(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090940
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】担当者情報提供装置
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240627BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207141
(22)【出願日】2022-12-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】522002191
【氏名又は名称】YOJYOnet株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和憲
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】医療施設又は健康増進施設の受診希望者又は利用希望者が、受診先又は利用先を選択するための適切な情報を得られるようにする。
【解決手段】医療施設の各利用者に関する電子カルテが記憶された電子カルテ記憶部231と、電子カルテ記憶部から、各担当者が担当した治療等に関する情報である担当履歴情報を抽出する担当履歴情報抽出部221と、担当履歴情報に基づいて、各担当者の実績又は評価を示す情報である実績・評価情報を生成する実績・評価情報生成部222と、前記実績・評価情報を記憶する担当者情報記憶部236と、検索者端末からの検索要求に応じて担当者情報記憶部を対象とする検索を実行することにより、検索条件に合致する一人以上の担当者を特定し、該担当者に関する識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する検索機能提供部223と、を有する担当者情報提供装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療施設又は健康増進施設において診断、治療、施術、又は指導を担当する担当者の情報を、インターネットを介して検索者端末に提供する担当者情報提供装置であって、
前記医療施設又は前記健康増進施設を利用した複数の利用者の各々について、該利用者に対して行われた診断、治療、施術、又は指導に関する情報と、前記診断、治療、施術、又は指導を担当した担当者の識別情報とを含む電子カルテが記憶された電子カルテ記憶部と、
予め登録された複数の担当者の各々について、前記電子カルテ記憶部から、該担当者が担当した診断、治療、施術、又は指導に関する情報である担当履歴情報を抽出する担当履歴情報抽出部と、
前記複数の担当者の各々について、前記担当履歴情報に基づいて、該担当者の実績又は評価を示す情報である実績・評価情報を生成する実績・評価情報生成部と、
前記複数の担当者の各々について、該担当者の前記識別情報と関連付けて該担当者の前記実績・評価情報を記憶する担当者情報記憶部と、
前記検索者端末からの検索要求に応じて前記担当者情報記憶部を対象とする検索を実行することにより、前記複数の担当者の中から、該検索者端末から送信された検索条件に合致する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する検索機能提供部と、
を有することを特徴とする担当者情報提供装置。
【請求項2】
前記担当者情報提供装置が、更に、
前記複数の利用者の少なくとも一部が所有する利用者端末に、前記医療施設又は健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導についての評価を尋ねる質問を送信すると共に、前記質問に対する前記利用者端末からの回答を取得し、当該回答の情報である利用者回答情報を、前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、前記電子カルテに含めて記憶させる利用者所感取得部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記利用者回答情報を加味して前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項3】
前記電子カルテ記憶部が、前記複数の利用者の各々についての前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、該利用者から取得した予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された治療、施術、又は指導方法である候補方法と、該利用者を担当した前記担当者によって決定された治療、施術、又は指導方法である決定方法とを前記電子カルテに含めて記憶するものであって、
前記実績・評価情報生成部が、各担当者毎に、前記候補方法と前記決定方法とが異なっている割合を算出し、当該割合を加味して該担当者の前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項4】
前記担当者情報提供装置が、医療施設における前記担当者の情報を提供するものであって、
前記電子カルテ記憶部が、前記医療施設の前記複数の利用者の各々についての前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、該利用者から取得した予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された疾患名である候補疾患名と、該利用者の診断を担当した前記担当者が予測した疾患名である予測疾患名とを前記電子カルテに含めて記憶するものであり、
前記実績・評価情報生成部が、各担当者毎に、前記候補疾患名と前記予測疾患名とが異なっている割合を算出し、当該割合を加味して該担当者の前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項5】
更に、
前記複数の担当者の少なくとも一部が所有する担当者端末に、該担当者端末の所有者の体調を評価するための質問を送信すると共に、前記質問に対する前記担当者端末からの回答を取得する健康質問送受信部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記担当者端末からの回答を加味して前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項6】
更に、
前記複数の担当者の少なくとも一部が所有する担当者端末に前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関する問題を送信すると共に、前記問題に対する前記担当者端末からの回答を取得するテスト問題送受信部と、
前記回答に基づいて前記担当者端末の所有者である担当者の成績を表す評価値である成績評価値を算出する成績評価値算出部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記成績評価値を加味して前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項7】
更に、
前記複数の担当者の各々による前記医療施設又は前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関するオンライン学習の履歴である学習履歴情報を取得する学習履歴取得部、
を有し、
前記実績・評価生成部が、更に、前記学習履歴情報を加味して前記実績・評価情報を生成するものである
請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項8】
前記検索機能提供部が、前記検索者端末から前記検索条件として予診情報を取得し、該予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された、候補疾患名、又は治療、施術、若しくは指導方法である候補方法に対応する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する、
請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項9】
コンピュータを請求項1~8のいずれかに記載の担当者情報提供装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍼灸治療院、整骨治療院、若しくは病院等の医療施設において治療又は施術を担当する担当者の情報、又はマッサージ店、スポーツジム、若しくはヨガ教室等の健康増進施設において施術又は指導を担当する担当者に関する情報を提供する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鍼灸治療院又は整骨治療院(以下「鍼灸整骨治療院」とよぶ)にて治療又は施術を受けようとする者(以下「受診希望者」とよぶ)は、予めインターネット検索を行って自己のニーズに合った鍼灸整骨治療院を探すことが多い。その際、受診希望者は、まず、一般的な検索エンジン又は専門の検索サイト(例えば、非特許文献1を参照)を利用して自己の居住地付近の鍼灸整骨治療院を検索し、その後、該検索でヒットした鍼灸整骨治療院について詳細な情報収集を行う。前記詳細な情報収集では、受診希望者が、前記検索でヒットした鍼灸整骨治療院について前記専門の検索サイトに掲載されている情報を参照したり、該鍼灸整骨治療院が開設しているウェブサイトを参照したりして、該鍼灸整骨治療院の専門分野又は得意分野などを把握し、それに基づいて該鍼灸整骨治療院を受診するか否かを判断する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】"鍼灸ネット",[online],[令和4年12月8日検索],インターネット<URL:https://www.hariq.net/d_search/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、鍼灸整骨治療院には複数人の鍼灸師又は柔道整復師が在籍している場合も多く、同じ鍼灸整骨治療院であっても、鍼灸師又は柔道整復師によって治療経験、知識量、及び技術力等に違いがある。そのため、上記のようなインターネット検索による情報収集によって決定した鍼灸整骨治療院を受診しても、必ずしも期待するような治療又は施術が受けられるとは限らなかった。
【0005】
なお、このような問題は上記のような鍼灸整骨治療院に限らず、病院、医院、若しくは診療所などの医療施設の受診希望者、又はマッサージ店、スポーツジム、若しくはヨガ教室等の健康増進施設の利用希望者が、インターネット検索によって前記医療施設又は前記健康増進施設の情報収集を行った場合にも共通する問題であった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のような鍼灸整骨治療院、病院、医院、若しくは診療所などの医療施設、又はマッサージ店、スポーツジム、若しくはヨガ教室等の健康増進施設の受診希望者又は利用希望者等が、受診先又は利用先を選択するための適切な情報を得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために成された本発明に係る担当者情報提供装置は、
医療施設又は健康増進施設において診断、治療、施術、又は指導を担当する担当者の情報を、インターネットを介して検索者端末に提供する担当者情報提供装置であって、
前記医療施設又は前記健康増進施設を利用した複数の利用者の各々について、該利用者に対して行われた診断、治療、施術、又は指導に関する情報と、前記診断、治療、施術、又は指導を担当した担当者の識別情報とを含む電子カルテが記憶された電子カルテ記憶部と、
予め登録された複数の担当者の各々について、前記電子カルテ記憶部から、該担当者が担当した診断、治療、施術、又は指導に関する情報である担当履歴情報を抽出する担当履歴情報抽出部と、
前記複数の担当者の各々について、前記担当履歴情報に基づいて、該担当者の実績又は評価を示す情報である実績・評価情報を生成する実績・評価情報生成部と、
前記複数の担当者の各々について、該担当者の前記識別情報と関連付けて該担当者の前記実績・評価情報を記憶する担当者情報記憶部と、
前記検索者端末からの検索要求に応じて前記担当者情報記憶部を対象とする検索を実行することにより、前記複数の担当者の中から、該検索者端末から送信された検索条件に合致する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する検索機能提供部と、
を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
上記構成を有する本発明に係る担当者情報提供装置によれば、医療施設の受診希望者又は健康増進施設の利用希望者等が、受診先又は利用先を選択するための適切な情報を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る治療支援及び治療者情報提供システムの概略的な構成図。
【
図2】前記システムに含まれるサーバの概略的な構成図。
【
図3】患者端末の表示部に表示される予診票画面の一例を示す図であって、(a)は来院目的を尋ねる画面であり、(b)は前記来院目的として「治療」を選択した場合に表示される画面である。
【
図4】治療院端末に表示される対象患者の電子カルテ画面の一例を示す図。
