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  • 特開-排水装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091068
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】排水装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/242 20060101AFI20240627BHJP
   E03C 1/22 20060101ALI20240627BHJP
   E03C 1/24 20060101ALI20240627BHJP
   A47K 1/14 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
E03C1/242
E03C1/22 B
E03C1/24 C
A47K1/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207374
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128923
【弁理士】
【氏名又は名称】納谷 洋弘
(74)【代理人】
【識別番号】100128912
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100180297
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 裕子
(72)【発明者】
【氏名】中島 一彰
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA02
2D061DB10
2D061DC02
2D061DC05
2D061DE11
(57)【要約】
【課題】ボウル部にオーバーフロー孔が形成された洗面器が有する種々の問題を解決することが可能な排水装置を提供する。
【解決手段】本開示の排水装置1は、排水管120に連通する排水口112に取り付けられる排水部材10と、排水部材10に対して移動することが可能な弁40と、を含む。排水部材10は、外部と排水管120とを連通させる開口部22を有する。弁40は、開口部22を閉じる方向と開く方向とに移動可能に構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水管に連通する排水口に取り付けられる排水部材と、
前記排水部材に対して移動することが可能な弁と、
を含み、
前記排水部材は、外部と前記排水管とを連通させる開口部を有し、
前記弁は、前記開口部を閉じる方向と開く方向とに移動可能に構成されている、
排水装置。
【請求項2】
前記弁に対して、前記開口部を閉じる方向に向けて力を作用する力作用手段をさらに含む、
請求項1に記載の排水装置。
【請求項3】
前記弁に対して、前記開口部を閉じる方向に向けて作用する力の大きさを変更することができるように構成されている、
請求項2に記載の排水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、オーバーフロー孔が形成されたボウル部と、オーバーフロー孔に連通するオーバーフロー流路が形成されたオーバーフロー部と、を備える洗面器が開示されている。オーバーフロー部は、ボウル部の後方に膨らむように、ボウル部に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-089263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボウル部にオーバーフロー孔が形成された洗面器は、衛生面の問題、美観性の問題、製造工程上の問題等、種々の問題をかかえている。衛生面の問題は、例えば、オーバーフロー孔から害虫が侵入することによるものである。美観性の問題は、例えば、オーバーフロー部がボウル部の後方において膨らむことによるものである。製造工程上の問題は、オーバーフロー流路のように空洞を有するボウルは排泥製法で製作されることが一般的であるが、排泥製法は工程数が多く、洗面器の重量も大きいことによるものである。また、オーバーフローの機能がない洗面器がすでに設置されている場合、オーバーフローの機能を有する洗面器に変更しようとすると、洗面器の取り替えを要するといった問題もある。
