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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090933
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】電子機器及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20240627BHJP
【FI】
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207130
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 貴穂
(57)【要約】
【課題】ユーザ認証の際にユーザが適度な運動を習慣的に行い得るようにする。
【解決手段】プログラムは、ユーザの認証が必要な電子機器のコンピュータを、検知手段、計数手段、及び、認証手段として機能させる。検知手段は、運動をしているユーザの姿勢を検知する。計数手段は、ユーザの姿勢から、決められた動きが反復して行われた回数を計数する。認証手段は、決められた動きの回数が2以上の定められた回数に到達したことを条件に、ユーザを認証する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの認証が必要な電子機器のコンピュータを、
運動をしているユーザの姿勢を検知する検知手段、
前記ユーザの姿勢から、決められた動きが反復して行われた回数を計数する計数手段、及び、
前記回数が2以上の定められた回数に到達したことを条件に、前記ユーザを認証する認証手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記定められた回数を設定する設定手段、
としてさらに機能させるための請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記計数手段は、前記ユーザの姿勢から、決められた複数種類の動きがそれぞれ反復して行われた回数を前記動きの種類毎に計数し、
前記認証手段は、前記複数種類の動きの回数がそれぞれ2以上の定められた回数に到達したことを条件に、前記ユーザを認証する、請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記複数種類の動きと、その動き毎の前記定められた回数とを設定する設定手段、
としてさらに機能させるための請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
ユーザを識別する識別情報を取得する取得手段、
としてさらに機能させ、
前記計数手段は、前記ユーザの姿勢から、前記取得手段により取得した識別情報で識別されるユーザによって決められた動きが反復して行われた回数を計数し、
前記認証手段は、前記回数が、前記取得手段により取得した識別情報で識別されるユーザに対して定められた回数に到達したことを条件に、前記ユーザを認証する、請求項1乃至4のうちいずれか一記載のプログラム。
【請求項6】
ユーザの認証が必要な電子機器であって、
運動をしているユーザの姿勢を検知する検知手段と、
前記ユーザの姿勢から、決められた動きが反復して行われた回数を計数する計数手段と、
前記回数が2以上の定められた回数に到達したことを条件に、前記ユーザを認証する認証手段と、
を具備する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ユーザ認証を行うプログラム及びこのプログラムに従ってユーザ認証を行う電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
機能を使用するためにユーザ認証が必要な電子機器がある。ユーザ認証には、一般に、次の3つの方法が知られている。第1の方法は、パスワード、PIN(Personal Identification Number)コード等、本人だけが知り得る情報を入力する方法である。第2の方法は、IDカード、ワンタイムパスワードを生成するトークン等のツールを使用する方法である。第3の方法は、本人の指紋、虹彩、顔、静脈等の生体情報を使用する方法である。しかしながら、いずれの方法もユーザにとって身体負荷を伴うものではない。
【0003】
その一方で、近年、ワークプレイスではデスクワークの比率が高まっている。このため、長時間、同じ姿勢で作業をし続けることによって、腰痛、首痛、眼精疲労等の健康被害を訴える人が増えている。このような健康被害は、週刊的に適度な運動をすることによって軽減される。このような観点から、運動によってユーザが認証されるようにすれば、ユーザ認証の際にユーザが習慣的に運動をするようになるので、腰痛、首痛、眼精疲労等の健康被害が軽減されるのではないかと推測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-163168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、ユーザ認証の際にユーザが適度な運動を習慣的に行い得る電子機器及びそのプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、プログラムは、ユーザの認証が必要な電子機器のコンピュータを、検知手段、計数手段、及び、認証手段として機能させる。検知手段は、運動をしているユーザの姿勢を検知する。計数手段は、ユーザの姿勢から、決められた動きが反復して行われた回数を計数する。認証手段は、決められた動きの回数が2以上の定められた回数に到達したことを条件に、ユーザを認証する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係るスマートフォンの外観を示す模式図である。
図2図2は、スマートフォンの主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る種目別判定モデルの構成図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る設定テーブルの構成図である。
図5図5は、スマートフォンのプロセッサがユーザ認証APLの設定モードで動作する際の情報処理の手順を示す流れ図である。
図6図6は、スマートフォンのプロセッサがユーザ認証APLの認証モードで動作する際の情報処理の手順を示す流れ図である。
図7図7は、設定画面の一表示例を示す模式図である。
図8図8は、確認画面の一表示例を示す模式図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る複合機の外観を示す模式図である。
図10図10は、複合機の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図11図11は、第2の実施形態に係るユーザ別設定テーブルの構成図である。
