(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090948
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】電化機器課金システム及びスイッチ装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240627BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207160
(22)【出願日】2022-12-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年11月18日に「PayPayタイマーBOX(仮称)」をPayPay株式会社にプレゼン説明 〔刊行物等〕 令和4年12月6日に「IoT QRタイマーBOX(仮称)」をGMOペイメントゲートウェイ株式会社にプレゼン説明
(71)【出願人】
【識別番号】511012662
【氏名又は名称】NetCONNECT株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】723014807
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(72)【発明者】
【氏名】徳永 隆也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信一
(72)【発明者】
【氏名】丸田 晃三
(72)【発明者】
【氏名】村岡 将満
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】電化機器を不特定多数に利用させるサービスにおいて、サービス提供者における管理容易性が高くかつ利用者における利便性が高い電化機器課金システムを提供する。
【解決手段】電化機器課金システム1は、スイッチ装置2及びサーバ4を含む。スイッチ装置2は、入力電源から給電される電源入力部21と、電化機器5の入力配線に接続される電源出力部22と、電源入力部21と電源出力部22の間に接続されたスイッチ23と、スイッチ制御指令を無線受信する無線通信部25と、スイッチ制御指令に応じてスイッチ23を制御するスイッチ制御部25を含む。サーバ4は、機器特定情報がユーザ端末6から送信されると、機器特定情報に係る電化機器5の利用予定を決定させる画面をユーザ端末6に表示させ、決定された利用予定時間に応じた利用料金の決済を実行し、利用予定時間中のみ電化機器5を使用可能とするスイッチ制御指令をスイッチ装置2に送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電源と電化機器の間に配線接続されるスイッチ装置及び該スイッチ装置と通信接続されるサーバを備える電化機器課金システムであって、
前記スイッチ装置は、
前記入力電源から給電を受ける電源入力部と、
前記電化機器の入力配線に接続される電源出力部と、
前記電源入力部と前記電源出力部の間に接続されたスイッチと、
前記サーバからスイッチ制御指令を無線受信する無線通信部と、
前記スイッチ制御指令に応じて前記スイッチをオン/オフするスイッチ制御部と
を備え、
前記サーバは、
前記電化機器を特定する機器特定情報がユーザ端末から送信されたことに応じて、前記電化機器の利用予定を決定させる利用開始画面を前記ユーザ端末に表示させる利用決定部と、
前記利用開始画面において決定された利用予定時間に応じた利用料金を前記ユーザ端末に表示させるとともに前記ユーザ端末からの指示に応じて前記利用料金の決済を実行する決済処理部と、
前記決済の実行に応じて、前記利用予定時間中のみ前記電化機器を使用可能とする前記スイッチ制御指令を前記スイッチ装置に送信するスイッチ指令部と
を備える、電化機器課金システム。
【請求項2】
前記機器特定情報は、前記スイッチ装置又は前記電化機器に対応付けられた撮像可能コードであり、前記ユーザ端末に撮像された前記撮像可能コードが前記サーバに送信される、請求項1に記載の電化機器課金システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記電化機器の単位時間あたりの利用料金を変動させるダイナミック課金部をさらに備える、請求項1に記載の電化機器課金システム。
【請求項4】
前記ダイナミック課金部が、前記電化機器の単位時間あたりの利用料金を、前記電化機器の時間利用率、前記電化機器の利用予定時間、及び前記ユーザ端末に固有の前記電化機器の利用頻度、前記電化機器が使用される地域の属性、及び前記入力電源に係る電力の電気料金、の少なくとも1つに基づいて設定するように構成された、請求項3に記載の電化機器課金システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記利用予定時間中に前記ユーザ端末から前記電化機器の利用中止の指示を受信した場合に、前記利用予定の終了時刻と利用停止時刻との差分に基づく返金処理を前記ユーザ端末に対して実行する返金処理部をさらに備える、請求項1に記載の電化機器課金システム。
【請求項6】
前記利用決定部は、前記利用開始画面において決定された前記利用予定が予約利用を示す場合に、前記電化機器の予約利用の設定のための利用予約画面を前記ユーザ端末に表示させるように構成され、
前記決済処理部は、前記利用予約画面において決定された利用予定時間に応じた利用料金を前記ユーザ端末に表示させるとともに前記ユーザ端末からの指示に応じて前記利用料金の決済を実行するように構成された、請求項1に記載の電化機器課金システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記ユーザ端末に、前記利用予定の終了時刻と現時刻との差分に基づく情報を表示させる経過通知部をさらに備える、請求項1に記載の電化機器課金システム。
【請求項8】
前記サーバは、前記ユーザ端末に、前記利用予定の終了時刻前に前記電化機器の延長利用可否に関する情報を表示させ、又は前記利用予定の終了時刻以後に前記電化機器のリピート利用可否に関する情報を表示させる追加利用処理部をさらに備える、請求項1に記載の電化機器課金システム。
【請求項9】
前記スイッチ装置が、該スイッチ装置の筐体に配置された表示部と、前記サーバからの指示に応じて前記表示部の表示を制御する表示制御部とをさらに備える、請求項1に記載の電化機器課金システム。
【請求項10】
前記サーバが、前記表示部に、前記利用予定の終了時刻と現時刻との差分に基づく情報を表示させる経過通知部をさらに備える、請求項9に記載の電化機器課金システム。
【請求項11】
前記サーバは、前記表示部に、前記利用予定の終了時刻前に前記電化機器の延長利用可否に関する情報を表示させ、又は前記利用予定の終了時刻以後に前記電化機器のリピート利用可否に関する情報を表示させる追加利用処理部をさらに備える、請求項9に記載の電化機器課金システム。
【請求項12】
前記機器特定情報は、前記スイッチ装置に配置された撮像可能コードであり、前記ユーザ端末に撮像された前記撮像可能コードが前記サーバに送信される、請求項1又は9に記載の電化機器課金システム。
【請求項13】
電化機器を特定する機器特定情報に関連付けられたスイッチ装置であって、
入力電源から給電を受ける電源入力部と、
前記電化機器の入力配線に接続される電源出力部と、
前記電源入力部と前記電源出力部の間に接続されたスイッチと、
サーバからスイッチ制御指令を無線受信する無線通信部と、
前記スイッチ制御指令に応じて前記スイッチをオン/オフするスイッチ制御部と
を備え、
