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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090846
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】電解水生成装置及び水車型電解槽
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20230101AFI20240627BHJP
【FI】
C02F1/461 A
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206998
(22)【出願日】2022-12-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】592250414
【氏名又は名称】株式会社テックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100154634
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 みさ子
(72)【発明者】
【氏名】中野 由則
【テーマコード(参考)】
4D061
【Fターム(参考)】
4D061DA01
4D061DA03
4D061DB07
4D061DB08
4D061EA02
4D061EB04
4D061EB14
4D061EB37
4D061EB39
4D061EB40
4D061ED12
4D061ED13
4D061GA30
4D061GC12
4D061GC20
(57)【要約】
【課題】 外部電力が不要な電解水生成装置を提供するものである。
【解決手段】本発明は、圧送された供給水の流力によって回転軸を第1の羽根車によって回転させ、回転軸の回転動力を用いて発電する発電部と、発電部で生じた電力を蓄電する蓄電部と、
電解質を溶解させた電解補助液を貯留する電解補助液タンクと、電解補助液を含む電解質水溶液を電気分解して電解水を生成する電解槽と、回転軸の回転動力を用いて回転する回転体を有し、電解補助液を電解槽へ供給する補助液搬送部と、蓄電部に蓄えられた電力を制御して電解槽に電力を供給する制御部と、電解水を排出する排出部とを有することを特徴とする。

【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧送される水を供給水として供給する水供給部と、
電解質を溶解させた電解補助液を貯留する電解補助液タンクと、
電解補助液を含む電解質水溶液を電気分解して電解水を生成する電解槽と、
圧送して供給された供給水の流力によって回転軸を回転させる第1の羽根車と、
前記回転軸の回転動力を用いて回転する回転体を有し、電解補助液を前記電解槽へ供給する補助液搬送部と、
前記回転軸の回転動力を用いて発電する発電部と、
前記発電部で生じた電力を蓄電する蓄電部と、
前記蓄電部に蓄えられた電力を制御して前記電解槽に電力を供給する制御部と、
電解水を排出する排出部と
を有することを特徴とする電解水生成装置。
【請求項2】
前記発電部及び前記補助液搬送部は、
前記回転軸を共有している
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項3】
供給水と、電解水とを混合する混合部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項4】
前記電解槽より供給される濃縮電解水を排出する第1の配管と、
前記電解補助液タンクと前記電解槽とを接続する第2の配管と、
供給水が供給される第3の配管と、
前記排出部に接続する第4の配管とを有し、
前記混合部は、
前記第1の配管と前記第3の配管とが合流して前記第4の配管となる合流部分である
ことを特徴とする請求項3に記載の電解水生成装置。
【請求項5】
前記回転体は、
前記第2の配管上に設置された第2の羽根車である
ことを特徴とする請求項4に記載の電解水生成装置。
【請求項6】
前記回転体は、
補助液搬送部としてのエアポンプを駆動する歯車である
ことを特徴とする請求項4に記載の電解水生成装置。
【請求項7】
前記回転軸は、
前記発電部と電気補助液搬送部との間に、回転動力を切断する動力切断部を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
ユーザの操作に応じて、供給水を前記排出部からそのまま排出する第1のモードと、電解水と供給水とを混合して排出する第2モードとを切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項9】
前記第1の羽根車は、
前記第3の配管上に設置されている
を備えることを特徴とする請求項4に記載の電解水生成装置。
【請求項10】
供給水を通水して排出する第5の配管を有しており、
前記第1の羽根車は、
前記第5の配管上に設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項11】
前記電解槽と前記補助液搬送部とは、
電解槽の一部に第2の羽根車を有する水車型電解槽である
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項12】
前記回転軸は、内部が空洞な管であり、
電解補助液の導入又は濃縮電解水の排出のいずれか一方として機能する
ことを特徴とする請求項11に記載の電解水生成装置。
【請求項13】
前記水車型電解槽は、
中心点を通る放射線に対して傾斜させた状態で突出する羽根が形成されてた羽根板と、
円板状の第1電極とを有しており、
前記回転軸は、
前記第1電極と接合されており、電極の一部として機能する
ことを特徴とする請求項11に記載の電解水生成装置。
【請求項14】
前記羽根付板は、
前記第1電極の外周又は外周近傍から前記平面円板の直径の10~30%の範囲に設けられており、前記放射線に対して回転方向へ向けて一定角度だけ寝かせて傾斜をつけた状態で配置されており、回転に伴い電解補助液を中心へ向けて押し出す
