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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090951
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】情報提示装置及び情報提示方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240627BHJP
   G01W 1/02 20060101ALI20240627BHJP
   G01W 1/10 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G01C21/26 Z
G01W1/02 C
G01W1/10 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207170
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】山下 華妃
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 沙也加
(72)【発明者】
【氏名】横山 博亮
(72)【発明者】
【氏名】下田 義弥
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB21
2F129BB22
2F129BB26
2F129EE22
2F129EE85
2F129EE87
2F129EE96
2F129FF02
2F129FF15
2F129FF59
2F129HH12
(57)【要約】
【課題】車両の周辺にいる人に有用な気象情報を提示することができる情報提示装置及び情報提示方法を提供する。
【解決手段】サーバ100は、車両200の現在位置を中心とする、車両200の車種に基づいて定まる走行可能範囲R1に接近する雨雲Cの進行方向の情報を取得する、気象情報取得部102と、雨雲Cの進行方向を、車両200の走行方向を基準に、立体的な矢印Dで表示するように表示装置300を制御する、表示制御部103と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を中心とする、前記車両の車種に基づいて定まる走行可能範囲に接近する雨雲の進行方向の情報を取得する、気象情報取得部と、
前記雨雲の進行方向を、前記車両の走行方向を基準に、立体的な矢印で表示するように表示装置を制御する、表示制御部と、
を備える、
情報提示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記立体的な矢印は、前記矢印の鏃の先端である前記矢印の終点が、前記雨雲が向かう先を表し、当該矢印の始点が前記雨雲の現在位置の方向を表し、
前記雨雲の雨量に応じて太さを変えた前記矢印を前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示装置に、
前記矢印の前記鏃以外の部分を破線で表示させるとともに、前記破線を構成する各点が前記雨雲の進行方向に沿って順次移動するように前記矢印を表示させ、
前記破線を構成する各点が移動する速度が前記雨雲の進行速度に応じて変わるように前記矢印を表示させる、
請求項2に記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記気象情報取得部は、
前記車両が予め決められた所定範囲を走行している場合に、前記所定範囲に接近する雨雲の進行方向の情報を取得し、
前記表示制御部は、
前記雨雲の進行方向を、前記車両の走行方向を基準に、前記立体的な矢印で表示するように前記表示装置を制御する、
請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項5】
情報提示装置が、
車両の現在位置を中心とする、前記車両の車種に基づいて定まる走行可能範囲に接近する雨雲の進行方向の情報を取得し、
前記雨雲の進行方向を、前記車両の走行方向を基準に、立体的な矢印で表示するように表示装置を制御する、
情報提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提示装置及び情報提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サーバ装置が複数の車両に広告を配信し、当該複数の車両が、それぞれ、外部に向けて設置された表示装置を用いて広告を掲出する広告配信システムが記載されている。また、特許文献1には、車両の走行状況に基づいて、出力される広告の情報量を決定する。また、特許文献1には、車両の走行状況とは、広告の視認性に影響を与える、車速や車両周辺の交通状況であることが記載されている。
