(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009113
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】飲料製造器ならびに飲料製造器によって産出されるおよび/または飲料調製のために飲料製造器において使用される温水量を決定するための方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/52 20060101AFI20240112BHJP
A47J 31/56 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A47J31/52
A47J31/56
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023195773
(22)【出願日】2023-11-17
(62)【分割の表示】P 2020520239の分割
【原出願日】2018-09-21
(31)【優先権主張番号】102017217953.8
(32)【優先日】2017-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】502241800
【氏名又は名称】ヴェーエムエフ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス バイス
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ シルマッハー
(72)【発明者】
【氏名】アルミン スターツ
(57)【要約】
【課題】飲料製造器の提供。
【解決手段】飲料製造器であって、水を加熱するための加熱デバイスと、冷水流入口と、第1の温水出口と、少なくとも1つの第2の温水出口と、冷水流入口を加熱デバイスに接続する冷水経路と、加熱デバイスを第1の温水出口に接続する第1の温水経路と、加熱デバイスを少なくとも1つの第2の温水出口に接続する少なくとも1つの第2の温水経路と、水を搬送するための搬送デバイスと、冷水経路内、または第1の温水経路内に配置される第1の流量計と、少なくとも1つの第2の温水経路内に配置される少なくとも1つの第2の流量計とを備える飲料製造器に関する。さらに、飲料製造器によって分注される温水量、および/または飲料調製のために飲料製造器において使用される温水量を決定する方法に関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の温かい飲料を同時に分注するための飲料製造器であって、
水を加熱するための加熱デバイス(1)と、
冷水流入口(2)と、
第1の温水出口(3)と、
少なくとも1つの第2の温水出口(4、4a、4b)と、
前記冷水流入口(2)を前記加熱デバイス(1)に接続する冷水経路(5)と、
前記加熱デバイス(1)を前記第1の温水出口(3)に接続する第1の温水経路(6)と、
前記加熱デバイス(1)を前記少なくとも1つの第2の温水出口(4、4a、4b)に接続する少なくとも1つの第2の温水経路(7、7a、7b)であって、各第2の温水出口(4、4a、4b)は、それぞれの第2の温水経路(7、7a、7b)によって前記加熱デバイス(1)に接続される、少なくとも1つの第2の温水経路(7、7a、7b)と、
水を搬送するための搬送デバイス(8)と、
前記冷水経路(5)内に配置される第1の流量計(9)と、
前記少なくとも1つの第2の温水経路(7、7a、7b)内に配置される少なくとも1つの第2の流量計(10、10a、10b)であって、それぞれの第2の流量計(10、10a、10b)は、各第2の温水経路(7、7a、7b)内に配置される、少なくとも1つの第2の流量計(10、10a、10b)とを備え,
前記飲料製造器は、
(i)第1の流量計(9)により冷水経路(5)を通って流れる水の量を測定することにより、飲料を調整するために、第1の温水出口(3)により分配された、または、第1の温水出口(3)で使用された温水の量を決定し、
(ii)少なくとも1つの第2の流量計(10,10a、10b)により少なくとも1つの温水経路(7,7a、7b)を通って流れる水量を決定し、
(iii)第1の流量計(9)により測定された冷水経路(5)を通って流れる水量と少なくとも1つの第2の流量計(10,10a、10b)により決定される少なくとも1つの温水経路(7,7a、7b)を通って流れる水量とから差を形成することにより、第1の温水経路(6)を通って流れる水量を決定するように構成され、
前記少なくとも1つの第2の温水経路(7、7a、7b)内に配置された前記少なくとも1つの第2の流量計(10、10a、10b)および各第2の温水経路(7、7a、7b)内に配置された、それぞれの第2の流量計(10、10a、10b)は、非接触流量計である飲料製造器。
【請求項2】
水を搬送するための前記搬送デバイス(8)は、前記冷水経路(5)内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の飲料製造器。
【請求項3】
前記第1の流量計(9)は、水を搬送するための前記搬送デバイス(8)の上流の、または水を搬送するための前記搬送デバイス(8)の下流の前記冷水経路(5)内に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料製造器。
【請求項4】
コーヒーを抽出するためのそれぞれの抽出ユニット(11)、または固体と水を混合するための混合ユニット(12)を前記第1の温水出口(3)にて、および/または前記少なくとも1つの第2の温水出口(4、4a、4b)にて有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料製造器。
【請求項5】
1つの第2の温水出口(4)、第2の温水経路(7)、第2の流量計(10)、または