前記サーバは、ユーザ端末によって送信された前記機器特定情報に応じて前記電化機器の利用予定を決定させる画面を前記ユーザ端末に表示させ、前記ユーザ端末によって決定された利用予定時間に応じた利用料金を前記ユーザ端末に表示させるとともに前記ユーザ端末からの指示に応じて前記利用料金の決済を実行し、前記決済の実行に応じて前記利用予定時間中のみ前記電化機器を使用可能とする前記スイッチ制御指令を送信するように構成された、スイッチ装置。
【請求項14】
前記機器特定情報は、前記スイッチ装置に配置され、前記ユーザ端末によって撮像可能な撮像可能コードである、請求項13に記載のスイッチ装置。
【請求項15】
筐体と、該筐体に配置された表示部と、前記サーバからの指示に応じて前記表示部の表示を制御する表示制御部とをさらに備える請求項13に記載のスイッチ装置。
【請求項16】
前記機器特定情報は、前記ユーザ端末によって撮像可能な撮像可能コードであり、
前記表示制御部が、前記撮像可能コードを前記表示部に画像表示させるように構成された、請求項15に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電化機器課金システム及びそれに用いるスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電化製品の時間貸しのための装置として、コイン投入式の集金装置が普及している。このような集金装置は、貸出対象の電化機器と商用電源の間に配線接続され、100円硬貨などのコインが投入されたことに応じて所定時間だけ商用電源と電化機器との間の電気的接続をオンする。対象となる電化機器として、例えば、宿泊施設の客室内に装備されたテレビ、エアコン、ゲーム機器など、その他各種施設に設置されたランドリー機器、マッサージチェア、シャワー、ドライヤーなどが挙げられる。
【0003】
また、コイン投入以外の方法で入力給電配線をオン/オフするシステムとして、特許文献1及び2には、照明器具を制御対象機器とする照明スイッチシステムが開示されている。同文献の照明スイッチシステムは、住宅用の照明設備において、サーバからの通信信号に応じて照明器具と商用電源の間の配線をオン/オフする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7117935号公報
【特許文献2】特許第7117936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなコイン投入式の集金装置については、サービス提供者が売上回収、釣銭管理などのために現地の設置場所に出向く必要があり、人件費がかさむという問題がある。また、サービス提供者が現地の設置場所に赴くまで売上管理、稼働状況の把握などを行うこともできないため、リアルタイムでの適時のサービス管理が難しいという問題もある。すなわち、コイン投入式の集金装置については、サービス提供者における管理容易性が低いという問題がある。さらに、電化機器の利用には小銭(所定の金額の硬貨)が必要となるため、電化機器の利用者(以下、「利用者」という)においては利便性に欠ける。さらには、小銭の利用は現代のキャッシュレス化の流れにそぐわない。また、特許文献1及び2の照明スイッチシステムは、住宅などのプライベートな利用を前提としており、ある電化機器を不特定多数の利用者が使用するサービスに適応するものではない。
【0006】
そこで、本発明は、電化機器を不特定多数の利用者に利用させるサービスにおいて、サービス提供者における管理容易性が高くかつ利用者における利便性が高い電化機器課金システム及びそれに用いるスイッチ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様である電化機器課金システムは、入力電源と電化機器の間に配線接続されるスイッチ装置、及びスイッチ装置と通信接続されるサーバを備える。スイッチ装置は、入力電源から給電を受ける電源入力部と、電化機器の入力配線に接続される電源出力部と、電源入力部と電源出力部の間に接続されたスイッチと、サーバからスイッチ制御指令を無線受信する無線通信部と、スイッチ制御指令に応じてスイッチをオン/オフするスイッチ制御部とを備える。サーバは、電化機器を特定する機器特定情報がユーザ端末から送信されたことに応じて、電化機器の利用予定を決定させる利用開始画面をユーザ端末に表示させる利用決定部と、利用開始画面において決定された利用予定時間に応じた利用料金をユーザ端末に表示させるとともにユーザ端末からの指示に応じて利用料金の決済を実行する決済処理部と、決済の実行に応じて、利用予定時間中のみ電化機器を使用可能とするスイッチ制御指令をスイッチ装置に送信するスイッチ指令部とを備える。
【0008】
上記電化機器課金システムによると、ユーザ端末が機器特定情報を送信して電化機器の利用予定時間を決定し、サーバが利用予定時間に応じて電化機器の利用料金の決済を実行し、スイッチ装置が利用予定時間に応じて電化機器と入力電源の間の接続を制御する。このように、スイッチ装置、サーバ及びユーザ端末の間の通信を介して、利用時間及び利用料金に応じた電化機器の利用が可能となる。したがって、電化機器を不特定多数の利用者に利用させるサービスにおいて、サービス提供者における管理容易性が高くかつ利用者における利便性が高い電化機器課金システムが実現される。
【0009】
本発明の第2の態様であるスイッチ装置は、電化機器を特定する機器特定情報に関連付けられたスイッチ装置であり、入力電源から給電を受ける電源入力部と、電化機器の入力配線に接続される電源出力部と、電源入力部と電源出力部の間に接続されたスイッチと、サーバからスイッチ制御指令を無線受信する無線通信部と、スイッチ制御指令に応じてスイッチをオン/オフするスイッチ制御部とを備える。サーバは、ユーザ端末によって送信された機器特定情報に応じて電化機器の利用予定を決定させる画面をユーザ端末に表示させ、ユーザ端末によって決定された利用予定時間に応じた利用料金をユーザ端末に表示させるとともにユーザ端末からの指示に応じて利用料金の決済を実行し、決済の実行に応じて利用予定時間中のみ電化機器を使用可能とするスイッチ制御指令を送信するように構成される。
【0010】
上記スイッチ装置によると、電化機器に関連する機器特定情報及びその電化機器について決定された利用予定時間に基づいて利用料金の決済がサーバによって実行されると、スイッチ装置が利用予定時間に応じて電化機器と入力電源の間の接続を制御する。このように、スイッチ装置は、サーバ及びサーバを介したユーザ端末の間の通信を介して、利用時間及び利用料金に応じた電化機器の利用が可能となる。これにより、電化機器を不特定多数の利用者に利用させるサービスにおいて、サービス提供者における管理容易性が高くかつ利用者における利便性が高いスイッチ装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の電化機器課金システムを示す概略図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態による電化機器課金システムのブロック図である。
【
図3】本発明の電化機器課金システムの動作を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第2の実施形態による電化機器課金システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態の電化機器課金システム1(以下、「システム1」という)の概略図を示す。システム1は、時間貸しの各種電化機器5に適用される。時間貸しの電化機器5は、例えば、宿泊施設の客室内に装備されたテレビ、エアコン、ゲーム機器など、その他各種施設に設置されたランドリー機器(洗濯機、乾燥機又は洗濯乾燥機)、マッサージチェア、タンニングマシン、シャワー、ドライヤーなどであり得る。また、時間貸しの電化機器5は、電気自動車、電動アシスト付き自転車など、充電池を利用する電気輸送手段の充電器(電気自動車に対してはEV充電器)であってもよい。
【0013】
