(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091053
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】動画撮影装置、および動画撮影システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240627BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207336
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】板橋 綾香
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 裕美
(72)【発明者】
【氏名】関根 里奈
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】選考用の動画において、応募者の自由なPRを可能とする動画撮影装置等を提供する。
【解決手段】動画撮影装置2は、応募者の選考に用いる動画を撮影するものである。動画撮影装置2は、応募者の課金に応じて、応募者の動画を撮影する撮影手段240と、応募者の動画の撮影時に、応募者が作成した、動画撮影に用いる原稿を表示する表示手段230と、原稿に対応する原稿IDを応募者端末5から取得する取得手段210と、原稿を記憶した管理装置3から、原稿IDに対応する原稿を受信する受信手段220と、を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
応募者の選考に用いる動画を撮影する動画撮影装置であって、
応募者の課金に応じて、応募者の動画を撮影する撮影手段と、
応募者の動画の撮影時に、応募者が作成した、動画撮影に用いる原稿を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする動画撮影装置。
【請求項2】
前記原稿に対応する原稿IDを応募者端末から取得する取得手段と、
前記原稿を記憶した管理装置から、前記原稿IDに対応する前記原稿を受信する受信手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の動画撮影装置。
【請求項3】
前記動画を管理装置に送信する送信手段と、
前記管理装置から前記動画をダウンロードするためのアドレスを受信し、前記アドレスを出力する出力手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の動画撮影装置。
【請求項4】
前記動画の応募先である募集者のアドレスに対応する募集者IDを応募者端末から取得する取得手段と、
前記動画と前記募集者IDを管理装置に送信する送信手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の動画撮影装置。
【請求項5】
前記表示手段は、応募者の音声認識結果に応じて前記原稿をスクロールして表示することを特徴とする請求項1記載の動画撮影装置。
【請求項6】
前記動画の編集を受け付ける編集手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の動画撮影装置。
【請求項7】
前記動画の分析を行い、分析結果を表示する分析手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の動画撮影装置。
【請求項8】
証明写真機であることを特徴とする請求項1記載の動画撮影装置。
【請求項9】
応募者の選考に用いる動画を撮影する動画撮影装置と、応募者が作成した、動画撮影に用いる原稿を記憶した応募者端末と、を有する動画撮影システムであって、
前記動画撮影装置は、
応募者の課金に応じて、応募者の動画を撮影する撮影手段と、
応募者の動画の撮影時に、前記原稿を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする動画撮影システム。
【請求項10】
前記応募者端末は、
動画撮影に用いる前記原稿の選択、および前記動画の長さの選択を受け付ける選択手段と、
選択された前記原稿の文字数を、選択された前記動画の長さに応じた文字数と比較し、比較結果を表示する比較手段と、
を有することを特徴とする請求項9記載の動画撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求人等の応募者が選考用の動画を作成するための動画撮影装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、求人に応募する応募者は、履歴書やエントリーシートに写真を貼って応募先に送付し、対面での面接を行っている。一方、近年では、オンライン面接や応募者の動画を用いた動画選考も徐々に普及している。
