IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車東日本株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091025
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】アウターミラー
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/34 20060101AFI20240627BHJP
   B60Q 1/46 20060101ALI20240627BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240627BHJP
   F21S 43/237 20180101ALI20240627BHJP
   F21S 43/243 20180101ALI20240627BHJP
   F21S 43/50 20180101ALI20240627BHJP
   F21S 43/247 20180101ALI20240627BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20240627BHJP
   B60R 1/06 20060101ALI20240627BHJP
   F21W 103/25 20180101ALN20240627BHJP
【FI】
B60Q1/34 B
B60Q1/46
F21S43/14
F21S43/237
F21S43/243
F21S43/50
F21S43/247
B60Q1/00 G
B60R1/06 D
F21W103:25
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207284
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【氏名又は名称】柿本 恭成
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】越智 一暁
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 和義
【テーマコード(参考)】
3D053
3K339
【Fターム(参考)】
3D053FF18
3D053GG06
3D053MM49
3K339AA22
3K339AA25
3K339AA26
3K339BA05
3K339BA09
3K339BA22
3K339BA30
3K339CA12
3K339CA30
3K339DA01
3K339EA03
3K339EA09
3K339GB13
3K339HA02
3K339HA04
3K339HA08
3K339HA30
3K339JA02
3K339JA23
3K339LA07
3K339MC77
3K339MC92
(57)【要約】
【課題】車内側に向けて十分な光量で点灯可能な表示器と車外側に光を出射するランプとを、簡素な構造で相互に光漏れを防止して一体に設けることが可能なアウターミラーを提供する。
【解決手段】アウターミラー10は、バイザボデー11と、バイザボデー11の一方の面を覆うカバー部12と、バイザボデー11の一方の面に固定した遮光性のハウジング15と、ハウジング15内に支持した第1発光部23からの光をカバー部12側から車外側に向けて出射するサイドターンシグナルランプ20と、ハウジング15内に支持した第2発光部33からの光をハウジング15の透光部32を通して透過または導光し、バイザボデー11に車内側に向けて設けた表示部31を点灯させるブラインドスポットモニタ30と、ハウジング15内に支持してサイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30との間を遮光する遮光手段40と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイザボデーと、
前記バイザボデーの一方の面を覆うカバー部と、
前記バイザボデーの前記一方の面に固定された遮光性のハウジングと、
前記ハウジング内に支持された第1発光部からの光を前記カバー部から車外側に向けて出射するランプと、
前記ハウジング内に支持された第2発光部からの光を、前記ハウジングの透光部を通して伝達し、前記バイザボデーに車内側に向けて設けられた表示部を点灯させるインジケータと、
前記ハウジング内に支持されて、前記ランプと前記インジケータとの間を遮光する遮光手段と、
を備えている、アウターミラー。
【請求項2】
前記第1発光部は、前記カバー部側と前記ハウジング側とを仕切るように配置された遮光性の第1基部と、該第1基部の前記カバー部側に固定された第1光源と、を備え、
前記第2発光部は、前記カバー部側と前記ハウジング側とを仕切るように配置された遮光性の第2基部と、該第2基部の前記ハウジング側に固定された第2光源と、を備え、
