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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090837
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】魚釣用リール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/01 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
A01K89/01 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206980
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】安田 悠
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108BC20
2B108BJ08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロータとリール本体との間に摩擦抵抗が生じることを避けながら、ロータの位置によらず常時ベールの動作を電気信号として検出可能な魚釣用リールを提供することにある。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、釣竿に固定可能な魚釣用リールであって、該釣竿の延伸方向に略平行な中心軸回りに釣糸を巻取り可能なスプールと、該釣糸を案内する案内部を有し、該スプールの周囲を回転可能なロータと、該案内部を回転操作する操作部と、該案内部による案内可能・不能状態を切替える切替え部と、該切替え部の操作に応じて、前記のスプールの中心軸方向に移動する被検出部と、該被検出部の移動を検知することで、前記案内部による案内可能・不能状態を検出する検出部と、を備えるように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣竿に固定可能な魚釣用リールであって、
該釣竿の延伸方向に略平行な中心軸回りに釣糸を巻取り可能なスプールと、
該釣糸を案内する案内部を有し、該スプールの周囲を回転可能なロータと、
該案内部を回転操作する操作部と、
該案内部による案内可能・不能状態を切替える切替え部と、
該切替え部の操作に応じて、前記のスプールの中心軸方向に移動する被検出部と、
該被検出部の移動を検知することで、前記案内部による案内可能・不能状態を検出する検出部と、を備えることを特徴とする魚釣用リール。
【請求項2】
前記切替え部は、ベールアーム部である、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項3】
前記被検出部は、前記ロータの回転軸を中心軸とする円筒状部材である、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項4】
前記被検出部は、前記ロータに対して相対移動可能に支持される、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項5】
前記ロータは、前記案内部が案内不能状態の場合、該ロータの回転を抑制する制動部材を有し、該制動部材は、前記被検出部を前記スプールの中心軸方向に移動させる伝達部を有する、請求項3に記載の魚釣用リール。
【請求項6】
前記被検出部は、前記魚釣用リールのリール本体に対して相対移動可能に支持される、請求項1に記載の魚釣用リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用リール、特に、ベール開閉を検出可能なスピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、リール本体に回転自在に装着されるロータに設けた両アームに反転可能に取付けられたベールアームを有する様々な魚釣用スピニングリールが知られている。
【0003】
このような魚釣用リールとして、例えば、特許文献1では、リール本体に回転自在に装着されるロータに対設した両アームに反転可能にベールアームを枢着した魚釣用スピニングリールにおいて、リール本体又はロータに、糸巻取位置から糸放出位置への反転を知らせる表示手段を設け、ベールアームの反転部に、このベールアームの糸巻取位置から糸放出位置への反転動作を検出して表示手段に伝達する作動伝達手段を設けて成る魚釣用スピニングリールについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平04-100378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係る方法では、ベールアームの反転を検出するためのスイッチが、ロータに取り付けられているため、当該スイッチに給電するため、ロータとリール本体の間に導電ブラシ等で端子を接触させる必要があり、ロータとリール本体との間に不要な摩擦抵抗が生じてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロータとリール本体との間に摩擦抵抗が生じることを避けながら、ロータの位置によらず常時ベールの動作を電気信号として検出可能な魚釣用リールを提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、釣竿に固定可能な魚釣用リールであって、該釣竿の延伸方向に略平行な中心軸回りに釣糸を巻取り可能なスプールと、該釣糸を案内する案内部を有し、該スプールの周囲を回転可能なロータと、該案内部を回転操作する操作部と、該案内部による案内可能・不能状態を切替える切替え部と、該切替え部の操作に応じて、前記のスプールの中心軸方向に移動する被検出部と、該被検出部の移動を検知することで、前記案内部による案内可能・不能状態を検出する検出部と、を備えるように構成される。
