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特開2024-91061課金システム、課金方法および課金プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091061
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】課金システム、課金方法および課金プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20240627BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20240627BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240627BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06Q30/0241
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207345
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】稲吉 希理
(72)【発明者】
【氏名】西田 健太郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L030BB11
5L049BB08
5L049BB11
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】アバターの行動によって発生するオブジェクトに関する収益の配分を適切に行うことができる。
【解決手段】課金システム10は、検出部12と、推定部13と、決定部14と、出力部15を備える。検出部12は、アバターの行動の検出結果を基に、仮想空間におけるオブジェクトに対するアバターの行動を検出する。推定部13は、仮想空間においてアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定する。決定部14は、推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について、関係する主体への配分を決定する。出力部15は、決定した配分を出力する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間におけるオブジェクトに対するアバターの行動を検出する検出手段と、
アバターの行動の検出結果を基に、仮想空間におけるアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定する推定手段と、
推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について、関係する主体への配分を決定する決定手段と、
決定した配分を出力する出力手段と
を備える課金システム。
【請求項2】
前記決定手段は、前記アバターが仮想空間に滞在していることへの前記オブジェクトの貢献度を基に、前記仮想空間の利用料金について、前記オブジェクトを配置した主体への配分を決定する、
請求項1に記載の課金システム。
【請求項3】
前記オブジェクトは、広告として表示されるオブジェクトであり、
前記決定手段は、前記アバターが仮想空間に滞在していることへの前記オブジェクトの貢献度を基に、広告に関する費用の広告主への配分を決定する、
請求項1に記載の課金システム。
【請求項4】
前記オブジェクトは、広告として表示されるオブジェクトであり、かつ、前記アバターの利用者が仮想空間を利用したときの利用料金の少なくとも一部は、前記オブジェクトを出品している広告主によって支払われる場合に、
前記決定手段は、前記アバターが仮想空間に滞在していることへの前記オブジェクトの貢献度を基に、前記利用料金のうち広告主が支払う配分を決定する、
請求項1に記載の課金システム。
【請求項5】
前記オブジェクトは、他の仮想空間への移動のためのオブジェクトであり、
前記決定手段は、前記アバターが前記オブジェクトを介して前記他の仮想空間へ移動したときに、発生する収益について、関係する主体への配分を決定する、
請求項1に記載の課金システム。
【請求項6】
前記推定手段は、前記アバターの前記オブジェクトに対する行動の回数、および、前記オブジェクトに対して行動している時間の少なくとも一方を基に、前記オブジェクトの貢献度を推定する、
請求項1に記載の課金システム。
【請求項7】
前記推定手段は、前記アバター間の会話における前記オブジェクトに関する会話の比率を基に、前記オブジェクトの貢献度を推定する、
請求項1に記載の課金システム。
【請求項8】
前記推定手段は、前記アバターの属性、および、前記アバターを操作する利用者の属性の少なくとも一方を基に、前記オブジェクトの貢献度を推定する、
請求項1に記載の課金システム。
【請求項9】
仮想空間におけるオブジェクトに対するアバターの行動を検出し、
アバターの行動の検出結果を基に、仮想空間においてアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定し、
推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について、関係する主体への配分を決定し、
決定した配分を出力する、
課金方法。
【請求項10】
仮想空間におけるオブジェクトに対するアバターの行動を検出する処理と、
アバターの行動の検出結果を基に、仮想空間においてアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定する処理と、
推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について、関係する主体への配分を決定する処理と、
決定した配分を出力する処理とを
コンピュータに実行させる課金プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、課金システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間を用いた交流が様々な分野で行われている。仮想空間の利用者は、アバターを介して他の利用者と交流する。仮想空間内に存在するアバターを操作することで利用者が参加する仮想空間は、メタバース空間ともいう。仮想空間において、利用者の操作によるアバターの行動は、例えば、仮想空間の設定と、空間内に配置されるオブジェクトの両方に依存する。また、優良なオブジェクトの存在は、仮想空間の利用および滞在の長時間化を促進する。一方で、仮想空間の運営と、仮想空間へのオブジェクトの配置は、別の人物によって行われることがある。このような場合に、例えば、仮想空間を運営する主体から、オブジェクトを配置した主体に支払われる収益の算出が行われる。
