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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009092
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】待機時間調整方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G10L 15/28 20130101AFI20240112BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20240112BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G10L15/28 230K
G10L15/00 200J
G01C21/36
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194704
(22)【出願日】2023-11-15
(62)【分割の表示】P 2020052223の分割
【原出願日】2020-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】暮橋 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】中田 恵吾
(72)【発明者】
【氏名】安原 真也
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 航
(57)【要約】
【課題】運転者の運転負荷が過大となる場合にも、運転操作への注意力を散逸させることなく、当該運転者からのユーザ応答を効率的に取得すること。
【解決手段】運転負荷推定部が、移動体が遭遇している現在の交通シーンに基づいて、運転者の現在の運転負荷を算出するステップと、待機管理部が、上記待機時間を延長するステップと、を有し、上記延長するステップでは、上記待機時間の経過中または満了時に、上記算出した現在の運転負荷が所定のレベル以上であることを検知したときは、上記待機時間を延長する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ応答を待機する待機時間の長さを調整する待機時間調整方法であって、
前記ユーザ応答は、移動体の運転者からの応答であり、
運転負荷推定部が、前記移動体が遭遇している現在の交通シーンに基づいて、前記運転者の現在の運転負荷を算出するステップと、
待機管理部が、前記待機時間を延長するステップと、
を有し、
前記延長するステップでは、前記待機時間の経過中または満了時に、前記算出した現在の前記運転負荷が所定のレベル以上であることを検知したときは、前記待機時間を延長する、
待機時間調整方法。
【請求項2】
前記ユーザ応答は、前記ユーザ応答を取得する装置が前記運転者に向けて出力した発信発話に対する当該運転者の応答である、
請求項1に記載の待機時間調整方法。
【請求項3】
前記ユーザ応答は、前記発信発話に対する前記運転者の応答発話である、
請求項2に記載の待機時間調整方法。
【請求項4】
前記延長するステップでは、前記延長した前記待機時間の経過中または満了時に、現在の前記運転負荷が所定のレベル未満であることを検知したときは、前記延長した前記待機時間の満了時に、前記運転者に対し前記発信発話の内容を思い出させる思い出し発話を出力して、前記待機時間をさらに延長する、
請求項2または3に記載の待機時間調整方法。
【請求項5】
前記延長するステップでは、前記延長を行った回数が所定の回数を超えないことを条件として、前記待機時間を延長する、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の待機時間調整方法。
【請求項6】
ユーザ応答を待機する待機時間の長さを調整する機能を有する装置であって、
前記ユーザ応答は、移動体の運転者からの応答であり、
前記移動体が遭遇している現在の交通シーンに基づいて、前記運転者の現在の運転負荷を算出する運転負荷推定部と、
前記待機時間の長さを設定する待機管理部と、
を有し、
前記待機管理部は、前記待機時間の経過中または満了時に、前記算出した現在の前記運転負荷が所定のレベル以上であることを検知したときは、前記待機時間を延長する、
装置。
【請求項7】
前記装置は、マイク、スピーカ、表示装置、及び又は操作パネルの入出力を処理するユーザインタフェース制御装置である、請求項6に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ応答の待機時間を調整する待機時間調整方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置からユーザに対し質問や確認応答の依頼、情報提供を行う発話を出力した後に、当該ユーザによる発話や機器操作などのユーザ応答を取得する装置が知られている。例えば、音声対話によってユーザ指示を取得する装置では、ユーザから最初に発話される音声指示に対し、当該音声指示を実行するのに必要な動作選択等のユーザ応答を求めて装置から発信発話が出力されることがある。このような装置では、発信発話の出力のあと、ユーザ応答が取得されないまま所定の長さの待機時間が経過すると、上記発信発話に係る動作を途中で中止したり、ユーザに対して応答を督促する発話が出力され得る。
【0003】
しかしながら、発信発話の内容やユーザの状況によっては、どのような応答を行うかの思案に時間を要したり、例えば運転操作のような、優先処理が必要な他の操作を行うために、ユーザが上記ユーザ応答を行うまでに時間を要する場合があり得る。
【0004】
例えば、ユーザが、ナビゲーション装置に対して目的地を指示すべくレストランの検索を指示した後に、ナビゲーション装置からユーザに対し、検索したレストランのリストから特定のレストランの選択を求める発信発話が返され得る。この場合、例えば、リスト中に似たような名前のレストランがあるときや、運転シーンの展開(交差点への接近など)により運転操作への集中が必要になった場合には、ユーザがレストラン選択のためのユーザ応答を行うまでに相応の時間を要することとなる。
【0005】
このような場合に、固定的な待機時間の経過によって督促音声が出力されたりユーザ応答の取得動作が中止されると、ユーザは運転操作への注意力を欠いたり、装置に対し再指示を行う必要が生じ、装置の利便性は低下する。
【0006】
従来、音声対話装置において、作業者の作業負荷の程度を推定し、作業負荷が小さいときは、作業者へ出力する質問音声を、複数の質問応答文又は暗黙的確認を含む質問応答文で構成し、作業負荷が大きいときは、上記質問文を単一文である質問応答文や確認応答文で構成することが知られている(特許文献1)。
【0007】
しかしながら、上記従来の音声対話装置では、作業者の作業負荷が大きくなって質問文への思考が中断されるような場面の対処については考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003-108191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記背景より、移動体の運転者のユーザ応答を取得する際に、当該運転者の運転負荷が過大となる場合にも、運転操作への注意力を散逸させることなく、ユーザ応答を効率的に取得し得る技術の実現が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一の態様は、ユーザ応答を待機する待機時間の長さを調整する待機時間調整方法であって、前記ユーザ応答は、移動体の運転者からの応答であり、運転負荷推定部が、前記移動体が遭遇している現在の交通シーンに基づいて、前記運転者の現在の運転負荷を算出するステップと、待機管理部が、前記待機時間を延長するステップと、を有し、前記延長するステップでは、前記待機時間の経過中または満了時に、前記算出した現在の前記運転負荷が所定のレベル以上であることを検知したときは、前記待機時間を延長する。
