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  • 特開-ボウル型パーツフィーダ 図1
  • 特開-ボウル型パーツフィーダ 図2
  • 特開-ボウル型パーツフィーダ 図3
  • 特開-ボウル型パーツフィーダ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091193
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】ボウル型パーツフィーダ
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
B65G47/14 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022212937
(22)【出願日】2022-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】392014760
【氏名又は名称】新光機器株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】506332937
【氏名又は名称】株式会社フィーダシステム
(72)【発明者】
【氏名】蕗澤 武夫
(72)【発明者】
【氏名】浅井 直樹
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA32
3F080AA35
3F080BA02
3F080CB02
3F080CB11
3F080DA01
3F080DA11
(57)【要約】
【課題】 クリップ等のワークを整列させて供給するとともに、絡まったワークを剥がして搬出路が詰まることを防止し、安定した部品供給を行うボウル型パーツフィーダを提供する。
【解決手段】 ワーク100を投入する平面略円形の部品収容部1と、振動を与えることでワーク100を搬送する搬送路2と、前記搬送路2から搬送されたワーク100を垂直に整列させる整列路3を備え、該整列路3から搬送されたワーク100を垂直のまま搬送する搬出路4を有し、該搬出路4から搬送されたワーク100をボウル型パーツフィーダ外に搬送する直進フィーダを構成し、前記整列路3の基端側に位置する側壁7に外側面から内側面へ向けて下る傾斜を成したアーム9を設置した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを投入する平面略円形の部品収容部と、振動を与えることでワークを搬送する搬送路と、前記搬送路から搬送されたワークを垂直に整列させる整列路を備え、該整列路から搬送されたワークを垂直のまま搬送する搬出路を有し、該搬出路から搬送されたワークをボウル型パーツフィーダ外に搬送する直進フィーダを構成し、前記整列路の基端側に位置する側壁に外側面から内側面へ向けて下る傾斜を成したアームを設置したことを特徴とするボウル型パーツフィーダ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬出路の詰まりを防止するボウル型パーツフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されるように、搬送路に振動を付与してワークを搬送し、搬送路からワークを整列させて部品供給を行うパーツフィーダが知られている。特許文献1記載のパーツフィーダは、内部にスパイラル状のトラックを形成させたボウルを振動し、部品を搬送する振動パーツフィーダと、該振動パーツフィーダから部品を受け直線的なトラフを振動させて部品を搬送するリニア振動フィーダとを備えている。
【0003】
また、特許文献2記載のパーツフィーダでは、ボウル部の搬送路に隣接した側壁にスリットを形成し、該スリットをはさんで光電スイッチである投光部と受光部とを対向して設置し、前記光電スイッチの設置部より下流側搬送路には、前記側壁の切除部に開閉可能にシャッターを設け、かつ前記光電スイッチからの信号にもとづいて前記シャッターを駆動するシリンダを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-278634号公報
【特許文献2】実開昭59-119378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載のパーツフィーダでは、ワークを整列路で一定の姿勢に整列させた状態で搬出路へ搬送する。ところが、ワークがオーム型のクリップである場合には、任意のワークの底部に他のワークが入り込み、2つのワークが絡まってしまうことがある。
【0006】
通常、絡まったワークは姿勢が安定しないため導入部においてバランスを崩して落下するように選別される。しかし、ワークの搬送速度や振動の強さ等の変化によって正確な選別ができず、絡まったワークが落下することなく搬出路へ搬送されてしまうことがあった。絡まったワークが搬出路へ搬送されると、ワークが途中で引っ掛かり、供給を停止しなければならず、作業効率が著しく低下してしまうという問題点があった。
【0007】
また、このような問題を解決するため、特許文献2記載のように投光部と受光部とを備えた検出部を設置することで正規品から異形品を排除するパーツフィーダが知られている。しかし、この種のパーツフィーダは、例えばパーツの底部が半球状に膨出した形状であったり、パーツの底部に潰れや傷等が生じている場合には、投光部からの照射光がこの部分に当たって拡散等して、受光部が受光する反射光の強度が低下する場合があり、判定に誤りが生じる場合があることに加え、制作コストが非常に高いという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記従来発明における欠点を解消するためになされたものであり、正確かつ確実にワークの向きを揃えることができると共に、絡まったワークを引き剥がして搬出路の詰まりを防止する安価なボウル型パーツフィーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のボウル型パーツフィーダは、中央部にワークを投入する平面略円形の部品収容部と、部品収容部の外周にワークを搬送させるための搬送路、該搬送路から搬送されたワークを水平に整列させる導入部、該導入部で水平に整列させたワークを垂直に整列させ直す整列路、該整列路から搬送されたワークを垂直のまま搬送する搬出路、該搬出路から搬送されたワークをボウル型フィーダ外へ搬送する直進フィーダを有し、整列路の基端側に位置する側壁に外側面から内側面へ向けて下る傾斜を成したアームを設置したことを特徴とする。