システム1は、スイッチ装置2及びサーバ4を含み、これらとユーザ端末6の協働により動作する。スイッチ装置2は、電化機器5にコンセント22aを介して配線接続されるとともに、入力電源PSにプラグ21a及び入力配線21bを介して配線接続される。スイッチ装置2又は電化機器5に(実質的に両方に)、撮像可能コード3が対応付けられる。サーバ4は、スイッチ装置2及びユーザ端末6とインターネットなどの通信ネットワークNを介して通信可能である。なお、本実施形態では、システム1が1つのサーバ4に対して一対のスイッチ装置2及び電化機器5を含む例を示すが、システム1は1つのサーバ4に対して複数対のスイッチ装置2及び電化機器5を含み得る。
【0014】
本実施形態の概略は、以下の通りである。電化機器5の利用者(以下、「利用者」という)が自身のユーザ端末6で撮像可能コード3を撮像すると、サーバ4はユーザ端末6に電化機器5の利用のための利用開始画面を表示させる。利用者は、利用開始画面上で電化機器5の利用予定(即時利用及び予約利用を含む)を決定し、サーバ4がその利用予定の情報を取得する。サーバ4は利用予定の情報に基づいて利用料金を決定し、利用者がユーザ端末6においてその利用料金の決済を実行すると、サーバ4は、利用料金に応じた利用予定時間の間だけスイッチ装置2がオンとなるように、スイッチ制御指令をスイッチ装置2に送信する。これにより、利用者が決定した利用予定時間について電化機器5が入力電源PSからスイッチ装置2を介して給電され、利用者は電化機器5を利用することができる。
【0015】
撮像可能コード3は、電化機器5を特定する機器特定情報の一例であり、本実施形態ではQRコード(登録商標)である(以下、「QRコード3」ともいう)。撮像可能コード3は、
図1においてはスイッチ装置2の筐体20に配置されているが、電化機器5に配置されてもよいし、スイッチ装置2又は電化機器5の付近の壁、床、天井、設置物又はその他の構造物に配置されてもよい。すなわち、撮像可能コード3は、電化機器5を利用するユーザの一般的な携帯端末によって撮像可能な位置(以下、「配置箇所」という)に配置される。ただし、スイッチ装置2に直接配置される態様が、システム1の導入容易性又は導入後の管理容易性の観点から好ましい。
【0016】
撮像可能コード3は、一般的な携帯端末によって撮像可能なものであれば任意の形態をとり得る。例えば、撮像可能コード3は、それが印刷又は造形された媒体(例えば、紙シート、プラスチックプレート、金属プレートなど)として配置箇所に貼り付けられてもよいし、配置箇所に直接印刷(例えば、塗布)されてもよい。また、配置箇所(例えば、スイッチ装置2)に液晶画面などの表示部がある場合には、撮像可能コード3はその表示部に画像として表示されてもよい。あるいは、撮像可能コード3は、配置箇所に投影された光学像であってもよい。
【0017】
なお、本実施形態では、撮像可能コード3としてQRコードを用いるが、撮像可能コードは、DataMatrix(登録商標)、VeriCode(登録商標)などの他の2次元コードであってもよいし、バーコードなどの1次元コードであってもよい。また、同じ情報を示す同種又は異種の複数の撮像可能コード3が配置されてもよい。例えば、同一の撮像可能コード3がスイッチ装置2及び電化機器5の双方にそれぞれ配置されてもよいし、1つのスイッチ装置2又は電化機器5に対して異なる撮像可能コード3が即時利用と予約利用について配置されてもよい。
【0018】
図2に、本実施形態のシステム1のブロック図を示す。スイッチ装置2は筐体20、電源入力部21、電源出力部22、スイッチ23、コンバータ24、無線通信部25及びスイッチ制御部26を備え、スイッチ23、コンバータ24、無線通信部25及びスイッチ制御部26は筐体20に内包される。なお、本実施形態では、入力電源PSは、例えば、商用AC100V電源、商用AC200V電源などの交流電源を想定しているが、本実施形態は他の電源電圧に対しても適用可能である。
【0019】
筐体20は、本実施形態では、例えば、直方体形状のケースである。筐体20の材質は、不燃性又は難燃性の金属、プラスチックなどであることが好ましい。ただし、筐体20の形状は、直方体形状に限らず、多角柱形状、多面体形状、低背円筒形状(直径≧高さ)、長細い円筒形状(直径<高さ)、球形状、楕円球形状、角錐形状、円錐形状、頂部切断角錐形状、頂部切断円錐形状、又はこれらの組合せであってもよい。上記多角柱形状は、例えば、底面が直角三角形の三角柱であり得る。この場合、その直角三角形の直角を挟む2面が構造物の隅(例えば、直角の内角を有する角部)の2面に対向するように筐体20が配置されると、その空間における高いスペース効率が得られる。また、筐体20は、長細い円筒形状の場合にはフレキシブルな材質から構成されて屈曲可能とされてもよい。
【0020】
電源入力部21は、プラグ21a及び入力配線21bで構成される。プラグ21aは、規格で定められた標準的な電源プラグであり、例えば、日本、アメリカなどで標準のAタイプであってもよいし、200Vエアコン用のタンデム型又はエルバー型であってもよい。ただし、プラグ21aは、使用国、仕様などに応じて、Bタイプ、Cタイプ、SEタイプ、B3タイプ、BFタイプ、Oタイプ、O2タイプなどであってもよい。プラグ21aは入力配線21bに接続され、入力配線21bはスイッチ23の入力端子23a及びコンバータ24に接続される。
【0021】
電源出力部22は、コンセント22a及び出力配線22bで構成される。コンセント22aは、上述したプラグ21aと同じ規格で定められた標準的な電源コンセントである。すなわち、プラグ21a及びコンセント22aは同一の規格のものである。コンセント22aは、例えば、筐体20の面に配置されるとともに出力配線22bに接続され、出力配線22bは出力端子23bに接続される。出力配線22bは、筐体20内でスイッチ23の出力端子23bに接続される。なお、本実施形態では、コンセント22aが筐体20に直接取り付けられているが(すなわち、出力配線22bが筐体20内に収容されているが)、電源入力部21側と同様に、筐体20の外部で出力配線22bの先端に接続されてもよい。
【0022】
スイッチ23は、入力配線21bと出力配線22bの間に接続され、本実施形態では一般的なマグネットスイッチ(電磁開閉器)である。すなわち、スイッチ制御部26からの駆動電流がコイル(不図示)に通電されていない非通電時には、固定鉄心(不図示)に対して可動鉄心(不図示)がバネ(不図示)の弾性力によって離間される。これにより、可動接点23cが、固定接点である入力端子23a及び出力端子23bから離間されて、入力端子23aと出力端子23bの間が開放状態となり、スイッチ23としてはオフ状態となる。一方、スイッチ制御部26からの駆動電流がコイルに通電されている通電時には、固定鉄心に対して可動鉄心が引き付けられる。これにより、可動接点23cが、固定接点である入力端子23a及び出力端子23bに接触して、入力端子23aと出力端子23bの間が短絡状態となり、スイッチ23としてはオン状態となる。なお、本実施形態では、スイッチ23としてマグネットスイッチを用いるが、接続対象となる電化機器5の電流容量に応じて他の種類のスイッチ要素(リレー回路など)が用いられてもよい。
【0023】
コンバータ24は、電圧変換器であり、入力電源PSから電源入力部21を介して供給される交流電圧を直流電圧に変換して制御電圧を生成する。コンバータ24は、この制御電圧を無線通信部25及びスイッチ制御部26に供給する。制御電圧は、3V~15V程度である。なお、本実施形態では、入力電源PSが交流電源であるため、コンバータ24はAC/DCコンバータであるが、入力電源PSが直流電源である場合には、コンバータ24はDC/DCコンバータとなる。
【0024】