複数の第2の温水出口(4a、4b)、複数の第2の温水経路(7a、7b)、および複数の第2の流量計(10a、10b)を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料製造器。
【請求項6】
1つまたは複数の特製コーヒー、1つまたは複数の特製茶、および/または1つまたは複数の特製飲用スープを含む複数の温かい飲料を分注するための飲料ベンディングマシンであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料製造器。
【請求項7】
飲料製造器によって分注される、および/または飲料調製のために飲料製造器において使用される温水量を決定する方法であって、前記飲料製造器は、請求項1~6のいずれか一項に記載の飲料製造器であり、
前記温水出口(3、4、4a、4b)の1つによって分注される、および/または飲料調製のために前記温水出口(3、4、4a、4b)の1つで使用される少なくとも1つの温水量が決定され、
(i)第1の流量計(9)により冷水経路(5)を通って流れる水の量を測定することにより、飲料を調整するために、第1の温水出口(3)により分配された、または、第1の温水出口(3)で使用された温水の量が決定され、
(ii)少なくとも1つの第2の流量計(10,10a、10b)により少なくとも1つの温水経路(7,7a、7b)を通って流れる水量が決定され、
(iii)第1の流量計(9)により測定された冷水経路(5)を通って流れる水量と少なくとも1つの第2の流量計(10,10a、10b)により決定される少なくとも1つの温水経路(7,7a、7b)を通って流れる水量とから差を形成することにより、第1の温水経路(6)を通って流れる水量が決定される方法。
【請求項8】
前記温水出口(3、4、4a、4b)のそれぞれの1つを通って少なくとも一部が同時に分注される、および/または飲料調製のために前記温水出口(3、4、4a、4b)のそれぞれの1つを通って少なくとも一部が同時に使用される少なくとも2つの温水量が決定されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記飲料製造器は、複数の第2の温水出口(4a、4b)と、複数の第2の温水経路(7a、7b)と、複数の第2の流量計(10a、10b)とを有し、前記第1の温水出口(3)によって分注される、または飲料調製のために前記第1の温水出口(3)で使用される温水量は、前記冷水経路(5)を通って流れる水の量が前記第1の流量計(9)によって測定され、前記第2の温水経路(7a、7b)を通って流れる前記水の量が前記第2の流量計(10a、10b)によって測定され、前記第1の温水経路(6)を通って流れる水の量が、前記第1の流量計(9)によって測定される、前記冷水経路(5)を通って流れる水の量と、前記第2の流量計(10a、10b)によって測定される、前記第2の温水経路(7a、7b)を通って流れる水の量の和とから差を形成することによって決定されるという点において決定されることを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
1の温水量だけが前記飲料製造器によって分注され、および/または飲料調製のために前記飲料製造器において使用され、前記温水量がここでは第2の温水経路(7、7a、7b)を通って流れる場合、前記流量計(9、10、10a、10b)の少なくとも1つが較正され、ここでは、前記冷水経路(5)を通って流れる水の量についての測定値が前記第1の流量計(9)によって測定され、この第2の温水経路(7、7a、7b)を通って流れる水の量についての測定値が、前記温水量が流れる前記第2の温水経路(7、7a、7b)内に配置された前記流量計(10、10a、10b)によって測定され、その後、前記2つの測定値が互いに比較されることを特徴とする請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
飲料を計量および/または分注するための請求項1~6のいずれか一項に記載の飲料製造器の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料製造器であって、水を加熱するための加熱デバイスと、冷水流入口と、第1の温水出口と、少なくとも1つの第2の温水出口と、冷水流入口を加熱デバイスに接続する冷水経路と、加熱デバイスを第1の温水出口に接続する第1の温水経路と、加熱デバイスを少なくとも1つの第2の温水出口に接続する少なくとも1つの第2の温水経路と、水を搬送するための搬送デバイスと、冷水経路内、または第1の温水経路内に配置される第1の流量計と、少なくとも1つの第2の温水経路内に配置される少なくとも1つの第2の流量計とを備える飲料製造器に関する。この点において、第2の温水出口のそれぞれは、第2の温水経路のそれぞれの1つを介して加熱デバイスに接続され、第2の流量計のそれぞれの1つは、第2の温水経路のそれぞれの中に配置される。2つ以上の温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注もしくは調製が、本発明による飲料製造器を使用して高い計量正確さで可能になる。さらに、本発明は、飲料製造器によって分注される温水量、および/または飲料調製のために飲料製造器において使用される温水量を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーを抽出するために、温かい飲料のベンディングマシンに、所定の温度および量を有する温水が必要とされる。水は、家庭給水への接続によって、または水タンクによって提供され、加熱ユニットによって必要とされる温度に加熱される。ポンプが抽出用水を抽出ユニットに搬送し、それを必要とされる圧力で、また必要とされる量で挽いたコーヒーに通して給送する。これらのコーヒーマシンは、一般に、コーヒーに加えて、ティーウォーターおよびホットチョコレートなどさらなる温かい飲料をも分注することができる。飲料のこれらの分注動作は、効率のために、可能な限り同時に行われるべきである。これは、1杯のコーヒーが抽出される間、ティーウォーターおよび/またはホットチョコレートの引出しもまた可能であるべきであることを意味する。
