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特開2024-91144状態推定システム、ブレーカ、分電盤、状態推定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091144
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】状態推定システム、ブレーカ、分電盤、状態推定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20240627BHJP
   H02B 1/42 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H02J13/00 301D
H02B1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022207634
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大垣 史迅
(72)【発明者】
【氏名】田中 修平
(72)【発明者】
【氏名】永野 友一朗
(72)【発明者】
【氏名】北川 重雄
(72)【発明者】
【氏名】館石 美紀
(72)【発明者】
【氏名】井上 敬文
【テーマコード(参考)】
5G064
5G211
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC09
5G064BA02
5G064CB08
5G064CB17
5G064DA05
5G211AA05
5G211DD01
5G211DD04
5G211DD14
5G211DD16
5G211DD18
5G211DD21
5G211DD36
(57)【要約】
【課題】課題は、停電の発生時に、電路の状態の推定、ひいては推定した状態に応じた対処、の可能化を図ることである。
【解決手段】状態推定システム1は、取得部と特定部と推定部とを備える。取得部は、外部サーバ60から災害関連情報を取得する取得処理を実行する。災害関連情報は、自然災害の発生に関連する情報である。特定部は、停電の発生時に、原因特定処理を実行する。原因特定処理は、計測ユニット15からの計測結果に基づいて、停電の原因を特定し、原因情報を取得する処理である。計測ユニット15は、電力系統201と顧客の宅内の負荷202との間の電路(203a~203c)に介在するブレーカ(10,50)に付随して用いられる。推定部は、災害関連情報と原因情報とを基に、電路(203a~203c)の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する状態推定処理を実行する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部サーバから自然災害の発生に関連する災害関連情報を取得する取得処理、を実行する取得部と、
停電の発生時に、電力系統と顧客の宅内の負荷との間の電路に介在するブレーカに付随して用いられる計測ユニット、からの計測結果に基づいて、前記停電の原因を特定し、原因情報を取得する原因特定処理、を実行する特定部と、
前記災害関連情報と前記原因情報とを基に、前記電路の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する状態推定処理、を実行する推定部と、を備える、
状態推定システム。
【請求項2】
前記計測ユニットは、過電流、漏電及び地震のうち1つ以上の遮断原因を検知するための1つ以上の計測器を含み、
前記計測結果は、前記1つ以上の計測器に対応する1つ以上の計測値を含み、
前記ブレーカは、前記1つ以上の計測値を基に前記1つ以上の遮断原因のいずれかを検知した場合に、前記電路の電流を遮断する遮断動作を行い、
前記停電は、前記遮断動作に起因する停電である宅内停電であり、
前記原因情報は、前記遮断動作の原因となった遮断動作原因が、前記1つ以上の遮断原因のうちどれであるかを特定する遮断原因情報を含む、
請求項1に記載の状態推定システム。
【請求項3】
前記計測ユニットは、前記電力系統に起因する停電である系統停電を検知するための他の計測器を更に含み、
前記原因特定処理は、前記他の計測器の計測値を基に、前記停電が前記系統停電か前記宅内停電かを更に特定し、
前記原因情報は、前記停電が前記系統停電か前記宅内停電かを示す停電原因情報を更に含む、
請求項2に記載の状態推定システム。
【請求項4】
前記自然災害は、地震、雷、大雨、洪水のうち少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の状態推定システム。
【請求項5】
前記推定部が推定した状態に応じた対処を支援する対処情報を取得する対処部と、
前記状態情報及び前記対処情報の少なくとも一方を出力する出力部と、を更に備える、
請求項1に記載の状態推定システム。
【請求項6】
前記出力部は、前記状態情報及び前記対処情報の少なくとも一方を、前記顧客、及び前記顧客による前記停電への対処を支援する支援者、の少なくとも一方の端末に送信する、
請求項5に記載の状態推定システム。
【請求項7】
前記状態情報は、前記停電の根本原因が前記自然災害に起因する災害性停電か前記自然災害に起因しない非災害性停電かを示す災害属性情報を更に含み、
前記対処部は、前記状態情報に含まれる前記災害属性情報が前記災害性停電を示すか前記非災害性停電を示すかで異なる対処情報を取得する、
請求項6に記載の状態推定システム。
【請求項8】
前記対処部は、前記状態情報に含まれる前記災害属性情報が前記災害性停電を示す場合には、前記ブレーカを遮断状態から復帰させるための復帰操作を控えるべき旨の警告情報、並びに前記電路に関連する点検及び修理の少なくとも一方を行うよう勧める旨の推奨情報、の少なくとも一方を含む災害時対処情報を取得する、
請求項7に記載の状態推定システム。
【請求項9】
前記支援者は、前記電路に関わる業者であり、
前記状態情報に含まれる前記災害属性情報が前記災害性停電を示す場合には、
前記対処部は、前記電路に関連する点検及び修理の少なくとも一方を依頼する旨の依頼情報を含む業者向け災害時対処情報を取得すると共に、前記顧客自身による前記ブレーカを遮断状態から復帰させるための復帰操作を控えるべき旨の警告情報、及び前記業者向け対処依頼情報の送信を行う旨の通知情報、の少なくとも一方を含む顧客向け災害時対処情報を取得し、
前記出力部は、前記業者向け対処情報を前記業者の端末に送信すると共に、前記顧客向け対処情報を前記顧客の端末に送信する、
請求項8に記載の状態推定システム。
【請求項10】
前記状態情報に含まれる前記災害属性情報が前記非災害性停電を示す場合には、
前記対処部は、前記ブレーカを遮断状態から復帰させるための復帰操作の手順に関する手順情報を含む非災害時対処情報を取得し、
前記出力部は、前記非災害時対処情報を前記顧客の端末に送信する、
請求項7に記載の状態推定システム。
【請求項11】
1つ以上の分電盤と、
1つ以上の前記分電盤の各々と通信可能なサーバと、を更に備え、
前記ブレーカ及び前記計測ユニットは、1つ以上の前記分電盤の各々に内蔵され、
前記取得部、前記特定部及び前記推定部は、前記サーバに備えられ、
前記サーバが備える前記取得部は、1つ以上の前記分電盤の各々が存在する地域での前記自然災害に関連する前記災害関連情報について前記取得処理を実行し、
前記サーバが備える前記特定部は、1つ以上の前記分電盤の各々に内蔵された前記計測ユニットからの前記計測結果に基づいて前記原因特定処理を実行し、
前記サーバが備える前記推定部は、1つ以上の前記分電盤の各々に内蔵された前記ブレーカが介在する前記電路について前記状態推定処理を実行する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の状態推定システム。
【請求項12】
電力系統と顧客の宅内の負荷との間の電路に介在するブレーカであって、
外部サーバから自然災害の発生に関連する災害関連情報を取得する取得処理、を実行する取得部と、
停電の発生時に、前記ブレーカに付随して用いられる計測ユニット、からの計測結果に基づいて、前記停電の原因を特定し、原因情報を取得する原因特定処理、を実行する特定部と、
前記災害関連情報と前記原因情報とを基に、前記電路の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する状態推定処理、を実行する推定部と、を備える、
ブレーカ。
【請求項13】
請求項12に記載のブレーカを備える、
分電盤。
【請求項14】
外部サーバから自然災害の発生に関連する災害関連情報を取得する取得処理、を実行する取得ステップと、
停電の発生時に、電力系統と顧客の宅内の負荷との間の電路に介在するブレーカに付随して用いられる計測ユニット、からの計測結果に基づいて、前記停電の原因を特定し、原因情報を取得する原因特定処理、を実行する特定ステップと、
前記災害関連情報と前記原因情報とを基に、前記電路の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する状態推定処理、を実行する推定ステップと、を備える、
状態推定方法。
【請求項15】
請求項14に記載の状態推定方法を1つ以上のコンピュータに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、状態推定システム、ブレーカ、分電盤、状態推定方法及びプログラムに関し、より詳細には、停電の発生時に電路の状態を推定する状態推定システム、ブレーカ、分電盤、状態推定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、顧客端末に対し、発生した停電に関する停電情報をサーバ装置により通知する停電情報通知システムが記載されている。通知される停電情報には、停電時間及び停電原因が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-336692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