【
図5】治療院端末に表示される候補疾患リスト画面の一例を示す図。
【
図6】治療院側端末に表示される西洋医学的検査画面の一例を示す図。
【
図7】治療院側端末に表示される蓋然性表示画面の一例を示す図。
【
図8】治療院側端末に表示される治療方針決定画面の一例を示す図。
【
図9】検索者端末に表示される検索条件入力画面の一例を示す図。
【
図10】検索者端末に表示される検索結果一覧画面の一例を示す図。
【
図11】検索者端末に表示される詳細情報表示画面の一例を示す図。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る治療支援及び治療者情報提供システムに含まれるサーバの概略的な構成図。
【
図13】検索者端末に表示される検索条件入力画面の別の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態1]
以下、本発明の一実施形態に係る治療支援及び治療者情報提供システム(以下、単に「システム」という)について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
[1.システム構成]
図1は、本実施形態に係るシステムの概略的な構成図である。本実施形態に係るシステムは、鍼灸整骨治療院(本発明における「医療施設」に相当)における診断、治療、又は施術(以下、「治療等」と総称する)を支援すると共に、鍼灸整骨治療院の受診希望者等に対し、自己の条件に合った治療者(ここでは、鍼灸整骨治療を行う施術者)を検索するための検索機能を提供するものである。このシステムは、インターネット10を介して互いに接続された、サーバ20と、治療院端末30と、治療者端末40と、患者端末50と、検索者端末60とを含んでいる。サーバ20と、治療院端末30、治療者端末40、患者端末50、又は検索者端末60との間でのデータの送受信は、インターネット10を介して行われる。
【0012】
サーバ20の実態は、通信事業者が設置した汎用サーバ(いわゆるクラウドサーバ)又は本システムの運営者が設置したサーバであり、CPU、メモリ(いずれも図示せず)、及びハードディスク又は半導体メモリ等から成る大容量記憶装置230(
図2を参照)を備えている。大容量記憶装置230には、本システムで使用される様々な情報が記憶されている。本実施形態においては、このサーバ20が本発明における「担当者情報提供装置」に相当する。
【0013】
治療院端末30は鍼灸整骨治療院に設置されている端末である。治療者端末40(本発明における「担当者端末」に相当)は、鍼灸整骨治療院にて治療等を行う鍼灸師又は柔道整復師等の治療者(本発明における「担当者」に相当)が所有する端末である。患者端末50(本発明における「利用者端末」に相当)は、鍼灸整骨治療院の患者(本発明における「利用者」に相当)が所有する端末である。検索者端末60は、本システムが提供する検索機能を利用する者(検索者)が所有する端末である。治療院端末30、治療者端末40、患者端末50、及び検索者端末60は、いずれもCPU及びメモリ等を備えたコンピュータをハードウェア資源としており、表示部(例えば液晶ディスプレイ)と入力部(例えば、マウス又はキーボード)、又は表示部と入力装置を兼ねたタッチパネルを備えている。このようなコンピュータとしては、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォン等を用いることができる。治療院端末30、治療者端末40、患者端末50、及び検索者端末60は、通常、それぞれ複数個存在するが、1個でもよい。なお、治療院端末30が複数ある場合、通常、各治療院端末30はそれぞれ異なる鍼灸整骨治療院に設置される。
【0014】
図2に示すように、サーバ20は、上述の大容量記憶装置230に加えて、電子カルテ送受信部211、予診票画面提供部212、候補疾患・施術箇所提示部213、予測疾患・施術箇所選択部214、検査情報出力部215、検査結果取得部216、蓋然性指標付与部217、予測結果提示部218、施術内容取得部219、患者所感取得部220、治療者情報抽出部221、治療者評価生成部222、及び検索機能提供部223を備えている。前記各部は、大容量記憶装置230に予め記憶された専用のプログラムを、サーバ20のCPUで実行することによって具現化される機能ブロックである。また、大容量記憶装置230は、電子カルテ記憶部231、疾患情報記憶部232、施術箇所情報記憶部233、検査情報記憶部234、施術内容記憶部235、及び治療者情報記憶部236を備えている。なお、本実施形態においては、患者所感取得部220が本発明における「利用者所感取得部」に相当し、治療者情報抽出部221が本発明における「担当履歴情報抽出部」に相当し、治療者評価生成部222が本発明における「実績・評価情報生成部」に相当する。また、治療者情報記憶部236が本発明における「担当者情報記憶部」に相当する。
【0015】
電子カルテ記憶部231には、患者毎に、当該患者の識別情報、背景情報、及び治療等情報が記述された電子カルテが記憶されている。患者の識別情報は、治療者個人を特定するための情報であって、例えば患者の氏名、性別、生年月日、又は患者個人に付された識別番号等が含まれている。患者の背景情報には、例えば当該患者の最新の来院時における症状(その症状がみられる部位を含む)、現病歴、体質、生活習慣、又は既往歴等が含まれている。また、患者の治療等情報には、当該患者についてこれまでに行われた治療等の内容、及び各治療等を担当した治療者を特定する情報(氏名、識別番号等)等が含まれている。患者の識別情報及び背景情報は、その患者が初めて鍼灸整骨治療院(以下、単に「治療院」とよぶ場合がある)を来院したときに患者自身又は治療者が治療院端末30を介して入力するか、患者端末50を介して患者が入力したものを治療院端末30が取得して電子カルテ記憶部231に記憶させたものとすることができる。識別情報及び背景情報は適宜のタイミングで更新される。一方、患者の治療情報は、患者が来院する都度、該患者の治療等を担当した治療者が治療院端末30を介して入力し、電子カルテ記憶部231に記憶させる。
【0016】
疾患情報記憶部232には、鍼灸整骨治療の対象となる複数の症状と、各症状に対する疾患とが対応付けて記憶されている。また、施術箇所情報記憶部233には、鍼灸整骨治療の対象となる複数の症状と、各症状に対する施術箇所とが対応付けて記憶されている。本実施形態では、疾患情報記憶部232には約500の疾患が、それぞれ症状に対応付けて記憶されており、施術箇所情報記憶部233には、約500の施術箇所(経路・経穴及び、筋肉・神経・血管)が、それぞれ症状と対応付けて記憶されている。
【0017】
検査情報記憶部234には、鍼灸整骨治療の対象となる複数の疾患と、複数の施術箇所と、疾患と施術箇所の各組み合わせに対する東洋医学的検査及び西洋医学的検査の検査情報とが対応付けて記憶されている。疾患と施術箇所の各組合せに対する検査情報には、通常は東洋医学的検査及び西洋医学的検査の両方が含まれているが、疾患又は施術箇所によっては東洋医学的検査のみ、西洋医学的検査のみが含まれていることもある。施術内容記憶部235には、複数の施術箇所と、各施術箇所で行われる施術内容とが対応付けて記憶されている。施術内容には、例えば施術箇所で行われる鍼灸治療・整骨治療の種類(手技)及び治療に用いられる器具、薬剤等が含まれる。
【0018】
治療者情報記憶部236には、治療者毎に、その治療者の識別情報、実績情報、評価情報、及びその他の情報が記憶されている。治療者の識別情報は、治療者個人を特定するための情報であって、例えば治療者の氏名、性別、生年月日、又は治療者に付された識別番号等が含まれている。治療者の実績情報は、該治療者の治療等に関する実績を示す情報であって、例えば、当該治療者がこれまでに担当した患者の人数や男女比、これまでに治療等を行った疾患の種類及びその数、又はこれまでに担当した患者が評価した当該治療者による治療効果及び治療満足度等の情報が含まれている。これらの実績情報は、治療者評価生成部222が電子カルテ記憶部231に蓄積された情報から各治療者が行った治療等に関する情報を抽出し、それらを集計することによって作成される(詳細は後述する)。また、治療者の評価情報は、前記実績情報等に基づいて導き出された該治療者の評価(信頼度)に関する情報である。前記実績情報及び前記評価情報は適宜のタイミングで更新される。前記その他の情報は、各治療者に関する識別情報、実績情報、及び評価情報以外の情報であって、例えば、該治療者が在籍する治療院の名称、該治療者の学歴(例えば、卒業校の名称や卒業年度)、職歴(これまでに所属した治療院の名称及び所属期間等)、保有資格、治療者の顔写真、又は該治療者からのコメントなどが含まれる。治療者の識別情報及びその他の情報は、治療者端末40又は治療院端末30を介して治療者自身によって入力される。治療者情報記憶部236に記憶されている情報を総称して「治療者情報」とよぶ。
【0019】
なお、サーバ20の大容量記憶装置230には、上記のほか、検索機能提供部223によって提供される検索サイトの各ページを構成するデータ(HTML文書、画像、スクリプト、プログラム等)など、本システムで使用される様々な情報が記憶されている。
【0020】
電子カルテ送受信部211は、治療院端末30又は患者端末50を介して入力された所定の患者の識別番号を取得すると共に、その識別番号に対応する患者の電子カルテを電子カルテ記憶部231から読み出して治療院端末30に送信する。また、治療院端末30にて前記電子カルテに記入された情報を受信し、該情報を電子カルテ記憶部231に記憶させる。
電子カルテのデータを受信した治療院端末30では、その表示部に電子カルテ画面が表示される。治療院端末30にて電子カルテ画面上に入力された情報は、サーバ20に送信され、電子カルテ記憶部231に記憶される。
【0021】
予診票画面提供部212は、患者端末50からの要求に応じて、又は治療院端末30を介して入力された送信指示に応じて、予診票画面のデータを患者端末50に送信する。予診票画面のデータを受信した患者端末50では、その表示部に予診票画面が表示される。予診票画面上に表示されるユーザインターフェースを介して入力された予診情報は、サーバ20に送信され、電子カルテ記憶部231に記憶される。
【0022】
候補疾患・施術箇所提示部213は、電子カルテ送受信部211が取得した電子カルテに記載された症状に対応する複数の疾患又は複数の施術箇所についての情報を疾患情報記憶部232又は施術箇所情報記憶部233から取得すると共に、該情報を治療院端末30に送信する。送信された前記情報は、候補疾患又は候補施術箇所として治療院端末30の表示部に表示される。
【0023】
予測疾患・施術箇所選択部214は、候補疾患・施術箇所提示部213によって治療院端末30の表示部に表示された複数の候補疾患、あるいは複数の候補施術箇所の中から、1又は複数の候補疾患、あるいは1又は複数の候補施術箇所を、それぞれ予測疾患又は予測施術箇所として受け付けるためのユーザインターフェースを、治療院端末30に送信する。予測疾患又は予測施術箇所の選択は、治療院端末30の表示部に表示される前記ユーザインターフェースを介して行われ、選択された予測疾患又は予測施術箇所の情報は、サーバ20に送信される。
【0024】
検査情報出力部215は、前記ユーザインターフェースを介して予測疾患・施術箇所選択部214が受け付けた予測疾患、又は予測施術箇所に対応する検査情報を検査情報記憶部234から読み出し、該検査情報に含まれる東洋医学的検査又は/及び西洋医学的検査に関する情報を治療院端末30に送信して該端末の表示部に表示させる。治療者は、治療院端末30の表示部に表示された東洋医学的検査に関する情報又は/及び西洋医学的検査に関する情報に従い、患者に対して東洋医学的検査又は/及び西洋医学的検査を行う。各検査に関する情報については後述する。
【0025】
検査結果取得部216は、患者に対して行われた東洋医学的検査又は/及び西洋医学的検査の結果入力画面を治療院端末30に送信して該端末の表示部に表示させると共に、該検査結果入力画面上に表示されるユーザインターフェース上で入力された検査結果を受け付ける。
【0026】
蓋然性指標付与部217は、検査結果取得部216が受け付けた検査結果と、患者の症状及び背景情報に基づき、予測疾患又は予測施術箇所の確からしさの指標である蓋然性指標を付与する。そして、予測結果提示部218は、蓋然性指標が所定の値以上の予測疾患又は予測施術箇所を治療院端末30に送信して該端末の表示部に表示させる。また、詳しくは後述するように、前記予測結果提示部218は、予測施術箇所と共に該予測施術箇所に対応する施術内容を治療院端末30に送信して該端末の表示部に表示させる。
【0027】
施術内容取得部219は、前記予測疾患・施術箇所選択部214が予測施術箇所を受け付けたときに、該予測施術箇所に対応する施術内容を施術内容記憶部235から読み出し、治療院端末30に送信して該端末の表示部に表示させる。
【0028】
患者所感取得部220は、治療の効果や満足度等の患者所感を入力させるためのユーザインターフェースを患者端末50に送信すると共に、患者端末50において該ユーザインターフェース上で入力された情報を取得する。取得された情報は、患者の識別情報と関連付けて電子カルテ記憶部231に記憶される。
【0029】
治療者情報抽出部221は、電子カルテ記憶部231から所定の治療者に関する前記実績情報及び該治療者が担当した治療又は施術に関する患者の所感についての情報を抽出し、各治療者の識別情報と関連付けて治療者情報記憶部236に記憶させる。