本発明の他の態様によると、前記ユーザ応答は、前記ユーザ応答を取得する装置が前記運転者に向けて出力した発信発話に対する当該運転者の応答である。
本発明の他の態様によると、前記ユーザ応答は、前記発信発話に対する前記運転者の応答発話である。
本発明の他の態様によると、前記延長するステップでは、前記延長した前記待機時間の経過中または満了時に、現在の前記運転負荷が所定のレベル未満であることを検知したときは、前記延長した前記待機時間の満了時に、前記運転者に対し前記発信発話の内容を思い出させる思い出し発話を出力して、前記待機時間をさらに延長する。
本発明の他の態様によると、前記延長するステップでは、前記延長を行った回数が所定の回数を超えないことを条件として、前記待機時間を延長する。
本発明の他の態様は、ユーザ応答を待機する待機時間の長さを調整する機能を有する装置であって、前記ユーザ応答は、移動体の運転者からの応答であり、前記移動体が遭遇している現在の交通シーンに基づいて、前記運転者の現在の運転負荷を算出する運転負荷推定部と、前記待機時間の長さを設定する待機管理部と、を有し、前記待機管理部は、前記待機時間の経過中または満了時に、前記算出した現在の前記運転負荷が所定のレベル以上であることを検知したときは、前記待機時間を延長する。
本発明の他の態様によると、上記待機時間の長さを調整する機能を有する装置は、マイク、スピーカ、表示装置、及び又は操作パネルの入出力を処理するユーザインタフェース制御装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、移動体の運転者のユーザ応答を取得する際に、当該運転者の運転負荷が過大となる場合にも、運転操作への注意力を散逸させることなく、ユーザ応答を効率的に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係るUI制御装置の構成を示す図である。
図2図1に示すUI制御装置における待機時間延長動作の一例を示す図である。
図3図1に示すUI制御装置における待機時間延長動作の他の一例を示す図である。
図4図1に示すUI制御装置が実行する待機時間延長処理の手順を示すフロー図である。
図5図1に示すUI制御装置における待機時間延長動作の変形例を示す図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る応答管理装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るユーザインタフェース制御装置の構成を示す図である。このユーザインタフェース制御装置(以下、UI制御装置)100は、移動体である車両102に搭載されている。UI制御装置100は、車載ネットワークバス104を介して通信可能に接続されたナビゲーション装置114およびAV(オーディオビジュアル)出力装置116をクライアントとし、これら装置とユーザとの間の、マイク120、スピーカ122、表示装置124、およびタッチパネル126で構成されるユーザインタフェースを介したインタラクションを仲介する。
【0014】
また、UI制御装置100は、ナビゲーション装置114及び又はAV出力装置116が指示する発信発話を出力した後のユーザ応答の待機時間の長さを、移動体である車両102の運転者の運転負荷に応じて調整する。なお、UI制御装置100に接続される装置は、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116に限らず、ユーザへの発信発話の後にユーザ応答を待機する任意の種類の任意の数の装置であるもものとすることができる。
【0015】
また、UI制御装置100は、車載ネットワークバス104を介して、交通シーン特定装置106、運転者評価装置108、車両情報取得装置110、およびカメラ制御装置112と、通信可能に接続されている。
【0016】
カメラ制御装置112は、車室内カメラ132により、車両102の車室内の画像を撮影する。また、カメラ制御装置112は、例えば車両102の外装に設けられた車外カメラ134により、車両102の外部環境を撮影する。
【0017】
車両情報取得装置110は、センサ群130から車両102の運転操作及び運動状態(又は力学的状態)を検知する。センサ群130には、アクセルペダルセンサ、ブレーキペダルセンサ、ステアリングセンサ、シフトセンサ、方向指示器センサ等の、車両操縦に係る各種の操作器に対するユーザ操作の有無および操作量を取得するセンサが含まれる。また、センサ群130には、3軸加速センサ、ヨーレートセンサ、および速度センサ等の、車両の運動状態又は力学的状態を検知する各種のセンサが含まれ得る。
【0018】
交通シーン特定装置106は、従来技術に従い、車両102が走行する交通環境のシーンである交通シーン(または運転シーン)を特定する。交通シーン特定装置106は、例えば、運転者支援システムの一部として実現されるものとすることができる。
【0019】
具体的には、交通シーン特定装置106は、CPU等のプロセッサで構成されるコンピュータである処理装置170と、記憶装置172と、を備える。特定される交通シーンは、本実施形態では、車両運転時に遭遇する様々な交通場面をカテゴライズしたものであり、例えば、交差点通過、交差点右折、交差点左折、狭路対面走行、前車追い越し、レーン変更、高速道路合流、緊急車両通過、二輪車並走、歩行者混雑、街路渋滞、暴風雨時走行等々の一つ又は複数の組み合わせで表され得る。
【0020】
処理装置170は、例えば、道路地図上における車両102の現在の位置および走行方向、車両102の外部環境における他車両、道路設備(信号灯、道路標識、等)、及び又は天候等の状態に基づいて、車両102が遭遇している現在の交通シーンを特定する。ここで、上記道路地図上の位置および上記外部環境の状態は、例えば、ナビゲーション装置114から、及びカメラ制御装置112を介して車外カメラから、取得されるものとすることができる。
【0021】
処理装置170は、また、特定した交通シーンを評価し、当該交通シーンを標準的な運転者(標準運転者)が走行したならば当該標準運転者が受けるであろう運転負荷を数値で表した標準運転負荷を、算出して出力する。この標準運転負荷は、例えば、運転負荷が高いほど大きな値をとる数値で表現され得る。また、この標準運転負荷は、例えば、上述のようにカテゴライズされた交通シーンごとに予め定められて記憶装置172に記憶されているものとすることができる。交通シーン特定装置106は、記憶装置172を参照し、上記特定した交通シーンについて予め定められた標準運転負荷を読み出して出力することができる。
【0022】
運転者評価装置108は、従来技術に従い、車両102の運転者の運転スキルを評価し、評価結果を記憶する。具体的には、運転者評価装置108は、例えばCPU等のプロセッサで構成されるコンピュータである処理装置174と、記憶装置176と、を備える。処理装置174は、車両102の現在の交通シーンを、交通シーン特定装置106から取得する。そして、処理装置174は、例えば、取得した現在の交通シーンと同様の交通シーンにおいて標準的な運転者が行う標準操縦フローと、車両102の現在の運転者が行った実際の実行操縦フローとを比較して、当該現在の運転者の運転スキルを評価する。
【0023】