【0003】
特許文献1の情報処理装置は、仮想空間内のアバターの行動に応じた課金情報をアバターに関連付けて登録する。そして、情報処理装置は、アバターが仮想空間から退出した場合に、登録された課金情報に応じた決済処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-192172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の情報処理装置は、アバターの行動によって発生するオブジェクトに関する収益を適切に算出することが難しい場合がある。
【0006】
本開示は、上記の課題を解決するため、アバターの行動によって発生するオブジェクトに関する収益の配分を適切に行うことができる課金システム等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本開示の課金システムは、仮想空間におけるオブジェクトに対するアバターの行動を検出する検出手段と、アバターの行動の検出結果を基に、仮想空間においてアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定する推定手段と、推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について、関係する主体への配分を決定する決定手段と、決定した配分を出力する。
【0008】
本開示の課金方法は、仮想空間におけるオブジェクトに対するアバターの行動を検出し、アバターの行動の検出結果を基に、仮想空間においてアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定し、推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について、関係する主体への配分を決定し、決定した配分を出力する。
【0009】
本開示の課金プログラムは、仮想空間におけるオブジェクトに対するアバターの行動を検出する処理と、アバターの行動の検出結果を基に、仮想空間においてアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定する処理と、推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について、関係する主体への配分を決定する処理と、決定した配分を出力する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、アバターの行動によって発生するオブジェクトに関する収益の配分を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態の構成の概要を示す図である。
図2】本開示の実施形態の表示画面の例を模式的に示す図である。
図3】本開示の実施形態の表示画面の例を模式的に示す図である。
図4】本開示の実施形態の課金システムの構成の例を示す図である。
図5】本開示の実施形態の表示画面の例を模式的に示す図である。
図6】本開示の実施形態の表示画面の例を模式的に示す図である。
図7】本開示の実施形態の課金システムの動作フローの例を示す図である。
図8】本開示の他の構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本開示の仮想空間システムの構成の概要を示す図である。仮想空間システムは、例えば、課金システム10と、管理システム20と、端末装置30を備える。課金システム10は、ネットワークを介して、管理システム20と接続する。また、管理システム20は、ネットワークを介して、端末装置30と接続する。管理システム20と、端末装置30の数は、適宜、設定され得る。
【0013】
仮想空間システムは、例えば、仮想空間内に存在するアバターを操作する利用者が、アバターを介して、仮想空間内で活動を行うシステムである。仮想空間において、利用者は、例えば、アバターを介して他の利用者と交流する。ここで、アバターとは、仮想空間を利用する利用者が、仮想空間内で活動するために操作するアバターそれぞれのことをいう。すなわち、同一のデザインのアバターでも、利用者の操作によって仮想空間内で活動するそれぞれのアバターは、互いに別のアバターとみなされる。また、利用者は、複数のアバターを所持していてもよい。複数のアバターを所持している場合に、利用者は、仮想空間ごと、または、場面に応じて複数のアバターのいずれかを選択し、選択したアバターを操作することによって仮想空間で活動を行う。また、仮想空間内に存在するアバターを操作することで利用者が参加する仮想空間は、メタバース空間ともいう。
【0014】
課金システム10は、例えば、仮想空間において、アバターの行動に起因して発生する収益の配分に関する決定を行う。管理システム20は、例えば、仮想空間における空間の表示、空間内におけるオブジェクトの表示、および、空間内におけるアバターの動きを管理する。また、端末装置30は、例えば、アバターを介して仮想空間を利用する利用者がアバターを操作する端末装置である。
【0015】
仮想空間において発生する収益の配分は、例えば、仮想空間に関する利用料金の配分である。仮想空間では、例えば、仮想空間の運営と、仮想空間内へのオブジェクトの配置が別の主体によって行われることがある。主体には、人物、当該人物が属する組織、または、当該人物に業務を委託している組織が含まれる。仮想空間の運営と、オブジェクトを配置する主体がそれぞれ異なる場合に、仮想空間の利用料金の一部は、例えば、オブジェクトを配置したことに対する報酬として、オブジェクトを配置した主体に配分される。また、仮想空間の利用料金の全額または一部を広告主が負担する場合に、仮想空間において発生する収益の配分は、利用料金の負担額の配分であってもよい。また、オブジェクトが広告として表示される場合に、仮想空間において発生する収益の配分の決定は、広告料金に関する決定であってもよい。
【0016】
課金システム10は、例えば、仮想空間内におけるアバターの行動へのオブジェクトの貢献度を基に、アバターの行動に起因して発生する収益について、オブジェクトに対する配分を決定する。仮想空間内におけるアバターの行動への貢献度は、例えば、アバターが仮想空間を利用することへの貢献の度合いを示す指標である。アバターが仮想空間を利用することへの貢献は、例えば、アバターが仮想空間に滞在している時間の長時間化または回数の増加を促進することである。貢献度は、例えば、アバターが仮想空間を利用することへ貢献するほど高くなるように設定される。貢献度は、例えば、アバターが仮想空間を利用することへオブジェクトが貢献するほど、オブジェクトの貢献度が高くなるように設定される。また、貢献度は、例えば、アバターが仮想空間を利用することへ仮想空間が貢献するほど、オブジェクトの貢献度が低くなるように設定される。貢献度は、例えば、オブジェクトの存在が、アバターが仮想空間に滞在している時間を長時間化させるほど、オブジェクトの貢献度の値が高くなるように設定される。また、貢献度は、例えば、オブジェクトの存在が、アバターが仮想空間を訪問する回数を増やすほど、オブジェクトの貢献度の値が高くなるように設定される。