【0008】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記切替え部は、ベールアーム部である。
【0009】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記ロータの回転軸を中心軸とする円筒状部材である。
【0010】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記ロータに対して相対移動可能に支持される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記ロータは、前記案内部が案内不能状態の場合、該ロータの回転を抑制する制動部材を有し、該制動部材は、前記被検出部を前記スプールの中心軸方向に移動させる伝達部を有するように構成される。
【0012】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記魚釣用リールのリール本体に対して相対移動可能に支持される。
【発明の効果】
【0013】
上記実施形態によれば、ロータとリール本体との間に摩擦抵抗が生じることを避けながら、ロータの位置によらず常時ベールの動作を電気信号として検出可能な魚釣用リールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいてベールが閉じた状態を示す図であり、(b)本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいてベールが開いた状態を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおけるロータの詳細を示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいてベールアーム部が開いた場合のロータの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいてベールアームが閉じた場合のロータの斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいてベールアーム部の開閉動作と被検出部の軸方向移動との関係を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいてベールアーム部の開閉動作と被検出部の軸方向移動との関係を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおけるベール動作検出部を説明する図である。
図8】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの一部の構成部材の操作性について説明する図である。
図9】(a)は本発明のその他の実施形態に係る魚釣用リールの分解斜視図を、(b)は本発明のその他の実施形態に係る組立後の魚釣用リールのベールが閉じた状態での断面図を、(c)は本発明のその他の実施形態に係る魚釣用リールのベールが開いた状態での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るベール開閉を検出可能な魚釣用リールの実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0016】
まず、図1ないし7を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールについて説明する。まず、図1は、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の基本構成を示す図であり、図1(a)は、ベールが閉じた状態、図1(b)はベールが開いた状態を示す。
【0017】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1は、釣糸(図示しない)を巻回可能なスプール3と、ラインガイド4を有するベールアーム部(ベールアーム)5と、ロータ6と、リール本体7と、ハンドル8と、ベール動作検出部9と、により構成される。
【0018】
次に、図1を用いて、魚釣用リール1を含む一般的なスピニングリールの、ベールアーム部5の状態と操作可能状態についてさらに説明する。魚釣用リール1は、従来公知のスピニングリールと同様、スプール3の中心軸が釣竿と略平行になるように、リール本体7において図示しない釣竿に固定可能に構成されている。なお、スプール3の中心軸と釣竿の延伸方向は必ずしも平行である必要はなく、20°程度まで傾けて配置されるようにしてもよい。