【0030】
治療者評価生成部222は、所定の治療者について、治療者情報記憶部236に記憶されている各治療者の実績情報及び該治療者についての患者所感情報を集計し、該集計結果に基づいて該治療者の評価を示す情報(すなわち上述の評価情報)を生成する。前記の集計結果及び前記評価情報は、各治療者の識別情報と関連付けて治療者情報記憶部236に記憶される。
【0031】
検索機能提供部223は、インターネット10に開設された所定の検索サイトを介して治療者を検索する機能を検索者端末60に提供する(詳細は後述する)。
【0032】
[2.本システムにおいて実行される処理]
次に、
図3~
図11を参照しつつ、本システムにおいて実行される処理について説明する。
【0033】
[2.1 診察日時の予約から予診情報の記憶]
図3の(a)及び(b)は、患者端末50の表示部に表示される予診票画面の一例を示している。この予診票画面は、患者端末50からの要求に応じて、又は患者からの診察日時の予約を受け付けた鍼灸整骨治療院の治療院端末30を介して入力された送信指示に応じて、サーバ20の予診票画面提供部212が、前記患者が所有する患者端末50に向けて予診票データを送信することによって、該患者端末50の表示部に表示される。なお、これ以降で説明する種々の画面上に表示されるユーザインターフェースの種類はいずれも例示であり、これらに限定されるものではない。
【0034】
なお、サーバ20から送信される予診票画面データには、患者の名前、生年月日、性別などの識別情報を入力させるための患者識別情報入力画面データが含まれており、患者端末50の表示部には、まず患者識別情報入力画面(図示せず)が表示され、その画面上で患者情報の入力が完了すると、患者端末50の表示部の画面が予診票画面に切り替わる。患者は、この予診票画面に表示されている質問に従って、来院目的(体調管理、治療)、主な症状や、該症状がみられる箇所、副次的な症状や該症状がみられる箇所等を順次入力する。予診票画面は、例えば、
図3(a)に示すような、来院目的を尋ねる画面を含んでいる。この画面には、来院目的として「治療」及び「体調管理」が挙げられており、これらのいずれかを患者が選択すると、選択した内容に応じた質問事項を表示した次の予診票画面が患者端末50に表示される。例えば、
図3(a)の予診票画面において「治療」を選択した場合は、次の予診票画面として、
図3(b)に示すような画面が表示される。この画面では、主な症状の選択肢として「痛み」、「しびれ・違和感」、「めまい」、「疲労」、「不眠」、「便秘」が挙げられている。これらの選択肢の中に該当するものがなければ、患者端末50を操作して「+上記以外の症状を表示する」と記載されている箇所を選択することにより、上記以外の選択肢を予診票画面に表示させることができる。上記以外の選択肢として、「尿漏れ」、「排尿時痛」、「血尿」、「咳」、「息苦しさ」、「のどの違和感」、「歩きにくい」、「ふるえ」、「音を聞く際に何らかの障害がある」、「聞こえにくい」、「皮膚にできものがある」、「かゆみ」、「生理がこない」、「異常出血」、「乳房の症状」、「膣の症状」、「胸焼け・お腹が張った感じ」、「下痢」、「不安」、「熱」、「物忘れ・覚えが悪い」、「飲み込みづらい」、「動悸」、「力が入らない」、「汗を良くかく」、「唾液や痰に血液が混じる」、「むくみ」、「毛が良く抜ける」、「吐き気、むかつき」、「抑うつ」、「動きにくい」、又は「その他」が挙げられる。
【0035】
また、
図3(b)の予診票画面には、症状がみられる箇所の選択肢として「全身」、「頭(眼)・耳を含む)」、「顔面」、「顎・口」、「首」、「肩」、「胸・背中」、「おなか」が挙げられている。これらの選択肢の中に該当するものがなければ、患者端末50を操作することにより、上記以外の選択肢(例えば「腰」、「臀部・股関節」、「手」、「太もも」、「膝」、「足」、「肘」、「下肢」、「その他」)を予診票画面に表示させることができるため、患者は、これらの選択肢の中から該当する箇所を選択する。
【0036】
図3(b)の予診票画面に表示されている質問に対する回答の入力が終了すると、患者端末50の表示部の画面が次の予診票画面(図示せず)に切り替わる。予診票画面に表示される質問は、患者の症状、背景情報を収集するために行われるものであり、体調管理を主な目的とする東洋医学的な問診項目、治療を主な目的とする西洋医学的な問診項目が含まれる。西洋医学的問診項目には、疾患を、症状と、病気レベル(末梢、脊髄、脳)と、組織(皮膚、神経、筋肉、骨、関節、椎間板、内臓、精神)の3方向から疾患を予測するために必要な情報を収集するための質問が含まれる。なお東洋医学的問診項目と西洋医学的問診項目は明確に区別されているわけではなく、一部の問診項目は東洋医学的問診項目と西洋医学的問診項目の両方に相当する。
【0037】
患者が予診票画面に表示される全ての質問に回答して、予診票画面上に表示される送信ボタン(図示せず)を選択すると、患者識別情報、予診情報がインターネット10を介してサーバ20及び治療院端末30に送信される。患者識別情報及び予診情報を受け付けたサーバ20は、患者の識別情報及び予診情報に含まれる症状に関する情報、及び背景情報を電子カルテ記憶部231に記憶させる。なお、過去に、サーバ20に患者識別情報及び予診情報を送ったことのある患者端末50は、次に予診票画面データが送られてくるときは、前回の患者識別情報及び予診情報に含まれている背景情報が予診票画面データと共に送られるようにするとよい。これにより、患者識別情報入力画面及び予診票画面において、患者識別情報及び背景情報を繰り返し入力する手間を省くことができる。
【0038】
[2.2 疾患・施術箇所の予測]
患者識別情報及び予診情報を受け付けたサーバ20は、患者の症状等から該患者の疾患又は/及び施術箇所を予測する処理を実行することができる。この処理は、治療者が治療院端末30を操作して対象とする患者を指定すると共に、該患者の疾患又は/及び施術箇所を予測する処理の実行を指示することによって開始される。以下では「池田匠」を対象患者として行われる疾患・施術箇所の予測処理を例に挙げて説明する。
【0039】
予測処理が開始されると、電子カルテ送受信部211が、対象患者である「池田匠」の電子カルテを電子カルテ記憶部231から読み出して治療院端末30に送信し、
図4に示す電子カルテ画面を治療院端末30の表示部に表示させる。この画面には、「池田匠」のこれまでの来院時に作成されたカルテ(過去カルテ)と、今回新たに作成されるカルテ(新カルテ)が表示されている。新カルテには、最新の患者識別情報及び予診情報に含まれていた情報に基づき、来院目的、症状、現病歴等の情報が記入されている。治療者は、治療院端末30を操作して、治療者自身の識別情報(名前、識別番号等)を新カルテに記入する。また、治療者は、患者識別情報及び予診情報に含まれていない情報(例えば治療者が患者を観察して気づいた情報、患者から聞き取った情報等)を新カルテに追加することもできる。
【0040】
治療者が、治療院端末30を操作して上記の電子カルテ画面上に表示された「次に進む」ボタン720を選択すると、サーバ20の候補疾患・施術箇所提示部213が、電子カルテに記載された症状に対応する疾患又は施術箇所の情報を疾患情報記憶部232又は施術箇所情報記憶部233から取得し、該情報を治療院端末30に送信する。これにより該治療院端末30の表示部には、前記疾患又は施術箇所を候補疾患又は候補施術箇所として列挙した画面(候補疾患リスト画面、候補施術箇所リスト画面)が表示される。
【0041】
ここで、患者の来院目的が治療である場合、候補疾患・施術箇所提示部213は、症状と、上述した病気レベル(末梢、脊髄、脳)及び組織(皮膚、神経、筋肉、骨、関節、椎間板、内臓、精神)の3方向から疾患を予測する。具体的には、候補疾患・施術箇所提示部213は、病気レベル及び組織の2方向と、症状に対する疾患を記憶しており、3方向の重なりの強い疾患を候補疾患とする。
【0042】
また、患者の来院目的が体調管理である場合は、候補疾患・施術箇所提示部213は、気血津液弁証法により「気」、「血」、「津液(血液以外の水分)」の病変の有無を予測した上で、臓腑弁証により、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の病変の有無を予測し、気血津液弁証と臓腑弁証から総合的に病態を判断した上で、病変のある箇所を候補施術箇所とする。
【0043】
図5は、患者の来院目的が治療であり、且つ、症状が「痛み」である場合に治療院端末30の表示部に表示される候補疾患リスト画面の一例を示している。この例では、候補疾患として「CRPS(複合性局所疼痛症候群)」、「線維筋痛症」、「脳梗塞」、「脳出血」、「癌性疾患」、「関節リウマチ」が示され、これらのうち「CRPS」、「線維筋痛症」、「脳梗塞」、「脳出血」は病気レベルが脳性の候補疾患として示されている。
【0044】
なお、候補疾患リスト画面には、解説ボタン731が表示されており、候補疾患リストに表示された疾患がどのようなものかわからないときは、該ボタン731を選択することにより疾患の概要が表示されるようになっている。
【0045】
治療者は、候補疾患リスト画面上に表示された候補疾患の中から患者に適合すると予測される疾患を選び、治療院端末30の入力部を操作してチェックボックスにチェックマークを入れる。全ての予測疾患の選択が終わると、治療者は治療院端末30の入力部を操作して候補疾患リスト画面右上に表示された「次に進む」ボタン732を選択する。
【0046】
すると、サーバ20の予測疾患・施術箇所選択部214が、候補疾患リスト画面上でチェックマークが入れられた予測疾患を受け付ける。続いて、サーバ20の検査情報出力部215が該予測疾患に対応する検査情報を検査情報記憶部234から取得して、該検査情報に含まれる東洋医学的検査又は/及び西洋医学的検査に関する情報を治療院端末30に送信して該端末の表示部に表示させる。なお、ここまでの処理は、患者が来院してから行っても良いが、患者が来院する前に治療者が単独で行うことができる。
【0047】
図6は、予測疾患と、該予測疾患に対応する西洋医学的検査の内容が表示された西洋医学的検査画面の一例である。この検査画面に表示された西洋医学的検査項目に従って、治療者は患者に対して問診を行う。この検査画面には、検査項目として予測疾患に対応する詳細な症状を患者に尋ねるための情報が表示されている。治療者はこの検査画面を見て、患者に対して詳細な症状の有無を尋ね、その回答を入力する。この例では、疾患「線維筋痛症」に関する詳細な症状として「不定愁訴」、「全身の圧痛」、「原因不明の広範囲な痛み」と、これら詳細な症状が「ある」、「ない」、「不明」な場合に対応するユーザインターフェースとして「〇」、「×」、「△」それぞれのボタンが表示されている。治療者は患者の回答に応じたボタンを選択することにより、検査の結果が入力される。
【0048】
西洋医学的検査画面に表示された全ての検査項目について検査結果が入力され、該検査画面上に表示された「次に進む」ボタン740が選択されると、サーバ20の検査結果取得部216によって、該検査結果が取得される。そして、サーバ20の蓋然性指標付与部217が、検査結果取得部216が取得した検査結果と、患者の背景情報とに基づき、予測疾患に蓋然性指標を付与する。蓋然性指標付与部217によって各予測疾患に付与された蓋然性指標の情報は治療院端末30に送信され、該端末の表示部に表示される。
図7は、蓋然性指標として予測疾患に確からしさの順位がつけられた画面(蓋然性指標表示画面)を示している。この画面では、「線維筋痛症」に患者の疾患である蓋然性が高いことを示す順位「1」が付与され、「関節リウマチ」、「CRPS」にそれぞれ順位「2」、「3」が付与されている。なお、順位が付与されていない予測疾患は、患者の疾患である蓋然性が低いことを表している。
【0049】
蓋然性指標表示画面上に表示された予測疾患の中から一つの予測疾患が選択され、「次に進む」ボタン750が選択されると、治療院端末30の表示部には、
図8に示す治療方針設定画面が表示される。治療方針としては、
図8の治療方針設定画面に示されている「西洋医学的アプローチ」、「東洋医学的アプローチ」、「西洋・東洋医学的アプローチ」、「疼痛緩和」、「筋緊張緩和」、「血流改善」、「精神安定」、「予防的治療」、及び「その他」のほか、例えば、「鎮痛」又は「自律神経調節」等が挙げられる。治療者がこの治療方針設定画面上で治療方針を選択すると、選択した治療方針がサーバ20に送信され、サーバ20の施術内容取得部219によって、治療院端末30で選択された予測疾患及び治療方針に対応する施術内容が施術内容記憶部235から読み出され、治療院端末30に送信されて該端末の表示部に表示される。
【0050】
例えば、治療方針として「西洋医学的アプローチ」が選択された場合は、その治療方針に応じたアルゴリズムに従い、上記で選んだ予測疾患から施術箇所の候補(経穴、筋肉、神経等)が決定され、それらが治療院端末30に送信されて該端末の表示部に表示される。施術箇所の候補が経穴の場合、その名称が表示されるほか、人体図に経穴の位置がプロットされたイメージ図が表示されるようにしてもよい。また、施術箇所の候補が筋肉の場合は、その名称が表示されるほか、痛みを伴う筋肉の動作(屈曲、伸展、側屈、回旋等)を尋ねるための質問情報を表示し、その質問の回答を入力すると、筋肉の名称が表示されるようにしてもよい。また、筋肉の名称と、その筋肉上にある経穴の名称が1又は複数表示し、1つの経穴が選択されると、人体図にその経穴の位置がプロットされたイメージ図が表示されるようにしてもよい。さらに、施術箇所が神経の場合も同様に、神経の名称が表示されるほか、神経とその神経と関係する経穴の名称がともに表示されるようにしてもよく、神経に対応する経穴が人体図にプロットされたイメージ図が表示されるようにしてもよい。