停電には、電力系統に起因する広範囲の停電(以下、系統停電)と、個々の顧客宅のブレーカの動作(電路で過電流や漏電等の異常が発生した場合に、電路の電流を遮断する遮断動作)に起因する宅内の停電(以下、宅内停電)とがある。特許文献1の停電原因通知システムは、系統停電時に、停電原因等の情報(系統停情報)を通知するものであり、宅内停電時に、電路の状態(ブレーカの遮断動作の原因となるような過電流や漏電といった異常(遮断原因)が電路で生じている状態)に関する状態情報を通知するものではなかった。
【0005】
本開示の目的は、停電の発生時に、電路の状態の推定、ひいては推定した状態に応じた対処、の可能化を図ることができる状態推定システム、ブレーカ、分電盤、状態推定方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る状態推定システムは、取得部と、特定部と、推定部と、を備える。前記取得部は、取得処理を実行する。前記取得処理は、外部サーバから災害関連情報を取得する処理である。前記災害関連情報は、自然災害の発生に関連する情報である。前記特定部は、停電の発生時に、原因特定処理を実行する。前記原因特定処理は、計測ユニットからの計測結果に基づいて、前記停電の原因を特定し、原因情報を取得する処理である。前記計測ユニットは、ブレーカに付随して用いられる。前記ブレーカは、電力系統と顧客の宅内の負荷との間の電路に介在する。前記推定部は、状態推定処理を実行する。前記状態推定処理は、前記災害関連情報と前記原因情報とを基に、前記電路の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する処理である。
【0007】
本開示の一態様に係るブレーカは、電力系統と顧客の宅内の負荷との間の電路に介在する。前記ブレーカは、取得部と、特定部と、推定部と、を備える。前記取得部は、取得処理を実行する。前記取得処理は、外部サーバから災害関連情報を取得する処理である。前記災害関連情報は、自然災害の発生に関連する情報である。前記特定部は、停電の発生時に、原因特定処理を実行する。前記原因特定処理は、計測ユニットからの計測結果に基づいて、前記停電の原因を特定し、原因情報を取得する処理である。前記計測ユニットは、前記ブレーカに付随して用いられる。前記推定部は、状態推定処理を実行する。前記状態推定処理は、前記災害関連情報と前記原因情報とを基に、前記電路の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する処理である。
【0008】
本開示の一態様に係る分電盤は、前記ブレーカを備える。
【0009】
本開示の一態様に係る状態推定方法は、取得ステップと、特定ステップと、推定ステップと、を備える。前記取得ステップは、取得処理を実行する。前記取得処理は、外部サーバから災害関連情報を取得する処理である。前記災害関連情報は、自然災害の発生に関連する情報である。前記特定ステップは、停電の発生時に、原因特定処理を実行する。前記原因特定処理は、計測ユニットからの計測結果に基づいて、前記停電の原因を特定し、原因情報を取得する処理である。前記計測ユニットは、ブレーカに付随して用いられる。前記ブレーカは、電力系統と顧客の宅内の負荷との間の電路に介在する。前記推定ステップは、状態推定処理を実行する。前記状態推定処理は、前記災害関連情報と前記原因情報とを基に、前記電路の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する処理である。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記状態推定方法を1つ以上のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の状態推定システム、ブレーカ、分電盤、状態推定方法及びプログラムは、停電の発生時に、電路の状態の推定、ひいては推定した状態に応じた対処、の可能化を図ることできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施形態1に係る状態推定システムを含む電力供給システムのブロック図である。
図2図2は、同上の状態推定システムを構成する主幹ブレーカのブロック図である。
図3図3は、同上の状態推定システムの動作を説明するフローチャートである。
図4図4は、同上の状態推定システムによる対処情報等の出力例を示す図である。
図5図5は、同上の状態推定システムによる対処情報等の他の出力例を示す図である。
図6図6は、本開示の実施形態2に係る状態推定システムを含む電力供給システムのブロック図である。
図7図7は、同上の状態推定システムを構成するサーバのブロック図である。
図8図8は、同上の状態推定システムを構成する主幹ブレーカのブロック図である。
図9図9は、同上の状態推定システムによる対処情報等の出力例を示す図である。
図10図10は、同上の主幹ブレーカを含む分電盤の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
本開示では、状態推定システムが、停電発生時に、電路の状態を推定し、状態情報及び対処情報の少なくとも一方を取得する。
【0015】
本開示の実施形態1では、状態推定システムは、一のブレーカで構成され、一のブレーカが、停電発生時に、電路の状態の推定、及び状態情報等の取得を行う。
【0016】
実施形態2では、状態推定システムは、1つ以上のブレーカ及びサーバで構成され、サーバが、1つ以上のブレーカの各々と協働して、1つ以上のブレーカに対応する1つ以上の電路の各々について、停電発生時に、状態の推定、及び状態情報等の取得を行う。
【0017】
(1)前提事項
(1-1)実施形態1,2に共通の前提事項
最初に、図1図10を適宜参照して、本開示の実施形態1,2に係る状態推定システム1に共通の前提事項を説明する。
【0018】
図1図6に示すように、本開示の実施形態1,2に係る状態推定システム1は、停電の発生時に、電力系統201と顧客の宅内の負荷202との間の電路(203a~203c)に介在するブレーカ(10,50)、に付随して用いられる計測ユニット15の計測結果を基に、停電原因を特定する。そして、特定した停電原因と、外部サーバ60からの災害関連情報とを基に、電路(203a~203c)の状態を推定する。
【0019】
(1-1-1)ブレーカ
ブレーカ(10,50)は、例えば、図10に示すような分電盤100を構成する主幹ブレーカ10である。なお、分電盤100については後述する。
【0020】
主幹ブレーカ10は、過電流、漏電及び地震を検知する検知機能、過電流等を検知した場合に電路(203a~203c)の電流を遮断する(トリップ状態となる)遮断機能、及び、少なくとも端末40と通信する通信機能、を有する。
【0021】
主幹ブレーカ10は、第2電路203b又は第3電路203cで過電流又は漏電が発生した場合、又は地震が発生した場合に、トリップ状態となる。主幹ブレーカ10がトリップ状態となることで、負荷202へ電力の供給は停止される。
【0022】
主幹ブレーカ10は、例えば、停電の発生時に、上記顧客の端末40と通信可能に接続される。すなわち、主幹ブレーカ10は、例えば、停電の発生時に顧客が行う接続操作に応じて、端末40と近距離無線で通信可能になる。または、主幹ブレーカ10は、停電の発生時、端末40との間で近距離無線通信による接続を自動的に試みてもよい。または、主幹ブレーカ10は、例えば、計測ユニット15、第2ネットワーク302、ゲートウェイ(GW)303及び第1ネットワーク301を介して、端末40と常時通信可能に接続されていてもよい。
【0023】
主幹ブレーカ10は、プロセッサ(CPU,MPU等)及びメモリ(半導体メモリ、SSD等)と、通信モジュールと(いずれも図示しない)を有する。メモリには、各種のデータ及びプログラムが格納され、プロセッサが当該各種のデータを用いて当該プログラムを実行することにより、上記検知機能及び上記遮断機能が実現される。なお、以下では、各種の機能を実現するプロセッサ及びメモリを「コンピュータ」と称する場合がある。
【0024】
主幹ブレーカ10の通信モジュールは、上記通信機能を実現する。主幹ブレーカ10と端末40との間の通信は、通常、近距離無線通信であり、通信モジュールは、近距離無線の通信機能を少なくとも実現する。
【0025】
主幹ブレーカ10は、例えば、タッチパネルやキーボード等の入力デバイスを有していてもよい。また、主幹ブレーカ10は、ディスプレイやスピーカ等の出力デバイスを有していてもよい。
【0026】
分電盤100は、例えば、図10に示すように、主幹ブレーカ10に加えて、1つ以上の分岐ブレーカ50、及び計測ユニット15を有する。主幹ブレーカ10には、接点(後述)を開閉するスイッチ(ハンドルともいう)10Aが設けられ、分岐ブレーカ50にも同様のスイッチが設けられている。計測ユニット15は、接続操作(後述)を受け付ける接続キー15Aを有する。また、計測ユニット15は、計測結果等の情報を表示するディスプレイ15Bを有していてもよい。
【0027】
ただし、ブレーカは、例えば、分電盤100を構成する分岐ブレーカ50でもよい。又は、ブレーカは、例えば、分電盤100を構成するリミッタ(図示しない)でもよいし、分電盤100の構成要素でなくてもよい。つまり、ブレーカは、電力系統201と負荷202との間の電路(203a~203c)に介在し、過電流等の発生に応じて電路(203a~203c)の電流を遮断するものであれば、そのタイプは問わない。
【0028】
(1-1-2)負荷
