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  • 特開-リズム信号出力装置 図1
  • 特開-リズム信号出力装置 図2
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  • 特開-リズム信号出力装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091087
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】リズム信号出力装置
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/40 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
G10H1/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207485
(22)【出願日】2022-12-23
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517281299
【氏名又は名称】株式会社明和電機
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】土佐 信道
【テーマコード(参考)】
5D478
【Fターム(参考)】
5D478EA51
(57)【要約】
【課題】
トレーニングを積んでいない人であっても、気軽にどこでも一定のリズムを刻むことができるリズム信号出力装置を提供すること。
【解決手段】
本発明に係るリズム信号出力装置は、支持体と、一端が支持体に固定され他端が支持体より外側まで延び、支持体に接近する方向と、支持体から離れる方向に振動可能な弾性体と、弾性体の他端に設けられたウェイトと、弾性体及び/又は支持体に設けられ、弾性体の振動に応じて弾性体によりONOFFされるスイッチと、前記スイッチに接続された出力回路とを備え、前記弾性体の振動によって前記スイッチをON/OFFすることにより、前記弾性体及び前記ウェイトによって調整された固有振動数に応じたリズム信号を出力するようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
一端が支持体に固定され他端が支持体より外側まで延び、支持体に接近する方向と、支持体から離れる方向に振動可能な弾性体と、
弾性体の他端に設けられたウェイトと、
弾性体及び/又は支持体に設けられ、弾性体の振動に応じて弾性体によりONOFFされるスイッチと、
前記スイッチに接続された出力回路と
を備え、
前記弾性体の振動によって前記スイッチをON/OFFすることにより、前記弾性体及び前記ウェイトによって調整された固有振動数に応じたリズム信号を出力するようにした
ことを特徴とするリズム信号出力装置。
【請求項2】
前記スイッチが、
出力回路に接続された二つの端子から成り、
一方の端子が弾性体に固定され、
他方の端子が二つの接点から成り、一方の接点が支持体に固定され、他方の接点が弾性体に固定され、弾性体の振動に応じて前記二つの接点が接触及び離間し、
二つの接点が接触した時に、前記弾性体が出力回路の一部を構成してスイッチをONにする
ように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のリズム信号出力装置。
【請求項3】
前記スイッチが、
出力回路に接続された二つの端子から成り、
一方の端子が支持体に固定され、
他方の端子が二つの接点から成り、一方の接点が支持体に固定され、他方の接点が弾性体に固定され、弾性体の振動に応じて前記二つの接点が接触及び離間し、
二つの接点が接触した時に、支持体が出力回路の一部を構成してスイッチをONにする
ように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のリズム信号出力装置。
【請求項4】
前記スイッチがスナップアクション機構を備えたマイクロスイッチから成り、
該マイクロスイッチが、弾性体の振動によってON/OFFされるように支持体又は弾性体に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のリズム信号出力装置。
【請求項5】
前記出力回路が、リズム信号に基づいて音声、画像、光及び/又は動作を出力するプログラムを備えた出力装置に有線又は無線により接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のリズム信号出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定のリズムで信号を出力することができるリズム信号出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、リズムを刻む楽器としては、ドラム、タンバリン、カスタネット等の様々な打楽器がある。
しかし、これら打楽器を用いて一定のリズムを刻むためには相当なトレーニングによる熟練度が必要であり、熟練度が低い人の場合にはどうしてもリズムが崩れてしまうという問題がある。
これを解決するために、予めリズムと出力音を設定して自動的にスピーカからリズム音を出力するリズムマシン、リズムボックス、ドラムマシン等と称されるリズム電子楽器が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したリズム電子楽器によれば、トレーニングを積んでいない熟練度が低い人でも一定のリズムを刻むことができる。
しかし、リズム電子楽器の場合、リズムを刻むのは人ではなく電子楽器であり、音楽を演奏する楽しさを感じることができない。また、カラオケボックスやコンサート等で一定のリズムで手拍子をする等の即興的にリズムを刻みたい場面では当然使用することができない。