【0003】
動画選考は、例えば応募者が、自己のPRや志望動機、学生時代に力を入れたこと等、事前に決められた課題について発表した動画を撮影し、これを応募先に提出するものである。特許文献1には、証明写真機において、選考用の動画を撮影するシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、証明写真機が、証明写真機内の表示部に所定の設問を表示したり、当該設問を音声で出力したりする。証明写真機では応募者が設問に回答する際の動画を撮影し、これを選考に用いる。
【0006】
しかしながら、応募者は、より自由に自己をPRしたいという希望があり、募集者にとっても、自由に表現された応募者の個性を選考時の材料としたいニーズがある。この点、特許文献1では、予め定めた設問に対して回答を行うため、選考用の動画において、応募者の自由なPRが難しいという課題があった。
【0007】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、選考用の動画において、応募者の自由なPRを可能とする動画撮影装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するための第1の発明は、応募者の選考に用いる動画を撮影する動画撮影装置であって、応募者の課金に応じて、応募者の動画を撮影する撮影手段と、応募者の動画の撮影時に、応募者が作成した、動画撮影に用いる原稿を表示する表示手段と、を有することを特徴とする動画撮影装置である。
【0009】
本発明の動画撮影装置は応募者が作成した原稿を表示でき、その原稿を台本として、応募者は動画中で自由にPRを行うことが可能になる。また募集者にとっても、動画中で発揮された応募者の個性を選考の材料とすることが可能になる。
【0010】
第1の発明の動画撮影装置は、前記原稿に対応する原稿IDを応募者端末から取得する取得手段と、前記原稿を記憶した管理装置から、前記原稿IDに対応する前記原稿を受信する受信手段と、をさらに有することも望ましい。
このように、応募者の作成した原稿は予め原稿IDと対応付けて管理装置に登録しておき、動画撮影装置では、原稿IDを応募者端末から取得して管理装置から原稿を受信することができる。
【0011】
第1の発明の動画撮影装置は、前記動画を管理装置に送信する送信手段と、前記管理装置から前記動画をダウンロードするためのアドレスを受信し、前記アドレスを出力する出力手段と、をさらに有することも望ましい。
また、第1の発明の動画撮影装置は、前記動画の応募先である募集者のアドレスに対応する募集者IDを応募者端末から取得する取得手段と、前記動画と前記募集者IDを管理装置に送信する送信手段と、をさらに有することも望ましい。
前者の場合、応募者の動画を管理装置からダウンロードできる。後者の場合、応募者の動画を管理装置から募集者に送信することが可能になる。
【0012】
前記表示手段は、応募者の音声認識結果に応じて前記原稿をスクロールして表示することが望ましい。
これにより、動画の撮影をスムーズに行うことができる。
【0013】
第1の発明の動画撮影装置は、前記動画の編集を受け付ける編集手段をさらに有することが望ましい。
これにより、応募者は、動画においてより効果的なPRが可能になる。
【0014】
また、第1の発明の動画撮影装置は、前記動画の分析を行い、分析結果を表示する分析手段をさらに有することも望ましい。
これにより、応募者は、分析結果から自己の動画の可否を判断することができる。
【0015】
前記動画撮影装置は証明写真機であることが望ましい。
本発明では、街頭等に設置された証明写真機を動画撮影に用いることで、応募者の負担を軽減できる。
【0016】
第2の発明は、応募者の選考に用いる動画を撮影する動画撮影装置と、応募者が作成した、動画撮影に用いる原稿を記憶した応募者端末と、を有する動画撮影システムであって、前記動画撮影装置は、応募者の課金に応じて、応募者の動画を撮影する撮影手段と、応募者の動画の撮影時に、前記原稿を表示する表示手段と、を有することを特徴とする動画撮影システムである。
第2の発明は、第1の発明の動画撮影装置と応募者端末を含む動画撮影システムである。
【0017】
前記応募者端末は、動画撮影に用いる前記原稿の選択、および前記動画の長さの選択を受け付ける選択手段と、選択された前記原稿の文字数を、選択された前記動画の長さに応じた文字数と比較し、比較結果を表示する比較手段と、を有することが望ましい。
これにより、応募者は、動画撮影用の原稿が、動画の長さの観点から適当か否かを判断することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、選考用の動画において、応募者の自由なPRを可能とする動画撮影装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】動画撮影装置2の外観およびテーブル29を示す図。