ことを特徴とする請求項13に記載の電解水生成装置。
【請求項15】
前記水車型電解槽は、
厚みのある外側ケース内に、前記羽根板を挟む前記第1電極及び前記第2電極とによって前記第2の羽根車が構成されている
ことを特徴とする請求項13に記載の電解水生成装置。
【請求項16】
前記水車型電解槽は、
中心点を通る放射線に対して傾斜させた状態で突出する羽根が形成された第1電極を有し、
前記回転軸は、
前記第1電極と接合されており、電極の一部として機能する
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項17】
前記第1電極において、外周又は外周近傍から前記第1電極の直径60~90%に前記第1電極板から突出する前記羽根が設けられており、前記放射線に対して回転方向とは反対方向へ傾斜をつけた状態で配置されており、電解補助液を外側へ向けて押し出す
ことを特徴とする請求項16に記載の電解水生成装置。
【請求項18】
前記水車型電解槽は、
厚みのある外側ケース内に、前記羽根板を兼ねる第1電極によって前記第2の羽根車が構成されている
ことを特徴とする請求項16に記載の電解水生成装置。
【請求項19】
前記外側ケースの外周面に形成された排出口と、
前記外側ケースの内周面に形成され、前記排出口より回転進行方向にわずかに先に形成された突出部とを有し、
前記中心軸から電解補助液が供給され、前記排出口から電解水が排出される
ことを特徴とする請求項18に記載の電解水生成装置。
【請求項20】
第1電極及び第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられ、中心点を通る放射線に対して傾斜させた状態で突出する羽根が形成された羽根と、
前記羽根を回転させる回転軸と
を備えることを特徴とする水車型電解槽。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有線の外部電源や、化石燃料を使用する発電機との接続が不要な水力発電を用いた電解水生成装置及び水車型電解槽に対して好適に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来、電解水生成装置として、一つの槽に2つの電極(陽極及び陰極)が設置された1室型の電解槽を有するものが広く知られている。このような電解水生成装置によって生成された電解水は、殺菌力や洗浄力が高いため、清掃や除菌作業などに広く使用されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-162607号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、かかる構成の電解水生成装置では、電力を供給する外部電力が必要とされており、電源のないところでは使用できないという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、外部電力が不要な電解水生成装置及び水車型電解槽を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため、本発明の電解水生成装置は、圧送される水を供給水として供給する水供給部と、
電解質を溶解させた電解補助液を貯留する電解補助液タンクと、
電解補助液を含む電解質水溶液を電気分解して電解水を生成する電解槽と、
前記水供給部から供給された水の流力によって回転軸を回転させる第1の羽根車と、
前記回転軸の回転動力を用いて回転する回転体を有し、電解補助液を前記電解槽へ供給する補助液搬送部と、
前記回転軸の回転動力を用いて発電する発電部と、
前記発電部で生じた電力を蓄電する蓄電部と、
前記蓄電部に蓄えられた電力を制御して前記電解槽に電力を供給する制御部と、
電解水を排出する排出部と
【0007】
第1電極及び第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられ、中心点を通る放射線に対して傾斜させた状態で突出する羽根が形成された羽根と、
前記羽根を回転させる回転軸と
を備えることを特徴とする水車型電解槽。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、簡易な構成で外部電力を使用しないで電解水を生成可能な電解水生成装置及び水車型電解槽を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態における電解水生成装置の構成を示す略線図である。
図2】第2の実施形態における電解水生成装置の構成を示す略線図である。
図3】第3の実施形態における電解水生成装置の構成を示す略線図である。
図4】第4の実施形態における電解水生成装置の構成を示す略線図である。。
図5】第4の実施形態における水車型電解槽の構成を示す略線図である。
図6】第4の実施形態における水車型電解槽の分解図を示す略線図である。
図7】第4の実施形態における水車型電解槽の経路を説明する略線図である。
図8】第5の実施形態における水車型電解槽の分解図を示す略線図である。
図9】第5の実施形態における水車型電解槽の経路を説明する略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0011】
<第1の実施の形態>
図1は、全体として電解水生成装置1を表しており、実線は信号の流れを、破線は水(原水、電解補助液、電解水)の流れを、一点鎖線は電力の流れを示している。
【0012】
なお図示しないが、MPU(Micro processing unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)から構成される制御部11が電解水生成装置1の全体を統括的に制御するようになされている。なお図示しないが、制御部11は、電解槽12、バッテリー19だけでなく、動力接続部18及び開閉弁21についても制御している。
【0013】