また、特許文献2には、対向車に向けて光を照射し、反射光に基づいて、当該対向車に水滴が付着しているか否かに基づいて、自車両の進行方向の気象状況を推定する車載用気象状況推定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-067560号公報
【特許文献2】特開2011-128879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、車両の位置や車両の表示装置が情報を提示する場所に応じて表示内容を変えていない。そのため、車両の外で、当該車両の表示装置に表示される情報を視認する通行人にとって、当該情報が有用でない可能性があるという問題がある。また、特許文献2では、複雑に道路が入り組んでいる場所では、対向車がどの方向から来たのかは実際には分からないという問題がある。
【0005】
本発明は、車両の周辺にいる人に有用な気象情報を提示することができる情報提示装置及び情報提示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報提示装置は、車両の現在位置を中心とする、前記車両の車種に基づいて定まる走行可能範囲に接近する雨雲の進行方向の情報を取得する、気象情報取得部と、前記雨雲の進行方向を、前記車両の走行方向を基準に、立体的な矢印で表示するように表示装置を制御する、表示制御部と、を備える。
【0007】
本発明に係る情報提示方法は、情報提示装置が、車両の現在位置を中心とする、前記車両の車種に基づいて定まる走行可能範囲に接近する雨雲の進行方向の情報を取得し、前記雨雲の進行方向を、前記車両の走行方向を基準に、立体的な矢印で表示するように表示装置を制御するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の周辺にいる人に有用な気象情報を提示することができる情報提示装置及び情報提示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る情報提示システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係るサーバの構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る車両の構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態1に係る情報提示方法を説明する図である。
図5】実施の形態1に係る表示部の表示の一例を示す図である。
図6】実施の形態1に係る情報提示方法を説明する図である。
図7】実施の形態1に係る表示部の表示の一例を示す図である。
図8】実施の形態1に係る表示部の表示の他の一例を示す図である。
図9】実施の形態1に係る情報提示方法の一例を説明するフローチャートである。
図10】実施の形態2に係るサーバの構成の一例を示すブロック図である。
図11】実施の形態2に係る情報提示方法を説明する図である。
図12】実施の形態2に係る情報提示方法の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る情報提示システム10の構成の一例を示す。情報提示システム10は、図1に示すように、情報提示装置としてのサーバ100と、複数の車両200_1,200_2,・・・,200_N(Nは、正の整数)とを備える。また、サーバ100と複数の車両200_1,200_2,・・・,200_Nのそれぞれは、例えば、インターネットW等を介して通信可能となっている。また、車両200_1,200_2,・・・,200_Nには、それぞれ表示装置300_1,300_2,・・・,300_Nが搭載されている。各表示装置300_1,300_2,・・・,300_Nは、それぞれ車両200_1,200_2,・・・,200_Nの車外に向けて表示を行う。以下、車両200_1,200_2,・・・,200_Nを特に区別しない場合、単に、車両200と称する。同様に、表示装置300_1,300_2,・・・,300_Nを特に区別しない場合、単に、表示装置300と称する。
【0011】
本実施の形態1において、車両200は、例えば、自転車及び自動二輪車を含む二輪車、キックスケータ、並びに、超小型モビリティ等を含む。車両200は、動力の有無は問わない。以下、車両200が超小型モビリティである場合を例に挙げて説明する。
【0012】