【0005】
本開示は、上述の種々の問題を解決することが可能な排水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る排水装置は、排水管に連通する排水口に取り付けられる排水部材と、排水部材に対して移動することが可能な弁と、を含む。排水部材は、外部と排水管とを連通させる開口部を有する。弁は、開口部を閉じる方向と開く方向とに移動可能に構成されている。
【0007】
上記排水装置によると、排水口に排水装置を取り付けた状態で吐水された場合、開口部を閉じる位置に弁があると水を溜めることができ、開口部を開く位置に弁があると排水することができる。このような排水装置を用いると、例えば洗面器のボウル部等の槽から水が溢れ出すことを抑制でき、オーバーフロー孔が不要となり、上述の種々の問題を解決することが可能となる。また、オーバーフローの機能を有しない既設の槽であっても、上記の排水装置を排水口に取り付けるだけで、オーバーフロー機能を持たせつつ槽に水を溜めることが可能となる。
【0008】
上記弁に対して、開口部を閉じる方向に向けて力を作用する力作用手段をさらに含んでもよい。弁に対して作用する水圧は、槽に溜まった水の水位に応じて変化する。排水口を閉栓した状態で吐水が開始された当初は、開口部を閉じる位置に弁があるため、槽に水が溜まりやすい。槽に水が溜まり、弁に対して力作用手段が作用する力の圧力よりも、弁に対して作用する水圧の方が大きくなると、開口部を開く方向に弁が移動する。開口部を開く方向に弁が移動すると、槽に溜まっている水の一部が開口部を通って排水管に排水され、槽から水が溢れ出すことを抑制できる。
【0009】
弁に対して、開口部を閉じる方向に向けて作用する力の大きさを変更することができるように構成されていてもよい。弁に対して、開口部を閉じる方向に向けて作用する力の大きさを変更することで、槽に溜めることができる水の量を変更することができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、上述の種々の問題を解決することが可能な排水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の洗面器の周辺を示す概略図である。
図2】本開示の排水装置の一例を示す分解斜視図である。
図3】本開示の排水装置が排水口に取り付けられたときの一例を示す縦断面図であって、(A)弁が第1位置に配置されている態様を示す図、(B)弁が第2位置に配置されている態様を示す図、である。
図4】変形例の排水装置が排水口に取り付けられたときの一例を示す縦断面図であって、(A)弁が第1位置に配置されている態様を示す図、(B)弁が第2位置に配置されている態様を示す図、である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下で参照する図1図4において、同一の部材には、同じ符号が付されている。なお、この明細書において、上方向は図面上の上方向、下方向は図面上の下方向を意味する。
【0013】
図1は、本開示の洗面器100の周辺を示す概略図である。洗面器100は、槽の一例である洗面ボウル110と、本開示の排水装置1とを含む。洗面ボウル110は、底部に排水口112を有する。吐水ハンドル130が操作されると、吐水管132から水が吐水される。従来、洗面ボウル110に水を溜める場合、例えばゴム栓を排水口112に取り付けていた。本開示の洗面器100では、ゴム栓に代えて排水装置1が排水口112に取り付けられる。排水装置1を排水口112に取り付けた状態で吐水されると、吐水された水を、洗面ボウル110に溜めることができる。排水装置1を排水口112から取り外した状態で吐水されると、吐水された水は、排水口112から排水される。
【0014】
先ず、図2を参照して、本開示の排水装置1に含まれる各種部材の形状等について説明する。図2は、本開示の排水装置1の一例を示す分解斜視図である。
【0015】
排水装置1は、少なくとも、排水部材10と、弁40と、本体部50と、コイルバネ60と、を含む。排水部材10、弁40、及び本体部50はいずれも合成樹脂で構成されているが、これに限定されない。排水部材10、弁40、及び本体部50の全部又は一部が金属製、天然樹脂製、木材製、又はゴム製であってもよい。
【0016】