負荷202は、電力系統201からの電力で動作する家庭用の電気機器である。負荷202は、例えば、情報家電等のIoT機器が好適である。このような負荷202は、第2ネットワーク302(後述)に接続可能である(実施形態2:図6参照)。ただし、負荷202は、第2ネットワーク302への接続機能を有さない電気機器でもよい(実施形態1:図1参照)。
【0029】
(1-1-3)電路
電路(203a~203c)は、第1電路203a、第2電路203b及び第3電路203cを含む。第1電路203aは、ブレーカ(主幹ブレーカ10)に対して電力系統201側(主幹ブレーカ10の一次側)の電路である。第2電路203bは、ブレーカ(主幹ブレーカ10)に対して負荷202側(主幹ブレーカ10の二次側)の電路である。第3電路203cは、分岐ブレーカ50に対して負荷202側(分岐ブレーカ50の二次側)の電路である。
【0030】
(1-1-4)端末
上記顧客は、端末40を利用可能である。利用とは、例えば、ディスプレイに表示又はスピーカから音声出力される情報の視聴、タッチパネル等の入力デバイスを介した情報の入力、等を行うことである。端末40は、主幹ブレーカ10との間で近距離無線通信が可能である。
【0031】
端末40は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末であるが、デスクトップPC(Personal Computer)等の据え置き型端末でもよい。携帯端末は、上記顧客によって携帯される。据え置き型端末は、上記顧客の宅内に設置される。
【0032】
端末40は、プロセッサ及びメモリ(コンピュータ)と、少なくとも近距離無線を実現する通信モジュールと、タッチパネル等の入力デバイスと、ディスプレイ等の出力デバイスと、を有する。
【0033】
(1-2)実施形態2の前提事項
次に、図6を参照して実施形態2に係る状態推定システム1に特有の前提事項を説明する。
【0034】
実施形態2では、1つ以上の分電盤100の各々が、第1ネットワーク301、GW303及び第2ネットワーク302(いずれも後述)を介してサーバ30と通信可能に接続される。
【0035】
(1-2-1)サーバ
サーバ30は、1つ以上の分電盤100と協働して、状態推定システム1を実現する。サーバ30は、1つ以上の分電盤100の各々について、計測ユニット15の計測結果を受け、電路(203a~203c)の状態(後述)を推定し、状態情報及び対処情報(いずれも後述)の少なくとも一方を取得する。そして、サーバ30は、1つ以上の分電盤100に対応する1つ以上の端末40の各々に、推定情報及び対処情報の少なくとも一方を提供する。
【0036】
サーバ30は、プロセッサ及びメモリ(コンピュータ)と、第1ネットワーク301を介した通信を実現する通信モジュールとを有する。
【0037】
(1-2-2)ネットワーク
サーバ30は、第1ネットワーク301を介して顧客及び支援者の少なくとも一方の端末40(後述)と通信可能に接続される。第1ネットワーク301は、例えば、インターネットや通信回線網等の広域ネットワークである。
【0038】
一方、負荷202が接続されるネットワークは、第2ネットワーク302である。第2ネットワークは、例えば、宅内の電路を介して通信を行うPLC(Power Line Communications)ネットワークである。第2ネットワーク302は、GW303を介して第1ネットワーク301と通信可能に接続される(実施形態2)。
【0039】
詳しくは、実施形態2では、サーバ30が接続された第1ネットワーク(インターネット)の通信プロトコルと、主幹ブレーカ10が接続された第2ネットワーク(PLCネットワーク)の通信プロトコルとが異なるため、第1ネットワーク・第2ネットワーク間に、当該2つのプロトコルの間のプロトコルを変換するGW303が介在する。
【0040】
なお、GW303は、このようなプロトコル変換に加えて、第2ネットワーク302に接続された各種のIoT機器に関連する処理も行ってもよい。関連する処理とは、例えば、各種のIoT機器に関する機器情報を収集してサーバ30に提供する処理などである。
【0041】
なお、実施形態2では、計測ユニット15(後述)の通信モジュールが、近距離無線による通信、及び第2ネットワーク302を介した通信、の2種類の通信機能を有している。主幹ブレーカ10の通信モジュールは、計測ユニット15の通信モジュールと近距離無線通信を行うことにより、第2ネットワーク302を介した通信機能を更に実現する。
【0042】
ただし、主幹ブレーカ10の通信モジュールは、第2ネットワーク302を介した通信機能を、計測ユニット15の通信モジュールを介すことなく単独で実現してもよい。また、主幹ブレーカ10の通信モジュールは、第1ネットワーク301(後述)を介した通信機能を、端末40の通信モジュールを介すことなく単独で実現してもよい。
【0043】
(1-2-3)顧客の端末
顧客の端末40は、主幹ブレーカ10との間の近距離無線通信に加えて、サーバ30との間で第1ネットワーク301を介した通信を行うこともできる。端末40の通信モジュールは、近距離無線通信に加えて、このような第1ネットワーク301を介した通信機能を更に実現する。
【0044】
(1-2-4)支援者の端末
顧客は、状態推定システム1によって推定された状態への対処を図る際に、支援者(例えば業者:後述)から支援を受けることができる。支援者もまた、端末40を利用する。支援者の端末40は、通常、第1ネットワーク301を介してサーバ30と通信可能に接続される。ただし、支援者の端末40もまた、主幹ブレーカ10との間で近距離無線通信を行ってもよい。
【0045】
支援者の端末40は、プロセッサ及びメモリ(コンピュータ)と、少なくとも第1ネットワーク301を介した通信を実現する通信モジュールと、キーボード等の入力デバイスと、ディスプレイ等の出力デバイスと、を有する。
【0046】
(2)要部
次に、実施形態1,2の状態推定システム1の要部について説明する。
【0047】
本開示の実施形態1,2に係る状態推定システム1は、図1図6に示すように、
取得部121と、特定部122と、推定部123と、を備える。
【0048】
(2-1)取得部及び取得処理
取得部121は、取得処理を実行する。取得処理とは、外部サーバ60から災害関連情報を取得する処理である。取得処理は、例えば、停電の発生に応じて実行されるが、定期的又は不定期に実行されてもよい。
【0049】
外部サーバ60は、例えば、気象庁のサーバや、電力系統201を運営する電力会社のサーバ等であるが、これに限らない。
【0050】
(2-1-1)災害関連情報:災害発生情報、気象情報など
災害関連情報とは、自然災害に関連する情報である。災害関連情報は、例えば、自然災害の発生に関する災害発生情報、気象に関する気象情報などを含む。
【0051】
災害関連情報は、通常、観測に基づく情報であるが、予測に基づく情報(予報)でもよい。観測に基づく情報とは、例えば、地震波の観測に基づく緊急地震速報、各地での観測結果に基づく地震情報(地震の規模や範囲等)などである。予測に基づく情報とは、例えば、各地での観測結果、統計情報、気象予測モデル等を用いた予測に基づく警報及び注意報(大雨警報、落雷注意報等)であるが、警報・注意報以外の気象情報(天気予報)などである。予測は、通常、計算による予測であるが、人為的な予測も含んでもよい。
【0052】
災害関連情報は、実施形態1,2では、定期的(例えば、1時間おき)に取得されるが、例えば、人為的な操作に応じて不定期に取得されてもよいし、停電の発生時に取得(例えば、停電発生に応じて能動的に取得、又はプッシュ通知等で受動的に取得)されてもよい。
【0053】
(2-1-1a)災害関連情報の他の例:系統停電情報
なお、災害関連情報は、例えば、電力会社が提供する系統停電情報を更に含んでいてもよい。系統停電情報とは、系統停電に関する情報である。系統停電情報は、例えば、系統停電の原因、系統停電の範囲、復電の時刻、等に関する情報を含む。
【0054】
ただし、系統停電情報の一部(例えば、系統停電の発生を示す情報)は、後述するように、計測ユニット15の計測結果を基に、状態推定システム1内で取得されてもよい。
【0055】
(2-2)特定部及び原因特定処理
特定部122は、停電の発生時に、原因特定処理を実行する。原因特定処理とは、計測ユニット15からの計測結果に基づいて、停電の原因を特定し、原因情報を取得する処理である。
【0056】
(2-2-1)原因情報
原因情報とは、停電の原因を特定する情報である。原因情報は、遮断原因情報を含む。
【0057】
(2-2-1a)遮断原因の特定:遮断原因情報
遮断原因情報とは、ブレーカ(10,50)の遮断動作の原因(遮断原因)を示す情報である。遮断原因情報は、例えば、遮断原因が過電流か、漏電か、地震かを示す情報である。なお、過電流は、例えば、過負荷による過電流、短絡による過電流、及び落雷による過電流(雷サージ)の3種類に区別されてもよい。
【0058】
原因特定処理では、例えば、計測ユニット15からの計測結果(例えば、電流計の電流値及び加速度計の加速度値:後述)に基づいて、遮断原因が過電流か、漏電か、地震か(言い換えると、遮断が過電流遮断か、漏電遮断か、地震遮断か)が判別され、判別結果を示す遮断原因情報が取得される。
【0059】
(2-2-1b)系統停電か宅内停電かの特定:停電原因情報
原因情報は、停電原因情報を更に含んでもよい。停電原因情報とは、発生した停電が系統停電か宅内停電かを示す情報である。例えば、計測ユニット15が、系統停電を検知するための他の計測器を含み、原因特定処理では、まず、当該他の計測器の計測値(例えば、電力計の電力値:後述)を基に、発生した停電が系統停電か宅内停電かが特定され、停電原因情報が取得される。
【0060】
そして、停電が宅内停電である場合には、更に、ブレーカ(10,50)の遮断動作原因が上記1つ以上の遮断原因のうちどれであるかが特定され、遮断原因情報が取得される。