図12図12は、複合機のプロセッサがユーザ認証APLの設定モードで動作する際の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図13図13は、複合機のプロセッサがユーザ認証APLの認証モードで動作する際の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、ユーザ認証の際にユーザが適度な運動を習慣的に行い得る電子機器及びそのプログラムの実施形態について、図面を用いて説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、機能を使用するためにユーザ認証が必要な電子機器としてスマートフォンを例示する。スマートフォンには、様々なアプリケーションソフトウェアをインストールできる。そこで本実施形態では、スマートフォンにユーザが認証されないとロックが解除されないフォルダを用意する。そして、ユーザがスマートフォンの前で運動をすることで認証されると、フォルダのロックが解除されてアプリケーションソフトウェアを使用可能とする。かくして、ユーザ認証の際にユーザが適度な運動を習慣的に行い得るようにしたものである。
【0010】
図1は、スマートフォン10の外観を示す模式図であり、図2は、スマートフォン10の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、スマートフォン10は、本体101の正面にタッチパネル102を備える。タッチパネル102は、表示デバイスと入力デバイスとを兼ね備えたユーザインターフェースである。スマートフォン10のユーザは、タッチパネル102を操作して様々な情報を入力し、タッチパネル102の画面から様々な情報を取得する。
【0011】
また、スマートフォン10は、本体101にカメラ103、マイクロフォン104、スピーカ105等を搭載している。カメラ103は、画像の撮影デバイスであり、例えばCCDカメラが用いられる。カメラ103は、本体101の正面側若しくは背面側を撮影領域とし、静止画又は動画を撮影する。マイクロフォン104は、音又は音声の入力デバイスであり、汎用の集音マイクが用いられる。スピーカ105は、音又は音声の出力デバイスであり、汎用のラウドスピーカが用いられる。
【0012】
図2に示すように、スマートフォン10は、プロセッサ11、内部ストレージ12、外部ストレージ13、モバイル通信部14及び近距離通信部15を備える。スマートフォン10は、プロセッサ11と、内部ストレージ12、外部ストレージ13、モバイル通信部14及び近距離通信部15とをシステム伝送路16で接続する。システム伝送路16は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。スマートフォン10は、プロセッサ11と、内部ストレージ12、外部ストレージ13、モバイル通信部14及び近距離通信部15とをシステム伝送路16で接続することにより、コンピュータを構成する。そしてスマートフォン10は、そのコンピュータに、システム伝送路16を介してタッチパネル102、カメラ103、マイクロフォン104及びスピーカ105を接続する。なお、スマートフォン10が搭載するデバイスは、タッチパネル102、カメラ103、マイクロフォン104及びスピーカ105に限定されないのは言うまでもないことである。
【0013】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションソフトウェアに従って、スマートフォン10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0014】
内部ストレージ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。内部ストレージ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。内部ストレージ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションソフトウェアを記憶する。内部ストレージ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。内部ストレージ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0015】
外部ストレージ13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばSDカード等のメモリカード、あるいはUSBメモリ等が外部ストレージ13となり得る。外部ストレージ13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。外部ストレージ13は、上記のアプリケーションソフトウェアを記憶する場合もある。
【0016】
モバイル通信部14は、移動体通信ネットワークを介して外部の機器とデータ通信を行うためのインターフェースである。モバイル通信部14は、例えばWi-Fi(登録商標)等の無線通信規格を利用して移動体通信ネットワークに接続する。
【0017】
近距離通信部15は、近距離無線通信により無線通信媒体とデータ通信を行うためのインターフェースである。近距離通信部15は、例えばNFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信規格を利用して無線通信媒体とデータ通信を行う。
【0018】
かかる構成のスマートフォン10に対し、本実施形態では、ユーザ認証APL131をインストールする。ユーザ認証APL131は、ユーザ認証用のアプリケーションソフトウェアである。ユーザ認証APL131のインストール先は、内部ストレージ12であってもよいし、外部ストレージ13であってもよい。図2においては、外部ストレージ13にインストールした場合を示している。ユーザ認証APL131をスマートフォン10にインストールする方法は、特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体にユーザ認証APL131を記録して、あるいは移動体通信ネットワークを介した通信によりユーザ認証APL131を配信して、スマートフォン10の内部ストレージ12又は外部ストレージ13にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0019】
ユーザ認証APL131は、カメラ103で撮影された画像から、運動をしているユーザの姿勢を検知し、そのユーザの姿勢から、決められた動きが反復して行われた回数を計数し、その回数が2以上の定められた回数に到達したことを条件に、スマートフォン10のユーザを認証する、というアプリケーションソフトウェアである。ユーザ認証APL131によってユーザが認証されると、スマートフォン10においては、フォルダのロックが解除されて、そのフォルダに格納されたアプリケーションソフトウェアが使用可能となる。
【0020】
このような機能を実現するために、スマートフォン10にユーザ認証APL131がインストールされると、内部ストレージ12又は外部ストレージ13に、種目別判定モデル132、設定テーブル133及びロックフォルダ134の各記憶領域が形成される。
【0021】
種目別判定モデル132は、図3に示すように、ユーザ認証に用いられる運動の種目を識別する種目コードC別に、種目名と判定モデルとを記述した領域である。本実施形態では、運動の種目を「腕立て伏せ」、「スクワット」、「腹筋」の3種類とする。判定モデルは、カメラ103で撮影されたユーザの動画を入力とし、その動画からユーザの頭、肩、肘、手首、腰、膝、足首等のパーツを検出して、各パーツの動きからユーザの運動を認識する機械学習のアルゴリズムである。このような技術は、OpenPose等の姿勢推定技術によって周知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0022】