排水部材10は、排水口112を閉じる機能を有する円形状の蓋部20と、蓋部20の下面から下方に向けて立設された円筒部26と、円筒部26の下面から下方に向けて立設された直棒状の軸部30とを有する。蓋部20と円筒部26と軸部30とは一体構成されている。
【0017】
蓋部20は、円形状の外周縁部21よりも径方向内側に、外部と排水管120(後述の図3参照)とを連通させる開口部22を有する。外部は、排水口112に対して排水管120と反対側の領域である。洗面ボウル110のうち水を溜めることができる部位と排水管120とが、開口部22によって連通される。蓋部20は、開口部22に対して径方向外側の部位が、支持部24を介して、開口部22に対して径方向内側の部位に支持されている。
【0018】
軸部30は、円筒部26側とは反対側の部位、すなわち下方の部位に、例えば雄ねじ部32を有する。本実施形態において、蓋部20と円筒部26と軸部30とは同心である。
【0019】
弁40は、開口部22に対して進退可能に構成されている。より詳しくは、弁40は、開口部22を閉じる第1位置と、開口部22を開く第2位置との間を移動可能である。弁40は、第1位置に配置されているとき、支持部24を回避することができるように切欠部42が形成されている。
【0020】
本体部50は、円筒状の筒状部52と、筒状部52の下端に設けられた円板状の底部54とを有する。筒状部52と底部54とは一体構成されている。底部54は、軸部30が貫通する貫通孔55(後述の図3参照)を有する。この貫通孔55は、軸部30が有する雄ねじ部32と螺合する雌ねじ部56(後述の図3参照)を有する。
【0021】
また、詳細は後述するが、排水部材10は、洗面ボウル110に溜めることができる水の量を変更する機能を有する。洗面ボウル110に溜めることができる水の量を変更する機能は、雄ねじ部32及び雌ねじ部56(後述の図3参照)によって実現できる。
【0022】
コイルバネ60は、筒状部52に外挿される。コイルバネ60の外径は、弁40の下端部44の外径よりも小さく、本体部50の底部54の外径よりも小さい。
【0023】
弁40は、コイルバネ60の上方に配置される。軸部30は、コイルバネ60が筒状部52に外挿された状態で雄ねじ部32と雌ねじ部56(後述の図3参照)とを螺合させて、本体部50に取り付けられる。コイルバネ60は、筒状部52に外挿された状態で、弁40の下端部44と本体部50の底部54とによって上下方向に挟まれて配置される。このとき、コイルバネ60は、弁40の下端部44と当接し、弁40に対して上方向に付勢する。弁40は、コイルバネ60によって付勢されることにより、開口部22を閉じるように配置される。
【0024】
次に、図3を参照して、本開示の排水装置1の作用について説明する。図3は、排水装置1が洗面ボウル110の排水口112に取り付けられたときの一例を示す縦断面図であって、(A)弁40が第1位置に配置されている態様を示す図、(B)弁40が第2位置に配置されている態様を示す図、である。
【0025】
洗面ボウル110は、排水口112が排水管120と連通するように配置される。排水装置1が洗面ボウル110の排水口112に取り付けられた状態において、弁40は、第1位置と第2位置との間を移動可能である。弁40が第1位置に配置されているとき、弁40の上面と、蓋部20の上面とが実質的に面一となり、開口部22が閉じられる(図3(A)参照)。弁40が第2位置に配置されているとき、開口部22が開かれる(図3(B)参照)。
【0026】
排水装置1が洗面ボウル110の排水口112に取り付けられた状態において、弁40に対してコイルバネ60によって上方向に付勢力が作用するため、洗面ボウル110に水が溜められていなければ、弁40は第1位置に配置される。弁40が第1位置に配置された状態で吐水されると、排水口112が閉じられているため、吐水された水が洗面ボウル110に溜まる。弁40が第1位置に配置されているとき、蓋部20と弁40との間を通って排水管120に排水される水の量は、設置場所における吐水量(例えば最大吐水量)よりも小さい。
【0027】
洗面ボウル110に水が溜まると、弁40に対して下方向に向けた水圧が作用する。弁40に対して下方向に向けて作用する水圧は、洗面ボウル110に溜まった水の水位に応じて大きくなる。弁40に対して下方向に向けて作用する水圧が、弁40に対して上方向に向けて作用する付勢力の圧力よりも大きくなると、弁40が下方向に向けて移動する。
