(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090922
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】エンジンシステム
(51)【国際特許分類】
F02B 37/16 20060101AFI20240627BHJP
F02D 9/04 20060101ALI20240627BHJP
F02D 23/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
F02B37/16 B
F02D9/04 D
F02D23/00 P
F02D23/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207114
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】521537852
【氏名又は名称】ダイムラー トラック エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 勇策
【テーマコード(参考)】
3G005
3G065
3G092
【Fターム(参考)】
3G005EA04
3G005EA16
3G005FA11
3G005FA21
3G005GA02
3G005GB18
3G005GD03
3G005HA19
3G005JA06
3G065AA03
3G065AA10
3G065CA24
3G065CA31
3G065EA05
3G065GA41
3G092AA18
3G092DB03
3G092DC01
3G092DC04
3G092DC13
3G092DF06
3G092FA01
3G092FA13
3G092FA14
3G092FA15
3G092GB08
3G092HA06Z
3G092HD09Z
(57)【要約】
【課題】ターボチャージャのサージグ現象の発生を抑制する。
【解決手段】エンジン11の排気側に設けられたタービン21と、エンジン11の吸気側に設けられたコンプレッサ22とを有するターボチャージャ20と、タービンよりも排気下流側で排気管11B内に配設された第一バルブ31を有するエキゾーストブレーキ30と、コンプレッサ22からエンジン11へ空気を供給するための吸気通路11A内に配設された第二バルブ40と、エンジン11の吸気側に設けられコンプレッサ22を迂回するバイパス通路とバイパス通路内に配設された第三バルブとを有するバイパス部50とを備え、制御装置60は、第一バルブ31及び第二バルブ40を閉じる際に、第三バルブを開く。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の動力源をなすエンジンの排気側に設けられ前記エンジンの排気を受けて回転するタービンと、前記エンジンの吸気側に設けられ前記タービンの回転に応じて前記エンジンへ供給する空気を取り込むとともに圧縮するコンプレッサとを有するターボチャージャと、
前記タービンよりも排気下流側において前記エンジンの排気を排出するための排気管内に配設された第一バルブを有するエキゾーストブレーキと、
前記コンプレッサから前記エンジンへ空気を供給するための吸気通路内に配設された第二バルブと、
前記エンジンの前記吸気側に設けられ前記コンプレッサを迂回するバイパス通路と前記バイパス通路内に配設された第三バルブとを有するバイパス部と、
前記第一バルブ及び前記第二バルブを閉じる際に、前記第三バルブを開く制御装置と、を備えた
ことを特徴とするエンジンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、車両に搭載されたエンジンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン車両において、エンジンの排気側に設けられたタービンと吸気側に設けられたコンプレッサとを有するターボチャージャや、タービンよりも排気下流の排気パイプ内に配設されたバルブを有するエキゾーストブレーキ(排気ブレーキ)を備えたエンジンシステムが知られる(例えば特許文献1)。ターボチャージャは、エンジンの排気を利用してタービンを回転させて、タービンと繋がるコンプレッサを回転させることにより、エンジンに圧縮空気を送り込むものである。また、エキゾーストブレーキは、排気パイプ内のバルブを閉じることにより、エンジンに負荷を与え、ブレーキ力を発生させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなターボチャージャ及びエキゾーストブレーキを備えたエンジンシステムを搭載した車両では、エキゾーストブレーキ作動時に排圧が高くなることで、ターボチャージャが空気を送り込めずにサージング現象が発生する場合がある。具体的には、アクセルペダルを踏んでいない状況で、排気パイプ内のバルブを閉じると同時に、コンプレッサからエンジンへ空気を供給する吸気パイプ内のバルブを閉じたとき、コンプレッサの圧力比(吐出側圧力/吸入側圧力)が或る一定値以上に上昇すると、サージング現象が発生するおそれがある。このサージング現象が発生すると、異音や白煙が発生したりや、オイル消費量の増加、エンジン出力の低下、ひいてはターボ焼付きを招いたりするおそれがある。
【0005】
したがって、特許文献1に記載の従来のエンジンシステムでは、ターボチャージャのサージング現象を抑制するうえで改善の余地があった。