【0051】
また、治療方針として「東洋医学的アプローチ」が選択された場合は、東洋医学的検査画面(図示せず)に移り、東洋医学的な検査から、東洋医学的なアルゴリズムに従い、上記で選んだ予測疾患に対応する治療部位を導く。東洋医学的検査画面に表示される内容の例として、「イライラする」、「目の症状がある」、「口が苦い」等、45種類ほどの詳細な症状の有無を患者に尋ねるための問診項目と、それに対する回答を入力するためのユーザインターフェースが挙げられる。また、詳細な症状の有無に関する問診に対する回答に応じて、主観的身体検査項目(例えば「柔軟性(上肢・下肢)」、「片足時間」、「肺活量」、「タンデム肢位(バランス立ち)」等)が治療院端末30の表示部に表示されるため、治療者はこれらの身体検査を患者に対して実施し、その結果を治療院端末30の入力部を用いて入力する。さらに、主観的身体検査を実施した後の患者の客観的身体検査項目として、ツボの反応、舌の色、筋肉の圧痛、頭皮の状態などを検査し、その結果も入力する。これら3種類の検査の結果は、後述する施術内容の決定に利用される。
【0052】
東洋医学的なアプローチの場合は、上述した問診項目、主観的検査項目、客観的身体検査項目の検査により、気血津液弁と五臓の状態がわかるため、それぞれの重みづけで評価し、東洋医学的な証が9タイプの中から選ばれる。9タイプの証とは、「気」の病態に関係する3つの病証(バランスタイプ:気虚・血虚、上半身タイプ:肝の病状、下半身タイプ:腎の病状)と、「血」の病態に関係する3つの病証(リズムタイプ:気滞・血、栄養タイプ:脾の病証、思考タイプ:心の病証)、「津液」の病態に関係する3つの病証(筋力:陽虚、筋量:陰虚、肺活量:肺の病証)を指している。
【0053】
そして、選ばれた証から施術箇所の候補(経絡・経穴等)が決定され、それらが治療院端末30の表示部に表示される。施術箇所の候補が経穴の場合、その名称が表示されるほか、人体図に経穴の位置がプロットされたイメージ図が表示されるようにしてもよい。
【0054】
なお、上記実施形態では、候補疾患・施術箇所提示部213が、電子カルテに記載された症状に対応する疾患を予測する例について説明したが、施術箇所を予測するようにしてもよい。この場合、施術内容取得部219は、予測施術箇所に対応する施術内容として該予測施術箇所で行われる治療の種類、治療に用いる器具、薬剤の情報を、施術内容記憶部235から取得する。
【0055】
また、上記実施形態では、来院目的が治療の場合に、予測疾患・施術箇所選択部214が予測疾患を受け付けると、検査情報出力部215が該予測疾患に対応する検査情報を検査情報記憶部234から取得して、該検査情報に含まれる西洋医学的検査の項目を治療院端末30の表示部に表示することとした。そして、その後、治療方針設定画面において東洋医学的アプローチが治療方針として選択された場合に、東洋医学的検査の項目が治療院端末30の表示部に表示されることとしたが、来院目的が治療の場合は、西洋医学的検査及び東洋医学的検査の両方の検査項目が順に表示されるようにしてもよい。また、疾患の種類によって西洋医学的検査及び東洋医学的検査のいずれか一方が検査情報に含まれる場合もある。この場合は、西洋医学的検査及び東洋医学的検査のいずれか一方の検査項目のみが表示されるようにしてもよい。
【0056】
治療方針によっては、施術箇所を正確に特定するための追加の検査項目が提示されるようにしてもよい。このように、本システムによれば、治療者は、治療院端末30の表示部に表示される施術内容や検査項目に従って患者に施術したり、検査を実施したりすることができる。
【0057】
以上の疾患予測処理で確定された疾患の名称や治療方針、疾患を確定するまでに行われた検査項目及びその回答等の情報は、全て患者の電子カルテに記述され、電子カルテ記憶部231に記憶される。従って、治療者がその患者の次の診察時に予測疾患の中から候補疾患を選択したり、疾患を確定したりするときに、カルテに記述された情報を参考にすることができる。なお、各患者の電子カルテには、前記の情報に加えて、当該患者の健康状態全般についての評価表、当該患者が罹患している各疾患についての特異的な評価表、又は上記以外の検査の結果を示すデータ(例えば、レントゲン写真、X線CT画像、若しくはMRI画像などの画像データ、又は血液検査データなど)を記録できるようにしてもよい。また、サーバ20に記憶されている電子カルテは、複数の治療院の各々に配置された治療院端末30から相互に利用可能に構成されていることが望ましい。このように構成することにより、或る一人の患者のカルテを複数の治療院端末30の間で共有できるため、その患者が複数の治療院のいずれを来院しても、治療者は、患者の治療履歴を参照して治療方針を決定することができる。
【0058】
[2.3 患者所感の取得]
本システムでは、以上のような患者に対する治療等が行われた後、所定のタイミングで、当該患者が所有する患者端末50に、前記治療等に関する患者の感想又は評価(患者所感)を尋ねる質問が送信される。具体的には、患者の来院から予め定められた期間が経過して時点で、サーバ20の患者所感取得部220が、前記患者所感を患者に入力させるための画面である患者所感入力画面(図示せず)を患者端末50に送信する。なお、前記予め定められた期間としては、例えば、1日~1週間程度の期間を治療院端末30から自由に設定することができる。患者所感入力画面は、例えば、直近の来所時における治療の満足度又は治療の効果等を、多段階(例えば5段階又は8段階)で入力させるものとすることができる。あるいは、患者の健康状態全般についての評価表又は当該患者が罹患している各疾患についての特異的な評価表を、患者所感入力画面に表示させ、患者自身による評価を当該評価表に入力させるようにしてもよい。更に、患者所感入力画面には患者からのコメントを入力できるようにしてもよい。患者所感入力画面で入力された情報(以下、患者所感情報とよぶ)は、サーバ20に送信され、該患者の識別情報と関連付けて電子カルテ記憶部231に記憶される。
【0059】
[2.4 治療者に関する情報の抽出、情報の集計、及び評価の算出]
本システムでは、電子カルテ記憶部231に蓄積された情報から、各治療者の治療等の実績に関する情報(すなわち上述の実績情報)、及び該治療者による治療等についての患者所感情報が抽出され、これらの実績情報及び患者所感情報が集計されると共に、当該集計結果に基づいて、治療者の能力を示す評価値が作成される。このような情報抽出及び評価値作成は、予め定められたタイミング(例えば、数時間毎、数日毎など)で行われるものとしたり、治療院端末30若しくは治療者端末40を介して所定の指示が入力された時点、又は後述する検索者端末60からの検索要求がなされた時点等に行われるものとすることができる。
【0060】
上記実績情報の抽出に先立って、予め、本システムへの治療者の登録が行われる。以下、このときの手順を説明する。なお、以下では、治療者自身が治療者端末40を介して登録を行う場合を例に挙げて説明を行うが、治療者の登録は、治療者端末40を介して治療者自身又は該端末が設置された治療院のスタッフが行うようにしてもよい。なお、治療者の登録を治療院端末30を介して行う構成とする場合、本実施形態に係るシステムは必ずしも治療者端末40を含まないものであってもよい。
【0061】
まず、治療者が治療者端末40を介して治療者識別情報の登録を要求すると、該要求がサーバ20に送信され、サーバ20から治療者端末40へ、治療者登録画面(図示せず)のデータが送信される。これにより、治療者端末40の表示部に治療者登録画面が表示されるので、治療者は該画面上で自身の氏名、年齢、性別、生年月日、又は該治療者個人に付された識別番号等の識別情報を入力する。なお、前記治療者登録画面では、前記識別情報に加えて、上述したその他の情報、例えば治療者の顔写真、学歴、職歴、保有資格、又は治療者からのコメント等を登録できるようにしてもよい。治療者登録画面で入力された内容は、サーバ20に送信され、治療者情報記憶部236に記憶される。
【0062】
続いて、治療者情報抽出部221が、治療者情報記憶部236に登録されている治療者の全員又は一部(例えば、治療院端末30若しくは治療者端末40から指定された治療者)について、該治療者が担当した治療等に関する情報(本発明における「担当履歴情報」に相当)を電子カルテ記憶部231から抽出する。上記の通り、本実施形態では、患者の電子カルテに治療者の識別情報が含まれているため、或る治療者が担当した治療等の情報を電子カルテから容易に抽出することができる。
【0063】
続いて、治療者評価生成部222が、電子カルテから抽出した情報に基づいて各治療者の実績情報及び該治療者に関する患者所感を集計し、該集計結果に基づいて治療者の能力を表す指標値を算出する。このとき集計される情報は、例えば、担当した患者の総数、患者の治療頻度、患者の治療継続回数、患者の男女比、担当疾患の種類、担当患者の来院目的、担当患者の所感、治療者変更率、独自診断率、治療アレンジ率、又は治療等による効果が得られるまでの期間等である。
【0064】
ここで、前記患者の治療頻度とは、当該治療者が担当した各患者の治療頻度の代表値であり、前記患者の治療継続回数とは、当該治療者が担当した各患者の治療継続回数の代表値である。なお、代表値とは、典型的には平均値であるが、中央値又は最頻値等としてもよい(以下において同じ)。
【0065】
また、前記担当疾患の種類とは、当該治療者がこれまでに治療等を行った疾患の種類であり、例えば、疾患毎に当該治療者が担当した患者数(又は施術数)の総数を求めるほか、疾患毎に前記治療頻度又は前記治療継続回数の代表値を算出するようにしてもよい。
【0066】
前記担当患者の来院目的とは、当該治療者が担当した患者が、該治療者が所属する治療院を訪れた目的であり、例えば、
図3(a)の予診票画面において「治療」を選択した患者と「体調管理」を選択した患者の割合を算出する。なお、各患者の来院目的は、前記予診票画面において患者に入力させるほか、患者の来院時に治療者が患者から聞き取って治療院端末30から入力するようにしてもよい。
【0067】
前記担当患者の所感とは、患者所感取得部220によって取得された患者の所感、例えば、治療等への満足度、又は治療等の効果を、複数段階で表したもの(例えば5段階評価又は10段階評価したもの)の代表値である。
【0068】
治療者変更率とは、当該治療者の担当患者が別の治療者に担当を変更した割合である。例えば、ある患者がある疾患名で当該担当者による施術を受けた後、同じ疾患名で別の治療者による施術を受けた場合には、治療者の変更があったと判断する。そして、当該治療者が担当した、同一患者に対する同一疾患での1回又は複数回の施術を「一群の施術」として、当該治療者が担当した「一群の施術」の数に対する治療者変更の発生数の割合を前記治療者変更率として算出する。
【0069】
独自診断率及び治療アレンジ率とは、本システムが提示した候補疾患又は候補施術箇所とは異なる疾患又は施術箇所を、当該治療者が選択した割合である。具体的には、例えば、
図7のような蓋然性指標表示画面で提示された複数の候補疾患の中から、最も高い蓋然性指標が付された候補疾患以外を当該治療者が予測疾患として選択した場合、若しくは同画面において蓋然性指標が付されていない候補疾患を当該治療者が予測疾患として選択した場合、又は同画面で提示されていない疾患を当該治療者が予測疾患として選択した場合等に、独自診断が行われたと判断し、当該治療者が行った全診断数に対する独自診断数の割合を算出してその値を「独自診断率」とする。あるいは、前記独自診断を行い、且つ患者の治療満足度又は患者による治療効果の評価が高かった(例えば、それらの評価値が予め定めた閾値以上であった)ものの件数を求め、当該件数の、全診断数に対する割合を「独自診断率」としてもよい。また、例えば、
図8のような治療方針決定画面で提示されていない治療方針を当該治療者が選択した場合(すなわち同画面において「その他」を選択した場合)に、治療アレンジが行われたと判断し、当該治療者が担当した治療等の総数に対する治療アレンジを行った数の割合を算出してこれを「治療アレンジ率」とする。あるいは、前記治療アレンジを行い、且つ患者の治療満足度又は患者による治療効果の評価が高かったものの件数を求め、当該件数の、該施術者による治療又は施術の総数に対する割合「治療アレンジ率」としてもよい。
【0070】
治療等による効果が得られるまでの期間とは、患者による治療満足度又は治療効果の評価が上がるのに掛かった治療回数(又は治療期間)である。具体的には、例えば、患者所感取得部220によって取得された患者の治療満足度又は治療効果の評価(いずれも例えば5段階又は10段階で評価)が、予め定められた段階数以上(例えば1段階以上)上がるのに掛かった治療回数(又は治療期間)を求め、その代表値を算出する。
【0071】