【0017】
オブジェクトの貢献度は、複数の段階によって設定されていてもよい。オブジェクトの貢献度が複数の段階で設定されている場合に、貢献度は、例えば、オブジェクトの存在が、アバターが仮想空間に滞在している時間を長時間化させるほど、高い段階になるように設定される。また、アバターが仮想空間を利用することへの貢献は、アバターの利用者による商品またはサービスの購入を促進することであってもよい。この場合において、貢献度は、例えば、オブジェクトの存在によって、アバターの利用者による商品またはサービスの購入額または購入回数が大きくなるほど、オブジェクトの貢献度の値が高くなるように設定される。
【0018】
図2および図3は、仮想空間の表示画面の例を模式的に示す図である。図2および図3の表示画面の例では、左上の枠内に空を飛行中の航空機の映像が表示されている。また、図2および図3の表示画面の例では、右下に航空機のオブジェクトが配置されている。また、図2および図3の表示画面の例では、2体のアバターが仮想空間内に存在している。図2および図3の表示画面の例において、航空機の映像の表示は、例えば、仮想空間を運営する主体によって設定されている。また、図2および図3の表示画面の例において、航空機のオブジェクトは、仮想空間を運営する主体以外の主体によって配置されている。
【0019】
図2の表示画面の例は、アバターが仮想空間に表示されている映像を見ている状態を示している。図2の表示画面の例では、2体のアバターが映像の方向を向いている。図2の表示画面の例において、表示されている映像が仮想空間のテーマに関係する内容の映像である場合に、2体のアバターそれぞれの利用者は、仮想空間に興味を持っている状態である。よって、アバターが仮想空間に滞在していることへの貢献度は、オブジェクトよりも仮想空間の方が高い。このため、図2の表示画面の例では、仮想空間に対する収益の配分が大きくなる。
【0020】
一方で、図3の表示画面の例は、2体のアバターがオブジェクトに興味を持っている状態を示している。図3の表示画面の例では、右側のアバターがオブジェクトを取り扱っている。また。図3の表示画面の例では、左側のアバターがオブジェクトの方向を向いている。図3の表示画面の例では、2体のアバターそれぞれの利用者は、オブジェクトに興味を持っている状態である。よって、アバターが仮想空間に滞在していることへの貢献度は、仮想空間よりもオブジェクトの方が高い。このため、図3の表示画面の例では、オブジェクトに対する収益の配分が大きくなる。
【0021】
課金システム10は、例えば、管理システム20から、仮想空間におけるアバターに関するデータを取得する。アバターに関するデータは、例えば、仮想空間に存在するアバターの識別子、アバターの位置、アバターの動きのデータ、および、アバターを操作している利用者に関する情報である。課金システム10は、例えば、仮想空間におけるアバターに関するデータから、オブジェクトに対するアバターの行動を検出する。アバターの行動を検出すると、課金システム10は、例えば、オブジェクトに対するアバターの行動を基に、仮想空間においてアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定する。そして、課金システム10は、推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について関係する主体への配分を決定する。関係する主体は、例えば、仮想空間におけるアバターの行動によって発生する収益に関わる主体である。仮想空間におけるアバターの行動によって発生する収益に関わる主体は、例えば、収益の配分を受領する主体である。また、仮想空間におけるアバターの行動によって発生する収益に関わる主体は、例えば、収益の元となる金銭を支払う主体であってもよい。
【0022】
関係する主体は、例えば、仮想空間を運営する主体およびオブジェクトを配置した主体である。仮想空間を運営する主体には、例えば、仮想空間を作成する主体、および、仮想空間を管理する主体が含まれる。関係する主体は、仮想空間を運営する主体またはオブジェクトを配置した主体のいずれかであってもよい。オブジェクトを配置した主体には、例えば、オブジェクトを作成した主体、および、仮想空間へのオブジェクトの配置を行った主体が含まれる。また、オブジェクトが広告として配置される場合に、関係する主体には、広告主が含まれていてもよい。広告主と、オブジェクトを配置する主体は、同一であってもよい。広告として用いられるオブジェクトは、例えば、オブジェクトに企業名、商品名、サービス名、または、イベント名が記載されているオブジェクトである。広告として用いられるオブジェクトは、企業、商品、サービス、または、イベントにおけるキャラクターのオブジェクトであってもよい。また、広告として用いられるオブジェクトは、広告の対象となる商品の形をしたオブジェクトであってもよい。広告として用いられるオブジェクトは、上記に限られない。また、関係する主体は、上記に限られない。
【0023】
課金システム10は、例えば、管理システム20に、決定した収益の配分を出力する。管理システム20は、例えば、課金システム10から取得する収益の配分を基に、アバターの行動によって発生する収益を算出する。管理システム20は、例えば、仮想空間を運営する主体が用いる端末装置、および、オブジェクトを配置した主体が用いる端末装置に、算出した収益を出力する。管理システム20は、仮想空間の利用者が用いる端末装置30に、算出した収益を出力してもよい。また、アバターの行動によって発生する収益の算出は、課金システム10において行われてもよい。また、課金システム10は、決済システムに、収益の配分を出力してもよい。また、課金システム10は、算出した収益を出力してもよい。出力される収益は、決済システムにおいて使用されるポイント、または、仮想通貨の額であってもよい。
【0024】
ここで、課金システム10の具体的な構成の例について説明する。図4は、課金システム10の構成の例を示す図である。課金システム10は、基本構成として、検出部12と、推定部13と、決定部14と、出力部15を備える。課金システム10は、例えば、取得部11と、記憶部16をさらに備える。
【0025】