また、情報提示システム10において、サーバ100は、各車両200の走行状況を管理する。例えば、車両200は、レンタル可能な超小型モビリティであり、サーバ100は、当該車両200のレンタル状況とともに走行状況を管理する。さらに、本実施の形態1に係る情報提示システム10では、サーバ100は、各車両200の位置情報に応じた気象情報等を各車両200に送信し、各車両200に搭載された表示装置300が当該気象情報等を表示する。これにより、情報提示システム10は、各車両200の周辺にいる人に有用な気象情報等を提示することができる。
【0013】
図2に、サーバ100の構成の一例を示す。サーバ100は、図2に示すように、走行情報取得部101、気象情報取得部102、表示制御部103、通信部104等を備える。
【0014】
走行情報取得部101は、各車両200の走行情報を取得する。ここで、走行情報とは、車両200の位置情報、走行速度の情報、走行方向の情報等を含む。また、位置情報は、車両200の現在位置の情報及び過去の位置の情報を含む。同様に、走行速度の情報は、車両200の現在の走行速度の情報及び過去の走行速度の情報を含む。同様に、走行方向の情報は、車両200の現在の走行方向の情報及び過去の走行方向の情報を含む。具体的には、各車両200から、逐次、現在位置の情報、現在の走行速度の情報、現在の走行方向の情報がサーバ100へ送信される。そして、走行情報取得部101が、サーバ100が受信した現在位置の情報、現在の走行速度の情報、現在の走行方向の情報を車両200毎に記憶部(不図示)に格納する。より具体的には、車両200から現在位置の情報として、車両200が受信したGPS信号情報がサーバ100に送信される。
【0015】
気象情報取得部102は、インターネットWを介して、他の気象予報サーバ等から、車両200の車種に基づいて定まる走行可能範囲の気象情報を取得する。ここで、車両200の車種とは、走行距離等によって分別される車両200の種類を意味する。例えば、車両200の車種としては、自転車及び自動二輪車を含む二輪車、キックスケータ、超小型モビリティ等が挙げられる。ここで、超小型モビリティとは、自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人から2人乗り程度の車両である。また、気象情報取得部102は、Wi-Fi(登録商標)等の近距離通信を介して、近距離通信先の他の装置が提供する気象情報を取得してもよい。より具体的には、気象情報取得部102は、車両200の走行可能範囲に接近する雨雲の進行方向の情報を取得する。ここで、走行可能範囲とは、車両200の現在位置を中心とする、車両200の車種に基づく走行距離に応じて決められる所定の広さの範囲である。例えば、超小型モビリティの場合、半径3~10kmの範囲である。なお、サーバ100の記憶部は、予め、車両200毎に、当該車両200の車種の情報を格納している。また、サーバ100の記憶部は、車両200毎に、車種の情報とともに走行距離を格納していてもよい。
【0016】
表示制御部103は、雨雲の進行方向を、車両200の走行方向を基準に、立体的な矢印で表示するように車両200に搭載された表示装置300を制御する。具体的には、表示制御部103は、どのような立体的な矢印を表示すべきかを示す矢印情報を各車両200毎に決定し、通信部104に当該矢印情報を各車両200に送信させる。より具体的には、サーバ100の記憶部(不図示)は、予め、車両200毎に、当該車両200のどこに表示部302(後述)が設けられているかの情報(以下、「表示部302の設置位置情報」と称する)を格納している。そして、表示制御部103は、雨雲の進行方向を示す立体的な矢印の方向を、車両200の走行方向と、表示部302の設置位置情報とに基づいて、決定する。立体的な矢印の詳細については、後述する。
【0017】
通信部104は、サーバ100と車両200との間の通信を行う。また、通信部104は、サーバ100とインターネットW等を介して通信可能な他の装置との間の通信を行ってもよい。また、通信部104は、Wi-Fi等の近距離通信を介して、サーバ100と近距離通信先の他の装置との通信を行ってもよい。
【0018】
図3に、車両200の構成の一例を示す。車両200は、図3に示すように、GPS受信部201、センサ部202、駆動制御部203、通信部204等を備える。また、車両200には、表示装置300が搭載されている。
【0019】
GPS受信部201は、GPS受信機を備え、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、通信部204に当該GPS信号をサーバ100へ送信させる。
【0020】