【0061】
ただし、停電原因情報は、必ずしも状態推定システム1内で取得されなくてもよく、例えば、外部サーバ60から提供される災害関連情報に予め含まれていてもよい。
【0062】
(2-2-1c)災害性か非災害性かの特定:根本原因情報
実施形態1,2における原因情報は、根本原因情報を更に含む。根本原因情報とは、停電の根本原因が自然災害か否かを示す情報である。根本原因情報は、例えば、遮断原因又は停電原因の災害属性が災害性か、非災害性かを示す。
【0063】
特定部122は、取得部121が取得した災害関連情報に基づいて、災害属性が災害性か、非災害性かを判別する災害属性判別処理を実行し、根本原因情報を取得する。
【0064】
計測ユニット15は、ブレーカに付随して用いられる。ブレーカは、通常、主幹ブレーカ10であるが、1つ以上の分岐ブレーカ50の各々でもよい(以下、単に「ブレーカ(10,50)」と記す。ブレーカ(10,50)は、電力系統201と顧客の宅内の負荷202との間の電路に介在する。電路は、第1電路203a,第2電路203b及び第3電路203cを含む(以下、単に「電路(203a~203c)」と記す)。
【0065】
(2-3)推定部及び状態推定処理
推定部123は、状態推定処理を実行する。状態推定処理とは、災害関連情報と原因情報とを基に、電路(203a~203c)の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する処理である。
【0066】
推定される電路(203a~203c)の状態は、例えば、非災害性漏電状態及び災害性漏電状態、並びに非災害性過電流状態及び災害性過電流状態、を含む4種類以上の状態のうちいずれかである。
【0067】
非災害性漏電状態とは、何ら対処を行うことなく復帰操作を行うと、自然災害とは異なる原因(宅内に固有の原因)で、漏電(非災害性漏電)が生じ得る状態をいう。復帰操作とは、ブレーカ(10,50)を遮断状態から復帰させるための操作であり、例えば、図10に示したスイッチ10Aの操作である。
【0068】
災害性過電流状態とは、自然災害を根本原因として、宅内を含む地域で電路の損傷が生じている可能性が高く、何ら対処を行うことなく復帰操作を行うと、宅内で漏電(災害性漏電)が生じ得る状態をいう。
【0069】
非災害性過電流状態とは、何ら対処を行うことなく復帰操作を行うと、自然災害とは異なる原因(宅内に固有の原因)で、過電流(非災害性過電流)が生じ得る状態をいう。
【0070】
災害性過電流状態とは、自然災害を根本原因として、宅内を含む地域で電路の損傷が生じている可能性が高く、何ら対処を行うことなく復帰操作を行うと、宅内で過電流(災害性過電流)が生じ得る状態をいう。
【0071】
(2-3-1)状態情報
状態情報とは、電路(203a~203c)の状態に関する情報である。状態情報は、例えば、前述したような遮断原因情報、上記4種類以上の状態のうちいずれかを示す状態種類情報、及び遮断原因が災害性か非災害性かを示す災害属性情報(後述)、などを含む。なお、状態情報は、電路(203a~203c)における遮断箇所を特定する遮断箇所情報、を更に含んでもよい。
【0072】
(2-3-2)状態情報の取得方法
例えば、災害関連情報及び遮断原因情報の組である組情報と、状態情報と、の対の集合(第1組情報と第1状態情報の対、第2組情報と第2状態情報の対・・・)がメモリに記憶されている。推定部123は、メモリに記憶されている組情報群(第1組情報、第2組情報・・・)のうち、取得部121が取得した災害関連情報及び特定部122が取得した遮断原因情報の組である取得組情報、に最も近接する組情報を特定する。そして、推定部123は、メモリに記憶されている対処情報群(第1対処情報、第2対処情報・・・)のうち、当該特定した組情報と対になる対処情報、を取得する。
【0073】
例えば、メモリに記憶されている組情報群(第1組情報、第2組情報・・・)のうち、取得組情報に最も近接する組情報が第2組情報である場合、当該第2組情報と対になる第2状態情報が取得される。
【0074】
(2-4)実施形態1,2の主要な利点
以上のように、本実施形態1,2では、停電の発生時に、外部サーバ60からの災害関連情報と、計測ユニット15の計測結果に基づく原因情報とを用いて、電路(203a~203c)の状態の推定の可能化を図ることができる。電路(203a~203c)の状態の推定とは、例えば、宅外の電路(203a)で破損等の停電原因が発生している状態か、宅内の電路(203b,203c)で漏電等の遮断原因が生じている状態か、の推定でもよいし、宅内のどの電路でどの種類の遮断原因が生じている状態かの推定でもよいし、遮断の根本原因は災害か否かの推定でもよい。ひいては、こうして推定した状態に応じた対処の可能化を図ることができる。
【0075】
(3)詳細
次に、実施形態1,2の状態推定システム1の詳細について説明する。
【0076】
(3-1)ブレーカ
(3-1-1)主幹ブレーカ
実施形態1,2の主幹ブレーカ10は、上記のような計測ユニット15の計測結果のうち電流値及び加速度値を基に、主幹ブレーカ10自身の二次側での過電流、漏電、及び地震の各々の発生を検出し、トリップ状態となる。
【0077】
詳しくは、後述する処理部12が、計測ユニット15の計測結果を基に、過電流等が発生したか否かを判断する。そして、過電流等が発生したと判断した場合に、処理部12は、第1電路203a及び第2電路203bの間の接点を開閉する開閉機構(図示しない)、及び開閉機構を駆動する駆動回路(図示しない)、を介して接点を開放し、主幹ブレーカ10をトリップ状態に移行させてもよい。
【0078】
ただし、主幹ブレーカ10は、上記のような電子式のブレーカに限らず、バイメタルや電磁コイル等を利用してトリップ状態(スイッチ10Aがオフの状態)に移行する熱動式や電磁式のブレーカでもよい。この場合、主幹ブレーカ10には、スイッチ10Aのオン・オフを検知するセンサが設けられ、処理部12は、センサの検知結果を基に、トリップ状態か否かの判断を行う。
【0079】
(3-1-2)分岐ブレーカ
分岐ブレーカ50は、第2電流値を基に、分岐ブレーカ50自身の二次側での過電流の発生を検出し、トリップ状態となる。
【0080】
(3-2)計測ユニット
計測ユニット15は、遮断原因を検知するための1つ以上の計測器を含む。
【0081】
(3-2-1)遮断原因
遮断原因とは、ブレーカ(10,50)が電路(203a~203c)の電流を遮断する遮断動作を行う原因となる現象(例えば、過電流や漏電等の電路で生じる物理現象、及び地震等の広域で発生する自然現象)である。
【0082】
遮断原因は、例えば、過電流、漏電、及び地震のうち1つ以上である。過電流は、例えば、過負荷による過電流、短絡による過電流、及び落雷による過電流(雷サージ)、のうち1種類以上を含むことが好適である。
【0083】
(3-2-2)1つ以上の計測器
1つ以上の計測器は、実施形態1,2では、過電流及び漏電の少なくとも一方を検知するための電流計、並びに地震を検知するための加速度計である。検知とは、例えば、電流計の計測結果(電流値)を基に過電流及び漏電を検知すること、又は、加速度計の計測結果(加速度値)を基に地震を検知すること、などである。
【0084】
ただし、1つ以上の計測器は、各種の遮断原因それ自体を検知する各種のセンサ(例えば、過電流センサ、漏電センサ、及び地震センサのうち1つ以上)でもよい。
【0085】
1つ以上の計測器は、例えば、過電流を検知する過電流センサ、漏電を検知する漏電センサ、及び地震を検知する地震センサであってもよい。過電流センサ及び漏電センサは、それぞれ専用の電流計で実現されるが、一の電流計でも実現され得る。
【0086】
(3-2-2a)実施形態1:電流計及び加速度計
実施形態1における1つ以上の計測器は、電流計及び加速度計を含む。電流計は、主幹ブレーカ10の二次側(第2電路203b及び第2電路203c)での過電流及び漏電を検知するための電流計であり、第2電路203bに設けられる。加速度計は、地震を検知するための加速度計であり、分電盤100に設けられる。
【0087】
(3-2-2b)実施形態2:第1電流計及び第2電流計並びに加速度計
実施形態2における1つ以上の計測器は、第1電流計、1つ以上の第2電流計及び加速度計を含む。第1電流計は、主幹ブレーカ10の二次側(第2電路203b及び第2電路203c)での過電流及び漏電を検知するための電流計であり、第2電路203bに設けられる。1つ以上の第2電流計は、1つ以上の分岐ブレーカ50の各々の二次側(第2電路203c)での過電流及び漏電を検知するための電流計であり、1つ以上の第3電路203cにそれぞれ設けられる。加速度計は、地震を検知するための加速度計であり、分電盤100に設けられる。
【0088】
(3-3)計測結果
計測結果は、1つ以上の計測器に対応する1つ以上の計測値を含む。
【0089】
1つ以上の計測値は、実施形態1では、例えば、電流計に対応する電流値、及び加速度計に対応する加速度値である。
【0090】
1つ以上の計測値は、実施形態2では、例えば、第1電流計に対応する第1電流値、1つ以上の第2電流計に対応する1つ以上の第2電流値、及び加速度計に対応する加速度値である。
【0091】
(3-4)ブレーカ及び遮断動作
ブレーカ(10,50)は、計測ユニット15からの1つ以上の計測値を基に1つ以上の遮断原因のいずれかを検知した場合に、遮断動作を行う。
【0092】
遮断動作とは、電路(203a~203c)の電流を遮断する動作である。遮断原因は、例えば、過電流、漏電、及び地震のうち1つ以上である。
【0093】
実施形態1,2における停電は、主として、このようなブレーカ(10,50)の遮断動作に起因する宅内停電である。特定部122が取得する原因情報は、遮断動作の原因となった遮断動作原因が、1つ以上の遮断原因のうちどれであるかを特定する遮断原因情報を含む。