【0019】
魚釣用リール1の使用者は、ハンドル8を回転操作することにより、ロータ6をリール本体7に対して(相対)回転させることができる。また、ベールアーム部5を開閉操作することにより、ラインガイド4による釣糸の案内可能状態(図1(a)に示すベールが開いた状態)と、案内不能状態(図1(b)に示すベールが閉じた状態)と、を切替えることができる。
【0020】
当該案内可能状態では、釣糸をラインガイド4に介してスプール3に案内することができ、この状態でロータ6を回転させると、釣糸をスプール4に巻き付ける(巻回する)ことができる。他方で、当該案内不能状態では、釣糸はラインガイド4から拘束を受けない。この状態で釣糸に張力が加わると、釣糸はスプール3から螺旋状に放出される。
【0021】
ベールアーム部5が閉められると、ラインガイド4は案内可能状態となり、釣糸は巻取り操作可能となる。他方で、ベールアーム部5が開けられると、ラインガイド4は案内不能状態となり、釣糸は放出操作可能となる。ベール動作検出部9(図7に図示)によりベールアーム部5の状態を検出することで、魚釣用リール1の操作可能状態を把握することができる。
【0022】
次に、図2ないし図8を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1におけるベール動作の検出方法について説明する。図2は、ロータ6の詳細を示す分解斜視図であり、図3は、ベールアーム部5が開けられたときのロータの斜視図であり、図4はベールアーム部5が閉じられたときのロータの斜視図である。
【0023】
ロータ6には、ベールアーム部5と、リンク部材10と、キックレバー11と、被検出部(被検出部材)12と、付勢ばね(図示しない)とが取付けられる。ロータ6には、ベールアーム部5が回転可能に支持されており、魚釣用リール1の使用者の操作により開閉操作を行うことができる。ベールアーム部5が開閉されると、リンク部材10を介してキックレバー11が回動する。キックレバー11は、ロータ6に対して(相対)回転可能に支持され、図示しない付勢ばねによって、リンク部材10の一部とキックレバーと11が常時当接するように復元力を受ける。
【0024】
次に、図8に示すように、キックレバー11は側面に摩擦部111を有し、案内不能状態において摩擦部111がリール本体7のキックレバー摺動部71に対して接触するように構成し、ロータとリール本体との間に制動力を発生させるようにしてもよい。これにより、案内不能状態ではロータのリール本体に対する(相対)回転運動を制限することができ、投擲(キャスト)時等にロータが不意に回転してしまうのを防止することができる。
【0025】
また、リール本体側に反転用カム72を設け、案内不能状態において使用者のハンドル操作によりロータに所定の制動力以上の力が作用した場合に、キックレバー11の当接部(図示しない)が反転用カム72に乗り上げるように構成してもよい。その場合、反転用カム72の作用により、使用者のハンドル操作に伴ってベールアーム部5には閉方向(ベールが開いた状態から閉じた状態にする)への力を発生させることができる。これにより、使用者は、直接ベールアーム部5に触れることなく、ハンドル操作のみでベールアーム部5を閉方向に操作することができ、操作性の向上が実現できる。
【0026】
図5、6及び7に示すように、被検出部(被検出部材)12は、ロータ6の回転軸を中心軸とする略円筒状に構成される。被検出部(被検出部材)12は、案内穴(図示しない)を有し、ロータ6に設けられた軸部材に案内されることで、ロータ6に対して回転軸方向に(相対)移動可能に支持される。また、被検出部12の内側側面は、軸方向に二分され、一方は白色に、他方は黒色に、全周360°に亘って塗装等より異なる反射率に構成される。
【0027】
本発明の一実施形態において、被検出部12の内周面を、ロータの回転軸を中心軸とする回転体の円筒面等とすることで、ロータ6の回転位置がどの場所であっても(どの角度位置であっても)、被検出部12とベール動作検出部9との間の距離を一定とすることができる。これにより、ベール動作検出部9から安定した検出信号を取得し易くでき、製造コストを抑えられるといった効果を奏する。他方で、ベール動作検出部9の検出方式によっては、被検出部12とベール動作検出部9との距離が変わっても、検出信号に悪影響を与えにくい場合も考え得る。そのような場合には、被検出部12の内周面を、例えば、正八角形等、回転体以外の形状とすることができる。
【0028】
被検出部12には、略球状のフォロワー部114が設けられ、キックレバー11に設けられたカム部113と接触可能となっている。また、被検出部材12は、付勢ばね(図示しない)により図5における上方向に付勢され、フォロワー部114が常にカム部113と当接するように構成される。カム部113は、キックレバー11の回転軸を中心軸とする螺旋面として構成される。これにより、キックレバー11の回動に従って、被検出部12を軸方向に移動させることができる。より詳細には、カム部113の螺旋面にフォロワー部114が接触しているため、キックレバー11の回動により、カム部113の先端がフォロワー部114と接触すると、図6に示すように、被検出部材12が軸方向の一方方向に移動し、カム部113の末端がフォロワー部114と接触すると、図5に示すように、被検出部材12が軸方向の他方方向に移動する。
