接部124の上面124Aは、上述の収容前構造において上側を向くように配置される面であり、具体的には、上下方向と直交する方向の平坦面である。張出部126は、外箱隣接部124の下端部側に連結されるとともに外箱隣接部124の下端部付近から左右方向内側(筐体部2側)に張り出すように形成された部分である。張出部126の側面126Aは、例えば、左右方向と直交する方向の平坦面であり、前後方向に延びるように配置される面である。張出部126の上面は上方を向く面である。中段部128は、張出部126の後方側において第2緩衝部材120の後端部付近に設けられる。図1図8図10のように、中段部128の上面128Aは、上方側を向く面であり、板部122の上面でもある。板部122は、所定高さに保持され、板部122の前端部には板状の傾斜部が連結され、板部122の後端部には、板状の立ち上がり部が連結される。上記傾斜部は、板部122の前端に連結されるとともに前下がりに傾斜し、傾斜部の前側の外面128Bは、前側となるにつれて低位置となるように傾斜している。上述の収容前構造では、張出部126の上面の高さが中段部128の上面128Aの高さよりも高く、外箱隣接部124の上面124Aの高さが中段部128の上面128Aの高さよりも高い構成で、外箱隣接部124、張出部126、中段部128の位置及び形状が維持される。
【0035】
図3図4のように、第2緩衝部材120に設けられた板部122の端部には切欠き部130が設けられている。具体的には、切欠き部130は、板部122の左右方向一端部(より具体的には、外箱隣接部124とは反対側の端部)に設けられている。切欠き部130は、外箱隣接部124側に向かって左右方向に凹むような状態(折り曲げ片140が内部領域から離脱した状態)に変形可能である。更に、第2緩衝部材120には、切欠き部130の内側に折り目を有する折り曲げ可能な折り曲げ片140が設けられている。図8のように、板部122には、2か所の切込みが形成されており、この切込みが切欠き部130の前側の内縁部及び後側の内縁部を構成する。2か所の切込みの内側の領域が切欠き部130の内側領域であり、折り曲げ片140がこの内側領域から離脱した状態では、切欠き部130の内側領域は固体が存在しない空間となる。2か所の切込みの内側に配置される一片が折り曲げ片140である。代表例では、板部122が段ボール材によって板状に構成され、部分的な折り曲げが可能とされており、折り曲げ片140は段ボール材などからなる紙片とされている。従って、折り曲げが可能であり(図11の二点鎖線140Z参照)、図8のように切欠き部130の内側領域を埋めるように配置される姿勢も可能である。折り曲げ片140は紙片であるため、図11のように基端部を折り目として折り曲げる変形だけでなく、折り曲げ片140の中間位置で曲げる形状変更も可能である。
【0036】
このように構成された梱包部材20は、図1のように、梱包部材20内に収容される付属品70の側部を切欠き部130内に入り込ませ、付属品70の下端部の前側に第1切り起こし部41Zを配置し下端部の後側に第2切り起こし部42Zを配置して付属品70を起立状態(図1の例では若干傾斜した起立状態)で保持する。具体的には、起立状態のときに切欠き部130の内縁と折り曲げ片140との間に付属品70を挟みつつ保持する。なお、図11は、梱包部材20の内部構成を上側から見た様子を遠近法を利用して示す説明図である。
【0037】
図1に示される付属品70は、ガスコンロ1と共に梱包部材20の内部に収容される同梱部品である。付属品70は、例えば、ガスコンロ1の使用時に用いる調理器具であり、グリル庫8に入れて使用する焼き網であってもよく、プレートであってもよく、その他の部品であってもよく、複数種類の部品がまとめられていてもよい。図1の例では、焼き網などの調理器具が包装材によって包まれた物が付属品70として構成され、図1では、このような付属品70が簡略的かつ概念的に示される。図1の例では、付属品70は全体として扁平な形状をなしている。付属品70は、所定の幅方向の幅が、第1切り起こし部41Zと切欠き部130の間の左右方向の距離よりも大きく、図1の例では、長手状に構成された付属品70の長手方向が上記幅方向である。付属品70が梱包部材20の内部に収容される際には、焼き網などの調理器具に対して樹脂製のシートなどで包装が施された形態で略扁平状に構成されたものを収容することが望ましいが、調理器具が直接的に収容される構成でもよい。
【0038】
ガスコンロ1を梱包部材20の内部に収容する場合には、図1のように付属品70を収容した後、天板部3を外した状態の筐体部2(具体的には筐体部2と筐体部に組み付けられた各種部品からなる組立体)を外箱30内に収容する。筐体部2を外箱30内に収容する際には、筐体部2の前面部を前壁部31と前後に対向させ、筐体部2の後壁部2F(背面部)を後壁部32と前後に対向させ、筐体部2の側壁部2D(一方の側面部)を左側壁部33(第1側壁部)と左右に対向させ、筐体部2の側壁部2E(他方の側面部)を右側壁部34(第2側壁部)と左右に対向させ、底壁部2Gを底壁部40によって下方側から支えるように、筐体部2を底壁部40上に載置する構成で収容する。
【0039】