無線通信部25は、無線通信モジュールであり、サーバ4からスイッチ制御指令を無線受信し、スイッチ制御指令に応じたスイッチ制御信号をスイッチ制御部26に入力する。なお、スイッチ制御指令とスイッチ制御信号とは、情報の形式が異なるのみであって示す内容は同じであるため、本開示では実質的に同義なものとして用いられる。無線通信部25とサーバ4(通信部41)とは、3G、4G、LTEなどの任意の通信方式に従って通信ネットワークNを介して無線接続される。また、スイッチ装置2の使用環境においてWi-Fi(登録商標)が使用可能である場合を想定して、無線通信部25がWi-Fi接続を介してスイッチ制御指令を受信することができるように構成されてもよい。なお、無線通信部25は、無線受信機能を有していれば(受信専用の無線通信部であっても)本実施形態は実施可能であるが、必要に応じて無線送信機能を有していてもよい(すなわち、送受信用の無線通信部であってもよい)。例えば、無線通信部25が、スイッチ装置2の動作状態示す信号を、周期的に、又はサーバ4からの監視要求に応じてサーバ4に送信するように構成されてもよい。
【0025】
スイッチ制御部26は、CPU、メモリ及び周辺回路からなり、スイッチ制御部26は、スイッチ制御指令(すなわち、無線通信部25から入力されるスイッチ制御信号)に応じてスイッチ23をオン/オフする。具体的には、オンを示すスイッチ制御信号が入力されると、スイッチ制御部26は駆動電流をスイッチ23(コイル)に通電してスイッチ23をオンし、そのオン状態を保持する。その後に、オフを示すスイッチ制御信号が入力されると、スイッチ制御部26は駆動電流を停止してスイッチ23をオフし、そのオフ状態を保持する。すなわち、スイッチ制御部26は、オンを示すスイッチ制御指令(及びスイッチ制御信号)が入力されてからオフを示すスイッチ制御指令(及びスイッチ制御信号)が入力されるまでスイッチ23をオン状態に維持する。なお、スイッチ制御部26は、スイッチ装置2におけるスイッチ制御以外の処理も実行し得るものとする。例えば、無線通信部25が無線送信機能を有する場合に、スイッチ制御部26はその送信制御を実行することができるものとする。この場合、スイッチ制御部26は、駆動電流の通電/停止の情報をサーバ4に送信するように無線通信部25を動作させる。
【0026】
サーバ4は、クラウドサーバ(クラウドサービス)であり、通信部41、処理部42及び記憶部43を備える。サーバ4内の各部は、バスBを介してプログラム、データなどを相互に転送可能な態様で接続されているものとする。
【0027】
通信部41は、通信ネットワークNを介してスイッチ装置2及びユーザ端末6と適宜の通信プロトコルによって無線接続(すなわち、無線通信)可能に構成される。なお、本開示において、処理部42の各部とスイッチ装置2(無線通信部25)及びユーザ端末6(通信部61)と情報の送受信は、明示の記載がなくても通信部41及び通信ネットワークNを介して行われるものとする。
【0028】
記憶部43は、メモリ及びデータベースであり、サーバ4とスイッチ装置2及びユーザ端末6との間で送受信された通信ログ及びその通信ログに関連するデータを適宜の体系で記憶する。記憶部43は、照合データベース431、予約データベース432、稼働データベース433及び売上データベース434を含む。照合データベース431は、スイッチ装置2、QRコード3及び電化機器5の識別情報(機器識別情報)を紐付けて記憶する。また、照合データベース431は、過去にシステム1を利用したユーザ端末6の識別情報(利用者識別情報)を記憶し、必要に応じて、機器識別情報と利用者識別情報とを紐付けて記憶する。予約データベース432は、各電化機器5についての予約状況の情報である予約データ(予約利用者、予約時間帯など)を記憶する。稼働データベース433は、各電化機器5(又は各スイッチ装置2)の動作履歴及びそれに基づく稼働率のデータなどを記憶する。売上データベース434は、各電化機器5についての決済履歴及びそれに基づく売上のデータなどを記憶する。なお、予約データベース432、稼働データベース433及び売上データベース434の各データは、スイッチ装置2又はユーザ端末6に対して関連付けられてもよい。
【0029】
処理部42は、利用決定部421、決済処理部422、ダイナミック課金部423、返金処理部424、スイッチ指令部425、経過通知部426、追加利用処理部427及び機器管理部428を含む。処理部42は、利用決定部421~機器管理部428までの各部の処理以外にもクラウドサーバとしての一般的な処理(サーバ4の統括制御、実時刻取得処理、タイマー処理、計数処理など)も適宜実行可能であるものとする。
【0030】
利用決定部421は、ユーザ端末6によって撮像及び送信されたQRコード3に応じて、電化機器5の利用予定を決定させる利用開始画面をユーザ端末6(表示画面64)に表示させる。利用決定部421は、記憶部43(照合データベース431の機器識別情報)を参照して、撮像されたQRコード3からスイッチ装置2又は電化機器5の識別情報を取得する。そして、利用決定部421は、ユーザ端末6の識別情報に基づいて利用者を認証する。利用決定部421は、ユーザ端末6の識別情報又は認証結果と、上記のスイッチ装置2又は電化機器5の識別情報を紐付ける。
【0031】
また、利用決定部421は、電化機器5の予約利用に関する処理も行う。利用決定部421は、記憶部43(予約データベース432)を参照して、電化機器5の予約利用の可否に関する表示を行う。予約利用可能である場合であって利用者が予約利用を選択した場合、すなわち、利用予定が予約利用を示す場合、利用決定部421は電化機器5の予約利用の設定のための利用予約画面をユーザ端末6(表示画面64)に表示させる。
【0032】
利用開始画面には、電化機器5の識別(名称など)、利用時間の入力フィールド、利用料金、即時利用(ドロップイン)の可否、予約利用の可否などが表示され得る。利用時間の入力フィールドは、ドロップインの場合には、利用時間又は終了時刻の選択又は入力フィールドである。また、利用時間の入力フィールドは、予約利用の場合には、利用予定開始時刻、及び利用時間、終了時刻又は利用時間帯の選択又は入力フィールドである。上記の利用時間、利用予定開始時刻、利用予定終了時刻又は利用時間帯は、複数の時間又は時刻がタップ選択可能に構成されてもよいし、連続的な時間又は時刻がスクロール選択可能に構成されてもよいし、数値入力可能に構成されてもよい。利用予約画面では、利用開始予定時刻の設定フィールド、選択可能な利用時間の選択フィールド又は予め定めたられた固定の利用時間、さらに利用料金などが表示される。なお、利用者に選択の余地がない場合、すなわち、1回の利用時間、1回の利用料金などが事前に決定されている場合には、利用開始画面は、後述する決済画面となる。この場合、利用者は、自動的に利用予定を決定していることになる。本開示においては、いずれの場合でも、QRコード3(機器特定情報)の受信に応じて利用決定部421がユーザ端末6に表示させる画面のことを利用開始画面というものとする。
【0033】
利用決定部421は、ドロップイン又は予約利用について、利用予定に係る開始時刻(以下、「利用予定の開始時刻」又「利用予定開始時刻」という)及び利用予定に係る終了時刻(以下、「利用予定の終了時刻」又は「利用予定終了時刻」という)を特定する。なお、ドロップインの場合、利用予定開始時刻は実質的に現時刻である。
【0034】
利用料金は、事前に決済処理部422によって決定されている(各選択可能な利用時間に対する)デフォルト値であってもよいし、利用時間選択時点で決済処理部422によって(各選択可能な利用時間に対して)計算される計算値であってもよい。また、利用料金は、利用者の選択した利用時間に応じて別画面で表示されるようにしてもよい。
【0035】