電解水生成装置1は、水供給部2から供給される水を使って電解水を生成し、排出部3に対して供給する。水供給部2は、水道や貯水タンクなどであり、水道圧またはポンプや重力を用いて圧力をかけた状態で配管31に水を供給する。排出部3は、シャワーヘッドや噴霧器などであり、配管34から供給される電解水を排出する。なお水供給部2は配管31の端部である供給口31Aに、排水部3は配管34の端部の排出口34Aにそれぞれ接続されている。
【0014】
ユーザの水供給部2に対する操作によって配管31に水が供給されると、配管31上に設置された羽根車15が回転する。
【0015】
発電機16は羽根車15の回転に応じて回転する回転軸15Aを有しており、羽根車15の回転動力に応じて磁石及びコイルによる電磁誘導によって電力を生成し、電力をバッテリー19に供給する。羽根車15は、羽根と羽根をつなぐ回転枠と回転軸を保持する軸受部(図示しない)を有している。羽根車15の構成は特に限定されず、公知のものを適宜利用できる。
【0016】
電解水生成装置1の制御部11は、バッテリー19を監視しており、発電機16から電力が供給されると、電解槽12に対して電力を供給するようバッテリー19を制御する。
【0017】
電解補助液タンク13には、電解補助液として電解質水溶液が入れられている。電解質水溶液としては特に制限がなく、公知の電解質が水溶液の状態で入れられている。例えば、電解質としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、食塩や塩酸、炭酸水素ナトリウムなどの電解質が好適に使用される。2種類以上の電解質を組み合わせることも可能である。
【0018】
電解補助液タンク13は、簡易に交換可能であり、電解補助液タンク13内の電解補助液を変えることにより、電解水生成装置1は酸性電解水を生成したりアルカリ性電解水を生成したりすることができる。電解補助液タンク13が接続された配管32上には、補助液搬送手段としてエアポンプ17が設置されている。
【0019】
エアポンプ17の回転体17Aは、回転軸15Aの回転に応じて回転する回転軸15Bの先端に接続されている。回転軸15A及び15Bの接続部分には、回転軸15Aの回転動力を回転軸15Bに対して接続状態又は断絶状態に遷移させる動力接続部18が設置されている。回転体17Aとしては、例えば歯車や回転力を直線力に変換する装置などである。
【0020】
動力接続部18が断絶状態にあるとき、回転軸15Aの回転動力は回転軸15Bに伝達されない。一方、動力接続部18が接続状態にあるとき、回転軸15Aの回転動力は回転軸15Bに伝達され、回転体17Aが回転する。言い換えると、回転体17Aは、羽根車15と切断可能な状態で回転軸を共有している。
【0021】
エアポンプ17は、電解補助液タンク13と電解槽12とを接続する配管32上に接続されており、回転体17Aの回転に応じて電解補助液タンク13から電解補助液が圧送される。制御部11は、発電機16から供給される電力量に基づいて、エアポンプ17が一定量の電解補助液を供給するよう動力接続部18を制御し、接続状態と断絶状態とをコントロールする。
【0022】
電解槽12は、隔膜を有しない1室型電解槽であり、1室に対電極(陽極と陰極)が設置されている。制御部11は、対電極に対して所定の電流値で電流が流れるようにバッテリー19から供給される電力を制御する。この結果、電解槽12では、電解補助液が電気分解された濃縮電解水が生成される。
【0023】
電解槽12は、底面近傍から電解補助液が供給されており、上部にある排出孔(図示せず)に接続された配管33へ濃縮電解水が供給される。配管33は配管31と合流して配管34となり、排出部3に接続されている。配管33の濃縮電解水は、配管31から供給される水によって希釈されて電解水となり、配管34を介して排出部3に供給される。
【0024】
開閉弁21は、配管33上(配管31との合流手前)に設置されている。排出部3を介して水を排出したい場合、例えばスイッチ(図示せず)に対する操作に応じて開閉弁21が閉められる。このとき、制御部11は、動力接続部18を断絶状態にし、電解槽12に対して電流も流さない。
【0025】
この結果、電解水生成装置1では、水供給部2から供給される水を配管31、配管34を介して排出部3から排出する。このとき、羽根車15が回転し、生成された電力はバッテリー19に蓄電される。
【0026】
すなわち、電解水生成装置1では、スイッチによって切り替えることにより、電解水を供給したり、水をそのまま供給したりすることができる。これにより、例えば、電解水を用いて洗浄後に水で洗い流すなどの作業を行うことが可能となるとともに、水で洗い流す作業の際には蓄電を行うことができる。
【0027】
たとえば、一般家庭や宿泊施設、老人介護施設において、漏電による感電のおそれがあるため、外部電源を有する従来の電解水生成装置の水場での設置は難しい。本発明の電解水生成装置1は、外部電源の接続が不要で、例えばその一式を排出部3としてのシャワーヘッドがつながるシャワーホースと水栓の間に取り付けることが可能である。
【0028】
水栓を開放すると管内の水が流れ水力発電器の羽根車15が回転し発電する。シャワー利用時はシャワーの水流により発電しそれを蓄電器に蓄電する。入浴後、電解水生成装置1の電解水供給開始ボタンを押して水栓を開くと、シャワーヘッドから取水することができる。
【0029】
電解水生成装置1では、小型化が容易であるため、携行型(肩掛け型、腰巻型、背負い型)や移動体(車両、船舶、電車、航空機等)への搭載も可能となる。
【0030】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。図2を用いて説明する第2の実施の形態の電解水生成装置101では、配管135及び136、開閉弁122~124を有している点と、回転体として羽根車117を有している点とが図1に示した第1の実施の形態と相違している。なお、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同一箇所に同一符号を、対応する箇所に100を付した符号を附し、同一箇所についての説明を省略する。
【0031】
図2に示すように、電解水生成装置101では、水供給部2から供給された水をそのまま排出する配管135が設けられている。これにより、羽根車15が設置された配管31の水量を小さくし、羽根車15を小型化することができるとともに、発電に使用しない水を排出部3から排出することが可能となる。
