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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090848
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20240627BHJP
   B60N 2/28 20060101ALI20240627BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20240627BHJP
   B60R 22/10 20060101ALI20240627BHJP
   B60R 22/48 20060101ALI20240627BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240627BHJP
   G08B 21/22 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/28
A47C7/62 Z
B60R22/10 105
B60R22/48 105
G08B21/02
G08B21/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207002
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】中村 哲也
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3D018
5C086
【Fターム(参考)】
3B084JC01
3B087CE06
3B087DE08
3D018QA02
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA15
5C086CA25
5C086FA06
5C086FA17
(57)【要約】
【課題】車内に子供がいる旨の報知を適切なタイミングで行う。
【解決手段】画面上の画像または音声の少なくとも一方による報知が可能であるディスプレイユニット20と、子供の身体にベルト11aを装着して子供をチャイルドシート10に拘束するとともに、ベルト11aの着脱状態の情報を取得するチャイルドシート10のシートベルト部11と、ベルト11aの着脱状態に応じてチャイルドシート10上に子供がいるか否かを判定する判定部13と、判定部13の判定結果をディスプレイユニット20に送信する送信部14と、を備え、ディスプレイユニット20は、運転手によりACC電源をOFF状態とする操作が行われた際に、前記ディスプレイユニットの電源をOFFとする前に、ACC電源をOFF状態の検知に応じて、判定部13の判定結果の報知を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内の座席上に、子供が座るチャイルドシートが設けられた車両であって、
画面上の画像または音声の少なくとも一方による報知が可能であるディスプレイユニットと、
前記子供の身体にベルトを装着して前記子供をチャイルドシートに拘束するとともに、ベルトの着脱状態の情報を取得する前記チャイルドシートのシートベルト部と、
前記ベルトの着脱状態に応じて前記チャイルドシート上に子供がいるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果を前記ディスプレイユニットに送信する送信部と、を備え、
前記ディスプレイユニットは、
運転手によりACC電源をOFF状態とする操作が行われた際に、前記ディスプレイユニットの電源をOFFとする前に、ACC電源のOFF状態の検知に応じて、前記判定部の判定結果の報知を行う、
車両。
【請求項2】
前記チャイルドシートに設けられ、前記子供がチャイルドシート上にいるか否かを検知する第1の着座センサーをさらに備え、
前記判定部は、
前記ベルトの着脱状態と、前記第1の着座センサーから取得された状態と、に応じて前記チャイルドシート上に子供がいるか否かを判定する、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
運転席に設けられ、前記運転手が運転席上にいるか否かを検知する第2の着座センサーと、
前記チャイルドシートと、前記ディスプレイユニットと、前記第2の着座センサーへの電力供給状態を制御する電力制御部と、を備え、
前記電力制御部は、
前記運転手がACC電源をOFF状態とする操作を行った場合に、前記第2の着座センサーにより前記運転手が前記運転席から離席したことの検知が可能であり、かつ、前記第2の着座センサーの検知に応じて、前記ディスプレイユニットにより前記判定結果の報知を可能とする電力供給状態の制御を行う、
請求項1又は請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記電力制御部は、
ACC電源がON状態である場合に比べて低電力であり、前記チャイルドシートと、前記ディスプレイユニットと、前記第2の着座センサーが少なくとも動作可能な低電力モードとする制御を行う、