【0010】
前記導入部は、その幅方向の断面において内側面から外側面に向けて下る斜面を成しており、導入部と隣接した側壁の下部に横溝を設けている。横溝の高さはオーム型のワークの幅方向において先端側より高く、前記ワークの底部幅よりも低い高さに設定している。
【0011】
これにより、導入部の傾斜によって導入部外側面に滑り落ちたワークは幅方向を上下にして先端側が側壁の横溝に入り込み、ワークの底部は横溝の入り口に引っ掛かる。すなわち、前記ワークは先端側を外側に向けた状態で幅方向を上下に水平方向に整列されて整列路へと搬送される。進入する向きが合わず、横溝に入り込まなかったワークは整列路へ搬送されず、回収路へと落下する。回収路へ落下したワークは、振動によって部品収容部へと戻され、再び搬送路へ搬送される。
【0012】
また、本来絡まったワークも姿勢が安定しないため導入部においてバランスを崩して回収路へと落下するのだが、ワークの搬送速度や振動の強さ等の変化によっては正確な選別ができず、絡まったワークが回収路へ落下することなく、前記ワークが導入部からはみ出た状態で搬出路へ搬送されてしまうことがあった。
【0013】
前記アームは、整列路前方の側壁に設置されており、外側面から内側面に下る傾斜を成している。アームは側壁から導入部へと跨り、導入部を斜めにはみ出るように設置されている。その結果、ワークが絡まるなどして導入部からはみ出た場合、前記ワークとアームが接触し、前記ワークが回収路へ落下するようになっている。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成された本発明のボウル型パーツフィーダによれば、側壁に外側面から内側面へ下る傾斜を成したアームを設置することで絡まったワークが搬出路へ進入することを防止し、搬出路の詰まりを防ぐことができる。これにより、作業を中止することなく、安定したワークの供給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るボウル型パーツフィーダの概略を示す斜視図である。
図2】本発明に係るボウル型パーツフィーダの要部を示す斜視図である。
図3】導入部、側壁、横溝の関係を示す模式図である。
図4】ワークの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ボウル型パーツフィーダは、中央部にワーク100を投入する平面略円形の部品収容部1と、部品収容部1の外周にワーク100を搬送させるための搬送路2、該搬送路2から搬送されたワーク100を垂直に整列させる整列路3、該整列路3から搬送されたワーク100を垂直のまま搬送する搬出路4、該搬出路4から搬送されたワーク100をボウル型フィーダ外へ搬送する直進フィーダ5を有する。
【0017】
前記部品収容部1は、ワーク100を投入する部位であり、この部分に投入されたワーク100が、ボウルに加えられる振動によって部品収容部1の外周側に隣接した搬送路2上に移動するように構成されている。
【0018】
前記搬送路2は、その幅方向の断面において内側面から外側面に向けて下る斜面を成しており、全体として螺旋状に形成されている。この搬送路2は、外周側に向かうにしたがって徐々に高さが増すように形成されている。
【0019】
導入部6は、その幅方向の断面において内側面から外側面に向けて下る斜面を成しており、導入部6に隣接した側壁7の下部に横溝8を設けている。横溝8の高さは図4に示すオーム型のワーク100の幅方向を上下とした先端側101より高く、該ワーク100の底部102より低い高さに設定している。
【0020】
これにより、図3に示すように導入部6の傾斜によって外側面へ滑り落ちたワーク100の先端側101が横溝8に入り込み、底部102は横溝8の入り口に引っ掛かる。すなわち、前記ワーク100は先端側101を外側に向けた状態で幅方向を上下として水平方向に整列されて整列路3へ搬送される。
【0021】
整列路3は、主レール31と下方レール32と上方レール33から構成される。整列路3の入り口における下方レール32と上方レール33は上下方向に並んでおり、上方レール33は内側へ徐々にひねった下り斜面として形成されている。最終的に上方レールの傾斜は無くなり、下方線と水平方向に並んで内側部へと設置される。
【0022】
導入部6から水平方向に整列路3へ搬送されたワーク100は、整列路3に沿って移動する。整列路3の上方レール33は内側へ徐々にひねった下り斜面を形成しているため、ワーク100は水平方向から徐々に上向きとなり、最終的には図3に示すような垂直姿勢となって整列して主レール31に底部102を支持されて移動する。
【0023】
9はアームであり、該アーム9は、整列路3の基端側に位置する側壁7に臨むように設置されており、外側面から内側面に下る傾斜を成している。アーム9は側壁から導入部6へと跨り、導入部6を斜めにはみ出るように設置されている。その結果、ワーク100が絡まるなどして導入部6からはみ出た場合、前記ワーク100とアーム9が接触し、前記ワーク100が回収路10へ落下するようになっている。
【0024】
なお、この実施形態でのアーム9は整列路3前方の側壁7から導入部6を跨がるように設置しているが、必ずしも導入部6を跨がるように設置する必要はなく、導入部6より前方を跨るように設置してもよい。また、該アーム9は、外側面から内側面に下る傾斜を成しているものであればよいものである。
【符号の説明】
1 部品収容部
2 搬送路
3 整列路
4 搬出路
6 導入部
7 側壁
8 横溝
9 アーム
図1
図2
図3
図4