センサ部202は、車両200の走行情報を検出する各種センサである。センサ部202は、例えば、車両200が走行中か否かを示す情報を検出するセンサである。センサ部202は、例えば、車両200が停止又は減速を行う情報を検出するセンサである。センサ部202は、例えば、車両200の方向変更を示す情報を検出するセンサである。センサ部202は、車両200の各部の操作量を検出するセンサ、及び、車両200の挙動を検出する、加速度センサやジャイロセンサ等である。より詳しくは、センサ部202は、例えば、車輪の回転を検出するセンサ、車両200を駆動するモータの回転を検出するセンサ、速度センサ、ステアリングの動作量を検出するセンサ、方向指示器の操作の有無を検出するセンサ、制動操作の操作量を検出可能なセンサ、及び、加速度センサ、ジャイロセンサ等である。
センサ部202は、通信部204に、検出した走行情報をサーバ100へ送信させる。
【0021】
駆動制御部203は、センサ部202によって検出された走行情報に基づいて、車両200の駆動を制御する。
【0022】
通信部204は、車両200とサーバ100との間の通信を行う。また、通信部204は、車両200とインターネットW等を介して通信可能な他の装置との間の通信を行ってもよい。また、通信部204は、サーバ100から受信した矢印情報を表示装置300に入力する。また、通信部204は、Wi-Fi等の近距離通信を介して、車両200と近距離通信先の他の装置との通信を行ってもよい。
【0023】
表示装置300は、車両200に、車外に向けて表示が可能なように搭載されている。具体的には、表示装置300は、車両200の車体に取り付けられた表示部302を備える。より具体的には、表示部302は、車体の側面、前面の一部、後面の一部等に取り付けられる。本実施の形態1では、表示部302が車体の側面に取り付けられている場合を例に挙げて説明する。また、表示装置300は、図3に示すように、表示部302における表示を制御する表示制御部301を備える。なお、サーバ100の記憶部(不図示)は、予め、車両200毎に、当該車両200のどこに表示部302が設けられているかの情報を格納している。
【0024】
表示制御部301は、サーバ100から受信した矢印情報に基づいて、立体的な矢印を表示部302に表示させる。
【0025】
表示部302は、例えば、有機EL(OEL:organic electro-luminescence)、液晶ディスプレイ等であり、表示制御部301の制御に基づいて立体的な矢印等を表示する。
【0026】
なお、表示装置300は、表示部302の代わりに、車外の投影可能な面(例えば、路面)に投影を行う投影部を備えてもよい。この場合、表示制御部301は、当該投影部における投影を制御する。
【0027】
次に、図4図7を参照しながら、表示部302に表示される立体的な矢印について、説明する。図4図6において、車両200の現在位置を中心とする、当該車両200の車種に基づく走行距離に応じて決められる所定の広さの走行可能範囲を走行可能範囲R1とする。
【0028】
図4に示す例では、車両200の走行方向に実質的に平行且つ同じ向きで雨雲Cが走行可能範囲R1に接近している。この場合、気象情報取得部102は、雨雲Cの進行方向の情報として、車両200の走行方向に平行且つ同じ向きという情報を取得する。そして、表示制御部103は、例えば、通信部104に、図5に示す立体的な矢印Dを表示するための矢印情報を車両200に送信させる。ここで、立体的な矢印Dとは、立体的に視認されるように描かれた矢印を意味する。図5に示す立体的な矢印Dは、雨雲Cの進行方向として、車両200の走行方向と平行且つ同じ向きを示している。具体的には、図5に示す立体的な矢印Dは、矢印Dの鏃の先端である矢印Dの終点が、雨雲Cが向かう先を表し、当該矢印Dの始点が雨雲Cの現在位置の方向を表している。
なお、立体的な矢印Dの形状は、図5に示す形状に限定されるものではない。例えば、立体的な矢印Dは、立体的に視認されるように描かれた三角形(以下、「立体的な三角形」と称する)で表された矢印、立体的に視認されるように描かれた五角形(以下、「立体的な五角形」と称する)で表された矢印であってもよい。また、立体的な矢印Dは、複数の立体的な三角形が並んで表された矢印、複数の立体的な五角形が並んで表された矢印であってもよい。
【0029】