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、ターボチャージャ及びエキゾーストブレーキを含むエンジンシステムにおいて、ターボチャージャのサージング現象の発生を抑制することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本件は上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現できる。
【0007】
本適用例に係るエンジンシステムは、車両の動力源をなすエンジンの排気側に設けられ前記エンジンの排気を受けて回転するタービンと、前記エンジンの吸気側に設けられ前記タービンの回転に応じて前記エンジンへ供給する空気を取り込むとともに圧縮するコンプレッサとを有するターボチャージャと、前記タービンよりも排気下流側において前記エンジンの排気を排出するための排気管内に配設された第一バルブを有するエキゾーストブレーキと、前記コンプレッサから前記エンジンへ空気を供給するための吸気通路内に配設された第二バルブと、前記エンジンの前記吸気側に設けられ前記コンプレッサを迂回するバイパス通路と前記バイパス通路内に配設された第三バルブとを有するバイパス部と、前記第一バルブ及び前記第二バルブを閉じる際に、前記第三バルブを開く制御装置と、を備えている。
【0008】
これによれば、エンジンの前記吸気側においてコンプレッサを迂回するバイパス通路が設けられており、第一バルブ及び第二バルブを閉じる際にバイパス通路内に配設された第三バルブが開く。そのため、第一バルブ及び第二バルブが閉じた状態であっても、バイパス通路が連通することで、コンプレッサの圧力比が上昇しにくくなる。よって、ターボチャージャのサージング現象の発生を抑制することできる。なお、コンプレッサの圧力比は、コンプレッサの吸入側圧力に対する吐出側圧力の比率(吐出側圧力/吸入側圧力)である。
【発明の効果】
【0009】
本件によれば、ターボチャージャ及びエキゾーストブレーキを含むエンジンシステムにおいて、ターボチャージャのサージング現象の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本適用例に係るエンジンシステムの構成例の説明図である。
【
図2】
図1のエンジンシステムにおける要部を拡大して示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照して、本件の実施形態について説明する。以下の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。下記の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、必要に応じて取捨選択でき、あるいは適宜組み合わせられる。
【0012】
[1.構成]
図1は、本適用例に係るエンジンシステムの構成例の説明図である。
図2は
図1のエンジンシステムにおける要部を拡大して示す一部断面図である。なお、
図1及び
図2において白抜き矢印は、空気(排気)の流れる方向を示している。
図1のエンジンシステム10は、図示しない車両の動力源をなすエンジン11の吸気と排気とを制御するためのシステムである。このエンジンシステム10には、ターボチャージャ20と、エキゾーストブレーキバルブ31(第一バルブ、「EBバルブ」とも称する)を有するエキゾーストブレーキ30と、インテークエアバルブ(第二バルブ,「ITV」とも称する)40と、バイパス部50と、制御装置60とが含まれている。
本適用例では、エンジン11としてディーゼルエンジンを搭載した車両を例に挙げるが、エンジン11はディーゼルエンジンに限らずガソリンエンジンであってもよい。
【0013】
ターボチャージャ20は、エンジン11の排気を利用してエンジン11を過給する過給機であり、エンジン11の排気側に設けられたタービン21とエンジン11の吸気側に設けられたコンプレッサ22とを有する。
タービン21は、エンジン11から排気を排出するための排気パイプ(排気通路)11B上に設けられており、エンジンの排気を受けて回転するインペラ(羽根車)として構成されている。コンプレッサ22は、エンジン11に空気を供給するための吸気パイプ(吸気通路)11A上に設けられ、エンジン11から排出された排気を受けて回転するインペラとして構成されている。
【0014】
詳しくは、
図2に示すように、タービン21とコンプレッサ22とは、ターボチャージャ20のハウジング23内に収容されており、軸24により同軸上に連結されている。エンジン11から排出された排気がタービン21を通過するとき、排気を受けてタービン21が回転する。タービン21の回転によりコンプレッサ22が回転して、外部から空気を吸入する(取り込む)とともに取り込んだ空気を圧縮して吐出する。
【0015】
このターボチャージャ20において、エンジン11の吸気側(コンプレッサ22側)には、バイパス部50が付設されている。
バイパス部50は、ターボチャージャ20のサージング現象の発生を防止するために設けられたものであり、コンプレッサ22を迂回するためのバイパス通路51と、バイパス通路51内に配設された開閉バルブ(第三バルブ)52とを有する。