請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記ディスプレイユニットは、
前記第1の着座センサーにより、子供の体がチャイルドシート上にあることが検知され、かつ、シートベルト部のベルトが装着されていないことが検知された場合に、前記ベルトの状態の報知を行う、
請求項2に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乳幼児を搭乗させた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
チャイルドシートを車両に設置して、子供をチャイルドシートに座らせた状態にして車両に搭乗させることが一般的に行われている。また近年では、運転手が車両から降車した際に、運転手の不注意により、車両内に子供が取り残された状態となることが問題となっている。
【0003】
特許文献1には、車両の後座席のシートベルトの装着状態を示す信号を、運転席側の機器に報知する装置が開示されている。これにより、運転手による車両の後座席の状態の見落としを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-088580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シートベルトの装着状態等に基づいて、運転手が降車する際に車内の後座席に子供がいる旨を検知して報知を行う場合、報知のタイミングが早すぎる場合であっても、タイミングが遅すぎる場合であっても、子供の置き去りを防止する効果が減少する。したがって、適切なタイミングで、運転手に対して車内の子供の存在の報知を行いたい要望がある。さらに、車両の後座席に搭乗している子供の検知に際して、検出精度を向上させたいという要望もある。
【0006】
本開示は、車内に子供がいる旨の報知を、適切なタイミングで行うことができる車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる車両は、車内の座席上に、子供が座るチャイルドシートが設けられた車両であって、画面上の画像または音声の少なくとも一方による報知が可能であるディスプレイユニットと、前記子供の身体にベルトを装着して前記子供をチャイルドシートに拘束するとともに、ベルトの着脱状態の情報を取得する前記チャイルドシートのシートベルト部と、前記ベルトの着脱状態に応じて前記チャイルドシート上に子供がいるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果を前記ディスプレイユニットに送信する送信部と、を備え、前記ディスプレイユニットは、運転手によりACC電源をOFF状態とする操作が行われた際に、前記ディスプレイユニットの電源をOFFとする前に、ACC電源のOFF状態の検知に応じて、前記判定部の判定結果の報知を行う。
これにより、運転手の操作に応じたタイミングで、チャイルドシート上にいる子供の有無の判定結果を報知することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示よれば、車内に子供がいる旨の報知を適切なタイミングで行うことができる車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかる車両の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる処理フローを示した図である。
図3】実施の形態2にかかる車両の構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態2にかかる処理フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
以下、図面を参照して本実施の形態に係る車両について説明する。車両1は、チャイルドシート10と、ディスプレイユニット20と、を備える。チャイルドシート10は、シートベルト部11と、第1の着座センサー12と、判定部13と、送信部14と、を備える。ディスプレイユニット20は、受信部21と、報知制御部22と、表示部23と、スピーカー24と、を備える。
【0011】
ここで、車両1は、前座席に運転席が設けられており、後座席にチャイルドシート10が設けられているものとする。さらに、運転席には第2の着座センサー31が設けられているものとして説明する。
【0012】
シートベルト部11は、チャイルドシート10に設けられており、ベルト11aと、スイッチ11bと、を有する。ベルト11aは、チャイルドシート10上に座る子供に装着されることにより、子供の体をチャイルドシート10に拘束する。スイッチ11bは、ベルト11aのロック状態、すなわち子供に対するベルト11aの着脱状態を取得する。スイッチ11bは、ベルト11aの着脱状態の情報を、判定部13に出力する。
【0013】
第1の着座センサー12は、典型的には、チャイルドシート10の座面又は座面の内部に設けられたセンサーである。第1の着座センサー12は、チャイルドシート10上に子供の身体が乗っている状態であるか否かを検知する。例えば、第1の着座センサー12には、圧力センサーを用いることができるが、センサーの種類はこれに限られない。第1の着座センサー12は、子供がチャイルドシート10上にいるか否かの検知した結果の情報を、判定部13に出力する。