【0028】
弁40が下方向に向けて移動すると、開口部22が開かれる(図3(B)参照)。開口部22が開かれると、洗面ボウル110に溜まっている水の一部が、開口部22を通って排水管120に排水される。よって、洗面ボウル110から水が溢れ出すことを抑制できる。弁40は上述の通り第1位置と第2位置との間を移動可能であるが、第1位置と第2位置との間において、開口部22を通って排水管120に排水される水の量は、弁40が第2位置に配置されているときが最も多い。
【0029】
ところで、雄ねじ部32(図2参照)及び雌ねじ部56は、洗面ボウル110に溜めることができる水の量を変更する機能を有する旨を上述したが、これについて詳述する。
【0030】
排水部材10を例えば時計回りに回転させると、雄ねじ部32と雌ねじ部56とが螺合しているため、排水部材10は、本体部50に対して相対的に下方向に移動する。排水部材10が本体部50に対して相対的に下方向に移動すると、弁40は、支持部24(図2参照)を介して、排水部材10とともに、本体部50に対して相対的に下方向に移動する。弁40が本体部50に対して相対的に下方向に移動すると、弁40に対して作用するコイルバネ60の付勢力が大きくなる。
【0031】
一方、排水部材10を例えば反時計回りに回転させると、排水部材10は、本体部50に対して相対的に上方向に移動する。排水部材10が本体部50に対して相対的に上方向に移動すると、弁40は、本体部50に対して相対的に上方向に移動する。弁40が本体部50に対して相対的に上方向に移動すると、弁40に対して作用するコイルバネ60の付勢力が小さくなる。
【0032】
洗面ボウル110に溜めることができる水の水位は、弁40に対して上方向に作用するコイルバネ60からの付勢力に応じて変化する。すなわち、排水部材10を時計回り又は反時計回りに回転させることにより、洗面ボウル110に溜めることができる水の量を変更することができる。
【0033】
なお、排水部材10を時計回り又は反時計回りに回転させて、排水部材10を本体部50に対して相対的に上下方向に移動させることができるのは、蓋部20と円筒部26と軸部30とが同心だからである。ただし、洗面ボウル110に溜めることができる水の量を変更することができる機能を必要としない場合、蓋部20と円筒部26と軸部30とが同心であることは必須でない。
【0034】
弁40が第2位置に配置されているときに開口部22を通って排水管120に排水される水の量は、設置場所に応じて異なるが、吐水管132から吐水される水の量と同じであるか、吐水管132から吐水される水の量よりも少ないことが好ましい。吐水管132から吐水される水の量は、最大吐水量とすることもできるし、所定の設計基準に基づく吐水量とすることもできる。
【0035】
本開示の排水装置1によると、弁40が第1位置に配置されると、開口部22が閉じられ、吐水された水を洗面ボウル110に溜めることができる。また、弁40が第1位置よりも下方向に配置されると、開口部22が開かれ、吐水された水が開口部22を通って排水管120に排水される。そのため、洗面ボウル110にオーバーフロー孔が設けられていなくとも、洗面ボウル110から水が溢れ出てしまうことを抑制できる。
【0036】
ところで、洗面ボウルにオーバーフロー孔を有する場合、オーバーフロー孔から害虫が侵入するおそれがあり、衛生面において改善の余地がある。また、オーバーフロー孔を有する洗面ボウルは、オーバーフロー孔から浸入した水の流路を確保するために後方が膨らみ、美観に乏しい。特に、ベッセルタイプの場合、美観が要求されるため、洗面ボウルの後方が膨らみ、改善の余地がある。また、オーバーフロー孔を有する洗面ボウルは排泥製法で製作されることが一般的であるが、排泥製法は工程数が多く、洗面器の重量も大きいため製造に困難を伴う。本開示の排水装置1を洗面ボウルの排水口に取り付けると、洗面ボウルがオーバーフロー孔を有する必要がないため、洗面ボウルにオーバーフロー孔を有する洗面器がかかえる種々の問題が解決される。上述のとおり、排水装置1は、洗面ボウル110の排水口112への取り付けと取り外しとが容易にできるため、メンテナンス性にも優れ、清潔を保つことができる。特に、洗面ボウルがオーバーフロー孔を有していなければ洗面ボウルの後方が膨らむことがないため、ベッセルタイプであっても美観を損なわない。
【0037】