設定テーブル133は、図4に示すように、テーブル番号No.Xと関連付けて、種目コードCと運動回数Nとを設定するための領域である。そして、テーブル番号No.1の種目コードCの領域には、種目「腕立て伏せ」の種目コード“01”、種目「スクワット」の種目コード“02”又は種目「腹筋」の種目コード“03”のいずれかが設定される。テーブル番号No.2以降の種目コードCの領域には、種目コード“01”、“02”、“03”に加えて、未設定を示す“Null”を設定可能である。一方、運動回数Nは、上記種目コード“01”、“02”、“03”が設定されたテーブル番号No.Xについては“2”以上の整数が設定される。種目コードCとして“Null”が設定されたテーブル番号No.Xについては、運動回数Nは“0”となる。
【0023】
ロックフォルダ134は、ユーザ認証APL131によってユーザが認証された場合にロックが解除されるフォルダである。スマートフォン10にユーザ認証APL131をインストールすることによって、図1に示すように、タッチパネル102の画面には、ユーザ認証APL131のアイコンpとロックフォルダ134のアイコンqとが表示される。例えばユーザは、アイコンqに、ユーザ認証APL131を除く任意のアプリケーションソフトウェアのアイコンをドラッグ&ドロップすることにより、そのアプリケーションソフトウェアをロックフォルダ134に格納することができる。
【0024】
またユーザは、アイコンpをタッチ操作することにより、ユーザ認証APL131を起動することができる。ユーザ認証APL131が起動すると、プロセッサ11は、図2に示すように設定手段111、検出手段112、計数手段113及び認証手段114としての機能を実現する。
【0025】
設定手段111は、設定テーブル133に対してテーブル番号No.Xの順に任意の種目コードCと運動回数Nとを設定する機能である。検出手段112は、種目別判定モデル132を使用して、スマートフォン10の前で運動をしているユーザの姿勢を検知する機能である。計数手段113は、ユーザの姿勢から、決められた動きが反復して行われた回数を計数する機能である。認証手段114は、決められた動きの回数が2以上の定められた回数に到達したことを条件に、ユーザを認証する機能である。
【0026】
設定手段111は、プロセッサ11がユーザ認証APL131の設定モードで動作することによって実現される機能である。検出手段112、計数手段113及び認証手段114は、プロセッサ11がユーザ認証APL131の認証モードで動作することによって実現される機能である。そこで次に、図5乃至図8を用いて、プロセッサ11の主要な動作について説明する。
【0027】
図5は、プロセッサ11がユーザ認証APL131の設定モードで動作する際の情報処理の手順を示す流れ図である。図6は、プロセッサ11がユーザ認証APL131の認証モードで動作する際の情報処理の手順を示す流れ図である。図7は、タッチパネル102に表示される設定画面SCaを示す模式図である。図8は、タッチパネル102に表示される確認画面SCbを示す模式図である。なお、各流れ図によって示される情報処理の手順は一例である。同様の効果を奏し得るのであれば、その手順は適宜変更することができる。また、設定画面SCa及び確認画面SCbも一例である。同様な情報をユーザに提供できるのであれば、画面のレイアウト、表示されるテキスト等を適宜変更することができる。
【0028】
スマートフォン10のユーザが、タッチパネル102に表示されているアイコンpにタッチしてユーザ認証APL131を起動すると、タッチパネル102にユーザ認証APL131のメニュー画面が表示される。そこで、ユーザがそのメニュー画面から設定モードを選択すると、プロセッサ11は、図5の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0029】
プロセッサ11は、ACT1として設定テーブル133を初期化する。この初期化により、設定テーブル133の各テーブル番号No.Xと関連付けて記述されていた種目コードCと運動回数Nがクリアされる。その結果、種目コードCは“Null”となる。運動回数Nは“0”となる。
【0030】
設定テーブル133を初期化したプロセッサ11は、ACT2へと進む。プロセッサ11は、ACT2としてタッチパネル102の画面を設定画面SCaとする。図7に示すように、設定画面SCaは、運動の種目を選択するためのプルダウンボックスINaと、運動回数Nの入力ボックスINbと配置している。また設定画面SCaは、実行ボタンBTa、取消ボタンBTb及び設定終了ボタンBTcの各ソフトウェアキーを配置している。
【0031】
設定画面SCaを確認したユーザは、プルダウンボックスINaに表示される運動の種目「腕立て伏せ」、「スクワット」及び「腹筋」の中から1種目を選択する。そして、入力ボックスINb内をタッチするとテンキーが表示されるので、“2”以上の回数を入力する。
【0032】
例えば、「腕立て伏せ」を5回行うことでユーザが認証されるように設定する場合には、ユーザは、プルダウンボックスINaで種目「腕立て伏せ」を選択し、入力ボックスINbに回数“5”を入力する。その後、ユーザは、実行ボタンBTaを入力し、さらに設定終了ボタンBTcを入力する。
【0033】
例えば、「腕立て伏せ」を5回行い、さらに「スクワット」を5回行うことでユーザが認証されるように設定する場合には、ユーザは、先ず、プルダウンボックスINaで種目「腕立て伏せ」を選択し、入力ボックスINbに回数“5”を入力する。続いてユーザは、プルダウンボックスINaで種目「スクワット」を選択し、入力ボックスINbに回数“5”を入力する。その後、ユーザは、実行ボタンBTaを入力し、さらに設定終了ボタンBTcを入力する。この点については、運動の種目を3種目とする場合も同様である。なお、種目の選択または回数の入力をやり直す場合には、ユーザは、設定終了ボタンBTcを入力する前に取消ボタンBTbを入力すればよい。
【0034】
図5の説明に戻る。
設定画面SCaを表示したプロセッサ11は、ACT3として番号カウンタXを“0”にリセットする。そしてプロセッサ11は、ACT4として運動の種目が選択されるのを待ち受ける。この待ち受け状態において、プロセッサ11は、ACT5として設定終了ボタンBTcが入力されたか否かを確認する。設定終了ボタンBTcが入力された場合、プロセッサ11は、ACT5からACT16へと進む。ACT16以降の処理については後述する。
【0035】
設定終了ボタンBTcが入力されることなく、プルダウンボックスINaでいずれか1つの種目が選択された場合には、プロセッサ11は、ACT4からACT6へと進む。プロセッサ11は、ACT6としてプルダウンボックスINaで選択された種目の種目コードCを取得する。例えば種目「腕立て伏せ」が選択された場合には、プロセッサ11は、種目コードCとして“01”を取得する。例えば種目「スクワット」が選択された場合には、プロセッサ11は、種目コードCとして“02”を取得する。例えば種目「腹筋」が選択された場合には、プロセッサ11は、種目コードCとして“03”を取得する。
【0036】