前記遮光手段は、前記第1基部及び前記第2基部と、前記第1基部及び前記第2基部と前記ハウジングとの間に設けられた遮光板と、を備える、請求項1に記載のアウターミラー。
【請求項3】
前記透光部は、前記ハウジングを貫通するとともに端部が前記表示部に配置された透明成形体からなる、請求項1に記載のアウターミラー。
【請求項4】
前記ランプがサイドターンシグナルランプであり、前記インジケータがブラインドスポットモニタである、請求項1に記載のアウターミラー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のアウターミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サイドターンシグナルランプ、足元ランプ、デイタイムランニングランプのような車外側に向けて光を出射するランプが複数格納されたアウターミラーが知られている。例えば特許文献1では、サイドターンシグナルランプとデイタイムランニングランプとが隔壁を設けてアウターミラーに格納されている。
また、ブラインドスポットモニタ、障害物警告表示用インジケータのような車内側に向けて光を点灯するインジケータを格納したアウターミラーや、車外側に向けて光を出射する各種ランプとインジケータとを格納したアウターミラーなども知られている。例えば特許文献2には、足元ランプ又はサイドターンシグナルランプと障害物警告表示用インジケータ又はブラインドスポットモニタとを、共通の透明成形体を用いて光を異なる方向に案内する構造にすることでアウターミラーに格納した車両用ミラー装置が記載されている。
なおブラインドスポットモニタとしては、アウターミラーの鏡面にハーフミラー処理等の加工を施して表示部を形成し、鏡面内に表示部を点灯させるものが多用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-164908号公報
【特許文献2】特開2015-27844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インジケータを格納したアウターミラーにおいて、鏡面にハーフミラー処理等で表示部を設ける構造では製作に手間を要する。また各種のランプと各種のインジケータとを、共通の透明成形体を用いて光を異なる方向に案内する構造では、インジケータの伝達経路で光が漏れ易く、インジケータの十分な光量を確保することが難しい。しかも透明成形体が共通するため、各種のランプと各種のインジケータとの間を十分に遮光することが困難である。そのため、車外側に向けて光を出射するランプと車内側に向けて光を点灯する表示部とを十分に遮光して格納したアウターミラーは実現されていない。
【0005】
そこで本発明は、車内側に向けて十分な光量で点灯可能な表示器と車外側に光を出射するランプとを、簡素な構造で相互に光漏れを防止して一体に設けることが可能なアウターミラーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明のアウターミラーは、バイザボデーと、バイザボデーの一方の面を覆うカバー部と、バイザボデーの一方の面に固定された遮光性のハウジングと、ハウジング内に支持された第1発光部からの光をカバー部側から車外側に向けて出射するランプと、上記ハウジング内に支持された第2発光部からの光をハウジングの透光部を通して伝達しバイザボデーに車内側に向けて設けられた表示部を点灯させるインジケータと、ハウジング内に支持されてランプとインジケータとの間を遮光する遮光手段と、を備えている。
【0007】
本発明のアウターミラーにおいて、好ましくは、前記第1発光部は、カバー部側とハウジング側とを仕切るように配置された遮光性の第1基部と、この第1基部のカバー部側に固定された第1光源と、を備え、前記第2発光部は、カバー部側とハウジング側とを仕切るように配置された遮光性の第2基部と、この第2基部のハウジング側に固定された第2光源と、を備え、遮光手段は、第1基部及び第2基部と、第1基部及び第2基部とハウジングとの間に設けられた遮光板と、を備える。
【0008】
本発明のアウターミラーにおいて、透光部は、ハウジングを貫通するとともに端部が表示部に配置された透明成形体からなるのが好ましい。またランプがサイドターンシグナルランプであり、インジケータがブラインドスポットモニタであるのが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ランプの第1発光部とインジケータの第2発光部と両者間の遮光手段とがバイザボデーに固定されたハウジング内に支持されているので、ランプとインジケータとを1つのハウジング内にまとめて配置でき、構成を簡素化できる。
そしてランプとインジケータとの間は、遮光性のハウジング内に支持された遮光手段により遮光されているので、ランプの第1発光部の光がインジケータ側に漏れたり、インジケータの第2発光部の光がランプ側に漏れたりすることを防止できる。よって、車外側に光を出射するランプと車内側に向けて光を点灯するインジケータとの間を簡素な構造で遮光することができる。
【0010】