これらの操縦フローは、一連の操縦における運転操作の種類、順序、開始タイミング、当該運転操作の速さ、及び又は当該運転操作の操作量の大きさ、等々のパラメータにより表現され得る。処理装置174は、現在の運転者の上記実行操縦フローにおける上記パラメータのそれぞれについて、上記標準操縦フローからの乖離の程度を評価し、当該評価の結果を、運転スキル評価点として記憶装置176に記憶する。この運転スキル評価点は、例えば、値1を上限として、運転スキルが低いほど(すなわち、上記乖離の程度が大きいほど)、より小さな値となるように算出され得る。
【0024】
ここで、上記実行操縦フローを構成する各パラメータ値は、車両情報取得装置110から取得されるものとすることができる。また、上記標準操縦フローについての各パラメータ値は、交通シーン毎に、予め定められて記憶装置176に記憶されているものとすることができる。
【0025】
処理装置174は、所定の時間間隔で(例えば、半年毎に)、所定長さの運転期間(例えば、3か月間)における運転操作のデータに基づき、上記運転スキル評価点を算出するものとすることができる。また、処理装置174は、例えば、車両102が複数のユーザにより利用される場合には、上記運転スキル評価点をユーザ毎に算出して、記憶装置176に記憶する。車両102の現在の運転者がいずれのユーザであるかは、従来技術に従い、例えば各ユーザが用いるスマートキーや携帯端末から取得されるID情報、あるいは車室内カメラ132から取得される運転者の顔画像を用いた認証処理等により、特定され得る。
【0026】
ナビゲーション装置114は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである処理装置を備え、従来技術に従って経路案内を行う。すなわち、ナビゲーション装置114は、GPS受信装置(不図示)から受信される情報から車両102の現在位置を特定し、運転者が指定する目的地までの経路を探索して経路案内を行う。
【0027】
運転者は、目的地等の情報の入力および経路探索の指示等を、例えばマイク120を介した音声指示により行う。ナビゲーション装置114は、UI制御装置100を介して上記音声指示の音声認識結果を受信し、当該音声指示が指定する動作を実行する。また、ナビゲーション装置114は、車両102の現在位置及びまたは上記探索した経路を示す地図情報を、UI制御装置100を介して表示装置124に表示する。
【0028】
ここで、ナビゲーション装置114は、従来技術に従い、運転者との複数回のインタラクションを通じて目的地を設定し得る。例えば、ナビゲーション装置114は、運転者からの経路探索指示を、当該運転者からのマイク120を介した音声指示または表示装置124が備えるタッチパネルを介した指示入力により受信する。ナビゲーション装置114は、経路探索指示を受信したことに応じて、「目的地を指示してください」等の発信発話をUI制御装置100に指示し得る。その後、運転者から「近くのコンビニ」等の応答発話があると、ナビゲーション装置114は、UI制御装置100を介して、この応答発話を受信する。
【0029】
次に、ナビゲーション装置114は、現在位置周辺のコンビニを、例えば記憶装置(不図示)が記憶する地図情報から検索し、周辺のコンビニ店のリストを表示装置124に表示して、「リストからコンビニ店を選択してください」等の発信発話をUI制御装置100に指示する。そして、ナビゲーション装置114は、運転者の選択結果を、応答音声または表示装置124のタッチパネルを介した入力として受信する。応答音声は、たとえば、上記リストにおける行番号を示す「ナンバー3」等の発話であるものとすることができる。特に、本実施形態では、ナビゲーション装置114は、発信発話に対するユーザからの応答音声やタッチパネルへの入力を、UI制御装置100の管理の下に待機する。
【0030】
AV出力装置116は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである処理装置を備え、従来技術に従い、楽曲や動画の再生を行うと共に、ウェブブラウザを備えて、現在ユーザに対し情報検索及び又は情報閲覧の機能を提供する。
【0031】
AV出力装置116は、ナビゲーション装置114と同様に、UI制御装置100を介して運転者とのインタラクションを行う。例えば、運転者は、楽曲や動画の再生の指示、あるいは情報検索等の指示を、マイク120を介した音声指示により行うことができる。AV出力装置116は、UI制御装置100を介して上記音声指示の音声認識結果を受信し、当該音声指示が指定する動作を実行する。また、AV出力装置116は、UI制御装置100を介して、再生した音声や動画をスピーカ122や表示装置124に出力し、及び又は検索した情報を表示装置124に表示する。
【0032】
また、AV出力装置116は、ナビゲーション装置114と同様に、従来技術に従い、運転者との複数回のインタラクションを通じて一つの指示を取得し得る。例えば、AV出力装置116は、運転者から、特定のアーティストの曲の再生を指示する「***の曲を再生して」(***はアーディスト名)という音声指示を受信する。AV出力装置116は、当該指示に応じて、対応するアーティストの曲を、例えば記憶装置(不図示)が記憶する楽曲の中から検索し、そのリストを表示装置124に表示して、「再生する曲を選択してください」等の発信発話を、UI制御装置100に指示する。そして、AV出力装置116は、運転者の選択結果を、応答音声または表示装置124のタッチパネルを介した入力として受信する。特に、本実施形態では、AV出力装置116は、ナビゲーション装置114と同様に、発信発話に対するユーザからの応答音声やタッチパネルへの入力を、UI制御装置100の管理の下に待機する。
【0033】
UI制御装置100は、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116と運転者との間に入ってユーザ応答を取得するホストとして動作する。すなわち、UI制御装置100は、クライアント装置であるナビゲーション装置114およびAV出力装置116からの指示により運転者へ発信発話を出力すると共に、当該出力した発信発話に対する運転者からのユーザ応答を取得する。特に、UI制御装置100は、発信発話を出力したあとの、ユーザ応答を取得するための待機時間を管理する。なお、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116から指示された発信発話がユーザ応答を必要とするものであるか否かは、当該発信発話の指示と共にナビゲーション装置114およびAV出力装置116が指定し得る。
【0034】
具体的には、UI制御装置100は、処理装置140と、記憶装置142と、を備える。記憶装置142は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。
【0035】
処理装置140は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置140は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置140は、機能要素又は機能ユニットとして、UI(ユーザインタフェース)制御部144と、応答管理部146と、を備える。UI制御部144は、機能要素又は機能ユニットである発話出力部150と、音声認識部152と、表示制御部154と、入力処理部156と、で構成される。また。応答管理部146は、機能要素又は機能ユニットである運転負荷推定部160と待機管理部162とで構成されている。
【0036】