【0003】
コーヒーマシンでは、たとえば、ボイラ、連続流温水器、または熱交換器が温水を生成するために使用される。たとえば、ベーンポンプまたは磁気ピストンポンプが搬送および圧力生成のために使用される。
【0004】
現在の従来技術による計量には、以下の2つの実行手段が使用可能である。
変形形態1
温水または抽出用水は、時間の経過につれて計量され、ポンプは一定の搬送量を有すると仮定されている。これは、最も安価な解決策である。しかし、挽いた量、粗さ設定、またはプレスの変動は、カップ内の分注される量の著しい変動をも生み出す。
変形形態2
ここでは、流量を決定するための測定デバイスが、冷水経路内でポンプの前または後に位置する。知られている温水システム内で除去される温水の量と等しい量の冷水が、常に同時に補充されるので、前記等しい量は、使用される抽出用水量に対応する。これらの流量計は、動翼輪を有する測定デバイスを通って水が導かれる体積計である。ベーンの回転は、磁石と磁界センサによって検出され、したがって時間当たりの流量が決定される。次に、コーヒー抽出が、このために必要とされる水の量が流量計で測定されるまでずっと、実施される。計量精度は、流量計の使用によって第1の変形形態に対して改善される。2つの製品を得ることは、第2の製品のための分注には時間制御が使用されるという点において、また、この過程においてポンプ搬送力、ライン断面積、およびライン長さにより一定の流れが生じると仮定されているという点において、制限付きでのみ可能である。さらなる解決策として、2つの異なるヒータ点を使用することができ、このために、それぞれの場合において上流に、冷水領域内に流量計が配置される。したがって高精度が達成されるが、そのようなシステムにはまた、著しく多数の部品が設置される。
【0005】
温水生成器、ポンプ、および流量計を有する従来技術による飲料製造器は、たとえば、特許文献1からわかる。
【0006】
しかし、記載の従来技術は、実質的な欠点を有する。したがって、時間制御を有するヒータシステムから2つの製品を同時に得ることは可能でない。記載の流量計制御の場合、水の消費された総量だけが検出されるので、2つの製品を同時に得ることは、大きな計量変動を伴ってのみ可能である。したがって、2つ以上の温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注もしくは調製は、あるとしても、従来技術によるデバイスを使用して、しかし大きな計量変動、したがって非常に低い計量精度を受け入れてのみ可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、これより発して、本発明の目的は、2つ以上の温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注を非常に高い計量精度で可能にする飲料製造器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1の特徴による飲料製造器に関して、また、請求項8の特徴による飲料製造器によって分注される、および/または飲料調製のために飲料製造器において使用される温水量を決定する方法に関して達成される
。飲料製造器の使用の可能性は、請求項15に記載されている。この点において、それぞれの従属請求項は、有利なさらなる発展形態を表す。
【0010】
したがって、本発明による飲料製造器が記載されており、飲料製造器は、水を加熱するための加熱デバイスと、冷水流入口と、第1の温水出口と、少なくとも1つの第2の温水出口と、冷水流入口を加熱デバイスに接続する冷水経路と、加熱デバイスを第1の温水出口に接続する第1の温水経路と、加熱デバイスを少なくとも1つの第2の温水出口に接続する少なくとも1つの第2の温水経路と、水を搬送するための搬送デバイスとを備える。本発明によれば、飲料製造器は、冷水経路内、または第1の温水経路内に配置される第1の流量計と、少なくとも1つの第2の温水経路内に配置される少なくとも1つの第2の流量計とを備える。
【0011】
本発明によれば、各第2の温水出口、すなわち第2の温水出口のそれぞれは、それぞれの第2の温水経路によって、すなわち第2の温水経路のそれぞれの1つによって加熱デバイスに接続される。これは、本発明による飲料製造器が第2の温水出口および第2の温水経路を備えるとき、第2の温水出口は、第2の温水経路によって加熱デバイスに接続され、または本発明による飲料製造器が複数の第2の温水出口および複数の第2の温水経路を備えるとき、第2の温水出口のそれぞれは、第2の温水経路のそれぞれの1つによって加熱デバイスに接続されることを意味する。
【0012】
本発明によれば、それぞれの第2の流量計、すなわち第2の流量計のそれぞれの1つは、各第2の温水経路内、すなわち第2の温水経路のそれぞれの中に配置される。これは、本発明による飲料製造器が第2の温水経路および第2の流量計を備えるとき、第2の流量計は、第2の温水経路内に配置され、または本発明による飲料製造器が複数の第2の温水経路および複数の第2の流量計を備えるとき、第2の流量計のそれぞれの1つは、第2の温水経路のそれぞれの中に配置されることを意味する。
【0013】
