(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091192
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】除菌、ウィルス不活化の機能を有す洗浄剤
(51)【国際特許分類】
C11D 7/12 20060101AFI20240627BHJP
C11D 3/10 20060101ALI20240627BHJP
C11D 3/08 20060101ALI20240627BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20240627BHJP
C11D 7/14 20060101ALI20240627BHJP
C11D 7/42 20060101ALI20240627BHJP
C11D 9/36 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
C11D7/12
C11D3/10
C11D3/08
C11D3/386
C11D7/14
C11D7/42
C11D9/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022212936
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】595123081
【氏名又は名称】有限会社レイノ
(71)【出願人】
【識別番号】506287811
【氏名又は名称】杉山 貢
(72)【発明者】
【氏名】今村 智信
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003DA04
4H003DA05
4H003DB01
4H003EA15
4H003EA16
4H003EC01
4H003ED02
4H003FA28
4H003FA34
(57)【要約】
【課題】除菌、ウィルスの不活化と清掃を単一の洗浄剤で、且つ一工程の作業にて完結させ、人間に安全で環境負荷が少なく安価な組成物が求められていた。
【解決手段】除菌、ウィルスの不活化には洗浄剤のペーハー(PH)が大きく関わり、PHの値が12以上であることが望ましい。また、たんぱく質や脂分を分解する成分として酵素を含み、PH11以上が相まって有力である。さらに、洗浄剤としての機能を高めるために、大豆脂肪酸石鹸が液中でコロイドであることにより課題を解決できた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、パイナップル酵素と水で構成する除菌、ウィルス不活化の機能を有する洗浄剤
【請求項2】
前記洗浄剤に、大豆脂肪酸石鹸を加え除菌、ウィルス不活化の機能を有し、滑り性を向上した事を特徴とする請求項1記載の洗浄剤
【請求項3】
大豆脂肪酸石鹸がコロイド洗浄剤であり、除菌、ウィルス不活化の機能を有する事を特徴とする請求項2記載の洗浄剤
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は除菌、ウィルス不活化機能を有する洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
感染症対策として手洗い、うがい、マスク着用等が呼び掛けられ、菌やウィルスから身を守る手段として徹底した掃除による清潔度アップもなされている。近年のCOVID-19の地球規模での感染拡大に伴って、目に見えない細菌、ウィルスから身を守るために消毒や清掃が注目されている。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、除菌、ウィルスの不活化と清掃を単一の洗浄剤で、且つ一工程の作業にて完結させ、人間に安全で環境負荷が少なく安価な組成物が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討した結果、上記の課題は次のような手段によって解決することがわかった。
即ち、除菌、ウィルスの不活化には洗浄剤のペーハー(PHという)が、大きく寄与し、PHの値が12以上であることが望ましい。また、たんぱく質や脂分を分解する成分として酵素を含みPH機能と相まって有力である。しかも、洗浄剤としての機能をより大きくするために、大豆脂肪酸石鹸が液中でコロイドであることにより課題を解決できる事が分かった。
【発明の効果】
【0006】
清掃対象物を本発明の洗浄剤に浸漬した布等で拭き掃除を行うことだけで、付着する細菌を除菌、ウィルスを不活化することができる。また、大豆脂肪酸石鹸を加えて滑り性を向上させたことで、一つの作業で二つの効果を生み出す本発明の洗浄剤は、作業効率を大きく向上させて優れた環境を作り出している。
【発明を実施するための形態】
【実施例0007】
炭酸ナトリウム5~7重量部、メタケイ酸ナトリウム2~4重量部、酵素0.05重量部、精製水92重量部を混合した。
該洗浄剤を10倍に希釈してウィルス不活化試験を行った。この液のPHは12.4であった。
概要
試験実施者 山口大学共同獣医学部
供与ウィルス SARS-CoV-2 デルタ株h CoV-19/Japan/TV11-330-P1/2021
ウィルスストック液(2%FCS DMEM)をMilliQで10倍希釈
方法
2.10秒又は1分間反応後、各反応液を10倍段階希釈した。
3.VeroE6/TMPRSS2細胞を用いて。プラーク法によりウィルス力価を測定した。
結果と考察
反応後、試験液において、10秒、60秒後ともに、コントロールと比較して99.97%の減少率でウィルス力価の減少がみられたことから、試験液の不活化効果が確認された。
実施例1と同様の条件でノロウィルス(代替ネコカリシウィルス)とインフルエンザウィルスをプラーク法によりウィルス力価を測定した結果、コントロールと比較して99.9%減少率であり、ウィルス不活化の効果が確認できた。(山口大学共同獣医学部にて検証)