処理装置140が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置140がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置140が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0037】
UI制御部144は、ユーザインタフェースであるマイク120、スピーカ122、表示装置124、及びタッチパネル126を制御して、クライアント装置であるナビゲーション装置114及びAV出力装置116とユーザとの間の、指示及び又はデータの授受を仲介する。特に、UI制御部144は、ユーザと音声対話を行う機能を有し、ユーザからの音声指示およびタッチパネル126を介した指示入力を取得する。
【0038】
発話出力部150は、クライアント装置であるナビゲーション装置114およびAV出力装置116からの指示により、運転者への発信発話をスピーカ122から出力する。音声認識部152は、従来技術に従い、運転者からの発話をマイク120により取得し、取得した発話の音声認識処理を行って、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116へ出力する。これに代えて、音声認識部152は、従来技術に従い、音声認識処理結果の意味解析を更に行い、その解析結果をナビゲーション装置114およびAV出力装置116へ出力してもよい。
【0039】
表示制御部154は、表示装置124を制御して、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116が指示する画像又は映像を出力する。また、入力処理部156は、従来技術に従い、操作パネルである例えばタッチパネル126から運転者の入力を取得し、当該取得した入力の処理結果を、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116へ出力する。
【0040】
応答管理部146は、UI制御部144が運転者に対し発信発話を出力したあとの、ユーザ応答のための待機時間を管理する。特に、応答管理部146は、運転者の現在の運転負荷に応じて、上記待機時間を調整する。
【0041】
運転負荷推定部160は、運転者の現在の運転負荷を推定する。運転負荷推定部160は、車両102が遭遇している現在の交通シーンと、現在の運転者の運転技量の程度と、に基づいて、当該運転者の現在の運転負荷を算出する。具体的には、運転負荷推定部160は、車両102が遭遇している現在の交通シーンに基づく標準的な運転者の標準運転負荷を、交通シーン特定装置106から、所定の時間間隔で繰り返し取得する。上記所定の時間間隔は、例えば交通シーン特定装置106が現在の交通シーンを特定する時間間隔と同じであるものとすることができる。また、運転負荷推定部160は、車両102の現在の運転者の運転技量を表す運転スキル評価点を、運転者評価装置108から取得する。
【0042】
そして、運転負荷推定部160は、交通シーン特定装置106から標準運転負荷を取得する毎に、当該取得した標準運転負荷と、運転スキル評価点と、を用いて運転者の現在の運転負荷である現在運転負荷を算出する。例えば、運転負荷推定部160は、運転負荷が大きいほど大きな値をとる標準運転負荷を、運転スキルが低いほど値の小さい運転スキル評価点で除算することにより、運転者の現在の運転負荷量を算出する。
【0043】
すなわち、上記現在の運転負荷量は、現在の運転者の運転スキルが低いほど、標準運転負荷に比べて大きな値となるように算出される。同じ交通シーンであっても、運転スキルの低い運転者は、運転スキルの高い運転者に比べて運転負荷がより高くなると考えられるためである。
【0044】
そして、運転負荷推定部160は、上記算出した運転負荷量に基づき、現在の運転者の現在運転負荷を、例えば5段階の負荷レベルとして算出する。この負荷レベルは、運転負荷量の範囲を段階的に示したものであり、例えば、レベル5が最も大きな運転負荷範囲を示し、レベル1が最も小さい運転負荷範囲を示す。
【0045】
待機管理部162は、発話出力部150が、ユーザ応答を必要とする発信発話を出力した後の、ユーザ応答を待機する待機時間を設定する。特に、待機管理部162は、待機時間を予め定められた時間に設定したのち、上記算出した現在運転負荷が所定のレベル以上であるときに、上記待機時間を延長する。
【0046】
具体的には、待機管理部162は、発信発話が出力されたときに、上記待機時間を、予め定められたデフォルト値Δtdefに設定する。その後、待機管理部162は、現在設定している待機時間の経過中または満了時に、現在運転負荷を所定の閾値レベルと比較し、現在運転負荷が所定の閾値レベル以上であるときは、上記待機時間を所定の時間Δtextだけ延長する。
【0047】
図2は、待機管理部162が行う、ユーザ応答のための待機時間延長動作の一例を示す図である。図示縦軸は運転負荷を示し、図示横軸は時間を示している。図示上部の下向き太線矢印の列は、現在運転負荷が繰り返し算出されるタイミングを表している。図示の例では、所定の時間間隔Δtcで、現在運転負荷が繰り返し算出されている。このΔtcは、例えば交通シーン特定装置106における交通シーン検知の繰返し周期に等しい。
【0048】
ライン200は、現在運転負荷の時間推移を表している。ライン200は、例えば、車両102が、直線道路を走行して交差点にさしかかり、当該交差点を左折して走行を続ける場合の現在運転負荷の時間変化を表している。ライン200の、時刻t101を含む図示左のレベル1の範囲は、直線道路を走行する際の現在運転負荷を示し、その後の時刻t102からt104におけるレベル4の範囲は、交差点を走行する際の現在運転負荷を示している。また、時刻t104からt105におけるレベル3の範囲は、交差点を左折して新たな道路へ進入する際の現在運転負荷を示し、時刻t105以降のレベル1の範囲は、左折後の新たな道路を直線走行する際の現在運転負荷を示している。
【0049】
図2において、まず、時刻t100において発信発話が出力される。これにより、待機管理部162は、待機時間をデフォルト値Δtdefに設定する。その後、待機管理部162は、現在設定されている待機時間が満了する時刻t103において、取得した現在運転負荷と、予め定められた閾値レベル202(図示破線)とを比較する。図示の例では、閾値レベル202は、レベル2とレベル3の中間に設定されている。
【0050】
時刻t103において、ライン200が示すレベル4の現在運転負荷は、閾値レベル202を超えていることから、待機管理部162は、待機時間を所定時間Δtextだけ延長する。その後、待機管理部162は、延長した待機時間が満了する時刻t106に、再び、その直前の時刻t105で取得した現在運転負荷と、閾値レベル202とを比較する。ここでは、上記取得した現在運転負荷であるレベル1は閾値レベル202より低いことから、待機管理部162は、所定時間Δtextを用いた延長を終了し、最後に待機時間を所定時間Δtdefだけ延長する。このとき、動作管理部164は、発話出力部150に対し、リマインダ発話を出力するよう指示する。このリマインダ発話は、その前の(時刻t100で行った)発信発話の内容を運転者に思い出させる思い出し発話であり、例えば、当該発信発話の文言の一部を含む発話であり得る。
【0051】
そして、待機管理部162は、延長した待機時間が満了する時刻t108までに、運転者の応答動作(本実施形態では、応答発話またはタッチパネル126への入力)がなければ、時刻t100での発信発話を指示したクライアント装置(本実施形態では、ナビゲーション装置114またはAV出力装置116)へ関連動作の中止を指示して、待機時間を終了する。
【0052】