更に、治療者評価生成部222は、上記集計値の一部又は全部に基づいて当該治療者の能力を総合的に評価する。具体的には、例えば、上記集計値の一部又は全部のそれぞれに、所定の重み付け係数を掛けた上でそれらを合計することによって、治療者の総合評価値を算出する。より具体的には、例えば、前記治療総数、患者の治療満足度、及び患者が評価した治療効果を、それぞれ5段階又は10段階で表し、それらの平均値を当該治療者の総合評価(5点満点又は10点満点)としたり、患者が評価した治療満足度の平均値(5点満点)と治療効果の平均値(5点満点)の合計値(10点満点)を前記総合評価としたり、前記合計値に10を掛けた数を患者評価値(100点満点)としてこれを治療者の総合評価としたりすることができる。また、10段階で表した前記治療総数(10点満点)に、前記患者評価値(100点満点)を掛けた値を10で割り、その値(100点満点)を治療者の総合評価としてもよい。また、各治療者についての治療件数、治療満足度の平均点、又は治療効果の平均点を、疾患の種類毎に集計した値を使用して、上記のような総合評価値を疾患の種類別に算出するようにしてもよい。
【0072】
以上で求められた各集計値、及び治療者の総合評価は、当該治療者の識別情報に関連付けて治療者情報記憶部236に記憶される。
【0073】
[2.5 治療者の検索]
本システムでは、更に、検索機能提供部223が、上述の治療者情報記憶部236に記憶された情報に基づいて治療者を検索する機能を提供する。
【0074】
本システムによる検索機能の利用者(検索者)は、典型的には、鍼灸整骨治療院の受診希望者である。検索者が自身の端末である検索者端末60を操作して、本システムの運営者が提供する治療者検索サイトにアクセスすると、検索機能提供部223がインターネット10を介して検索サイトを構成するデータを検索者端末60に送信する。該データを受信した検索者端末60の表示部には、
図9に示すような検索条件入力画面が表示される。検索者は、治療者に関して希望する条件を当該画面上で入力する。
図9に示す例では、検索条件入力画面において、エリア(例えば、治療者が在籍する治療院が位置するエリア)、対応可能なメニュー(例えば、はりきゅう、電子鍼、電子灸、耳鍼、頭皮鍼、美容鍼、小児鍼、及びスポーツ整体等)、得意な疾患(例えば、肩こり、捻挫、関節リウマチ、腰椎椎間板ヘルニア、又は坐骨神経痛等)、及び治療者の総合評価(例えば5段階評価の3以上など)を選択できるようになっており、更に「他の条件を表示」ボタン761を選択することによって、前記以外の検索条件を該画面上に表示させることができるようになっている。前記以外の検索条件としては、上述の各種集計値、例えば、治療総数、治療継続率、独自診断率、又は治療アレンジ率等が挙げられる。
【0075】
検索者が検索条件入力画面上に表示される検索条件のうちの一つ又は複数を入力した上で、同画面上の検索ボタン762を選択すると、検索者が指定した検索条件がサーバ20に送信される。該情報を受信したサーバ20では、検索機能提供部223が治療者情報記憶部236を検索して前記検索条件に合致する治療者を特定し、該治療者に関する情報を治療者情報記憶部236から読み出して検索者端末60に送信する。これにより、検索者端末60の表示部には、
図10に示すような検索結果一覧画面が表示される。同画面には、例えば、前記検索によるヒット件数771(すなわち検索条件に合致する治療者の人数)が表示されると共に、前記検索でヒットした治療者の各々について、該治療者に関する情報の一部が記載された治療者情報表示欄772が設けられている。
図10の例において、治療者情報表示欄772には、各治療者に関する情報として、各治療者の氏名、総合評価773、顔写真、該治療者からのコメント、該治療者が所属している治療院の名称及び所在地の概略、該治療者が対応可能なメニュー、該治療者の患者の男女比、該治療者が得意な疾患の名称が表示されている。また、治療者情報表示欄772には、詳細情報表示ボタン774と予約ボタン775が設けられている。検索結果一覧画面において、検索者が、いずれかの治療者に関する治療者情報表示欄772に設けられた予約ボタン775を選択すると、該治療者による診察等を予約するための画面(図示せず)が検索者端末60の表示部に表示される。一方、検索結果一覧画面において、検索者が、いずれかの治療者に関する治療者情報表示欄772に設けられた詳細情報表示ボタン774を選択すると、該治療者に関する詳しい情報が記載された詳細情報表示画面が検索者端末60の表示部に表示される。
【0076】
前記詳細表示画面の一例を
図11に示す。この画面には、治療者の氏名と、該治療者に関する総合評価781と、治療者の顔写真782と、治療者からのコメント783が表示されると共に、基本情報欄784と、所属治療院情報欄785と、施術情報欄786と、実績情報欄787と、予約・問合せ情報欄788とが設けられている。基本情報欄784には、治療者に関する基本的な情報として、該治療者の学歴(卒業校)、職歴(経歴)、及び保有資格が記載されている。所属治療院情報欄785には、該治療者が現在所属している治療院の名称及び所在地の概要が記載されている。なお、この欄において検索者が治療院の名称を選択すると、選択した治療院についての詳細情報が記載されたウェブページが検索者端末60の表示部に表示される。施術情報欄786には、該治療者が対応可能なメニュー、該治療者による治療等の特徴、及び該治療者の得意な疾患の名称などが記載されている。実績情報欄787には、上述の治療者評価生成部222によって生成された各種の集計値の一部又は全部が示されている。例えば、
図11の例における実績情報欄787には、該治療者が担当した治療の総数、該治療者が担当した患者の治療満足度、及び前記患者が評価した治療効果がそれぞれ5段階評価で記載されると共に、該治療者が担当した患者の男女比、該治療者がこれまで治療した疾患の種類、該治療者が担当した患者の治療継続率(リピート率)、効果予測、独自診断率、治療アレンジ率が記載されている。ここで、前記効果予測とは、該治療者による施術によって効果が得られるまでの治療回数及び治療期間の目安であり、例えば、上述の治療者評価生成部222によって集計された「治療又は施術による効果が得られるまでの期間」が記載される。なお、前記治療総数は、
図11のように5段階評価で示すほか、10段階評価で示したり、実際の件数で示したりしてもよい。また、治療満足度及び治療効果は、
図11のように5段階評価で示すほか、10段階評価で示したり、100点満点中の点数で示したりしてもよい。なお、
図11の詳細表示画面において、治療満足度の近傍に設けられた詳細表示ボタン791又は治療効果の近傍に設けられた詳細表示ボタン792が選択されると、前記治療満足度又は前記治療効果を疾患の種類毎に示した画面が表示される。また、同画面において、疾患の種類の近傍に表示されている詳細表示ボタン793が選択されると、該治療者の治療総数における各疾患の割合を例えば円グラフなどで示した画面が表示される。また、同画面において、効果予測の近傍に表示されている詳細表示ボタン794が選択されると、前記効果予測を疾患の種類毎に示した画面が表示される。
【0077】
このように、本実施形態に係るシステムによれば、患者の電子カルテに蓄積された情報から各治療者の治療実績に関する情報が抽出され、検索サイトを介して、該情報及び該情報から生成された治療者の評価を、検索者(例えば、鍼灸整骨治療を受けようとする者)に提供することができる。
これにより、検索者は、前記検索サイトで自己の条件に合致した治療者を探すことができると共に、各治療者の治療実績や評価を参考にして受診する治療者を決定することができる。
【0078】
[実施形態2]
上記の実施形態1では、本発明に係るシステムを、電子カルテに蓄積された情報から各治療者が担当した治療等に関する情報を抽出して、当該情報を集計したり、集計した値から治療者の評価を生成したりするものとしたが、本発明に係るシステムは、これに加えて、電子カルテ以外からも治療者に関する情報を収集し、当該情報を集計したり、集計した値を加味して治療者の評価を行ったりするものとしてもよい。以下、このような実施形態について、実施形態1との相違点を中心に説明する。
【0079】
図12は本発明の実施形態2に係る治療支援及び治療者情報提供システム(以下、単に「システム」という)に含まれるサーバ20の概略構成図である。なお、本システムの全体構成は、
図1で示したものと同様であるため、ここでは図示を省略する。
【0080】
本システムは、実施形態1に係るシステムと同様の機能に加えて、更に、治療者の健康状態を評価するための質問を治療者端末40に送信し、該質問に関する治療者からの回答を受診して蓄積する機能と、治療者端末40に鍼灸又は整骨における治療等に関する知識を問う問題(テスト問題)を送信し、該問題に対する回答を受診して蓄積する機能と、鍼灸又は整骨における治療等についてのオンライン講座における治療者の学習履歴を取得する機能と、これらの回答から導かれる治療者の健康状態及びテスト成績、及び前記学習履歴を加味して各治療者の能力を評価する機能とを備えている。上記機能を実現するため、本システムにおけるサーバ20は、機能ブロックとして、実施形態1と同様の機能ブロック211~223に加えて、健康質問送受信部224、健康状態評価部225、テスト問題送受信部226、テスト成績評価部227、及び学習履歴取得部228を備えている。更に、本システムのサーバ20に含まれる大容量記憶装置230は、実施形態1と同様の記憶部231~236に加えて、健康質問記憶部237、健康回答・評価記憶部238、テスト問題記憶部239、テスト成績記憶部240、及び学習履歴記憶部241を備えている。なお、テスト成績評価部227が本発明における「成績評価値算出部」に相当する。
【0081】
健康質問記憶部237には、治療者の健康状態を評価するための質問事項が多数格納されている。健康状態を評価するための質問には、例えば、日常生活に関する質問、又は体調に関する質問が含まれる。日常生活に関する質問には、例えば、食事の内容(食事のメニュー(品目)、食事の回数及び間隔、摂取量等)を尋ねる質問、睡眠の内容(睡眠時間、睡眠の深さ)を尋ねる質問、運動の内容(運動メニュー、運動時間等)を尋ねる質問、又は便通(排便の回数、便の状態)を尋ねる質問等が含まれる。体調に関する質問には、例えば、精神的な体調(疲労感の有無、倦怠感の有無、気分の良否等)を尋ねる質問、又は身体的な体調(身体における痛みの有無や痛みのある箇所、顔色、舌の色等)を尋ねる質問等が含まれる。
【0082】
健康質問送受信部224は、予め定められたタイミングで(例えば、毎日決まった時刻、又は毎週決まった曜日等に)、健康質問記憶部237に記憶された質問の中から一つ又は複数の質問を読み出して治療者端末40に送信する。治療者端末40には予め専用のアプリケーションソフト(アプリ)がインストールされており、治療者が治療者端末40上で該アプリを起動すると、サーバ20から送信された前記質問が治療者端末40の表示部に表示される。前記質問には、それぞれ複数の回答の選択肢が設定されており、適宜の選択肢を選ぶことで前記質問に回答するようになっている。治療者が前記アプリ上で前記質問に回答すると、当該回答の内容(回答情報)がサーバ20に送信され、治療者の識別情報に関連付けて健康回答・評価記憶部238に記憶される。サーバ20から治療者端末40への質問の送信、治療者端末40からサーバ20への回答情報の送信、及びサーバ20において受信した回答情報の記憶という一連の動作は、予め定められたスケジュールに沿って繰り返され、その結果、健康回答・評価記憶部238に回答情報が蓄積される。そして、所定の期間が経過した時点で健康状態評価部225が、当該期間中に健康回答・評価記憶部238に蓄積された回答情報を解析して、治療者の健康状態を評価する。健康質問記憶部237に記憶された各問題の選択肢にはそれぞれ点数が付されており、健康状態評価部225は、健康回答・評価記憶部238に蓄積された回答情報に含まれる選択肢の点数を集計して健康評価値を算出する。前記健康評価値は、典型的には、健康状態が良い状態から悪い状態までを数値で表した評価であるが、健康状態が良い、悪い、普通といった抽象的な表現を用いた評価であってもよい。健康評価値は、治療者端末40に送信されると共に、各治療者の識別情報に関連付けて健康回答・評価記憶部238に記憶される。なお、治療者端末40には、前記健康評価値に加えて、当該治療者の回答情報に応じたアドバイス情報、すなわち健康状態を良好に保つため、又は健康状態を改善するために有効な日常生活についての情報(食事メニュー、運動メニュー、睡眠のとり方等)を送信するようにしてもよい。治療者は治療者端末40で前記アプリを起動して所定の操作を行うことにより、前記健康評価値及び/又はアドバイス情報を参照することができる。
【0083】
テスト問題記憶部239には、治療者の診断能力、治療能力、又は施術能力を評価するためのテスト問題が多数格納されている。前記テスト問題には、例えば、東洋医学又は西洋医学における診断に関する問題、東洋医学又は西洋医学における治療又は施術に関する問題が含まれる。診断に関する問題には、例えば、種々の疾患分野における疾患の知識を問う問題、又は仮想的な患者の症状に基づいて当該患者の疾患を予測する問題等が含まれる。治療又は施術に関する問題には、例えば、疾患の種類及び症状に応じた適切な治療方法、又は施術方法及び施術箇所(例えば、ある疾患の鍼灸治療において鍼を指す位置や角度など)を問う問題等が含まれる。
【0084】