【
図7】動画撮影システム1のシステム構成を示す図。
【
図14】動画撮影システム1のシステム構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0021】
(1.動画撮影システム1)
図1は本発明の実施形態に係る動画撮影装置2を含む動画撮影システム1を示す図である。
図1に示すように、動画撮影システム1は、動画撮影装置2、管理装置3、サーバ4、応募者端末5等を有する。この動画撮影システム1は、求人募集者(以下、単に募集者という)が求人応募者(以下、単に応募者という)の選考に用いる動画を、動画撮影装置2によって撮影するものである。
【0022】
動画撮影装置2は、応募者の動画を撮影するものであり、本実施形態では街頭に設置された証明写真機が用いられる。動画撮影装置2はユーザを撮影してその静止画を証明写真としてプリントする(証明写真サービス)とともに、応募者の動画の撮影にも利用される(動画撮影サービス)。
【0023】
図2(a)は動画撮影装置2の外観を示す図であり、
図2(b)は動画撮影装置2内のテーブル29を示す図である。
図3は動画撮影装置2の構成を示す図である。
【0024】
動画撮影装置2はボックス状の外観を有し、制御装置20、表示部21、課金部22、撮影部23、照明24、モニター25、音声入出力部26、読取部27、カーテン28、テーブル29等を有する。動画撮影装置2では動画撮影時に音声の収録も行うことから、防音性の高いものとすべく、ボックスやカーテン28に防音材料を用いることも望ましい。
【0025】
制御装置20は動画撮影装置2の内部に設けられ、動画撮影装置2の処理全体を制御する。
【0026】
図4は制御装置20の構成を示す図である。
図4に示すように、制御装置20は、例えば制御部201、記憶部202、通信部203等をバス等により接続して構成したコンピュータにより実現できる。但しこれに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0027】
制御部201はCPU、ROM、RAMなどから構成される。CPUは、記憶部202、ROMなどの記憶媒体に格納された制御装置20の処理に係るプログラムをRAM上のワークエリアに呼び出して実行し、動画撮影装置2の各部を制御して後述する処理を実現する。ROMは不揮発性メモリであり、ブートプログラムやBIOSなどのプログラム、データなどを恒久的に保持している。RAMは揮発性メモリであり、記憶部202、ROMなどからロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部201が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0028】
記憶部202はハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等であり、後述する処理に際し制御装置20が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーションシステム)等が格納される。これらのプログラムやデータは、制御部201により必要に応じて読み出され実行される。
【0029】
通信部203はネットワーク等を介した通信を媒介する通信インタフェースであり、管理装置3等との間で通信を行う。
【0030】
図2、3の説明に戻る。表示部21は、動画撮影装置2の入力部を兼ねたタッチパネル付ディスプレイ等により実現される。表示部21は、ユーザの操作、選択に係る各種の画面を表示し、画面上のタッチパネル操作によるユーザの指示入力等を受付ける。
【0031】
課金部22は、硬貨や紙幣の投入口、つり銭返却口、レシート取出口、レシートプリンタ等(不図示)を備え、ユーザからの課金やレシートの発行を管理する。
【0032】
撮影部23は、ハーフミラーによる撮影窓の背後にカメラ等を設けたものである。カメラには例えば高解像度のデジタルカメラが用いられるが、これに限ることはない。
【0033】
照明24は、動画撮影装置2のボックス内の全体を照らす照明である。照明24は例えば白色の光を照射する面光源であり、撮影部23の上部に設けられるが、これに限ることはない。
【0034】
モニター25は、上記撮影窓のハーフミラーの背後に設けられ、応募者が作成した動画撮影用の原稿を表示する。
【0035】
音声入出力部26は、音声入力を行うためのマイクや音声出力を行うためのスピーカーを備える。マイクについては、動画の品質向上の観点から、ノイズキャンセリング機能や単一指向性を有する防音マイクを用いることも望ましい。
【0036】
読取部27は、読取用のイメージスキャナ等を有する。
カーテン28は、動画撮影装置2のボックス内を外部から遮るものである。
【0037】
テーブル29は、動画撮影用の小道具等を載置しておくための台である。テーブル29は折り畳み式のものとしておき、