なお、上記の動作では、現在運転負荷が閾値レベル202を下回って減少する際の、現在運転負荷と閾値レベル202との比較が、当該減少の直前で行われるか直後に行われるかで、当該減少後の待機時間の長さは最大Δtextだけ異なるものとなる。例えば、図1の例において、仮に、現在運転負荷がレベル3からレベル1へ変化する時刻t105の直前に現在運転負荷と閾値レベル202との比較が行われる場合には(すなわち、時刻t106がt105より先に到来する場合には)、待機時間は更にΔtextだけ延長されることとなる。
【0053】
この場合、値Δtextがあまり大きいと、上記比較の実行が時刻t105の直前か直後かの僅かなタイミングの違いで、その後の待機時間に大きな差を生じることとなり、運転者において違和感を生じさせる結果となり得る。このため、Δtextは、例えば、交通シーン特定装置106における交通シーン検知の繰返し周期Δtcに1秒程度の処理時間を加えた値にすることが好ましい。
【0054】
図3は、待機管理部162が行う、ユーザ応答のための待機時間延長動作の他の一例を示す図である。図示の縦軸、横軸、閾値レベル202、および図示上部の太線矢印の列は、図2と同様である。
【0055】
ライン300は、現在運転負荷の時間推移である。ライン300は、例えば、車両102が、直線道路を走行して交差点にさしかかったのち、交差点付近で緊急車両が通過し、その後、当該交差点を左折して走行を続ける場合の、現在運転負荷の時間変化を表している。ライン300の、時刻t201を含む図示左のレベル1の範囲は、直線道路走行時の現在運転負荷を示し、その後の時刻t202からt204におけるレベル4の範囲は交差点への進入時の現在運転負荷を示している。
【0056】
また、時刻t204からt207おけるレベル5の範囲は、交差点における緊急車両の通過時の現在運転負荷を示している。さらに、時刻t207からt208のレベル3の範囲は、交差点を左折して新たな道路へ進入する際の現在運転負荷を示し、時刻t208以降のレベル1の範囲は、左折後の新たな道路を直線走行する際の現在運転負荷を示している。
【0057】
待機管理部162は、時刻t200における発信発話の出力に応じて、待機時間をデフォルト値Δtdefに設定する。その後、待機管理部162は、上述した図2における動作と同様に、設定した待機時間が完了する時刻t203、t206、t209のそれぞれにおいて、現在運転負荷と閾値レベル202とを比較する。これにより、待機管理部162は、現在運転負荷が閾値レベル202より高い時刻t203およびt206において、待機時間を、所定時間Δtext分延長する。また、待機管理部162は、現在運転負荷が閾値レベル202を下回った時刻t209において、リマインダ発話を発話出力部150に指示すると共に、待機時間をデフォルト値Δtdefだけ延長する。そして、待機時間が満了する時刻t211に、当該待機時間を終了する。
【0058】
なお、図2図3に示す例は、待機時間の終了までユーザ応答が受信されない場合の例である。図2図3において、待機時間が終了する時刻t108、t211までに、UI制御部144がユーザ応答を受信したときは、当該受信のときに待機時間が終了する。
【0059】
上記の構成を有するUI制御装置100は、車両102の運転者に発信発話を出力した後の、当該運転者からユーザ応答を取得するための待機時間を、運転者の現在の運転負荷に基づいて延長する。これにより、UI制御装置100では、運転負荷の状況に応じて、運転者がユーザ応答を行うための時間的余裕が確保されるので、運転者の運転負荷が過大となる場合にも、運転操作への注意力を散逸させることなく、且つユーザ応答を要するクライアント装置の動作を固定的な待機時間で中止させることなく、ユーザ応答を効率的に取得することができる。
【0060】
例えば、具体的な動作指示を確定するまでに複数回の応答発話を必要とするような音声対話指示において、対話途中で運転負荷が増大するような場合であっても、それまでの対話の状態を維持しつつ(すなわち、クライアント装置の動作を中止させることなく)、その後の交通シーンの展開によって運転負荷が減少したタイミングで、運転者がユーザ応答を行えるようにすることができる。
【0061】
次に、UI制御装置100の応答管理部146が行う待機時間延長処理について説明する。図4は、待機時間延長処理の手順を示すフロー図である。この処理は、クライアント装置であるナビゲーション装置114又はAV出力装置116のいずれかからの指示に基づき、UI制御部144の発話出力部150から、ユーザ応答を必要とする発信発話が運転者に対して出力されたことに応じて開始する。
【0062】
なお、図4に示す処理と並行して、応答管理部146の運転負荷推定部160は、所定の時間間隔で、現在運転負荷を算出するものとする。また、UI制御装置100のUI制御部144は、図4に示す処理と並行して、運転者からユーザ応答があったときは、当該ユーザ応答についての処理結果を、クライアント装置であるナビゲーション装置114又はAV出力装置116へ送信するものとする。ユーザ応答は、本実施形態では、運転者からの応答音声またはタッチパネル126を介した運転者からの入力である。UI制御部144は、入力処理部156及び音声認識部152により、上記入力があればその入力処理の結果、及び又は上記応答発話があればその音声認識処理の結果(及び又は意味解析処理の結果)を、上記クライアント装置へ送信する。
【0063】
また、本実施形態では、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116は、UI制御装置100のUI制御部144から、自身への有効なユーザ応答を受信したときは、ユーザ応答を受信した旨の応答受信通知を、車載ネットワークバス104へ送信する。この送信は、例えば、受信装置を指定しないブロードキャスト通信であり得る。
【0064】
図4の処理を開始すると、応答管理部146の待機管理部162は、待機時間を最初のデフォルト値Δtdefから延長したか否かを示すフラグFを0にリセットする(S100)。そして、待機管理部162は、待機時間を、まず、デフォルト値Δtdefに設定したのち(S102)、運転者への発進発話の出力後の経過時間の計測を開始する(S104)。これにより、ユーザ応答を取得するための待機時間が開始される。
【0065】
次に、待機管理部162は、ユーザ応答があったか否かを判断する(S106)。ユーザ応答があったか否かは、例えば、ナビゲーション装置114またはAV出力装置116から応答受信通知を受信したか否かにより判断することができる。
【0066】
そして、待機管理部162は、ユーザ応答があったときは(S106、YES)、本処理を終了する。一方、ユーザ応答がないときは(S106、NO)、待機管理部162は、ステップS104により開始した経過時間を参照し、現在設定されている待機時間が満了したか否かを判断する(S108)。そして、満了していないときは(S108、NO)、ステップS106に戻って処理を繰り返す。
【0067】
一方、待機時間が満了したときは(S108、YES)、待機管理部162は、運転負荷推定部160が算出した最新の現在運転負荷を取得する(S110)。続いて、待機管理部162は、取得した現在運転負荷が、所定の閾値レベルを超えているか否かを判断する(S112)。そして、現在運転負荷が閾値を超えているときは(S112、YES)、待機管理部162は、待機時間を所定値Δtext分延長する(S118)。続いて、待機管理部162は、フラグFを1にセットしたのち(S120)、ステップS106に戻って処理を繰り返す。
【0068】
一方、ステップS112において現在運転負荷が閾値レベルを超えていないときは(S112、NO)、待機管理部162は、フラグFextが1にセットされているか否かを判断する(S114)。