【0032】
また、動力接続部18は設置されておらず、羽根車15の回転に応じて回転軸15A及び15Bは同時に回転する。回転軸15Bの先端、配管32上には羽根車117が設置されている。羽根車117はポンプの役割をし、羽根車117の回転に応じて電解補助液タンク13から電解槽12に対して電解補助液が供給される。すなわち、羽根車117は羽根車15と回転軸を共有している。
【0033】
電解補助液タンク13と電解槽12とを接続する配管32上には、開閉弁124が設置されている。すなわち電解水生成装置101の制御部111は、電解水を供給する際、開閉弁124を開状態にする。この結果、羽根車117の回転により電解補助液タンク13から電解槽12へ電解補助液が供給される。
【0034】
電解水を排出しない場合、制御部111は、開閉弁124を閉状態にする。この結果、羽根車117は空回りするだけであり、電解槽12に対して電解補助液は供給されない。
【0035】
配管136は、水供給部2と電解補助液タンク13とを接続しており、配管136上には開閉弁125が設置されている。電解補助液タンク13の電解補助液が少なくなったとき、ユーザは電解補助液タンクの上側に設置された開閉孔から粉体、錠剤又は液状でなる濃縮電解質を投入し、補助液補充スイッチ(図示しない)を押す。
【0036】
制御部111は、補助液補充スイッチが押されたと認識すると、開閉弁125を一定時間開状態にし、電解補助液タンク13の容量の2/3~9/10程度の容量の水を供給した後、開閉弁125を閉状態にする。この結果、電解補助液タンク13には、適量の電解補助液が補充される。
【0037】
すなわち、電解水生成装置101において、電解水を供給する際、制御部111は、配管31上に配置された開閉弁123と、開閉弁124を開状態にする。この結果、羽根車117によって電解補助液が電解槽12に供給されて濃縮電解水が生成され、配管33を介して配管34へ供給される。
【0038】
このとき水供給部2から供給された水は、配管31を通って羽根車15を回転させ、配管34で濃縮電解水と合流し、電解水として排出部3から供給される。
【0039】
一方、水を供給する際、制御部111は、バッテリー19の残量を確認し、発電すべきと認識した場合には開閉弁122及び開閉弁123を開状態に、開閉弁124を閉状態する。この結果、配管31及び135を介して発電しながら排出部3から水を供給できる。
【0040】
また、水を供給する際、バッテリー19の残量を確認し、発電しないでもよいと認識した場合には開閉弁122を開状態に、開閉弁123及び開閉弁124を閉状態にする。この結果、配管135を介して排出部から水を供給できる。これにより、発電機が無駄に動作せずに済み、発電機としての耐久性を向上させ得る。なお開閉弁122,123は、流量の調整が可能な流量調整バルブである。
【0041】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。図3を用いて説明する第3の実施の形態の電解水生成装置201では、電解槽12に対して水が供給される点と、ドレイン部204を有する点が第2の実施の形態と相違している。なお、第3の実施の形態においては、第1及び第2実施の形態と対応する箇所に同一符号を附し、対応する箇所には200を加算した符号を附し、同一箇所についての説明を省略する。
【0042】
図3に示すように、電解水生成装置201では、水供給部2と電解槽12とを接続する配管236を有しており、配管236上には開閉弁226が設置されている。また、水供給部2と接続する配管31は、濃縮電解水を供給する配管33とは合流せず、水供給部2から供給された水は、配管234を介してそのままドレイン部204から排出される。
【0043】
一方、水供給部2と接続する配管235は、濃縮電解水を供給する配管33と合流し、配管238を介して排出部203から電解水を排出する。
【0044】
したがって、電解水を供給する際、制御部211は、開閉弁124及び226を開状態にする。この結果、排出部203から電解水が、ドレイン部204から水が排出され、バッテリー19に蓄電される。
【0045】
一方、水を供給する際、開閉弁124及び226を閉状態にする。この結果、ドレイン部204から水が排出され、バッテリー19に蓄電される。すなわち、電解水及び水を排出部203から供給する際、ドレイン部204から発電に使用された水が排出される。
【0046】
また、電解槽12には、水供給部2から水が供給され、電解補助液と水との混合水が電気分解され濃縮電解水が生成される。このため、電解補助液の濃度を高くして、電解槽への供給量を少なくすることができ、電解補助液の補充サイクルを長くすることができる。
【0047】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。図4図7を用いて説明する第4の実施の形態の電解水生成装置301では、電解槽と補助液搬送手段とが合体した水車型電解槽312を有する点が第1の実施の形態と相違している。なお、第4の実施の形態においては、第1の形態と対応する箇所に同一符号を附し、同一箇所についての説明を省略する。
【0048】
図4に示す電解水生成装置301では、エアポンプ17の機能と電解槽12の機能とを合体させた水車型電解槽312を有している。
【0049】
図6(A)に示すように、水車型電解槽312は、厚みのあるの内部に外側ケース351の内部に円板である陽極353、羽根355A及び平面リング355Bを有する羽根付板355、平面リング355Bと略同一サイズの平面リングでなる羽根カバー356、円板である陰極354とが収納され、平面形状を有するケース蓋352とによって蓋がされることにより密封されている。
【0050】
すべての部材の中心部には中心孔が形成されており、回転軸15Bの役割を担う中心管357が陽極353にその一端を接合されており、他端は外側ケース351に貫通されて外側に突出し、配管33に接続される。すなわち、中心管357は、電解水排出口としての役割を有するとともに、陽極353と接触しており、電極としての役割も担っている。