取得部11は、例えば、仮想空間におけるアバターに関するデータを取得する。アバターに関するデータは、例えば、仮想空間に存在するアバターの識別子、アバターの位置、アバターの動きのデータ、および、アバターを操作している利用者に関する情報である。アバターを操作している利用者に関する情報は、利用者の識別子、利用者の属性、利用者が仮想空間で使用している名前、利用者の属性、および、利用者の仮想空間の利用履歴のうち1つまたは複数の項目の情報である。アバターを操作している利用者に関する情報は、上記に限られない、また、アバターに関するデータは、上記に限られない。取得部11は、オブジェクトに関するデータをさらに取得してもよい。オブジェクトに関するデータは、例えば、オブジェクトの識別子、オブジェクトの位置、および、オブジェクトの動作のデータである。オブジェクトに関するデータは、オブジェクトを配置した主体、または、オブジェクトの種類を示す情報を含んでいてもよい。オブジェクトの種類を示す情報は、例えば、オブジェクトが広告であるかを示す情報である。オブジェクトに関するデータは、上記に限られない。取得部11は、例えば、管理システム20から、仮想空間におけるアバターに関するデータと、オブジェクトに関するデータとを取得する。
【0026】
検出部12は、仮想空間におけるオブジェクトに対するアバターの行動を検出する。検出部12は、例えば、取得部11が取得する仮想空間におけるアバターに関するデータを基に、オブジェクトに対するアバターの行動を検出する。オブジェクトに対するアバターの行動を検出することで、検出部12は、例えば、アバターがオブジェクトに対して興味を持っているかを検出する。また、仮想空間内にオブジェクトが複数、配置されている場合に、検出部12は、オブジェクトそれぞれに対するアバターの行動を検出してもよい。
【0027】
オブジェクトに対するアバターの行動は、例えば、アバターがオブジェクトを取り扱う動作、または、アバターがオブジェクトの方向を向く動作である。オブジェクトに対するアバターの行動は、アバターがオブジェクトを取り扱う動作、および、アバターがオブジェクトの方向を向く動作の両方であってもよい。アバターがオブジェクトを取り扱う動作は、アバターがオブジェクトに触れる動作、持ち上げる動作、置く動作、場所を動かす動作、または、オブジェクトの形状を変化させる動作である。図3の表示画面の例において、アバターがオブジェクトを取り扱う動作は、2体のアバターのうち、右側のアバターが航空機のオブジェクトを持っている動作である。アバターがオブジェクトを取り扱う動作は、上記に限られない。
【0028】
また、オブジェクトを取り扱う動作には、例えば、アバターの行動によって発生する処理に対するアバターを操作している利用者の対応が含まれていてもよい。オブジェクトを取り扱う動作には、例えば、アバターがオブジェクトに近づいたときに表示されるボタンに対する利用者の対応が含まれる。例えば、アバターがオブジェクトに近づいたときにボタンが表示される設定になっている場合に、オブジェクトを取り扱う動作は、アバターを操作する利用者が、マウス操作によってボタンをクリックすること、または、身体に装着したコントローラによってボタンを押すことが含まれる。
【0029】
例えば、オブジェクトが、神社を再現した仮想空間に設置されているおみくじの箱であるとする。また、アバターがおみくじの箱と所定の距離まで近づくと、「使用」というボタンを表示する処理が行われるとする。また、利用者が、マウスによる操作、または、手に装着されたコントローラによってボタンを押すと、おみくじの結果(紙面)が表示される処理が行われとする。この場合において、ボタンが表示されたときに、利用者が、マウスによる操作、または、手に装着されたコントローラによってボタンを押す対応は、オブジェクトを取り扱う動作に含まれる。
【0030】
アバターがオブジェクトの方向を向く動作は、例えば、アバターの視線または顔がオブジェクトの方向を向くことである。図3の表示画面の例において、アバターがオブジェクトを向く動作は、2体のアバターのうち、左側のアバターが航空機のオブジェクトの方向を向いている動作である。図3の表示画面の例において、2体のアバターそれぞれは、オブジェクトに興味を持っている状態である。また、アバターがオブジェクトの方向を向く動作は、上記に限られない。
【0031】
オブジェクトに対するアバターの行動は、アバターがオブジェクトに関する会話を行うことであってもよい。オブジェクトが他の仮想空間への入口として配置されている場合に、オブジェクトに対するアバターの行動は、オブジェクトを介して他の仮想空間に移動することであってもよい。オブジェクトに対するアバターの行動は、上記に限られない。
【0032】
検出部12は、例えば、アバターのオブジェクトに対する行動の程度を検出する。検出部12は、例えば、アバターがオブジェクトに対して行動している時間、または、行動した回数を検出する。検出部12は、アバターとオブジェクトの距離を検出してもよい。距離を検出する場合に、検出部12は、検出した距離を基に、アバターが行動を行っている対象のオブジェクトを検出してもよい。また、検出部12は、アバターがオブジェクトに近づいたときに発生する処理に対して対応が行われた回数を検出してもよい。例えば、検出部12は、アバターがオブジェクトに近づいたときに表示されるボタンが押された回数を検出してもよい。
【0033】
検出部12は、例えば、アバターがオブジェクトを取り扱っている時間、または、回数を検出する。検出部12は、例えば、アバターがオブジェクトの方向を向いている時間、または、オブジェクトの方向を向いた回数を検出する。また、検出部12は、例えば、アバターがオブジェクトに関する会話をしている時間、または、回数を検出する。検出部12は、例えば、会話の分析モデルを用いて、アバターがオブジェクトに関する会話をしている時間、または、回数を検出する。会話の分析モデルは、周知の自然言語処理法を用いて生成される。また、分析モデルは、例えば、課金システム10の外部のシステムにおいて生成される。また、オブジェクトが他の仮想空間への入口として配置されている場合に、検出部12は、例えば、アバターの他の仮想空間への移動を検出する。
【0034】
検出部12は、オブジェクトを操作する利用者による、オブジェクトに関連する操作を検出してもよい。検出部12は、例えば、オブジェクトに関連して表示されるURL(Uniform Resource Locator)のクリックを検出する。検出部12は、オブジェクトを操作する利用者による、オブジェクトに関連するウェブサイトの閲覧、および、商品の購入の少なくとも一方を検出してもよい。
【0035】
推定部13は、アバターの行動の検出結果を基に、仮想空間においてアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定する。推定部13は、例えば、アバターのオブジェクトに対する行動の回数、および、オブジェクトに対して行動している時間の少なくとも一方を基に、オブジェクトの貢献度を推定する。オブジェクトに対する行動の回数には、例えば、アバターがオブジェクトに近づいたときに発生する処理に対して対応が行われた回数が含まれていてもよい。例えば、オブジェクトに対する行動の回数には、アバターがオブジェクトに近づいたときに表示されるボタンが押された回数が含まれていてもよい。推定部13は、例えば、貢献度を推定する基準を用いて、アバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定する。推定部13は、例えば、オブジェクトに対するアバターの行動の回数と、時間の少なくとも一方を基に、オブジェクトの貢献度を推定する。また、仮想空間内にオブジェクトが複数、配置されている場合に、推定部13は、オブジェクトそれぞれの貢献度を推定してもよい。