【0069】
そして、フラグFextが1にセットされているとき(すなわち、待機時間が少なくとも1回延長されているとき)は(S114、YES)、待機管理部162は、現在待機しているユーザ応答を運転者に思い出させるためのリマインダ発話を、発話出力部150に指示してスピーカ122から出力する(S122)。
【0070】
続いて、待機管理部162は、待機時間を更にデフォルト値Δtdef分延長して(S124)、運転者が上記リマインダ発話に応じてユーザ応答を返す時間を確保する。次に、待機管理部162は、運転者からユーザ応答があったか否かを判断する(S126)。この判断は、ステップS106と同様に行うことができる。
【0071】
そして、待機管理部162は、ユーザ応答があったときは(S126、YES)、本処理を終了する。一方、ユーザ応答がないときは(S126、NO)、待機管理部162は、待機時間が満了したか否かを判断する(S128)。そして、待機時間が満了したときは(S128、YES)、待機管理部162は、待機時間を終了したのち(S130)、本処理を終了する。
【0072】
待機管理部162は、ステップS130において待機時間を終了するときは、その旨を示す待機終了通知を、現在のクライアント装置であるナビゲーション装置114又はAV出力装置116へ送信する。待機終了通知を受信した現在のクライアント装置は、当該待機に係る動作を中止する。ここで、当該待機に係る動作とは、図4の動作フローの開始トリガとなった、ユーザ応答を必要とする発信発話に係る動作である。当該動作は、例えば、ナビゲーション装置114の場合には経路探索のための目的地についてのユーザ応答の取得動作、AV出力装置116の場合には再生すべき楽曲名についてのユーザ応答の取得動作であり得る。
【0073】
一方、ステップS128において待機時間が満了していないときは(S128、NO)、待機管理部162は、ステップS126へ戻って処理を繰り返す。
【0074】
また一方、ステップS114においてフラグFextが1にセットされていないときは(S114、NO)、待機管理部162は、リマインダ発話を行うことなく、待機時間を終了する(S116)。フラグFextが1にセットされていないとき、すなわちフラグFextが0にリセットされたままであるときは、待機時間は一度も延長されておらず、最初のデフォルト値Δtdefの期間のみで終了するので、運転者にリマインダ発話を出力する必要はないためである。
【0075】
また、待機管理部162は、ステップS116において待機時間を終了するときは、ステップS130と同様に、待機時間が終了したことを示す待機終了通知を、現在のクライアント装置であるナビゲーション装置114又はAV出力装置116へ送信する。
【0076】
なお、上述した第1の実施形態では、図2および図3に示すように、待機管理部162は、運転負荷推定部160から次の現在運転負荷を取得するまで、直前に取得した現在運転負荷のレベルが継続するものとして、待機時間の延長処理を行う。ただし、待機時間の延長処理の態様は、これには限られない。第1の実施形態の変形例として、例えば、現在運転負荷のレベルは、算出時のレベルを起点として時間と共に減少するものとして、待機時間の延長処理を行うものとすることができる。
【0077】
図5は、UI制御装置100における待機時間延長動作の変形例を示す図であり、上記のように現在運転負荷のレベルが時間と共に減少するものとした場合の、待機時間延長動作の一例を示す図である。
【0078】
図5において、図示の縦軸、横軸、閾値レベル202、および図示上部の太線矢印の列は、図3と同様である。ライン500は、図3に示すライン300と同様の、交差点付近で緊急車両が通過する場合の、現在運転負荷の時間変化を表している。図5には、参考として、図3のライン300と同じラインが一点鎖線で示されている。
【0079】
図5に示す例では、ライン500が示す現在運転負荷は、算出時のレベルを起点として一定の減衰率で減少する直線に沿って時間と共に減少する。ただし、上記一定の減衰率で減少する直線が示す運転負荷に比べて、次に算出された現在運転負荷のレベルが大きいときは、現在運転負荷は、当該次に算出された現在運転負荷のレベルまで上昇した後、当該レベルを起点として上記一定の減衰率で時間と共に直線的に減少する。時間と共に減少するこの現在運転負荷は、待機管理部162が、運転負荷推定部160から所定の時間間隔で取得される現在運転負荷に基づいて算出するものとしてもよいし、運転負荷推定部160自身が算出するものとしてもよい。
【0080】
ライン500が示す現在運転負荷は、具体的には、時刻t202においてレベル1からレベル4に上昇した後、当該時刻t202のレベル4を起点とする直線502-1(図示二点鎖線)に沿って一定の減衰率で減少する。その後、時刻t204において、緊急車両の通過という新たな交通シーンに基づき、直線502-1が示すレベルよりも大きなレベル5の運転負荷が算出されると、ライン500が示す現在運転負荷は、当該レベル5まで上昇したのち、再び一定の減衰率で減少する直線502-2に沿って減少する。同様に、時刻t205においても、時刻t204から継続する緊急車両の通過に基づいて、直線502-2より高いレベル5の運転負荷が再度算出されることから、ライン500が示す現在運転負荷は、時刻t205において当該レベル5まで再度上昇したのち、直線502-3に沿って一定の減衰率で減少していく。
【0081】
これに対し、待機管理部162は、発信発話が出力された時刻t200の後、待機時間をΔtdefに設定したのち、現在運転負荷が閾値レベル202を超えている間は、待機時間が満了する毎に当該待機時間をΔtext分延長する。そして、現在運転負荷が閾値レベル202を下回ったあとの待機時間の満了時刻t212に、リマインダ発話を指示すると共に、当該待機時間を更にデフォルト値Δtdef分延長する。そして、当該延長した待機時間が満了する時刻t214に、当該待機時間を終了する。
【0082】
一般に、運転者は、運転負荷を増加させるような交通シーンが出現して緊張感が高まったあとは、そのすぐ後に運転負荷のより少ない新たな交通シーンが出現しても、上記高まった緊張感のため、体感される運転負荷は急激には減少しない。
【0083】
図5のライン500により示す変形例では、現在運転負荷は、より高いレベルへと上昇した運転負荷のレベルを起点として、時間と共に一定の減衰率で減少していく値として算出されるので、運転者が一般的に体感する運転負荷の傾向に、より一致したものとなる。このため、上記変形例では、運転者が体感する運転負荷の状態をより精度よく反映して、運転者に対しユーザ応答のための時間的余裕をより的確に確保することができる。
【0084】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図1に示す第1の実施形態では、クライアント装置と運転者との間の情報授受を仲介するUI制御部144と、ユーザ応答の待機時間を管理する応答管理部146とが、一つのUI制御装置100の中に設けられている。これに対し、以下に示す第2の実施形態では、図1に示すUI制御装置100の応答管理部146に相当する部分が、一つの装置として実現されている。
【0085】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る応答管理装置600の構成を示す図である。なお、図6において、図1に示す構成要素と同じ要素については、同じ符号を用いるものとし、上述した図1についての説明を援用するものとする。
【0086】