【0051】
また、図6(B)に示すように、中心軸358は、陰極354に接合されており、電極及び回転軸としての役割も担っている。水車型電解槽312において、羽根車として陽極353と羽根付板355と羽根カバー356と陰極354とが回転し、外側ケース351、ケース蓋352は回転しない。
【0052】
羽根付板355において、平面リング355Bから突出する羽根355Aは、平面リング355Bの外周又は外周近傍(外周縁から直径の5%以内)から一定幅(電極板353,354の直径の10~30%)に設けられており、中心点を通る仮想の放射線に対して回転方向へ向けて一定角度(例えば20~70°)だけ寝かせて傾斜をつけた状態で配置されており、回転に伴い電解補助液を中心へ向けて押し出すことができる。
【0053】
図6(B)に示すように、外側ケース351と陽極353との間に陽極経路392が、羽根付板355と羽根カバー356との間に羽根経路395が、陽極353と陰極354との間に中心経路396が、陰極354とケース蓋352との間に陰極経路393が形成される。なお、陽極353と陰極354はその役割が逆転しても良い(すなわち陽極353が陰極となり陰極354が陽極となる)。
【0054】
図7に示すように、電解補助液タンク13から供給される電解補助液は、外側ケース351に設けられた導入管359の内部である導入経路391を通って陽極経路392に供給される。この時点で電解補助液に対して電流が流れ、電気分解が開始される。
【0055】
ここで羽根付板355及び羽根カバー356の外径が外側ケース351の内径よりもわずかに小さく、外側経路394が形成されている。陽極経路392の電解補助液は外側経路394から陰極経路393へ拡散し、羽根355Aの回転に応じて羽根経路395から中心経路396へと導入される。
【0056】
中心経路396へ導入された電解補助液は、そのまま中心孔から中心管357内部の排出経路397へと導かれ、濃縮電解水として配管33へ排出される。
【0057】
<第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。図8図9を用いて説明する第5の実施の形態の電解水生成装置401(図示せず)では、羽根板と電極の構造が第4の実施の形態と相違している。なお、第5の実施の形態においては、第4の形態と対応する箇所に同一符号を附し、対応箇所に100を付加した符号を附し、同一箇所についての説明を省略する。
【0058】
図8(A)に示すように、水車型電解槽412では、電解補助液は電解補助液タンク13から中心管457を介して供給され、外側カバー451の円周部分に設けられた排出口461から配管33へ排出される。中心管457は陰極である羽根付板455の中心に接合されている。
【0059】
羽根付板455は、円型の板状部材(平面円板)である電極板455Bから電極板455Bの外周又は外周近傍(外周縁から直径の5%以内)から一定幅(電極板455Bの直径の60~90%)に設けられており、中心点を通る仮想の放射線に対して回転方向とは反対方向へ一定角度(例えば5~50°)だけ寝かせて傾斜をつけた状態で配置されており、羽根455Aの角度と回転に伴う遠心力とを利用して、中心から供給される電解補助液を外側へ向けて、外側経路494へと押し出すことができる。
【0060】
図9(A)に示すように、外側カバー451の外周内側部分、排出口461を回転方向より少し(羽根455Aの外側の間隔の10/1~2/1)先の方向には、突出部451Aが設けられている。突出部451Aの高さは、羽根付板455に接触しないように、羽根455Aの外周と外側カバー451の内周の外側経路494の幅よりもわずかに小さく(当該幅の70~95%)に設定されている。
【0061】
このため、突出部451Aの位置する2つの羽根455A間にある電解補助液は、外側経路を通って隣の羽根455A間へ移動することが制限され、優先的に排出口461のある排出経路497へと導かれる。
【0062】
従って、図9に示すように、導入経路491である中心管457から供給された電解補助液は、回転と遠心力により羽根経路495を外側方向へ進行する。外側経路494へと進み、羽根455Aの回転に伴って排出口461から濃縮電解水として排出され、配管33へ供給される。
【0063】
<動作及び効果>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
【0064】
本発明の電解水生成装置(電解水生成装置1)は、
圧送される水を供給水として供給する(供給口31A)と、
電解質を溶解させた電解補助液を貯留する電解補助液タンク(電解補助液タンク13)と、
電解補助液を含む電解質水溶液を電気分解して電解水を生成する電解槽(電解槽12)と、
前記水供給部から供給された水の流力によって回転軸(回転軸15A)を回転させる第1の羽根車(羽根車15)と、
前記回転軸の回転動力を用いて回転する回転体(回転体17A)を有し、電解補助液を前記電解槽へ供給する補助液搬送部(エアポンプ17)と、
前記回転軸の回転動力を用いて発電する発電部(発電機16)と、
前記発電部で生じた電力を蓄電する蓄電部(バッテリー19)と、
前記蓄電部に蓄えられた電力を制御して前記電解槽に電力を供給する制御部(制御部11)と、
電解水を排出する排出部(排出口34A)とを有することを特徴とする。
【0065】
これにより、電解水生成装置では、水供給部から供給される水の流力によって第1の羽根車を回転させて発電した電力を蓄電しておき、電解槽における電気分解に利用できるとともに、第1の羽根車の回転力を利用して電解補助液タンクから供給される電解補助液を搬送することができるため、外部電力を必要としない。このため、水源だけあれば外部電力なしで電解水を生成し得る電解水生成装置を実現できる。
【0066】
電解水生成装置において、
前記発電部及び前記補助液搬送部は、
前記回転軸(回転軸15A及び15B)を共有していることを特徴とする。
【0067】
これにより、電解水生成装置では、第1の羽根車の回転力をそのまま補助液搬送部の駆動力とすることができ、電解水生成装置の構成を簡易にできる。
【0068】