【0094】
(3-5)実施形態1,2の更なる利点
これにより、宅内停電の発生時に、遮断原因(宅内の電路(203a~203c)で生じている異常が、過電流、漏電及び地震のどれか)の推定の可能化を図ることができる。
【0095】
(3-6)他の計測器:停電原因情報の取得方法
前述したように、実施形態1,2の計測ユニット15は、系統停電を検知するための他の計測器を更に含んでいる。他の計測器は、例えば、主幹ブレーカ10の一次側の電力計であり、このような電力計の電力値を基に、系統停電が検知される。
【0096】
特定部122は、上記他の計測器の計測値を基に、発生した停電が系統停電か宅内停電かを更に特定し、停電原因情報を取得する。
【0097】
(3-6-1)停電原因情報の他の取得方法
ただし、前述したように、停電原因情報は、例えば、外部サーバ60から提供される災害関連情報に予め含まれていてもよく、その場合、特定部122は、取得部121が取得した災害関連情報を基に、停電原因情報を取得する。
【0098】
このように、電路(203a~203c)の状態の推定は、系統停電か宅内停電かの推定を含む。これによって、発生している停電は、系統停電(例えば、主幹ブレーカ10の一次側(宅外)の電路(第1電路203a)を電流が流れていない状態)か、宅内停電(例えば、主幹ブレーカ10の遮断動作に起因する停電:宅外の電路(第1電路203a)を電流が流れているが、宅内の電路(第2電路203b,第3電路203c)を電流が流れていない状態)か、の推定の可能化を図ることができる。
【0099】
(3-7)自然災害及び災害関連情報
実施形態1,2において、自然災害は、地震、雷、大雨、洪水のうち少なくとも1つを含む。取得部121は、外部サーバ60から、地震、雷、大雨、洪水の発生に関連する災害関連情報を取得する。
【0100】
このような災害関連情報を取得部121が取得することで、推定部123は、電路(203a~203c)の状態をより詳細に推定できる。例えば、停電の根本原因である自然災害が、地震、雷、大雨、洪水のどれであるかがわかるので、自然災害の種類に応じた対処が可能となる。
【0101】
(3-8)対処部及び出力部
状態推定システム1は、対処部124と、出力部13と、を更に備える。
【0102】
(3-8-1)対処部及び対処情報
対処部124は、対処情報を取得する。対処情報とは、推定部123が推定した状態(遮断原因、及び災害属性等)に応じた対処を支援する情報である。対処情報は、例えば、系統停電状態への対処情報、及び宅内停電状態への対処情報を含む。そして、宅内停電状態への対処情報は、例えば、非災害性漏電状態への対処情報、非災害性過電流状態への対処情報、災害性漏電状態への対処情報、及び災害性過電流状態への対処情報、などを含む。
【0103】
(3-8-1a)系統停電状態/宅内停電状態への対処情報
系統停電状態の場合、対処部124は、電力系統201の復電まで待つ旨の対処情報を取得してもよい。宅内停電状態の場合には、遮断原因に応じた対処情報が取得される。
【0104】
(3-8-1b)災害属性によって異なる対処情報
対処部124は、同じ遮断原因でも、災害性遮断か、非災害性遮断か、で異なる対処情報を取得してもよい。
【0105】
(3-8-1bA)非災害性遮断への対処情報
具体的には、非災害性遮断の場合、対処部124は、復帰操作に関する操作情報を含む対処情報を取得する。その際、遮断原因によって異なる操作情報(漏電用の操作情報、過電流用の操作情報など)が取得されてもよい。修理の依頼先もまた、遮断原因によって異なってもよい(例えば、漏電の場合は漏電修理業者、漏電以外の場合は一般の電気工事業者など)。
【0106】
(3-8-1bB)災害性遮断への対処情報
これに対して、災害性遮断の場合、対処部124は、復帰操作を控え、修理を業者に依頼する旨、の対処情報を取得してもよい。
【0107】
(3-8-1c)対処情報の取得方法
例えば、状態情報と対処情報との対の集合がメモリに記憶されており、対処部124は、推定部123が取得した状態情報と対になる対処情報を、メモリから取得する。
【0108】
(3-8-2)出力部の出力対象:状態情報及び対処情報
出力部13は、推定部123が取得した状態情報、及び対処部124が取得した対処情報、の少なくとも一方を出力する。
【0109】
実施形態1,2では、出力部13は、通常、状態情報及び対処情報の両方を出力するが、いずれか一方のみを出力してもよい。
【0110】
(3-8-2a)出力態様:送信又は表示
出力部13による出力は、送信又は表示である。出力は、例えば、端末40への送信、又は、分電盤100(計測ユニット15)が有するディスプレイ15Bへの表示である。
【0111】
このような対処情報の出力によって、電路(203a~203c)の状態に応じた対処(各種の遮断原因に応じた対処、自然災害時に適した対処など)の支援を図ることができる。
【0112】
(3-8-2b)端末への送信例
出力部13は、状態情報及び対処情報の少なくとも一方を、顧客及び支援者の少なくとも一方の端末40に送信する。支援者は、顧客による停電への対処を支援する。
【0113】
実施形態1における出力部13は、状態情報及び対処情報を、顧客の端末40に送信する。実施形態2における出力部13は、状態情報及び対処情報を、顧客の端末40及び支援者の端末40の少なくとも一方に送信する。
【0114】
こうして、状態情報及び対処情報の少なくとも一方を、顧客及び支援者の少なくとも一方の端末40に送信することで、宅内停電への顧客自身による対処又は支援者による対処、を可能化できる。
【0115】
(3-9)災害属性情報
実施形態1,2における状態情報は、災害属性情報を更に含む。災害属性情報とは、停電の根本原因が自然災害に起因する災害性停電か、自然災害に起因しない非災害性停電か、を示す情報である。ここでの停電は、例えば、過電流又は漏電に応じた遮断に起因する宅内停電であるが、地震に起因する宅内停電でもよいし、系統停電でも構わない。
【0116】
特に、遮断原因情報によって遮断原因は過電流又は漏電であることが特定される場合、状態情報に災害属性情報が含まれることが好適である。
【0117】
対処部124は、状態情報に含まれる災害属性情報が災害性停電を示すか、非災害性停電を示すかで異なる対処情報を取得する。
【0118】
(3-9-1)災害属性判別処理
実施形態1,2における対処部124は、災害属性判別処理を実行する。災害属性判別処理とは、状態情報に含まれる災害属性情報が災害性を示すか、非災害性停電を示すか、を判別する処理である。
【0119】
このように、停電が災害性か非災害性かで異なる支援情報を取得することで、停電の根本原因が自然災害である場合に、自然災害時に適した対処(例えば、通電火災等の二次災害の回避を図ることができる対処)の支援を図ることができる。
【0120】
(3-9-2)災害性停電に対する対処情報:災害時対処情報
対処部124は、状態情報に含まれる災害属性情報が災害性停電を示す場合には、災害時対処情報を取得する。災害時対処情報は、警告情報及び推奨情報の少なくとも一方を含む。警告情報は、復帰操作を控えるべき旨の情報である。推奨情報は、電路(203a~203c)に関連する点検及び修理の少なくとも一方を行うよう勧める旨の情報である。
【0121】
このように、災害性停電に対しては、警告情報又は推奨情報を含む災害時対処情報を取得することで、自然災害に適した対処の支援を図ることができる。例えば、地震に起因する宅内停電の場合は、復帰操作を控えるよう警告することで、通電火災等の二次災害の発生の回避を図ることができる。大雨に起因する宅内停電(宅内の電路(203b,203c)が漏電で遮断されている状態)の場合は、業者への点検依頼を推奨することで、感電等の回避を図ることができる。自然災害以外に起因する宅内停電の場合は、復帰操作の手順を案内することで、顧客自身による対処を支援できる。
【0122】
(3-9-2a)支援者の例:業者
支援者は、電路(203a~203c)に関わる業者である。業者は、例えば、電路(203a~203c)に関する工事を行う電気工事業者である。または、業者は、電力系統201を管理する電力会社等の電気事業者でもよいし、負荷202(家電等の電気機器)の修理を行う修理業者、顧客の住宅を管理する管理業者などでも構わない。
【0123】
状態情報に含まれる災害属性情報が災害性停電を示す場合には、対処部124及び出力部13は、次の動作を行う。すなわち、対処部124は、電路(203a~203c)に関連する点検及び修理の少なくとも一方を依頼する旨の依頼情報を含む業者向け災害時対処情報を取得すると共に、顧客自身によるブレーカ(10,50)を遮断状態から復帰させるための復帰操作を控えるべき旨の警告情報、及び業者向け対処依頼情報の送信を行う旨の通知情報、の少なくとも一方を含む顧客向け災害時対処情報を取得する。
【0124】
出力部13は、こうして対処部124が取得した業者向け対処情報を業者の端末40に送信すると共に、顧客向け対処情報を顧客の端末40に送信する。
【0125】
このように、災害性停電時、業者に点検を自動依頼し、顧客には、復帰操作を控えるよう警告するとともに、業者への依頼について通知することで、顧客が業者の支援を受けて的確な対処を行うよう支援できる。
【0126】
(3-9-3)非災害性停電に対する対処情報:災害時対処情報
状態情報に含まれる災害属性情報が非災害性停電を示す場合には、対処部124及び出力部13は、次の動作を行う。すなわち、対処部124は、非災害時対処情報を取得する。非災害時対処情報は、手順情報を含む。手順情報とは、復帰操作の手順に関する情報である。なお、復帰操作の手順は、遮断原因によって異なってもよい。
【0127】
出力部13は、こうして対処部124が取得した非災害時対処情報を顧客の端末40に送信する。
【0128】