ドロップインの可否の表示について、利用決定部421は、記憶部43(予約データベース432)を参照して、現時刻と直近の予約の利用開始予定時刻との差である空白時間が所定値以上の場合にはドロップインが可能であることを表示し、空白時間が所定値未満の場合にはドロップインが不可であることを表示し得る。なお、利用開始画面に、上記空白時間が表示されてもよい。また、予約利用の可否の表示について、利用決定部421は、記憶部43(予約データベース432)を参照して、所定時間以上の予約不在期間がある場合に予約可能であることを表示し、所定時間以上の予約不在期間がない場合には予約不可であることを表示し得る。予約可能である場合、利用決定部421は、直近の予約可能期間(予約不在期間)又は所定期間内の複数の予約可能期間(予約不在期間)を利用予約画面に表示し得る。
【0036】
決済処理部422は、ユーザ端末6によって決定された利用予定に基づいて利用料金を確定し、確定した利用料金をユーザ端末6(表示画面64)に表示させる(決済画面)。その後、利用者がユーザ端末6の決済画面上で行う決済操作に応じて、決済処理部422は、利用料金の決済を実行する。決済処理部422は、決済の内容をスイッチ装置2、QRコード3、電化機器5又はユーザ端末6に対応付けて記憶部43(売上データベース434)に記憶する。なお、予約利用の場合の決済は、利用予約時に実行されるようにしてもよいし、利用開始直前に実行されるようにしてもよい。なお、予約利用の場合、利用開始直前にユーザ端末6によるQRコード3の再度の撮像、利用者の認証処理などが必要となり得る。
【0037】
ダイナミック課金部423は、電化機器5の単位時間あたりの利用料金(以下、「レート」という)を、所定のデータ及び/若しくはパラメータに従って自動的に又はシステム1の管理者の手動操作に応じて変動させることができる。所定のデータに関して、ダイナミック課金部423は、AI機能(学習機能)を利用して、過去の蓄積データに基づいてダイナミックプライシングの料金自動計算を実行し得る。所定のパラメータに関して、ダイナミック課金部423は、例えば、電化機器5の時間利用率、電化機器5の利用予定時間、ユーザ端末6に固有の電化機器5の利用頻度、電化機器5が使用される地域の属性、入力電源PSに係る電力の電気料金などに基づいてレートを設定する。ダイナミック課金部423は、設定したレートを決済処理部422に入力し、決済処理部422はその時点でのレートに利用予定時間を乗じて利用料金を決定する。システム1の管理者の手動操作については、レートは専ら経営戦略上の判断によって決定され得る。所定のパラメータについて、以下に説明する。
【0038】
電化機器5の時間利用率:一般に市場原理として、繁忙期よりも閑散期の方がサービス料金は低くなる。したがって、レートを電化機器5の時間利用率に基づいて設定する場合、ダイナミック課金部423は、時間利用率が低い期間(閑散期)のレートを時間利用率が高い期間(繁忙期)のレートよりも低く設定してもよい。なお、時間利用率とは、電化機器5の利用可能な時間全体に対する実際に利用される時間の占める割合であり、参照する時間利用率は直近の値であってもよいし、将来の予測値であってもよい。予測値について、ダイナミック課金部423は、利用料金を、例えば、時間帯、曜日(平日、土日、祝日、連休の別を含む)、時期(ハイシーズン/オフシーズン)、季節、気候、天候などに応じて設定し得る。これにより、市場原理又は取引の実情に従った柔軟な課金が可能となる。
【0039】
電化機器5の利用予定時間:一般に市場原理として、少量での購入単価よりもバルクでの購入単価の方が低い。したがって、ダイナミック課金部423は、電化機器5の利用予定時間が長い長時間利用者(ユーザ端末6)のレートを利用予定時間が短い短時間利用者(ユーザ端末6)のレートよりも低く設定してもよい。これにより、市場原理又は取引の実情に従った柔軟な課金が可能となる。
【0040】
ユーザ端末6に固有の電化機器5の利用頻度:一般に市場原理として、一見客又はライトユーザよりも得意客又はヘビーユーザの方がサービス料金を優遇される。したがって、ダイナミック課金部423は、電化機器5の利用について、利用頻度の高い利用者(ユーザ端末6)のレートを利用頻度の低い利用者(ユーザ端末6)のレートよりも低く設定してもよい。また、ダイナミック課金部423は、初回客については、新規顧客獲得のためにレートをディスカウント価格としてもよい。これにより、市場原理又は取引の実情に従った柔軟な課金が可能となる。
【0041】
電化機器5が使用される地域の属性:一般に物価は、各国で異なることはもちろんのこと、同じ国内であっても都市によって異なる。例えば、先進国の物価は発展途上国/新興国の物価よりも高く、東京などの大都市圏の物価は地方都市の物価よりも高い。なお、電化機器5の使用地域とは、電化機器5の設置場所を含む概念である。また、同じ都市の同じサービスであっても、一般に、高級なエリアのサービス料金設定は、大衆的なエリアのサービス料金設定よりも高い。したがって、ダイナミック課金部423は、電化機器5の使用地域の属性について、高い相場の地域(先進国、国内大都市圏、高級エリアなど)のレートを低い相場の地域(発展途上国/新興国、国内地方都市、大衆的なエリアなど)のレートよりも高く設定してもよい。これにより、経済又は取引の実情に沿った柔軟な課金が可能となる。なお、レートの相場が、当該地域の気候又は天候に左右されるようにしてもよい。
【0042】
入力電源PSに係る電力の電気料金:一般に、電気料金は、地域、時間帯、時勢などに応じて変動するものである。例えば、電気料金は、昼間よりも夜間の方が安い。したがって、ダイナミック課金部423は、夜間のレートを昼間のレートよりも低く設定してもよい。また、一般に、電気料金は電力会社によって異なり、各電力会社はエネルギー価格の変動に応じて電気料金を変動させる。したがって、ダイナミック課金部423は、各電力会社が決定する電気料金を参照して又はそれに連動させてレートを設定してもよい。これにより、経済又は取引の実情に沿った柔軟な課金が可能となる。
【0043】
返金処理部424は、利用時間中(すなわち、利用予定開始時刻と利用予定終了時刻の間)にユーザ端末6から電化機器5の利用中止の指示を受信した場合に、利用予定終了時刻と現実の利用停止時刻との差分である残余時間に基づく返金処理をユーザ端末6に対して実行する。なお、利用停止時刻とは、ユーザ端末6上で利用中止の操作が行われた時刻であってもよいし、スイッチ指令部425がスイッチ装置2(スイッチ23)のオフを指示するスイッチ制御指令を出力した時刻であってもよい。これにより、利用者において、電化機器5の柔軟な利用が可能となる。
【0044】
残余時間に基づく返金処理に係る返金額は、利用予定時間に対する残余時間の割合を決済済みの利用料金に乗じた額(以下、「案分額」という)に等しくてもよいし、案分額を超える額であってもよいし、案分額未満であってもよい。返金額が案分額に等しい場合には、返金処理の明瞭性が担保される。また、返金額が案分額を超える場合(ただし、その金額又は案分額を超えることが利用者に事前に分かっている場合)、当該利用者の利用中止のインセンティブとなるため、順番待ちの次の利用者の利用が促進される。これは、特に、電化機器5の繫忙期に好ましい処理である。一方、返金額が案分額未満である場合(ただし、その金額又は案分額未満であることが利用者に事前に分かっている場合)、当該利用者の利用継続のインセンティブとなる。これは、特に、電化機器5の閑散期に好ましい処理である。
【0045】
スイッチ指令部425は、決済処理部422による決済の実行に応じて、利用予定に対応するスイッチ制御指令、具体的には、利用予定時間中のみ電化機器5を使用可能とするスイッチ制御指令をスイッチ装置2に送信する。上述したように、本実施形態では、スイッチ指令部425は、利用予定開始時刻にスイッチ23をオンするためのスイッチ制御指令を生成及び送信し、利用予定終了時刻にスイッチ23をオフするためのスイッチ制御指令を生成及び送信する。
【0046】