この応答管理装置600は、図1に示すUI制御装置100の応答管理部146に相当する機能を有する。応答管理装置600は、車両102に搭載され、車載ネットワークバス104を介して、交通シーン特定装置106、運転者評価装置108、車両情報取得装置110、カメラ制御装置112、ナビゲーション装置114、AV出力装置116、およびUI制御装置602と、通信可能に接続されている。
【0087】
UI制御装置602は、図1に示す第1の実施形態に係るUI制御装置100の処理装置140が備えるUI制御部144と同様の機能を有する。すなわち、UI制御装置602は、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116と運転者との間に入ってユーザ応答を取得するホストとして動作する。UI制御装置602は、ユーザインタフェースであるマイク120および、スピーカ122、表示装置124、及びタッチパネル126を制御して、クライアント装置であるナビゲーション装置114及びAV出力装置116とユーザとの間の、指示及び又はデータの授受を仲介する。
【0088】
具体的には、UI制御装置602は、クライアント装置であるナビゲーション装置114およびAV出力装置116からの指示により運転者へ発信発話を出力すると共に、当該出力した発信発話に対する運転者からのユーザ応答を取得する。UI制御装置602は、特に、ユーザと音声対話を行う機能を有し、ユーザからの音声指示およびタッチパネル126を介した指示入力を取得する。
【0089】
UI制御装置602は、処理装置620と、記憶装置622と、を備える。記憶装置622は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。処理装置620は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置620は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置620は、機能要素又は機能ユニットとして、発話出力部624と、音声認識部626と、表示制御部628と、入力処理部630と、を有する。
【0090】
処理装置620が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置620がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置620が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0091】
発話出力部624、音声認識部626、表示制御部628、および入力処理部630は、図1に示すUI制御装置100の発話出力部150、音声認識部152、表示制御部154、および入力処理部156と同様の構成を有するが、発話出力部150、音声認識部152、表示制御部154、および入力処理部156が待機管理部162との間で行っていたデータの授受を、車載ネットワークバス104を介して、応答管理装置600の待機管理部616との間で行う点が異なる。
【0092】
また、処理装置620は、クライアント装置であるナビゲーション装置114またはAV出力装置116から発信発話の指示と共にユーザ応答を要する旨の指示を受信したときは、その旨を応答管理装置600へ通知する。
【0093】
応答管理装置600は、図1に示すUI制御装置100の処理装置140が備える応答管理部146と同様の機能を有する。すなわち、応答管理装置600は、UI制御装置602が運転者に対し発信発話を出力したあとの、ユーザ応答のための待機時間を管理する。特に、応答管理装置600は、図1に示す応答管理部146と同様に、運転者の現在の運転負荷に応じて、上記待機時間を延長する。
【0094】
具体的には、応答管理装置600は、処理装置610と、記憶装置612と、を備える。記憶装置612は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。
【0095】
処理装置610は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置610は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置610は、機能要素又は機能ユニットとして、運転負荷推定部614と、待機管理部616と、を有する。
【0096】
運転負荷推定部614は、図1に示すUI制御装置100の運転負荷推定部160と同様の構成を有し、現在運転負荷を所定の時間間隔で待機管理部616に送信する。待機管理部616は、図1に示すUI制御装置100の待機管理部162と同様の構成を有するが、ユーザ応答を求める発信発話が出力された旨の情報をUI制御装置602から取得する点が異なる。
【0097】
待機管理部616は、上記ユーザ応答を求める発信発話が出力された旨の情報をUI制御装置602から受信したことをトリガとして、図4と同様の待機時間延長処理を実行し、上記発信発話の後の、ユーザ応答の待機時間の長さを調整する。なお、待機管理部616は、車載ネットワークバス104を介して、ナビゲーション装置114またはAV出力装置116から上述の応答受信通知を受信することにより、ユーザ応答が行われたことを認識する。また、待機管理部616は、待機時間を終了するときは、待機終了通知を、車載ネットワークバス104を介してクライアント装置へ通知する。
【0098】
なお、本発明は上述した実施形態および変形例の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0099】
例えば、上述したUI制御装置100および応答管理装置600は、一例として車両102の運転者からのユーザ応答の待機時間を管理するものとしたが、ユーザ応答の対象者は車両102の運転者には限られない。UI制御装置100および応答管理装置600は、任意の移動体に搭載されて、当該任意の移動体の運転者からのユーザ応答の待機時間を管理するものとすることができる。
【0100】
また、上述したUI制御装置100および応答管理装置600は、一例として、クライアント装置からの指示による発信発話に対するユーザ応答の待機時間を管理するものとしたが、待機時間管理の対象となるユーザ応答は、これには限られない。UI制御装置100および応答管理装置600は、スピーカ122および表示装置124を含む任意のユーザインタフェース装置を介してクライアント装置から示される任意の形態の出力に対するユーザ応答の待機時間を管理するものとすることができる。そのような出力は、発信発話のほか、例えば表示装置124に表示されるメッセージや、スピーカ122から出力される所定の音響(ビープ音等)であり得る。
【0101】
また、上述した図2図3図5に示す例では、待機管理部162は、待機時間の満了時に、現在運転負荷が閾値レベル未満であるか否かを判断するものとしたが、当該判断のタイミングは、これには限られない。待機管理部162は、待機時間の経過中に、現在運転負荷が閾値レベル未満であるか否かを判断してもよい。
【0102】
また、上述した図2図3図5に示す例では、待機管理部162は、現在運転負荷が閾値レベル以上である限り、待機時間を繰り返し延長するものとしたが、待機管理部162の動作は、これには限られない。例えば、待機管理部162は、現在運転負荷が閾値レベル以上である期間が継続する場合には、待機時間の延長を行った回数が所定の回数を超えないことを条件として(すなわち、所定の回数を超えない範囲において)、当該待機時間を延長するものとすることができる。
【0103】
また、待機管理部162が待機時間の設定および延長に用いるデフォルト値Δtdefは、対応するユーザ応答を取得するクライアント装置(上記実施形態ではナビゲーション装置114およびAV出力装置116)ごとに異なる値であってもよい。また、待機時間の延長に用いられる所定値Δtextは、クライアント装置ごと、及び又は延長の回数ごとに、異なる値であってもよい。