したがって、本発明によるデバイスは、1つまたは複数の第2の温水出口と、1つまたは複数の第2の温水経路と、1つまたは複数の第2の流量計とを備える。たとえば、デバイスは、ちょうど1つの第2の温水出口と、ちょうど1つの第2の温水経路と、ちょうど1つの第2の流量計とを備えることができる。この場合、第2の温水出口は、第2の温水経路によって加熱デバイスに接続され、第2の流量計は、第2の温水経路内に配置される。しかし、デバイスは、複数の第2の温水出口、複数の第2の温水経路、および複数の第2の流量計をも含むことができる。この場合、第2の温水出口のそれぞれは、第2の温水経路のそれぞれの1つを介して加熱デバイスに接続され、第2の流量計のそれぞれの1つは、第2の温水経路のそれぞれの中に配置される。たとえば、デバイスは、2つの第2の温水出口と、2つの第2の温水経路と、2つの第2の流量計とを備えることができる。この場合、第2の温水出口のそれぞれは、2つの第2の温水経路のそれぞれの1つを介して加熱デバイスに接続され、2つの第2の流量計のそれぞれの1つは、2つの第2の温水経路のそれぞれの中に配置される。
【0014】
本発明による飲料製造器は、特に、少なくとも2つの流量計が含まれることを特徴とする。流量計、すなわち第1の流量計は、ここでは、冷水経路内、または第1の温水経路内にある。少なくとも1つのさらなる流量計、すなわち少なくとも1つの第2の流量計が、少なくとも1つの第2の温水経路内にある。
【0015】
少なくとも1つの第2の温水経路を通って流れる水の量は、少なくとも1つの第2の温水経路内に配置された少なくとも1つの第2の流量計によって直接測定することができる。このようにして、少なくとも1つの第2の温水出口によって分注される、または少なくとも1つの第2の温水出口で飲料調製のために使用される温水量の正確な計量が、常時可能になる。
【0016】
第1の流量計が第1の温水経路内に配置される場合、第1の温水経路を通って流れる水の量もまた、ここでは、第1の流量計によって直接測定することができる。
【0017】
したがって、分注もしくは使用される温水量の、または分注される飲料の高い計量精度は、2つの温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注もしくは調製の場合でさえ、第1の温水経路内の流量計、および少なくとも1つの第2の温水経路内の少なくとも1つの第2の流量計の使用によって達成することができる。
【0018】
第1の流量計がいま、冷水経路内に配置されている場合、冷水経路を通って流れる水の量を最初にそれによって測定することができる。いま温水量1つだけが第1の温水経路によって分注され、第2の温水量が少なくとも1つの第2の温水経路によって同時に、または時間遅延を伴って分注されない場合、冷水経路を通って流れる水の量は第1の温水経路を通って流れる水の量に対応し、その結果、第1の温水経路を通って流れる水の量の決定は、第1の流量計によって容易に決定することができ、したがって、第1の温水出口によって、または飲料調製のために少なくとも第1の温水出口にて分注される温水量の正確な計量が可能になる。次にその代わりに、2つの温水量が同時に、または時間遅延を伴って分注される場合、すなわち第1の温水経路による第1の温水量が分注され、それと同時にまたは時間遅延を伴って少なくとも1つの第2の温水経路による第2の温水量が分注される場合、ここでは、少なくとも1つの第2の流量計によって決定される少なくとも1つの第2の温水経路を通って流れる水の量が第1の流量計によって測定される冷水経路を通って流れる水の量から差し引かれるという点において、第1の温水経路を通って流れる水量の正確な決定もまた可能になる。ここでは、冷水経路を通って流れる水の量が最終的に温水経路を通って流れる水の量の和に対応することが利用される。換言すれば、冷水経路内の第1の流量計が分注される水の総量を検出するので、第1の温水出口での分注量もまた、第1の流量計と少なくとも第2の流量計との測定結果の差を形成することによって検出することができ、したがってそれに応じて計量することもできる。
【0019】
したがって、分注もしくは使用される、または分注される飲料内の温水量の高い計量正確さはまた、温水量が温水出口によって分注されるか、または同時もしくは時間遅延を伴う飲料調製のためにそこで使用されるかどうか、およびそれがどれだけかにかかわらず、第1の流量計が冷水経路内に配置される場合について可能になる。
【0020】
したがって、飲料製造器による2つ以上の温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注は、少なくとも2つの流量計の本発明による使用によって高い計量精度で可能になる。少なくとも2つの流量計の使用により、分注量は、流量計によって直接測定される水量同士の単純な差を形成すること(および任意選択で、追加の和を形成すること)によって直接測定すること、または決定することができる。このようにして、飲料製造器の分注量もまた、複数の飲料の同時分注と共に非常に正確に決定することができる。したがって、飲料製造器によって分注される飲料の計量精度の改善を最終的に達成することができる。
【0021】
これにより、正しい飲料量を分注することができること、および正しい温水量を常時飲料調製のために使用することができ、これは複数の飲料が同時に調製または分注されるときでさえ、飲料を常時正しく調製および分注することができるという結果を有することという利点がもたらされる。
【0022】
さらに、製品が得られない場合、漏れ監視を実装し、漏れを認識したとき、この漏れを特定の水経路に関連付ける可能性もある。したがって、本発明による飲料製造器の場合、漏れ点を認識し場所を突き止める、すなわちそれが位置する水経路を決定することも可能である。
【0023】
本発明による飲料製造器の好ましい実施形態は、温水経路内に配置された流量計の少なくとも1つ、好ましくは温水経路内に配置されたあらゆる流量計が、非接触流量計、好ましくは超音波流量計または磁気誘導流量計であることを特徴とする。第1の流量計および少なくとも1つの第2の流量計はどちらも、非接触流量計、好ましくは超音波流量計または磁気誘導流量計とすることができる。