電解水生成装置において、
供給水と、電解水とを混合する混合部(配管34における配管31と配管33との合流)を有することを特徴とする。
【0069】
これにより、濃縮電解水として生成された電解水を適度な濃度に希釈することができる。
【0070】
電解水生成装置において、
前記電解槽より供給される濃縮電解水を排出する第1の配管(配管33)と、
前記電解補助液タンクと電解槽とを接続する第2の配管(配管32)と、
供給水が供給される第3の配管(配管31)と、
排出部に接続する第4の配管(配管34)とを有し、
前記混合部は、
前記第1の配管と前記第3の配管とが合流して前記第4の配管となる合流部分であることを特徴とする。
【0071】
これにより、混合部を特に設けなくても済み、構成を簡易にできる。
【0072】
電解水生成装置において、前記回転体は、
前記第2の配管上に設置された第2の羽根車(羽根車117)であることを特徴とする。
【0073】
これにより、第1の羽根車の回転力をそのまま使用すれば電解補助液を搬送でき、電解水生成装置の構成を簡易にできる。
【0074】
電解水生成装置において、前記回転体は、
補助液搬送部としてのエアポンプを駆動する歯車であることを特徴とする。
【0075】
これにより、電解水生成装置では、電解質が溶解されているためサビやスケールが生じ易い電解補助液の搬送において、回転体を直接電解補助液に接触させずに済み、サビやスケールの発生を未然に防止し得る。
【0076】
電解水生成装置において、前記回転軸は、
前記発電部と電気補助液搬送部との間に、回転動力を切断する動力切断部(動力切断部18)を有していることを特徴とする。
【0077】
これにより、電解水生成装置では、動力切断部を接続状態又は解除状態に遷移させることにより、電解補助液の供給量を自在に調整できる。
【0078】
電解水生成装置において、前記制御部は、
ユーザの操作に応じて、供給水を前記排出部からそのまま排出する第1のモードと、電解水と供給水とを混合して排出する第2モードとを切り替えることを特徴とする。
【0079】
これにより、電解水生成装置では、水をそのまま排出するための配管を別途設ける必要がなく、配管の工事を簡易にすることができる。
【0080】
電解水生成装置において、前記第1の羽根車は、
前記第3の配管上に設置されていることを特徴とする。
【0081】
これにより、濃縮電解水として生成された電解水を適度な濃度に希釈するための流量が大きい希釈水を使って第1の羽根車を回転させることができる。
【0082】
電解水生成装置において、供給水を通水して排出する第5の配管(配管234)を有しており、
前記第1の羽根車は、
前記第5の配管上に設置されていることを特徴とする。なお図3では記載していないが、第2の実施の形態と同様に流量の調整可能な開閉バルブ122、123を設けて第5の配管への水の流量を調整しても良い。
【0083】
これにより、電解水生成装置は、排水を利用して第1の羽根車を回転させることができ、希釈の比率を自由に変更できる。
【0084】
電解水生成装置において、前記電解槽と前記補助液搬送部とは、
電解槽の一部に第2の羽根車(陽極353と羽根付板355と羽根カバー356と陰極354)を有する水車型電解槽であることを特徴とする。
【0085】
これにより、電解水生成装置では、電解槽内に第2の羽根車を設けることができるため、小型化が可能となる。
【0086】
電解水生成装置において、前記回転軸は、内部が空洞な管であり、
電解補助液の導入又は濃縮電解水の排出のいずれか一方として機能することを特徴とする。
【0087】
これにより、電解水生成装置では、回転軸を配管の一部として使用でき、構成を簡易にできるとともに、中心部への導入又は排出を可能にするため設計の自由度を向上させ得る。
【0088】
電解水生成装置において、前記水車型電解槽は、
中心点を通る放射線に対して傾斜させた状態で突出する羽根が形成されてた羽根板と、
円板状の第1電極とを有しており、
前記回転軸は、
前記第1電極と接合されており、電極の一部として機能することを特徴とする。
【0089】
これにより、電解水生成装置では、回転軸を電極の一部として使用でき、構成を簡易にできる。
【0090】
電解水生成装置において、前記羽根付板は、
前記第1電極の外周又は外周近傍から前記平面円板の直径の10~30%の範囲に設けられており、前記放射線に対して回転方向へ向けて一定角度だけ寝かせて傾斜をつけた状態で配置されており、回転に伴い電解補助液を中心へ向けて押し出すことを特徴とする。
【0091】
これにより、電解水生成装置では、外側から中心へ向けた電解補助液の流れを形成することができ、電気分解した電解水をスムーズに排出できる。
【0092】
電解水生成装置において、前記水車型電解槽は、
厚みのある外側ケース内に、前記羽根板(羽根付板355)を挟む前記第1電極(陽極353)及び前記第2電極(陰極354)によって前記第2の羽根車が構成されていることを特徴とする。
【0093】
これにより、電解槽と第2の羽根車とを組み合わせた水車型電解槽を構成できる。
【0094】
電解水生成装置において、前記水車型電解槽は、
中心点を通る放射線に対して傾斜させた状態で突出する羽根が形成された第1電極を有し、
前記回転軸は、
前記第1電極と接合されており、電極の一部として機能することを特徴とする。
【0095】
これにより、電極までの配線に回転軸を用いることができ、電解槽と第2の羽根車とを組み合わせた水車型電解槽を構成できる。
【0096】
電解水生成装置において、前記第1電極において、外周又は外周近傍から前記第1電極の直径60~90%に前記第1電極板から突出する前記羽根が設けられており、前記放射線に対して回転方向とは反対方向へ傾斜をつけた状態で配置されており、電解補助液を外側へ向けて押し出すことを特徴とする。
【0097】
これにより、遠心力を使って中心から外側へ向けて押し出す流れを形成でき、電気分解した電解水をスムーズに排出できる。
【0098】
前記水車型電解槽は、
厚みのある外側ケース内に、前記羽根板を兼ねる第1電極によって前記第2の羽根車が構成されていることを特徴とする。
【0099】