図2(b)の破線で示すように常時はボックス内壁に沿って配置し、動画撮影時に
図2(b)の矢印Aに示すように展開し、小道具等を載置できるようにしておく。これにより、テーブル29が証明写真機の通常利用の妨げとならない。
【0038】
管理装置3は、動画撮影システム1の管理者が用いる端末であり、動画撮影装置2、サーバ4、応募者端末5等とネットワークを介して通信可能に接続される。
【0039】
図5は管理装置3の構成を示す図である。
図5に示すように、管理装置3は、例えば制御部31、記憶部32、通信部33等をバス等により接続して構成したコンピュータにより実現できる。但し、これに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。制御部31、記憶部32、通信部33の機能は上述した制御部201、記憶部202、通信部203と略同様である。記憶部32には後述する処理を管理装置3に実行させるためのプログラムが格納される。
【0040】
サーバ4は、募集者が用いる端末であり、管理装置3や応募者端末5とネットワークを介して通信可能に接続される。サーバ4は、
図5と同様のハードウェア構成を有するコンピュータによって実現できる。
【0041】
応募者端末5は、応募者が用いるコンピュータ端末であり、例えばスマートフォン、タブレット端末などの携帯端末を用いることが可能である。
【0042】
図6は応募者端末5の構成を示す図である。
図6に示すように、応募者端末5は制御部51、記憶部52、表示部53、入力部54、通信部55、カメラ56、音声入出力部57等をバス等により接続して構成される。但し、応募者端末5はこれに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0043】
制御部51、記憶部52、通信部55の機能は前記した制御部201、記憶部202、通信部203と略同様である。記憶部52には、応募者が作成した動画撮影用の原稿のテキストデータが1または複数記憶されている。
【0044】
表示部53は液晶パネル等のディスプレイ装置を有し、入力部54としてのタッチパネルが設けられている。カメラ56はCCD(Charged Coupled Device)等の撮像素子を有するエリアカメラであり、音声入出力部57はマイクやスピーカー等を有する。
【0045】
(2.動画撮影システム1のシステム構成)
図7は、動画撮影システム1のシステム構成を示す図である。
図7に示すように、動画撮影システム1において、動画撮影装置2は取得手段210、受信手段220、表示手段230、撮影手段240、編集手段250、送信手段260、および出力手段270等を有する。
【0046】
取得手段210は、前記の制御装置20が、原稿IDを応募者端末5から取得するものである。原稿IDは、個々の原稿に対応する識別情報であり、管理装置3によって発行される。
【0047】
受信手段220は、前記の制御装置20が、通信部203を介して管理装置3から原稿を受信するものである。当該原稿は、上記の原稿IDと対応付けて管理装置3の記憶部32に記憶されている。
【0048】
表示手段230は、前記の制御装置20が、応募者の動画の撮影時に、上記原稿をモニター25に表示するものである。
【0049】
撮影手段240は、前記の制御装置20が、応募者による課金に応じて、応募者の動画を撮影部23によって撮影するものである。
【0050】
編集手段250は、前記の制御装置20が、応募者による動画の編集を受け付けるものである。
【0051】
送信手段260は、前記の制御装置20が、上記動画を通信部203を介して管理装置3に送信するものである。
【0052】
出力手段270は、前記の制御装置20が、通信部203を介して管理装置3から上記動画のダウンロード用のアドレスを受信し、当該アドレスを表示あるいは印刷することによって出力するものである。
【0053】
一方、動画撮影システム1において、応募者端末5は、選択手段510、比較手段520、送信手段530、受信手段540等を有する。
【0054】
選択手段510は、応募者端末5の制御部51が、動画撮影に用いる原稿の選択、および、動画の長さの選択を受け付けるものである。
【0055】
比較手段520は、応募者端末5の制御部51が、選択された原稿の文字数を、選択された動画の長さに応じた文字数と比較し、比較結果を表示部53に表示するものである。
【0056】
送信手段530は、応募者端末5の制御部51が、選択された原稿を通信部55を介して管理装置3に送信するものである。
【0057】
受信手段540は、応募者端末5の制御部51が、前記の原稿IDを通信部55を介して管理装置3から受信するものである。
【0058】
(3.動画撮影システム1の処理)