図6に示す例では、車両200の走行方向に交差する向き且つ車両200の左から右に向かう向きで雨雲Cが走行可能範囲R1に接近している。この場合、気象情報取得部102は、雨雲Cの進行方向の情報として、車両200の走行方向に交差する向き且つ車両200の左から右に向かう向きという情報を取得する。そして、表示制御部103は、例えば、通信部104に、図7に示す立体的な矢印Dを表示するための矢印情報を車両200に送信させる。図7に示す立体的な矢印Dは、雨雲Cの進行方向として、車両200の走行方向と交差する向き且つ車両200の左から右に向かう向きを示している。具体的には、図7に示す立体的な矢印Dは、矢印Dの鏃の先端である矢印Dの終点が、雨雲Cが向かう先を表し、当該矢印Dの始点が雨雲Cの現在位置の方向を表している。
【0030】
また、表示制御部103は、気象情報取得部102によって取得された雨雲Cの雨量に応じて太さを変えた矢印Dを表示装置300に表示させてもよい。具体的には、表示制御部103は、通信部104に、雨量Cの雨量が多いほど、矢印Dの太さが太くなるような矢印情報を車両200に送信させる。
【0031】
また、表示制御部103は、例えば、通信部104に、図8に示す立体的な矢印Dを表示するための矢印情報を車両200に送信させてもよい。図8に示す立体的な矢印Dは、雨雲Cの進行方向として、車両200の走行方向と平行且つ反対の向きを示している。また、矢印Dは、鏃以外の部分が破線で表示されるとともに、当該破線を構成する各点が雨雲Cの進行方向に沿って順次移動するように表示される。換言すれば、当該破線を構成する各点がアニメーション的な効果で流れるように動く。そして、矢印Dは、当該破線を構成する各点が流れる速度が雨雲Cの進行速度に応じて変わるように表示される。具体的には、雨雲Cの進行速度が速いほど、破線を構成する各点が流れる速度が速くなるように、矢印Dが表示される。
【0032】
なお、表示制御部103は、表示装置300に、鏃以外の部分を実線で表示した立体的な矢印Dが点滅するように表示させてもよい。この場合、点滅の間隔が雨雲Cの進行速度が速いほど、短くなるようにしてもよい。
また、表示制御部103は、表示装置300に、鏃以外の部分を実線で表示した複数の立体的な矢印Dが、雨雲Cの進行方向に沿って順に、点滅するように表示させてもよい。この場合、点滅の間隔が雨雲Cの進行速度が速いほど、短くなるようにしてもよい。
【0033】
また、表示制御部103は、雨雲Cが何分で走行可能範囲R1に到達するか等の情報を立体的な矢印Dとともに表示装置300に表示させてもよい。この場合、雨雲Cの到達時間を、雨雲Cの進行方向及び進行する速さと車両200の走行方向及び走行する速さとに基づいて決定してもよい。なお、雨雲Cの進行方向及び進行する速さは、サーバ100の気象情報取得部102が、定期的に取得している気象情報に含まれる雨雲の動きに基づいて算出することができる。
例えば、5分後に走行可能範囲R1にゲリラ雷雨の雨雲Cが到達する場合であって、雨雲Cの進行方向と車両200の走行方向が同じである場合を例に挙げる。この例において、雨雲Cの進行する速さと車両200の走行する速さが同じである場合、到達時間を5分とする。また、この例において、雨雲Cの進行する速さが車両200の走行する速さより遅い場合、その速さの差が大きいほど、到達時間を5分より長い時間、例えば、6分、7分、8分、・・・、とする。また、この例において、雨雲Cの進行する速さが車両200の走行する速さより速い場合、その速さの差が大きいほど、到達時間を5分より短い時間、例えば、4分、3分、2分、・・・、とする。
また、5分後に走行可能範囲R1にゲリラ雷雨の雨雲Cが到達する場合であって、雨雲Cの進行方向と車両200の走行方向が反対である場合、車両200の走行する速さが速いほど、到達時間を5分より短い時間、例えば、4分、3分、2分、・・・、とする。
【0034】
また、表示制御部103は、雨雲Cが走行可能範囲R1に接近している場合に、雨宿りの場所に関する情報、雨の日限定のセール情報等の他の情報を表示装置300に表示させてもよい。これらの情報は、文字やアイコン等により表示されてもよい。また、これらの情報は、気象情報取得部102により、インターネットW又はWi-Fi等の近距離通信を介して、取得されてもよい。
【0035】
また、表示制御部103は、さらに、気温(真夏日、猛暑日)や光化学スモッグ警報(大気汚染警報)等の情報を表示装置300に表示させてもよい。さらに、表示制御部103は、これらの情報と併せて、近隣のお店の広告とともに、当該お店での休息を促すメッセージを表示装置300に表示させてもよい。
【0036】
また、表示制御部103は、災害情報や災害時の避難情報を表示装置300に表示させてもよい。
【0037】
次に、図9を参照しながら、本実施の形態1に係る情報提示方法について説明する。
まず、走行情報取得部101が、各車両200の走行情報を取得する(ステップS101)。ここで、走行情報には、車両200の現在位置の情報、現在の走行速度の情報、現在の走行方向の情報を含む。