【0104】
また、上述した実施形態では、運転負荷推定部160が算出する現在運転負荷は5段階の負荷レベルであるものとしたが、算出される現在運転負荷の態様は、これには限られない。算出される現在運転負荷は、5以外の段階数を持つ多段階の負荷レベル、または連続値であるものとすることができる。
【0105】
また、上述したUI制御装置100および応答管理装置600は、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116をクライアント装置とし、これらクライアント装置が取得しようとするユーザ応答の待機時間を延長するものとしたが、クライアント装置は、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116には限られない。UI制御装置100および応答管理装置600は、ユーザ応答を必要とする任意の数の任意の種類の装置をクライアント装置として、当該ユーザ応答の待機時間を延長するものとすることができる。そのような任意の装置は、例えば、エアコン等の任意の車載電装装置の制御を行う制御装置や、運転者支援システム等々であるものとすることができる。
【0106】
また、待機管理部162、616は、ナビゲーション装置114およびAV出力装置116等の、ユーザ応答の取得を必要とする装置の中に、それぞれ備えられるものとしてもよい。これに加えて、そのような装置には、運転負荷推定部160、614も備えられるものとすることができる。
【0107】
また、UI制御装置100は、必ずしも単独の装置である必要はなく、例えば、AV出力装置116の一部を構成するか又はAV出力装置116を構成要素の一部として含む装置であってもよい。そのような装置は、例えば、いわゆるディスプレイオーディオ(DA、Display Audio)装置であるものとすることができる。
【0108】
また、上述した応答管理装置600は、クライアント装置が搭載される移動体、例えば車両102に備えられるものとしたが、応答管理装置600の設置場所は、必ずしもクライアント装置が備えられる移動体内である必要はない。例えば、応答管理装置600は、移動体に搭載されたクライアント装置と通信可能に接続された、当該移動体の外部に設けられたサーバ等において実現されるものとしてもよい。
【0109】
以上説明したように、上述したUI制御装置100または応答管理装置600は、ユーザ応答を待機する待機時間の長さを調整するため、図4に示すフロー図で示される待機時間調整方法を実行する。ここで、上記ユーザ応答は、移動体である例えば車両102の運転者からの応答である。この待機時間調整方法は、運転負荷推定部160が、車両102が遭遇している現在の交通シーンと、運転者の運転技量の程度と、に基づいて、運転者の現在運転負荷を算出するステップ(S110)と、待機管理部162、616が、上記待機時間を延長するステップ(S118)と、を有する。そして、上記延長するステップ(S118)では、上記待機時間の経過中または満了時に、上記算出した現在運転負荷が所定の閾値レベル以上であることを検知したときは、上記待機時間を所定時間Δtext分延長する。
【0110】
この構成によれば、車両102の運転者からのユーザ応答を取得する際に、運転者の状況に応じて当該運転者におけるユーザ応答のための時間的余裕を確保することができる。その結果、運転者の運転負荷が過大となる場合にも、運転操作への注意力を散逸させることなく、当該運転者からのユーザ応答を効率的に取得することができる。
【0111】
また、上記ユーザ応答は、当該ユーザ応答を取得する装置が運転者に向けて出力した発信発話に対する当該運転者の応答であるものとすることができる。この構成によれば、運転者に応答を求める装置からの発信発話の後の、ユーザ応答のための待機時間を、当該運転者の現在の運転負荷に応じて適切に確保することができる。
【0112】
また、上記ユーザ応答は、上記発信発話に対する運転者の応答発話であるものとすることができる。この構成によれば、音声対話の機能を有する装置に対する運転者の指示が、当該装置と運転者との間の複数回のインタラクションを通じて与えられるような場合にも、運転者における運転操作への注意力を散逸させることなく、効率的に取得され得る。
【0113】
また、待機管理部162または616は、上記延長した待機時間の経過中または満了時に、現在運転負荷が所定の閾値レベル未満であることを検知したときは、上記延長した待機時間の満了時に、運転者に対し上記発信発話の内容を思い出させる思い出し発話(リマインダ発話)を出力して、上記待機時間をさらに所定の時間Δtdef分延長するものとすることができる。この構成によれば、現在運転負荷が閾値レベル202を超えて低下したときに、リマインド発話が発出されるので、運転者は応答途中であったユーザ応答に係る、装置からの質問ないし確認要請を思い出すことができ、その後のユーザ応答をスムーズに行うことができる。
【0114】
また、待機管理部162または616は、上記延長を行った回数が所定の回数を超えないことを条件として、上記待機時間を延長するものとすることができる。この構成によれば、現在運転負荷が閾値レベルより低くなるまで待機時間の延長が延々と繰り返されるのを防止することができる。
【0115】
また、上述したUI制御装置100および応答管理装置600は、ユーザ応答を待機する待機時間の長さを調整する機能を有する装置であって、当該ユーザ応答は、移動体である車両102の運転者からの応答である。これらのUI制御装置100および応答管理装置600は、車両102が遭遇している現在の交通シーンと運転者の運転技量の程度とに基づいて当該運転者の現在運転負荷を算出する運転負荷推定部160、614と、上記待機時間の長さを設定する待機管理部162、616と、を備え得る。そして、待機管理部162、616は、上記待機時間の経過中または満了時に、上記算出した現在運転負荷が所定の閾値レベル以上であることを検知したときは、上記待機時間を所定の時間Δtext分延長する。
【0116】
この構成によれば、車両102の運転者からのユーザ応答を取得する際に、運転者の状況に応じて当該運転者におけるユーザ応答のための時間的余裕を確保することができる。その結果、運転者の運転負荷が過大となる場合にも、運転操作への注意力を散逸させることなく、当該運転者からのユーザ応答を効率的に取得することができる。
【0117】
また、UI制御装置100は、マイク、スピーカ、表示装置、及び又は操作パネルを含むユーザインタフェース機器の入出力を処理する装置である。この構成によれば、運転者とのインタラクションを行うユーザインタフェース機器を制御する装置において、ユーザ応答の待機時間を直接的に調整することができる。
【符号の説明】
【0118】
100、602…UI制御装置、102…車両、104…車載ネットワークバス、106…交通シーン特定装置、108…運転者評価装置、110…車両情報取得装置、112…カメラ制御装置、114…ナビゲーション装置、116…AV出力装置、120…マイク、122…スピーカ、124…表示装置、126…タッチパネル、130…センサ群、132…車室内カメラ、134…車外カメラ、140、170、174、610、620…処理装置、142、172、176、612、622…記憶装置、144…UI制御部、146…応答管理部、150、624…発話出力部、152、626…音声認識部、154、628…表示制御部、156、630…入力処理部、160、614…運転負荷推定部、162、616…待機管理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6