次に、動画撮影システム1が行う処理について説明する。本実施形態の動画撮影システム1では、応募者が動画撮影用の原稿を登録した後、動画撮影装置2で動画を撮影するので、以下ではそれぞれの手順について説明する。
【0059】
(3-1.原稿の登録)
図8は原稿登録時の手順を示すフローチャートであり、
図8のS101~S105、S110の処理は応募者端末5の制御部51が応募者端末5の各部を制御して実行する。その他の処理は、管理装置3の制御部31が管理装置3の各部を制御して実行する。
【0060】
本実施形態では、応募者が事前に動画撮影用の原稿を作成し、当該原稿を応募者端末5の記憶部52に記憶させる。そして、応募者は応募者端末5を操作して専用のアプリケーションを立ち上げ、メニュー画面(不図示)を表示部53に表示させ、当該メニュー画面において、動画撮影の旨を選択する。
【0061】
すると、応募者端末5は、
図9(a)に例示するように、動画の長さを選択するための選択画面を表示部53に表示させる。選択画面では、動画の長さを分数(図の例では30秒、1分、3分、5分、10分)によって選択するための選択ボタン101が表示され、応募者はいずれかの選択ボタン101を選択する。
【0062】
応募者端末5は、動画の長さ(分数)の選択を受け付けると(S101)、
図9(b)に例示するように、動画撮影用の原稿をアップロードするためのアップロード画面を表示部53に表示させる。アップロード画面では、原稿をアップロードするためのアップロードボタン102の他、S101で選択された動画の長さ(分数)103や、当該長さ103に適した文字数を示すメッセージ104が表示される。応募者がアップロードボタン102を選択すると、表示部53には原稿の選択画面(不図示)が表示され、応募者は、当該選択画面においてアップロードする原稿を選択する。
【0063】
応募者端末5は、原稿の選択を受け付ける(S102)と、選択された原稿の文字数を取得し、当該文字数と、S101で選択された動画の長さに適した文字数(最適文字数という)とを比較し(S103)、比較結果に応じたメッセージを表示部53に表示させる(S104)。最適文字数は、
図9(a)の選択画面で選択可能な動画の長さのそれぞれに対応して予め設定されている。
【0064】
図9(c)はメッセージの表示画面の例であり、この例では、上記のメッセージ105として、選択された原稿の文字数が最適文字数よりも少ない旨が表示される。表示画面には、原稿をアップロードするための「OK」ボタン106と、原稿の選択をやり直すための「やり直す」ボタン107が表示され、応募者は、メッセージ105の内容も参考にした上で、「OK」ボタン106または「やり直す」ボタン107を選択する。
【0065】
ここでは応募者が「OK」ボタン106を選択するものとし、応募者端末5は、原稿を管理装置3に送信(アップロード)する(S105;
図7の矢印a参照)。なお、応募者が「やり直す」ボタン107を選択した場合は、前記した原稿の選択画面(不図示)を表示部53に再度表示させ、応募者に別の原稿を選択させることができる。
【0066】
管理装置3は、応募者端末5から原稿を受信する(S106)と、原稿IDを新たに生成し(S107)、受信した原稿を原稿IDと対応付けて記憶部32に登録(記憶)する(S108)。そして、原稿IDを応募者端末5に送信する(S109;
図7の矢印b参照)。本実施形態では原稿IDを二次元コードとして応募者端末5に送信する。応募者端末5は原稿IDの二次元コードを受信し(S110)、処理を終了する。
【0067】
図9(d)は二次元コード200の例である。二次元コード200は、動画撮影装置2を用いた動画撮影時に
図9(d)に示すように応募者端末5の表示部53に表示させ、動画撮影装置2の読取部27で読み取らせる。
【0068】
(3-2.動画撮影装置2を用いた動画撮影)
図10は動画撮影装置2を用いた動画撮影の手順を示すフローチャートであり、
図10のS201~S204、S207~S210、S214~S215は前記の制御装置20が動画撮影装置2の各部を制御して実行する。その他の処理は、管理装置3の制御部31が管理装置3の各部を制御して実行する。
【0069】
本実施形態において、動画撮影を行う応募者は街頭の動画撮影装置2へと向かい、動画撮影装置2のボックス内に入る。動画撮影装置2は、センサ(不図示)によって応募者を検知すると、表示部21にトップ画面を表示させる。
【0070】
図11(a)はトップ画面の概略である。本実施形態ではトップ画面でサービスの選択を行うことができ、証明写真サービスを始めとした各種のサービスがボタン211によって選択可能に表示される。動画撮影サービスはそれらのサービスのうちの一つであり、ここでは表示部21のタッチパネル操作により動画撮影を行うためのボタン211を応募者が選択する。
【0071】
動画撮影装置2は、動画撮影サービスの選択を受け付けると、動画の長さを選択するためのコース選択画面を表示部21に表示する。