【0038】
次に、気象情報取得部102が、各車両200の走行可能範囲R1周辺の気象情報を取得する(ステップS102)。
【0039】
次に、気象情報取得部102は、雨雲Cが車両200の走行可能範囲R1に接近しているか否かを判断する(ステップS103)。
【0040】
ステップS103において、雨雲Cが車両200の走行可能範囲R1に接近していない場合(ステップS103;No)、ステップS101の処理に戻る。
【0041】
ステップS103において、雨雲Cが車両200の走行可能範囲R1に接近している場合(ステップS103;Yes)、気象情報取得部102は、走行可能範囲R1に接近する雨雲Cの進行方向の情報を取得する(ステップS104)。
【0042】
次に、表示制御部103が、どのような立体的な矢印を表示すべきかを示す矢印情報を各車両200毎に決定する(ステップS105)。
【0043】
次に、通信部104が、当該矢印情報を各車両200に送信する(ステップS106)。そして、当該矢印情報に従って、車両200の表示部302に、立体的な矢印Dが表示される。
【0044】
以上に説明した、実施の形態1に係る情報提示システム10及び情報提示方法によれば、車両200の現在位置に応じた気象情報が表示装置300によって車両200の周辺にいる人に提示される。そのため、車両200の周辺にいる人に、ピンポイントの気象情報が提示されることになる。よって、車両200の周辺にいる人に有用な気象情報を提示することができる。そして、複数の車両200に搭載された表示装置300が、それぞれの箇所において情報提示を行うため、情報提示の効果を向上することができる。
【0045】
また、表示装置300が、気象情報として、雨雲Cの進行方向を、車両200の走行方向を基準に、立体的な矢印Dで表示する。そのため、車両200の周辺にいる人が、雨雲Cの接近する方向を視覚的に瞬時に捉えることができる。
【0046】
また、表示装置300が、雨雲Cの雨量に応じて太さを変えた矢印Dを表示する。そのため、車両200の周辺にいる人が、雨雲Cの雨量を視覚的に瞬時に捉えることができる。
【0047】
また、表示装置300が、矢印Dの鏃以外の部分を破線で表示するとともに、当該破線を構成する各点が雨雲Cの進行方向に沿って、雨雲Cの進行速度に応じた速度で、順次移動するように矢印Dを表示する。そのため、車両200の周辺にいる人が、雨雲Cの進行速度を視覚的に瞬時に捉えることができる。
【0048】
また、表示装置が、雨雲Cが何分で走行可能範囲R1に到達するか等の情報を立体的な矢印Dとともに表示する。そのため、車両200の周辺にいる人が、雨雲Cの到達時間を知り、雨雲Cの接近に備えた行動をとりやすくなる。
【0049】
また、表示装置300が、雨宿りの場所に関する情報、雨の日限定のセール情報等の他の情報を表示する。そのため、車両200の周辺にいる人が、雨雲Cの接近に備えた行動をとりやすくなる。
【0050】
また、表示装置300は、さらに、気温(真夏日、猛暑日)や光化学スモッグ警報(大気汚染警報)等の情報、これらの情報と併せて、近隣のお店の広告とともに、当該お店での休息を促すメッセージを表示する。そのため、車両200の周辺にいる人が、気温や大気汚染に備えた行動をとりやすくなる。
【0051】
また、表示装置300は、災害情報や災害時の避難情報を表示する。そのため、車両200の周辺にいる人が、災害時に避難行動をとりやすくなる。
【0052】
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2に係る情報提示システムについて説明する。実施の形態2に係る情報提示システムは、図10に示すサーバ100Aの構成のみが、実施の形態1に係る情報提示システム10と異なる。そのため、実施の形態2の情報提示システムの構成のうち、実施の形態1の情報提示システム10と同様の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0053】
また、実施の形態2に係る情報提示システムにおいて、図11に示すように、車両200は、予め決められた所定範囲R2を走行する。ここで、所定範囲R2は、例えば、観光地等において予め決められた範囲であり、各車両200の走行可能な範囲より広い範囲であってもよいし、狭い範囲であってもよい。具体的には、所定範囲R2は、観光地が属する市役所や県庁等によって予め定められた範囲等である。実施の形態2に係る情報提示システムにおいて、サーバ100Aは、例えば、所定範囲R2を走行する複数の車両200_1,200_2,・・・,200_Nを管理する。