また、インジケータの表示部がバイザボデーに設けられていて、第2発光部からの光をハウジングの透光部から伝達して表示部を点灯させるので、第2発光部から表示部までの伝達経路を短くシンプルに構成して、光の漏れや減衰を抑えて伝達することができ、表示部を十分な光量で点灯可能である。
従って、本発明によれば、車内側に向けて十分な光量で点灯可能な表示器と車外側に光を出射するランプとを、簡素な構造で相互に光漏れを防止して一体に設けることが可能なアウターミラーを提供することができる。
【0011】
本発明のアウターミラーにおいて、第1発光部は、カバー部側とハウジング側とを仕切るように配置された遮光性の第1基部と、この第1基部のカバー部側に固定された第1光源と、を備える。また、第2発光部は、カバー部側とハウジング側とを仕切るように配置された遮光性の第2基部と、第2基部のハウジング側に固定された第2光源と、を備えており、遮光手段が、第1基部及び第2基部と、第1基部及び第2基部とハウジングとの間に設けられた遮光板と、を備えている。このような構成にすると、車外側に光を出射するランプと車内側に向けて光を点灯するインジケータとの間の遮光手段として、第1及び第2光源を固定してカバー部側とハウジング側とを仕切るように配置された第1及び第2基部を利用することができる。しかも、第1光源及び第2光源が第1基部及び第2基部近傍の互いに反対方向に向けて固定されているので、第1光源からの光と第2光源からの光とを効率よく遮光することができる。
そのため、第1基部及び第2基部及びハウジングにより遮光できない部位に遮光板を設ければよく、車外側に光を出射するランプと車内側に向けて光を点灯するインジケータとの間を簡素な構造で効率よく遮光し得る。
【0012】
本発明のアウターミラーにおいて、透光部がハウジングを貫通するとともに端部が表示部に配置された透明成形体からなるようにすれば、インジケータにおいて第2発光部から表示部までの伝達経路を簡素化できるとともに、第2発光部の光を伝達し易くできる。そのため表示部をより明るく点灯することができる。
【0013】
本発明のアウターミラーにおいて、ランプをサイドターンシグナルランプとし、インジケータをブラインドスポットモニタとすれば、サイドターンシグナルランプが点灯した際に漏れた光によりブラインドスポットモニタが点灯したりブラインドスポットモニタが点灯した際に、漏れた光によりサイドターンシグナルランプが点灯したりすることがなく、運転者や周囲の車両及び人に対する影響を防止でき、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係るアウターミラーの運転席から見た斜視図である。
図2A】本発明の第1実施形態に係るアウターミラーの部分断面図であり、サイドターンシグナルランプを中心に示している。
図2B】本発明の第1実施形態に係るアウターミラーの部分断面図であり、ブラインドスポットモニタを中心に示している。
図2C図2BのA-A断面図である。
図3A】本発明の第2実施形態に係るアウターミラーの部分断面図である。
図3B図3AのB-B断面図である。
図4A】本発明の第3実施形態に係るアウターミラーの部分断面図である。
図4B図4AのC-C断面図である。
図5A】本発明の第4実施形態に係るアウターミラーの部分断面図である。
図5B図5AのD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。各図中、車両前方をF、車両後方をR、車両上方をU、下方をD、車幅方向外側をWout、車幅方向内側をWinで示している。本実施形態では、車外側に光を出射するランプがサイドターンシグナルランプ、車内側に向けて光を点灯するインジケータがブラインドスポットモニタである場合を例にとって説明する。
【0016】
[第1実施形態]
図1及び図2A図2Cは本発明の第1実施形態に係るアウターミラーを示す。
本実施形態のアウターミラー10は、バイザボデー11と、バイザボデー11の車外側に配置される一方の面を覆うカバー部12と、バイザボデー11の他方の面に装着されたミラー部材13と、バイザボデー11に装着されてカバー部12から車外側に向けて光を出射するサイドターンシグナルランプ20と、サイドターンシグナルランプ20とともにバイザボデー11に装着され、バイザボデー11に車内側に向けて設けられた表示部31を点灯するブラインドスポットモニタ30と、を備えている。ここで車外側とは、車両の走行時の配置状態で、車両前方F、車幅方向外側Wout及び車両後方Rの斜め外側となる方向であり、車内側とは車幅方向内側Win及び車両後方Rの斜め内側となる方向である。
【0017】
バイザボデー11は、車両のドアに突出して設けられているベース(図示省略)に装着されていて、一方の面及び他方の面はそれぞれ立体形状に形成されている。ミラー部材13の周囲には、ミラー面より車両後方Rに向けて突出してミラー部材13の周縁を囲むリム11aが設けられている。