【0036】
貢献度を推定する基準は、例えば、アバターのオブジェクトを取り扱う回数が多くなるほど、貢献度を示す値が高くなるように設定される。また、貢献度を推定する基準は、アバターのオブジェクトを取り扱う時間が長くなるほど、貢献度を示す値が高くなるように設定されてもよい。例えば、仮想空間がスポーツをテーマにした仮想空間であり、オリジナルのデザインのボールがオブジェクトとして配置されている場合に、貢献度を推定する基準は、アバターがボールで遊ぶ時間が長くなるほど、貢献度を示す値が高くなるように設定される。貢献度を推定する基準は、アバターのオブジェクトの方向を向く回数が多くなるほど、貢献度を示す値が高くなるように設定されてもよい。また、貢献度を推定する基準は、アバターのオブジェクトの方向を向いている時間が長くなるほど、貢献度を示す値が高くなるように設定されてもよい。例えば、仮想空間が神社をテーマにした仮想空間であり、おみくじを引くことができるオブジェクトとして配置されている場合に、貢献度を推定する基準は、おみくじが引かれる回数が多くなるほど、貢献度を示す値が高くなるように設定される。
【0037】
推定部13は、アバター間の会話におけるオブジェクトに関する会話の比率を基に、オブジェクトの貢献度を推定してもよい。また、複数のオブジェクトが仮想空間内に存在する場合に、推定部13は、オブジェクトごとの会話の比率を基に、オブジェクトの貢献度を推定してもよい。推定部13は、例えば、アバターが行っている会話のうち、仮想空間に関する会話と、オブジェクトに関する会話の比率を算出する。そして、推定部13は、算出した比率を基に、オブジェクトの貢献度を推定する。貢献度を推定する基準は、例えば、オブジェクトに関する会話の比率が高くなるほど、貢献度を示す値が高くなるように設定される。例えば、仮想空間が観光地をテーマにした仮想空間であり、航空機がオブジェクトとして配置されている場合に、貢献度を推定する基準は、観光地まで行く交通手段に関する会話の比率が高くなるほど、貢献度を示す値が高くなるように設定される。
【0038】
推定部13は、アバターの属性、および、アバターを操作する利用者の属性の少なくとも一方を基に、オブジェクトの貢献度を推定してもよい。推定部13は、例えば、アバターを操作する利用者の属性に基づいて、オブジェクトの貢献度を推定する。貢献度を推定する基準は、例えば、他の利用者への影響が大きい利用者が操作するアバターがオブジェクトに対する行動をおこなったときに、他の利用者が操作するアバターのときよりも貢献度を示す値が高くなるように設定される。他の利用者への影響が大きい利用者とは、例えば、利用者が操作するアバターがオブジェクトに対する行動を行っている場合に、他の利用者が操作するアバターが同じオブジェクトに対する行動を行う可能性が高い利用者である。例えば、SNS(Social networking service)におけるフォロワー数が多いインフルエンサーが操作するアバターがオブジェクトに対する行動をおこなったときに、他の利用者が操作するアバターのときよりも貢献度を示す値が高くなるように設定される。
【0039】
利用者の属性は、例えば、他の利用者への影響度に関する情報である。利用者の属性は、例えば、利用回数、職業、組織内における地位、動画サイトにおけるフォロワー数、SNSにおけるフォロワー数、および、仮想空間におけるフレンド登録者数のうち、1つまたは複数である。フレンド登録者数は、例えば、交流または連絡を行う他の利用者を登録するリストである。利用者の属性は、上記に限られない。
【0040】
推定部13は、例えば、オブジェクトに対する行動を行っているアバターの属性に基づいて、オブジェクトの貢献度を推定する。貢献度を推定する基準は、例えば、他の利用者への影響が大きいアバターがオブジェクトに対する行動をおこなったときに、他のアバターのときよりも貢献度を示す値が高くなるように設定される。他の利用者への影響が大きいアバターとは、例えば、アバターがオブジェクトに対する行動を行っている場合に、他の利用者が操作するアバターが同じオブジェクトに対する行動を行う可能性が高いアバターである。例えば、貢献度を推定する基準は、人気アニメのキャラクターを用いたアバターがオブジェクトに対する行動をおこなったときに、他の利用者が操作するアバターのときよりも貢献度を示す値が高くなるように設定される。
【0041】
アバターの属性は、例えば、アバターのデザイン、アバターの製作者、アバターの提供者、アバターの利用開始からの経過日数、アバターがオリジナルであるかの情報、アバターが公式か非公式かの区別、同じアバターを利用している人数、および、アバターの利用が有料か無料であるかの区別のうち、1つまたは複数である。アバターの属性は、上記に限られない。
【0042】
決定部14は、推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について、関係する主体への配分を決定する。決定部14は、例えば、オブジェクトの貢献度を基に、オブジェクトを配置した主体に対する配分を決定する。また、仮想空間内にオブジェクトが複数、配置されている場合に、決定部14は、オブジェクトそれぞれについて、オブジェクトを配置した主体に対する配分を決定してもよい。
【0043】
オブジェクトの貢献度を基に、オブジェクトを配置した主体に対する配分を決定する基準は、例えば、仮想空間を運営する主体によって設定される。オブジェクトの貢献度を基に、オブジェクトを配置した主体に対する配分を決定する基準は、例えば、オブジェクトの貢献度と、オブジェクトを配置した主体に対する配分の関係を定めたデータテーブルを用いて設定される。決定部14は、例えば、オブジェクトの貢献度に対応する配分の値をデータテーブルから抽出することで、仮想空間において発生する収益について関係する主体への配分を決定する。決定部14は、計算式を用いて仮想空間において発生する収益について関係する主体への配分を決定してもよい。計算式は、例えば、オブジェクトの貢献度を説明変数、配分を目的変数とする関数である。説明変数には、オブジェクトの貢献度以外の項目に対応する説明変数が含まれていてもよい。
【0044】