種目コードCを選択したプロセッサ11は、ACT7へと進む。プロセッサ11は、ACT7として入力ボックスINbに回数が入力されるのを待ち受ける。回数は、2以上の整数である。入力ボックスINbに回数が入力されると、プロセッサ11は、ACT7からACT8へと進む。プロセッサ11は、ACT8としてその入力ボックスINbに入力された回数を運動回数Nとして取得する。
【0037】
運動回数Nを取得したプロセッサ11は、ACT8からACT9へと進む。プロセッサ11は、ACT9として実行ボタンBTaが入力されたか否かを確認する。実行ボタンBTaが入力されていない場合、プロセッサ11は、ACT10へと進む。プロセッサ11は、ACT10として取消ボタンBTbが入力されたか否かを確認する。取消ボタンBTbが入力されていない場合、プロセッサ11は、ACT9に戻る。このように、プロセッサ11は、ACT9及びACT10として実行ボタンBTaが入力されるか取消ボタンBTbが入力されるのを待ち受ける。
【0038】
ACT9及びACT10の待ち受け状態において、取消ボタンBTbが入力された場合には、プロセッサ11は、ACT10からACT11へと進む。プロセッサ11は、ACT11として取得した種目コードCと運動回数Nとをクリアする。またプロセッサ11は、ACT12として番号カウンタXを“0”にリセットする。その後、プロセッサ11は、ACT4へと戻る。そしてプロセッサ11は、ACT4以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0039】
ACT9及びACT10の待ち受け状態において、実行ボタンBTaが入力された場合には、プロセッサ11は、ACT9からACT13へと進む。プロセッサ11は、ACT13として番号カウンタXを“1”だけカウントアップする。そしてプロセッサ11は、設定テーブル133のテーブル番号No.Xと関連付けて、取得した種目コードCと運動回数Nとをセットする。
【0040】
その後、プロセッサ11は、ACT15として番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達したか否かを確認する。例えば、図4に示すようにテーブル番号No.Xの最大値Xmaxが“3”である場合、プロセッサ11は、番号カウンタXが“3”に到達したか否かを確認する。番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達していない場合、プロセッサ11は、ACT4へと戻る。そしてプロセッサ11は、ACT4以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0041】
これに対し、番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達した場合には、プロセッサ11は、ACT15からACT16へと進む。このようにプロセッサ11は、種目の選択を待ち受けているときに設定終了ボタンBTcが入力されるか、番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達すると、ACT16へと進む。すなわち、テーブル番号No.1又はテーブル番号No.1とNo.2に種目コードCと運動回数Nとがセットされ、設定終了ボタンBTcが入力されるか、テーブル番号No.1、No.2及びNo.3にそれぞれ種目コードCと運動回数Nとがセットされると、プロセッサ11は、ACT16へと進む。
【0042】
プロセッサ11は、ACT16としてタッチパネル102の画面を確認画面SCbとする。図8に示すように、確認画面SCbは、設定テーブル133に設定された種目コードCの種目名と運動回数Nとの対応表Liを表示する。また、確認画面SCbは、登録ボタンBTdと中止ボタンBTeの各ソフトウェアキーを配置している。
【0043】
図8は、ユーザが、運動の1種目目として「腕立て伏せ」を、2種目目として「スクワット」を、3種目目として「腹筋」をそれぞれ10回行うことでユーザが認証されるように設定した場合の確認画面SCbである。このような設定内容で問題がない場合には、ユーザは、登録ボタンBTdを入力する。設定内容を変更する場合には、ユーザは、中止ボタンBTeを入力する。
【0044】
図5の説明に戻る。
確認画面SCbを表示したプロセッサ11は、ACT17として登録ボタンBTdが入力されるか、中止ボタンBTeが入力されるのを待ち受ける。この待ち受け状態において、登録ボタンBTdが入力された場合には、プロセッサ11は、ACT17からACT18へと進む。プロセッサ11は、ACT18として設定テーブル133を外部ストレージ13に保存する。以上で、プロセッサ11は、設定モード選択時の情報処理を終了する。
【0045】
一方、中止ボタンBTeが入力された場合には、プロセッサ11は、ACT18の処理をスキップする。すなわち、プロセッサ11は、設定テーブル133を保存しない。以上で、プロセッサ11は、設定モード選択時の情報処理を終了する。
ここに、プロセッサ11は、ACT1乃至ACT18の処理により、設定手段111としての機能を実現する。
【0046】
設定テーブル133が保存されたスマートフォン10のユーザが、ユーザ認証APL131のメニュー画面から認証モードを選択すると、プロセッサ11は、図6の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ11は、ACT21として番号カウンタXを“0”にリセットする。次いで、プロセッサ11は、ACT22としてカメラ103を起動する。起動したカメラ103は、スマートフォン10の正面側又は背面側を撮影する。
【0047】
カメラ103を起動したプロセッサ11は、ACT23へと進む。プロセッサ11は、ACT23として番号カウンタXを“1”だけカウントアップする。そしてプロセッサ11は、ACT24として設定テーブル133からテーブル番号No.Xの種目コードCと運動回数Nとを取得する。
【0048】
プロセッサ11は、ACT25として種目コードCが“Null”であるか否かを確認する。番号カウンタXが“1”のとき、すなわちテーブル番号No.1の種目コードCは“Null”ではない。プロセッサ11は、ACT25からACT26へと進む。プロセッサ11は、ACT26として種目コードCと関連付けられた判定モデルを有効にする。例えば、種目コードCが“01”であった場合には、プロセッサ11は、種目「腕立て伏せ」用の判定モデルMODaを有効にする。種目コードCが“02”であった場合には、プロセッサ11は、種目「スクワット」用の判定モデルMODbを有効にする。種目コードCが“03”であった場合には、プロセッサ11は、種目「腹筋」用の判定モデルMODcを有効にする。
【0049】
いずれかの判定モデルを有効にしたプロセッサ11は、ACT27へと進む。プロセッサ11は、ACT27として回数カウンタnを“0”にリセットする。次いでプロセッサ11は、ACT28としてカメラ103で撮影されている画像を取り込む。そしてプロセッサ11は、取り込んだ撮影画像を判定モデルに入力して判定結果を得る。
【0050】
例えば判定モデルMODaは、撮影画像に写し出されているユーザの頭、肩、肘、手首、腰、膝、足首等のパーツの動きから、腕立て伏せを行ったか否かを判定する。腕立て伏せの動きが認識されると、判定モデルMODaは認識成功をプロセッサ11に返す。腕立て伏せの動きを認識できない場合には、判定モデルMODaは認識失敗をプロセッサ11に返す。
【0051】