このように、非災害性停電時には、顧客に復帰操作の手順を通知することで、顧客自身が的確な対処を行うよう支援できる。
【0129】
(3-10)バックアップ電源
状態推定システム1は、電源部14を更に備える。電源部14は、系統停電中、少なくとも主幹ブレーカ10に電力を供給する。電源部14は、通常、計測ユニット15にも電力を供給する。
【0130】
電源部14は、通常、バッテリである。バッテリは、例えば、使い切りであるが、充電式でもよい。実施形態1,2では、電源部14は、主幹ブレーカ10とは別体であり、分電盤100内に設けられる。ただし、電源部14は、主幹ブレーカ10に内蔵されていてもよいし、主幹ブレーカ10以外の内器に内蔵されていてもよい。
【0131】
または、電源部14は、例えば、少なくとも系統停電時に稼働する自家発電システムでもよい。
【0132】
(3-11)計測ユニット・ブレーカ間の接続
なお、計測ユニット15は、実施形態1,2では、主幹ブレーカ10とは別体の専用ユニットであり、ブレーカ(主幹ブレーカ10)と常時通信可能に接続される。計測ユニット15と主幹ブレーカ10との間の接続は、実施形態1,2では近距離無線通信による接続であるが、有線接続でもよい。
【0133】
ただし、計測ユニット15の一部(第2電流計以外)の構成要素は、主幹ブレーカ10の構成要素であってもよい。例えば、上記第1電流計及び上記加速度計の少なくとも一方が、主幹ブレーカ10に更に内蔵されていてもよい。
【0134】
または、計測ユニット15は、分電盤100内の、主幹ブレーカ10以外の内器(例えば、リミッタ)が備えていてもよいし、分電盤100の外部に設けられてもよい。計測ユニット15の計測結果を、主幹ブレーカ10の処理部12に引き渡すことが可能であれば、計測ユニット15の所在は問わない。
【0135】
(4)実施形態1
次に、本開示の実施形態1に係る状態推定システム1について説明する。なお、既出事項の説明は省略又は簡略化している。
【0136】
本開示の実施形態1に係る状態推定システム1は、図1に示すように、単一の分電盤100で構成される。分電盤100は、主幹ブレーカ10,1つ以上の分岐ブレーカ50、計測ユニット15及び電源部14を備える。主幹ブレーカ10は、計測ユニット15、第2ネットワーク302、GW303及び第1ネットワーク301を介して、外部サーバ60及び端末40の各々と通信可能に接続(例えば、適時接続、又は常時接続)される。
【0137】
主幹ブレーカ10は、図2に示すように、受付部11と、処理部12と、出力部13とを備える。処理部12は、取得部121と、特定部122と、推定部123と、対処部124と、を備える。
【0138】
受付部11は、各種の操作及び各種の情報を受け付ける。各種の操作とは、例えば接続操作である。接続操作の受け付けは、接続キー15Aを介した受け付けである。各種の情報とは、例えば、計測ユニット15の計測結果、外部サーバ60からの災害関連情報などである。計測結果等の情報の受け付けは、通信モジュールを介した受信である。
【0139】
処理部12は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、取得部121の取得処理、特定部122の原因特定処理、推定部123の状態推定処理、対処部124の対処処理(災害属性判別処理を含む)などである。
【0140】
出力部13は、前述したように、状態情報及び対処情報の少なくとも一方(図4図5参照)を出力する。状態情報等の情報の出力は、通常、通信モジュールを介した端末40への送信であるが、ディスプレイ15Bへの表示、又はスピーカ(不図示)からの音声出力などでもよい。
【0141】
主幹ブレーカ10を構成する各部(11~13及び121~124)は、通常、電力系統201からの電力で動作するが、系統停電中は電源部14からの電力で動作する。
【0142】
計測ユニット15は、主幹ブレーカ10と常時通信可能に接続される。計測ユニット15と主幹ブレーカ10との間の接続は、近距離無線通信による接続である。
【0143】
計測ユニット15は、主幹ブレーカ10の一次側の第1電路203aの電力を電力計で計測する。また、計測ユニット15は、主幹ブレーカ10の二次側の第2電路203bの電流を第1電流計で計測する。さらに、計測ユニット15は、計測ユニット15自身の加速度を加速度計で計測する。そして、計測ユニット15は、当該3つの計測結果(電力値、第1電流値及び加速度値)を主幹ブレーカ10に引き渡す。
【0144】
主幹ブレーカ10は、計測ユニット15の計測結果を基に、主幹ブレーカ10自身の二次側での過電流、漏電、及び地震の各々の発生を検出し、トリップ状態となる。
【0145】
(4-1)動作例
主幹ブレーカ10は、例えば、図3に示すフローチャートに従って動作する。なお、このフローチャートの処理は、電力系統201からの電力の通電に応じて開始される。
【0146】
主幹ブレーカ10を構成する処理部12は、計測ユニット15からの計測結果を基に、停電が発生したか否かを判断する(ステップS1)。停電は発生していないと判断された場合、処理はステップS1に戻る。
【0147】
停電が発生したと判断された場合、処理部12を構成する取得部121は、災害関連情報を取得する取得処理を実行する(ステップS2)。次に、特定部122は、原因特定処理を実行し、原因情報を取得する(ステップS3)。
【0148】
次に、推定部123は、ステップS2で取得された災害関連情報とステップS3で取得された原因情報とを基に状態推定処理を実行し、状態情報を取得する(ステップS4)。
【0149】
次に、対処部124は、ステップS2で取得された災害関連情報に含まれる災害属性情報を基に災害属性判別処理を実行し(ステップS5)、発生した停電が災害性停電か否かを判別する(ステップS6)。
【0150】
発生した停電が災害性停電であると判別した場合、対処部124は、警告情報及び推奨情報の少なくとも一方を含む対処情報を取得し、出力部13は、取得された対処情報を出力する(ステップS7)。これによって、端末40に、例えば、図5に示すような画面が表示される。
【0151】
発生した停電が非災害性停電であると判別した場合、対処部124は、手順情報を含む対処情報を取得し、出力部13は、取得された対処情報を出力する(ステップS8)。これによって、端末40に、例えば、図4に示すような画面が表示される。
【0152】
こうして対処情報が出力された後、処理はステップS1に戻る。
【0153】
なお、ステップS2の取得処理は、ステップS1の判断処理(停電か否かの判断)の前に実行されてもよい。そして、ステップS2の後のステップS1で停電ではないと判断された場合、当該判断から一定時間経過後に、ステップS2の取得処理に戻ってもよい。
【0154】
(4-2)出力例
(4-2-1)災害性停電の場合の出力例
図5の画面には、復帰操作を控えるよう警告しつつ業者への依頼を推奨する文字列「停電が発生しました。停電原因は、宅内ブレーカの動作です。大雨による浸水で漏電の可能性があります。次の手順で対処して下さい。ブレーカのスイッチを入れないでください。業者に点検を依頼して下さい。」が含まれる。
【0155】
顧客は、図5の画面を参照して、停電原因である災害性漏電に対する適切な対処(復帰操作を控え、業者への点検依頼)を行うことができる。
【0156】
(4-2-2)非災害性停電の場合の出力例
図4の画面には、復帰操作の手順を示す文字列「停電が発生しました。停電原因は、宅内ブレーカの動作です。漏電の可能性があります。以下の手順で対処して下さい。分岐ブレーカのスイッチを全て切ってください。主幹ブレーカのスイッチを入れて下さい。分岐ブレーカのスイッチを順番に入れていき・・・」が含まれる。
【0157】
顧客は、図4の画面を参照して、停電原因である非災害性漏電に対する適切な対処(復帰操作)を行うことができる。
【0158】
(4-3)実施形態1の利点
以上のように、実施形態1によれば、一の住宅を対象に、停電発生時、電路の状態の推定、ひいては推定した状態への対処、の可能化を図ることができる。
【0159】
(5)実施形態2
次に、本開示の実施形態2に係る状態推定システム1について説明する。以下では、実施形態1との差異についてのみ説明し、既出事項の説明は省略又は簡略化している。
【0160】
実施形態2に係る状態推定システム1は、図6に示すように、1つ以上の分電盤100と、サーバ30と、を備える。1つ以上の分電盤100の各々は、第1ネットワーク301、GW303及び第2ネットワーク302を介して、サーバ30と常時通信可能に接続される。サーバ30は、第1ネットワーク301を介して、顧客の端末40とも通信可能に接続され得る。ブレーカ(10,50)及び計測ユニット15は、1つ以上の分電盤100の各々に内蔵される。
【0161】
(5-1)サーバ
実施形態1において主幹ブレーカ10が備えていた取得部121、特定部122、推定部123、及び対処部124(図2参照)は、実施形態2では、図8に示されるように、主幹ブレーカ10から除かれ、図7に示されるように、サーバ30に備えられる。
【0162】
(5-1-1)サーバの取得部
サーバ30が備える取得部121は、1つ以上の分電盤100の各々が存在する地域での自然災害に関連する災害関連情報について、前述したような取得処理を実行する。取得処理の結果は、通常、各分電盤100を識別する分電盤識別子に対応付けて、サーバ30のメモリに記憶される。
【0163】
(5-1-2)サーバの特定部
サーバ30が備える特定部122は、1つ以上の分電盤100の各々に内蔵された計測ユニット15からの計測結果に基づいて、前述したような原因特定処理を実行する。
【0164】
(5-1-3)サーバの推定部
サーバ30が備える推定部123は、1つ以上の分電盤100の各々に内蔵されたブレーカ(10,50)が介在する電路(203a~203c)について、前述したような状態推定処理を実行する。