決定部14は、例えば、アバターが仮想空間に滞在していることへのオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間の利用料金について、オブジェクトの配置した主体への配分を決定する。決定部14は、例えば、アバターが仮想空間に滞在している時間の長さおよび回数の少なくとも一方へのオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間の利用料金について、オブジェクトの配置した主体への配分を決定する。決定部14は、例えば、オブジェクトの貢献度を基に、アバターの利用者による仮想空間の利用料金のうち、オブジェクトに対する配分を決定する。アバターの利用者による仮想空間の利用料金のうち、オブジェクトに対する配分を決定する基準は、例えば、オブジェクトの貢献度が高いほど、オブジェクトを配置した主体への配分が大きくなるように設定される。
【0045】
オブジェクトが、広告として表示されるオブジェクトである場合に、決定部14は、例えば、アバターが仮想空間に滞在していることへのオブジェクトの貢献度を基に、広告に関する費用の広告主への配分を決定する。ここで、広告主へ配分される広告に関する費用は、例えば、仮想空間を運営する主体に、広告主が支払う料金である。決定部14は、アバターが仮想空間に滞在している時間の長さおよび回数の少なくとも一方へのオブジェクトの貢献度を基に、広告に関する費用の広告主への配分を決定する。広告に関する費用は、例えば、広告を表示することで発生する費用である。広告に関する費用は、例えば、広告を表示するために必要なコスト、手数料、および、広告の表示費である。広告に関する費用は、上記に限られない。決定部14は、例えば、アバターが仮想空間に滞在している時間および回数の少なくとも一方へのオブジェクトの貢献度を基に、広告に関する費用の広告主への配分を決定する。広告収益に関する広告主への配分は、例えば、広告の効果に応じて、広告収益を算出する指標として用いられる。
【0046】
オブジェクトが広告として表示されるオブジェクトであり、かつ、アバターの利用者が仮想空間を利用したときの利用料金の少なくとも一部がオブジェクトを配置している広告主によって支払われる場合に、決定部14は、例えば、アバターが仮想空間に滞在していることへのオブジェクトの貢献度を基に、利用料金のうち広告主が支払う配分を決定する。例えば、広告として表示されているオブジェクトに対する行動を行うと、アバターを操作する利用者についての仮想空間の利用料金が無料になる場合に、決定部14は、仮想空間の運営者に、利用者に代わって広告主が支払う利用料金を決定する。決定部14は、例えば、アバターが仮想空間に滞在している時間の長さおよび回数の少なくとも一方へのオブジェクトの貢献度を基に、利用料金のうち広告主が支払う配分を決定する。
【0047】
取り扱う動作が有料か無料であるかがオブジェクトごとに設定されている場合に、決定部14は、オブジェクトの貢献度を基に、オブジェクトへの収益の配分を決定してもよい。例えば、有料のオブジェクトの利用料金が定額制である場合に、決定部14は、オブジェクトそれぞれの貢献度を基に、オブジェクトそれぞれへの収益の配分を決定してもよい。また、取り扱う動作が有料か無料であるかがオブジェクトに対する行動ごとに設定されている場合に、決定部14は、有料と設定されている行動が行われたときにおけるオブジェクトの貢献度を基に、オブジェクトへの収益の配分を決定してもよい。
【0048】
オブジェクトが他の仮想空間への移動のためのオブジェクトである場合に、決定部14は、例えば、アバターがオブジェクトを介して他の仮想空間へ移動したときに、発生する収益について関係する主体への配分を決定する。アバターがオブジェクトを介して他の仮想空間へ移動したときに発生する収益は、例えば、移動先の仮想空間を運営する主体から支払われる収益である。アバターがオブジェクトを介して他の仮想空間へ移動したときに発生する収益を支払う主体は、オブジェクトを配置した主体であってもよい。決定部14は、例えば、アバターがオブジェクトを介して他の仮想空間へ移動した回数を基に、発生する収益についてオブジェクトを配置した主体への配分を決定する。
【0049】
決定部14は、オブジェクトに対する行動を行ったアバターの数が他のオブジェクトよりも多いオブジェクトへの配分を割り増すように配分を決定してもよい。例えば、基準以上の数のアバターが取り扱ったオブジェクトがある場合に、決定部14は、オブジェクトを配置した主体への配分を示す値を、通常の値よりも割り増しした値としてもよい。
【0050】
決定部14は、オブジェクトの貢献度を基に、オブジェクトに関する収益を決定してもよい。決定部14は、例えば、オブジェクトの貢献度を用いて決定するオブジェクトに対する配分を基に、アバターの利用者によるオブジェクトの利用料金を決定する。決定部14は、オブジェクトの貢献度を基に、アバターの利用者による仮想空間の利用料金のうち、オブジェクトに対する行動に関する収益を決定してもよい。決定部14は、例えば、オブジェクトの貢献度と、アバターに対する行動を行った時間または回数を基に、アバターの利用者による仮想空間の利用料金のうち、オブジェクトに対する行動によって生じる収益を決定する。また、オブジェクトが、広告として表示されるオブジェクトである場合に、決定部14は、アバターが仮想空間に滞在している時間へのオブジェクトの貢献度を基に、広告主に請求する収益を決定してもよい。オブジェクトが広告として表示されるオブジェクトであり、かつ、アバターの利用者が仮想空間を利用したときの利用料金の少なくとも一部を、オブジェクトを出品している広告主が支払う場合に、決定部14は、例えば、オブジェクトの貢献度を基に、広告主が負担する利用料金を決定してもよい。
【0051】
出力部15は、決定部14が決定した配分を出力する。出力部15は、例えば、管理システム20に、アバターの行動によって発生する収益のオブジェクトへの配分を出力する。出力部15は、決済システムに、アバターの行動によって発生する収益のオブジェクトへの配分を出力してもよい。出力部15は、例えば、オブジェクトへの配分と、オブジェクトの識別子を関連付けて出力する。また、仮想空間内にオブジェクトが複数、配置されている場合に、決定部14は、オブジェクトそれぞれについて、決定した配分を出力してもよい。
【0052】
決定部14がアバターのオブジェクトに対する行動によって発生する収益をさらに決定する場合に、出力部15は、例えば、管理システム20に、オブジェクトに対する行動によって発生する収益を出力する。また、出力部15は、アバターを操作している利用者が用いる端末装置30に、オブジェクトに対する行動によって発生する収益を出力してもよい。オブジェクトが、広告として表示されるオブジェクトであり、オブジェクトの貢献度を基に、広告主に請求する収益が決定される場合に、出力部15は、例えば、管理システム20に、アバターの行動によって発生する収益のうち広告主が支払う収益を出力する。また、オブジェクトが広告として表示されるオブジェクトであり、アバターの利用者が仮想空間を利用したときの利用料金の少なくとも一部について、オブジェクトを出品している広告主が支払う利用料金が決定された場合に、出力部15は、管理システム20に、広告主が負担する収益を出力してもよい。また、出力部15は、広告主が用いる端末装置に、広告主が支払う収益を出力してもよい。