例えば判定モデルMODbは、撮影画像に写し出されているユーザの頭、肩、肘、手首、腰、膝、足首等のパーツの動きから、スクワットを行ったか否かを判定する。スクワットの動きが認識されると、判定モデルMODbは認識成功をプロセッサ11に返す。スクワットの動きを認識できない場合には、判定モデルMODbは認識失敗をプロセッサ11に返す。
【0052】
例えば判定モデルMODcは、撮影画像に写し出されているユーザの頭、肩、肘、手首、腰、膝、足首等のパーツの動きから、腹筋を行ったか否かを判定する。腹筋の動きが認識されると、判定モデルMODcは認識成功をプロセッサ11に返す。腹筋の動きを認識できない場合には、判定モデルMODcは認識失敗をプロセッサ11に返す。
【0053】
カメラ103の撮影画像を判定モデルに入力したプロセッサ11は、ACT29へと進む。プロセッサ11は、ACT29として判定モデルから認識成功の応答があったか否かを確認する。認識成功の応答がない場合、プロセッサ11は、ACT30として判定モデルから認識失敗の応答があったか否かを確認する。認識失敗の応答もない場合、プロセッサ11は、ACT28へと戻る。このように、プロセッサ11は、判定モデルから認識成功または認識失敗の応答があるまで、カメラ103で撮影されている画像を取り込み、その撮影画像を判定モデルに入力する。そしてプロセッサ11は、判定モデルの判定結果を待ち受ける。
【0054】
判定モデルから認識成功の応答があった場合、プロセッサ11は、ACT29からACT31へと進む。プロセッサ11は、ACT31として回数カウンタnを“1”だけカウントアップする。そしてプロセッサ11は、ACT32として回数カウンタnが、テーブル番号No.Xの運動回数Nに到達したか否かを確認する。
【0055】
回数カウンタnが運動回数Nに到達していない場合、プロセッサ11は、ACT32からACT28へと戻る。プロセッサ11は、ACT28以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0056】
したがって、例えばテーブル番号No.1に対して種目コードCとして“01”が設定され、運動回数Nとして“10”が設定されている場合には、判定モデルMODaがカメラ103の撮影画像により腕立て伏せの動きを連続して10回認識するまで、プロセッサ11は、ACT28乃至ACT32の処理を繰り返す。
【0057】
回数カウンタnが運動回数Nに到達すると、プロセッサ11は、ACT32からACT33へと進む。プロセッサ11は、ACT33として番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達したか否かを確認する。番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達していない場合、プロセッサ11は、ACT33からACT23へと戻る。プロセッサ11は、ACT23として番号カウンタXをさらに“1”だけカウントアップする。したがって、番号カウンタXは、“2”以上の整数となる。番号カウンタXは、“2”以上のとき、すなわちテーブル番号No.2またはテーブル番号No.3の種目コードCは、“Null”の場合があり得る。テーブル番号No.Xの種目コードCが“Null”である場合、プロセッサ11は、ACT25からACT34へと進む。ACT34の処理については後述する。
【0058】
一方、テーブル番号No.Xの種目コードCが“Null”でない場合には、プロセッサ11は、ACT26以降の処理を前述したのと同様に実行する。したがって、例えばテーブル番号No.2に対して種目コードCとして“02”が設定され、運動回数Nとして“10”が設定されている場合には、種目「スクワット」の判定モデルMODbが有効となる。そして、この判定モデルMODbがカメラ103の撮影画像によりスクワットの動きを連続して10回認識するまで、プロセッサ11は、ACT28乃至ACT32の処理を繰り返す。
【0059】
スクワットの動きが連続して10回認識されると、プロセッサ11は、ACT32からACT33へと進む。プロセッサ11は、ACT33として番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達したか否かを確認する。番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達していない場合、プロセッサ11は、ACT33からACT23へと戻る。プロセッサ11は、ACT23以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0060】
例えばテーブル番号No.3に対して種目コードCとして“03”が設定され、運動回数Nとして“10”が設定されている場合には、種目「腹筋」の判定モデルMODcが有効となる。そして、この判定モデルMODcがカメラ103の撮影画像により腹筋の動きを連続して10回認識するまで、プロセッサ11は、ACT28乃至ACT32の処理を繰り返す。
【0061】
腹筋の動きが連続して10回認識されると、プロセッサ11は、ACT32からACT33へと進む。プロセッサ11は、ACT33として番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達したか否かを確認する。かくして、番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達すると、プロセッサ11は、ACT33からACT34へと進む。
【0062】
このように、プロセッサ11は、テーブル番号No.Xの種目コードCが“Null”であることを検出するか、番号カウンタXがテーブル番号No.Xの最大値Xmaxに到達すると、ACT34へと進む。プロセッサ11は、ACT34としてユーザが認証されたと認識する。
【0063】
すなわち、例えばテーブル番号No.1だけに種目コードCと運動回数Nが設定されていた場合には、カメラ103の撮影領域内でユーザが種目コードCで識別される種目の運動をN回反復して行うことにより、プロセッサ11は、ユーザが認証されたと認識する。例えばテーブル番号No.1に1種目目の種目コードCと運動回数Nが設定され、テーブル番号No.2に2種目目の種目コードCと運動回数Nが設定されていた場合には、カメラ103の撮影領域内でユーザが先ず1種目目の種目コードCで識別される種目の運動をN回反復して行い、続いて2種目目の種目コードCで識別される種目の運動をN回反復して行うことにより、プロセッサ11は、ユーザが認証されたと認識する。例えばテーブル番号No.1からテーブル番号No.3までに3種目の種目コードCと運動回数Nが設定されていた場合も同様である。
【0064】
かくして、ユーザが認証されると、プロセッサ11は、ロックフォルダ134のロックを解除する。その結果、ユーザは、ロックフォルダ134に格納されたアプリケーションソフトウェアを使用することができる。
【0065】
なお、判定モデルから認識失敗の応答があった場合には、プロセッサ11は、ACT30からACT35へと進む。プロセッサ11は、ACT35としてユーザが否認されたと認識する。ユーザが否認された場合、ロックフォルダ134のロックは解除されない。したがってユーザは、ロックフォルダ134に格納されたアプリケーションソフトウェアを使用することができない。
【0066】
以上で、プロセッサ11は、認証モード選択時の情報処理を終了する。