図11(b)はコース選択画面の例であり、この例では、コースとして、動画の長さを選択ボタン212によって選択可能とする。なお
図11(b)の「戻る」ボタン213は前画面に戻るためのボタンであり、「次へ」ボタン214は次画面に移行するためのボタンである。
【0072】
動画撮影装置2は、選択ボタン212によるコースの選択を受け付け(S201)、「次へ」ボタン214が選択されると、表示部21に課金画面(不図示)を表示し、応募者による課金を受け付ける(S202)。本実施形態では、動画の長さに応じた各コースの料金が設定されており、S202では、当該料金分の課金を行う。
【0073】
次に、動画撮影装置2は、前記した二次元コード200を読取部27で読み取らせる旨のガイダンス(不図示)を表示部21に表示し、応募者は、ガイダンスに従って
図9(d)に示したように応募者端末5に二次元コード200を表示させ、これを読取部27にかざす。動画撮影装置2は、読取部27によって応募者端末5から二次元コード200を読み取ると、二次元コード200を復号して原稿IDを取得し(S203;
図7の矢印c参照)、原稿IDを管理装置3に送信する(S204)。
【0074】
管理装置3は、動画撮影装置2から原稿IDを受信する(S205)と、原稿IDに対応する原稿を動画撮影装置2に送信する(S206;
図7の矢印d参照)。動画撮影装置2は、原稿を受信すると(S207)、撮影部23による応募者の動画の撮影を開始する(S208)。
【0075】
動画撮影時、動画撮影装置2は、S207で受信した原稿をモニター25に表示する。
図12(a)はこの表示の例であり、モニター25は撮影窓のハーフミラーの背後に設置され、ハーフミラーを通してモニター25に表示された原稿300が応募者から視認可能である。これにより、応募者の目線が下向きになり過ぎるのを防止できる。
【0076】
応募者は用意した原稿300に沿って自己のPR等を行い、動画撮影装置2は、その際の応募者の動画を撮影部23のカメラによって撮影する。なお、モニター25は、
図12(b)に示すように撮影窓の側方に設置されていてもよい。また動画撮影時のカメラの画角を調整可能としてもよい。
【0077】
動画撮影装置2では、音声認識機能により応募者が発している音声を認識し、音声認識結果に応じて、
図12(a)の符号251に示すように、原稿300上で現在読んでいる位置を強調表示したり、当該位置に合わせて原稿300をスクロールして表示したりすることが可能である。また、適切なスピードで原稿300を読む場合の現在読んでいるべき原稿300上の位置を、上記スピードと動画撮影開始時刻から算出し、符号252で示すように、上記強調表示251とは別の態様で強調表示することも望ましい。
【0078】
また動画撮影装置2は、上記モニター25において、撮影終了までの時間を示すカウントダウン表示253を行うことも可能であり、その他、撮影中の動画内での応募者の表情や動きを元に、AI(人工知能)を利用して求めたアドバイス(例えば「背筋を伸ばすといいですよ」や「声が小さくなってきました」等)を表示すること等も可能である。
【0079】
一方、応募者は、動画撮影装置2内のテーブル29を
図2(b)に示すように展開し、動画撮影に用いる小道具などをテーブル29に載せ、必要に応じて使用することが可能である。動画撮影後、応募者はテーブル29を動画撮影装置2のボックス内壁に沿って折り畳む。
【0080】
動画撮影装置2は、応募者の動画撮影後、撮影した動画を編集するための編集画面を表示部21に表示し、動画の編集を受け付ける(S209)。編集画面としては、例えば
図11(c)に示すように、動画400を表示するともに、操作部215により動画400の再生位置(時刻)を指定できるようにしておき、指定された位置から動画を再生して応募者がまず動画400を自由に確認できるようにしておく。動画400の早送り再生ができるようにしてもよい。
【0081】
図11(c)の「戻る」ボタン216や「次へ」ボタン217は、別の編集画面あるいは後述する確認画面を表示するためのボタンである。本実施形態では、別の編集画面として、
図11(d)に示すように、動画400の明るさや背景色、音量を調整するためのボタン218を表示し、ボタン218の選択に応じて、明るさや背景色、音量を調整するための調整画面(不図示)を表示し、これらの調整ができるようにしておく。
【0082】
その他、編集画面としては、動画400の不要な部分(時間帯)を応募者が指定し、当該部分をトリミングしてその前後の動画をつなぎ合わせる操作や、動画400中で撮り直したい部分(時間帯)を応募者が指定し、当該部分の動画を新たに撮り直して置き換える操作、動画400の音声データから字幕を作成し、応募者により編集した当該字幕を動画400に重畳表示する操作、動画400中の応募者の目にキャッチライト(光源等の映り込み)を付与する操作などを行うことが考えられる。また動画撮影装置2は、応募者の選択に応じて、所定回数(例えば3回)まで動画400の全体を撮り直すことも可能である。なお、キャッチライトの付与は、動画400の編集によって行うものに限らず、動画撮影装置2内に別途の光源を設置するなどしてハードウェア的に行うことも可能である。