【0029】
図5及び図6は、ベールアーム部5の開閉動作に従って、被検出部12が軸方向に移動した様子を示す図である。説明の簡略化のため、リンク部材10、キックレバー11、被検出部材12の一部のみを示している。図5に示す案内可能状態から、図6に示す案内不能状態へと、ベールアーム部5を反転させると、その動作に伴ってリンク部材10が回動する。リンク部材10の回動によって、キックレバー11が回転すると、カム部113が回転する。この作用により、被検出部12はロータ6の回転軸方向に移動する。このように、キックレバー11は、上述のロータとリール本体との間に制動力を発生させる役割と、ハンドル操作によりベールアーム部を閉方向に操作するための役割に加え、被検出部12をロータの回転軸方向に移動させる役割を兼ねることができる。このようにして、既存の部品であるキックレバー11を利用することで、追加の部品が不要となり、部品点数の増加を回避することができる。
【0030】
図7は、リール本体7に取り付けられたベール動作検出部9を示している。
本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1において、ベール動作検出部9として反射型のフォトセンサを用いており、被検出部12と対向して配置している。既述のように、被検出部12の内径面は、白色と黒色に塗装されており、ベール動作検出部9は対向する被検出部12の内径面が白色であるか若しくは黒色であるかにより、被検出部12から反射された信号の受光量の変化を検出できる。
【0031】
図5に示すように、案内可能状態では、被検出部12が前方に移動し、ベール動作検出部(図示しない)は白色面と対向する。他方で、図6に示すように、案内不能状態では、被検出部12が後方に移動し、ベール動作検出部は黒色面と対向する。すなわち、被検出部12の軸方向の位置により、ベール動作検出部の出力信号が変化する。ここで、ベール動作検出部は、図示しないマイコン等に接続される。このようにして、ベールの動作(例えば、開閉動作を指す)をマイコン等に通知することができる。
【0032】
なお、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1では、既述の通り、検出部として反射型フォトセンサ、被検出部として被検出部12に塗装された白色面および黒色面を用いた。しかしながら、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1はこれに限定されず、他の手段を用いてもよい。例えば、検出部として磁気センサや静電容量型近接センサ、リミットスイッチ等、各種センサが利用可能であり、被検出部12には、それぞれのセンサに応じた被検出手段を設けるとよい。
【0033】
また、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1では、ベールの動作に応じて被検出部材12を軸方向に移動させるために、リンク部材10とキックレバー11を介した機構を用いた。これにより、部品点数の増加を避けながら被検出部12を軸方向に移動させることができる。しかしながら、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1は、この方式に限定されず、他の機構を用いるようにしてもよい。歯車機構、ワイヤー機構等やチェーン機構等の各種の従来公知の機構により、ベールの動作に応じて被検出部12を軸方向に移動させることは可能であり、これらの機構を用いても本発明の一実施形態と同様の効果を実現することができる。
【0034】
次に、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールによる効果について述べる。本発明の一実施形態に係る魚釣用リールによれば、ベールの動作を検出するためのベール動作検出部9を、リール本体に配置することができる。これにより、ベール動作検出部9への給電や被検出部12からの信号の受信が容易となり、ロータとリール本体の間に電気的接触部を設ける必要がない。また、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールによれば、ロータとリール本体との間に摩擦抵抗が生じることを避けながら、ロータの位置によらずに常時ベールの動作を電気信号として検出可能することができる。ロータはリール本体に対して任意の角度位置に回転可能であるが、被検出部の内周面に設けられた黒色反射面及び白色反射面は、それぞれ全周360°設けられており、回転に対して対称性がある。また、被検出部の軸方向の移動は、ロータの角度位置の影響を受けない。このため、ロータがどの位置にあっても、ベール動作検出部に対して黒色反射面及び白色反射面の位置関係は同じであるため、常時ベールの動作を検出することができる。
【0035】
また、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールでは、ベールの動作を非接触式検出手段によって検出することができるため、摩耗の影響を避けることができ、ロータの回転動作を妨げることがなく、そして、検出手段の防水を実現しやすいといった効果が得られる。また、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールでは、ベール動作検出部として反射型フォトセンサを用いることで、被検出部の小型化や軽量化を実現することができ、魚釣用リールの大型化や高コスト化を回避することができる。