図2に示すように、バイパス通路51は、コンプレッサ22の吸入側22Aとコンプレッサ22の吐出側22Bとを接続する空気の経路である。バイパス通路51により、コンプレッサ22の吸入側22Aとコンプレッサ22の吐出側22Bとが、コンプレッサ22を迂回して連通される。
【0016】
図2の例では、バイパス通路51の入口がコンプレッサ22の直前に配置され、バイパス通路51の出口がコンプレッサ22の直後に配置された場合を例に挙げている。
コンプレッサ22の直後はコンプレッサ22で最も圧力が高くなる位置であるため、コンプレッサ22の圧力比の上昇を抑制する観点から、
図2に示すように、バイパス通路51の出口をコンプレッサ22の直後に配置することが好ましい。なお、コンプレッサ22の圧力比とは、コンプレッサ22の吸入側圧力に対する吐出側圧力の比率(吐出側圧力/吸入側圧力)である。
【0017】
開閉バルブ52はバイパス通路51を開閉するための開閉弁である。開閉バルブ52は、バイパス通路51における空気の流れを遮断する閉状態と遮断しない開状態との二つの状態で切り替えられる。開閉バルブ52は、通常は閉状態に設定されており、後述の自動再生制御の際に開状態に切り替えられる。開閉バルブ52としては、特に限定されないがバタフライバルブを例に挙げることができる。
【0018】
図1に示すように、ターボチャージャ20(コンプレッサ22)の吐出側とエンジン11との間を接続する吸気パイプ(吸気通路)11Aには、インタークーラ11Cと、ITV40とが配設されている。インタークーラ11Cは、コンプレッサ22から吐出された圧縮空気を冷却する冷却装置である。
吸気パイプ11A内には、インタークーラ11Cよりも吸気下流側にITV40が設けられている。ITV40は、開度調整可能な開閉弁であり、ITV40の開度に応じて吸気パイプ11Aを流れる空気の流量が調整される。ITV40としては、特に限定されないがバタフライバルブを例に挙げることができる。
【0019】
図1に示すように、吸気パイプ11Aでコンプレッサ22とは反対側の端部にエンジン11が接続されている。コンプレッサ22から吐出された圧縮空気は、吸気パイプ11Aを通ってエンジン11へ供給される。
エンジン11から排出された排気は、ターボチャージャ20(タービン21)及び排気パイプ11Bを通って外部へ排出される。タービン21に対して排気下流側の排気パイプ11Bには、エキゾーストブレーキ30と、後処理装置32とが配設されている。
【0020】
エキゾーストブレーキ30は、排気パイプ11B内に配設されたEBバルブ31を閉じることにより排気パイプ11B内の圧力を高めてエンジンに負荷を与え、ブレーキ力を発生させるブレーキ(排気ブレーキ)である。
EBバルブ31は、開度調整可能に設けられた開閉弁であり、EBバルブ31の開度に応じて排気パイプ11Bを流れる排気の流量を調整する。EBバルブ31としては、特に限定されないがバタフライバルブを例に挙げることができる。
【0021】
後処理装置32は、排気パイプ11Bを通じて送給された排気中の有害物質を浄化するために設けられている。後処理装置32には、浄化するための要素として、排気中の粒子状物質(パティキュレートマター)を捕集するためディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)や、排気中の窒素酸化物(NOx)を低減するためのSCR触媒が設けられている。後処理装置32では、DPFに捕集されたパティキュレートを燃焼し除去するために周知の自動再生制御が実施される。また、後処理装置32には各種センサとして、複数の温度センサ33A,33B,33Cや圧力センサ34が付設されている。各種センサ33A,33B,33C及び34で検出された情報(検出信号)は、制御装置60に入力される。なお、
図1において、後処理装置32は一部を省略して描かれている。
【0022】
制御装置60は、例えばマイクロプロセッサやROM、RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成された電子制御装置(ECU)である。制御装置60は、ROM、RAM等のメモリ装置に記憶されたソフトウェアプログラムを実行することにより、後述するバルブ開閉制御を実施する。なお、制御装置60は、車両が備える各種装置を統括制御するための電子制御装置(VCU)の一部として構成されてもよいし、VCUとは別の電子制御装置により構成されてもよい。
【0023】
[2.制御]
制御装置60は、DPFに或る程度の量のパティキュレートが捕集されたときに自動再生制御を実施するために、各種バルブ31,40及び52に対するバルブ開閉制御を実施する。これにより、後述するようにターボチャージャのサージング現象を抑制しつつDPFのパティキュレートを浄化している。
制御装置60の入力側には、図示しないアクセル装置(ACC)や、後処理装置32の各種センサ33A,33B,33C及び34が接続され、アクセルペダルの操作状態(アクセルペダルが踏まれているか否か)や各種センサ33A,33B,33C及び34の検出信号が供給される。また、制御装置60の出力側には、EBバルブ31,ITV40及び開閉バルブ52が接続され、各バルブ31,40及び52に対して開閉を制御する制御信号が出力される。
【0024】
上記の自動再生制御を実施するとき、制御装置60は、EBバルブ31,ITV40のそれぞれに対して閉制御信号を出力する。EBバルブ31,ITV40に対する閉制御信号は、EBバルブ31,ITV40のそれぞれを或る所定開度に開度を小さくする(閉じる)ように制御する信号である。