【0083】
動画の編集を行った後、動画撮影装置2は、表示部21に
図11(e)に例示する確認画面を表示させる。確認画面では、編集後の動画400が前記の操作部215とともに表示され、応募者は編集後の動画400を操作部215によって再生し、確認することができる。応募者は編集後の動画400を確認し、それで良ければ「確定」ボタン219を選択する。動画撮影装置2は、「確定」ボタン219が選択されると、編集後の動画400を管理装置3に送信する(S210;
図7の矢印e参照)。
【0084】
管理装置3は、動画400を受信すると(S211)、動画400をS205で受信した原稿IDと紐づけて記憶部32に登録する(S212)。そして、動画ダウンロード用のアドレス(URL;Uniform Resource Locator)を動画撮影装置2に送信する(S213;
図7の矢印f参照)。本実施形態では上記アドレスを二次元コードとして動画撮影装置2に送信する。
【0085】
動画撮影装置2は上記アドレスの二次元コードを受信すると(S214)、上記アドレスの二次元コードの出力を行い(S215)、処理を終了する。本実施形態では、
図11(f)に示すように二次元コード500を表示部21に表示出力するとともに、二次元コード500をレシートに印刷出力するが、これに限ることはない。
【0086】
応募者は、応募者端末5を用いてこれらの二次元コード500を読み取り、上記アドレスにアクセスして動画400をダウンロードし、応募者端末5の記憶部52に記憶することができる。当該動画400は、応募者端末5から募集者のサーバ4に送信し、募集者による選考に用いることができる。
【0087】
以上説明したように、本実施形態の動画撮影装置2は応募者が作成した原稿300をモニター25に表示でき、その原稿300を台本として、応募者は動画400中で自由にPRを行うことが可能になる。また募集者にとっても、動画400中で発揮された応募者の個性を選考の材料とすることが可能になる。
【0088】
また本実施形態では、応募者の作成した原稿300を予め原稿IDと対応付けて管理装置3に登録しておき、動画撮影装置2では、原稿IDを応募者端末5から取得して管理装置3から原稿300を受信することができる。
【0089】
また本実施形態では、動画ダウンロード用のアドレスを動画撮影装置2が出力することで、応募者は、動画400を管理装置3から応募者端末5にダウンロードでき、動画400を応募者端末5から募集者のサーバ4に送信できる。
【0090】
さらに本実施形態では、動画400の撮影時に、応募者の音声認識結果に応じて原稿300をモニター25でスクロール表示できるので、動画400の撮影をスムーズに行うことができる。
【0091】
また本実施形態では、動画撮影装置2での動画400の編集を可能とするので、動画400においてより効果的なPRが可能となる。また、動画400を自身のコンピュータで編集する場合に必要な、編集ソフトや専門知識等も不要である。
【0092】
また本実施形態の動画撮影装置2は証明写真機であり、街頭等に設置された証明写真機を動画撮影に用いることで、応募者の負担を軽減できる。
【0093】
また本実施形態の応募者端末5は、選択された原稿300の文字数と、選択された動画400の長さに対応する最適文字数とを比較し、その比較結果を表示部53に表示するので、応募者は、動画撮影用の原稿300が、動画400の長さの観点から適当か否かを判断することができる。
【0094】
しかしながら、本発明は上記の実施形態に限らない。例えば上記の実施形態では求人の応募時について説明したが、本発明の動画撮影システム1は、応募者が募集者によって選考されるようなケースであれば適用でき、例えば各種のオーディション、受験時、パート・アルバイト、インターンの面接や面接のための練習などにも適用できる。また応募者の選考は、採用可否に直結する最終段階の選考に係るものであってもよく、その前段階における応募者のふるい落しに係るものであってもよい。
【0095】
また本実施形態では動画400の撮影後、
図11(c)、(d)に例示する編集画面を表示部21に表示させ、応募者による編集を可能としているが、動画撮影装置2は、その制御装置20によって動画400の分析を行い、分析結果を表示部21に表示する分析手段を有してもよい。応募者は、分析結果から自己の動画400の可否を判断することができ、必要に応じて動画400の撮り直しを行うことも可能である。また分析結果は、より良い動画400を作成するための助けにもなる。
【0096】
この場合、動画撮影装置2は、例えば、AI等による動画分析技術を用い、動画400中の音声データと原稿300との不一致部分を検出し、分析結果として、