このように筐体部2を収容した後、又は筐体部2を収容する前に、付属品70を底壁部40上に載置するように配置する。具体的には、図1図11のように、梱包部材内に収容される付属品70の側部を凹状の切欠き部130内に入り込ませ、付属品70の下端部の前側に第1切り起こし部41Zを配置し付属品70の下端部の後側に第2切り起こし部42Zを配置して付属品70を起立状態で保持する。図1図11の状態では、第1切り起こし部41Zは、第1フラップ41における第1切り起こし部41Z以外の残余部分よりも上側に立ち上がり、第2切り起こし部42Zは、第2フラップ42における第2切り起こし部42Z以外の残余部分よりも上側に立ち上がるように配置される。この状態では、付属品70の下端部は、第1切り起こし部41Zによって前側から押されるように支持されて前側への移動が規制され、第2切り起こし部42Zによって後ろ側から押されるように支持されて後側への移動が規制される。従って、付属品70の下端部が前後に移動することが規制され、保持される。更に、付属品70は、第1切り起こし部41Zや第2切り起こし部42Zよりも上位置において左右方向片側の端部が切欠き部130内に入り込み、この入り込んだ部分の前後方向の移動が規制される。このようにして、付属品70は、載置状態且つ起立状態で前後方向の移動が規制されつつ保持される。収容される筐体部2の後壁部2F(背面部)は、上方側となるにつれて後方位置となるように傾斜した構成であるため、筐体部2の下方側後方には後壁部32との間に空間が存在することになる。この空間を利用して上記付属品70が収容される。
【0040】
このように、筐体部2(具体的には組立体)や付属品70を収容した後、天板部3を、外箱30内に収容された筐体部2の上側の位置において第1緩衝部材110及び第2緩衝部材120の上に直接的に又は包装材や箱体などの他部材を介して間接的に載置するように収容する。天板部3は、包装袋や包装シートなどの包装材に包まれた状態で第1緩衝部材110及び第2緩衝部材120の上に載置されるように収容されてもよく、一部又は全部が箱体内に収容さされた状態で箱体と共に第1緩衝部材110及び第2緩衝部材120の上に載置されるように収容されてもよく、包装材に包まれた状態で箱体に収容されたものが第1緩衝部材110及び第2緩衝部材120の上に載置されるように収容されてもよく、天板部3が直接的に第1緩衝部材110及び第2緩衝部材120の上に載置されるように収容されてもよく。
【0041】
3.効果の例
ガスコンロ1の梱包部材20は、梱包部材20内に収容される付属品70の側部を、切欠き部130内に入り込ませ、付属品70の下端部の前側に第1切り起こし部41Zを配置し、付属品70の下端部の後側に第2切り起こし部42Zを配置して付属品70を起立状態で保持することができる。このような保持構造であれば、大掛かりな内箱等を設けなくても付属品70を直接又は簡易な包装で起立させつつ安定的に保持することができる。また、付属品70を起立状態で保持するための収容作業は、第1切り起こし部41Zと第2切り起こし部42Zの間に付属品70の下端部を挟み込ませ、切欠き部130内に付属品70の側部を入り込ませる作業が基本となるため、作業性の面で有利である。
【0042】
梱包部材20は、上記の保持構造に加え、切欠き部130の内縁と折り曲げ片140との間に付属品70を挟みつつ保持することができるため、付属品70をより安定的に保持することができる。しかも、切欠き部130の内縁と折り曲げ片140とによって安定化させるための構造を簡易に実現することができる。
【0043】
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明された実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。さらに、上述された実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0044】
上述された実施形態では、切欠き部130の内側に折り曲げ片140が設けられたが、折り曲げ片140が存在しなくてもよい。例えば、切欠き部が単なる凹部として構成され、この凹部に付属品の端部が入り込んで保持される構成であってもよい。
【0045】
上述された実施形態では、第1フラップ41に第1切り起こし部41Zが設けられ、第2フラップ42に第2切り起こし部42Zが設けられたが第2フラップ42に第1切り起こし部が設けられ、第1フラップ41に第2切り起こし部が設けられてもよい。
【0046】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
1 :ガスコンロ
1A :装置本体
2 :筐体部
2D :側壁部(側面部)
2E :側壁部(側面部)
2F :後壁部(背面部)
2G :底壁部
2H :前パネル(前面部)
20 :梱包部材
30 :外箱
31 :前壁部
32 :後壁部
33 :左側壁部(第1側壁部)
34 :右側壁部(第2側壁部)
40 :底壁部
41 :第1フラップ
41Z :第1切り起こし部
42 :第2フラップ
42Z :第2切り起こし部
43 :第3フラップ
44 :第4フラップ
70 :付属品
110 :第1緩衝部材
120 :第2緩衝部材
122 :板部
130 :切欠き部
140 :折り曲げ片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11