【0053】
出力部15は、オブジェクトの利用が有料か無料であるかの情報を出力してもよい。オブジェクトの利用が有料か無料であるかの情報は、例えば、利用者がオブジェクトに対する行動を行うかを判断する参照される。また、オブジェクトの利用が有料か無料であるかの情報は、仮想空間の利用料金の算出に用いられてもよい。出力部15は、例えば、管理システム20に、オブジェクトの利用が有料か無料であるかの情報を出力する。出力部15は、例えば、端末装置30に、オブジェクトの利用が有料か無料であるかの情報を出力してもよい。また、出力部15は、出力時点までに発生している収益の合計値を出力してもよい。出力部15は、オブジェクトに関する収益について、出力時点までに発生している収益の合計値を出力してもよい。出力部15は、例えば、管理システム20に、出力時点までに発生している収益の合計値を出力する。出力部15は、例えば、端末装置30に、端末装置30を介して操作されているアバターの行動によって発生するオブジェクトに関する収益について、出力時点までに発生している収益の合計値を出力する。
【0054】
記憶部16は、オブジェクトに対するアバターの行動によって生じる収益の配分の決定に関するデータを保存する。記憶部16は、オブジェクトに対するアバターの行動によって生じる収益ついての配分の基準を保存する。記憶部16は、例えば、オブジェクトの貢献度と、関係する主体への配分の関係を定めたデータテーブルを保存する。推定モデルを用いてアバターの会話を解析する場合に、記憶部16は、例えば、推定モデルを保存する。推定モデルは、課金システム10の外部の記憶手段に保存されてもよい。
【0055】
管理システム20は、仮想空間の表示、および仮想空間上で動作するアバターの表示を制御する。管理システム20は、例えば、端末装置30に、仮想空間の表示、および仮想空間上で動作するアバターの表示データを出力する。管理システム20は、例えば、利用者の操作に応じてアバターが動作するように、仮想空間におけるアバターの動作を制御する。管理システム20は、例えば、アバター間の会話を制御する。管理システム20は、例えば、利用者によるアバターの操作に関する入力を端末装置30から取得する。管理システム20は、例えば、利用者によるアバターの操作に関する入力を基に、アバターの動作を制御する。また、管理システム20は、例えば、課金システム10から取得する、仮想空間において発生する収益について関係する主体への配分を基に、関係する主体それぞれに発生する収益を算出する。そして、管理システム20は、関係する主体それぞれが用いる端末装置に、算出した収益を出力する。
【0056】
端末装置30は、例えば、仮想空間の利用者がアバターの操作および仮想空間の閲覧を行う端末装置である。端末装置30は、例えば、利用者の操作によって入力される、アバターの操作に関する入力を取得する。端末装置30は、例えば、管理システム20に、アバターの操作に関する入力を出力する。また、端末装置30は、例えば、管理システム20から、仮想空間と、アバターの表示データを取得する。端末装置30は、例えば、図示しない表示装置に、仮想空間に関する表示画面を出力する。
【0057】
端末装置30は、例えば、管理システム20から、仮想空間に関する収益を取得する。端末装置30は、例えば、管理システム20から、仮想空間の利用料金のうち、オブジェクトに対するアバターの行動によって生じる収益を取得する。端末装置30は、例えば、表示装置に、仮想空間に関する収益を出力する。
【0058】
オブジェクトの利用が有料か無料であるかの情報を取得した場合に、端末装置30は、例えば、表示装置に、オブジェクトの利用が有料か無料であるかの情報を出力する。アバターの行動によって発生するオブジェクトに関する収益の合計値を取得した場合に、端末装置30は、例えば、表示装置に、オブジェクトに関する収益の合計値を出力する。
【0059】
端末装置30には、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、またはウェアラブル端末を用いることができる。また、端末装置30は、ヘッドマウントディスプレイを備えてもよい。端末装置30は、上記に限られない。
【0060】
図5は、仮想空間の表示画面の例を模式的に示す図である。図5の表示画面の例は、観光地である自然公園をテーマにした仮想空間を示している。図5の表示画面の例では、左下にボールのオブジェクト、右下に釣り道具のオブジェクトが配置されている。また、図5の表示画面の例では、2体のアバターが仮想空間内に存在している。図5の表示画面の例において、ボールと、釣り道具のオブジェクトは、仮想空間を運営する主体以外の主体によって配置されている。
【0061】
図6は、図5の仮想空間の例において、オブジェクトの貢献度と、発生する収益の配分を表示する表示画面の例を示す図である。図6の表示画面の例では、左下のボールのオブジェクト、右下の釣り道具のオブジェクトそれぞれについて、「貢献度」と、「配分」が表示されている。図6の表示画面の例において、「貢献度」は、仮想空間におけるアバターの行動によって発生する収益についてのオブジェクトの貢献度を示す。また、図6の表示画面の例において、「配分」は、貢献度を基に決定される、仮想空間において発生する収益について関係する主体への配分を示す。図5の仮想空間の例では、アバターを操作する利用者は、ボールのオブジェクトよりも、釣り道具のオブジェクトに興味を持っている状態である。このため、図6の表示画面の例において、「貢献度」と「配分」は、ボールのオブジェクトよりも、釣り道具のオブジェクトの方が高くなっている。
【0062】
課金システム10の動作について説明する。図7は、課金システム10の動作フローの例を示す図である。
【0063】
取得部11は、例えば、仮想空間で活動しているアバターに関するデータを取得する(ステップS11)。取得部11は、例えば、仮想空間を管理する管理システム20から仮想空間で活動しているアバターに関するデータを取得する。
【0064】
アバターに関するデータが取得されると、検出部12は、アバターに関するデータから、仮想空間におけるオブジェクトに対するアバターの行動を検出する(ステップS12)。
【0065】
オブジェクトに対するアバターの行動が検出されると、推定部13は、アバターの行動の検出結果を基に、仮想空間においてアバターの行動によって発生する収益について、オブジェクトの貢献度を推定する(ステップS13)。
【0066】
オブジェクトの貢献度が推定されると、決定部14は、推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について関係する主体への配分を決定する(ステップS14)。