発明者等は、上記した従来の問題点に鑑みて、トレーニングを積んでいない人であっても、気軽にどこでも一定のリズムを刻むことができるリズム信号出力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記した目的を達成するために本発明に係るリズム信号出力装置は、支持体と、一端が支持体に固定され他端が支持体より外側まで延び、支持体に接近する方向と、支持体から離れる方向に振動可能な弾性体と、弾性体の他端に設けられたウェイトと、弾性体及び/又は支持体に設けられ、弾性体の振動に応じて弾性体によりONOFFされるスイッチと、前記スイッチに接続された出力回路とを備え、前記弾性体の振動によって前記スイッチをON/OFFすることにより、前記弾性体及び前記ウェイトによって調整された固有振動数に応じたリズム信号を出力するようにしたことを特徴とする。
前記スイッチは、出力回路に接続された二つの端子で構成され得、一方の端子を弾性体に固定し、他方の端子を二つの接点で構成し、一方の接点を支持体に固定し、他方の接点を弾性体に固定し、弾性体の振動に応じて前記二つの接点が接触及び離間し、二つの接点が接触した時に、前記弾性体が出力回路の一部を構成してスイッチをONにするように構成され得る。
また、前記スイッチは、出力回路に接続された二つの端子で構成され得、一方の端子を支持体に固定し、他方の端子を二つの接点で構成し、一方の接点を支持体に固定し、他方の接点を弾性体に固定し、弾性体の振動に応じて前記二つの接点が接触及び離間し、二つの接点が接触した時に、支持体が出力回路の一部を構成してスイッチをONにするように構成してもよい。
さらにまた、前記スイッチを、スナップアクション機構を備えたマイクロスイッチで構成し、該マイクロスイッチを、弾性体の振動によってON/OFFされるように支持体又は弾性体に設けてもよい。
好ましくは、前記出力回路は、リズム信号に基づいて音声、画像、光及び/又は動作を出力するプログラムを備えた出力装置に有線又は無線により接続され得る。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るリズム信号出力装置は、支持体と、一端が支持体に固定され他端が支持体より外側まで延び、支持体に接近する方向と、支持体から離れる方向に振動可能な弾性体と、弾性体の他端に設けられたウェイトと、弾性体及び/又は支持体に設けられ、弾性体の振動に応じて弾性体によりONOFFされるスイッチと、前記スイッチに接続された出力回路とを備え、前記弾性体の振動によって前記スイッチをON/OFFすることにより、前記弾性体及び前記ウェイトによって調整された固有振動数に応じたリズム信号を出力するように構成されているので、使用者が支持体を手に持って振るだけで、弾性体が所定の振動数で振動して一定のリズムでスイッチをON/OFFし、出力回路から一定のリズムのリズム信号を出力することが可能になる。
これにより、出力回路を有線又は無線で、リズム信号に基づいて音声、画像、光及び/又は動作を出力するプログラムを備えた任意の出力装置に接続することで、例えば、前記プログラムがドラム音等の楽器の音を出力するプログラムである場合には、熟練者でなくても一定のリズムでドラム音等を出力することが可能になるので、音楽の演奏を楽しむことができ、また、前記プログラムがリズム信号に応じて画像を動かすプログラムである場合には、画像を動かしながらリズムの取り方を練習したり、また、玩具としても利用することが可能になり、また、前記プログラムが、リズム信号を入力信号としたゲームプログラムの場合には、一定のリズムを刻む練習をしていない使用者であってもゲームを楽しむことができ、さらに、前記プログラムが、リズム信号に応じてライトを点滅させるプログラムの場合には、近年、声を出すことができないコンサート会場等で声援の代わりに一定のリズムでスマートフォン等のライトを点滅させる等に利用することができる。
さらにまた、前記プログラムが、リズム信号に応じて人形の腕、足又は頭を動かすことができるプログラムの場合には、使用者の操作によって人形を躍らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係るリズム信号出力装置の第一実施例の概略図である。
図2図1に示したリズム信号出力装置の弾性体の振動状態を示す図である。
図3図1に示したリズム信号出力装置の弾性体の振動状態を示す図である。
図4】本発明に係るリズム信号出力装置の第二実施例の概略図である。
図5】本発明に係るリズム信号出力装置の第三実施例の概略図である。
図6】本発明に係るリズム信号出力装置の第四実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面に示した幾つかの実施例を参照して本発明に係るリズム信号出力装置の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係るリズム信号出力装置の一実施例の概略図である。
図中、符号1はリズム信号出力装置全体を示している。図1に示したリズム信号出力装置1は、支持体2及び弾性体3を備えている。
前記弾性体3は、振動可能な板バネ状の形態であり、その一端が支持体2に固定され、多端が支持体2より外側(図示実施例では上方)まで延びている。
弾性体3の他端にはウェイト4が設けられており、該ウェイト4によって弾性体3の固有振動数は、所定の固有振動数に調整されている。弾性体3の振動数は、弾性体3の長さ、弾性体の弾性力、及びウェイト4の重さによって調整され、好ましくは、BPM(Beat per minute)120~160となるように調整されている。
上記したように構成された支持体2及び弾性体3には、第一端子5及び第二端子6から成るスイッチが設けられており、前記第二端子6は、第一接点6a及び第二接点6bから成る。第一端子5及び第二端子6の第一接点6aは支持体2に固定されており、前記弾性体3における前記第二端子6の第一接点6aに対応する位置には第二接点6bが固定されている。
前記第一端子5及び第二端子6の第二接点6bは出力回路7に接続されており、前記支持体2における少なくとも第一端子5と第二端子6の第一接点6aとの間は導電体で形成されている。