【0036】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、釣竿に固定可能な魚釣用リールであって、該釣竿の延伸方向に略平行な中心軸回りに釣糸を巻取り可能なスプールと、該釣糸を案内する案内部を有し、該スプールの周囲を回転可能なロータと、該案内部を回転操作する操作部と、該案内部による案内可能・不能状態を切替える切替え部と、該切替え部の操作に応じて、前記のスプールの中心軸方向に移動する被検出部と、該被検出部の移動を検知することで、前記案内部による案内可能・不能状態を検出する検出部と、を備えるように構成される。
【0037】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記切替え部は、ベールアーム部である。
【0038】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記ロータの回転軸を中心軸とする円筒状部材である。
【0039】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記ロータに対して相対移動可能に支持される。
【0040】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記ロータは、前記案内部が案内不能状態の場合、該ロータの回転を抑制する制動部材を有し、該制動部材は、前記被検出部を前記スプールの中心軸方向に移動させる伝達部を有するように構成される。
【0041】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記魚釣用リールのリール本体に対して相対移動可能に支持される。
【0042】
次に、図9(a)、(b)及び(c)を参照して、本発明のその他の実施形態に係る魚釣用リールについて説明する。図9(a)は本発明のその他の実施形態に係る魚釣用リールの分解斜視図を、(b)は本発明のその他の実施形態に係る組立後の魚釣用リールのベールが閉じた状態での断面図を、(c)は本発明のその他の実施形態に係る魚釣用リールのベールが開いた状態での断面図である。
【0043】
本発明のその他の実施形態に係る魚釣用リール100では、被検出部112は略円筒状に構成され、リール本体7に対して軸方向に移動可能(直進可能)に支持される。また、図示しないばねや磁石等の付勢手段により、竿尻方向(図9(b)における下方向)に付勢される。
【0044】
リンク部材111は、ロータ6に対して径方向に直進可能に支持される。図示しないリンク機構やカム機構等で、ベールアーム部5の動作に対して連動しており、リンク部材111は、ベールアーム部5が開いた状態では内周側に突き出し、ベールアーム部5が閉じた状態では外周側に引き込むようにされる。
【0045】
被検出部112の当接部112aは、360°全周に亘る円錐面等の回転体形状であり、ロータ6がどの位置にあっても、リンク部材111と当接可能に構成される。ベールアーム部5が閉じた状態(図9(b))では、被検出部112は、付勢手段の作用により、竿尻方向に移動する。ベールアーム部5が開いた状態(図9(c))では、被検出部112は、内周側に突き出したリンク部材111により、竿先側に移動する。リール本体7に設けたベール動作検出部9により、被検出部112の前後方向の位置を検出することで、ベールアーム部5の状態を判断することができる。なお、ベールアーム動作検出部9は、既述と同様に、フォトセンサや磁気センサ、リミットスイッチ等で実現できる。各センサに応じて、被検出部112には、光学反射面や磁石等の適切な被検出手段を設けるとよい。
【0046】
本発明のその他の実施形態に係る魚釣用リール100では、被検出部112をリール本体7に取り付けることができるため、ロータ6の慣性の増加を抑えることができる。また、案内不能状態において突出部(図示しない)と被検出部材112が接触するため、ロータ6の不意の回転を抑制することができる。
【0047】
本発明のその他の実施形態に係る魚釣用リール100では、案内可能状態において、突出部と被検出部材12は接触しないように構成され、他方で、案内不能状態において、突出部と被検出部材12は接触するように構成される。ロータ6を回転させる必要があるのは当該案内可能状態の場合であるため、上述のように構成することで、ロータ6を回転させる際の摺動抵抗の発生を避けることができる。
【0048】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 魚釣用リール
3 スプール
4 ラインガイド
5 ベールアーム部(ベールアーム)
6 ロータ
7 リール本体
8 ハンドル
9 ベール動作検出部
10 リンク部材
11 キックレバー
12 被検出部(被検出部材)
71 キックレバー摺動部
72 反転用カム
100 魚釣用リール
111 摩擦部
112 被検出部
113 カム部
114 フォロワー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9