【0024】
加熱デバイス内での水の加熱時、加熱および冷却によって解放され得る石灰が、動作時間の過程で形成し得る。この過程において生じる石灰粒子および石灰片は、温水経路内に流され、そこで、そこに位置する流量計の回転する動翼輪を妨害し得、これは、飲料製造器の完全な故障をもたらし得る。そのような妨害は、非接触流量計の使用によって回避することができる。なぜなら、後者には、妨害され得る回転する動翼輪または対応する可動要素がないからである。その結果、石灰および石灰片は、流量計による体積流検出に対して影響がない、または少なくとも小さな影響しかない。さらに、飲料製造器の起こり得る故障を防止することができる。
【0025】
当然ながら、冷水経路内に配置された流量計が非接触流量計、好ましくは超音波流量計または磁気誘導流量計であることも可能である。
【0026】
水を搬送するための搬送デバイスは、ポンプとすることができる。
【0027】
さらに好ましい実施形態では、水を搬送するための搬送デバイスは、冷水槽内に配置される。
【0028】
第1の流量計は、水を搬送するための搬送デバイスの上流の、または水を搬送するための搬送デバイスの下流の冷水経路内に配置されることが好ましい。
【0029】
さらに好ましい実施形態は、飲料製造器がコーヒーを抽出するためのそれぞれの抽出ユニット、または固体、好ましくはココア粉末もしくはスープ粉末と水を第1の温水出口にて、および/または少なくとも1つの第2の温水出口にて混合するための混合ユニットを有することを特徴とする。コーヒーを抽出するための抽出ユニットが温水出口に位置する場合、この温水出口を通って流れる水は、コーヒーの調製のためにコーヒー粉末と共に抽出ユニット内で使用することができ、その後、コーヒーを飲料製造器によって分注することができる。固体、たとえばココア粉末またはスープ粉末と水を混合するための混合ユニットは、温水出口に位置し、この温水出口通って流れる水は、たとえばその後、混合飲料を飲料製造器によって分注することができるココアまたは飲用スープの混合飲料の調製のためにコーヒー粉末と共に混合ユニット内で使用することができる。
【0030】
いま述べた好ましい実施形態と共に、様々な組合せが可能である。したがって、飲料製造器は、たとえば、1つの温水出口にコーヒーを抽出するための抽出ユニット、別の温水出口に固体、たとえばココア粉末またはスープ粉末と水を混合するための混合ユニットを有することができる。しかし、飲料製造器は、2つの温水出口にコーヒーを抽出するためのそれぞれの抽出ユニットを有することもできる。または、飲料製造器は、1つの温水出口にコーヒーを抽出するための抽出ユニット、2つの他の温水出口に固体と水を混合するためのそれぞれの混合ユニットを有することができる。したがって、原理上、本発明による飲料製造器内で使用することができる様々な組合せおよび選択肢が考えられる。
【0031】
抽出ユニットも混合ユニットも温水出口に位置しない場合、この温水出口を通って流れる温水を、飲料製造器から直接分注することができる。次いで、この温水は、たとえば、飲料製造器の外で茶の調製のために使用することができる。飲料製造器は、たとえば、抽出ユニットも混合ユニットも第1の温水出口に有していないことができる。
【0032】
飲料製造器は、第2の水出口の1つにコーヒーを抽出するための抽出ユニット、第2の温水出口の他の1つに固体、たとえばココア粉末またはスープ粉末と水を混合するための混合ユニットを有し、第1の温水出口に抽出ユニットも混合ユニットも有していないことが特に好ましい。
【0033】
本発明による飲料製造器のさらなる実施形態は、
- 1つ、すなわちちょうど1つの第2の温水出口、1つ、すなわちちょうど1つの第2の温水経路、および1つ、すなわちちょうど1つの第2の流量計、または
- 複数の第2の温水出口、好ましくは2つもしくは3つの第2の温水出口、複数の第2の温水経路、好ましくは2つもしくは3つの温水経路、および複数の第2の流量計、好ましくは2つもしくは3つの流量計を備えることを特徴とする。
【0034】
本発明による流量計は、それぞれ、同数の第2の温水出口、第2の温水経路、および第2の流量計を備えることが好ましい。これは、飲料製造器に含まれる第2の温水出口の数が、飲料製造器に含まれる第2の温水経路の数にも、飲料製造器に含まれる第2の流量計の数にも対応することを意味する。
【0035】
飲料製造器が、ちょうど1つの第2の温水出口、ちょうど1つの第2の温水経路、およびちょうど1つの第2の流量計を備える場合には、第2の温水出口は、第2の温水経路によって加熱デバイスに接続され、第2の流量計は、第2の温水経路の中に配置される。この場合、第2の温水経路通って流れる水の量は、第2の温水経路内に配置された流量計によって直接測定することができる。第1の流量計が第1の温水経路内に配置される場合、第1の温水経路を通って流れる水の量もまた、第1の流量計によって直接測定することができる。第1の流量計がいま冷水経路内に配置されている場合、第1の温水経路を通って流れる水の量は、第1の流量計によって測定される、冷水経路を通って流れる水の量と、第2の流量計によって測定される、第2の温水経路を通って流れる水の量とから差が形成されるという点において決定することができる。したがって、分注もしくは使用される温水量の、または分注される飲料の高い計量精度は、2つの温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注もしくは調製の場合でさえ、2つの流量計の使用によって達成することができる。
【0036】