【0067】
配分が決定されたときに、アバターが行動を行っているオブジェクトのうち、アバターの行動の検出を行っていないオブジェクトが他になく(ステップS15でNo)、行動の検出を行っていないアバターも他に存在しない場合に(ステップS16でNo)、出力部15は、決定した配分を出力する(ステップS17)。
【0068】
ステップS15において、アバターが行動を行っているオブジェクトのうち、アバターの行動の検出を行っていないオブジェクトが他にある場合に(ステップS15でYes)、ステップS12に戻り、検出部12による、検出を行っていないオブジェクトに対するアバターの行動を検出する処理から繰り返される。
【0069】
また、ステップS16において、検出を行っていないアバターが他に存在する場合に(ステップS16でYes)、ステップS12に戻り、検出部12による、検出を行っていないアバターのオブジェクトに対する行動を検出する処理から繰り返される。
【0070】
課金システム10は、仮想空間において、アバターの行動によって発生する収益に対するオブジェクトの貢献度を推定する。そして、課金システム10は、推定したオブジェクトの貢献度を基に、仮想空間において発生する収益について関係する主体への配分を決定する。このため、例えば、オブジェクトが配置されていることが仮想空間の利用に大きく寄与している場合に、オブジェクトを配置した主体に対して、収益の配分を大きくすることができる。
【0071】
例えば、オブジェクトに対する収益の配分を固定した値にすると、仮想空間よりもオブジェクトに魅力がある場合に、オブジェクトに対する収益の配分が仮想空間の利用への貢献度に見合わない値になり得る。一方で、本実施形態の課金システム10では、アバターのオブジェクトに対する行動に応じて、オブジェクトに対する行動への配分を決定することで、収益の配分の公平性が向上し得る。例えば、発生する収益が仮想空間の利用料金である場合に、課金システム10は、アバターのオブジェクトに対する行動に応じて、利用料金のうち、オブジェクトに対する行動への配分を決定することができる。決定されたオブジェクトへの配分は、例えば、オブジェクトを配置した主体に支払う収益の算出に用いられる。アバターのオブジェクトに対する行動に応じて、利用料金から得られる収益のうち、オブジェクトに対する行動への配分を決定することで、オブジェクトを配置した主体に、適切に収益を配分することができる。
【0072】
また、例えば、発生する収益が、広告として配置されているオブジェクトの広告料金である場合に、課金システム10は、アバターの行動におけるオブジェクトの貢献度を広告の効果として、アバターの行動に応じて広告主が支払う料金の配分を決定することができる。アバターのオブジェクトに対する行動に応じて、広告主が支払う料金の配分を決定することで、例えば、オブジェクトを広告として配置した主体に、広告の費用を適切に請求することができる。このように、オブジェクトに対するアバターの行動を検出し、アバターの行動によって発生する収益の配分を決定することで、アバターの行動によって発生するオブジェクトに関する収益の配分を、アバターの行動に応じて適切に設定することができる。このため、課金システム10を用いることで、アバターの行動によって発生するオブジェクトに関する収益の配分を適切に行うことができる。
【0073】
課金システム10における各処理は、ネットワークを介して接続されている複数の情報処理装置において分散されて実行されてもよい。例えば、また、検出部12および推定部13における処理と、決定部14の処理は、別の情報処理装置において行われてもよい。また、検出部12における処理と、推定部13および決定部14の処理は、別の情報処理装置において行われてもよい。課金システム10における各処理を、複数の情報処理装置のうちいずれにおいて行うかは、適宜、設定され得る。
【0074】
課金システム10における各処理は、コンピュータプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。図8は、課金システム10における各処理を行うコンピュータプログラムを実行するコンピュータ100の構成の例を示したものである。コンピュータ100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103と、入出力I/F(Interface)104と、通信I/F105を備える。
【0075】
CPU101は、記憶装置103から各処理を行うコンピュータプログラムを読み出して実行する。CPU101は、複数のCPUの組み合わせによって構成されていてもよい。また、CPU101は、CPUと他の種類のプロセッサの組み合わせによって構成されていてもよい。例えば、CPU101は、CPUとGPU(Graphics Processing Unit)の組み合わせによって構成されていてもよい。メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等によって構成され、CPU101が実行するコンピュータプログラムや処理中のデータが一時記憶される。記憶装置103は、CPU101が実行するコンピュータプログラムを記憶している。記憶装置103は、例えば、不揮発性の半導体記憶装置によって構成されている。記憶装置103には、ハードディスクドライブ等の他の記憶装置が用いられてもよい。入出力I/F104は、作業者からの入力の受付および表示データ等の出力を行うインタフェースである。通信I/F105は、他の情報処理装置との間でデータの送受信を行うインタフェースである。また、管理システム20および端末装置30も、コンピュータ100と同様の構成としてもよい。
【0076】
各処理の実行に用いられるコンピュータプログラムは、データを非一時的に記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することもできる。記録媒体としては、例えば、データ記録用磁気テープや、ハードディスクなどの磁気ディスクを用いることができる。また、記録媒体としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の光ディスクを用いることもできる。不揮発性の半導体記憶装置を記録媒体として用いてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 課金システム
11 取得部
12 検出部
13 推定部
14 決定部
15 出力部
16 記憶部
20 管理システム
30 端末装置
100 コンピュータ
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
104 入出力I/F
105 通信I/F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8