カバー部12は、内部空間を形成するようにバイザボデーの一方の面側を覆うもので、外面が各種の意匠形状を呈する。本実施形態のカバー部12は、アッパーカバー12aとアンダーカバー12bとを有し、アッパーカバー12aとアンダーカバー12bとの間には、サイドターンシグナルランプ20のレンズ21が配置されている。
【0018】
カバー部12により覆われるバイザボデー11の一方の面には、サイドターンシグナルランプ20及びブラインドスポットモニタ30を構成するためのハウジング15が固定されている。ハウジング15は、カバー部12とバイザボデーとの間の内部空間に対応した形状を有し、遮光性の材料により形成されている。本実施形態のハウジング15の一部には、サイドターンシグナルランプ20のレンズに対応した開口が設けられ、レンズ21の周縁が接合されている。またハウジング15には、後述するように、ブラインドスポットモニタ30の光を伝達するための透光部32や伝達経路などが設けられている。
【0019】
上記サイドターンシグナルランプ20は、ハウジング15内に支持された第1発光部23と、第1発光部23からの光をカバー部12から車外側に向けて出射するためのレンズ21と、を有する。第1発光部23は、カバー部12側とハウジング15側との間を仕切るように配置された遮光性の第1基部としての共通基板24と、共通基板24のカバー部12側に固定されたLEDからなる第1光源25と、を有する。本実施形態の共通基板24は第1光源25を実装する基板であり、ハウジング15の外部から通電可能に配線されている。共通基板24はハウジング15に直接又はリブやステー等を介して固定されている。
【0020】
ブラインドスポットモニタ30は、ハウジング15内に支持された第2発光部33と、第2発光部33からの光を伝達するために、ハウジング15に貫通して設けられた透光部32と、透光部32を通して伝達された光により点灯するように、バイザボデー11のリム11aに、車内側に向けて設けられた表示部31と、を有する。表示部31はリム11aを貫通する開口により形成されている。第2発光部33は、カバー部12側とハウジング15側との間を仕切るように配置された遮光性の第2基部としての共通基板24と、共通基板24のハウジング15側に固定されたLEDからなる第2光源35と、を有する。共通基板24は第1発光部23と共通に用いられている。本実施形態の共通基板24は、第1光源25が実装された面とは反対側の面における第1光源25とは上下に異なる位置、例えば図2Cに示すように、第1光源25より下方Dの位置に第2光源35を実装しており、ハウジング15外部から通電可能に配線されている。
【0021】
透光部32は、第2発光部33からの光を伝達可能な透明材料により形成した透明成形体36からなり、ハウジング15を貫通して配置されている。透光部32は、内部で光を反射させつつ伝達する導光体であっても、内部で光を反射させずに伝達する透過体であってもよく、配置や形状に応じて適宜選択可能である。
本実施形態の透明成形体36は、一方の端部付近に設けられ第2光源35からの光を入射する入射部36aと、入射した光を透明成形体36内で他方の端部側へ反射させる反射部36bと、反射した光をバイザボデー11のリム11aに設けられた表示部31まで導光する導光路36cと、を有する導光体からなる。透明成形体36の他方の端部は開口からなる表示部31に配置され、導光された光により表示部31を点灯可能に構成されている。ハウジング15の外側には、ハウジング15とバイザボデー11との間に透明成形体36の導光路36cを配置するための間隙等が設けられている。
【0022】
ハウジング15内には、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30との間を遮光するための遮光手段40が、ハウジング15に直接又は間接に支持された状態で配置されている。遮光手段40は、ハウジング15内でサイドターンシグナルランプ20の第1光源25から発した光がブラインドスポットモニタ30側に漏洩しないように遮光し、且つブラインドスポットモニタ30の第2光源35から発した光がサイドターンシグナルランプ20側に漏洩しないように遮光するものである。
【0023】
本実施形態の遮光手段40では、第1光源25及び第2光源35を固定した遮光性の共通基板24が利用されており、さらに、この共通基板24とハウジング15との間に設けられた遮光板41bを有している。遮光板41bは、例えばハウジング15に一体的に密着して固定された遮光性の板であり、ハウジング15から共通基板24に近接乃至当接する位置まで突出するように配置されている。本実施形態では、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30との間が共通基板24及びハウジング15により遮光されるため、遮光板41bはこれらにより遮光できない部位を塞ぐように配置されている。
【0024】