ここに、プロセッサ11は、ACT26乃至ACT30の処理により、検出手段112としての機能を実現する。プロセッサ11は、ACT31の処理により、計数手段113としての機能を実現する。プロセッサ11は、ACT25及びACT32乃至ACT34の処理により、認証手段114としての機能を実現する。
【0067】
以上の説明から明らかなように、スマートフォン10のユーザは、ユーザ認証が必要なロックフォルダ134内のアプリケーションソフトウェアを使用する際には、必ず、設定した運動を所定の回数だけ反復して行わなければならない。したがって、ユーザは、ユーザ認証の際に適度な運動を習慣的に行い得るようになるので、腰痛、首痛、眼精疲労等の健康被害が軽減されると推測される。
【0068】
その上、ユーザは、運動の種目数とその運動の回数とを任意に設定することができる。したがって、ユーザにとって最適な身体負荷が得られる運動を習慣的に行い得るように設定することができる。
【0069】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、機能を使用するためにユーザ認証が必要な電子機器として、複合機(MFP:Multifunction Peripheral)を例示する。一般に、複合機はワークスペースに設置され、複数のユーザが共有する。そのため、各ユーザがIDカードを所有し、そのIDカードを複合機に読み取らせることによって、プリンタ、FAX、コピー等の機能を利用可能とする機種がある。そこで第2の実施形態では、IDカードを複合機に読み取らせたユーザが、複合機の前で運動をすることで認証されると、複合機の機能を使用可能とする。かくして、ユーザ認証の際にユーザが適度な運動を習慣的に行い得るようにしたものである。
【0070】
図9は、複合機20の外観を示す模式図であり、図10は、複合機20の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。図9に示すように、複合機20は、スキャナ201、プリンタ202及び操作パネル203を有する。
【0071】
スキャナ201は、複合機20の本体上部に設置する。スキャナ201は、原稿の画像を光学的に読み取る装置である。スキャナ201は、スキャンする原稿を載置する原稿台ガラスを有する。スキャナ201は、原稿台ガラスに載置された原稿をスキャンする。スキャナ201は、キャリッジおよび光電変換部等を有する。キャリッジおよび光電変換部等は、原稿台ガラスの下方に設置される。スキャナ201は、キャリッジを副走査方向に移動させながら光電変換部で主走査方向の画像データを取得することにより原稿全体の画像を読み取る。
【0072】
スキャナ201の上方には、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)204が設けられる。ADF204は、開閉自在に設置される。ADF204は、スキャナ201の原稿台カバーとしても機能する。ADF204は、閉じた状態において原稿台ガラスにおける原稿読取領域全体を覆う。また、ADF204は、給紙トレイおよび搬送系等を有する。ADF204は、閉じた状態において、給紙トレイにセットされた原稿を1枚ずつ取り出し、取り出した原稿の読取面が所定の読取位置を通過するように原稿を搬送させる。ADF204が原稿を搬送する場合、スキャナ201は、ADF204に搬送される原稿が所定の読取位置を通過する際に原稿面を読み取ることにより原稿全体の画像を読み取る。
【0073】
プリンタ202は、給紙カセット、搬送系、および、画像形成機構を有する。給紙カセットは、画像をプリントする被画像形成媒体としての用紙を収納する。例えば、給紙カセットは、複合機本体の下部に着脱可能である。給紙カセットに収納された用紙は、給紙ローラによって1枚ずつ取り出される。搬送系は、給紙ローラが給紙カセットから取り出された用紙を画像形成位置又は画像転写位置に搬送する。
【0074】
プリンタ202の画像形成機構は、画像を形成する機構である。画像形成機構は、種々の画像形成方式のものを適用できる。例えば、画像形成機構は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよいし、熱転写方式であってもよい。また、画像形成機構は、カラーの画像を形成するものであってもよいし、モノクロの画像を形成するものであってもよい。画像形成機構は、搬送系によって供給される用紙に画像を形成する。また、画像形成機構は、中間転写体上に形成した画像を画像転写位置において搬送系によって供給される用紙に転写するものであってもよい。
【0075】
操作パネル203は、ユーザインターフェースである。操作パネル203は、タッチパネル205及び操作ボタン206を有する。タッチパネル205は、操作案内および予め設定されたコンテンツ等を表示する。また、タッチパネル205は、操作ボタンとしてのアイコン等を表示する。タッチパネル205は、表示画面上においてユーザがタッチした部位を検知する。操作ボタン206は、テンキーおよび特定の操作を指示する操作ボタン等を含む。ユーザは、操作パネル203の操作ボタン206あるいはタッチパネル205により操作指示を入力する。
【0076】
複合機20は、操作パネル203にリーダ207を取り付けている。リーダ207は、非接触式ICカードのデータを読み取るデバイスである。非接触式ICカードは、複合機20が設置されたワークスペースで働くユーザがそれぞれ所有するIDカードである。IDカードには、当該IDカードを所有するユーザを識別するためにユーザ毎に設定された一意のユーザIDが記録されている。
【0077】
複合機20は、カメラ208を備えている。カメラ208は、画像の撮影デバイスであり、例えばCCDカメラが用いられる。カメラ208は、複合機本体の正面側、すなわち操作パネル203が設けられている側を撮影領域とし、静止画又は動画を撮影する。
【0078】
図10に示すように、複合機20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23及び通信インターフェース24を備える。複合機20は、プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶デバイス23及び通信インターフェース24とをシステム伝送路25で接続する。システム伝送路25は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。複合機20は、プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶デバイス23及び通信インターフェース24とをシステム伝送路25で接続することにより、コンピュータを構成する。そして複合機20は、そのコンピュータに、システム伝送路25を介してスキャナ201、プリンタ202、操作パネル203、リーダ207及びカメラ208を接続する。なお、複合機20が搭載するデバイスは、スキャナ201、プリンタ202、操作パネル203、リーダ207及びカメラ208に限定されないのは言うまでもないことである。