【0165】
(5-1-4)サーバの対処部等
サーバ30が備える対処部124は、1つ以上の分電盤100の各々に内蔵されたブレーカ(10,50)が介在する電路(203a~203c)について、前述したような災害属性判別処理を含む対処処理を実行する。
【0166】
このように、実施形態2では、状態推定システム1は、1つ以上の分電盤100及びサーバ30を備え、サーバ30が、1つ以上の分電盤100の各々(各分電盤100)について、取得処理、原因特定処理、状態推定処理、及び災害属性判別処理を含む対処処理、(更には、状態情報及び対処情報の少なくとも一方を出力する出力処理)を実行する。これにより、各分電盤100において、停電の発生時に、電路(203a~203c)の状態の推定を図ることができる。
【0167】
(5-2)1つ以上の分電盤
実施形態2の状態推定システム1を構成する1つ以上の分電盤100の各々は、実施形態1の状態推定システム1を構成する単一の分電盤100と同様、主幹ブレーカ10、1つ以上の分岐ブレーカ50、計測ユニット15、及び電源部14を備える。
【0168】
(5-2-1)計測ユニット
ただし、実施形態2における計測ユニット15は、第3電路203cでの過電流及び漏電の少なくとも一方を更に検知する。
【0169】
(5-2-2)分電盤の記憶部:第2記憶部
(5-3)支援者の端末
実施形態2では、前述したように、状態情報等は、顧客の端末40に加えて、又はこれに代えて、支援者の端末40に送信される。サーバ30は、第1ネットワーク301を介して、支援者の端末40とも通信可能に接続される。
【0170】
(5-3-1)業者
業者は、電路(203a~203c)に関する工事を行う電気工事業者である。業者の端末40は、第1ネットワーク301を介してサーバ30と通信可能に接続される。
【0171】
(5-3-2)業者向け災害時対処情報、及び顧客向け災害時対処情報
対処部124は、業者向け災害時対処情報を取得すると共に、顧客向け災害時対処情報を取得してもよい。業者向け災害時対処情報は、電路(203a~203c)に関連する点検及び修理の少なくとも一方を依頼する旨の依頼情報を含む。顧客向け災害時対処情報は、業者向け対処依頼情報の送信を行う旨を通知する通知情報を含む。
【0172】
出力部13は、業者向け対処情報を前者の端末40に送信すると共に、顧客向け対処情報を顧客の端末40に送信してもよい。
【0173】
(5-4)動作例
サーバ30は、1つ以上の分電盤100の各々について、図3のフローチャートの処理を実行する。以下では、1つ以上の分電盤100のうち一の分電盤100(以下、単に「分電盤100」と記す)についての処理を説明する。
【0174】
サーバ30構成する処理部32は、分電盤100の計測ユニット15からの計測結果を基に、分電盤100を含む宅内で停電が発生したか否かを判断する(ステップS1)。停電は発生していないと判断された場合、処理はステップS1に戻る。
【0175】
停電が発生したと判断された場合、処理部32を構成する取得部121は、分電盤100を含む地域の災害関連情報を取得する取得処理を実行する(ステップS2)。次に、特定部122は、分電盤100を含む宅内について、宅内原因特定処理を実行し、原因情報を取得する(ステップS3)。
【0176】
次に、推定部123は、ステップS2で取得された災害関連情報とステップS3で取得された原因情報とを基に、分電盤100に対応する電路について、状態推定処理を実行し、状態情報を取得する(ステップS4)。
【0177】
次に、対処部124は、ステップS2で取得された災害関連情報に含まれる災害属性情報を基に、災害属性判別処理を実行し(ステップS5)、分電盤100を含む宅内で発生した停電が災害性停電か否かを判別する(ステップS6)。
【0178】
発生した停電が災害性停電であると判別した場合、対処部124は、分電盤100を含む宅内について、警告情報及び推奨情報の少なくとも一方を含む対処情報を取得し、出力部13は、取得された対処情報を出力する(ステップS7)。これによって、分電盤100に対応する顧客の端末40に、例えば、図9に示すような画面が表示される。
【0179】
発生した停電が非災害性停電であると判別した場合、対処部124は、手順情報を含む対処情報を取得し、出力部13は、取得された対処情報を出力する(ステップS8)。これによって、顧客の端末40に、例えば、図4に示すような画面が表示される。
【0180】
こうして対処情報が出力された後、処理はステップS1に戻る。
【0181】
(5-5)出力例
(5-5-1)災害性停電の場合の出力例
例えば、分電盤100を含む宅内での災害性停電の発生に応じて、分電盤100に対応する顧客の端末40に、図9のような画面が表示される。
【0182】
図9の画面には、復帰操作を控えるよう警告しつつ業者への依頼を推奨する文字列「停電が発生しました。停電原因は、宅内ブレーカの動作です。大雨による浸水でエントランスに漏電の可能性があります。次の手順で対処して下さい。上段右上の分岐ブレーカのスイッチを切ってください。主幹ブレーカのスイッチを入れて下さい。業者に点検を依頼しましたので、業者の到着をお待ち下さい。」が含まれる。
【0183】
分電盤100を含む宅内の顧客は、図9の画面を参照して、停電原因であるエントランスでの災害性漏電に対する適切な対処(エントランスに対応する分岐ブレーカを切り、主幹ブレーカのスイッチを入れて、業者の到着まで待機)を行うことができる。
【0184】
(5-5-2)非災害性停電の場合の出力例
分電盤100を含む宅内での非災害性停電の発生に応じて、分電盤100に対応する顧客の端末40に、図4のような画面が表示される。
【0185】
分電盤100を含む宅内の顧客は、図4の画面を参照して、停電原因である非災害性漏電に対する適切な対処(復帰操作)を行うことができる。
【0186】
(5-6)実施形態2の利点
以上のように、実施形態2によれば、1つ以上の住宅の各々を対象に、停電発生に応じて取得処理、原因特定処理及び状態推定処理(更には、災害属性判別処理を含む対処処理、及び出力処理)を実行)することで、電路(203a~203c)の状態の推定、ひいては推定した状態への対処、の可能化を図ることができる。
【0187】
(6)状態推定方法及びプログラム
状態推定システム1と同様の機能は、状態推定方法又はプログラムによって実現さてもよい。状態推定方法は、上記各種のステップのうち、少なくともステップS2(取得ステップ)、ステップS3(特定ステップ)及びステップS4(推定ステップ)を含む。
【0188】
プログラムは、状態推定方法を1つ以上のコンピュータに実行させる。1つ以上のコンピュータは、例えば、主幹ブレーカ10のプロセッサ単独でもよいし、主幹ブレーカ10のプロセッサ及びサーバ30のプロセッサの2つのプロセッサでもよいし、これら2つのプロセッサに1つ以上の端末40に対応する1つ以上のプロセッサを加えた3つ以上のプロセッサでもよい。
【0189】
(7)まとめ
本開示の第1の態様に係る状態推定システム(1)は、取得部(121)と、特定部(122)と、推定部(123)と、を備える。取得部(121)は、取得処理を実行する。取得処理は、外部サーバ(60)から災害関連情報を取得する処理である。災害関連情報は、自然災害の発生に関連する情報である。特定部(122)は、停電の発生時に、原因特定処理を実行する。原因特定処理は、計測ユニット(15)からの計測結果に基づいて、停電の原因を特定し、原因情報を取得する処理である。計測ユニット(15)は、ブレーカ(主幹ブレーカ10,分岐ブレーカ50:以下、単に(10,50)と記す)に付随して用いられる。ブレーカ(10,50)は、電力系統(201)と顧客の宅内の負荷(202)との間の電路(第1電路203a,第2電路203b,第3電路203c:以下、単に(203a~203c)と記す)に介在する。推定部(123)は、状態推定処理を実行する。状態推定処理は、災害関連情報と原因情報とを基に、電路(203a~203c)の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する処理である。
【0190】
この態様によれば、停電の発生時に、外部サーバ(60)からの災害関連情報と、計測ユニット(15)の計測結果に基づく原因情報とを用いて、電路(203a~203c)の状態の推定の可能化を図ることができる。ひいては、推定した状態に応じた対処の可能化を図ることができる。
【0191】
第2の態様に係る状態推定システム(1)では、第1の態様において、計測ユニット(15)は、過電流、漏電及び地震のうち1つ以上の遮断原因を検知するための1つ以上の計測器を含む。計測結果は、1つ以上の計測器に対応する1つ以上の計測値を含む。ブレーカ(10,50)は、1つ以上の計測値を基に1つ以上の遮断原因のいずれかを検知した場合に、電路(203a~203c)の電流を遮断する遮断動作を行う。停電は、宅内停電である。宅内停電は、遮断動作に起因する停電である。原因情報は、遮断原因情報を含む。遮断原因情報は、遮断動作の原因となった遮断動作原因が、1つ以上の遮断原因のうちどれであるかを特定する情報である。
【0192】
この態様によれば、宅内停電の発生時に、遮断原因(宅内の電路(203a~203c)で生じている異常が、過電流、漏電及び地震のどれか)の推定の可能化を図ることができる。
【0193】
第3の態様に係る状態推定システム(1)では、第2の態様において、計測ユニット(15)は、系統停電を検知するための他の計測器を更に含む。系統停電は、電力系統(201)に起因する停電である。原因特定処理は、他の計測器の計測値を基に、停電が系統停電か宅内停電かを更に特定する。原因情報は、停電原因情報を更に含む。停電原因情報は、停電が系統停電か宅内停電かを示す情報である。
【0194】
