(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091191
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】フライアッシュと石膏とを原材料とする焼結体の作製利用法
(51)【国際特許分類】
C04B 33/135 20060101AFI20240627BHJP
C04B 35/622 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
C04B33/135
C04B35/622 040
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022212935
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】523017970
【氏名又は名称】小山 央二
(72)【発明者】
【氏名】小山 央二
(57)【要約】
【課題】 フライアッシュから水を吸収するセラミックスを作製する。
【解決手段】
フライアッシュ原料に二水石膏(CaSO4・2H2O)あるいは半水石膏(CaSO4・1/2H2O)の粉体を添加し混合撹拌した材料に水(H2O)を添加し固形物に成型して電気炉やガス炉等により950℃から1200℃に加熱し焼結物の機能性物質を作製する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火力発電所等の石炭を燃焼させるボイラーから排出する排ガス中に含まれるフライアッシュ原料に二水石膏(CaSO4・2H2O)の粉体を添加し混合撹拌した材料に水(H2O)を添加して粘土状にした後、固形物に成型し電気炉やガス炉等により950℃から1200℃に加熱して焼結物にすることを特徴とする作製法とその装置。
【請求項2】
火力発電所等の石炭を燃焼させるボイラーから排出する排ガス中に含まれるフライアッシュ原料に半水石膏(CaSO4・1/2H2O)の粉体を添加し混合撹拌した材料に水(H2O)を添加して泥状にした後、固形物に成型し電気炉やガス炉等により950℃から1200℃に加熱して焼結物にすることを特徴とする作製法とその装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭火力発電所から発生するフライアッシュの廃棄物から煉瓦等の焼結物の機能性物質を作製し有効活用することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、火力発電所から発生するフライアッシュの粉体を有効利用するためにセメント材料の混合物や煉瓦等の焼結物を作製していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのために、次のような問題点があった。
(イ)上記、石炭火力発電所から廃棄物として発生するフライアッシュから煉瓦を作製するために水を添加し粘土状に成型した後、電気炉あるいはガス炉で1000℃から1100℃に加熱して焼結体を作製しようとしたが、フライアッシュには未燃カーボン等が含まれ、焼結の過程でカーボンの燃焼ガスが発生し、焼結体にクラックが発生したり餅が膨れたようになりその成型体が変形するという問題点がありそれを解決するためになされたものである。
(ロ)また、フライアッシュを有効利用するために煉瓦等を作製する方法としてフライアッシュに粘土を50%添加し粘土状に成型した後、電気炉あるいはガス炉で1000℃から1100℃に加熱して焼結体を作製しているがフライアッシュの消費量が50%と少なく、廃棄物を有効利用するというには消費量が少ないという問題点がありそれを解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
火力発電所等の石炭を燃焼させるボイラーから発生する排ガス中に含まれるフライアッシュ原料に二水石膏(CaSO4・2H2O)あるいは半水石膏(CaSO4・1/2H2O)の粉体を添加し混合撹拌した材料に水(H2O)を添加して粘土状にした後、固形物に成型し電気炉やガス炉等により950℃から1200℃に加熱し焼結物にして利用する。
【発明の効果】
【0005】
(イ)上記、石炭火力発電所から廃棄物として発生するフライアッシュから煉瓦等の焼結体を作製するために水を添加し粘土状あるいは泥状にして成型した後、電気炉あるいはガス炉で1000℃から1100℃に加熱して焼結体を作製する過程でのガス発生等による焼結体のクラック発生や餅が膨れたような状態を回避し、焼結体が変形しないという効果がある。
(ロ)フライアッシュ原料に二水石膏(CaSO4・2H2O)あるいは半水石膏(CaSO4・1/2H2O)の粉体を添加し混合撹拌した材料に水(H2O)を添加して粘土状あるいは泥状にして成型した後の固形物は二水石膏(CaSO4・2H2O)が含まれ焼成の途中で二水石膏中の結晶水が約200℃で水分(H2O)が分解発生することによって焼結の途中で焼結体に微細な穴が発生し毛管現象により水を吸い上げるという機能性物質が生成されるという効果がある。
(ハ)また、フライアッシュの成型体に含まれる添加物である二水石膏(CaSO4・2H2O)あるいは半水石膏(CaSO4・1/2H2O)含有率が約20%以下であるためフライアッシュの廃棄物処理の観点から消費量が多いという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。フライアッシュ原料に二水石膏(CaSO4・2H2O)あるいは半水石膏(CaSO4・1/2H2O)の粉体を添加し混合撹拌した材料に水(H2O)を添加して粘土状あるいは泥状にして成型する固形物の二水石膏(CaSO4・2H2O)あるいは半水石膏(CaSO4・1/2H2O)の含有率を10%から30%にする。そして電気炉あるいはガス炉で1000℃から1100℃に加熱して焼結体を作製する。