【0054】
図10に、サーバ100Aの構成の一例を示す。サーバ100Aは、図10に示すように、走行情報取得部101、気象情報取得部102A、表示制御部103、通信部104等を備える。すなわち、実施の形態2に係るサーバ100Aの気象情報取得部102Aが、実施の形態1に係るサーバ100の気象情報取得部102と異なる。サーバ100Aの気象情報取得部102A以外の構成は、サーバ100と同様であるため、その説明を省略する。
【0055】
気象情報取得部102Aは、実施の形態1と同様に、インターネットW又はWi-Fi等の近距離通信を介して気象情報を取得する。具体的には、気象情報取得部102Aは、車両200が予め決められた所定範囲R2を走行している場合に、当該所定範囲R2に接近する雨雲Cの進行方向の情報を取得する。
【0056】
図11に示す例では、車両200_1,200_2,200_3が所定範囲R2内を走行している。また、当該所定範囲R2に、雨雲Cが接近している。この場合、気象情報取得部102Aは、雨雲Cの進行方向の情報として、車両200_1の走行方向に平行且つ同じ向きという情報を取得する。また、気象情報取得部102Aは、雨雲Cの進行方向の情報として、車両200_2の走行方向と交差する向き且つ車両200の左から右に向かう向きという情報を取得する。また、気象情報取得部102Aは、雨雲Cの進行方向の情報として、車両200_3の走行方向に平行且つ反対の向きという情報を取得する。
【0057】
次に、図12を参照しながら、本実施の形態2に係る情報提示方法について説明する。図12に示すステップS201、ステップS205、ステップS206の処理は、図9に示すステップS101、ステップS105、ステップS106と同様であるため、その説明を省略する。
【0058】
気象情報取得部102Aが、各車両200の所定範囲R2周辺の気象情報を取得する(ステップS202)。
【0059】
次に、気象情報取得部102Aは、雨雲Cが車両200の所定範囲R2に接近しているか否かを判断する(ステップS203)。
【0060】
ステップS203において、雨雲Cが車両200の所定範囲R2に接近していない場合(ステップS203;No)、ステップS201の処理に戻る。
【0061】
ステップS203において、雨雲Cが車両200の所定範囲R2に接近している場合(ステップS203;Yes)、気象情報取得部102Aは、所定範囲R2に接近する雨雲Cの進行方向の情報を取得する(ステップS204)。
【0062】
以上に説明した、実施の形態2に係る情報提示システム10及び情報提示方法によれば、観光地等において予め決められた範囲である所定範囲R2の気象情報が表示装置300によって車両200の周辺にいる人に提示される。そのため、車両200の周辺にいる人に、観光地等において予め決められた範囲である所定範囲R2の気象情報が提示されることになる。よって、車両200の周辺にいる人に有用な気象情報を提示することができる。そして、複数の車両200に搭載された表示装置300が、所定範囲R2内のそれぞれの箇所において情報提示を行うため、情報提示の効果を向上することができる。
【0063】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、図9及び図12のフローチャートに記載の処理手順を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0064】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0065】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、サーバ100の気象情報取得部102の機能及び表示制御部103の機能が、各車両200に搭載された表示装置300に備えられてもよい。同様に、サーバ100Aの気象情報取得部102Aの機能、表示制御部103の機能が、各車両200に搭載された表示装置300に備えられてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 情報提示システム
100、100A サーバ(情報提示装置)
101 走行情報取得部
102、102A 気象情報取得部
103 表示制御部
200_1,200_2,・・・,200_N 車両
300_1,300_2,・・・,300_N 表示装置
301 表示制御部
302 表示部
C 雨雲
D 立体的な矢印
R1 走行可能範囲
R2 所定範囲
W インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12