【0014】
判定部13は、シートベルト部11のスイッチ11bから入力された、ベルト11aの着脱状態の情報と、第1の着座センサー12から入力された、子供がチャイルドシート10上にいるか否かの検知結果の情報と、に基づいて、後座席にいる子供の状態の判定を行う。
【0015】
例えば判定部13では、表1に示すように、シートベルト部11のスイッチ11bからベルト11aが装着された旨の情報と、第1の着座センサー12により子供がチャイルドシート10上にいる旨の情報と、の少なくとも一方により、子供が後座席にいると判定することが可能である。
【表1】
【0016】
なお表1において、シートベルト部11のロックがされているON状態、かつ、着座センサーがOFF状態は、実際には子供がチャイルドシート10上にいない状態であっても発生することがある。しかしながらここでは、判定部13は、子供の姿勢により着座センサーが正常に動作しない場合を想定して、安全方向で判断することとして、子供がいる旨の判定を行う。
【0017】
なお、判定部13には、例えばCPU(Central Processing Unit)を利用することができる。また判定部13は、判定結果を一時的に記憶することが可能であり、特に、最後に判定した判定結果を保持することができる。なお最後に判定した判定結果にかかる最後とは、車両停車後に搭乗者が座席を離れたときである。そのため判定部13には、メモリや、HHD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の他の電子機器を利用可能である。さらに判定部13は、運転手によりACC電源をOFF状態とする操作がなされた場合には、最後の判定結果を、送信部14を介してディスプレイユニット20に送信することができる。
【0018】
なお車両1には、第1の着座センサー12を設けずに、シートベルト部11でのベルトの着脱情報のみを判定部13に出力して子供がいるか否かの判定を行うことも可能であるが、以下では、車両1にはチャイルドシート10には第1の着座センサー12が設けられているものとして説明する。
【0019】
送信部14は、判定部13による判定結果をディスプレイユニット20の受信部21に向けて送信することにより、ディスプレイユニット20に情報を伝達することができる。ここでは、送信部14は、シートベルト部11のスイッチ11bによるベルト11aの着脱状態の情報と、第1の着座センサー12による検知情報も同時に、ディスプレイユニット20の受信部21に向けて送信することにより、通信を行うものとして説明する。
【0020】
なお、送信部14と後述する受信部21との通信には、Bluetooth(登録商標)による通信を用いることができる。送信部14と受信部21との通信方法はこの方法に限られず他の方法を利用することができ、かつ、有線通信と無線通信のいずれであってもよい。
【0021】
ディスプレイユニット20は、受信部21と、報知制御部22と、表示部23と、スピーカー24と、を有している。ここでディスプレイユニット20は、カーナビゲーション機能を有するAV一体式のカーナビゲーション装置を用いることができる。
【0022】
受信部21は、送信部14から送信された情報を受信する。受信部21により受信された情報は、報知制御部22に出力される。
【0023】
報知制御部22は、受信部21が受信した情報に基づいて、表示部23により表示させる内容や、スピーカー24により発生させる音の制御を行う。また、報知制御部22は、運転手による車両1のアクセサリー電源(以下、ACC電源)のON状態からOFF状態への変更操作の状態を取得し、表示部23やスピーカー24に報知を実行させるように制御することが可能である。
【0024】
報知制御部22には、例えばCPUを利用することができる。また報知制御部22は、判定結果を一時的に記憶することが可能であり、判定部13において最後に判定した判定結果を保持することができる。報知制御部22には、メモリや、HHD、SSD等の他の電子機器を利用可能である。
【0025】
表示部23は、報知制御部22の制御に基づいて、判定部13による判定結果を表示することができるディスプレイである。なお、表示部23では、シートベルト部11のベルト11aの着脱状態の情報と、第1の着座センサー12による検知情報のそれぞれに応じた情報を表示することも可能である。
【0026】
スピーカー24は、報知制御部22の制御に基づいて、判定部13による判定結果を音により出力することができる。なお、スピーカー24では、シートベルト部11のベルト11aの着脱状態の情報と、第1の着座センサー12による検知情報のそれぞれに応じた情報を出力することも可能である。
【0027】
例えば、表示部23及びスピーカー24では、チャイルドシート10上に子供がいるか否かの情報の報知だけでなく、第1の着座センサー12により子供の体がチャイルドシート10上にあることが検知され、かつ、子供にシートベルト部11のベルト11aが装着されていないことを検知された場合に、ベルト11aが装着されていない状態である旨の報知を行うことができる。