上記した構成によれば、図2及び図3に示すように、弾性体3の振動により、弾性体3が支持体2に接近する方向に動いた時に第一接点6a及び第二接点6bが接触してスイッチがONになり、支持体2が出力回路7の一部を構成して出力回路7がONになり(図2参照)、弾性体3が支持体2から離れる方向に動くことで第一接点6a及び第二接点6bが離れてスイッチがOFFになり出力回路7もOFFになる。
上記したように、弾性体3は、ウェイト4によって、その固有振動数が所定の振動数に調整されているため、使用者が支持体2を手に持ってリズム信号出力装置1を振ることで、弾性体3が所定の振動数で振動して一定のリズムでスイッチを介して出力回路7がON/OFFを繰り返すことになる。
出力回路7は、有線又は無線(図1図3の実施例では無線、例えば、Wifi又はBluetooth)によって、任意の出力装置8に接続されており、出力装置8に一定のリズム信号を出力する。
前記支持体2及び出力回路7、並びに必要に応じて弾性体3の一部は、好ましくは、ハウジング9に収容され得る。
【0008】
出力装置8は、前記リズム信号に応じて、音声、画像、光又は動作の形態で出力を行う。
具体的には、例えば、出力装置8がスマートフォンで構成されている場合、スマートフォンに、リズム信号に応じて、ドラム音等を出力するプログラムが設けられ得る。このように構成することで、熟練者でなくても一定のリズムでドラム音等を出力することが可能になるので、音楽の演奏を楽しむことができる。
また、出力装置8がスマートフォンで構成されている場合、スマートフォンに、リズム信号に応じて画像を動かすプログラムを設けることもできる。このように構成することで、画像を動かしながらリズムの取り方を練習したり、また、玩具としても利用することができる。
さらにまた、出力装置8がスマートフォンで構成されている場合、スマートフォンに、リズム信号を入力信号としたゲームプログラムを設けることもできる。
さらに、出力装置8がスマートフォンで構成されている場合、スマートフォンに、リズム信号に応じてライトを点滅させるプログラムを設けることもできる。このように構成することで、例えば、近年、声を出すことができないコンサート会場等で声援の代わりに一定のリズムでスマートフォンのライトを点滅させる等に利用することが可能になる。
出力装置8は、スマートフォンに限定されることなく、入力信号に基づいて動作可能なプログラムを実行できる装置であれば、任意の装置でよく、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット、又は専用に設計された装置であってもよい。専用に設計された装置としては、具体的には、例えば、リズム信号に応じて腕、足、又は頭が可動して踊り出す人形等があり得る。
【0009】
図4は、本発明に係るリズム信号出力装置の第二実施例を示している。
第一実施例と同じ構成要件には、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
この第二実施例では、出力回路7が、スイッチを構成する第一端子5及び第二端子6の第一接点6aに接続され、弾性体3における少なくとも第一端子5及び第二端子6の第二接点6bとの間が導電体で形成されており、弾性体3の振動により、弾性体3が支持体2に接近する方向に動いて第一接点6a及び第二接点6bが接触した時にスイッチがONになり、弾性体3が出力回路7の一部を構成して出力回路7がONになるよう構成されている。
【0010】
図5は、本発明に係るリズム信号出力装置の第三実施例を示している。
第一実施例と同じ構成要件には、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
この実施例では、支持体2及び弾性体3には端子及び接点は設けられてなく、代わりに、支持体2に、スナップアクション機構を備えたマイクロスイッチ10が設けられており、このマイクロスイッチ10に出力回路7が接続されている。図5の実施例において、符号11は、弾性体3を支持体2に固定するための固定部材である。
このように構成された第三実施例では、弾性体3が支持体2に接近する方向に動いた時に、弾性体3がマイクロスイッチ10を押圧してスナップアクション機構を動作させ、出力回路7をONにし、弾性体3が支持体2から離れる方向に動いた時に弾性体3がマイクロスイッチ10を開放して出力回路7をOFFにする。
【0011】
図6は、本発明に係るリズム信号出力装置の第四実施例を示している。
第一実施例と同じ構成要件には、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
この実施例では、ウェイト4'が扇状の形状で構成されており、これにより使用者が団扇として使用しながら、一定のリズムを出力することが可能になる。
【0012】
上記した実施例、特に、第一、第二及び第四実施例では、弾性体3の一端が、第一端子5を用いて支持体2に固定されているが、この構成は本実施例に限定されることなく、弾性体3を支持体2に固定する部材は、第一端子5とは別に設けてもよい。
また、上記した実施例では、弾性体3が板バネの形状で構成されているが、これは本実施例に限定されることなく、弾性体3が支持体2に対して振動可能に構成されていれば任意の構成でよく、例えば、コイルバネの形状であってもよい。
さらにまた、上記した実施例では、ウェイト4が弾性体3の上端に固定されているが、この構成は本実施例に限定されることなく、使用中にウェイト4が弾性体3に取り付けられる構成であれば任意の構成でよく、例えば、ウェイト4を弾性体3に着脱可能に設けてもよく、また、ウェイト4を重さ調整可能に構成してもよい。
【符号の説明】
【0013】
1 リズム信号出力装置
2 支持体
3 弾性体
4 ウェイト
4' ウェイト(扇形)
5 第一端子
6 第二端子
6a 第一接点
6b 第二接点
7 出力回路
8 出力装置
9 ハウジング
10 マイクロスイッチ
11 固定部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6