具体的には、図2A乃至図2Cに示すように、共通基板24の後方R側の端縁がハウジング15に近接し、前方F側の端縁全体とハウジング15との間が遮光板41bにより覆われている。また共通基板24の下方D側の端縁がハウジング15に近接し、第2光源35より上方Uの中間位置とハウジング15との間が遮光板41bに密着して設けられた遮光板41cにより覆われている。これにより、第2光源35とこの第2光源35と透明成形体36の入射部36aとの間の空間が、ハウジング15と遮光板41b,41cとによって囲まれて遮光されている。
【0025】
特に限定されるものではないが、図2Cに示すように、ハウジング15の上下面等の側周囲に仕切壁を設け、ハウジング15内とバイザボデー11の内部空間との間が仕切られて遮光されている場合には、共通基板24、遮光板41b,41cを上下の仕切壁間に架設することで遮光してもよい。
【0026】
このような構成を有するアウターミラー10は、車両走行中、ウインカー操作によりサイドターンシグナルランプ20を点滅させると、第1光源25から発した光がレンズ21から車外側に出射される。その際、第1光源25からの光が漏れてブラインドスポットモニタ30の表示部31が点灯することはない。
【0027】
また車両走行中、ウインカー操作の際、或いはウインカーの操作に拘わらず、車幅方向外側Woutの後方から他の車両が接近していると、ハウジング15内で第2光源35から発した光が、透明成形体36の入射部36aから入射して反射部36bで反射され、ハウジング15外に配置された導光路36cで導光され、バイザボデー11のリム11aに設けられた表示部31が点灯する。その際、第2光源35からの光が漏れてサイドターンシグナルランプ20から光が出射することはない。
【0028】
以上のような本実施形態のアウターミラー10によれば、サイドターンシグナルランプ20の第1発光部23とブラインドスポットモニタ30の第2発光部33と両者間の遮光手段とがバイザボデー11に固定されたハウジング15内に支持されているので、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30とを1つのハウジング15内にまとめて配置でき、構成を簡素化することができる。また構成をコンパクト化し易いため、アウターミラー10の意匠の自由度を確保することも可能である。
【0029】
そして、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30との間が、遮光性のハウジング15内に支持された遮光手段40により遮光されることにより、サイドターンシグナルランプ20の第1発光部23の光がブラインドスポットモニタ30側に漏れたり、ブラインドスポットモニタ30の第2発光部33の光がサイドターンシグナルランプ20側に漏れたりすることを防止できる。これにより、車外側に光を出射するサイドターンシグナルランプ20と車内側に向けて光を点灯するブラインドスポットモニタ30との間が簡素な構造で遮光され得る。
【0030】
特に、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30は、運転中に全く独立に且つ頻繁に使用される機器であり、サイドターンシグナルランプ20が点灯した際にブラインドスポットモニタ30が点灯したり、ブラインドスポットモニタ30が点灯した際にサイドターンシグナルランプ20が点灯したりすると、運転者又は周囲の車両や人に対する影響が大きいが、本実施形態のアウターミラー10ではこのようなことを防止でき、運転者や周囲の車両及び人による誤認を防止して安全性を向上することが可能である。
【0031】
また、ブラインドスポットモニタ30の表示部31がバイザボデー11に設けられ、第2発光部33からの光をハウジング15の透光部32から伝達して表示部31を点灯させるので、第2発光部33から表示部31までの伝達経路が短くシンプルに構成でき、光の漏れや減衰を抑えて伝達させることができることから、表示部31を十分な光量で点灯可能である。従って、車内側に向けて十分な光量で点灯可能な表示器と車外側に光を出射するランプとを、簡素な構造で相互に光漏れを防止して一体に格納することができる。
【0032】
また本実施形態のアウターミラー10では、第1発光部23が、カバー部12側とハウジング15側とを仕切るように配置された遮光性の共通基板24と、共通基板24のカバー部12側に固定された第1光源25と、を備えるとともに、第2発光部33が、遮光性の共通基板24のハウジング15側に固定された第2光源35を備えていて、遮光手段40が、この共通基板24とハウジング15との間に設けられた遮光板41bと、を備えている。
【0033】
したがって、車外側に光を出射するサイドターンシグナルランプ20と車内側に向けて光を点灯するブラインドスポットモニタ30との間を、遮光手段として、第1光源25及び第2光源35を固定して、カバー部12側とハウジング15側とを仕切るように配置した共通基板24を利用することができる。しかも、第1及び第2光源25,35が共通基板24近傍の互いに反対方向に向けて固定されているので、第1光源25からの光と第2光源35からの光とを効率よく遮光することができる。これにより、共通基板24及びハウジング15により遮光できない部位に遮光板を設ければよく、車外側に光を出射するサイドターンシグナルランプ20と車内側に向けて光を点灯するブラインドスポットモニタ30との間を簡素な構造で効率よく遮光することができる。