【0028】
なお、車両1のACC電源がON状態の場合には、表示部23の画面上に、判定部13による判定結果を常に表示させることができる。
【0029】
次に、図2を参照して、運転手による車両1の運転終了時に、車両1のACC電源がOFF状態とする操作に応じて、後座席に搭乗している子供の検知結果の報知を行う手順について説明する。
【0030】
最初に、車両1は、通常の走行等を行っている状態とする。シートベルト部11のスイッチ11bは、ベルト11aの着脱状態の情報を継続的に取得するとともに、第1の着座センサー12による子供がチャイルドシート10上にいるか否かの検知結果の情報を継続的に取得し、それぞれ判定部13に出力する(ステップS11)。
【0031】
判定部13は、ベルト11aの着脱状態の情報と、第1の着座センサー12による子供がチャイルドシート10上にいるか否かの検知情報と、に基づいて、子供が後座席にいるか否かを判定する(ステップS12)。送信部14は、判定部13の判定結果をディスプレイユニット20の受信部21に向けて送信する。さらに送信部14は、ベルト11aの着脱状態の情報及び第1の着座センサー12からの検知情報を、それぞれ継続的にディスプレイユニット20の受信部21に向けて送信する。
【0032】
報知制御部22は、受信部21で入力された情報に応じて、表示部23及びスピーカー24の動作を制御する(ステップS13)。例えば、表示部23の画面上には、後座席に子供がいる旨の表示や、ベルト11aの着脱状態を表示させることができる。また例えば、スピーカー24では、後座席に子供がいる状態でシートベルト部11のベルト11aが装着されていない場合に、警告の音声を発生させることができる。
【0033】
報知制御部22は、運転手がACC電源をOFF状態にする操作をしたか否かを取得し、判定する(ステップS14)。報知制御部22により、ACC電源はON状態が維持されていると判定された場合には(ステップS14でNo)、ステップS11に戻る。報知制御部22により、運転手がACC電源をOFF状態にする動作を行ったと判定された場合には(ステップS14でYes)、車両1が走行状態から停止した状態になったものとして、ステップS15に進む。
【0034】
報知制御部22は、最後に判定部13から出力された判定結果を確認する(ステップS15)。すなわち、最後に入力された判定結果が、後座席に子供がいる旨の判定結果である場合には(ステップS15でYes)、ステップS16に進む。最後に入力された判定結果が、後座席に子供がいない旨の判定結果である場合には(ステップS15でNo)、ステップS17に進む。
【0035】
報知制御部22は、後座席に子供がいる旨の報知を行うように、表示部23とスピーカー24の動作を制御する(ステップS16)。すなわち、報知制御部22は、ACC電源のOFF状態の検知に応じて報知を行うように、制御を行う。なお、報知制御部22による制御により、表示部23とスピーカー24のいずれか一方のみで報知することとしてもよい。
【0036】
車両1は、ディスプレイユニットの電源をOFF状態にする(ステップS17)。
【0037】
ここで車両の種類によっては、キーを抜き差しできるOFF位置と、一段ひねることでACC電源をON状態にするACC-ON位置と、エンジンON位置と、を設けている場合がある。このような車両において上述の手順によって、運転手によりACC電源をOFF状態とする操作が行われた際に、ディスプレイユニット20の電源をOFFとする前に、ACC電源のOFF状態の検知に応じて、判定部13の判定結果の報知を行うことが可能である。
【0038】
一方で、特に近年の車両では、始動スイッチでブレーキを踏まずにスイッチを押すとACCオンになり、ブレーキを踏んだ状態でスイッチを押すといきなりエンジンがかかる構成のものがある。このような車両では、エンジンを止める動作において、エンジンがOFFで、ACC電源がONという状態は無いが、この場合にも、運転手によりACC電源をOFF状態とする操作が行われた際に、ディスプレイユニット20の電源をOFFとする前に、ACC電源のOFF状態の検知に応じて、判定部13の判定結果の報知を行うことが可能である。
【0039】
これにより、車両1では、走行を停止してACC電源をOFFとする操作が行われた際に、後座席に子供がいる旨の報知を行うことができる。またこのとき、車両1では、シートベルト部11のベルト11aの着脱状態と、第1の着座センサー12の2系列からの入力により、後座席の子供の有無を確認していることから、子供の検出精度が向上し、子供が車内に取り残された状態となる見落としを回避することができる。
【0040】
実施の形態2
実施の形態1では、車両1のACC電源をOFF状態とする操作を基準として、報知を行うことについて説明したが、実施の形態2では、運転席から運転手が離席することを基準とすることについて説明する。
【0041】