また、例えばオーバーフローの機能がない洗面器がすでに設置されている場合、オーバーフローの機能を有する洗面器に変更しようとすると、洗面器の取り替えを要する。この点、本開示の排水装置1は、排水口112に取り付けるだけの簡単な構成であり、既設の洗面器に取り付けられている例えばゴム栓に代えて容易に用いることができる。よって、オーバーフローの機能がない洗面器であっても、洗面器を取り替えることなく本開示の排水装置1を排水口に取り付けるだけで、オーバーフローの機能を持たせつつ洗面ボウル110に水を溜めることが可能となる。
【0038】
本開示の排水装置1では、弁40に対して上方向に向けてコイルバネ60により付勢するといった簡単な構成で、オーバーフロー機能を持たせつつ洗面ボウル110に水を溜めることができる。ただし、弁40に対して上方向に向けて力を作用する手段はコイルバネ60に限定されず、弁40を、第1位置と第2位置との間を移動させることができるように構成されていればよい。例えば、弁40を第1位置に配置することができるように、弁40に対して上方向に向けた力を作用する力作用手段を設けた場合であっても、本開示の排水装置1と同様の作用効果を奏することができる。具体例として、弁40を上下方向に向けて移動させることが可能な機構と、弁40に対して下方向に向けて作用する水圧を検出する圧力センサと、制御部とを備えてもよい。この制御部は、圧力センサにより検知された水圧に応じて、弁40を第1位置と第2位置との間で移動させる制御を行うとよいが、このような具体例は一例にすぎない。
【0039】
ところで、本実施形態では、弁40が第1位置に配置されているとき、蓋部20の上面と弁40の上面とが実質的に面一となる旨を説明したが、第1位置はこれに限定されない。例えば、図4に示されるように、蓋部20に対して下方から弁40Aが当接する位置を第1位置としてもよい。
【0040】
(変形例)
図4は、変形例の排水装置1Aが洗面ボウル110の排水口112に取り付けられたときの一例を示す縦断面図であって、(A)弁40Aが第1位置に配置されている態様を示す図、(B)弁40Aが第2位置に配置されている態様を示す図、である。なお、変形例の排水装置1Aにおいて、第2位置は、排水装置1と同様、開口部22を開く位置である。
【0041】
以下に説明する変形例において、上述の排水装置1が備える各種構成と共通する構成については極力説明を省略し、上述の排水装置1が備える各種構成と異なる構成を主として説明する。
【0042】
図4に示されるように、弁40Aが第1位置に配置されると、開口部22が閉じられる(図4(A)参照)。弁40Aが第1位置に配置された状態で吐水されると、排水口112が閉じられているため、吐水された水が洗面ボウル110に溜まる。
【0043】
洗面ボウル110に水が溜まると、弁40Aに対して下方向に向けた水圧が作用する。弁40Aに対して下方向に向けて作用する水圧が、弁40Aに対して上方向に向けて作用する付勢力の圧力よりも大きくなると、弁40Aが下方向に向けて移動する。
【0044】
弁40Aが下方向に向けて移動すると開口部22が開かれ(図4(B)参照)、洗面ボウル110に溜まっている水が開口部22を通って排水管120に排水される。
【0045】
このように、図4に示される変形例の排水装置1Aであっても、上述の排水装置1と同様の作用効果を奏することができる。
【0046】
なお、本開示の排水装置1,1Aの取り付け箇所は、洗面ボウル110の排水口112に限定されず、水を溜めることができる槽が有する排水口等に取り付けることができる。例えば、浴槽の排水口、台所のシンクの排水口、及びトイレの水槽に設けられた排水口等に、本開示の排水装置1,1Aを取り付けることもできる。このような場合であっても、洗面ボウル110に本開示の排水装置1,1Aが取り付けられた場合と同様の作用効果を奏すると考えられる。
【0047】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であり、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の基本的な範囲は、上記の実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0048】
1,1A 排水装置
10 排水部材
24 開口部
40,40A 弁
60 コイルバネ
112 排水口
120 排水管
図1
図2
図3
図4