経過通知部426は、ユーザ端末6(表示画面64)に、利用予定終了時刻と現時刻との差分に基づく残り時間情報を表示させる。残り時間情報は、残り時間の数値そのものであってもよいし、合計利用予定時間に対する残り時間の割合(%)であってもよい。また、残り時間情報は、必ずしも数値で表示されなくてもよく、例えば、時間の経過に伴って移動する移動点又は移動範囲が視認できる円グラフ、バーなどの形態であってもよい。あるいは、残り時間情報は、表示色又は表示態様の変化によって表現されてもよい。例えば、残り時間の減少に伴って、表示色が青→黄→赤に変化する態様、表示態様が点灯→点滅(点滅周波数の漸増も含む)に変化する態様、又はその組合せなどが挙げられる。
【0047】
追加利用処理部427は、記憶部43(予約データベース432)を参照して、ユーザ端末6(表示画面64)に、利用予定終了時刻前に、電化機器の延長利用可否に関する延長可否情報を表示させる。例えば、利用予定終了時刻以降に予約が不在である場合には、延長可否情報には、延長利用可能のメッセージが含まれる。また、利用予定終了時刻以降に所定長以上の空白期間を経て予約が存在する場合には、延長可否情報には、延長利用可能のメッセージ及び延長可能時間が含まれる。また、利用予定終了時刻以降に所定長未満の空白期間を経て予約が存在する場合には、延長可否情報には、延長利用不可のメッセージが含まれる。延長可否情報が延長利用可能を示す場合、延長可否情報と同じ画面内に、延長利用決済画面へ進むためのハイパーリンクも含まれることが好ましい。なお、追加利用処理部427は、延長可否情報を利用時間中に常時表示してもよいし、利用時間の後半に表示してもよいし、利用時間の終盤に表示してもよいし、利用予定終了時刻直前に表示してもよい。
【0048】
また、追加利用処理部427は、記憶部43(予約データベース432)を参照して、ユーザ端末6(表示画面64)に、利用予定終了時刻以後(例えば、利用予定終了時刻直後)に、電化機器5のリピート利用可否に関するリピート可否情報を表示させる。例えば、以降の時間に予約が不在である場合には、リピート可否情報には、リピート利用(即時利用又は予約利用)可能のメッセージが含まれる。また、以降の時間に所定長以上の空白期間を経て予約が存在する場合には、リピート可否情報には、リピート利用(即時利用又は予約利用)可能のメッセージとともに利用可能な時間が含まれる。また、以降の時間に所定長未満の空白期間を経て予約が存在する場合には、リピート可否情報には、リピート利用(即時利用又は予約利用)不可のメッセージが含まれる。リピート可否情報がリピート利用可能を示す場合、リピート可否情報と同じ画面内に、リピート利用決済画面へ進むためのハイパーリンクも含まれることが好ましい。
【0049】
延長利用決済画面及びリピート利用決済画面は、照合データベース431(機器識別情報及び利用者識別情報)の利用により、QRコード3の再度の撮像を省略するなど、簡易な処理で決済処理が完結するように構成されることが、利用者の利便性の観点から望ましい。追加利用処理部427による延長利用又はリピート利用の案内はいずれも、少なくとも次の利用者の予約利用開始時刻まで現利用者による電化機器5の更なる利用を促進するものであり、電化機器5の利用空白期間の減少に寄与する。言い換えると、電化機器5の稼働率が向上し得る。
【0050】
機器管理部428は、記憶部43(稼働データベース433)から各電化機器5(すなわち、各QRコード3)に関する稼働状況の情報を抽出し、その稼働状況の情報をシステム1の管理者の端末に送信することができる。これにより、システム1の管理者は、各電化機器5の稼働状況を遠隔地からリアルタイムで把握することができる。また、機器管理部428は、記憶部43(売上データベース434)から各電化機器5(又は各QRコード3)についての売上の情報を抽出し、その売上の情報をシステム1の管理者の端末に送信することができる。これにより、システム1の管理者は、各電化機器5の売上を遠隔地からリアルタイムで把握することができる。これにより、システム1の管理者、すなわち、サービス提供者における利便性が高まる。機器管理部428は、上記の稼働状況の情報又は売上の情報を管理者の端末に周期的に送信してもよいし、システム1の管理者からの要求に応じて送信してもよい。
【0051】
ユーザ端末6は、例えば、スマートフォン又はタブレットなどの一般的な情報通信デバイスである。ユーザ端末6、通信部61、CPU62、メモリ63、表示画面64及びカメラ65を備える。通信部61は、サーバ4(通信ネットワークN及び通信部41)と通信可能な一般的な通信手段である。CPU62及びメモリ63は、一般的なコンピュータを構成するプロセッサ及びメモリであり、メモリ63には必要なアプリケーションのプログラムが既にインストールされているものとし、CPU62はそのプログラムを実行可能であるものとする。表示画面64は、タッチパネルからなる入出力インターフェースである。
【0052】
図3に、本実施形態のシステム1におけるサーバ4の動作のフローチャートを示す。
ステップS1において、通信部41において、ユーザ端末6が撮像したQRコード3が受信される。
ステップS2において、利用決定部421が、QRコード3及びユーザ端末6の識別情報を基に、スイッチ装置2及び電化機器5並びにユーザ端末6(利用者)の照合、認証などを行う。
ステップS3において、利用決定部421が、ユーザ端末6に利用開始画面を表示させる。
【0053】
ステップS10において、利用決定部421は、利用開始画面上で決定された利用予定がドロップイン又は予約利用のいずれであるかを判定する。利用予定がドロップインを示す場合(ステップS10、Yes)、処理はドロップイン処理P1に進む。利用予定が予約利用を示す場合(ステップS10、No)、処理は予約利用処理P2に進む。
【0054】
ドロップイン処理P1は、ステップS11~S14を含む。
ステップS11において、利用決定部421が、利用開始画面へのユーザ入力に応じて電化機器5の利用予定(利用予定終了時刻など)を特定する。
ステップS12において、決済処理部422が、ステップS11で決定された利用予定時間に対する利用料金を決定する。ステップS12において、決済処理部422は、ダイナミック課金部423が設定したレートを採用して利用料金を決定してもよい。
ステップS13において、決済処理部422が、ユーザ端末6に利用料金の決済確定を要求する。
ステップS14において、決済処理部422は、ユーザ端末6における決済確定操作に応じて、決済処理を実行する。これに応じて、処理はステップS20に進む。
なお、上述したように、利用予定について利用者に選択の余地がない場合には、ステップS11及びS12は省略され得る。
【0055】
ステップS20において、スイッチ指令部425は、スイッチ装置2(スイッチ23)をオンするためのスイッチ制御指令をスイッチ装置2に送信する。これにより、電化機器5の利用が開始される。
【0056】
ステップS21において、スイッチ指令部425は、利用予定終了時刻が到来したか否か(すなわち、利用予定時間が経過したか否か)を判定する。利用予定終了時刻が到来していない場合(ステップS21、No)、処理はステップS22に進む。利用予定終了時刻が到来した場合(ステップS21、Yes)、処理はステップS30に進む。
【0057】
ステップS22において、返金処理部424は、ユーザ端末6から利用中止の指示が受信されたか否かを判定する。利用中止の指示が受信されない場合(ステップS22、No)、処理はステップS23に進む。利用中止の指示が受信された場合(ステップS22、Yes)、処理はステップS40に進む。
【0058】
ステップS23において、追加利用処理部427は、ユーザ端末6において延長利用が選択されたか否かを判定する。なお、本フローチャートでは、延長利用情報は適宜のタイミングで表示され、かつ延長利用が可能であるものとする。延長利用が選択されない場合(ステップS23、No)、処理はステップS21に戻る。延長利用が選択された場合(ステップS23、Yes)、処理はステップS24に進む。