図3に示すように、車両2は、チャイルドシート10と、ディスプレイユニット20と、運転席に設けられた第2の着座センサー31と、電力制御部32と、を備える。チャイルドシート10は、シートベルト部11と、第1の着座センサー12と、判定部13と、送信部14と、を備える。ディスプレイユニット20は、受信部21と、報知制御部22と、表示部23と、スピーカー24と、を備える。なお、実施の形態1に示した構成物品と同様の機能を奏する構成物品については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0042】
第2の着座センサー31は、典型的には、前座席である運転席の座面又は座面の内部に設けられたセンサーである。例えば、第2の着座センサー31には、圧力センサーを用いることができるが、センサーの種類はこれに限られない。第2の着座センサー31は、前座席である運転席に運転手が乗っている状態であるか否かを検知し、報知制御部22に出力することができる。
【0043】
電力制御部32は、車両のACC電源の状態を判定するとともに、チャイルドシート10や、ディスプレイユニット20、第2の着座センサー31の状態の制御を行う。例えば、電力制御部32は、車両のACC電源の状態に応じ、かつ、車両1における報知の状態に応じて、車両1のバッテリー(図示せず)から、チャイルドシート10、ディスプレイユニット20、第2の着座センサー31に供給される電力を制御する。すなわち、電力制御部32は、電力モードの制御を行うこととして説明する。
【0044】
ここでは特に、電力モードとは、チャイルドシート10と、ディスプレイユニット20と、第2の着座センサー31への電力供給状態を設定するものであって、ここでは、ONモードと、低電力モードと、OFFモードを設定可能とする。
【0045】
例えば、電力制御部32は、車両1においてACC電源がON状態のときに、チャイルドシート10、ディスプレイユニット20、第2の着座センサー31等における全ての機能を利用可能であるONモードと、ACC電源がOFF状態とする操作が行われた際に、チャイルドシート10の判定部13で判定した判定結果を、第2の着座センサー31の状態に応じて、表示部23やスピーカー24による報知するために必要な機能のみを可能とする低電力モードと、報知に必要な機能の利用も不可となる状態であって電源がシャットダウンされた状態であるOFFモードと、を切り替え制御することができる。
【0046】
特に、低電力モードでは、チャイルドシート10では判定部13において最後に判定された判定結果を送信部14から送信する機能が利用可能であり、第2の着座センサー31では運転手が運転席から離れることを検知可能であり、ディスプレイユニット20では、第2の着座センサーによる運転手の離席の検知を受けて、表示部23やスピーカー24で報知可能であるだけの電力が、夫々に供給されていればよい。
【0047】
図4を参照し、運転席からの運転手の離席に応じて、後座席に搭乗している子供の検知結果の報知を行う手順について説明する。なお、図4の説明では、図2に示した手順に比べて、運転席からの運転手の離席を基準とすること以外については同様であるため、説明を省略することがある。
【0048】
最初に、車両2は通常の走行等を行っている状態とする。シートベルト部11のスイッチ11bはベルト11aの着脱状態の情報を連続的に取得するとともに、第1の着座センサー12による子供がチャイルドシート10上にいるか否かの検知結果の情報を継続的に取得し、それぞれ判定部13に出力する(ステップS21)。
【0049】
判定部13は、ベルト11aの着脱状態の情報と、第1の着座センサー12による子供がチャイルドシート10上にいるか否かの検知情報と、に基づいて、子供が後座席にいるか否かを判定する(ステップS22)。送信部14は、判定部13の判定結果とともに、ベルト11aの着脱状態の情報及び第1の着座センサー12からの検知情報を、それぞれ継続的にディスプレイユニット20の受信部21に向けて出力する。
【0050】
報知制御部22は、受信部21で入力された情報に応じて、表示部23及びスピーカー24の動作を制御する(ステップS23)。
【0051】
次に、車両1を停止状態とし、運転手はACC電源の停止する操作を行う。このとき、電力制御部32は、チャイルドシート10、ディスプレイユニット20、第2の着座センサー31にかかる電力モードを、低電力モードとする(ステップS24)。
【0052】
報知制御部22は、第2の着座センサー31の状態を判定し、運転手が離席したか否かを判定する(ステップS25)。この判定は、運転手がACC電源の停止の操作を行った後、しばらくの間、運転席に座ったままである場合が想定されるために行う判定である。報知制御部22が、第2の着座センサー31により取得された情報に基づいて、運転手が運転席から離席したと判定した場合には(ステップS25でYes)、ステップS26に進む。一方で、報知制御部22が、運転手が運転席に着座していると判定した場合には(ステップS25でNo)、次ステップに進まずに処理を保留する。
【0053】
報知制御部22は、最後に判定部13から出力された判定結果を確認する(ステップS26)。すなわち、最後に入力された判定結果が、後座席に子供がいる旨の判定結果である場合には(ステップS26でYes)、ステップS27に進む。最後に入力された判定結果が、後座席に子供がいない旨の判定結果である場合には(ステップS26でNo)、ステップS28に進む。