【0034】
さらに本実施形態のアウターミラー10では、透光部32が、ハウジング15を貫通するとともに端部が表示部31に配置された透明成形体36からなるので、ブラインドスポットモニタ30において第2発光部33から表示部31までの伝達経路を簡素化することができるとともに、第2発光部33の光を容易に伝達することが可能である。そのため表示部31をより明るく点灯させることができる。
【0035】
[第2実施形態]
図3A及び図3Bは第2実施形態に係るアウターミラーを示す部分断面図である。この実施形態では、遮光性の共通基板24の一方の面と他方の面とに固定された第1光源25と第2光源35の固定位置が第1実施形態と異なり、車両上下方向UDの同じ高さ位置において、車両前後方向FRにおける異なる位置に、第1光源25と第2光源35とが固定されている。ここでは第1光源25を、バイザボデー11のリム11aに近い位置におけるレンズ21側に配置しており、第2光源35を、バイザボデー11のリム11aから遠い位置におけるハウジング15側に配置している。
【0036】
また第2実施形態では、第2光源35からの光の伝達経路及び透明成形体36が第1実施形態と相違する。第2実施形態では、第2光源35からの光をハウジング15内で伝達するために、ハウジング15の第2光源35近傍の位置に反射面38を設け、第2光源35からの光をバイザボデー11のリム11aの表示部31に向けて反射するように構成している。ハウジング15の透光部32は表示部31の近接位置に設けられていて、ハウジング15の透光部32を貫通するように透明成形体36が配置されている。透明成形体36の一端部はハウジング15内に配置され、他端部が表示部31に配置されて、第2光源35からの光を主に透過させて表示部31を点灯するように構成されている。
さらに、共通基板24の周囲には遮光手段41が設けられている。遮光手段41は、共通基板24の後方R側の端縁に設けられて、ハウジング15の端縁側及びバイザボデー11のリム11aの端縁側を遮光する遮光板41aと、共通基板24の上下方向UDの端縁とハウジング15の内面との間に設けられるとともに、レンズ21側に延長して遮光板41aと連続するように設けられた遮光板41cと、を備えている。この構成により、遮光板41aによって第1光源25からの光がブラインドスポットモニタ30の表示部31側に漏れることを効率よく防止でき、遮光板41cによってブラインドスポットモニタ30の光の伝達経路から光が漏れることを効率よく防止できる。
その他は第1実施形態と同様である。
【0037】
このような第2実施形態のアウターミラー10であっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。しかも第1光源25と第2光源35とを同じ高さ位置に配置できるため、サイドターンシグナルランプ20のレンズ21の位置とブラインドスポットモニタ30の表示部31とを同じ高さ位置に設けることができる。
【0038】
[第3実施形態]
図4A及び図4Bは第3実施形態に係るアウターミラーを示す部分断面図である。この実施形態では、第1発光部23及び第2発光部33の構成が第1実施形態とは相違する。即ち、第3実施形態では、サイドターンシグナルランプ20の第1発光部23は、カバー部12側とハウジング15側との間を仕切るように配置された遮光性の第1基部としての第1基板27と、第1基板27のカバー部12側に実装して固定されたLEDからなる第1光源25と、を備えている。第1基板27は、ハウジング15外部から配線されて、ハウジング15に直接又はリブやステー等を介して固定されている。第1基板27はバイザボデー11のリム11aから近い位置に配置されている。
【0039】
ブラインドスポットモニタ30の第2発光部33は、カバー部12側とハウジング15側との間を仕切るように配置された遮光性の第2基部としての第2基板37と、第2基板37のハウジング15側に実装して固定されたLEDからなる第2光源35と、を備えている。第2基板37も、ハウジング15外部から配線されて、ハウジング15に直接又はリブやステー等を介して固定されている。また第2基板37は第1基板27とは異なる交差方向に向けて配置されている。第2基板37はバイザボデー11のリム11aから遠い位置に配置されていて、第2光源35はリム11aと対向する向きで固定されている。
【0040】
さらに第3実施形態の透光部32は、一方の端部に設けられて第2光源35からの光が入射する入射部36aと、入射した光をバイザボデー11のリム11aに設けられた表示部31まで導光する導光路36cと、を有する。透明成形体36の他方の端部は開口からなる表示部31に配置されている。透明成形体36はハウジング15を貫通するように設けられていて、なるべくハウジング15により遮光できるように配置されている。ここでは入射部36aがハウジング15内に配置されて、導光路31cはハウジング15の外に配置されている。