【0079】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションソフトウェアに従って、複合機20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0080】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションソフトウェアを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0081】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス23となり得る。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションソフトウェアを記憶する場合もある。
【0082】
通信インターフェース24は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータとの間でデータ通信を行う。他のコンピュータは、例えばワークスペースに設置された1乃至複数台のパーソナルコンピュータである。通信インターフェース24は、例えばネットワークを介して他のコンピュータから印刷データを受信する。通信インターフェース24は、例えばスキャナ201で読み取ったデータを、ネットワークを介して他のコンピュータに送信する。
【0083】
かかる構成の複合機20に対し、本実施形態では、ユーザ認証APL231をインストールする。ユーザ認証APL231は、ユーザ認証用のアプリケーションソフトウェアである。ユーザ認証APL231のインストール先は、メインメモリ22であってもよいし、補助記憶デバイス23であってもよい。図10においては、補助記憶デバイス23にインストールした場合を示している。ユーザ認証APL231を複合機20にインストールする方法は、特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体にユーザ認証APL231を記録して、あるいはネットワークを介した通信によりユーザ認証APL231を配信して、複合機20のメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0084】
ユーザ認証APL231は、カメラ208で撮影された画像から、運動をしているユーザの姿勢を検知し、そのユーザの姿勢から、決められた動きが反復して行われた回数を計数し、その回数が2以上の定められた回数に到達したことを条件に、複合機20のユーザを認証する、というアプリケーションソフトウェアである。ユーザ認証APL231によってユーザが認証されると、複合機20においては、プリンタ、FAX、コピー等の機能を利用可能となる。
【0085】
このような機能を実現するために、複合機20にユーザ認証APL231がインストールされると、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に、種目別判定モデル232及びユーザ別設定テーブル233の各記憶領域が形成される。
【0086】
種目別判定モデル232は、第1の実施形態で説明した種目別判定モデル132と同様のものである。よって、ここでの説明は省略する。
【0087】
ユーザ別設定テーブル233は、図11に示すように、各ユーザのユーザIDと関連付けて、一連のテーブル番号No.Xの順番に種目コードCと運動回数Nとを設定するための領域である。テーブル番号No.Xと種目コードCと回数Nについては、第1の実施形態における設定テーブル133と同様である。すなわちユーザ別設定テーブル233は、複合機20のユーザ毎に設定テーブル133を設けたものである。
【0088】
複合機20にユーザ認証APL231をインストールすることによって、タッチパネル205の画面には、ユーザ認証APL231のアイコンが表示される。複合機20のユーザがこのアイコンをタッチ操作すると、ユーザ認証APL231が起動する。ユーザ認証APL231が起動することによって、プロセッサ21は、図10に示すように取得手段211、設定手段212、検出手段213、計数手段214及び認証手段215としての機能を実現する。
【0089】
取得手段211は、ユーザを識別する識別情報を取得する機能である。本実施形態において、識別情報はユーザIDである。取得手段211は、リーダ207を介してIDカードに記録されたユーザIDを取得する。設定手段212は、ユーザ別設定テーブル233に対してユーザID別に、テーブル番号No.Xの順に種目コードCと回数Nとを設定する機能である。検出手段213は、種目別判定モデル232を使用して、複合機20の前で運動をしているユーザの姿勢を検知する機能である。計数手段214は、ユーザの姿勢から、決められた動きが反復して行われた回数を計数する機能である。認証手段215は、回数が2以上の定められた回数に到達したことを条件に、ユーザを認証する機能である。
【0090】
設定手段212は、プロセッサ21がユーザ認証APL231の設定モードで動作することによって実現される機能である。検出手段213、計数手段214及び認証手段215は、プロセッサ11がユーザ認証APL131の認証モードで動作することによって実現される機能である。なお、取得手段211は、設定モード及び認証モードのいずれにおいても実現される機能である。そこで次に、図12及び図13を用いて、プロセッサ21の主要な動作について説明する。
【0091】
図12は、プロセッサ21がユーザ認証APL231の設定モードで動作する際の情報処理の要部手順を示す流れ図である。図12において、第1の実施形態の当該処理を示す図5と同一の処理手順については、同一の符号を付している。図13は、プロセッサ21がユーザ認証APL231の認証モードで動作する際の情報処理の要部手順を示す流れ図である。図13において、第1の実施形態の当該処理を示す図6と同一の処理手順については、同一の符号を付している。なお、各流れ図によって示される情報処理の手順は一例である。同様の効果を奏し得るのであれば、その手順は適宜変更することができる。
【0092】
複合機20のユーザが、タッチパネル205に表示されているユーザ認証APL231のアイコンにタッチしてユーザ認証APL231を起動すると、タッチパネル205にユーザ認証APL231のメニュー画面が表示される。そこで、ユーザがそのメニュー画面から設定モードを選択すると、プロセッサ21は、図12の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0093】
プロセッサ21は、ACT41としてユーザIDが読み取られるのを待ち受ける。設定モードを選択したユーザは、IDカードをリーダ207に翳す。そうすることにより、リーダ207によってIDカードに記録されているユーザIDが読み取られるので、プロセッサ21は、ACT41からACT42へと進む。プロセッサ21は、ACT42としてユーザIDを記憶する。
【0094】
次いでプロセッサ21は、ACT43としてユーザ別設定テーブル233を初期化する。この初期化により、記憶したユーザIDと関連付けてユーザ別設定テーブル233に記述されていた種目コードCと運動回数Nがクリアされる。その結果、記憶したユーザIDと関連付けられた各テーブル番号No,Xの種目コードCは“Null”となる。運動回数Nは“0”となる。
【0095】
ユーザ別設定テーブル233を初期化したプロセッサ21は、ACT44へと進む。プロセッサ21は、ACT44としてタッチパネル205の画面を設定画面とする。設定画面は、第1の実施形態の設定画面SCaと同様である。すなわち設定画面は、種目を選択するためのプルダウンボックスINaと、運動回数Nの入力ボックスINbと配置している。また設定画面は、実行ボタンBTa、取消ボタンBTb及び設定終了ボタンBTcの各ソフトウェアキーを配置している。