この態様によれば、発生している停電は、系統停電(ブレーカ(10,50)の一次側(宅外)の電路(203a~203c)を電流が流れていない状態)か、宅内停電(ブレーカ(10,50)の遮断動作に起因する停電:宅外の電路(203a~203c)を電流が流れているが、ブレーカ(10,50)の二次側(宅内)の電路(203a~203c)を電流が流れていない状態)か、の推定の可能化を図ることができる。
【0195】
第4の態様に係る状態推定システム(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、自然災害は、地震、雷、大雨、洪水のうち少なくとも1つを含む。
【0196】
この態様によれば、地震、雷、大雨、洪水に関する情報を考慮することで、電路(203a~203c)の状態をより詳細に推定(停電の根本原因である自然災害が地震、雷、大雨、洪水のどれかを推定)できる。ひいては、自然災害の種類に応じた対処が可能となる。
【0197】
第5の態様に係る状態推定システム(1)は、第1~第4のいずれかの態様において、状態推定システム(1)は、対処部(124)と、出力部(13)と、を更に備える。対処部(124)は、対処情報を取得する。対処情報は、推定部(123)が推定した状態に応じた対処を支援する情報である。出力部(13)は、状態情報及び対処情報の少なくとも一方を出力する。
【0198】
この態様によれば、電路(203a~203c)の状態に応じた対処(各種の遮断原因に応じた対処、自然災害時に適した対処など)の支援を図ることができる。
【0199】
第6の態様に係る状態推定システム(1)では、第5の態様において、出力部(13)は、状態情報及び対処情報の少なくとも一方を、顧客及び支援者の少なくとも一方の端末(40)に送信する。支援者は、顧客による停電への対処を支援する。
【0200】
この態様によれば、状態情報及び対処情報の少なくとも一方を顧客又または支援者の端末(40)に送信することで、宅内停電への顧客自身による対処又は支援者による対処、の可能化を図ることができる。
【0201】
第7の態様に係る状態推定システム(1)では、第6の態様において、状態情報は、災害属性情報を更に含む。災害属性情報は、停電の根本原因が自然災害に起因する災害性停電か自然災害に起因しない非災害性停電かを示す情報である。対処部(124)は、状態情報に含まれる災害属性情報が災害性停電を示すか非災害性停電を示すかで異なる対処情報を取得する。
【0202】
この態様によれば、停電の根本原因が自然災害である場合に、自然災害時に適した対処(例えば、通電火災等の二次災害の回避を図ることができる対処)の支援を図ることができる。
【0203】
第8の態様に係る状態推定システム(1)では、第7の態様において、対処部(124)は、状態情報に含まれる災害属性情報が災害性停電を示す場合には、災害時対処情報を取得する。災害時対処情報は、警告情報及び推奨情報の少なくとも一方を含む。警告情報は、ブレーカ(10,50)を遮断状態から復帰させるための復帰操作を控えるべき旨の情報である。推奨情報は、電路(203a~203c)に関連する点検及び修理の少なくとも一方を行うよう勧める旨の情報である。
【0204】
この態様によれば、災害性停電に対しては、警告情報又は推奨情報を含む災害時対処情報を取得することで、自然災害に適した対処の支援を図ることができる。
【0205】
第9の態様に係る状態推定システム(1)では、第8の態様において、支援者は、電路(203a~203c)に関わる業者である。状態情報に含まれる災害属性情報が災害性停電を示す場合には、対処部(124)及び出力部(13)は、次の動作を行う。すなわち、対処部(124)は、電路(203a~203c)に関連する点検及び修理の少なくとも一方を依頼する旨の依頼情報を含む業者向け災害時対処情報を取得すると共に、顧客自身によるブレーカ(10,50)を遮断状態から復帰させるための復帰操作を控えるべき旨の警告情報、及び業者向け対処依頼情報の送信を行う旨の通知情報、の少なくとも一方を含む顧客向け災害時対処情報を取得する。出力部(13)は、業者向け対処情報を業者の端末(40)に送信すると共に、顧客向け対処情報を顧客の端末(40)に送信する。
【0206】
この態様によれば、災害性停電時に、業者に点検を自動依頼し、顧客には、復帰操作を控えるよう警告するとともに、業者への依頼について通知することで、顧客が業者の支援を受けて的確な対処を行うよう支援できる。
【0207】
第10の態様に係る状態推定システム(1)では、第7~第9のいずれかの態様において、状態情報に含まれる災害属性情報が非災害性停電を示す場合には、対処部(124)及び出力部(13)は、次の動作を行う。すなわち、対処部(124)は、非災害時対処情報を取得する。非災害時対処情報は、ブレーカ(10,50)を遮断状態から復帰させるための復帰操作の手順に関する手順情報を含む。出力部(13)は、非災害時対処情報を顧客の端末(40)に送信する。
【0208】
この態様によれば、非災害性停電時には、顧客に復帰操作の手順を通知することで、顧客自身が的確な対処を行うよう支援できる。
【0209】
第11の態様に係る状態推定システム(1)は、第1~第10のいずれかの態様において、1つ以上の分電盤(100)と、サーバ(30)と、を更に備える。サーバ(30)は、1つ以上の分電盤(100)の各々と通信可能である。ブレーカ(10,50)及び計測ユニット(15)は、1つ以上の分電盤(100)の各々に内蔵される。取得部(121)、特定部(122)及び推定部(123)は、サーバ(30)に備えられる。サーバ(30)が備える取得部(121)は、1つ以上の分電盤(100)の各々が存在する地域での自然災害に関連する災害関連情報について取得処理を実行する。サーバ(30)が備える特定部(122)は、1つ以上の分電盤(100)の各々に内蔵された計測ユニット(15)からの計測結果に基づいて原因特定処理を実行する。サーバ(30)が備える推定部(123)は、1つ以上の分電盤(100)の各々に内蔵されたブレーカ(10,50)が介在する電路(203a~203c)について状態推定処理を実行する。
【0210】
この態様によれば、1つ以上の分電盤(100)の各々(各分電盤100)において、電路(203a~203c)の状態の推定の可能化を図ることができる。ひいては、各分電盤(100)において、推定した状態に応じた対処の可能化を図ることができる。
【0211】
第12の態様に係るブレーカ(10,50)は、電力系統(201)と顧客の宅内の負荷(202)との間の電路(203a~203c)に介在する。ブレーカ(10,50)は、取得部(121)と、特定部(122)と、推定部(123)と、を備える。取得部(121)は、取得処理を実行する。取得処理は、外部サーバ(60)から災害関連情報を取得する処理である。災害関連情報は、自然災害の発生に関連する情報である。特定部(122)は、停電の発生時に、原因特定処理を実行する。原因特定処理は、計測ユニット(15)からの計測結果に基づいて、停電の原因を特定し、原因情報を取得する処理である。計測ユニット(15)は、ブレーカ(10,50)に付随して用いられる。推定部(123)は、状態推定処理を実行する。状態推定処理は、災害関連情報と原因情報とを基に、電路(203a~203c)の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する処理である。
【0212】
この態様によれば、第1の態様と同様、停電の発生時に、電路(203a~203c)の状態の推定、ひいては推定した状態に応じた対処、の可能化を図ることができる。
【0213】
第13の態様に係る分電盤(100)は、第12の態様のブレーカ(50,10)を備える。
【0214】
この態様によれば、第1の態様と同様、停電の発生時に、電路(203a~203c)の状態の推定、ひいては推定した状態に応じた対処、の可能化を図ることができる。
【0215】
第14の態様に係る状態推定方法は、取得ステップ(S2)と、特定ステップ(S3)と、推定ステップ(S4)と、を備える。取得ステップ(S2)は、取得処理を実行する。取得処理は、外部サーバ(60)から災害関連情報を取得する処理である。災害関連情報は、自然災害の発生に関連する情報である。特定ステップ(S3)は、停電の発生時に、原因特定処理を実行する。原因特定処理は、計測ユニット(15)からの計測結果に基づいて、停電の原因を特定し、原因情報を取得する処理である。計測ユニット(15)は、ブレーカ(10,50)に付随して用いられる。ブレーカ(10,50)は、電力系統(201)と顧客の宅内の負荷(202)との間の電路(203a~203c)に介在する。推定ステップ(S4)は、状態推定処理を実行する。状態推定処理は、災害関連情報と原因情報とを基に、電路(203a~203c)の状態を推定し、推定結果に関する状態情報を取得する処理である。
【0216】
この態様によれば、第1の態様と同様、停電の発生時に、電路(203a~203c)の状態の推定、ひいては推定した状態に応じた対処、の可能化を図ることができる。
【0217】
第15の態様に係るプログラムは、第14の態様の状態推定方法を1つ以上のコンピュータに実行させる。
【0218】
この態様によれば、第1の態様と同様、停電の発生時に、電路(203a~203c)の状態の推定、ひいては推定した状態に応じた対処、の可能化を図ることができる。
【符号の説明】
【0219】
1 状態推定システム
10 主幹ブレーカ(ブレーカ)
100 分電盤
11,31 受付部
12,32 処理部
121 取得部
122 特定部
123 推定部
124 対処部
13,33 出力部
14 電源部
15 計測ユニット
30 サーバ
40 端末
60 外部サーバ
201 電力系統
202 負荷
203a 第1電路(電路)
203b 第2電路(電路)
203c 第3電路(電路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10