図13(a)の符号301に示すように、原稿300上で上記の不一致部分を強調表示することが可能である。
【0097】
その他、動画撮影装置2は、AI等による動画分析技術を用い、動画400内で目を瞑った箇所、目線の泳いだ箇所、言葉に詰まってしまった箇所、「えーと」や「えー」などの間投詞を発した箇所、文章を噛んでしまった箇所等を抽出し、これらの要注意箇所の発生回数を算出し、
図13(b)の符号302で示すように表示することができる。その他、動画400内での要注意箇所の発生位置(時刻)を表示することも可能である。
【0098】
また、動画撮影装置2は、AI等による動画分析技術を用い、動画400中の音声データと原稿300との不一致度、動画400中の声の大きさ・明瞭さ、喋りの流暢さ、話すスピード、ボディランゲージの適当さ、笑顔や表情の明るさなど、動画400の評価項目についてのスコア(評価値)を算出し、これを表示することもできる。
図13(b)の符号303、304はこれらの表示の例であり、各評価値は棒グラフやレーダーチャートによって表示することが可能である。また上記の評価値等に基づくアドバイス305を記憶部202から取得し、表示部21に表示させることも可能である。
【0099】
また本実施形態では管理装置3から動画撮影装置2に原稿300を送信しているが、応募者端末5と動画撮影装置2とを通信可能に接続し、応募者端末5から動画撮影装置2に原稿300を送信することも可能である。
【0100】
また本実施形態では動画400を応募者端末5から募集者のサーバ4に送信しているが、管理装置3から募集者のサーバ4に動画400を送信してもよい。このケースにおいて、例えば募集者は事前に本システムへの登録を行い、管理者は、登録を行った募集者を識別するための募集者IDを発行する。募集者IDは募集者のサーバ4の記憶部に記憶されるとともに、管理装置3の記憶部32にも、サーバ4(動画の応募先)のアドレスと紐づけて記憶される。
【0101】
この場合の動画撮影システム1のシステム構成が
図14である。システム構成は
図7から大きく変わる訳では無いが、応募者は、事前に募集者のサーバ4が提供するウェブサイトに応募者端末5からアクセスし、募集への申込を行うことが必要になる。サーバ4は、申込を受け付けると、個別の申込に対応する申込IDを発行し、募集者IDと申込ID(募集者ID等という)とを二次元コードとして応募者端末5に送信する(
図14の矢印g参照)。
【0102】
応募者は、動画撮影装置2での動画撮影手順(
図10のS201~S204、S207~S210)のいずれかの段階において、応募者端末5に表示した上記二次元コードを動画撮影装置2の読取部27で読み取らせ、募集者ID等を動画撮影装置2に取得させる(
図14の矢印h参照)。これにより、動画撮影装置2において、応募者の動画400と募集者ID等を紐づけることが可能になる。動画撮影装置2はこれらのデータを管理装置3に送信し(
図14の矢印i参照)、管理装置3は、動画400と申込ID(動画等という)を、募集者IDに対応するサーバ4のアドレスに送信する(
図14の矢印j参照)。
【0103】
なお、募集者の登録時の設定に応じて、管理装置3から応募者端末5への動画400のダウンロードを不可とすることも可能であり、この場合、
図10のS213~S215の処理は省略される。
【0104】
また本実施形態では原稿300をタブレット状のモニター25に表示しているが、原稿300の表示手段230はこれに限らず、例えば
図15に示すように、応募者端末5を載置して表示部53に表示した原稿300をハーフミラーに映し出すプロンプター(モニター)25aを用いることもできる。この場合、原稿300を管理装置3に送信する必要は特に無く、
図8のフロー全体を省略することもできる。また本実施形態では撮影部23のカメラで動画を撮影しているが、別途設けたカメラ、例えばプロンプター25aのハーフミラーの背後に設置したカメラ(不図示)により動画を撮影することも可能である。
【0105】
また本実施形態では応募者が原稿300の文章を読み上げるものとするが、原稿300はこれに限ることはなく、応募者が喋る項目(例えば「バスケ部レギュラー3年間」など)のみをメモ書きしたものであってもよい。
【0106】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0107】
1:動画撮影システム
2:動画撮影装置
3:管理装置
4:サーバ
5:応募者端末
20:制御装置
21:表示部
22:課金部
23:撮影部
24:照明
25:モニター
25a:プロンプター
26:音声入出力部
27:読取部
28:カーテン
29:テーブル
210:取得手段
220:受信手段
230:表示手段
240:撮影手段
250:編集手段
260:送信手段
270:出力手段
300:原稿
400:動画
510:選択手段
520:比較手段
530:送信手段
540:受信手段