デバイスが複数の第2の温水出口、複数の第2の温水経路、および複数の第2の流量計を備える場合には、第2の温水出口のそれぞれは、第2の温水経路のそれぞれの1つを介して加熱デバイスに接続され、第2の流量計のそれぞれの1つは、第2の温水経路のそれぞれの中に配置される。この場合、第2の温水経路を通って流れる水のそれぞれの量は、第2の温水経路内に配置された流量計によって直接測定することができる。換言すれば、第2の温水経路のそれぞれは、それぞれの温水経路を通って流れる水の量を測定することができる流量計をそれぞれ含む。第1の流量計が第1の温水経路内に配置される場合、第1の温水経路を通って流れる水の量もまた、第1の流量計によって直接測定することができる。第1の流量計がいま冷水経路内に配置されている場合、第1の温水経路を通って流れる水の量は、第1の流量計によって測定される、冷水経路を通って流れる水の量と、第2の流量計によって測定される、第2の温水経路を通って流れる水の量の和とから差が形成されるという点において決定することができる。換言すれば、複数の温水経路を通って流れる水の個々の量が、最初に、複数の第2の流量計によって測定される。これらの量は、1つの和に合計される。その後、この和は、冷水経路内に配置された流量計によって測定された、冷水経路を通って流れる水の量から差し引かれる。この結果は、第1の温水経路を通って流れる水の量に対応する。したがって、分注もしくは使用される温水量の、または分注される飲料の高い計量精度は、3つ以上の温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注もしくは調製の場合でさえ、3つ以上の流量計の使用によって達成することができる。
【0037】
デバイスは、たとえば、3つの第2の温水出口と、3つの第2の温水経路と、3つの第2の流量計とを備えることができる。この場合、3つの温水出口のそれぞれは、3つの温水経路のそれぞれの1つを介して加熱デバイスに接続され、3つの流量計のそれぞれの1つは、3つの温水経路のそれぞれの中に配置される。
【0038】
さらなる好ましい実施形態は、飲料製造器が1つもしくは複数の特製コーヒー、1つもしくは複数の特製茶、および/または1つもしくは複数の特製飲用スープを含む複数の温かい飲料および/または冷たい飲料を分注するための飲料ベンディングマシンであることを特徴とする。
【0039】
また、本発明は、飲料製造器によって分注される、および/または飲料調製のために飲料製造器において使用される温水量を決定する方法であって、飲料製造器が本発明による飲料製造器であり、温水出口の1つによって分注される、および/または飲料調製のための温水出口の1つで使用される少なくとも1つの温水量が決定される方法に関する。
【0040】
本発明による方法の好ましい変形形態は、温水出口のそれぞれの1つを通って少なくとも一部が同時に分注される、および/または飲料調製のために温水出口のそれぞれの1つを通って少なくとも一部が同時に使用される2つの温水量が決定されることを特徴とする。
【0041】
本発明による方法のさらに好ましい変形形態では、少なくとも1つの第2の温水出口によって分注される、または飲料調製のために少なくとも1つの第2の温水出口で使用される温水量は、少なくとも1つの第2の温水経路を通って流れる水の量が少なくとも1つの第2の流量計によって測定されるという点において決定される。
【0042】
本発明による方法のさらに好ましい変形形態は、第1の流量計が冷水経路内に配置され、第1の温水出口によって分注される、または飲料調製のために第1の温水出口で使用される温水量は、冷水経路を通って流れる水の量が第1の流量計によって測定され、少なくとも1つの第2の温水経路を通って流れる量水が少なくとも1つの第2の流量計によって決定され、第1の温水経路を通って流れる水の量が、第1の流量計によって測定される、冷水経路を通って流れる水の量と、少なくとも1つの第2の流量計によって決定される、少なくとも1つの第2の温水経路を通って流れる水の量とから差を形成することによって決定されるという点において決定されることを特徴とする。
【0043】
この好ましい変形形態では、飲料製造器は、1つ、すなわちちょうど1つの第2の温水出口と、1つ、すなわちちょうど1つの第2の温水経路と、1つ、すなわちちょうど1つの第2の流量計とを備え、第1の温水出口によって分注される、または飲料調製のために第1の温水出口で使用される温水量は、冷水経路を通って流れる水の量が第1の流量計によって測定され、第2の温水経路を通って流れる水の量が第2の流量計によって決定され、第1の温水経路を通って流れる水の量が、第1の流量計によって測定される、冷水経路を通って流れる水の量と、第2の流量計によって決定される、第2の温水経路を通って流れる水の量とから差を形成することによって決定されるという点において決定されることが可能である。
【0044】
しかし、飲料製造器が、複数の第2の温水出口と、複数の第2の温水経路と、複数の第2の流量計とを備え、第1の温水出口によって分注される、または飲料調製のために第1の温水出口で使用される温水量は、冷水経路を通って流れる水の量が第1の流量計によって測定され、第2の温水経路を通って流れる水の量が第2の流量計によって決定され、第1の温水経路を通って流れる水の量が、第1の流量計によって測定される、冷水経路を通って流れる水の量と、第2の流量計によって測定される、第2の温水経路を通って流れる水の量の和とから差を形成することによって決定されるという点において決定されることも可能である。
【0045】
本発明による方法のさらに好ましい変形形態では、第1の流量計が第1の温水経路内に配置され、第1の温水出口によって分注される、または飲料調製のために第1の温水出口で使用される温水量は、第1の温水経路を通って流れる水の量が第1の流量計によって測定されるという点において決定される。
【0046】
本発明による方法のさらに好ましい変形形態は、温水量1つだけが飲料製造器によって分注され、および/または飲料調製のために飲料製造器において使用され、前記温水量がここでは第2の温水経路を通って流れる場合、流量計の少なくとも1つが較正され、ここでは、冷水経路を通って流れる水の量についての測定値が第1の流量計によって測定され、この第2の温水経路を通って流れる水の量についての測定値が、温水量が流れる前記第2の温水経路内に配置された流量計によって測定され、その後、2つの測定値が互いに比較されることを特徴とする。