ステップS24において、追加利用処理部427は延長利用決済画面をユーザ端末6に表示させ、処理は延長処理P3に進む。延長処理P3に含まれるステップは、ドロップイン処理P1のステップS11~S14と実質的に同様である。
【0059】
ステップS30において、スイッチ指令部425は、スイッチ装置2(スイッチ23)をオフするためのスイッチ制御指令をスイッチ装置2に送信する。これにより、電化機器5の利用が終了する。処理は、ステップS31に進む。なお、本フローチャートでは、リピート利用情報はステップS30と実質的に同時に表示され、かつリピート利用が可能であるものとする。
【0060】
ステップS31において、追加利用処理部427は、ユーザ端末6からリピート利用が選択されたか否かを判定する。リピート利用が選択された場合(ステップS31、Yes)、追加利用処理部427はリピート利用決済画面をユーザ端末6に表示させ、処理はステップS10に戻る。リピート利用が選択されない場合(ステップS31、No)、処理は終了する。
【0061】
ステップS40において、スイッチ指令部425は、スイッチ装置2(スイッチ23)をオフするためのスイッチ制御指令をスイッチ装置2に送信する。これにより、電化機器5の利用が終了する。
ステップS41において、返金処理部424は、利用予定終了時刻と利用停止時刻との差分に基づく返金処理を実行し、処理は終了する。
【0062】
予約利用処理P2は、ステップS51~54を含む。ステップS52~S54は、ドロップイン処理P1に含まれるステップS12~S14と実質的に同じである。
ステップS51において、利用決定部421が、利用予約画面へのユーザ入力に応じて電化機器5の利用予定(利用予定開始時刻、利用予定終了時刻など)を特定する。
ステップS52において、決済処理部422が、ステップS51で決定された利用予定時間に対する利用料金を決定する。ステップS52において、決済処理部422は、ダイナミック課金部423が設定したレートを採用して利用料金を決定してもよい。
ステップS53において、決済処理部422が、ユーザ端末6に利用料金の決済確定を要求する。
ステップS54において、決済処理部422は、ユーザ端末6における決済確定操作に応じて、決済処理を実行する。これに応じて、処理はステップS60に進む。
【0063】
ステップS60において、利用決定部421は、利用予定開始時刻が到来したか否かを判定する。利用予定開始時刻が到来すると(ステップS60、Yes)、処理はステップS61に進む。
【0064】
ステップS61において、利用決定部421は、ユーザ端末6が撮像した当該QRコード3が受信されたか否かを判定する。当該QRコード3が受信された場合(ステップS61、Yes)、処理はステップS20に進む。当該QRコード3が受信されない場合(ステップS61、No)、処理はステップS62に進む。
【0065】
ステップS62において、利用決定部421は、ステップS51で特定された利用予定終了時刻が到来したか否か(すなわち、利用予定時間が経過したか否か)を判定する。利用予定終了時刻が到来していない場合(ステップS62、No)、処理はステップS61に戻る。利用予定終了時刻が到来すると(ステップS62、Yes)、処理は終了する。なお、ステップS61及びS62は、省略されてもよい。この場合、ステップS60において、利用予定開始時刻が到来すると(ステップS60、Yes)、処理はステップS20に進む。
【0066】
以上のように、本実施形態のシステム1は、入力電源PSと電化機器5の間に配線接続されるスイッチ装置2、及びスイッチ装置2と通信接続されるサーバ4を備える。スイッチ装置2は、入力電源PSから給電を受ける電源入力部21と、電化機器5の入力配線に接続される電源出力部22と、電源入力部21と電源出力部22の間に接続されたスイッチ23と、サーバ4からスイッチ制御指令を無線受信する無線通信部25と、スイッチ制御指令に応じてスイッチ23をオン/オフするスイッチ制御部26とを備える。サーバ4は、電化機器5を特定する機器特定情報がユーザ端末6から送信されたことに応じて、電化機器5の利用予定を決定させる利用開始画面をユーザ端末6に表示させる利用決定部421と、利用開始画面において決定された利用予定時間に応じた利用料金をユーザ端末6に表示させるとともにユーザ端末6からの指示に応じて利用料金の決済を実行する決済処理部422と、決済の実行に応じて、利用予定時間中のみ電化機器5を使用可能とするスイッチ制御指令をスイッチ装置2に送信するスイッチ指令部425とを備える。
【0067】
上記構成のシステム1によると、ユーザ端末6が機器特定情報を送信して電化機器5の利用予定を決定し、サーバ4が利用予定時間に応じて電化機器5の利用料金の決済を実行し、スイッチ装置2が利用予定時間に応じて電化機器5と入力電源PSの間の接続を制御する。このように、スイッチ装置2、サーバ4及びユーザ端末6の間の通信を介して、利用時間及び利用料金に応じた電化機器5の利用が可能となる。したがって、電化機器5を不特定多数の利用者に利用させるサービスにおいて、サービス提供者における管理容易性が高くかつ利用者における利便性が高い電化機器課金システム1が実現される。また、上記効果を奏するスイッチ装置2も実現される。
【0068】
上記構成において、機器特定情報は、本実施形態では、スイッチ装置2又は電化機器5に対応付けられた撮像可能コード3であり、ユーザ端末6に撮像された撮像可能コード3がサーバ4に送信される。これにより、QRコードなどの撮像可能コード3を用いた簡易な構成によりシステム1が構成され、その導入容易性が高まる。
【0069】
上記構成において、サーバ4は、電化機器5の単位時間あたりの利用料金を変動させるダイナミック課金部423をさらに備える。これにより、柔軟な課金設定が可能となる。特に、ダイナミック課金部423は、電化機器5の単位時間あたりの利用料金を、電化機器5の時間利用率、電化機器5の利用予定時間、及びユーザ端末6に固有の電化機器5の利用頻度、電化機器5が使用される地域の属性、及び入力電源PSに係る電力の電気料金、の少なくとも1つに基づいて設定するように構成される。これにより、取引の実情に従った柔軟な課金設定が可能となる。
【0070】
また、上記構成において、サーバ4は、利用予定時間中にユーザ端末6から電化機器5の利用中止の指示を受信した場合に、利用予定の終了時刻と現実の利用停止時刻との差分に基づく返金処理をユーザ端末6に対して実行する返金処理部424をさらに備える。これにより、電化機器5の柔軟な利用予定の変更が可能となり、利用者における利便性がさらに高まる。
【0071】
また、上記構成において、利用決定部421は、利用開始画面において決定された利用予定が予約利用を示す場合に、電化機器5の予約利用の設定のための利用予約画面をユーザ端末6に表示させるように構成され、決済処理部422は、利用予約画面において決定された利用予定時間に応じた利用料金をユーザ端末6に表示させるとともにユーザ端末6からの指示に応じて利用料金の決済を実行するように構成される。これにより、電化機器5のドロップインだけでなく予約利用が可能となり、利用者における利便性がさらに高まる。
【0072】
また、上記構成において、サーバ4は、ユーザ端末6に、利用予定の終了時刻と現時刻との差分に基づく情報を表示させる経過通知部426をさらに備える。これにより、利用者は、自身の行動のペース配分などを適切に管理することができる。
【0073】
また、上記構成において、サーバ4は、ユーザ端末6に、利用予定の終了時刻前に電化機器5の延長利用可否に関する情報を表示させ、又は利用予定の終了時刻以後に電化機器5のリピート利用可否に関する情報を表示させる追加利用処理部427をさらに備える。これにより、電化機器5の稼働率が向上し得る。