テスト問題送受信部226は、予め定められたタイミングで(例えば、毎日決まった時刻、又は毎週決まった曜日等に)、テスト問題記憶部239に格納されたテスト問題の中から一つ又は複数の問題を読み出して治療者端末40に送信する。治療者端末40には予め専用のアプリがインストールされており、治療者が治療者端末40上で該アプリを起動すると、サーバ20から送信された前記テスト問題が治療者端末40の表示部に表示される。前記テスト問題には、それぞれ複数の回答の選択肢が設定されており、適宜の選択肢を選ぶことで該テスト問題に回答するようになっている。治療者が前記アプリ上で前記テスト問題に回答すると、当該回答の内容(回答情報)がサーバ20に送信され、テスト成績評価部227によって治療者の回答内容がチェックされてその正誤が判断される。そして、前記回答情報及び前記正誤についての情報が、治療者の識別情報に関連付けてテスト成績記憶部240に記憶されると共に、当該正誤についての情報(正誤情報)が治療者端末40に送信される。なお、治療者端末には、前記正誤情報に加えて、当該テスト問題についての解説等を送信することが望ましい。サーバ20から治療者端末40への問題の送信、治療者端末40からサーバ20への回答情報の送信、サーバ20における回答情報のチェック、及び回答情報及び正誤情報の記憶という一連の動作は、予め定められたスケジュールに沿って繰り返され、その結果、テスト成績記憶部240に回答情報及び正誤情報が蓄積される。そして、所定の期間が経過した時点でテスト成績評価部227が、当該期間中にテスト成績記憶部240に蓄積された回答情報及び正誤情報を解析して、治療者のテスト成績の評価値(テスト成績評価値)を算出する。前記テスト成績評価値は、典型的には、前記所定の期間中に出題されたテスト問題への正答率であるが、例えば、前記期間中に行われたテストにおける合計得点が予め定められた基準点を超えているか否かに応じて、テスト成績を「合格」又は「不合格」という2種類の値で示したものであってもよい。テスト成績評価値は、治療者端末40に送信されると共に、各治療者の識別情報に関連付けてテスト成績記憶部240に記憶される。
【0085】
学習履歴取得部228は、鍼灸又は整骨における治療等についてのオンライン講座における治療者の受講履歴等の学習履歴情報を取得するものであり、学習履歴記憶部241には、学習履歴取得部228によって取得された各治療者の学習履歴情報が格納されている。
【0086】
本実施形態のシステムでは、治療者評価生成部222が、実施形態1と同様の情報(すなわち、患者の電子カルテから抽出された情報)に加えて、健康回答・評価記憶部238に蓄積された各治療者の健康評価値、テスト成績記憶部240に蓄積された各治療者のテスト成績評価値、及び学習履歴記憶部241に蓄積された各治療者の学習履歴情報を加味して各治療者を評価することを特徴としている。
【0087】
すなわち、本実施形態に係るシステムでは、治療者評価生成部222による治療者の評価を行うに先立って、治療者情報抽出部221が、健康回答・評価記憶部238に記憶されている各治療者の健康評価値、テスト成績記憶部240に記憶されている各治療者のテスト成績評価値、及び学習履歴記憶部241に記憶されている各治療者の学習履歴情報を読み出し、該治療者の識別情報に関連付けて治療者情報記憶部236に格納する。
【0088】
その後、治療者評価生成部222が、実施形態1と同様に、電子カルテ記憶部231から各治療者が担当した治療等に関する情報を抽出して集計すると共に、得られた集計値の一部又は全部と、各治療者の健康評価値と、各治療者の成績評価値と、各治療者の学習履歴情報から導出された学習度評価値とに基づいて当該治療者の総合評価値(実施形態2の総合評価値)を生成する。具体的には、例えば、治療者評価生成部222において、実施形態1と同様の方法により導出された治療者の総合評価(実施形態1の総合評価値)と、前記健康評価値と、前記テスト成績評価値と、前記学習度評価値とのそれぞれに所定の重み付け係数を掛けた上でそれらを合計することによって、前記実施形態2の総合評価値を算出する。更に、治療者評価生成部222では、テスト成績評価値及び/又は学習度評価値に基づいて、該治療者による信頼度(信頼度)を算出するようにしてもよい。以上で求められた治療者の総合評価は、該治療者の識別情報に関連付けて治療者情報記憶部236に記憶される。
【0089】
本実施形態において、検索機能提供部223が提供する治療者の検索サイトでは、実施形態1の総合評価値に加えて又は代えて、実施形態2の総合評価値、又は治療者の健康評価値、テスト成績評価値、若しくは学習度評価値を検索条件に含めた検索を行うことが可能となっている。また、該検索サイトによる検索を行った際に表示される検索結果一覧画面又は詳細情報表示画面には、各治療者に関する情報として、実施形態1と同様の情報に加えて(又は該情報の一部に代えて)、実施形態2の総合評価値、該治療者の健康評価値、テスト成績、学習度評価値、又は前記信頼度が表示される。
【0090】
これにより、検索者は、各治療者の治療等の実績だけでなく、治療者の健康状態や、テスト成績や、学習度合い等に基づいて、より総合的に治療者の能力を把握することができ、受診先を一層適切に選択することが可能となる。
【0091】
なお、本実施形態に係るシステムは、各治療者が担当した治療等に関する情報に加えて、前記健康評価値、前記テスト成績評価値、及び学習度評価値のうちの一つ又は二つのみを加味して治療者の評価を行うようにしてもよい。健康評価値を加味しない場合、本実施形態に係るシステムは、健康質問送受信部224、健康状態評価部225、健康質問記憶部237、及び健康回答・評価記憶部238を有しないものとしてもよい。また、テスト成績評価値を加味しない場合、本実施形態に係るシステムは、テスト問題送受信部226、テスト成績評価部227、テスト問題記憶部239、及びテスト成績記憶部240を有しないものとしてもよい。また、学習度評価値を加味しない場合、本実施形態に係るシステムは、学習履歴取得部228及び学習履歴記憶部241を有しないものとしてもよい。
【0092】
以上、本発明を実施するための形態について具体例を挙げて説明を行ったが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。
【0093】
例えば、実施形態1及び実施形態2では、
図2又は
図12に示す各種機能ブロック及び各種記憶部の全てを一台のサーバ20に搭載するものとしたが、これに代えて、これらの機能ブロック及び記憶部を、直接又はインターネット10若しくはLAN等のネットワークを介して相互に接続された複数のサーバに分けて搭載するようにしてもよい。また、電子カルテ送受信部211、予診票画面提供部212、候補疾患・施術箇所提示部213、予測疾患・施術箇所選択部214、検査情報出力部215、検査結果取得部216、蓋然性指標付与部217、予測結果提示部218、施術内容取得部219、患者所感取得部220、電子カルテ記憶部231、疾患情報記憶部232、施術箇所情報記憶部233、検査情報記憶部234、及び施術内容記憶部235は、それらのうちの一部又は全部を、各治療院に配置された治療院端末30のそれぞれに搭載するようにしてもよい。なお、電子カルテ記憶部231を、各治療院に配置された治療院端末30のそれぞれに設ける場合には、サーバ20に設けられた治療者情報抽出部221が、インターネット10を介して各治療院端末30にアクセスし、各治療院端末30の電子カルテ記憶部231に格納されている電子カルテから、治療者の実績情報を抽出して治療者情報記憶部236に格納するようにする。
【0094】
また、実施形態1又は実施形態2における治療者評価生成部222は、前記実施形態1の総合評価値又は前記実施形態2の総合評価値に加えて又は代えて、各治療者による診断の正確性を評価する値(診断正確性評価値)を生成するものとしてもよい。その場合、例えば、前記独自診断の件数、又は該治療者が前記独自診断を行い且つ患者による前記治療満足度又は前記治療効果の評価が低かった(例えば、それらの評価値が予め定めた閾値以下であった)ものの件数を求め、当該件数の、該治療者の全診断数に対する割合を「低蓋然性診断率」とする。そして、低蓋然性診断率が低いほど診断正確性評価値が高く、低蓋然性診断率が高いほど診断正確性評価値が低くなるようにして、各治療者の診断正確性評価値を算出する。算出された診断正確性評価値は、当該治療者の識別情報に関連付けて治療者情報記憶部236に記憶され、検索機能提供部223が提供する検索サイトにおいて検索条件として使用できるようにしたり、上述の検索結果一覧画面における治療者情報表示欄772又は詳細情報表示画面に表示されたりするようにする。
【0095】
また、検索機能提供部223は、検索者が施術者を検索する際に、上述のような「(施術者が)対応可能なメニュー」や「(施術者の)得意な疾患」に代えて、検索者が施術を受けようとする目的(すなわち来院目的)、又は検索者の主な症状若しくは患部についての情報(本発明における予診情報に相当)を、検索条件として使用できるようにしてもよい。このような場合に検索者端末60に表示される検索条件入力画面の一例を
図13に示す。
【0096】
同図の画面には、
図9で示した検索条件入力画面と同様の項目に加えて、「目的・症状で検索する」ボタン763が設けられている。検索者が検索者端末60を操作してこのボタン763を選択すると、例えば、
図3(a)で示した予診票画面と同様の画面(ここでは第1質問画面とよぶ)が表示される。第1質問画面では、来院目的(すなわち施術を受ける目的)として、「治療」又は「体調管理」を選択可能となっており、そのいずれかを検索者が選択すると、選択した内容に応じた質問事項を表示した第2質問画面が検索者端末60に表示される。例えば、第1質問画面において「治療」を選択した場合は、
図3(b)で示した予診票画面と同様の画面が第2質問画面として表示される。この画面では、主な症状及び患部を、それぞれ複数の選択肢として選択可能となっている(各選択肢の内容は、上述の予診票画面における選択肢と同様であるため、ここでは説明を省略する)。第2質問画面に表示されている質問に対する回答の入力が終了すると、検索者端末60の表示部の画面が第3質問画面(図示せず)に切り替わる。第3質問画面に表示される質問は、検索者の症状、背景情報を収集するために行われるものであり、体調管理を主な目的とする東洋医学的な問診項目、治療を主な目的とする西洋医学的な問診項目が含まれる。なお、西洋医学的問診項目及び東洋医学的問診項目の詳細は、上述したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。検索者が全ての質問に回答して、検索者端末60の表示部に表示される検索ボタン(図示せず)を選択すると、第1質問画面、第2質問画面、及び第3質問画面上で検索者が入力した内容についての情報(予診情報)が、サーバ20に送信される。
【0097】
前記入力内容を受け付けたサーバ20では、候補疾患・施術箇所提示部213が、前記入力内容に対応する疾患及び/又は施術箇所の情報を疾患情報記憶部232又は施術箇所情報記憶部233から取得する。そして、検索機能提供部223が、治療者情報記憶部236を検索して、前記疾患及び/又は施術箇所に対する治療等についての評価が高い施術者を特定し、該治療者に関する情報を治療者情報記憶部236から読み出して検索者端末60に送信する。これにより、検索者端末60の表示部には、
図10で示したものと同様の検索結果一覧画面が表示される。あるいは、サーバ20が、施術箇所情報記憶部233から取得した前記疾患及び/又は施術箇所の情報を、予測疾患又は予測施術箇所の情報として検索者端末60に送信するようにしてもよい。この場合、検索者は、前記予測疾患及び/又は予測施術箇所の情報を参考にして、
図9で示したような検索画面上で「対応可能なメニュー」又は「得意な疾患」として適当な選択肢を選択して検索を行う。
【0098】
更に、検索機能提供部223が提供する検索サイトでは、無料検索と有料検索(予め登録した有料会員だけが利用できるもの)の2種類を提供し、有料検索では、無料検索よりも高度な検索(すなわちより多くの検索条件を用いた検索)を行えるようにしたり、各治療者についてのより詳しい情報を閲覧したりできるようにしてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、検索機能提供部223が、受診希望者による利用を想定した検索サイト(受診希望者向け検索サイト)を提供するものとしたが、これに加えて又は代えて、治療院の求人担当者による利用を想定した検索サイト(求人担当者向け検索サイト)を提供するものとしてもよい。受診希望者向け検索サイトと求人担当者向け検索サイトの両方を提供する構成とする場合、前者と後者では、検索者が使用できる検索条件を変えたり、治療者の情報として表示する項目を異ならせたりすることができる。更に、前者と後者では、治療者の総合評価値として、互いに異なる観点で生成された別種の総合評価値を用いることができる。この場合、治療者評価生成部222において、治療者が担当した治療等に関する情報を集計した後、得られた各種集計値を用いて総合評価値を生成する際に、受診希望者向け検索サイト用のものと求人担当者向け検索サイト用のものとでは、総合評価値の生成に使用する集計値の種類を変えたり、各集計値に掛ける重み付け係数の値を変えたりすることにより、前記別種の総合評価値を生成することができる。
【0100】
また、本発明は、上記のような鍼灸整骨治療院に限らず、病院、医院、又は診療所などの医療施設、マッサージ店、スポーツジム、ヨガ教室等の健康増進施設の受診希望者若しくは利用希望者、又は求人担当者に対し、治療者(医師等)、施術者(マッサージ師等)、又は指導者(インストラクター等)の情報を提供するための装置としてもよい。