【0047】
この好ましい方法変形形態は、冷水経路内に配置された流量計の、および温水経路内に配置された流量計の直列接続を利用し、したがって流量計の1つの較正を達成する。単一の飲料だけが飲料製造器から得られる、すなわち単一の飲料だけが飲料製造器によって分注または調製され、この飲料が第2の温水経路、または第2の温水経路の1つを通って流れる場合、同じ水量が最初に冷水経路を通って流れ、その後、加熱デバイス内での水の加熱後、温水経路を通って流れる。したがって、冷水経路内に配置された流量計によって決定される測定値は、温水経路内に配置された流量計によって決定される測定値に少なくとも実質的に対応するはずである。したがって、2つの流量計の一方を、他方と比較すること、または2つの測定値の比較によって他方によって較正することができる。
【0048】
さらに、製品が得られない場合、漏れ監視を実装し、漏れを認識したとき、この漏れを特定の水経路に関連付ける可能性もある。
【0049】
また、本発明は、飲料、好ましくは温かい飲料を計量および/または分注するための本発明による飲料製造器の使用に関し、2つ以上の飲料が同時に、または時間遅延を伴って計量されるおよび/または分注されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本発明による飲料製造器の例示的な実施形態の水の進行の概略図。
【
図2】本発明による飲料製造器のさらなる例示的な実施形態の水の進行の概略図。
【
図3】本発明による飲料製造器のさらなる例示的な実施形態の水の進行の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明について、以下の図および例を参照して詳細に述べるが、それをここに示されている特定の実施形態およびパラメータに限定しない。
【0052】
本発明による飲料製造器の例示的な実施形態の水の進行の概略図が
図1に示されている。ここで、飲料製造器は、水を加熱するための加熱デバイス1と、冷水流入口2と、第1の温水出口3と、第2の温水出口4と、冷水流入口2を加熱デバイス1に接続する冷水経路5と、加熱デバイス1を第1の温水出口3に接続する第1の温水経路6と、加熱デバイス1を第2の温水出口4に接続する第2の温水経路7と、水を搬送するための搬送デバイス8と、冷水経路5内に配置される第1の流量計9と、第2の温水経路7内に配置される第2の流量計10とを備える。
【0053】
水を搬送するための搬送デバイス8はポンプである。第2の流量計10は、非接触流量計、たとえば超音波流量計または磁気誘導流量計である。水を搬送するための搬送デバイス8は、冷水経路5内に配置され、冷水経路内の第1の流量計9は、水を搬送するための搬送デバイス8の上流に配置される。さらに、飲料製造器は、第2の温水出口4にてコーヒーを抽出するための抽出ユニット11を有する。
【0054】
したがって、温水13およびコーヒー14は、その水の進行が
図1に概略的に示されている飲料製造器によって得ることができる。温水13は、第1の温水出口3によって分注される。コーヒー14は、抽出ユニット11内で調製され、その後、出口によって分注される。
【0055】
第2の温水経路7を通って流れる水の量は、第2の温水経路7内に配置された第2の流量計10によって測定することができる。このようにして、抽出ユニット11内でのコーヒー調製のために第2の温水出口4で使用される温水量の正確な計量が可能になり、それにより、分注されるコーヒーの量もまた、最終的に正確に計量することができる。
【0056】
いま温水量1つだけが第1の温水経路6にわたって導かれ、たとえば、飲料製造器の外で茶の調製のために第1の温水出口3で分注され、第2の温水量が第2の温水経路7にわたって同時に、または時間遅延を伴って流れない場合、冷水経路5を通って流れる水の量は、第1の温水経路6を通って流れる水の量に対応し、その結果、第1の流量計9を用いて正確な計量が、それによって冷水経路5を通って流れる水の量が測定され、次いでそれは、第1の温水経路6を通って流れる水の量に対応するという点において可能になる。したがって、分注される温水の量を正確に計量することができる。
【0057】
いま2つの温水量が同時に、または時間遅延を伴って分注される、すなわち第1の温水量が第1の温水経路6にわたって流れ、同時に、または時間遅延を伴って第2の温水量が第2の温水経路7にわたって流れる場合、ここで第1の温水経路6を通って流れる水量の正確な決定もまた、第2の流量計10によって決定される、第2の温水経路7を通って流れる水の量が第1の流量計9によって測定される、冷水経路5を通って流れる水の量から差し引かれるという点において可能になる。ここでは、冷水経路5を通って流れる水の量が最終的に温水経路6および7を通って流れる水の量の和に対応することが利用される。
【0058】
したがって、2つの温水量が同時に、または時間遅延を伴って分注される、または飲料調製のために使用される場合でさえ、分注される、もしくは飲料調製のために使用される温水量の、または分注される飲料量の高い計量精度が可能になる。
【0059】
本発明による飲料製造器のさらなる例示的な実施形態の水の進行の概略図が
図2に示されている。ここに示されている設計は、飲料製造器が2つの第2の温水出口4aおよび第2の温水出口4bと、2つの第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7bと、2つの第2の流量計10aおよび第2の流量計10bとを備えるという点において
図1に示されている設計とは実質的に異なる。