【0074】
また、上記構成において、機器特定情報は、本実施形態では、スイッチ装置2に配置された撮像可能コード3であり、ユーザ端末6に撮像された撮像可能コード3がサーバ4に送信される。すなわち、撮像可能コード3は、スイッチ装置2に配置されることが好ましい。これにより、システム1の導入容易性又は導入後の管理容易性が確保される。
【0075】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、サーバ4から利用者への表示がユーザ端末6のみにおいて行われる構成を示したが、第2の実施形態では、サーバ4から利用者への表示の一部がスイッチ装置2においても行われる構成を示す。
【0076】
図4に本実施形態のシステム1のブロック図を示す。本実施形態では、スイッチ装置2が表示部27及び表示制御部28を備え、サーバ4の経過通知部426及び追加利用処理部427がユーザ端末6の表示画面64に加えて又はそれに代えて表示部27に情報の一部を表示させる点が、第1の実施形態と異なる。なお、情報の一部とは、残り時間情報、延長可否情報、リピート可否情報、QRコード3などである。また、本実施形態における残り時間情報、延長可否情報、リピート可否情報及びQRコード3の内容は、第1の実施形態におけるものと同様である。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0077】
スイッチ装置2の表示部27は、例えば、小型の(筐体20の1つの面内に収まる)液晶画面である。表示部27に付随してスピーカ(不図示)、LEDインジケータなどが設けられてもよい。表示制御部28はCPU、メモリ、入出力インターフェースなどを含み、表示部27の表示制御を行う。表示部27及び表示制御部28は、コンバータ24から給電されて動作する。
【0078】
表示制御部28は、無線通信部25を介して受信される残り時間情報、延長可否情報又はリピート可否情報を表示部27に表示させる。表示の内容は、第1の実施形態で示したようなユーザ端末6(表示画面64)に表示される内容と同様のものであると、情報視認の統一感の観点から好ましい。なお、表示制御部28は、QRコード3、時計表示、宣伝広告などの他の情報も表示部27に表示させてもよい。これらの他の情報は、サーバ4から受信されるものであってもよいし、表示制御部28のメモリ(不図示)に予め記憶されている情報又は機能によるものであってもよい。
【0079】
経過通知部426は、残り時間情報を、ユーザ端末6(表示画面64)に加えて、又はそれに代えて、スイッチ装置2の表示部27に表示させる。また、追加利用処理部427は、延長可否情報又はリピート可否情報を、ユーザ端末6(表示画面64)に加えてスイッチ装置2の表示部27にも表示させる。また、本実施形態では、利用決定部421が、QRコード3を表示部27に画像表示させてもよい。この場合、QRコード3をサーバ4側から設定及び変更することができ、柔軟なシステム設計が可能となる。
【0080】
以上のように、本実施形態のシステム1では、スイッチ装置2が、筐体20に配置された表示部27と、サーバ4からの指示に応じて表示部27の表示を制御する表示制御部28とを備える。これにより、特にスイッチ装置2が利用者から視認容易な位置に配置される場合に、その情報性が高まる。
【0081】
また、表示部27には、利用予定の終了時刻と現時刻との差分に基づく情報が表示される。これにより、利用者は、残り時間の高い視認性により、自身の行動のペース配分などを適切に管理できる。また、表示部27には、利用予定の終了時刻前に電化機器5の延長利用可否に関する情報が表示され、又は利用予定の終了時刻以後に電化機器5のリピート利用可否に関する情報が表示される。これにより、電化機器5の稼働率がさらに向上し得る。
【0082】
さらに、表示制御部28が、撮像可能コード3を表示部27に画像表示させるように構成され得る。これにより、撮像可能コード3をサーバ4側から設定及び変更することができ、柔軟なシステム設計が可能となる。
【0083】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0084】
(1)撮像可能コード3に関する変形
上記各実施形態では、電化機器5を特定する機器特定情報として撮像可能コード3を例示し、撮像可能コード3がユーザ端末6によって撮像及び送信される構成を示したが、機器特定情報及びその処理はこれに限定されない。例えば、機器特定情報は、ユーザ端末6の表示画面64に表示される情報(電化機器5の名前、ID、位置情報など)であってもよい。このような機器特定情報は、表示画面64上で地図表示又はリスト表示され得る。この場合、利用者が使用に係る電化機器5に対応する機器特定情報を表示画面64上で選択又は決定し、選択又は決定された機器特定情報がユーザ端末6からサーバ4に送信される。
【0085】
(2)スイッチ23のオン/オフと電化機器5の動作有効/無効の関係の反転
上記各実施形態では、スイッチ23がオンの場合に電化機器5が使用可能となる例を示したが、スイッチ23がオフの場合に電化機器5が使用可能となる実施形態も可能である。例えば、スイッチ装置2が電化機器5のロック装置として機能する場合、スイッチ23のオフを示すスイッチ制御指令がサーバ4からスイッチ装置2に送信されると、電化機器5のロックが解除され、電化機器5が利用可能となる。そして、スイッチ23のオンを示すスイッチ制御指令がサーバ4からスイッチ装置2に送信されると、電化機器5がロックされ、電化機器5の利用が停止される。したがって、電化機器5を使用可能とするスイッチ制御指令は、スイッチ23をオンするスイッチ指令の場合もあれば、スイッチ23をオフするためのスイッチ指令の場合もあり得る。
【0086】
(3)スイッチ装置2の制御電源に関する変形
上記各実施形態では、スイッチ装置2の無線通信部25及びスイッチ制御部26(第2の実施形態では、さらに表示部27及び表示制御部28)が、コンバータ24による変換電圧を制御電圧として動作する例を示したが、この制御電圧はバッテリから供給されてもよい。この場合、コンバータ24は不要であり、筐体20内において、電源入力部21の入力配線21bはスイッチ23の入力端子23aのみに接続される。この場合、バッテリは、1次電池であってもよいし、2次電池であってもよい。
【0087】
(4)プラグ21a及びコンセント22aの規格に関する変形
上記各実施形態では、既設の電化機器5に対してスイッチ装置2を適用する状況、すなわち、既設の電化機器5と入力電源PSとの間にスイッチ装置2をプラグ接続する状況を想定しているため、プラグ21a及びコンセント22aの規格が同一であるものとした。一方、電化機器5が輸入製品である場合など、電化機器5のプラグがプラグ21aと規格において異なる場合には、電化機器5のプラグ対応するコンセント22aが設けられる(ただし、電化機器5が入力電源PSの電圧に適合する必要はある)。
【符号の説明】
【0088】
1 電化機器課金システム
2 スイッチ装置
20 筐体
21 電源入力部
21a プラグ
21b 入力配線
22 電源出力部
22a コンセント
22b 出力配線
23 スイッチ
23a 入力端子
23b 出力端子
23c 可動接点
24 コンバータ
25 無線通信部
26 スイッチ制御部
27 表示部
28 表示制御部
3 撮像可能コード(QRコード)
4 サーバ
41 通信部
42 処理部
421 利用決定部
422 決済処理部
423 ダイナミック課金部
424 返金処理部
425 スイッチ指令部
426 経過通知部
427 追加利用処理部
428 機器管理部
43 データベース
431 照合データベース
432 予約データベース
433 稼働データベース
434 売上データベース
5 電化機器
6 ユーザ端末