【0101】
[態様]
上述した例示的な実施形態が以下の態様の具体例であることは、当業者には明らかである。
【0102】
(第1項)本発明の一態様に係る担当者情報提供装置は、
医療施設又は健康増進施設において診断、治療、施術、又は指導を担当する担当者の情報を、インターネットを介して検索者端末に提供する担当者情報提供装置であって、
前記医療施設又は前記健康増進施設を利用した複数の利用者の各々について、該利用者に対して行われた診断、治療、施術、又は指導に関する情報と、前記診断、治療、施術、又は指導を担当した担当者の識別情報とを含む電子カルテが記憶された電子カルテ記憶部と、
予め登録された複数の担当者の各々について、前記電子カルテ記憶部から、該担当者が担当した診断、治療、施術、又は指導に関する情報である担当履歴情報を抽出する担当履歴情報抽出部と、
前記複数の担当者の各々について、前記担当履歴情報に基づいて、該担当者の実績又は評価を示す情報である実績・評価情報を生成する実績・評価情報生成部と、
前記複数の担当者の各々について、該担当者の前記識別情報と関連付けて該担当者の前記実績・評価情報を記憶する担当者情報記憶部と、
前記検索者端末からの検索要求に応じて前記担当者情報記憶部を対象とする検索を実行することにより、前記複数の担当者の中から、該検索者端末から送信された検索条件に合致する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する検索機能提供部と、
を有するものである。
【0103】
(第2項)第2項に係る担当者情報提供装置は、第1項に係る担当者情報提供装置において、
更に、
前記複数の利用者の少なくとも一部が所有する利用者端末に、前記医療施設又は健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導についての評価を尋ねる質問を送信すると共に、前記質問に対する前記利用者端末からの回答を取得し、当該回答の情報である利用者回答情報を、前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、前記電子カルテに含めて記憶させる利用者所感取得部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記利用者回答情報を加味して前記実績・評価情報を生成するものである。
【0104】
(第3項)第3項に係る担当者情報提供装置は、第1項又は第2項に係る担当者情報提供装置において、
前記電子カルテ記憶部が、前記複数の利用者の各々についての前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、該利用者から取得した予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された治療、施術、又は指導方法である候補方法と、該利用者を担当した前記担当者によって決定された治療、施術、又は指導方法である決定方法とを前記電子カルテに含めて記憶するものであって、
前記実績・評価情報生成部が、各担当者毎に、前記候補方法と前記決定方法とが異なっている割合を算出し、当該割合を加味して該担当者の前記実績・評価情報を生成するものである。
【0105】
(第4項)第4項に係る担当者情報提供装置は、第1項~第3項のいずれか1項に係る担当者情報提供装置において、
前記担当者情報提供装置が、医療施設における前記担当者の情報を提供するものであって、
前記電子カルテ記憶部が、前記医療施設の前記複数の利用者の各々についての前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、該利用者から取得した予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された疾患名である候補疾患名と、該利用者の診断を担当した前記担当者が予測した疾患名である予測疾患名とを前記電子カルテに含めて記憶するものであり、
前記実績・評価情報生成部が、各担当者毎に、前記候補疾患名と前記予測疾患名とが異なっている割合を算出し、当該割合を加味して該担当者の前記実績・評価情報を生成するものである。
【0106】
(第5項)第5項に係る担当者情報提供装置は、第1項~第4項のいずれか1項に係る担当者情報提供装置において、
更に、
前記複数の担当者の少なくとも一部が所有する担当者端末に、該担当者端末の所有者の体調を評価するための質問を送信すると共に、前記質問に対する前記担当者端末からの回答を取得する健康質問送受信部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記担当者端末からの回答を加味して前記実績・評価情報を生成するものである。
【0107】
(第6項)第6項に係る担当者情報提供装置は、第1項~第5項のいずれか1項に係る担当者情報提供装置において、
更に、
前記複数の担当者の少なくとも一部が所有する担当者端末に前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関する問題を送信すると共に、前記問題に対する前記担当者端末からの回答を取得するテスト問題送受信部と、
前記回答に基づいて前記担当者端末の所有者である担当者の成績を表す評価値である成績評価値を算出する成績評価値算出部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記成績評価値を加味して前記実績・評価情報を生成するものである。
【0108】
(第7項)第7項に係る担当者情報提供装置は、第1項~第6項のいずれか1項に係る担当者情報提供装置において、
更に、
前記複数の担当者の各々による前記医療施設又は前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関するオンライン学習の履歴である学習履歴情報を取得する学習履歴取得部、
を有し、
前記実績・評価生成部が、更に、前記学習履歴情報を加味して前記実績・評価情報を生成するものである。
【0109】
(第8項)第8項に係る担当者情報提供装置は、第1項~第7項のいずれか1項に係る担当者情報提供装置において、
前記検索機能提供部が、前記検索者端末から前記検索条件として予診情報を取得し、該予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された、候補疾患名、又は治療、施術、若しくは指導方法である候補方法に対応する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信するものである。
【0110】
(第9項)第9項に係るプログラムは、コンピュータを第1項~第8項のいずれか1項に記載の担当者情報提供装置として機能させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0111】
10…インターネット
20…サーバ
30…治療院端末
40…治療者端末
50…患者端末
60…検索者端末
221…治療者情報抽出部
222…治療者評価生成部
223…検索機能提供部
236…治療者情報記憶部
【手続補正書】
【提出日】2023-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療施設又は健康増進施設において診断、治療、施術、又は指導を担当する担当者の情報を、インターネットを介して検索者端末に提供する担当者情報提供装置であって、
前記医療施設又は前記健康増進施設を利用した複数の利用者の各々について、該利用者に対して行われた診断、治療、施術、又は指導に関する情報と、前記診断、治療、施術、又は指導を担当した担当者の識別情報とを含む電子カルテが記憶された電子カルテ記憶部と、
予め登録された複数の担当者の各々について、前記電子カルテ記憶部から、該担当者が担当した診断、治療、施術、又は指導に関する情報である担当履歴情報を抽出する担当履歴情報抽出部と、
前記複数の担当者の各々について、前記担当履歴情報に基づいて、該担当者の実績又は評価を示す情報である実績・評価情報を生成する実績・評価情報生成部と、
前記複数の担当者の各々について、該担当者の前記識別情報と関連付けて該担当者の前記実績・評価情報を記憶する担当者情報記憶部と、
前記検索者端末からの検索要求に応じて前記担当者情報記憶部を対象とする検索を実行することにより、前記複数の担当者の中から、該検索者端末から送信された検索条件に合致する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する検索機能提供部と、
を有することを特徴とする担当者情報提供装置。
【請求項2】
前記担当者情報提供装置が、更に、
前記複数の利用者の少なくとも一部が所有する利用者端末に、前記医療施設又は健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導についての評価を尋ねる質問を送信すると共に、前記質問に対する前記利用者端末からの回答を取得し、当該回答の情報である利用者回答情報を、前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、前記電子カルテに含めて記憶させる利用者所感取得部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記利用者回答情報を加味して前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項3】
前記電子カルテ記憶部が、前記複数の利用者の各々についての前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、該利用者から取得した予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された治療、施術、又は指導方法である候補方法と、該利用者を担当した前記担当者によって決定された治療、施術、又は指導方法である決定方法とを前記電子カルテに含めて記憶するものであって、
前記実績・評価情報生成部が、各担当者毎に、前記候補方法と前記決定方法とが異なっている割合を算出し、当該割合を加味して該担当者の前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項4】
前記担当者情報提供装置が、医療施設における前記担当者の情報を提供するものであって、
前記電子カルテ記憶部が、前記医療施設の前記複数の利用者の各々についての前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、該利用者から取得した予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された疾患名である候補疾患名と、該利用者の診断を担当した前記担当者が予測した疾患名である予測疾患名とを前記電子カルテに含めて記憶するものであり、
前記実績・評価情報生成部が、各担当者毎に、前記候補疾患名と前記予測疾患名とが異なっている割合を算出し、当該割合を加味して該担当者の前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項5】
更に、
前記複数の担当者の少なくとも一部が所有する担当者端末に、該担当者端末の所有者の体調を評価するための質問を送信すると共に、前記質問に対する前記担当者端末からの回答を取得する健康質問送受信部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記担当者端末からの回答を加味して前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項6】
更に、
前記複数の担当者の少なくとも一部が所有する担当者端末に前記医療施設又は前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関する問題を送信すると共に、前記問題に対する前記担当者端末からの回答を取得するテスト問題送受信部と、
前記回答に基づいて前記担当者端末の所有者である担当者の成績を表す評価値である成績評価値を算出する成績評価値算出部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記成績評価値を加味して前記実績・評価情報を生成するものである請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項7】
更に、
前記複数の担当者の各々による前記医療施設又は前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関するオンライン学習の履歴である学習履歴情報を取得する学習履歴取得部、
を有し、
前記実績・評価生成部が、更に、前記学習履歴情報を加味して前記実績・評価情報を生成するものである
請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項8】
前記検索機能提供部が、前記検索者端末から前記検索条件として予診情報を取得し、該予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された、候補疾患名、又は治療、施術、若しくは指導方法である候補方法に対応する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する、