EBバルブ31及びITV40の開度を小さくして、排気パイプ11Bの排気流量を低下させるほど、排気パイプ11B内の圧力が高くなる。これにより、周知のとおり、排気温度を上昇させてDPF内温度を昇温させ、DPFに捕集されたパティキュレートを燃焼させている。なお、EBバルブ31,ITV40の開度は、排気温度を上昇させうる所定の開度として予め設定されている。
【0025】
上記の自動再生制御を実施するとき、アクセルペダルが踏まれていない場合には、制御装置60は、EBバルブ31,ITV40のそれぞれに対して閉制御信号を出力するとともに、開閉バルブ52に対して閉状態から開状態へ切り替える制御信号(開制御信号)を出力する。開閉バルブ52に対する開制御信号は、開閉バルブ52を開き、バイパス通路51において空気を遮断しないように制御する信号(全開制御信号)である。
言い換えれば、制御装置60は、アクセルペダルが踏まれておらず、かつ、EBバルブ31及びITV40が或る開度まで閉じられていることを条件として、開閉バルブ52を閉状態から開状態へ切り替える。
【0026】
上記の開閉バルブ52を閉じる制御を実施する条件とは、ターボチャージャ20(コンプレッサ22)のサージング現象が発生しやすい条件として設定されたものである。
すなわち、アクセルペダルが踏まれていない状況でEBバルブ31が閉じると、タービン21の回転数が急激に低下して吸気流量が低下する。同時に、ITV40が閉じることでコンプレッサ22の吐出側で圧力が上昇する。このとき、コンプレッサ22は回転して空気を吸入するが、吸入された空気が吐出側から吐出されにくいため、コンプレッサ22の吐出側の圧力が上昇する。その結果、コンプレッサ22の圧力比が上昇しやすくなる。そして、コンプレッサ22の圧力比が或る一定値以上になったとき、コンプレッサ22が空転状態になりサージング現象が発生する場合がある。
【0027】
上記のサージング現象は、周知のように、吸気流量が少ないほど小さなコンプレッサ22の圧力比で発生しやすい傾向がある。言い換えれば、吸気流量が十分に多ければ、コンプレッサ22の圧力比が或る程度高くなってもサージング現象は発生しにくい傾向がある。ここで、アクセルペダルが踏まれていない状況は、アクセルペダルが踏まれている状況に比べて、吸気流量が少ない。
そのため、本実施形態では、アクセルペダルが踏まれておらず、かつ、EBバルブ31及びITV40が或る開度まで閉じられていることが、開閉バルブ52を閉状態から開状態へ切り替える条件として設定されている。
【0028】
上記の条件において、開閉バルブ52を開状態に切り替えてバイパス通路51を開くことで、コンプレッサ22の吸入側22Aとコンプレッサ22の吐出側22Bとが開閉バルブ52を介して連通される。そのため、コンプレッサ22の吸入側22Aとコンプレッサ22の吐出側22Bとの圧力差がなくなる。よって、コンプレッサ22の圧力比の上昇が抑制されるとともに、コンプレッサ22の回転も抑制される。その結果、サージング現象の発生が抑制される。
【0029】
[3.作用効果]
以上説明した本実施形態は以下のような作用効果を奏する。
本適用例に係るエンジンシステム10では、エンジン11の吸気側においてコンプレッサ22を迂回するバイパス通路51が設けられており、アクセルペダルが踏まれておらず、かつ、EBバルブ31及びITV40が閉じられたときに、バイパス通路51内に配設された開閉バルブ52が開かれる。アクセルペダルが踏まれておらず、かつ、EBバルブ31及びITV40が閉じられた状態であっても、バイパス通路51が連通するため、コンプレッサ22の圧力比が上昇しにくくなる。よって、ターボチャージャ22及びエキゾーストブレーキ30を含むエンジンシステム10において、ターボチャージャ20のサージング現象の発生を抑制することできる。
[3.その他]
【0030】
上述した適用例では、開閉バルブ52を閉状態から開状態へ切り替える条件が、アクセルペダルが踏まれておらず、かつ、EBバルブ31及びITV40が閉状態である場合を例に挙げた。開閉バルブ52を開状態へ切り替える条件は、これに限らず、例えばアクセルペダルの操作状態に関わらず、EBバルブ31及びITV40が閉状態であることであってもよい。また、EBバルブ31のみが閉状態であることを条件としてもよい。
本適用例のエンジンシステム10を搭載した車両種類としては、例えばディーゼルエンジンを搭載した商用車両(トラック)を例に挙げることができるが、車両の種類はトラックに限らず、バスや、普通自動車などエンジン(ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン)を搭載した車両であれば、特に限定されない。
【符号の説明】
【0031】
10 エンジンシステム
11 エンジン
11A 吸気パイプ(吸気通路)
11B 排気パイプ(排気通路)
11C インタークーラ
20 ターボチャージャ
21 タービン
22 コンプレッサ
22A 吸入側
22B 吐出側
23 ハウジング
24 軸
30 エキゾーストブレーキ
31 エキゾーストブレーキバルブ(第一バルブ)
32 後処理装置
33A~33C 温度センサ
34 圧力センサ
40 インテークエアバルブ(第二バルブ)
50 バイパス部
51 バイパス通路
52 開閉バルブ(第三バルブ)
60 制御装置