図2からわかるように、第2の温水出口4aおよび第2の温水出口4bのそれぞれは、第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7bのそれぞれの1つによって加熱デバイス1に接続される。したがって、第2の温水出口4aは、第2の温水出口7aによって加熱デバイス1に接続され、一方、第2の温水出口4bは、第2の温水出口7bによって加熱デバイスに接続される。さらに
図2から、第2の流量計10aおよび第2の流量計10bのそれぞれの1つは、第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7bのそれぞれの中に配置されることがわかる。したがって、第2の流量計10aは、第2の温水経路7a内に配置され、一方、第2の流量計10bは、第2の温水経路7b内に配置される。飲料製造器は、第2の温水出口4aにコーヒーを抽出するための抽出ユニット11を有し、一方、第2の温水出口4bにココア粉末と水を混合するための混合ユニット12を有する。
【0060】
図2に示されている設計は、それ以外は
図1におけるものと同一である。
【0061】
したがって、温水13、コーヒー14、およびココア15を、その水の進行が
図2に概略的に示されている飲料製造器によって得ることができる。温水13は、第1の温水出口3によって分注される。コーヒー14は、抽出ユニット11内で調製され、その後、出口によって分注される。ココアは、混合ユニット12内で調製され、その後、他の出口によって分注される。
【0062】
第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7bを通って流れる水のそれぞれの量は、第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7b内に配置された流量計10aおよび流量計10bによって直接測定することができる。換言すれば、第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7bのそれぞれは、それぞれの温水経路7aおよび温水経路7bを通って流れる水の量を測定することができる流量計10aまたは流量計10bをそれぞれ含む。このようにして、抽出ユニット11内でのコーヒー調製のために第2の温水出口4aで使用される温水量の正確な計量、および混合ユニット12内でのココア調製のために第2の温水出口4bで使用される温水量の正確な計量が共に可能になる。
【0063】
第1の温水経路6を通って流れる水の量は、第1の流量計9によって測定される、冷水経路5を通って流れる水の量と、第2の流量計10aおよび第2の流量計10bによって測定される、第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7bを通って流れる水の量の和とから差が形成されるという点において決定することができる。換言すれば、2つの第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7bを通って流れる水の個々の量が、最初に2つの第2の流量計10aおよび第2の流量計10bによって測定される。次いで、これらの量が1つの和に合計される。その後、この和が、冷水経路5内に配置された流量計9によって測定される、冷水経路5を通って流れる水の量から差し引かれる。この結果は、第1の温水経路6を通って流れる水の量に対応する。
【0064】
したがって、分注される、もしくは飲料調製のために使用されるすべての温水量、またはすべての分注される飲料での高い計量精度は、ここでは温水、コーヒー、およびココアなど2つまたは3つの温水量または温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注もしくは調製の場合でさえ、3つの流量計の使用によって達成することができる。
【0065】
図2に示されている実施形態の原理は、本発明の意味において、飲料製造器が3つ以上の第2の温水出口、すなわち、たとえば3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の第2の温水出口を備えるという点において容易に修正することもできる。この場合、分注される、もしくは飲料調製のために使用されるすべての温水量、または分注される飲料での高い計量精度は、同じ原理に従って、2つ3つ、またはそれ以上の温水量または温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注または調製で達成することもできる。
【0066】
本発明による飲料製造器のさらなる例示的な実施形態の水の進行の概略図が
図3に示されている。ここに示されている設計は、第1の流量計9が冷水経路5内に配置されておらず、その代わりに第1の温水経路6内に配置されているという点において
図2に示されている設計と異なるにすぎない。
図3に示されている設計は、それ以外は
図2におけるものと同一である。
【0067】
図2に示されている実施形態とちょうど同じように、第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7bを通って流れる水のそれぞれの量は、第2の温水経路7aおよび第2の温水経路7b内に配置された流量計10aおよび流量計10bによって直接測定することができる。
【0068】
同じ原理により、第1の温水経路6を通って流れる水の量は、第1の温水経路6内に配置された流量計9によって直接測定することができる。
【0069】
したがって、分注される、もしくは飲料調製のために使用されるすべての温水量、またはすべての分注される飲料での高い計量精度は、ここでは温水、コーヒー、およびココアなど2つまたは3つの温水量または温かい飲料の同時の、または時間遅延された分注もしくは調製の場合でさえ、3つの流量計の使用によって達成することができる。