【0054】
報知制御部22は、後座席に子供がいる旨の報知を行うように、表示部23とスピーカー24の動作を制御する(ステップS27)。
【0055】
車両1は、ACC電源をOFF状態とする(ステップS28)。ここで、電力制御部32は、チャイルドシート10、ディスプレイユニット20、第2の着座センサー31にかかる電力モードを、夫々に対する電力の供給が停止されたOFFモードとすることができる。
【0056】
これにより車両2では、運転手が運転席から離席した際に、後座席に子供がいる旨の報知を行うことができる。またこのとき、車両2では、シートベルト部11のベルト11aの着脱状態と、第1の着座センサー12の2系列からの入力により、後座席の子供の有無を確認していることから、子供の検出精度が向上し、子供が車内に取り残された状態となる見落としを回避することができる。
【0057】
また例えば、車両2の動力を停止させた後に、搭乗者がしばらく車両内に留まりその後に車両2から離れるような場合に、動力の停止直後に余計な報知が発生することを回避できる。すなわち車両2では、運転手が運転席から離れるときに、適切なタイミングで、後座席に子供がいる旨の注意を促すことができる。
【0058】
また、この実施の形態2についても実施の形態1と同様に、キーを抜き差しできるOFF位置と、一段ひねることでACC電源をON状態にするACC-ON位置と、エンジンON位置を設けている車両と、エンジンを止める動作において、エンジンがOFFで、ACC電源がONという状態となる車両と、のいずれの種類の車両についても実施が可能である。
【0059】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。すなわち上記の記載は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされており、当業者であれば、実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。
【0060】
実施の形態2において、第2の着座センサー31は運転席に設けられているものとして説明したが、これに限られず、助手席に設けておくこととしても良い。この場合には、最後に入力された判定結果が後座席に子供がいる旨の判定結果であって、助手席から搭乗者が離席した際に、報知を行うことができる。
【0061】
また、第2の着座センサー31は、前座席である運転席と助手席の両方、あるいはそれ以外も含めた複数個を設けることもできる。この場合には、複数の第2の着座センサー31の全てから搭乗者が離席した際に、最後に入力された判定結果に基づいて報知を行うことができる。
【0062】
また上述の構成及び動作は、チャイルドシート10が複数である場合にも適用することができる。例えば、複数のチャイルドシート10にそれぞれ子供が座っている場合には、いずれか1以上のチャイルドシート10に子供がいる旨の判定結果に基づいて、報知を行うことができる。
【0063】
また、実施の形態2で示した低電力モードは、チャイルドシート10や、ディスプレイユニット20、第2の着座センサー31の合計の消費電力が、ACC電源がON状態のときにONモードとして動作する際の合計の消費電力に比べて低い電力であればよく、最後の判定結果の報知に必要な動作以外の動作を行うことが可能であってもよい。
【0064】
また、シートベルト部11は、チャイルドシート10に設けられたシートベルトであるものとして説明したが、一般的な車両2に備え付けられている通常のシートベルトであっても良い。
【0065】
また、ディスプレイユニット20は、AV一体式のカーナビゲーション装置であるものとして説明したが、ナビゲーション機能を有していないディスプレイ装置とスピーカーを利用することも可能である。また、ディスプレイユニット20は、表示部23と、スピーカー24の両方を有するものとして記載したが、いずれか一方のみを有することとしても良い。
【0066】
また、チャイルドシート10に設けられた送信部14から情報を送信し、ディスプレイユニット20に設けられた受信部21により情報を受信するものとして説明したが、いずれも互いに情報の送受信を行う送受信部としてもよい。
【0067】
なおステップS25において、運転手がACC電源をOFF状態にする操作を行った場合に、電力モードを低電力モードとするように記載したが、第2の着座センサー31により運転手の離席が検知されるまで、ACC電源がON状態と同様に電力モードをONモードで維持しておくことも可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 車両
2 車両
10 チャイルドシート
11 シートベルト部
11a ベルト
11b スイッチ
12 第1の着座センサー
13 判定部
14 送信部
20 ディスプレイユニット
21 受信部
22 報知制御部
23 表示部
24 スピーカー
31 第2の着座センサー
32 電力制御部
図1
図2
図3
図4