【0096】
設定画面を確認したユーザは、第1の実施形態と同様に、プルダウンボックスINaに表示される運動の種目「腕立て伏せ」、「スクワット」及び「腹筋」の中から1種目を選択する。そして、入力ボックスINb内をタッチするとテンキーが表示されるので、“2”以上の回数を入力する。
【0097】
設定画面を表示したプロセッサ11は、ACT45として番号カウンタXを“0”にリセットする。この処理は、第1の実施形態で説明したACT3の処理と同様である。そしてプロセッサ21は、以後、第1の実施形態で説明したACT4乃至18の処理を前述したのと同様に実行する。
【0098】
かくして、ユーザ別設定テーブル233には、リーダ207で読み取ったIDカードのユーザIDと関連付けて、当該ユーザIDで識別されるユーザが設定した種目コードCと運動回数Nとがテーブル番号No.Xの順に記述される。ここにプロセッサ21は、ACT41及びACT42の処理により取得手段211としての機能を実現する。またプロセッサ21は、ACT43,ACT44及びACT4乃至ACT18の処理により、設定手段212としての機能を実現する。
【0099】
ユーザ別設定テーブル233に自らのユーザIDと関連付けて種目コードCと運動回数Nとを設定したユーザがユーザ認証APL231のメニュー画面から認証モードを選択すると、プロセッサ21は、図13の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ21は、ACT51としてユーザIDが読み取られるのを待ち受ける。認証モードを選択したユーザは、IDカードをリーダ207に翳す。そうすることにより、リーダ207によってIDカードに記録されているユーザIDが読み取られるので、プロセッサ21は、ACT51からACT52へと進む。プロセッサ21は、ACT52としてユーザIDを記憶する。
【0100】
次いで、プロセッサ21は、ACT53としてユーザ別設定テーブル233から、記憶したユーザIDと関連付けて記述されているデータを取得する。すなわちプロセッサ21は、テーブル番号No.Xの順に記述された種目コードCと運動回数Nとを取得する。しかる後、プロセッサ21は、ACT54として番号カウンタXを“0”にリセットする。この処理は、第1の実施形態で説明したACT21の処理と同様である。そしてプロセッサ21は、以後、第1の実施形態で説明したACT21乃至35の処理を前述したのと同様に実行する。
【0101】
かくしてユーザが、複合機20に設けられたカメラ208の撮影領域内で種目コードCで特定される運動を運動回数Nだけ反復して行うことにより、プロセッサ21は、ユーザが認証されたと認識する。その結果、ユーザは、プリンタ、FAX、コピー等の複合機20の機能を利用することができる。
【0102】
ここに、プロセッサ21は、ACT51及びACT52の処理により取得手段211としての機能を実現する。またプロセッサ21は、ACT26乃至ACT30の処理により、検出手段112としての機能を実現し、ACT31の処理により、計数手段113としての機能を実現し、ACT25及びACT32乃至ACT34の処理により、認証手段114としての機能を実現するのは、第1の実施形態と同様である。
【0103】
以上詳述したように、第2の実施形態によれば、複合機20のユーザは、誰もがプリンタ、FAX、コピー等の機能を使用する際には、必ず、設定した運動を所定の回数だけ反復して行わなければならない。したがって、各ユーザは、ユーザ認証の際に適度な運動を習慣的に行い得るようになるので、ワークスペースで従事する各ユーザの腰痛、首痛、眼精疲労等の健康被害が軽減されると推測される。
【0104】
その上、各ユーザは、それぞれ運動の種目数とその運動の回数とを任意に設定することができる。したがって、ユーザにとって最適な身体負荷が得られる運動を習慣的に行い得るように設定することができる。
【0105】
[他の実施形態]
前記実施形態では、複数の運動の種目を設定できるようにした。他の実施形態としては、1種目に限定してもよい。その場合には、設定画面SCaにおいては運動回数Nのみ設定することとなる。因みに、運動の種目は、「腕立て伏せ」、「スクワット」、「腹筋」の3種類に限定されない。例えば「ジャンプ」、「反復横跳び」、「腿上げ」、「腕回し」等も適当な身体負荷が得られるので、種目として設定することができる。
【0106】
前記実施形態では、カメラ103又はカメラ208で撮影した画像に基づいて、運動をしているユーザの姿勢を検知する場合を例示した。運動をしているユーザの姿勢を検知する手段は、これに限定されるものではない。例えば運動の種目「ジャンプ」を検出する場合においては、ユーザの認証が必要な電子機器の近くにシート状の感圧センサを用意する。そしてユーザは、感圧センサの上でジャンプを繰り返す。そのときのユーザの姿勢により感圧センサの出力信号が変動するので、この出力信号を電子機器で受信し、運動をしているユーザの姿勢を検知してもよい。
【0107】
前記実施形態では、機能を使用するためにユーザ認証が必要な電子機器としてスマートフォン10と複合機20とを例示した。電子機器がスマートフォン10と複合機20に限定されないのは言うまでもない。例えば、タブレット端末、パソコン等のように個人で使用する電子機器については、第1の実施形態をそのまま適用することができる。一方、コピー機、スキャナ、共有パソコン等のように複数のユーザが共有する電子機器については、第2の実施形態をそのまま適用することができる。
【0108】
前記実施形態では、例えば3種目の運動に対してそれぞれ運動回数Nを設定した場合には、その3種目について設定した順番にそれぞれ運動回数Nの運動が認識されないとユーザが認証されないようにした。この点に関しては、例えばいずれか1種目の運動が運動回数Nだけ行われたことが認識されると、ユーザが認証されるようにしてもよい。そうすることにより、ユーザは、設定テーブル133又はユーザ別設定テーブル233に対する設定内容を変更せずに、ユーザ認証の際の運動種目を適宜変更することができる。その結果、ユーザが飽きてしまうことがないので、より一層、適度な運動を習慣的に行い得るようになる。
【0109】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
10…スマートフォン、11…プロセッサ、12…内部ストレージ、13…外部ストレージ、14…モバイル通信部、15…近距離通信部、16…システム伝送路、20…複合機、21…プロセッサ、22…メインメモリ、23…補助記憶デバイス、24…通信インターフェース、25…システム伝送路、101…本体、102…タッチパネル、103…カメラ、104…マイクロフォン、105…スピーカ、111,212…設定手段、112,213…検出手段、113,214…計数手段、114,215…認証手段、131,231…ユーザ認証APL、132,232…種目別判定モデル、133…設定テーブル、134…ロックフォルダ、201…スキャナ、202…プリンタ、203…操作パネル、204…ADF、205…タッチパネル、206…操作ボタン、207…リーダ、208…カメラ、211…取得手段、233…ユーザ別設定テーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13