請求項1に記載の担当者情報提供装置。
【請求項9】
コンピュータを請求項1~8のいずれかに記載の担当者情報提供装置として機能させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
電子カルテ記憶部231には、患者毎に、当該患者の識別情報、背景情報、及び治療等情報が記述された電子カルテが記憶されている。患者の識別情報は、治療者個人を特定するための情報であって、例えば患者の氏名、性別、生年月日、又は患者個人に付された識別番号等が含まれている。患者の背景情報には、例えば当該患者の最新の来院時における症状(その症状がみられる部位を含む)、現病歴、体質、生活習慣、又は既往歴等が含まれている。また、患者の治療等情報には、当該患者についてこれまでに行われた治療等の内容、及び各治療等を担当した治療者を特定する情報(氏名、識別番号等)等が含まれている。患者の識別情報及び背景情報は、その患者が初めて鍼灸整骨治療院(以下、単に「治療院」とよぶ場合がある)を来院したときに患者自身又は治療者が治療院端末30を介して入力するか、患者端末50を介して患者が入力したものを治療院端末30が取得して電子カルテ記憶部231に記憶させたものとすることができる。識別情報及び背景情報は適宜のタイミングで更新される。一方、患者の治療等情報は、患者が来院する都度、該患者の治療等を担当した治療者が治療院端末30を介して入力し、電子カルテ記憶部231に記憶させる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
図3(b)の予診票画面に表示されている質問に対する回答の入力が終了すると、患者端末50の表示部の画面が次の予診票画面(図示せず)に切り替わる。予診票画面に表示される質問は、患者の症状、背景情報を収集するために行われるものであり、体調管理を主な目的とする東洋医学的な問診項目、治療を主な目的とする西洋医学的な問診項目が含まれる。西洋医学的問診項目には
、症状と、病気レベル(末梢、脊髄、脳)と、組織(皮膚、神経、筋肉、骨、関節、椎間板、内臓、精神)の3方向から疾患を予測するために必要な情報を収集するための質問が含まれる。なお東洋医学的問診項目と西洋医学的問診項目は明確に区別されているわけではなく、一部の問診項目は東洋医学的問診項目と西洋医学的問診項目の両方に相当する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
(第6項)第6項に係る担当者情報提供装置は、第1項~第5項のいずれか1項に係る担当者情報提供装置において、
更に、
前記複数の担当者の少なくとも一部が所有する担当者端末に前記医療施設又は前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関する問題を送信すると共に、前記問題に対する前記担当者端末からの回答を取得するテスト問題送受信部と、
前記回答に基づいて前記担当者端末の所有者である担当者の成績を表す評価値である成績評価値を算出する成績評価値算出部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記成績評価値を加味して前記実績・評価情報を生成するものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療施設又は健康増進施設において診断、治療、施術、又は指導を担当する担当者の情報を、インターネットを介して検索者端末に提供する担当者情報提供装置であって、
前記医療施設又は前記健康増進施設を利用した複数の利用者の各々について、該利用者に対して行われた診断、治療、施術、又は指導に関する情報と、前記診断、治療、施術、又は指導を担当した担当者の識別情報とを含む電子カルテが記憶された電子カルテ記憶部と、
予め登録された複数の担当者の各々について、前記電子カルテ記憶部から、該担当者が担当した診断、治療、施術、又は指導に関する情報である担当履歴情報を抽出する担当履歴情報抽出部と、
前記複数の担当者の各々について、前記担当履歴情報に基づいて、該担当者の実績又は評価を示す情報である実績・評価情報を生成する実績・評価情報生成部と、
前記複数の担当者の各々について、該担当者の前記識別情報と関連付けて該担当者の前記実績・評価情報を記憶する担当者情報記憶部と、
前記検索者端末からの検索要求に応じて前記担当者情報記憶部を対象とする検索を実行することにより、前記複数の担当者の中から、該検索者端末から送信された検索条件に合致する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する検索機能提供部と、
を有し、
前記電子カルテ記憶部が、前記複数の利用者の各々についての前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、該利用者から取得した予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された治療、施術、又は指導方法である候補方法と、該利用者を担当した前記担当者によって決定された治療、施術、又は指導方法である決定方法とを前記電子カルテに含めて記憶するものであって、
前記実績・評価情報生成部が、各担当者毎に、前記候補方法と前記決定方法とが異なっている割合を算出し、当該割合を加味して該担当者の前記実績・評価情報を生成するものである、担当者情報提供装置。
【請求項2】
医療施設又は健康増進施設において診断、治療、施術、又は指導を担当する担当者の情報を、インターネットを介して検索者端末に提供する担当者情報提供装置であって、
前記医療施設又は前記健康増進施設を利用した複数の利用者の各々について、該利用者に対して行われた診断、治療、施術、又は指導に関する情報と、前記診断、治療、施術、又は指導を担当した担当者の識別情報とを含む電子カルテが記憶された電子カルテ記憶部と、
予め登録された複数の担当者の各々について、前記電子カルテ記憶部から、該担当者が担当した診断、治療、施術、又は指導に関する情報である担当履歴情報を抽出する担当履歴情報抽出部と、
前記複数の担当者の各々について、前記担当履歴情報に基づいて、該担当者の実績又は評価を示す情報である実績・評価情報を生成する実績・評価情報生成部と、
前記複数の担当者の各々について、該担当者の前記識別情報と関連付けて該担当者の前記実績・評価情報を記憶する担当者情報記憶部と、
前記検索者端末からの検索要求に応じて前記担当者情報記憶部を対象とする検索を実行することにより、前記複数の担当者の中から、該検索者端末から送信された検索条件に合致する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する検索機能提供部と、
を有し、
前記電子カルテ記憶部が、前記医療施設の前記複数の利用者の各々についての前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、該利用者から取得した予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された疾患名である候補疾患名と、該利用者の診断を担当した前記担当者が予測した疾患名である予測疾患名とを前記電子カルテに含めて記憶するものであり、
前記実績・評価情報生成部が、各担当者毎に、前記候補疾患名と前記予測疾患名とが異なっている割合を算出し、当該割合を加味して該担当者の前記実績・評価情報を生成するものである、担当者情報提供装置。
【請求項3】
医療施設又は健康増進施設において診断、治療、施術、又は指導を担当する担当者の情報を、インターネットを介して検索者端末に提供する担当者情報提供装置であって、
前記医療施設又は前記健康増進施設を利用した複数の利用者の各々について、該利用者に対して行われた診断、治療、施術、又は指導に関する情報と、前記診断、治療、施術、又は指導を担当した担当者の識別情報とを含む電子カルテが記憶された電子カルテ記憶部と、
予め登録された複数の担当者の各々について、前記電子カルテ記憶部から、該担当者が担当した診断、治療、施術、又は指導に関する情報である担当履歴情報を抽出する担当履歴情報抽出部と、
前記複数の担当者の各々について、前記担当履歴情報に基づいて、該担当者の実績又は評価を示す情報である実績・評価情報を生成する実績・評価情報生成部と、
前記複数の担当者の各々について、該担当者の前記識別情報と関連付けて該担当者の前記実績・評価情報を記憶する担当者情報記憶部と、
前記検索者端末からの検索要求に応じて前記担当者情報記憶部を対象とする検索を実行することにより、前記複数の担当者の中から、該検索者端末から送信された検索条件に合致する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する検索機能提供部と、
前記複数の利用者のいずれかが前記医療施設又は前記健康増進施設を利用する毎に、その利用者が所有する利用者端末に、前記医療施設又は前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導についての評価を尋ねる質問を送信するとともに、前記質問に対する前記利用者端末からの回答を取得し、当該回答の情報である利用者回答情報と前記回答の取得日を、前記診断、治療、施術、又は指導に関する情報として、前記電子カルテに含めて記憶させる利用者所感取得部を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記電子カルテに含まれる前記複数の利用者の前記利用者回答情報に基づいて、前記医療施設又は前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関する評価の値を利用者毎に算出し、該評価の値が所定の閾値を超えるまでに掛かった該利用者の治療回数又は治療期間を加味して前記実績・評価情報を生成するものである、担当者情報提供装置。
【請求項4】
更に、
前記複数の担当者の少なくとも一部が所有する担当者端末に、該担当者端末の所有者の体調を評価するための質問を送信すると共に、前記質問に対する前記担当者端末からの回答を取得する健康質問送受信部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記担当者端末からの回答を加味して前記実績・評価情報を生成するものである請求項1~3のいずれかに記載の担当者情報提供装置。
【請求項5】
更に、
前記複数の担当者の少なくとも一部が所有する担当者端末に前記医療施設又は前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関する問題を送信すると共に、前記問題に対する前記担当者端末からの回答を取得するテスト問題送受信部と、
前記回答に基づいて前記担当者端末の所有者である担当者の成績を表す評価値である成績評価値を算出する成績評価値算出部と、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、前記成績評価値を加味して前記実績・評価情報を生成するものである請求項1~3のいずれかに記載の担当者情報提供装置。
【請求項6】
更に、
前記複数の担当者の各々による前記医療施設又は前記健康増進施設における診断、治療、施術、又は指導に関するオンライン学習の履歴である学習履歴情報を取得する学習履歴取得部、
を有し、
前記実績・評価情報生成部が、更に、前記学習履歴情報を加味して前記実績・評価情報を生成するものである
請求項1~3のいずれかに記載の担当者情報提供装置。
【請求項7】
前記検索機能提供部が、前記検索者端末から前記検索条件として予診情報を取得し、該予診情報に基づいてコンピュータプログラムにより導出された、候補疾患名、又は治療、施術、若しくは指導方法である候補方法に対応する一人以上の担当者を特定し、該一人以上の担当者に関する前記識別情報及び前記実績・評価情報を、前記検索者端末に送信する、
請求項1~3のいずれかに記載の担当者情報提供装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項1~3のいずれかに記載の担当者情報提供装置として機能させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
[2.3 患者所感の取得]
本システムでは、以上のような患者に対する治療等が行われた後、所定のタイミングで、当該患者が所有する患者端末50に、前記治療等に関する患者の感想又は評価(患者所感)を尋ねる質問が送信される。具体的には、患者の来院から予め定められた期間が経過した時点で、サーバ20の患者所感取得部220が、前記患者所感を患者に入力させるための画面である患者所感入力画面(図示せず)を患者端末50に送信する。なお、前記予め定められた期間としては、例えば、1日~1週間程度の期間を治療院端末30から自由に設定することができる。患者所感入力画面は、例えば、直近の来所時における治療の満足度又は治療の効果等を、多段階(例えば5段階又は8段階)で入力させるものとすることができる。あるいは、患者の健康状態全般についての評価表又は当該患者が罹患している各疾患についての特異的な評価表を、患者所感入力画面に表示させ、患者自身による評価を当該評価表に入力させるようにしてもよい。更に、患者所感入力画面には患者からのコメントを入力できるようにしてもよい。患者所感入力画面で入力された情報(以下、患者所感情報とよぶ)は、サーバ20に送信され、該患者の識別情報と関連付けて電子カルテ記憶部231に記憶される。