これにより、羽根板の板部分を電極とすれば良いため、構成を簡易にできる。
【0100】
前記水車型電解槽において、
前記外側ケースの外周面に形成された排出口と、
前記外側ケースの内周面に形成され、前記排出口より回転進行方向にわずかに先に形成された突出部とを有し、
前記中心軸から電解補助液が供給され、前記排出口から電解水が排出されることを特徴とする。
【0101】
これにより、排出口から排出されずに停留する濃縮電解水を減少させ、電解効率を向上させ得る。
【0102】
本発明の水車型電解槽では、
第1電極(陽極353)及び第2電極(陰極354)と、
前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられ、中心点を通る放射線に対して傾斜させた状態で突出する羽根が形成された羽根(羽根355A)と、
前記羽根を回転させる回転軸(中心管357)とを備えることを特徴とする。
【0103】
これにより、補助液搬送手段と電解槽とが一体化された水車型電解槽を形成することができ、別に配置していた補助液搬送手段を省略できるため、電解水生成装置としての構成を簡易にできる。
【0104】
以上説明したように、本発明の電解水生成装置においては、下記のような効果を呈することができる。
1.水力発電器を使用することで、電気分解に要する外部電源が不要となる。
2.水力発電器の回転軸を電解補助液の供給羽根車と共用することで、電解補助液の液送に要する外部電源が不要となる。
3.電解水を使用しないときに使用される水や排水、装置などの循環水の水流を活用することで蓄電し、外部電源を使用せず任意に電解水を生成できる。
4, 目的とする効果(除菌、洗浄、消臭、芳香等)ごとに電解質の成分を調整した錠剤、粉体、アンプル(液体)を水に溶解し装置に取り付けることで、装置一つで様々な電解水を生成することが可能になる。
5, 外部電源が不要なため携行型(肩掛け型、背負い型、腰巻型、カバン型)とし、ホースや高低差を利用した水流供給さえあればその場で電解水が生成可能となる。(キャンプ、農場、被災地、電源確保が難しい地域等)
6, 船などが航行する際に発生する水流も利用可能である。
7, 水場に安全かつ簡単に後付けが可能(一般家庭の浴室、温浴施設、介護施設、プール)
8, 循環水を使用する設備機器(クーリングタワー、プール等)に組み込みが可能。
タイマー等を組み合わせれば浴室床面に自動散水したり、プールの水の殺菌やプール床、農作物への除菌水、畜産農場での殺菌、消臭水の散布、クーリングタワーや循環水。住宅や工場の水道設備や、各種装置などの循環水や排水が流れる配管に本件の水力発電器を取り付けることで発電が可能である。
【0105】
<他の実施の形態>
上述した実施の形態においては、電解補助液タンク13が電解水生成装置1の内部に位置するようにしたが、本発明はこれに限られない。例えば、配管32の先端が電解水生成装置1の外側に設けられ、外部に電解補助液タンク13を接続するようにすることも可能である。これにより、電解補助液タンク13における電解補助液の補充作業を容易にすることができる。
【0106】
上述した第3の実施の形態においては、開閉弁122,123(図2)を有さない場合について述べたが、本発明はこれに限られない。例えば開閉弁122,123を設けた電解水生成装置201Xの場合、制御部211は、バッテリー19を監視し、バッテリー19の充電量が所定の閾値以下となると、充電を開始し、開閉弁122、226を閉状態、開放弁123を開状態にする。これにより、供給されたすべての水を充電に使用できるとともにドレイン部204を固定配管などに接続しておくことにより、電解水生成装置201X使用していないときに充電処理を行うことができる。これにより、使用時に充電がないという事態を未然に防止できる。
【0107】
上述した実施の形態では、中心管357を介して濃縮電解水が排出されたり、回転軸457を介して電解補助液が供給された場合について述べたが、本発明はこれに限られない。例えば回転軸の仮想の延長線上にあり、回転しない中心軸(中心軸358や458)を介して濃縮電解水や電解補助液を給排水しても良い。この場合であっても上述した発明の効果は変わらない。
【0108】
上述した第1~第5の実施の形態の構成は、適宜組み合わせることが可能である。この場合であっても、本発明の効果は変わらない。
【0109】
上述した実施の形態においては、水供給部としての供給口31Aと、電解補助液タンクとしての電解補助液タンク13と、電解槽としての電解槽12と、第1の羽根車としての羽根車15と、回転体としての回転体17Aと、補助液搬送部としてのエアポンプ17と、発電部としての発電機16と、蓄電部としてのバッテリー19と、制御部としての制御部11と、排出部としての排出口34Aとによって電解水生成装置としての電解水生成装置1を構成するようにしたが、本発明はこれに限られない。その他種々の構成による水供給部と、電解補助液タンクと、電解槽、第1の羽根車と、回転体と、補助液搬送部と、発電部と、蓄電部と、制御部と、排出部とによって本発明の電解水生成装置を構成できる。
【0110】
上述した実施の形態においては、第1電極としての陽極353と第2電極としての陰極354と羽根としての羽根355Aと回転軸としての中心管357とによって水車型電解槽としての水車型電解槽312を構成したが、本発明はこれに限られない。その他種々の構成による第1電極と第2電極と羽根と回転軸とによって本発明の水車型電解槽を構成しても良い。なおこの水車型電解槽は、必ずしも上述した発電用の羽根車15と回転軸を共有するタイプの電解水生成装置に使用されなくてもよく、外部電力を使用する電解水生成装置に使用されても良い。