【0041】
また遮光手段40は、第1光源25及び第2光源35を実装した遮光性の第1基板27及び第2基板37と、この第1基板27及び第2基板37とハウジング15との間に設けられた遮光板41b、41cと、を備えている。第1基板27と第2基板37とが別々に設けられて互いに異なる向きで配置されているため、遮光板41b、41cはこれらに対応した向きに配置される。この場合でも、第1基板27、第2基板37及びハウジング15により遮光されるため、遮光板41b、41cはこれらにより遮光できない部位に配置されていればよい。
その他は第1実施形態と同様である。
【0042】
このような第3実施形態のアウターミラーであっても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。しかも第1基板27と第2基板37とを別々に設けることで、配置の自由度が向上でき、サイドターンシグナルランプ20及びブラインドスポットモニタ30を備えたアウターミラーのコンパクト化が図れ、また意匠の自由度が向上する。
【0043】
[第4実施形態]
図5A及び図5Bは第4実施形態に係るアウターミラーを示す部分断面図である。第4実施形態では、第1発光部23及び第2発光部33の構成が第1実施形態と相違する。即ち、第4実施形態では、サイドターンシグナルランプ20の第1発光部23の第1基部とブラインドスポットモニタ30の第2発光部33の第2基部とが屈曲成形された遮光性を有するバスバー28からなる。
【0044】
第1光源25及び第2光源35は、屈曲したバスバー28の異なる位置に異なる向きで通電可能に固定されている。第4実施形態では、第1光源25がバイザボデー11のリム11aから遠い位置にレンズ21側に配置され、第2光源35がバイザボデー11のリム11aから近い位置にハウジング15のリム11aの表示部31と対向するように配置されている。
遮光手段40はバスバー28及び遮光板41cにより構成されているが、屈曲したバスバー28により遮光可能なため、第1光源25及び第2光源35が配置されているバスバー28の上下方向UDの両側縁と、バスバー28の第2光源35側の端部に設けられている。透光部32は第2実施形態の透明成形体36と同様に、一端部がハウジング15内に配置され、他端部が表示部31に配置されて、第2光源35からの光を主に透過させて表示部31を点灯するように構成されている。
【0045】
このような第4実施形態のアウターミラーであっても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。しかも屈曲した第1発光部23の第1基板27及び第2発光部33の第2基板37が、屈曲したバスバーにより共通に構成されているので、共通基板24と同様に部品点数を少なく抑えることができるとともに、屈曲部位を利用して遮光することも可能である。
【0046】
なお上記実施形態は、本発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば上記では、車外側に光を出射するランプとして、サイドターンシグナルランプ20の例について説明したが、特に限定されるものではなく、例えば足元ランプ、デイタイムランニングランプなどであってもよい。また上記実施形態では、車内側に向けて光を点灯するインジケータとして、ブラインドスポットモニタ30の例について説明したが、特に限定されるものではなく、例えば障害物警告表示用インジケータなどであってもよい。
【0047】
また上記各実施形態では、透光部32が光を伝達可能な透明材料からなる透明成形体の例を説明したが、透光部32がハウジング15に貫通して設けた貫通孔であってもよい。さらに上記各実施形態では、ブラインドスポットモニタ30の表示部31が透明成形体36の端部をそのまま露出させて点灯させるように構成したが、透明成形体36からの光を透過させて各種の形状で点灯させるように表示部31を構成することも可能である。
また上記第1乃至第3実施形態では、第1光源25をバイザボデー11のリム11aの表示部31に近い側に配置するとともに、第2光源35を遠い側に配置した例について説明したが、特に限定されるものではなく、第1光源25を表示部31に遠い側に配置し、第2光源35を近い側に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 アウターミラー
11 バイザボデー
11a リム
12 カバー部
12a アッパーカバー
12b アンダーカバー
13 ミラー部材
15 ハウジング
20 サイドターンシグナルランプ
21 レンズ
23 第1発光部
24 共通基板
25 第1光源
27 第1基板
30 ブラインドスポットモニタ
31 表示部
32 透光部
33 第2発光部
35 第2光源
36 透明成形体
36a 入射部
36b 反射部
36c 導光路
37 第2基板
38 反射面
40 遮光手段
41a,41b,41c 遮光板

図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B