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、例えば農場や工場などで使用される携帯型の電解水生成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1:電解水生成装置,2:水供給部,3,203:排出部,11:制御部,12:電解槽,13:電解補助液タンク,15:羽根車,15A:回転軸,15B:回転軸,16:発電機,17:エアポンプ,17A:回転体,18:動力接続部,19:バッテリー,21:開閉弁,31~34,135,136.238,234~236:配管,101:電解水生成装置,111,211,311:制御部,117:羽根車,122~124,226:開閉弁,201:電解水生成装置,204:ドレイン部,301:電解水生成装置,312:水車型電解槽,351:外側ケース,352:ケース蓋,353:陽極,354:陰極,355:羽根付板,355A:羽根,355B:平面リング,356:羽根カバー,357:中心管,358:中心軸,359:導入管,391:導入経路,392:陽極経路,393:陰極経路,394:外側経路,395:羽根経路,396:中心経路,397:排出経路,401:電解水生成装置,412:水車型電解槽,451:外側カバー,451A:突出部,455:羽根付板,455A:羽根,455B:電極板,457:中心管,461:排出口,491:導入経路,494:外側経路,495:羽根経路,497:排出経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧送される水を供給水として供給する水供給部と、
電解質を溶解させた電解補助液を貯留する電解補助液タンクと、
電解補助液を含む電解質水溶液を電気分解して電解水を生成する電解槽と、
圧送して供給された供給水の流力によって回転軸を回転させる第1の羽根車と、
前記回転軸の回転動力を用いて回転する回転体を有し、電解補助液を前記電解槽へ供給する補助液搬送部と、
前記回転軸の回転動力を用いて発電する発電部と、
前記発電部で生じた電力を蓄電する蓄電部と、
前記蓄電部に蓄えられた電力を制御して前記電解槽に電力を供給する制御部と、
電解水を排出する排出部と
を有することを特徴とする電解水生成装置。
【請求項2】
前記発電部及び前記補助液搬送部は、
前記回転軸を共有している
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項3】
供給水と、電解水とを混合する混合部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項4】
前記電解槽より供給される濃縮電解水を排出する第1の配管と、
前記電解補助液タンクと前記電解槽とを接続する第2の配管と、
供給水が供給される第3の配管と、
前記排出部に接続する第4の配管とを有し、
前記混合部は、
前記第1の配管と前記第3の配管とが合流して前記第4の配管となる合流部分である
ことを特徴とする請求項3に記載の電解水生成装置。
【請求項5】
前記回転体は、
前記第2の配管上に設置された第2の羽根車である
ことを特徴とする請求項4に記載の電解水生成装置。
【請求項6】
前記回転体は、
補助液搬送部としてのエアポンプを駆動する歯車である
ことを特徴とする請求項4に記載の電解水生成装置。
【請求項7】
前記回転軸は、
前記発電部と電気補助液搬送部との間に、回転動力を切断する動力切断部を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
ユーザの操作に応じて、供給水を前記排出部からそのまま排出する第1のモードと、電解水と供給水とを混合して排出する第2モードとを切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項9】
前記第1の羽根車は、
前記第3の配管上に設置されている
を備えることを特徴とする請求項4に記載の電解水生成装置。
【請求項10】
供給水を通水して排出する第5の配管を有しており、
前記第1の羽根車は、
前記第5の配管上に設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項11】
前記電解槽と前記補助液搬送部とは、
電解槽の一部に第2の羽根車を有する水車型電解槽である
ことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項12】
前記回転軸は、内部が空洞な管であり、
電解補助液の導入又は濃縮電解水の排出のいずれか一方として機能する
ことを特徴とする請求項11に記載の電解水生成装置。
【請求項13】
前記水車型電解槽は、
中心点を通る放射線に対して傾斜させた状態で突出する羽根が形成されてた羽根板と、
円板状の第1電極とを有しており、
前記回転軸は、
前記第1電極と接合されており、電極の一部として機能する
ことを特徴とする請求項11に記載の電解水生成装置。
【請求項14】
前記羽根付板は、
前記第1電極の外周又は外周近傍から前記平面円板の直径の10~30%の範囲に設けられており、前記放射線に対して回転方向へ向けて一定角度だけ寝かせて傾斜をつけた状態で配置されており、回転に伴い電解補助液を中心へ向けて押し出す
ことを特徴とする請求項13に記載の電解水生成装置。
【請求項15】
前記水車型電解槽は、
厚みのある外側ケース内に、前記羽根板を挟む前記第1電極及び前記第2電極とによって前記第2の羽根車が構成されている
ことを特徴とする請求項13に記載の電解水生成装置。
【請求項16】
前記水車型電解槽は、
中心点を通る放射線に対して傾斜させた状態で突出する羽根が形成された第1電極を有し、
前記回転軸は、
前記第1電極と接合されており、電極の一部として機能する
ことを特徴とする請求項11に記載の電解水生成装置。
【請求項17】
前記第1電極において、外周又は外周近傍から前記第1電極の直径60~90%に前記第1電極板から突出する前記羽根が設けられており、前記放射線に対して回転方向とは反対方向へ傾斜をつけた状態で配置されており、電解補助液を外側へ向けて押し出す
ことを特徴とする請求項16に記載の電解水生成装置。
【請求項18】
前記水車型電解槽は、
厚みのある外側ケース内に、前記羽根板を兼ねる第1電極によって前記第2の羽根車が構成されている
ことを特徴とする請求項16に記載の電解水生成装置。
【請求項19】
前記外側ケースの外周面に形成された排出口と、
前記外側ケースの内周面に形成され、前記排出口より回転進行方向にわずかに先に形成された突出部とを有し、
前記中心軸から電解補助液が供給され、前記排出口から電解水が排出される
ことを特徴とする請求項18に記載の電解水生成装置。